1 :
名無し調教中。:
2 :
名無し調教中。:2009/02/17(火) 05:26:06 ID:n8m7c2wa
【
>>1乙中】
パッ パッ パッ パッ パッ パッ
[乙] .[乙] [乙] [乙] [Z] .[己]
‖∧∧ ‖∧∧ ‖∧,,∧ ‖∧,,∧ ‖∧∧ ‖,∧∧
∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)
( ). ( ). ( ) ( ) ( ) ( )
`u-u´ `u-u´ `u-u´ `u-u´ `u-u´ `u-u
3 :
名無し調教中。:2009/02/17(火) 10:59:04 ID:3P2mHvvA
4 :
名無し調教中。:2009/02/18(水) 11:01:52 ID:Abt+BjCl
いきなり保守
5 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 16:11:34 ID:Ei79Wmwp
デッサン
6 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 16:35:26 ID:MuviJiE6
>>1乙。
ここって即死回避的な事しなくていいんだっけ?
7 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 20:32:14 ID:EEbhze+E
新スレ乙です。
前スレは二人ほど職人さんが来てくれるようなので
一足お先にこちらに書かせてもらいたいと思います。
8 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 20:32:44 ID:EEbhze+E
クリスマスイブの夜。
子供にとって年に1度のお楽しみの夜。
でも、その日雄太は熱を出していた。
パーティーもごちそうもお預けになってしまい、
泣きながらベッドに入った。
ちゃんと寝ていれば、サンタさんが来てくれるからと、
お母さんに寝かしつけられたが、なかなか寝付けない。
(なんで、いつもぼくばっかり…。)
時計の針が12時を指して、
子供はとっくに寝静まる時間になっても、
雄太は眠れなかった。
突然。がしゃん、という音が部屋に響く。
誰かがおもちゃ箱をひっくり返したらしい。
「し、しまった。」
驚いてベッドから飛び出て、電気をつけると、
声の主があわてた様子でこちらを見ていた。
赤い服を着て、白いひげをたっぷりをはやし、
でっぷりと太ったおじいさんだった。
「も、もしかして、サンタさん?」
「あ、え〜と、その…。」
9 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 20:33:28 ID:EEbhze+E
おじいさんがまごまごしてるいと、
どこからか2つの声が聞こえてきた。
『ヤベェッスよ、マジヤベェッスよ。』
『どーするんスか、親方ぁ。』
おじいさんのポケットからトナカイの人形が2つ
転がり落ちると、ふわりと床の上に着地した。
それは動き出し、言葉をしゃべりだした。
『カンペキにバレましたよ。さっさと逃げましょうよ。』
『イヤ、もういっそ、このガキ殴って気絶させて
夢オチってことにしちゃいましょうよ。』
「お前たち…、なんてこというんだ。」
おじいさんがあきれたように、
トナカイの人形をたしなめる。
雄太は、信じられないことが起きて
目を白黒させている。
こほんっと咳払いをし、おじいさんが話し始めた。
「見つかってしまってはしかたないな。
その通り、私はサンタクロースだよ。」
「ほ、ホントにいたんだ。
会っちゃった。サンタさんに会っちゃった。」
雄太は熱を出していることも忘れて、大興奮だった。
10 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 20:34:00 ID:EEbhze+E
「君の名前はなんていうのかな?」
サンタクロースは雄太に優しく聞く。
「ぼく、池田雄太です。」
『オレ、スニファー。』
『オレ、クスクス。』
「よ、よろしく。」
雄太は小さなトナカイ達におじきをする。
「雄太君、お願いがあるんだが、
その、今日私に会ったことは
誰にも内緒にしておいてくれないかな?」
「え、なんで?」
「サンタクロースが本当にいることがわかると、
こっそりプレゼントを配る仕事が
しにくくなってしまうんだよ。」
「う〜ん。
わかったよ。だれにも言わない。」
11 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 20:34:37 ID:EEbhze+E
トナカイ達が横でゲラゲラ笑っていた。
『ブヒャヒャヒャ。ムリムリ。ゼッテェしゃべるよ、こいつ。』
『だよなぁ。子供はみんな嘘つきだ。』
サンタクロースがちらりとトナカイ達の方を見る。
「お前たち、それ以上うるさくすると、
また教習所送りにするぞ。」
雄太に話しかけるのとは違った、
厳しい口調でトナカイ達に言った。
『『ヒィっ。』』
「教習所」と聞いたとたん、トナカイ達の笑いが一瞬で止み、
ブルブルと震えだした。
『そ、それだけはカンベンしてください。
もう二度とあんなトコ行きたくねぇ。』
『ビクセン教官とかマジおっかねぇ。
あのヒト、トナカイじゃねぇ。』
「だったら、静かにしてなさい。」
『『スイマセンデシタ。』』
(きょうしゅうじょって何だろう。)
トナカイ達が急におとなしくなったのを見て
すごく怖いところなんだな、と雄太は思った。
12 :
名無し調教中。:2009/02/19(木) 20:57:17 ID:EEbhze+E
サンタクロースの口調が再び穏やかになる。
「約束してくれてありがとう、雄太君。
そうそう、私はサンタクロースだからね、
君にプレゼントをあげようと思うんだが、
何がいいかな。」
雄太は少し悩んでいたが、
やがて恥ずかしそうに言った。
「その、プレゼントじゃないんだけど、
ぼく、サンタさんになってみたい。」
「サンタに?」
意外な答えにサンタも戸惑った。
「ぼく、サンタさんのおてつだいが
してみたんです。」
サンタクロースはしばらくう〜んと
うなって考えていたがやがてゆっくりと話し始めた。
「雄太君。今すぐ君をサンタクロースに
してあげることはできないな。」
「やっぱりだめなの?」
「いや、まだだめと決まったわけじゃない。
君がサンタクロースになるためには、
テストをしなくちゃいけないんだ。」
13 :
名無し調教中。:2009/02/20(金) 12:15:32 ID:DxTaI8tT
14 :
名無し調教中。:2009/02/20(金) 20:11:06 ID:v/iuxNol
「テスト?
算数とか国語とか?」
「そういうテストとは少し違うんだよ。」
「じゃあ、なにをするの?」
「サンタクロースにふさわしい人間でいることだよ。
よく食べて、よく寝て、一生懸命勉強して、
たくさん外で遊ぶ。お母さんの言うこともちゃんと聞く。
これが来年まで続けられたら、
君に仕事を手伝ってもらおう。」
『『ブフッ』』
トナカイ達が吹き出した。
サンタクロースがまたちらりとそちらを見ると、
二匹は目をそらし、知らん顔をした。
15 :
名無し調教中。:2009/02/20(金) 20:11:40 ID:v/iuxNol
雄太は急に悲しそうな顔になった。
「ぼく、できない。」
「どうしてかな?」
「ぼく、体がじょうぶじゃないだ。
だから、ごはんもたくさん食べられないし、
あんまり外でも遊べないんだ。
病気にもすぐかかっちゃうし、
クリスマスパーティーだってできなかったし…。
だから、ぼく、できないよ。」
雄太は話しながら、
ぽろぽろと泣き出してしまった。
サンタクロースは雄太の頭を優しくなでる。
「そうだ、今年のプレゼントが決まったよ。
雄太君に丈夫で元気な体をプレゼントしよう。」
「え、ほんとに。」
「ああ、本当だよ。
それなら、がんばれるかな。」
「うん、わかった。がんばる。」
16 :
名無し調教中。:2009/02/20(金) 20:12:41 ID:v/iuxNol
雄太は涙をぬぐうと、少し笑顔になった。
「さて、私は次の家にプレゼントを届けないと
いけないから、そろそろおじゃまするよ。」
サンタクロースがポケットからそりの模型を取り出し、
床に置いた。
そしてポンポンと手を叩くと、
トナカイ達とそりがむくむくと大きくなり、
やがて本物のトナカイとそりになった。
「うわぁ、すごい。」
サンタクロースはそりに飛び乗る。
「言い忘れていたが、クリスマスの挨拶だ。
メリークリスマス。」
『じゃあな。』
『もーこねーかもな。』
サンタクロースを乗せたそりは
壁をすり抜けて空へ飛んでいった。
「め、メリークリスマス。」
雄太はそりの飛んでいったほうに手を振った。
やがて、ベッドに向かったが、
今度は興奮してなかなか寝付けなかった。
17 :
名無し調教中。:2009/02/21(土) 17:08:24 ID:kA4o362j
18 :
名無し調教中。:2009/02/21(土) 19:27:51 ID:95CnRNM8
翌朝。
雄太はベッドから起き上がると、
体が軽くなっていることに気づいた。
熱もすっかり下がっている。
(ホントだったんだ。
ぼく、元気な体になったんだ。)
うれしくなって、何度もベッドの上で
飛び跳ねてしまった。
興奮しすぎて枕元にあった両親からの
プレゼントにも気が付かない。
そうしてはしゃいでいると、
急に雄太のお腹がぐぅ〜と大きな音を立てた。
(なんだかおなかがすいてきたな。
そうだ。サンタさんのテスト。
ごはんをしっかり食べなきゃ。)
はっと思い出し、台所に走っていく。
「お母さんおはよう。
あさごはん食べたい。」
「雄太。もう熱下がったの?」
「うん、なおった。
ごはん早く。」
19 :
名無し調教中。:2009/02/21(土) 19:28:35 ID:95CnRNM8
お母さんは、病み上がりだからと、
少なめにご飯を用意したが
雄太はそれをぺロリと平らげ、
2杯もお代わりをした。
「おいしかった。おなかいっぱい。」
普段でもそんなに食べない雄太が、
急に食欲を出したのでお母さんは驚いた。
「どうしたの、雄太。
こんなに食欲あるなんて珍しい。」
「ぼくね、きのうね、」
サンタさんに、と喉元まで出かかったが、
ぐっと押さえ込んだ。
「なんでもない。」(あぶない。やくそくやくそく。)
「それよりお母さん。
きょうしゅうじょってなに?」
20 :
名無し調教中。:2009/02/21(土) 19:29:43 ID:95CnRNM8
その日から雄太はサンタクロースとの約束を
守るため、何事にも一生懸命取り組んだ。
早起きで一日が始まり、
学校には遅刻しない。
授業もしっかり受けたし、宿題も忘れない。
お母さんの手伝いも進んで引き受けた。
休み時間にはクラスメイトを誘って、
積極的に外で遊ぶようにした。
今まで、誘ってもあまり乗ってこなかった
雄太が、自分から遊ぼうといってくるように
なったので、みんな驚いていた。
でも、遊んでいるときの雄太の顔が本当に楽しそうで、
一緒に遊んでいるほうも笑顔になってしまい、
すぐに仲良くなることができた。
1日の終わりには、ベッドにもぐって、
心の中でサンタクロースにその日のことを報告した。
(サンタにふさわしい人間をめざして、
今日も1日がんばりました。)
そして、サンタ服に袖を通すところを
想像しながら、眠りについた。
21 :
名無し調教中。:2009/02/21(土) 19:30:23 ID:95CnRNM8
毎日が充実していると、
お腹がすごく空くようになる。
好き嫌いもしなくなった。
毎日、元気に遊んで、お腹をペコペコに減らしてくるので、
ご飯がおいしくて仕方がない。
お母さんは、食が細かった雄太が
たくさん食べるようになったのがうれしくて、
おいしいご飯を作るように頑張ってくれた。
雄太も、お母さんが喜ぶのがうれしくて、
どんどんお代りを頼んだ。
そうして、雄太はますます食欲旺盛になっていき、
いつの間にか、家族の誰よりもたくさん
ご飯を食べるようになっていた。
(ごはんってこんなにおいしかったんだ。
元気な体になってほんとうによかった。)
雄太はサンタクロースに感謝した。
