小さくなって真中瞳に食べられたい

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デモが終了し、控え室に戻ってきた若菜。軽く胃のあたりをさすっている。

若菜:「・・・飲んじゃった」
P:「若菜ちゃんだいじょうぶ〜?デモの間顔色悪かったよ?」
若菜:「当たり前です!果肉だって聞いてたのに・・ あれ、なんなんですか?」
P:「あれかい?あれはねぇ、実は人間なんだよ・・」
若菜:「え!!?」
P:「ハハハ、冗談冗談。じゃおつかれ〜」
若菜:「・・・」

若菜は怪訝な表情を浮かべたままマネージャーと一緒に次の現場へ向かった。
さきほど若菜に飲み込まれたつぶ男たちは総勢500匹あまり、若菜の胃に到達していた。

実は『つぶつぶヲータ』プロジェクトはある製薬会社と厚生省、ドリンクメーカーが連携して計画された
人口削減計画の一端なのだ。現在の日本は雇用不足や福祉対策のために秘密裏に人口を間引きしなければ
国の存続があやぶまれるほど切迫しているのだ。しかし公に殺人をおかすわけにはいかない。
そこで考えられたのが、氾濫する若者のジャンクフード嗜好にのっとって「共食い」させてしまう方法だ。
最先端科学技術で人間を5ミリ程度に縮小させる。そしてホルマリンを飲料に加工した液体に混ぜて市販するのだ。
とうぜん、小さくされたつぶ男たちを本物の人間と疑う者などいない。いまの世の中なにが本物か偽者か混沌としている上に
メインターゲットとなる10代20代の女性たちはこういう新感覚を柔軟に受け入れられる時代なのだ。
現にイモ虫入りのキャンディーでさえコギャル層を中心にヒット商品となっているのだから。
縮小化される人間にはまずひきこもり、対人恐怖などで職にもつかずに停滞しているいわゆる「ヲタク」が第一候補となった。
余談だが次期商品として『リスと裸オジヤ』も用意されている。縮小化の対象は名前の通りである。

最初は浮かない表情だった若菜だが、じょじょにつぶ男を飲んだときの喉越しにかすかな快感を覚えていた。

マネージャー:「若菜ちゃん、さっきのドリンクどう?おいしかった?」
若菜:「う〜ん、最初ちょっとびっくりしたけど・・ つぶつぶがイイ感じ♪」

若菜は思い出すようにややうつむいたまま微笑を浮かべている。そして自分のバッグの中からさきほどの
デモのときの飲み残しを取り出してみた。もうほとんどつぶ男は残っていない。さっきのデモでほとんどのつぶ男が
若菜の体内に吸いこまれたようだ。若菜は栓をあけると残りのドリンクも一気に飲み干してしまった。
ごくり・・

若菜:「ぷはーっ♪ これってけっこうハマるかも・・」
マネ:「あんまり飲みすぎて本番中にトイレとか言わないでくださいよ」
若菜:「は〜い」

かわいらしい声で返事した若菜の奥歯にはすりつぶされたつぶ男のかたまりが挟まっていた。
つぶ男たちは若菜の胃底部に溜まっている液体にゆらゆらと漂い、声にならないうめき声をあげている。
ドリンクの量で胃酸の濃度が薄められているため、刺激を感じる者はまだいなかったが大量の水に押し流され
ほぼ真直にたたきつけられたつぶヲタクたちは、むせ返ったり打ち身をかばうようにうずくまっている。
若菜の健康な胃はおそらくは彼らの存在をすでに認識し、やがて消化活動をはじめるであろう。
女の子の体内に入りこんでしまったことを理解した彼らは助かりたい本能のままに複雑な形状をしている胃壁を
叩きつけ、あるいはよじ登って噴門を目指す者まで現れだした。しかしつぶ男たちが叩けど引っ掻けど若菜の胃壁に
傷一つ付けることすらかなわない。それどころか染み出した胃酸によってコブシを焼かれて絶叫する者が後を絶たない。
いよいよ若菜の胃は本来異物ともとれるつぶ男たちを消化する準備に入った。いつまでも消化しなければ若菜がひどく苦しむことになる。
胃はその役目を全力をもって果たそうと動き出し、やや落ちつきを取り戻していたつぶ男たちが再び騒ぎ出した・・。

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