210 :
名無し調教中。:
ぽってりとした雄、これだけは最低、臭いしベタベタの油、燻製にする。
逆にぽってりとした雌はとても美味しい、ムチムチの肉が弾ける。
舌触りも歯触りも格別の上物、程よい脂が後を引く。
4つのボックスに手早く分けてゆく。
身の締まった雄とぽってりとした雌を生簀に移しかえる。
上物には違いないが、泥を出させなければ味が落ちるのだ。
雑食の為に臭みが強い物が多い為に、食性を変えてやる。
私はフルーツのみを食べ続けさせる、甘味が加わって絶品になる。
雌はフルーツの酵素で肉の硬さも和らぎ、下で蕩けるようになる。
私の脚の長さ程の高さのステンレスの大きな囲い。
磨きあげられたステンレスの表面は鏡のように輝いている。
汚れなどあれば許しはしない、常に輝きを維持させる。
私が近づくと、さぁっと身近な物が逃げてゆく。
いくら餌をやっても懐きはしない、それだからこそ遠慮なく食べられる。
二つのボックスの獲物を、細心の注意を払って生簀に放す。
後の二つのボックス、併せて30程の獲物は腸抜きをする。
締まった雌は、乾燥させて出汁やさっと炒ってスナック代わりにする。
ぽってりした雄は腸を抜いて、フックで吊るして燻製にする。
どちらも腸を抜くからさっさと調理に係る。
雌の腹にペティナイフを宛てがい、さっと切り目を入れて指を差し込む。
それだけで腸は溢れ出すのだが、丁寧に指で掻き出すのが旨みの秘訣。
腸が残っていたら、臭みの原因になるからこの作業は大事なのだ。
10程の処理に5分もかからない、手馴れたものだ。
雄の腹もさっと切り裂くのだが、脂が多いために切れ味が悪くなる。
3つも処理をすればギトギトの脂に滑り、手を切りかねない。
今日は20程いる為に手がかかりそう、こんなのをポットベリーとでも言うのか。
切り裂いた腹は、二つに弾けるように分かれる。
その腹に指を差し込むのだが、なかなか慣れない、気持ちが悪い。
指に染み付く臭いも、最低で酷いものだ。