そして、自分も絶対サンタになるんだと、
心に誓い、毎日を過ごしていた。
22 :
名無し調教中。:2009/02/21(土) 23:34:45 ID:9gCmgeYr
支援
23 :
名無し調教中。:2009/02/22(日) 21:55:33 ID:ytMoqlNH
ご飯をたくさん食べるようになり、
雄太はみるみる太っていった。
子供らしく、やわらかな脂肪が体全体に
ぷくぷくと付いていき、
大人よりたくさん食べるようになったお腹は
ぷっくりと丸く膨らんでいった。
ほっぺたはいつでも血色がよく、
みずみずしくふっくらと張っている。
体をよく動かしたので、健康的には問題はなかったし、
成長期だからと周囲は好意的に考えていた。
健康診断の結果に「太りすぎ」と書かれてしまったが、
お母さんはむしろ喜んでいた。
一番びっくりしていたのは雄太自身だった。
前の体より今の体ほうがずっと好きだけど、
こんなに太ってしまって、
実はちょっと恥ずかしい気もしていた。
24 :
名無し調教中。:2009/02/22(日) 21:56:10 ID:ytMoqlNH
自分の部屋で一人になったとき、
ベッドに腰掛けて、こっそりお腹を出してみる。
(ぼくのおなか、こんなに大きくなっちゃった。)
ふと、サンタクロースのお腹を思い出す。
何気なく、お腹を指でつついてみると、
指が吸い込まれるように沈んでいく。
そのままつまんだり、ゆすったりしてみると、
肉はぷにぷにと素直に指の動きに従う。
座った姿勢のために少したるんだ丸いお腹は、
半熟卵のようなやわらかさである。
大きなお腹を見ていたら、
ふと、音楽の教科書のたぬきの挿絵を思い出した。
ためしにお腹を思い切り膨らませて、
軽く叩くと、ぽんといういい音がお腹の中に響き、
お腹の表面が軽く波打った。
ぽこぽことリズムをつけて叩いてみると、
なんだか楽しくなってきて、
太っているのもいいなと思えてきた。
その後も、雄太は相変わらずごはんをたくさん食べた。
体重計の示す数字がぐんぐん伸びていくのが
少し楽しくて、少し恥ずかしい、
そんな複雑な気持ちだった。
25 :
名無し調教中。:2009/02/23(月) 20:45:26 ID:YdTuWUvx
1年はあっという間に過ぎていき、
ついに待ちに待った12月24日がやってきた。
今夜はずっと起きているんだと意気込んで、
その日の昼間は昼寝をしようとしたが
興奮しすぎてあまり眠れなかった。
でも、お母さん達には内緒でコーヒーも飲んだし、
ちょっと苦手な辛いガムも用意した。
雄太はドキドキしながら、時計の針が12時になる瞬間を
見守っていた。
そして、時計が12時を指したとき、
突然部屋が真っ暗になった。
雄太がびっくりして、電気をつけようとすると、
懐かしい太い声が聞こえてきた。
「メリークリスマス、雄太君。
電気はつけないでくれるかな?
おうちの人が来てしまうと困るからね。」
窓のそばに立つ太い影。
月明かりに照らされ、赤い服だとわかる。
サンタクロースに間違いない。
「あ、あの、め、メリークリスマス。」
26 :
名無し調教中。:2009/02/23(月) 20:46:24 ID:YdTuWUvx
「ぼく、1年間がんばりました。
え〜と、え〜と、」
緊張して、たくさん用意していたはずの言葉が
全然出てこない。
「分かってるよ。本当によく頑張ったね。
合格だよ。」
「ホント?じゃあ…。」
「もちろん、今夜は
君にもサンタクロースになってもらうよ。」
「やったぁ。」
興奮して叫んでしまう。
「し〜っ。夜は静かに。
サンタクロースの基本だよ。」
「あ、ごめんなさい。」
今度は小声で謝る。
27 :
名無し調教中。:2009/02/23(月) 20:47:04 ID:YdTuWUvx
「そういえば、
スニファーとクスクスは?」
「ああ、そうだ。
今日のパートナーになるんだから
ちゃんと挨拶をさせないとな。」
サンタクロースはポケットから
トナカイの人形を取り出し、
手をポンポンと叩いた。
前のように2体はみるみる大きくなり、
本物のトナカイになっていった。
『お久しぶりです。雄太さん。』
『ご無沙汰しています。』
「え、あの、
ごぶたさします…。」(なにそれ?)
雄太は、あのやかましいふたりがこんなに
落ち着いてしゃべれるなんて思わなかった。
「ふふふ。このふたりも、
少し言葉遣いを勉強し直したんだよ。
トナカイの学校でね。」
「教習所?」
「ああ、よく覚えていたね。」
28 :
名無し調教中。:2009/02/24(火) 00:10:27 ID:dpikTCq0
どこまで成長したか気になるぜー
そしてトナカイは調教後という
29 :
名無し調教中。:2009/02/24(火) 20:16:29 ID:rI0vBYnz
「さて、仕事の前にサンタクロースの
制服に着替えようか。」
サンタクロースはそういうと、
ポケットから着せ替え人形の着るような
小さな服を取り出し、手をポンポンと叩いた。
すると、それはあっという間に
立派なサンタ服になった。
「さあ、着てごらん。」
雄太はパジャマを脱ぐと、サンタ服を着てみた。
しかし、この1年でずいぶん大きくなった体には
サイズが小さすぎたらしい。
一生懸命お腹を引っ込めているのに、
ズボンのホックがとめられず、
ベルトは番外側の穴でも締められない。
無理やり着込んでみた上着も
ボタンが飛びそうである。
30 :
名無し調教中。:2009/02/24(火) 20:17:04 ID:rI0vBYnz
「ごめんごめん。
ちょっと小さかったね。」
(大きめにしたつもりだったんだけどな…。)
そういって、サンタクロースは
また手をポンポンと叩き始めた。
すると、みるみる服が大きくなっていき、
雄太にぴったりのサイズになった。
月明かりの下で見ると、
小さなサンタクロースそのものだ。
ぷっくりと出っ張ったお腹が
いかにもサンタらしい。
「なかなか似合ってるじゃないか。」
『よくお似合いですよ。』
『もう一人前のサンタですね。』
トナカイも蹄を鳴らして拍手する。
31 :
名無し調教中。:2009/02/24(火) 20:17:32 ID:rI0vBYnz
「最後にこれを渡しおこう。」
そういうと、サンタクロースは
雄太の胸に星の形のバッジをつけた。
「営業許可証だよ。」
意味は分からなかったが、
サンタクロースの胸にもおそろいの
バッジが付いていたので、なんだかうれしかった。
サンタクロースはそりをポケットから取り出すと
手を叩いて大きくし、トナカイ達をつないだ。
「雄太君はこのそりに乗って
子供達の家を回るんだよ。
君の配る分はそりに載せてあるから。」
『雄太さん。よろしくお願いします。』
『分からないことは僕達になんでも
聞いてくださいね。』
「うん、よろしくね。」
32 :
名無し調教中。:2009/02/24(火) 20:18:12 ID:rI0vBYnz
「さて、準備は全部整った。
最後に先輩サンタとして、サンタの心得をアドバイスしよう。
サンタクロースは夢を与えるのが仕事だ。
だから、そのサンタ自身が夢を忘れてはいけないんだ。
君はこの1年間、サンタクロースになるという
夢のために頑張ってきたね。
その気持ちを忘れてはいけないよ。」
「はい、わかりました。」
サンタクロースはもう1組のトナカイとそりを
ポケットから取り出し、大きくした。
「それじゃ、頼んだぞ。ふたりとも。」
『お任せください。』
『いってらっしゃいませ。ご主人様。』
サンタクロースは、そりに飛び乗ると、壁をすり抜け、
一足先に夜空に飛んでいった。
(ゆめか。
今日ぼくのゆめがかなうんだ。
ぼくもがんばるぞ。)
サンタクロースを見送りながら、雄太は
これから始まる一夜に胸を膨らませていた。
33 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 01:16:08 ID:i9tPZZ+T
支援
34 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 04:47:25 ID:pZSpKkCE
35 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 05:02:47 ID:u4qadBua
そういえばなんか体が重たいような・・・ブハァー
36 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 06:53:03 ID:f6sLj+5W
あんな1000くらいで太ったりしないデブゥー
37 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 11:11:24 ID:i9tPZZ+T
なんか食欲増したような・・フゥ、フゥ
38 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 12:36:49 ID:nwTUtlEu
手軽で健康的に早く太れる方法を教えてください。
39 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 17:35:19 ID:NSnJ9EEk
相撲部に入部
手軽じゃないか……
40 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 20:51:37 ID:cQlq/f0Q
サンタクロースがすっかり見えなくなると、
スニファーとクスクスがゲラゲラ笑い始めた。
『ブヒャヒャヒャヒャ、大将カンペキに騙されてんの。
これで俺らは自由だぜ。』
『誰が仕事なんかするかっつーの。遊びいこーぜ。』
「え、こまるよ。
プレゼントとどけないと。」
『は?何言ってんだよ?嫌だよ。』
『一人で行けば?』
そう言ってふたりはまたゲラゲラと笑い始めた。
41 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 20:52:14 ID:cQlq/f0Q
雄太が困っていると、どこからかサンタクロースの
声が聞こえてきた
「お前達、そんなに教習所が楽しかったのか?」
『『ヒィっ』』
「雄太君に渡したバッジに通信機をつけておいたんだよ。
そんなに教習所に戻りたいのなら、
今度は直接ルドルフ宛で紹介状を書いてやろうか?」
((る、ルドルフ所長!?))
トナカイ達がガタガタ震え始めた。
『ご、ご主人様。
冗談ですよ。ははは…。』(このジジイ、全くヒトのこと信用してねぇ。)
『僕達働くの大好きですから。
トナカイの誇りですから。』(ホントにサンタかよ。)
「それならよし。
後で雄太君にお前達の働きぶりを報告してもらうから、
そのつもりでしっかり働きなさい。」
『『よろこんで。』』((チクショウ。))
42 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 20:54:03 ID:cQlq/f0Q
スニファーはふぅっとため息をつくと
通信機に拾われないよう小さな声で雄太に話しかける。
『しょーがねぇから協力してやるよ。
そのかわり、ダンナに余計なことしゃべんなよ。』
「ありがとう。」
『『じゃ、いきますか。』』
トナカイ達がそりを引き始めようとした。
しかし、ふたりの動きがぴたっと止まる。
『『んっ?』』
「どうしたの?」
『雄太、お前…。』
『重くね?』
こういう言い方をされると少しムッとくる。
雄太は丸いぽっぺたをむくれさせた。
「べつにいいもん。」
『まぁ、うちの社長ほどじゃねぇけどな。』
『そりゃそうだ、ブヒャヒャヒャ。』
(このふたり、
また教習所に送られればいいのに。)
やがて雄太たちも夜空へ飛び立っていった。
43 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 21:00:47 ID:cQlq/f0Q
終わりです。
前スレでSS書くのを遠慮してた方、
すみませんでした。
期待してます。
44 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 21:42:10 ID:aMKjR5Hw
雄太カワユスwwwSS乙でした!
