なぜ自民党は道州制法案を出せないのか
http://blogos.com/article/88456/ http://ameblo.jp/yzyoichi/entry-11877845150.html BLOGOS 山本洋一 2014年06月14日 13:15
※抜粋です。全文はソースにて
自民党が道州制への移行に向けた法案の今国会への提出を断念したようです。
安倍晋三首相が政権発足以降、道州制導入に強い意欲を示していますが、自民
党内の反対が強く調整がつきませんでした。道州制を公約に掲げる自民党が、
なぜ法案提出すらできないのでしょうか。
(中略)
安倍首相は政界きっての道州制推進論者として知られています。政権獲得を
目指した2012年衆院選では、自民党の公約に「基本法制定後5年以内の道州制導
入を目指す」と掲げました。すでに自民党は野党時代に基本法を作成しており、
これで大きく議論が前進するとみられました。
ところが政権を獲得すると、怪しい雰囲気が漂い始めます。反対派が陰でう
ごめき始めたのです。それが表面化したのが2013年参院選。公約に道州制導入
を掲げたものの、衆院選の際にあった「5年以内の導入」という言葉が消えました。
◇2012衆院選 自民党マニフェスト
「道州制基本法」の早期制定後5年以内の道州制導入を目指します。導入までの
間は、国、都道府県、市町村の役割分担を整理し、住民に一番身近な基礎自治
体(市町村)の機能強化を図っていきます。
◇2013参院選 自民党マニフェスト
地方自治体の機能を強化し、地方分権を推進するとともに、道州制の導入を
目指します。 指定都市における特別区の設置を実現しました。さらに多様な大
都市制度の導入を検討します。
◇J―ファイル2013 自民党総合政策集
『道州制推進基本法』を早期に制定し、地方な どの意見を十分に踏まえつつ、
国民的議論を経て、5年以内 を目途に道州制の導入を目指します。
最近の自民党のマニフェストを並べましたが、衆院選から参院選にかけて、
道州制に関する記述が大きく後退しています。参院選マニフェストと同時期に
発表したJ−ファイルには5年以内の導入と書いていますが、首相は国会答弁で
「これは公約ではない」と明言しています。後退を認めているのです。
なぜ自民党内に反対する声が多いのか。道州制になればお役御免となる都道
府県知事や議員、さらなる再編が進むであろう市町村の首長や議員が反対して
いるからです。国政選挙には地方の首長や議員の協力が不可欠。彼らの反対を
無視して道州制導入に賛成とは言えないのです。
昨日、政府が発表した成長戦略も同じ図式です。首相は有識者会議の口を借
りて法人税減税や農業、医療、雇用など岩盤規制の突破を図りましたが、党内
の族議員らの反発を受けて軒並み後退。何とか明記できたものも骨抜きの余地
を残す結果となりました。
激変緩和を求める業界の気持ちも理解できますが、そんな悠長なことを言っ
ているほどこの国に余裕はありません。自民党が本当に「日本を取り戻す」つ
もりがあるのなら、痛みをこらえて改革にまい進しなければなりません。道州
制も、成長戦略も。