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名無し調教中。:
我慢をして腸を掻き出し手早くフックを刺し、スモークマシンに引っ掛ける。
活きは良い為に、マシンに吊るされてもまだびくびくと暴れている。
こいつらの臭いや感触は最低だが、燻製にするとその感想はガラリと変わる。
チップの香りが臭みを消し、余分な脂を削ぎ落とし、旨みを閉じ込めるからだ。
脂に手こずりながら、処理を続ける間、出来上がった燻製の美味さを思い出していた。
生簀の中にはここ2〜3日で捕まえてきた獲物が7〜800になっている。
2週間は泥抜きする為に、餌を与えて放置する。
その隣にも3つ同じような生簀があり4日ずつずらして貯めてある。
そろそろ一つの熟成が終了する頃だ。
その生簀からいくつか獲物を取り上げてテイスティングをしてみよう。
とりあえず4つ、雄雌2つずつ、タッパーに詰めて母屋へと向かう。
蓋をする前にその中の香りを嗅いでみる。
ふんわりとフルーツの香りがする、いてもたってもいられない、心が躍る。
ピッタリと蓋をして、まずは風呂に入ろう。
体の隅々までを磨きあげ、指先の不快な臭いもなくなった。
さあ、少し早いけどディナーにしましょうか。
活きの良い雌を一匹掴み上げる、ジタバタと手の中で暴れて逃げようとする。
指の力を少しだけ入れてやると、キュウと呻きおとなしくなる。
おとなしくなった雌は掌の上で、くったりとし胸と腹がひこひこと動くだけ。
もう一度軽く握り締めて、右足を掴み、捻り上げて引きちぎる。
きぃぃぃぃ、悲鳴を上げる雌、足の付け根から溢れる血を口を付けて啜り上げる。
美味しい、塩味とフルーツの香りが口の中に広がる。
軽く握りしめると、腸が傷口から溢れ出し口の中に流れ込む。
甘い、発行したフルーツは嫌な臭いなどせずに旨みを口一杯に迸らせる。
手の中でぴくぴくとしか動かない雌は一旦置いておく。
毟り取った足を口に運ぶ、むっちりとした歯触り、下に蕩ける肉、最高であった。
食べ頃に育っていた、ポリポリと骨の感触が気持ちいい。
手に掴んだ本体を半分、腹の中程までをくわえて噛み千切る。
むちりっ、最高の歯触り、細い背骨は邪魔をしない。