45 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 22:10:07 ID:sM+Achaz
ファンタジィな感じなSS乙〜w
かわいいのうw
次は肉まんの人か?
46 :
名無し調教中。:2009/02/25(水) 22:57:06 ID:u4qadBua
SS乙!
サンタがサタンになって雄太がトナカイにでもされたりしないかと
ひやひやしたがハッピーエンドでよかったー!
47 :
名無し調教中。:2009/02/26(木) 10:05:31 ID:bUzvYxWZ
作者GJ!
48 :
名無し調教中。:2009/02/26(木) 13:26:17 ID:JL16JrCF
49 :
名無し調教中。:2009/02/26(木) 16:57:53 ID:DglErLsC
ssおつでした!ちょっと気にしてる感じが萌ゆるすww
ちなみに前スレ最後の方でファンタジーがどうのと言ってた者です。なんか急かしちゃったみたいですみません。
連日うpはちょっと難しいかもですが、がんばって続けられるよう投稿していきたいと思います。そいではよろしく。
50 :
戦士と盗賊と:2009/02/26(木) 16:58:22 ID:DglErLsC
「これで、この旅も終りってわけだ」
森の中のキャンプ、焚火を囲った男がそう言った。
男は兜を外し、脱いだ鎧をどさっ、と傍らに転がした。
「割と長いようで短いもんだな、今振り返るとよ」
「2年以上かかってんだから、長いだろ、十分」
言葉と共に、木の上から一人の男が降りてきた。
浅黒い肌のその男は、抱えてきた果物を脇に積んだ。
「くれよ」
「自分でとってこい筋肉ダルマ」
「ケチ」
素早く飛ぶ褐色の手が、そのしなやかな体躯に見合う無駄の無い動きで、何度も伸びてくる男の手を払いのけていた。
「こんなやり取りももう二年か…ま、城に戻れば報酬様が待ってるからな。今日ぐらい我慢してやるか。」
「ニヤけんな、気持ちわりぃ」
ぼんっ、と軽い音が響く。屈強な男の顔面に当たった大きな果物は、あぐらを掻いた脚の中に収まった。
「前祝いだ。今日ぐらい素直にやるよ。」
「素直じゃねぇなぁ」
「素直にやるっつってんだろーが」
そんなやり取りを続けながら、二人は朝まで話しとおしていた。
51 :
戦士と盗賊と:2009/02/26(木) 16:59:36 ID:DglErLsC
荘厳な、それでいて活気のある、大きな城。
城下町が一望出来る王座、その謁見の間。そこに今二人は居た。
王国領土内の野党、魔物討伐の旅、その終わりが今、正式に二人に告げられた。
「それでは当初の決めごと通り、我が国から報酬を授けます。」
王、と呼ぶには若すぎる、黒髪の少年が二人の前に立つ。
「…王様ってこんなちっせかったっけ」
「お前も二年前はこんなんだった気がするな」
「今マッチョしてっからいいんだよ別に」
カッ!と、杖の足を打ちつける音が響く。
すっ…、と睨みをきかせた目はすぐに緩み、少年は微笑んだ。
「前王は崩御なされて、今では僕が王の席を担っています。」
王への無礼な振る舞いがあっても周囲の人間が微動だにしないこともあり、少年からは王たる威厳が発
せられていた。
「まず、戦士であるライ殿。貴方には取り決め通り、報酬を授けます。」
「には?」
話を聞いていた二人は、同時に聞き返した。
「はい。盗賊であられるカウ殿、貴方にはその前科故に、少し条件を出させていただきます。」
「おい、話が違」
「まず聞いてください。少なくとも悪いばかりではない条件です。」
むっ、と口をつぐんで、カウは出しかけた手をひっこめた。
「まず、この城内に限り一定の権限と財産を授けます。施設や人材の利用や飲食も自由とします。」
「まぁそりゃ、トップレベルの泥棒野放しには出来ないわな」
ごすっ、という鈍い音がライの体の中を駆けた。頬にはカウの鉄拳が飛んでいた。
「まぁ、そういう事です。望むなら付き人も付け、自由に暮らしてください。城内のみですが
。」
52 :
名無し調教中。:2009/02/26(木) 18:53:28 ID:SGuw0GbN
ついにこのスレにも絵師様が…。
服がパッツンパッツンで苦しそう。
いいぞ、もっとやれ。
SSも乙です。
筋肉質&スマート?がどうなっちゃうのか、
楽しみです。
53 :
名無し調教中。:2009/02/27(金) 15:13:18 ID:pQx1V8bv
SS乙!
>>48 イラストgj!
萌える太り方ですね
これじゃもうゾンビ避けられないwww
54 :
戦士と盗賊と:2009/02/27(金) 22:57:28 ID:CrfV8m1G
少し考え込んだあと、ライの口を手でふさぎながら、いくつか質問をした。
「いつまでだ?」
「貴方の盗賊としての名前が薄れるまで、それ以降はお好きに」
「牢に繋ぐ算段か?」
「国の誇りを汚しはしません。部屋も与えましょう。」
「仮にそんな生活の後、俺の報酬は残っているんだろうな?」
「報酬は別枠で用意しています。国としての要望なので、こちらは我々が勝手に負担します。」
「そもそも、イヤだと言ったら?」
「報酬はありません。御苦労さまでした。」
「ぶぁっ」
カウの手を払いのけて、ライがしゃべりだした。
「ちょちょちょそれずるくね!?俺には報酬だけで、コイツは報酬+豪遊期間付きってこと!?」
「あのなぁ、自由な分お前のがずるいだろ、普通」
「望むなら、ライさんもご一緒でも構いませんよ。」
「いいのかよ」
あまりにあっけなく進む会話に、思わずカウはきょとんとした。
言い出すライもライだが、即決で返す王もどうなんだ、と。
しかし内心、わけのわからない城で時間を過ごすだけよりは、旅仲間が一緒になってほっとした部分もあった。
「いいだろう、少し考えたいところだが、乗ってやるよ」
「それでは、こちらで用意をしましょう。お二人は先に、お付きの者をお選びください。」
そういうと王は奥の部屋へ向かい、代わりに両脇に並んでいた兵士、給仕、様々なものが、二人の前に並んだ。
55 :
名無し調教中。:2009/02/27(金) 23:39:47 ID:TYFHm1fy
戦士も一緒か。
これは面白いことになりそう。
疑問なんだが、名前が薄れるまでを拘束期間にしているけど、
名前が通ってないほうが盗賊的に仕事がしやすいんじゃないか?
盗賊としての名前を国民に忘れさせてから報酬を与えて、
一市民としてやり直すチャンスを与えるという意味か?
56 :
名無し調教中。:2009/02/28(土) 01:58:10 ID:8P1e6G9u
国を救った大盗賊に盗みに入られるよりかは、名無しさんに盗みに入られたって方が長い目で見て国の名誉が傷つかないってことじゃないか?
57 :
戦士と盗賊と:2009/02/28(土) 07:23:48 ID:8MBsssUa
「それでは、お召し物をこちらに」
広い、それでいて上品にまとまった部屋の中、ライとカウは着替えをしていた。
侍女に囲まれ、鎧や荷物を預けた後は、ただただ立ち尽くすだけだったが。
着替えを済ませてみると、二人はシャツにズボン、シンプルなバックルのあるベ
ルトと、いたって普通の普段着姿だった。
今後しばらく過ごす格好なのだから、と、特に気を使わないものをカウが指定し
たのだ。
「さすがお城アイテム、俺らのサイズぴったしの服まであるんだな」
ぴったりフィットしたシャツに筋骨隆々としたラインをアピールさせながら、ラ
イがそう言った。
「はい。ですが日常利用されるものなので、週に一度はお二人の採寸の時間を儲
けさせていただきますね。」
他に何か必要な物があればなんなりと、そうお辞儀をして、侍女達は部屋を後に
した。
やっとリラックス出来る状況に、二人は腰を下ろした。
「なんでだよ?」
「あん?」
58 :
戦士と盗賊と:2009/02/28(土) 07:24:31 ID:8MBsssUa
いきなり飛んできた質問の意味が見えず、カウは聞き返した。
「なんか用心深いお前にしては簡単に応じたなぁ、なんてな。俺まで乗っといて
なんだけど。」
「まぁ、いくつか理由はあるけどな。」
「ひとつ」
「旅に出る前に色んなとこから色々拝借したのは事実。かくまってもらえるなら
、そりゃ便利だ。」
「おま…だから俺だけ金無いのにお前余裕あったのか…ふたつ」
「金持たせたうえで、他の国に送ってもらえんなら、それも便利だ。」
「みっつ」
「追加報酬、どうせ余所に行くなら稼げるだけ稼いだほうがいいだろ」
「お前この城ん中で雑用でもするっつーのか?」
「バカか筋肉ダルマ。そこいらの彫刻だなんだに高そうな石がちらほらあんだろ
ーが。」
「ドロボウさん…!!」
「もう黙れお前」
「わりわり、よっつめは?」
「ま、たまにはリゾートなんてのもな。豪華な暮らしを好きなだけ…いいだろ?
