【労働】月給20万円から"残業代ゼロ"のシンガポールを、日本は模倣できない | 今日もシンガポールまみれ [7/23]

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月給20万円から"残業代ゼロ"のシンガポールを、日本は模倣できない: シンガポール雇用法/今日もシンガポールまみれ 2014-07-23
http://uniunichan.hatenablog.com/entry/20140723EA

日本では「年収1千万円以上で残業代ゼロ」と大騒ぎですが、シンガポールでは
「月給20万円で残業代ゼロ」が施行されています。基本月給が2,500シンガポー
ルドル(20万円)より多いデスクワークには、サービス残業などではなく、合法
的に残業代ゼロ (ホワイトカラーエグゼンプション) の労働契約を結べます。
この月額S$2,500(20万円)は給与相場上昇などの影響で2014年4月に金額が上が
ったもので、それ以前はS$2,000でした。S$2,000をアベノミクス以前の円高レ
ートで計算すると、わずか13万円です。
S$2,500は、シンガポールで労働ビザを取得している日本人であれば、ほぼ全員
が残業代ゼロの対象となる給与額です。

◆シンガポールで残業代ゼロの根拠は雇用法
基本月給20万円、というしきい値はシンガポールの雇用法 (Employment Act)
が根拠です。雇用法記載内容を全て保護されるデスクワークの仕事は、月額
S$2,500(20万円)以下なのです。シンガポールでの残業代ゼロは年収にすると
240万円からで、これに加えてボーナスや諸手当が出ることも多いですが、日本
での年収1千万円と比べると雲泥の差です。
ワークマンと呼ばれる単純労働者(例:トラック運転手・建設現場作業員・厨房
助手・機械オペレーター) では基本月給$4,500(36万円)以下が残業代ゼロの対
象です。これは、就業時間に成果が正比例するブルーカラーと、必ずしも正比
例せず属人性が高いホワイトカラーとの違いです。ブルーカラーがより保護さ
れる対象です。

基本月給がS$2,500を超えると、残業代ゼロをオプションとして雇用契約に盛り
込めます。残業代を支給する雇用契約も可能ですし、支給しない雇用契約も可
能です。雇用法では50%増しとなる残業代支給が義務付けられていますが、基本
月給S$2,500を超えると、残業代での雇用法対象外になり、残業代ゼロの労働契
約や就業規則 (Company handbook) を結べるようになります。S$2,500を超えて
いても、シフト勤務者などの職種では残業代が払われる勤務実態と労働市場に
則した労働契約になっていることが多いです。

◆シンガポールでは雇用法は二段階適応
シンガポールの雇用法は二段階で保護の対象が分かれます。最初は基本月給が
S$2,500で、次はS$4,500です。

基本月給額 雇用法の適応範囲
S$2,500以下 全ての雇用法の保護下
S$4,500以下 雇用法のうち給与保護と傷病休暇と不当解雇が対象
S$4,500より上 雇用法の保護外。雇用契約と就業規則に基づく

労働省(MOM)は$4,500以下で70%の労働者が対象になっていると言及しています。

◆雇用法保護外の労働者の権利保護
シンガポールで雇用法保護外の労働者が、どのように権利を保護されるのでし
ょう。
労働組合が活躍している?いいえ、違います。シンガポールで労働組合はある
企業もありますが、ストライキが法律で許されていないなど、権利の行使に制
限があります。
政府の監督が強い?いいえ、違います。政府が監督するのは、雇用法対象のみ
です。雇用法内の労働争議では監督官庁の労働省(MOM: Ministry of Manpower)
が話し合いに入ることがありますが、監督官庁の対象を超えた指導や強制執行
権は当然ありません。
基本月給がS$4,500を超えると、雇用法は適応されず、雇用契約と就業規則に基
づく義務と権利の関係になります。労働省(MOM)は「雇用法適応対象外の労働者
は、雇用主が雇用契約に反したかどうかの判断には、弁護士に相談すること」
と明言しています。一定以上の給与所得者は自分の身は自分で守ることが求め
られているのです。(以下略。全文はソースにて)