「人材の宝庫」自衛隊員の活用について
http://ameblo.jp/satomasahisa/entry-11899539267.html 佐藤正久オフィシャルブログ「守るべき人がいる」 2014-07-25 12:30:49
本年4月4日、政府は、全国的な建設業の人手不足を解消するため、外国人労
働者の活用を拡大する緊急対策を決定した。新興国への技術移転を目的に労働
者を受け入れる「外国人技能実習制度」の期間を実質的に延ばしたり、帰国し
た実習生を呼び戻したりすることが柱となっており、平成27年度から始め、
東京五輪が開催される32年度までの時限措置となるとのことだ。
この緊急対策は、東日本大震災の復興促進や、今後の東京五輪開催へ向けた関
連工事、また安倍政権の積極的な公共事業の発注で不足する働き手を補うのが
狙いとされている。
だが、国内の治安悪化の可能性も否定出来ない安易な外国人労働者の受入れの
前に、「人材の宝庫」たる自衛隊員の活用を考えなければならないのではない
だろうか。しかし、自衛隊員の建設企業への再就職が、1通の通達により禁じ
られていたのだ。
平成18年の防衛施設庁(当時)発注工事において、官製談合により現職及び
OBが逮捕され、同年6月15日付けで「再就職に係る自粛措置について」と
いう事務次官通達が発出された。
この通達によれば、建設工事の入札・契約業務と隊員の再就職の関連性につい
て、「国民から疑惑の目で見られることがないようにするため、本庁(当時)
課長相当職以上の幹部職員については、離職後5年間、建設工事の受注実績を
有する企業への再就職を自粛」し、またこの自粛措置の発端となった企業に対
しては、「コンプライアンスが確立され、談合等に関与するおそれがないと認
められる間、同企業に対しては、防衛省職員(自衛官含む)の再就職を自粛す
るものとする」とされていた。
前述のとおり、通達において「改善措置が講じられ、コンプライアンスが確立
され、談合等に関与するおそれがないと認められるまでの間」とされているが、
既に8年余の年月が過ぎ、そして当該企業は、既に制裁(指名停止)を受け
ている。また国交省においても、業界内で努力されている旨、国交省監察が公
表していることから、査定官庁及び企業側のコンプライアンスが確立している
ものと考えられ、防衛省としても、総合評価落札方式導入や防衛監察本部設置
など必要な措置が講じられている。
昨年末に策定された防衛大綱、中期防においても、「退職自衛官の再就職支援
を行うことは国の責務であること及び退職自衛官の知識、技能、経験を社会に
還元する」と明記されており、前述のように国として建設人材の不足への対応
を検討している現状を踏まえ、民間需要への対応と退職自衛官の再就職援護環
境の改善を図ることは、国民の理解を得られるのではないだろうか。
また防衛省は、建設業界における査定官庁ではなく、調達等に伴う契約関係は
あるものの、個々の職務において密接な関係にあった場合、防衛大臣の承認に
より、再就職の透明性は確保されている。
(
>>2以降に続く)