」
「いつつ」
「もうねぇよ、十分だろこれで。」
そう言ってカウはライの額をこづいた。
「失礼します」
そんなやり取りをしていると、二人の男が部屋に入ってきた。
二人がそれぞれ選んだ、付き人だった。
59 :
名無し調教中。:2009/02/28(土) 09:58:09 ID:TyMoWF26
>>56 なるほど国の名誉のためか。
国が泥棒に仕事依頼したってのも
公に広まったらまずいしな。
つまんないこと聞いてごめんよ。
60 :
戦士と盗賊と:2009/03/01(日) 15:33:13 ID:brT+960Q
「は、初めまし、て!」
「どうぞ、よろしく」
緊張しているのか、同じ側の手と足を同時に出しながら歩み寄ってきた短髪の男と、ツンとした少年が挨拶をした。
「男かよ」
「お前もかよ」
ライとカウは顔を見合せながらお互いに言いやった。
「お前、ホモっぽい。つーかホモ。」
「うっせぇな、女の人より気ィ使わないんだよ、男相手の方が」
否定はしないような含み方をしながら、ライはそっぽを向いた。
「あ、う?ほ、戦士様、え、ほ?」
緊張と混乱でまわりきらないセリフに、カウがとどめをさす。
「頑張れよ、夜のお世話までな」
くくくっ、と笑うカウを尻目に、「大丈夫だからな、な?」と言い聞かせるライが余計に後押しをしているのは、本人は気づいていない。
「じゃあ泥棒のあんちゃんはショタコンかよ。だっりーなオイ。」
「アホかお前。ガキなら俺に悪さ出来まい。」
カウに負けず劣らず口の悪い少年らしく、これはこれで意気投合しているようにも見える。
「自己紹介は後だ後。メシ、用意してくれてんだろ?」
「は、はいっ!ただいまっ」
お腹を押さえながら訴えるライの様子に、付き人の男が慌てて走り去る。
食堂へ案内してくれるのか、部屋で用意してくれるのか、それを告げることもなく…走り去った。
「…バカの相手は間抜けに任せて、俺は城を案内してもらおうかチビ。」
「ドギー」
「おう。頼んだぜドギー」
おいてけぼりな会話を聞きつつ、空腹に耐えかねたライは二人を部屋から見送り、ベッドに横になった。
いつになったら、ご馳走には出会えるんだろう、と唱えながら。
61 :
戦士と盗賊と:2009/03/01(日) 16:12:53 ID:brT+960Q
カウとドギーは、城の中庭、庭園の中央にある噴水の脇に座り、話し込んでいた。
「なんだ、お前そんなことの為に王様の言うとおりにしてんのかよ」
「おう。まぁ正味な話、居心地悪けりゃとっとと逃げるつもりだけどな。」
「お前一人でか?」
「あんなんでよけりゃ欲しいならやるよ」
「薄情なヤツ」
けらけらっ、と笑うドギーにつられて、カウもくすくす含み笑いをこぼした。
「てか、俺にそんな事バラしていいのかよ?王様に言っちゃうぜ?」
「国の誇りを疑うような王なら家臣が愛想尽かすだろ」
「お前、ヤなヤツな」
そういいながらも、ドギーはカウに対して好意的に話していた。
「戻るぞ。そろそろメシ食ってないとアイツ干乾びてるだろうしな。」
「へーい、カウ様」
「様はいらん、好きに呼べばいいだろ」
頬をぽりぽり掻きながら、早足で部屋への道を歩き出した。照れた顔を見られないように、ドギーを後ろに引き離して。
62 :
戦士と盗賊と:2009/03/01(日) 16:13:14 ID:brT+960Q
「おむ、もはえひ!ほいうふっへっへひう」
「餌飲み込んでから話せ」
二人が部屋に戻ると、ライ達は食事の最中だった。
7,8人で囲めそうなテーブルに所狭しと置かれた料理を二人でつついていた。
「んぐ、こいつヒュッケって言うんだってさ」
言うなりライは、ヒュッケの頭をわしゃわしゃっとなでた。
「さ、さっきはその、すみまs」
「いやーしっかしンまいな、ここのメシ!流石王様のご飯って感じだな!」
「あ、それは別に王様が召s」
「つか食えって!もっと!ちょっとお前細すぎないか!?ちゃんと食わないとでっかくなれないぞ!」
「そ、その、僕あんまr」
「俺も昔はそんな体だったもんなぁ。つか、流石にこりゃ料理多すぎたな」
「悪いな、喋りまくるバカの相手させて」
空席に座り、カウは残り物に手を伸ばした。残り物と言っても、料理は半分近く手がつかずに熱を放っている。
その隣に座るドギーも、同じようにつつきながらも呆れたようにヒュッケを見た。
「4人分でも多過ぎだろこれ。ヒュッケもちょっと考えてオーダーとれよ。」
「そ、そんなこと言ったって戦士様が…」
そうもごもご呟きながら、ヒュッケは自分の取り皿に無理やり乗せられた取り分を頑張って頬張っている。
そのまま四人は話し込みながら、時間をかけてなんとか料理を片づけた。
「次はもっと控えた量にしろよ」と物語るカウとドギーの眼差しが、ライにきつく突き刺さっていた。
63 :
名無し調教中。:2009/03/01(日) 21:10:18 ID:vwX1CRRz
キャラが多くなってきたな。
肥満化していくにつれての4人の掛け合いも楽しみだ。
今から妄想が止まらない。
64 :
名無し調教中。:2009/03/03(火) 17:08:00 ID:jVX/EDNJ
続きを書きこもうとしたら、書き込み規制されてしまった…これって待つしか無い感じかな?
65 :
名無し調教中。:2009/03/03(火) 17:18:54 ID:VOILQ/22
66 :
戦士と盗賊と:2009/03/04(水) 10:15:19 ID:odjB50Nz
二人が城を訪れてから、二か月が経っていた。
「ライさん、カウさん、おはようございます!」
こんこん、というノック音とほぼ同時に、扉が開く。
毎朝の事、ヒュッケの来訪が目覚まし代わりになるのも、もはや習慣だった。
「…うす、メシは?」
寝呆け顔で出てきたカウが訊ねると、「いつも通りです」という答えが返ってきた。
「アイツまだ寝てるだろうし、叩き起こして」
「いえ、ライさんはもう食堂にいらっしゃいます」
「…そか、じゃ、俺も行くわ」
「おす、寝坊助」
肉を切る手を止めて、ライが手を挙げた。
「はよ。最近早いなお前。」
「逆、お前が遅いんだっつの」
カウが時計に目をやると、午前10時前を指していた。
「あー…だな、もう昼メシの方が近ぇな…」
「俺もう終わったぜ、メシ」
そういいながら、ドギーが料理を並べて、隣の席についた。
大皿が2,3品。朝食としては少し多い気もするそれに、カウは当然のように手を伸ばし始めた。
「ヒュッケはまだなんだな」
「ライが言うから、食事にはきっちり付き合うんだと。律儀だよな。」
「だな」
そう二人が目をやると、ヒュッケはライに並んで食事を続けていた。
そこに盛られた料理は、今から食べ始めるカウと同じかやや多めに見える。
「…太るぞ、あんなんじゃ。」
ぽろっとこぼしたカウの言葉に、ドギーも小さく頷いた。
67 :
戦士と盗賊と:2009/03/04(水) 10:17:01 ID:odjB50Nz
食事を終えて部屋に戻ると、大小のカバンを持った男達が数人扉の前に並んでいた。
「お食事はいかがでしたか?本日の採寸をいたしますので、ご用意をお願いします。」
侍女達に代わって採寸作業をするようになった者達だった。これも、気兼ねなく、ということでライが代替えを選んでいた。
「じゃあ僕、いつも通りトレーニングしてきます!」
「おう、頑張れよ!」
「毎度大変だな、お前も。」
「いえ、そんなことないです!楽しいですよ」
それでは、とヒュッケは部屋を後にした。
ここにきてしばらくした頃から、ライがヒュッケにしていた自伝のせいか、「ライさんみたいな体を作るぞ計画」というのが動いているらしい。
確かに最近のヒュッケは、出会った当初よりは少し体が大きくなった気はする。
「俺、隣の部屋にいるから」
採寸の時は付き人は席を外すということで、ドギーはいつも隣の部屋で待機している。
「うし、じゃあとっとと終わらせっか」
「そうだな」
手際の良い採寸作業で、伸びるメジャーはしゅっ、しゅっ、と部位を変え、測定していった。
「以上で採寸を終了させていただきます。すぐに新しいお召し物をご用意致しますので、少々お待ちください。」
「ああ、ちょっと待った」
道具を片づけ、部屋を出ようとする男達を、カウが引きとめた。
「最近その、なんだ、ちょっときつすぎやしないか?ぴったりの服だとよ。」
「と、仰いますと…」
「一つ、二つ、上のサイズでもいいだろ。少しゆったりしてる方が楽なこともあるんだぜ?」
「かしこましました。その様に手配いたします。」
「それと、少し肌寒いんだ。何か羽織るようなもんも用意してくれ。」
「かしこまりました。ライ様はいかがいたしましょうか?」
「俺?俺は別に、今まで通りでいいさ」
「はい。それでは、少々お待ちくださいませ。」
一通り会話が済むと、男達は部屋を出て行った。
68 :
戦士と盗賊と:2009/03/04(水) 10:54:10 ID:odjB50Nz
「裕福な国の中でも指折りなんだろうな、ここは。」
カウがそう、ライに返した。
服を着替え、ヒュッケが持ってきたお茶菓子をつまみながら、四人は話し込んでいた。
城内、城下に貧困の気配もなく、自分たちをこういう扱いで迎えられるのに兵力を持たないというのはどういうことなのか。
要約するとそうなる質問に、カウが自分の考えを話していた。
「基本的には平和に統治されているんだろ、ここは。賊も魔物もそこまで苦労しなかっただろ?」
「だな。ただ無駄に移動に時間かかったよな。」
「他国との友好関係も問題ないようだし、一部の連中が訓練して兵士を気取るだけでも困らないんだろうよ」
「ていうか、うちの城に兵士とか見たことないけどな」
ドギーがそう後押しするように、二人も城内でそれらしきものは見ていなかった。だからこそ、傭兵として依頼を受けたのだが。
「緊急事態には無力な代わりに、それが済めばただの豊かなイイところってワケね」
「おかげさまで、盗賊としての勘が鈍りそうだ」
そういいながらも、ライやドギーが伸ばす手の一手先早く、お茶菓子をつまんでいる。その手の早さに衰えはないようだ。
「それはそうとよ、カウ」
「なんだよ」
「最近太ったよな」
69 :
戦士と盗賊と:2009/03/04(水) 10:54:55 ID:odjB50Nz
ぴくっ、と一瞬カウの耳が動き、緊張が伝わった。
「そうか?気のせいだろ。」
すっと息を止めて胸を張り、体のラインが目立たないようにごまかした。
「いや、俺太ったって。メシ美味すぎるんだよなぁ、ここ」
そう言いながらライは、少し山なりになった腹をぽんっと叩いた。
なんだよ、お前の事かよ…そんな事を呟きながら、カウは目線をライの体にやった。
「…確かにな。ま、ろくに動いてないんだから、そりゃそうなるだろ。」
最近少し気になり始めた自分の体型の変化をもフォローするかのように、そう言って立ち上がった。
なるべく体の前面を見せないようにしながら、そのまま寝室へ向かった。
「ちと寝るわ。晩飯になったら起こしてくれよな。」
「おう、俺ら今からパイ焼き見に行ってくるな。」
「カウさんにもお持ちしますか?」
ぴたっ、と足を止めて、一瞬考えた素振りを見せた。不自然じゃないように気をつけながら自分の腹をさすって、口を開いた。
「いや、いい。ドギーも行きたいなら行っていいぞ。」
「ん、じゃあ、行ってくる」
寝室の扉を閉めたと同時に、低い声で腹の虫が鳴いた。
「我慢、がまん…」
70 :
名無し調教中。:2009/03/05(木) 00:57:12 ID:ueIu8cf/
ついに肥満化が始まったww
71 :
名無し調教中。:2009/03/05(木) 01:19:06 ID:ZH/0JhCF
すまんが正直に言うと
カウとライ、どちらが盗賊、戦士かわかりづらいです
気にしてるそぶりは美味いんだがどっちが気にしてるのかなーと
72 :
名無し調教中。:2009/03/05(木) 02:39:32 ID:ufKVYg8Q
ライ:戦士、豪快で太ったけどまぁいいやタイプ
カウ:盗賊、太り始めたのを否認的
ヒュッケ:ライ(戦士)の付き人、従順系
ドギー:カウ(盗賊)の付き人、ツン〜素直系?
こんな感じなのかな。解釈間違ってたらすまそ。
多分肥満化のくだりで、明確にどっちに対する動作か指されてないからわかりづらいのかな。一応、俺はなんとなくわかってるつもりでいるけど。
73 :
名無し調教中。:2009/03/06(金) 00:07:32 ID:TpRz6wf1
前スレで自己肥育してた人たちは順調に太ってるかな?
