奨学金の制度変更が進学行動に与える影響
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/14j037.html http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/14j037.pdf RIETI 独立行政法人経済産業研究所 佐野晋平 (千葉大学)、川本貴哲 (百五銀行)
高等教育費支出における私費負担割合の高さを背景にして、学費援助の拡充を
求める声は大きい。しかし、わが国において学費援助政策がどの程度進学に影
響を与えるのか実証的に示された研究は少ない。その原因の1つに識別の問題が
ある。識別の問題とは、奨学金が進学を促進したのか、奨学金受給と進学双方
に影響を与える観測できない要因による結果なのか、奨学金受給と進学の関係
を統計的に調べても断言できないことだ。
識別の問題を回避する理想的な状況は、全く同じ条件を持つ家計に対して、無
作為に奨学金を与えることで、受給者と非受給者の進学の差を比較する実験を
行うことである。しかし、現実にはそのような社会実験は実施できない。別の
方法は、制度変更によりあたかも実験的な状況が生まれた状況(自然実験)を
利用した分析を行うことだ。
日本学生支援機構の制度変更がこのような状況を提供してくれる。1999年に日
本学生支援機構の奨学金制度が変更されたが、その変更の1つに奨学金申請のた
めの収入基準額の変更がある。具体的には、それまで生活保護地域1級地に相当
するA級地の基準額は、2級地以下に相当するB級地の基準額より高く設定されて
いたが、制度変更によりB級地の収入基準はA級地のそれに合わせられた。これ
はB級地の進学予定者にとって奨学金申請資格の拡大を意味するため、彼らにと
っての進学費用が下がる状況が生まれた。
この状況を利用し、1996-2003年の市町村データを用いて差の差法により制度変
更が進学に与える効果を分析し、制度変更の影響の時系列的な推移を示したも
のが図1である。図1によると、制度変更により申請資格が拡大したグループ
(2001年の大学進学者)の短大・大学への進学確率は上昇していることがわかる。
ただし、その効果は制度変更直後に限定され、その後は影響が消えることが
示された。また、同じ制度変更に直面した地域内でも、所得水準によりその影
響が異なることを考慮し、過去の居住状態が観察できる個票データにより分析
しても、同様に受給資格が拡大したグループの短大・大学への進学確率は上昇
する結果を得た。奨学金を受給するための収入基準の緩和は、一時的とはいえ、
進学を促すのに一定の効果を持つといえる。
政策的な含意として、高等教育への進学を促すという目的を達成するためには、
奨学金の拡充および所得基準の緩和が有効であることを示唆する。一方で、政
策効果が一時的であることを考慮すると、費用対効果の面からの検証や労働市
場への影響といった視点からの分析が必要である。
図1:制度変更が進学に与える効果の推移
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/data/14j037_f1.gif 注:真ん中の太い線は制度変更の効果を示す係数、薄い線はそれぞれ95%信頼区
間を示す。
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