生体実験パート10

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493作者 ◆TJ9qoWuqvA
「いくわよ」
ビーナスは、ハサミをレーザーメスに持ち替えた。スイッチを入れると、メスの刃の部分が
青白く光り始める。素材は、金属ではなくレーザー光線その物なのだった。ビーナスは美
帆の両乳房の間にメスの先を当てると、眉ひとつ動かさずに、一気に肌に押し込んで、肉
を切り裂き、ヘソの下辺りまでの皮膚を切開した。
「ぎゃああああああ!」
美帆は、自分の体に起こった事が信じられなかった。レーザーの光線が、傷口を焼きなが
ら切断するので、血は殆ど飛び散らない。たちまち、焼け付くような激痛が襲ってきた。
「腹の皮を両側に広げて」
アテナが指示をした。ビーナスはレーザーメスのスイッチを切ってテーブルの上に置くと、
真ん中に切り込みを入れられた、美帆の腹の皮を大きく両側に広げ、金槌で五寸釘大のピ
ンを打ち込み、左右3か所ずつ、ベッドに打ち付けた。肺、心臓、胃、肝臓、すい臓、小腸、
大腸などの内臓が、全て晒け出され、外気に触れて、恐ろしい苦痛が美帆の脳裏を襲って
きた。まるで、理科の実験で解剖される蛙の様だった。
「ぎゃああああ!ぎゃあああああ!ぎゃあああああ!」
余りの恐怖と苦痛に、美帆の絶叫は止まる事がなかった。さすがに耳が痛くなったアテナは、
粘着テープを美帆の口に貼りつけた。
「んんんんん!んんんんんん!んんんんん!」
塞がれた喉の奥で、美帆は絶叫し続けた。四肢を痙攣させ、あらん限りの力でベルトを引き
千切ろうとしたが、被験体が暴れる事は、想定されているので、ベルトの強度は充分だった。