74 :
名無し調教中。:2009/03/06(金) 03:04:24 ID:RKBHTRfY
衣替えの季節も近いし
ピチピチになった様子を晒してほしいねぇ
75 :
戦士と盗賊と:2009/03/06(金) 05:36:32 ID:69LSZm/Z
「なぁ、カウ」
「んー…」
「おい、カウってば」
「おーう」
「聞けっ」
ばたんっ、と、勢いよくカウの目の前で本が閉じられた。
「おま…何すんだよっ」
こづこうと振り下ろした腕は、さっとかわされ空振りに終わった。
「俺の話、聞いてた?」
ドギーが閉じた本を返しながら、とんっ、とカウの額をこづいた。
「…えと、晩メシはシチューとチキンソテーと、昨日のンまかったな。あとデザートには」
「献立のリクエストは聞いてないだろ」
そっぽを向きながら、カウは小さく頷いた。
「俺達今日、王様に呼ばれてるから、大書斎へは自分で本返しにいってくれな」
「へ?僕も呼ばれてるんですか?」
「昨日一緒に聞いたろ。頭までライに似たのか筋肉バカ。」
「ら、ライさんの事、悪く言わないで欲しいっす!」
城で暮らし始めてから早くも半年。
カウはひがな一日、読書をするようになっていた。
ある程度城内のおいしいポイントは押え終わり、特にすることもなかったのだ。
『盗みに訓無し』
実践、現場で生きる職でこそあれ、特別に鍛錬などをしてきたわけでもないカウは、ライ達に混じって騒ぎまわる気にはなれなかった。
幸い、大書斎にある本のどれもが有益な知識に溢れており、カウは自室に持ち込んで読みふけるようになった。
「そんなわけだから、悪いけど今日は頼むな」
「ん、まぁたまにはいいだろう。」
見るからに濃厚そうな果物のジュースを飲みながら、OKサインを出した。
「あ、じゃあ僕、先に晩御飯お願いしてきまっす」
「ん、ライは?ほっといていいのか?」
カウが部屋の外をのぞくと、日向で横になっている大きな人影…ライの姿があった。
「お昼寝の邪魔しちゃ、ダメっすから」
76 :
戦士と盗賊と:2009/03/06(金) 05:37:36 ID:69LSZm/Z
「ふぅ…ちょっと遠いな、書斎」
夕日が差し込む廊下を、本を抱えながらカウは歩いていた。
後姿を見ると、小さく方を上下に揺らし、その足取りは少し重そうだった。
「自分で返しに行くなら、こんな重いもん頼むんじゃなかったな」
距離を歩くに連れて、ふぅ、と息をもらしながら、カウは書斎へたどり着いた。
抱えていた本を返却し、少し他の本を探そうと、奥の本棚を眺めに入っていった。
少し本棚を見回しながら、カウはその場に座り込んだ。
「…重かったのは、本だけじゃないって事、か」
ぼそっと呟きながら、本を持つのに邪魔だった自分の腹をさすった。
「でもそんな、ライみたくぶくぶく太ってるわけじゃないし、
最近よく物にぶつかるのだって、仕事してないから勘が鈍ってんだな。
メシ、だって、我慢して一日二回で…まぁ、常時おやつぐらいじゃ影響ないだろうし、
まぁ、ぱっと見ただけじゃそこまで太ったようには見えないよ、な。…な。」
半ば自分に言い訳するように、諭すように、ぼそぼそと呟いた。
ろくに運動もせずに豊かな食生活を続けた経過は、誰の目にも明らかだった。
たるんだ二の腕や膨らみを持った胸元や腹が、余裕を持たせた服にもしっかりと出ていた。
元々体が大きかったうえに、特に気にもせずに太りだしたライに比べればマシとは言え、その体型は並の肥満を過ぎ始めていた。
むしろ、常日頃一緒にいるライと対比されてしまうことで、周りもあまりカウに太ったとは言わなかったし、カウ自身も気づかないふりをしていた。
腹を揉みさすりながら、別にそこまで太ったわけじゃない、そのうち痩せるさ、と呟いていると、大きな腹の虫が鳴り響いた。
「…ま、今日ぐらい、思いっきり食ったってそんなすぐ変わらないって。」
自分に言い聞かせるように、カウはテーブルに並ぶ料理を思い浮かべながら部屋への道を戻った。
77 :
名無し調教中。:2009/03/06(金) 08:53:36 ID:UyG0JyYX
SS乙
もうこの時点で萌え死にそうなんだが
78 :
名無し調教中。:2009/03/06(金) 15:43:47 ID:Gpbe8qNS
戦士は並どころの肥満ではないとな……気になるぜぃ
79 :
名無し調教中。:2009/03/06(金) 22:24:24 ID:12zR3oU5
ヒュッケがww
身も心もガチムチになっとるww
80 :
名無し調教中。:2009/03/06(金) 22:38:29 ID:TpRz6wf1
いい具合に肥えてきてますなw
この国的にはカウはともかく他の三人はデブにする必要あるのかな?
王様の嗜好?
81 :
戦士と盗賊と:2009/03/07(土) 03:31:35 ID:teji2Zhb
繰り返し続く、一部を除いて変化のない日々が続いた。
そんな中、そのうちの変化の一つ、あることにカウが気づいた。
「ドギー、お前いくつだ?」
「な…さ、最近計ってねぇよっ」
「バカ、体重じゃねぇよ。歳だ、歳。」
そう指摘しながら、カウはわしっと赤面してるドギーの腹肉を掴んで揉んだ。
今まで極端に目立っていなかったが、最近急に太りだしてきたのだ。
「つ、つかむなっ!15だよ、15!」
「じゃあ知ってそうだな。色々文献も見たんだが、この国自体の情報がほとんど無い理由とか、知ってるか?」
「は?まぁ、国民は知ってて当然の事だし、いらないだろ」
「歴史典ぐらいあったっていいだろ。旅人だって興味持つはずだ。」
実際、カウ達は外の国でここの話を耳にして、やってきたのである。
その情報源がこの国に無いわけがない。カウはそう思い込んで、今まで気にもとめていなかった。
「…情報統制は王直轄の仕事だろ。俺が知るわけないっつの、よその事なんか。」
「そう、王もだ。謁見で会ったきりだが、あのボーズはきちんと政権を握れてる存在なのか?」
「お前なぁ、ああ見えて永遠侯は」
そのとき、どっどっどっ、と弾む音が響き、扉を開ける音が会話を遮った。
「ライさん、俺とうとう100kg乗ったっすよ!あれ、ライさん!?」
張り詰めたシャツにミドルスパッツ、むっちりした筋肉質の巨躯…ヒュッケが、そこに立っていた。
「…あのデブなら、今風呂行くっつって出てったぞ。」
「ありがとうございますカウさん!でも、カウさんだって太ってるんすから、デブはダメっすよ!」
そういいながら、抱えていたカウとドギー用、ライ用のおやつの束を降ろして、再びヒュッケは走っていった。
「…言うじゃねーか、あの筋肉デブ…」
「100って、元の倍じゃんか、倍。」
そうこぼしながらも二人は、置いていかれた箱の蓋を開け、積み重ねられたパイを頬張っていた。
82 :
戦士と盗賊と:2009/03/07(土) 03:32:46 ID:teji2Zhb
「おう、来たな」
「うっす!お背中流しまっす!」
ヒュッケが浴場に入ると、ライはその巨体を湯船から引き上げた。
元々の体格が活きたのか、確かに太りはしたが全身が均整とれて膨らんでいるように見えた。
それでも、胸筋ごと引き伸ばされた胸と大きな腹は、特別目立っていた。
「失礼しまっす」
最初のころは言葉通り背中を流していたのだが、いつの間にか全身をくまなく洗う作業になっていた。
背中から腕、脚、手が届きにくい腹の下まで丁寧にタオルを擦り付けていると、段々と興奮してくるのも、いつもの事だった。
「しっかしお前、いい体になったな。」
そういいながらライがじろじろとヒュッケの体を見回すと、むちむちとした濡れた体の先に、腰巻が盛り上がっているのが視界に入ってきた。
「焦んなくても入れさせてやるって」
頭をくしゃくしゃっと撫でられると、それにあわせるようにヒュッケの股間が縦に揺れた。
「た、たまには、前みたくしてほしいっすっけどね」
「わは、無理無理、腹が邪魔でちんこ埋まっちまってる」
そういいながらライが自分の腹を掴んで揺らすと、なんとか股間が盛り上がって肉の隙間ができているのが見えた。
そうこうしながら、二人は湯船の浅いところで体をすり合わせ始めた。
恥ずかしそうにしながらも、少し手馴れたヒュッケの手がライの体を這うたびに、ライの小声が湯船に静かに響いた。
「お、前、その、なんだ…もーちょいさわってくれねぇかな、その…ち、」
「埋まってるっすよ」
くすくすっ、と笑いながら下っ腹をつつくヒュッケの頭を抑えて、ライが小さく「ちく…」とつぶやいた。
「ごめんなさいっす」
そうにこやかに言いながら、ヒュッケは手の腹で乳首を押さえながら、やんわりと胸元を揉んだ。
83 :
戦士と盗賊と:2009/03/07(土) 03:35:43 ID:teji2Zhb
「濡れ場だな。」
「頭まで太ったのか。風呂は濡れるもんだろ。」
「エロシーンを濡れ場って い う ん だ よ 」
ぐっ、と伸びたカウの手が、ドギーの両胸を掴んだ。
「わ、おいっ」
「ほれほれ」
むにむにと揉む手は、ぱしっと払われた。
「せ、セクハラだぞっ!」
「お前、面白がって散々俺にやってたじゃねぇか」
指についたパイ生地のカスを舐めながら、カウは自分の胸をさっと押さえた。
「おかげで、乳輪でかくなるし、乳首は陥没しちまうし…」
とこぼすように、ぴっちり詰め込まれたシャツに浮き上がる胸元は、卵白のように盛り上がった中心が凹んで汗が浮いていた。
「カウが太り過ぎなだけだろ」
「ほっとけ。お前も太れ。」
一月前の採寸の時に設けられた数値測定で、カウは自分の体重が100kgの大台をあっさり超えていたことを知った。
部屋に鏡が備え付けられていなかったこともあり、その時まで心のどこかで「少し太った」「まだ平気」と信じていた部分があったのだ。
食い込むメジャー、見えなくなった足元、決定的な数字を目にしたときに、それは開き直りに変わった。
「俺はいいんだよ、そのうち痩せるから。」
それを口癖に、今までの我慢を取りやめ、今朝の数値測定で117kgという数字をたたき出していたのだ。
「俺が太ったら誰がお前の世話すんだよ」
「俺用、お前用に付き人つけさせればいいだろ。そうだ、100kg超えでもしたらお前に濡れ場、教えてやるよ」
「むっ…いいんだな、そんなこといって?」
「おうよ。ま、そんだけ太りゃ、紛れも無くデブの仲間入りだけどな」
はっはっは、と笑う声に合わせて、カウの腹がぼよぼよと揺れた。汗染みと菓子屑がこぼれたシャツは、容積が足りず伸びきっていた。
84 :
名無し調教中。:2009/03/07(土) 03:40:02 ID:teji2Zhb
次かその次で締めるかと思う。
元々字書きじゃないんで、不備があったらすまそ。
なるべく疑問点は残さないようにするつもり。
>>80 みたいな疑問とかあったら、きいてくれれば書き漏らしが減るかも。
85 :
名無し調教中。:2009/03/07(土) 08:34:10 ID:ACo8QiIy
実際に体重とか描いてくれると妄想しやすいな。GJ!
