http://www.linleygroup.com/newsletters/newsletter_detail.php?num=4881 iPhone 5が発表された際に、Appleは新しいA6プロセッサに搭載されている
CPUコアの詳細を明らかにしなかった。一方で最近では、AppleはARMから
Cortex-A9や次世代のCortex-A15のライセンスを受けるのではなく、独自にCPUを
設計したという情報が出回っている。AppleがiPhone5用のアプリケーションを
ARMv7sと呼ばれる派生のアーキテクチャ向けの再コンパイルを要求していることは、
A6がA5と同じCortex-A9を使っていないことを示唆している。また、
anandtech.comはA6に使われているCPUはAppleにより独自に設計されたものだとレポートしている。
AppleはA6プロセッサはA5よりも22%小さいとしていることから、ダイサイズは
およそ96mm2と推測される。おそらくA6はSamsungの32nmプロセスで製造されている
ことが予想されるが、確認されているわけではない。iPhone 5は従来の2倍の
GPU性能ということなので、とりあえずA5Xプロセッサと同じ4コアGPUを使っていると
仮定すると、A5Xを32nmにシュリンクしたものは82mm2となり、A6と比べると14mm2小さい。
A5Xのチップ面積のうちCortex-A9が占めるのはわずか7mm2であることから、
14mm2という面積は新しい設計のCPUや新しい画像処理プロセッサ(ISP)を搭載するのに
十分であると言える。
AppleはこれまでのプロセッサではARMからCPUコアのライセンスを受けていたが、
CPUの設計に興味を示した時期は2008年4月にPA Semiを2億7800万ドルで買収した
時まで遡る。この買収で得たものの中にはJim KellerとPete Bannonが率いる高性能な
PowerPC互換プロセッサを開発してきたチームも含まれていた。さらに重要なのは、
このチームのメンバーの何人かは90年代にDigital Equipment (DEC) でPA Semiの
CEOであるDan Dobberpuhlのもとで省電力なStrongARMプロセッサを設計していた経歴を
持っていることである。その一ヶ月後にはAppleは秘密裏にARMのアーキテクチャライセンスを
獲得し、ARM互換プロセッサの設計が可能な企業の一員に名を連ねることとなった。