寝たきり患者の肋骨折った疑い 兵庫、看護師の女逮捕 3月11日19時33分
寝たきりの女性入院患者に暴行を加え、肋骨(ろっこつ)を折る重傷を負わせたとして、
兵庫県警は11日、同県佐用町の佐用共立病院(90床、穀内=こくない=隆院長)の
看護師、羽室沙百理(はむろ・さおり)容疑者(26)=佐用町山脇=を傷害の疑いで
逮捕し、発表した。
佐用共立病院では2008年12月〜09年1月、この女性を含む寝たきり患者計6人が
肋骨を折る事件が発生。調べに対し、羽室容疑者は6人への暴行を認めたうえで
「病院内の人間関係にイライラしていた。寝たきりで意思疎通できない患者ばかりを狙った」
と供述しているという。
佐用署によると、羽室容疑者は昨年1月中旬、肺炎で入院していた女性(当時85)の
胸を両手で圧迫するなどし、肋骨12本を折る重傷を負わせた疑いがある。女性は当時、
会話ができない状態で、骨折が見つかって4日後に肺炎で死亡した。司法解剖の結果、
肋骨は19本折れていたが、同署は死亡と暴行に因果関係はないとみている。
佐用共立病院では、08年12月に3階の病棟に入院していた別の女性患者(当時85)の
肋骨が折れていることが発覚した後、同じ3階の患者5人(70〜90代)も相次いで同様の
被害を受けた。6人は骨折後、いずれも肺炎や肺がんなどで死亡したという。
佐用署によると、羽室容疑者は06年9月から佐用共立病院に勤務。07年4月に別の
病院に移ったが、人間関係のトラブルが原因で辞め、08年4月から再び佐用共立病院で
働いていた。事件当時はこの6人の看護を担当し、うち3人の骨折を病院側に申告していた。
事件後は産休と育休を取っていたという。
佐用共立病院の鷹取久仁子看護部長(54)は11日夜、朝日新聞などの取材に
「(羽室容疑者は)患者さんに親切に接していたので、信じられない思いだ」と話した。
佐用共立病院は1968年に設立され、外科や小児科、脳神経外科など12診療科がある
総合病院。医療法人「社団一葉会」が訪問看護サービス施設などとともに運営している。
http://www.asahi.com/national/update/0311/OSK201003110085.html