86 :
名無し調教中。:2009/03/07(土) 11:39:39 ID:NGtC1CMO
ガチムチktkr
いい肉盛だぜGJ−
87 :
名無し調教中。:2009/03/07(土) 13:21:13 ID:T0wp9hqx
すさまじいエロス・・・集団肥満化いいね!
ライがだんだん淫乱テディベ○と化してるwwというか雌ブタかなw
88 :
名無し調教中。:2009/03/07(土) 17:58:33 ID:iEIc2fpj
>俺用、お前用に付き人つけさせればいいだろ
倍々ゲームの予感
>>84 4人は相部屋?
89 :
名無し調教中。:2009/03/07(土) 20:17:56 ID:49WV4KyO
ライはすでに170〜180kgくらいか?
90 :
戦士と盗賊と:2009/03/08(日) 01:54:41 ID:S+v4Zkxc
ライとカウが城を訪れ…その姿を変え始めてから、早くも季節が一巡り。
その体躯に合わせ部屋を幾度と移り、付き添うように寝食を共にしてきたヒュッケとドギーもまた、しっかりと変わり続けた。
今までは席をはずしていた週毎の計測も、採寸の手間からか4人一緒に行うようになり、別個に連絡係も設けられた。
「それでは、何か御用があればお呼び下さい」
今朝の採寸を済ませ、男が去り際にそういい残し、部屋を出た。
「よし…じゃ、今日はドギーの祝賀会だな。」
「んなっ…なんのだよ」
「濡れ場デビュー」
にやつくカウの視線を受けて、ドギーは思わず身を引いた。
嫌な予感から逃げようと背中を向けるも、重くなった体が俊敏には動かせなかった。
「なんてな、冗談だ。冗談。」
後ろから抱き寄せて腹を揉みながら、カウが笑う。
「おいそこの、いちゃこいてるデブ。汗かいたから服借りんぞ。」
「自分の体と合わせてみてから言えデブ」
飛んでくるライの声に、振り向きもしないままカウが答える。
「お前が俺の服着たら伸びちま…」
そういいながら向けた嘲笑の表情が、一瞬、凍る。
カウの服はライの体に引き伸ばされるどころか、ゆったりとした余裕までもっている。
「…なんだ、新しい服が来てたんだな。」
「現実を見ろよ牛ちゃん…俺筋肉込み149kg、お前柔らかもっちり霜降り肉161kg
密度的にも数字的にも、どう考えたってお前の方が太ったんだよ…!」
「む…ぐっ…」
カウは冷や汗を流しながら、無意識に自分の腹を大きくさすった。
確かに、100kg超の揃うこの部屋でも、カウはダントツで空間を占めていた。
パッと見ても、ヒュッケは筋肉質にややむっちりが過ぎた程度、太ってはいても腕や足のつくりが違うライに比べて、純粋な脂肪太りの二人は大きく映った。
とはいえ、各々がデカいことになんら変わりはないので、言い合う事自体不毛な気もする。
「お、俺はいいんだよっ、そのうち痩」
言い掛けた常套句を遮って、コンコン、とノック音が響いた。
「失礼致します。ライ様、カウ様。並びにお付きのお二方。王様が、謁見の間にてお待ちです。」
王からの、突然の呼び出しだった。
91 :
戦士と盗賊と:2009/03/08(日) 01:58:38 ID:S+v4Zkxc
「お久しぶりです。いかがですか?城での暮らしは。」
広々として静まる謁見の間。一年前に同じ場所で会った、変わらぬ姿のあの少年、王がそこに座していた。
「文句なし。」
「俺も、別に問題はないな。」
赤い絨毯の横幅を圧迫するように座る4人のうち、前列に位置する二人が答えた。
「それはよかった。報告に聞くだけでしたが、お二人とも健やかに過ごされていたようで安心しました。」
報告、というのが採寸の事なのかと考えると、予めこうなるように仕向けられた事だったのかと、カウは自分の体をちらっと見回した。
「これが盗賊の無名化…いや、無力化か?確かにこんなに太っちゃ、仕事は出来ないな」
カウが考えていたことを、ライがそのまま口に出した。これには、カウも少し驚いた表情を見せた。
「俺達に、カウ、様…たちを太らせるように付き人をさせていたんですか?」
「いえ、そういうわけではありませんよ。結果的にはそうなってしまったみたいですがね。」
配慮が足りませんでしたね、と頭を下げる王に、突っかかろうとしたドギーも口を閉じた。
「本日は、これからのお話をしようと思い、お二人をお呼びしました。
こちらで定めたお時間は明日までとなります。ですが報告を受け、ただ報酬をお渡しするだけでは、少々不安の残る形となってしまいました。」
そう言われて、確かにこの太った体、維持にかかる食事量では、以前提示された報酬では今後暮らしていけるとは思えない。ライもカウもそれは考えていた。
「ま、まだあれだ、カウの名前は一般的にはそんなによろしくねぇんじゃ」
「大丈夫ですよ、ライさん。」
焦るライをなだめるように、王が微笑んだ。
「お二人が望むならば、西の塔を与え、今後の生活を保障しましょう。今の暮らしが続く、そうとってもらって結構です。」
謁見の間の後方テラスから見える、城の敷地内に建つ塔。その一つを、いわば部屋として。
「…それは、いいのか?」
「代わり、ですが、お二人にお渡しする報酬と渡国の援助は出来なくなってしまいますが。」
92 :
戦士と盗賊と:2009/03/08(日) 01:59:50 ID:S+v4Zkxc
一応、食いかかる素振りを見せたカウだったが、腹の中はもう決まっていた。
「ドギーと、世話役も何人か随時付けさせるぞ。」
「ヒュッケも、な。」
「ら、ライさん…!」
「いいでしょう。」
その場にいる全員がにこやかになり、部屋の移動の説明、手配をした後、王は謁見の間を後にした。
「こんなんに付き合ってたら、お前ますます太るな」
「誰もカウを抜けるわけないだろ」
「それはそうっすね」
「お前も最近太ったじゃねーか」
横槍を入れるヒュッケの腹を、ドギーがむにっとつまむ。
カウ達のように手のひらで掴む感じではなく、指先でつまむ程度だが、確かに筋肉以外のものがそこにあった。
「これはいいんっす。ライさんはむっちりも好きなんっす。」
「自分が太ったせいか、最近はデブも好きだぜ?」
「ぼ、僕、頑張るっす!もっとぶくぶく太るっす!」
突っ走る二人を横目に、カウとドギーは少し距離を空けた。
「幸せな奴等…」
呆れたように呟くドギーと目を合わせ、カウはあることを思い出した。
「そういや、前聞き忘れてたな。」
「何かあったっけ?」
「王の事だよ。今更だけどな。」
「あぁ、そういや永遠侯の話したような、してないような」
「それだ。その敬称しか聞いてないな。」
「永遠侯っていうのは」
93 :
戦士と盗賊と:2009/03/08(日) 02:00:38 ID:S+v4Zkxc
「ほい、一丁上がりっと」
一人の少年が玉座にぽんっと勢いよく座る。
「永遠の若さ、永遠の命、永遠の血。けど、国家はほっといたら死んじゃうもんね。」
「これでまた、有利な交易に繋がりますな。」
「旅人の終着点、帰る足も止まる楽園。また各国に良い噂、流しておいてね。僕の国、嘘は無いイイトコなんだし。」
「かしこまりました。」
「今回の旅人さんは太っちゃうパターンだったね。することないと、研究か筋トレか怠慢っていうのがお決まりだもんね。」
そう初老の大臣と話を弾ませていると、形だけの衛兵が二人、王の前に駆けてきた。
「報告します。野党の配備、食料の配送手配、完了しました。」
「報告します。お触れを見て、名乗りを上げた者が下の階で待機しています。こちらへお通ししますか?」
「いいよ。」
そういうと王は奥の間へと引っ込んだ。するとすぐさま、身なりを替え、背筋の伸びた格好で浅い立て襟をして、玉座の脇に立った。
「ビルト、また王様役よろしく。」
先ほどの初老の大臣は冠を抱き、玉座に一礼し、座した。
「我々を救って下さるという、勇気ある貴方達三人を、歓迎します。
討伐資金を少々ですがご用意致しましょう。勿論、討伐を終えた際には相応の報酬を授けましょう。
兵を持たぬ無力な我が国ですが、少しでも力になれるよう、ご協力いたしましょう。」
「それでは」
すっ、と玉座の脇に立つ少年が、旅人の前へ出た。
「旅のご用意をいたします。お伺いしたいのですが旅人様のご職業はなんでしょうか?」
「ふむ、ふむ。こちらのお二人が、戦士と盗賊と。」
「では、そちらの方。三人目の、貴方です。」
貴方の職業、なんですか?
94 :
名無し調教中。:2009/03/08(日) 02:02:50 ID:S+v4Zkxc
以上で、戦士と盗賊と、終わり。
自分の趣味詰め込んだ感じになっちゃったかもだけど、少しでも萌えてもらえたらなら幸い。
ミスあるかもなんで、何か質問とかあったらどぞー。
95 :
名無し調教中。:2009/03/08(日) 03:44:45 ID:rR/MMLx4
ほとんど毎日の執筆お疲れ様でした。
もしかして前スレの「二人で。」の作者さん?
カウ=牛はわかったけど、
ライには名前の由来はありますか?
96 :
名無し調教中。:2009/03/08(日) 04:38:14 ID:S+v4Zkxc
>>95 バレてるww当りです。
ライ=サイ
カウ=牛
ヒュッケ=猫
ドギー=犬
と、動物から引用ですた。ちなみに王は梟、それにちなんで大臣は鳥だったりします。
97 :
名無し調教中。:2009/03/08(日) 11:55:44 ID:HfCLHTDu
SS乙っすー。
存分に萌えさせていただきました!
ライは初めにホモと言われた時も否定していなかったので元々そっちだったのはわかるんですが、
当初はホモを嫌がってたヒュッケがライとラブラブだったり、それを茶化していたカウがドギーといい仲になってるのは
元からそのケがあったってことですかね?
それともこの飼い殺し状態による副作用によるものですか?
98 :
名無し調教中。:2009/03/08(日) 19:14:54 ID:S+v4Zkxc
>>95 嫌がってたというか、初めて見る実物に困惑する感じな子のつもりですた。
純粋系なので真面目に愛されればずるずる堕ちる感じのwww
カウはショタです。(
99 :
名無し調教中。:2009/03/08(日) 23:18:00 ID:HfCLHTDu
>>98 なるほど、まんまとライの魔の手に堕ちたんですな。
その堕ちていくのを想像するとますます萌えるカップルですw
ちょっカウww
ライのこと馬鹿にできないだろwww
まともサイトか何か欲しいよなぁ・・・このままSSがdatで消えるのもあれだし
wikiでも製作するかな、色々と面倒そうだが
SSGJ
元々物書きではないとおっしゃるが、文章結構お上手だと思うよ!(素人目線なんでアレだが)
ご馳走様でした、お腹一杯で太りそうですゲフー
そんな訳で前スレの肉まんの僕です
SS書き進めるにつれシチュも変わり、グロも無くなったが、なんか微妙な出来に……
でも折角書いたんで上げてみようと思う(←貧乏性
街が夕闇に飲み込まれてゆく頃。とある裏路地の一角から明るい光がこぼれ、壊れかけの街灯の代わりに道を照らす。
その小さな食堂は、開店から半年足らずで地元雑誌に取り上げられる程の人気店となった。今日も店内は、料理の匂いと客の談笑で満たされていた。
「でさぁ、オレもうソイツのKYに遂にブチ切れちゃって、辞めますっつって店飛び出してったワケよ」
「うわ、有り得ねぇー!」
今日、原口はバイト先で、前々から仲の悪かった同僚と激しい口論になり、腹を立てた勢いで辞職を宣言してきたばかりだった。そこへ偶然、友人の三浦から食事の誘いがあり、これまで抑圧してきたストレスをぶち撒けるちょうど良い機会となった次第である。
三浦はこのタイミングの悪さを、ちょっぴり心で歎いた。
「……んで? 次の仕事はどーすんの。いつまでフリーターするつもりよ」
「そーなんだよねー」
溜め息混じりに呟く原口の箸は、テーブルに並ぶ皿の中から餃子を摘み上げ、口へと放り込んだ。
「んー、美味い」
少し冷めた眼差しの三浦をよそに、原口はくちゃくちゃと咀嚼しながら喋る。
「飲食業とか良いかな。仕事はキツそうだけど、食事には困らなさそうだし」
「“まかない料理”狙いか」
「そうそう。食費って結構かさむからなー」
「だから就職しろって言ってんのに。そーやってバイトを転々としてばっかだから、収入も安定しねぇんだ」
「はいはい解ってますよ、っと」
適当な返事をしながら原口はメニューブックに手を伸ばした。この店のジャンルは中華であり、メニューにも漢字がずらりと並んでいる。
「何か頼むのか」
「まぁ、アルコールを」
「食費がかさむっつってたばっかだろーが」
「今日は特別なの、これが飲まずにやってられっか!」
「あっそ……解りました、付き合うよ」
原口は、無愛想な太目の男性店員を捕まえてジョッキ生をオーダーした。
一通り飲み食いを終えたところで、ふたりはしばらくたわいもない話で盛り上がっていた。そして、そろそろ店を出ようかと身支度を整え始めた頃。
「失礼します」
彼らのテーブルへ突然、見知らぬ男性がやって来た。
「ここの店長です。いつもウチをひいきにして下さいまして、ありがとうございます」
歳は20代半ばくらいだろうか。黒いエプロンを掛け、頭には白のタオルを巻いている。先程の店員とは違いしゅっとした体型の、笑顔が爽やかな好青年だった。いきなりの挨拶に、ふたりは「あ、どうも」と小さく会釈するしかなかった。
「これ、お客さんにサービスです。と言っても、試作品なんですけど。もしよろしければ召し上がってみて下さい」
店長はそう言って、ふたりに一つずつ小さな紙袋を差し出した。袋の口からわずかに湯気が溢れ出している。
「熱くなってますので、気をつけて下さいね」
数日後、原口はあの食堂にひとりで訪れていた。昼のピークを過ぎた頃、客は彼以外には居ない。
客席でいつもと違う静かな店内をぐるりと見渡す。例の無愛想な太目店員がテーブルを拭き掃除しているだけだった。
「お待たせしました、アルバイト面接希望の原口さんですね」
しばらくして、店長が書類とペンを持って、原口の座る席へと歩いてきた。エプロンとタオル、以前とまったく同じ格好で現れた店長に、原口は軽く会釈をした。
「あっ、よろしくお願いします」
店長は原口の向かいに腰掛けた。
「そういえば……こないだもウチに来てくれてましたよね」
「覚えてたんですか」
「ありがたい常連さんですからね」
「あぁそうだ、あの時のお土産頂きました。めちゃくちゃ美味しかったっス!」
あの日店長から貰った紙袋の中身。それは肉まんであった。小ぶりながらも、もっちりとした食感の外皮と、具材とあんの味付けの絶妙なバランスに、原口は舌を巻いたのだった。
「ホントに? 嬉しいなぁ」
店長は照れ臭そうに笑顔を頭を掻き、しかし心底嬉しそうな笑顔を見せた。
すごく気になってた肉まんの話がついに始まった
新スレに入って早々SSが豊作でうれしい限り
無愛想な男もフラグかなww
版権で肥満化ss書くとしたら、どんなんが需要あるのかな?
肉まんSS乙ー
続きが気になるw
>>108 前スレでは天外魔境Uの肥満化SSがあったね
あれは太らせる対象がデブ(ぽっちゃり以上)でかなり萌えた
でも、需要なんて気にしないで書いてもらいたいな
肥満化ネタさえあればどんなものでも食えるものww
>>108 肥満化ネタさえあれば基本的に美味しく頂けますが、
前スレの最初の方にあったやつみたいなデブをさらに太らせるのが特に好きです。
おっと集団肥満化好きを忘れてもらっちゃあ困るぜ!
集団はおもしろそうだけど難しそうでもあるな
個人的にはかなり見てみたい
>>112 登場人物のキャラクターができてて、
キャラ同士がうまく絡むとおもしろくなると思う。
単に多人数が太るだけだと1つ1つが薄味になりかねない。
でもやっぱり同時に何人も操るのは大変そうだ。
案内あっさりと原口の採用は決まり、早速店の中を案内された。カウンター席と対面している厨房。奥には狭い事務所と更衣室。特に凝った構造はしていないようだった。
今日のスタッフとも挨拶をし、一通りのガイダンスは終了した。時計は夕方4時を示している。
「じゃあ今日はこの辺で。明日からよろしくね」
「はい、頑張ります!」
原口がそう元気に返事をした時だった。
ぐぅぅーっ
「あ……」
彼は顔を真っ赤にして、腹の虫を戒めるようにへそに手を当てた。
厨房では夜の分の仕込みをしており、既に店内は食欲をそそる匂いが立ち込めている。さっきから原口は、口内で湧き出すつばを抑えるのにも必死だったのだ。
「あはは、もしかしてお腹空いてる?」
その様子を見て店長は笑い、ちょっと待ってて、と原口を再び席に着かせた。間もなく店長は、一枚の皿を持ってテーブルへ戻って来た。
「食べてってよ。ちょうど蒸し上がったところなんだ」
目の前に出されたのは、真っ白な饅頭であった。
「コレ、こないだの……?」
「まかないでも出してるんだよ」
予期せぬ感動の再会。原口は遠慮なく、その柔らかい生地にかぶりついた。
「いらっしゃいませー、4名様ですか? お席ご案内します、こちらへどうぞー」
「オーダーでーす……カニ玉1、エビチリ1、高菜チャーハン1、点心セット1、お願いします」
「原口くん、餃子出るよー」
「はーい了解!」
今日も店内には活気と食べ物の香りが溢れ、賑わっていた。
アルバイトで短い期間とはいえ、これまでの色々な職種での経験もあってか、原口はすぐにこの職場の雰囲気に馴染めた。
客の出入りが予想以上に多かった事には驚いたが、忙しさもあまり苦にはならなかった。店長やスタッフらとの団結力が、精神の疲労を軽くさせているのだろう。
店の営業は昼と夕方との2度。スタッフの勤務時間もそれに沿ってシフト制になっているが、時間を持て余している原口はそのどちらにも出勤が可能であった。時には一日中働く事もあり、期待の新人とも称された。
†††††††
「どうも、お疲れ様でした。じゃあ飯にしようか」
店仕舞いをし、一日の仕事が終わった頃。店長のその言葉を、待ってましたと言わんばかりにスタッフ達の返事が重なった。
スタッフ達が囲むテーブルに、所狭しと置かれた大皿。その多くは余り物を使った料理で、メニューブックでは見た事もないような物ばかりであった。それでも、テーブルの中央にはちゃんとあの肉まんのピラミッドが居座っている。
頂きます、と声が揃うとほぼ同時に、腹を空かした男達の腕がテーブル上に集まった。
(そういえば)
ふと、原口は肉まんを頬張りながら思った。
昼間のスタッフには、フリーター以外にも主婦等の女性が居たりする。が、学生も働いている夕方の時間帯は何故だか男だけだった。それも、お世辞にもあまり頭が良いとは言えなさそうな体育会系が多い。
「……ちさん……、原口さん」
と、右隣りから呼び掛けられて原口ははっとした。あの無愛想な太目のスタッフ――川上であった。原口の出身大学に在学中で、つまり彼の後輩にあたる。それをきっかけで仲良くなったのだが、意外と人懐こい性格で、第一印象とのギャップに原口は驚いた。
「食わないんスか? 要らないんなら、俺貰っちゃいますよ」
「あっ泥棒! じゃその焼売いただき」
取り皿の唐揚げを川上に奪われ、原口は逆に川上の焼売に箸を伸ばした。
(……まぁ良いや。それがどーしたってんだか)
若い男性ばかりの食事。皆よく食べるだろうから、という店長の心意気に応えるように、かなり多めに作られた料理は次々と売れていった。
「あー、食った食った……少し食い過ぎたかな」
げふっ、と小さなおくびを吐くと、原口は自分のベルトを緩め、少し盛り上がった腹を解放した。川上と競り合っている内に、いつも以上の量を食べてしまっていたらしい。
1ヶ月前とは比べものにならない程、明らかにグレードアップした食事に恵まれている今。それに伴う自身の変化になど、これまで原口はまったく目を向けた事などなかった。
ある日、昼休みを経て夕方の営業を再開したばかりの頃、店に三浦が勤め先の同僚を連れてやって来た。三浦達はメニューブックをしばし眺めた後、テーブルの側を通り掛かった原口を呼び止めた。
「元気そうじゃん」
「ぼちぼちな」
「お前顔腫れてるぞ」
「ちげーよバカ、肉だ肉。注文は決まったのかよ」
三浦のそれを冗談と知って原口は苦笑しつつ、オーダーを促す。しかし三浦はそんな原口の反応が面白くなり、更に茶化し始めた。
「んー、じゃあお前の身体に蓄えられてく肉まんを2つ頼もうか」
「言ってる意味が解りません」
「ほらこことか既に肉まんじゃん」
と、三浦はおもむろに原口の脇腹をシャツの上から、ぷにっと摘んだ。それが単純にこそばゆくて、原口は身体をよじらせた。
「うは、やめっ、アホかお前!」
「でも原口さぁ、何て言うか……最近丸くなったよな。それこそまさに心も身体も」
「ヒトコト余計なんだよ……。で、他にご注文は?」
三浦の言葉通りに、最近の原口はイラついたり愚痴をこぼしたりする事が減り、こんな冗談も笑って受け流せるようになった。ただ、精神的な変化は良いが、身体のほうについてはあまり笑えない状況であった。
体育会系のノリかー夜班が太目だけになるのかーw
>>113 一人称視点で
「なんか皆太ってるなぁ……あれ、俺も?」とかでも食える
多人数になるとどんなシチュかなー
クラス全体肥満化とか、相撲部の呪いとかしか思いつかん
いいなぁお腹の肉まん。
肉まんみたいなふかふかのお腹に抱きつきたい。
>>118 相撲部でしかも呪われるのか
相撲部が呪いをかけるのか
どっちにしても面白そう。
よければ妄想を書いてください。
痩せ型だらけの相撲部が願掛けしたらアンコ型に。
でも歯止めが掛からず延々とデブり続けて大惨事、と言うのはどうか。
「だってデブりたいって願掛けしたじゃんか」
仕事が終わり、原口は更衣室でひとり着替えていた。
シャツを脱ぎ、上半身があらわになる。自分の身体を見下ろすと、全体的に平らだった以前と比べて、若干の凹凸が見て取れた。
「……ホント、太ったな」
腹筋のラインが薄れ、なだらかな弧を描く腹部。摘むとグミのような弾力のある脇腹。妙な膨らみを帯びた胸部。
こうしてまじまじと自分の身体を眺める事はしばらくなかった為、原口は戸惑いを覚えた。だが、それをぺたぺたと撫で回す両の手の温度は、明らかに自身の感覚を刺激している。紛れも無い真実であった。
「今何キロあんだろ……うん?」
ふと部屋の隅に目をやると、棚と壁との隙間に薄い板のような物が置いてあるのに気付いた。引っ張り出してみると、それはデジタル式の古い体重計であった。
いつもまかない飯を鱈腹食らう自分達に、体調管理は万全にしろ、という店長のメッセージが込められているようにも思え、原口は体重計のスイッチを入れた。彼の記憶によると、1年程前に計った時には68キロ程度だった。恐る恐る、右足からそっと、乗り移る。
「はっ、はちじゅ……!?」
赤く光る数字が突き付ける現実。原口の胸に、ようやく現状に対する危機感が芽生えた。
しかしそれに加えて恐ろしいのは、自分だけでなく、周りの男性スタッフ達も肥大化している事だ。
「そーいや川ちゃんって」
「はい?」
とある日曜日の夕方。厨房内では、すっかり馴染みのコンビとなった原口と川上のふたりが、夜の営業に向けて仕込みの最中であった。
「何かスポーツとかやってんの?」
何気ない口調で、原口は質問を投げ掛ける。それに川上は質問で返答した。
「スポーツでもやってるような身体に見えますか?」
「いや、ま……柔道とかやってそーかなーって」
「まさかぁ、俺そんな筋肉ないですから。腹だってぶよぶよだし」
そう言って川上は、両手で自分の弛んだ腹の肉をゆっさゆっさと揺さ振った。
彼も元々大柄ではあったのだが、初対面の時よりも更にその横幅を広げている。まるでスイカを丸ごと飲み込んだかのように、丸く突き出た腹。顎をちょっと引けば、完全に二重顎。太目どころかデブそのものだ。
「原口さんはどーなんですか?」
「オレ? うん、高校までは陸上やってた。短距離走のタイム、学校で1番になった事もあるぜ」
「へえぇー、見えない」
「お前結構失礼な事言うのな」
「だって……ほら、それこそスポーツしてたようには、ね」
「う……」
痛い所を突かれ、原口の表情が固まった。川上には及ばないものの、彼の体重もまた右肩上がりを続けている。過去の輝かしい記憶を語られても、その重い身体を見せられては信じ難いものだ。
「な、何もしてないおデブには言われたかないねっ。ほら何だこの肉は!」
原口は半ばヤケに言い放ち、川上の横腹をシャツの上からわしづかみにした。
「あははは、やめて下さいよぉ! 原口さんだっておデブじゃないですかぁ」
大笑いする川上の発言に、原口はどきっとした。攻撃の手が怯んだスキをついて、川上も原口のぷっくりと膨らんだ胸をシャツの上から揉みだした。
「ぶあっ!? ぎゃははは、ちょ、バカ、ははは」
「あっ」
「うは……?」
じゃれあっていたふたりの動きが止まる。最初に川上が手の動きを止め、急に真顔になったのだ。それにつられるように原口も静かになり、その目線を追い掛けた。
「……ご、ごめん。お邪魔しちゃった、かな」
厨房の入口から、店長がちょこっと顔を出していた。
原口が咄嗟に川上の身体を押し退ける。恥ずかしい場面を目撃されたふたりは、顔から火が出る思いだった。しかし、目撃した側の店長のほうまで、何故かもじもじしながら顔を紅潮させていた。
「えっと、川上くん。ちょっと良いかな」
店長が川上に小さく手招きをした。あっはい、と川上は返事をすると、店長と共に事務所のほうへと消えていった。
(何やってんだオレ……ホモだとか勘違いされてたらどうしよう)
何とも言えぬ妙な不快感だけが、原口の胸に残った。それを払拭するべく、彼は仕込みの作業を再開した。
誰も居ない店内に漂う、食べ物の香り。寸胴はぐつぐつと音を立てながら、スープを煮立てている。隣では竹のセイロが幾つも積み重ねられており、静かに蒸気を噴き出している。
冷蔵庫に張り付いているキッチンタイマーは、沈黙を保ったまま。中華まんが蒸し上がる時間にはまだ早いが、セイロの一番上の蓋をちらっと開ける。そこには、いつもと変わらぬ姿の肉まんが4個、鎮座していた。
「あぁ、うまそう……」
原口はごくりと唾を飲んだ。思えば、店長の粋なサービスで貰ったこの肉まんに魅せられて、ここで働く事を決めたのだ。
商品として出す料理も、まかないも勿論、味に文句の付け所などない。だが、この店を代表するメニューとして挙げるならば、迷う事なく肉まんを選ぶだろう。と、彼は若干ぼうっとした頭で考えていた。
ぐるるるぅぅーっ……
膨れた腹の奥で、我慢に堪え兼ねた虫が鳴き始めた。川上と暴れた後という事もあってか、食欲が湧いてきたらしい。
――食いたい。
その4文字が後頭部辺りを過ぎったような気がした。既にその瞬間には、彼の右の指先はセイロの中を目指していた。
どーでも良いかも知れんけど、ここまでSSうpしといてタイトル付けるの忘れてたぜorz
途中段階の仮タイトルが『デブまん』だったんで、もうそれでいこうと思うがどうか
原口と川上のやり取りに萌えたwww
夜班肥満化きたー店員が全員3桁↑までいくと壮観だろうなw
厨房の暑さでふぅふぅ言うがいい
シンプル イズ ビューティフルでいいんじゃないかな>デブまん
部員減少→廃部で物置となった相撲部室
そこにふざけて進入した一味が…… てなのがベターか>相撲部
ギネスの番組いいね。あんだけ太るとやっぱ凄い事になってる
目黒さんリバウンドしたよね。
一時期けっこう痩せてなかった?
それにしても30代後半とは思えないかわいさだ。
はっ、と我に返る。白い表皮まであと数センチのところで、指先が止まった。
(……い、いやいやいや! 何考えてんだアホかオレ。コレはお客さんに出す商品だろ。盗み食い、つーか盗みになんじゃねぇか!)
原口はぶんぶんと頭を振り、自分のしようとしている事の重大さを考えた。当然の事ながら、そこにある中華まんはすべて“商品”である。
(でも、後でちゃんと金払えばお咎めナシなんじゃ……、ってそーいう問題じゃないよな)
ぐきゅるるぅぅううーーーっ
そうこう考えている内に、また胃が縮まるような感覚が彼を襲った。腹部が熱を発し、何でも良いから早く食い物を寄越せ、と執拗に訴えてくる――。
†††††††
はぐっ。むしゃむしゃむしゃ……ごくり。
厨房の奥にしゃがみ込み、熱々の肉まんにかぶりつく男の陰。原口は、自らの本能の前に屈する事となった。
「はぁ、うまい……ふぅ」
ふっくらとした分厚い皮。その中から溢れ出る餡。肉の旨味が十二分に凝縮された具。すべてが一体となって、舌の上で踊り、喉元を過ぎていった。
しかし彼には、その余韻に浸るような余裕はなかった。自身の肥満を気に掛けながらも結局食欲を抑えられなかった事、そして盗み食いをした事。一時の衝動に流された原口を、ふたつの罪悪感が支配していた。
あれから数ヶ月後。
あの日以来、原口は川上の姿を見る事はなかった。店長曰く、遠くへ引っ越す為に辞めたのだという。ちゃんと別れの挨拶くらいしてくれれば良かったのに、と皆寂しがった。
その変わりに、店は新たにスタッフを雇用し、原口も仕事を教えられる側から教える側へと回る機会が増えた。新人を教育する姿はだいぶ様になっており、彼自身も心に余裕を持って仕事に臨めるようになった。
精神的な成長に比例して、彼らの体重も増加の一途を辿っていた。まかない飯の量の多さにより胃袋は広がり、食欲も増大している。だがここ最近は特に、異常なまでに腹が空くようになっていたのだ。
仕事が終わり、店長のまかない飯を腹一杯食しても、帰宅する頃には腹の虫が泣き喚く。鞄の中には、常にスナック菓子が最低2袋はスタンバイしている。
そして今日も、夜の営業に向けて厨房は稼動中であった。ただでさえ火を扱う場所なのに、肥満した人間が数人集まれば、余計に熱がこもる。おまけに狭い。
ふう、ふう、と原口は呼吸を荒らげる。まだ彼程の脂肪を蓄えていない後輩には、決してわざとではないそれが大袈裟に見えていた。
「ちょっと、お手洗い行ってきます」
後輩が作業の手を止め、原口にそう告げる。おう、と彼が応え、狭い通路で後輩とすれ違う。ぼよんと互いの突き出た腹がぶつかりながらも、後輩はトイレへと走っていった。
……厨房には自分ひとり。先輩は材料の買い出し中。店長は日頃の疲れが祟ってか、事務所で椅子の背に持たれて眠っている――今だ。
周囲の気配を伺ながら、白い湯気を放つセイロへと近付き、静かに蓋を開ける。玉手箱のように辺り一面に広がる煙。やがて視界が開けてくると、美しい流線型を描く肉まんが。
彼の肉まんの盗み食いは、もはや常習化していたのだ。
棚の死角に隠れ、むしゃむしゃと肉まんを頬張る。あっという間にそれを平らげると、ちょうど後輩がトイレから帰ってきた。そして何事もなかったかのように、おかえり、と微笑みかけた。
「これは……いい加減ヤバイな」
夜12時を回り、ちょうど日付が変わる頃。いつも通り仕事を終え、まかない飯を食らい、更衣室で帰宅準備をしている時だった。
いつかのように、部屋の隅に置かれている体重計を引っ張り出す。ギシッ、という音と共に重量を刻む赤いデジタル。遂にその数字は100の大台を超えてしまっていた。
腹も胸も、もはやなだらかな曲線どころではなく、でっぷりと垂れ下がった脂肪で醜く歪んでいた。自分の意思とは無関係に、ちょっと動作する度にたぷんたぷんと揺れ動く。どんなに大きなサイズの服を着ようとも、原口のその体型を隠す事は不可能なレベルにまで達していた。
「どーしよっかな、ジムにでも通うかなぁ?」
ヤバイヤバイと口では日頃から呟きながらも、“ダイエットは明日から精神”で結局何も手を打ってこなかった。一時抱いた危機感ももう遠い過去の事のようで、原口の心の奥では、半ば諦めの雰囲気が漂っていた。
カチャッ
「はらぐちく……あっゴメン」
バタン
突然更衣室のドアが開き、声と共にすぐ閉まる。店長が上半身裸の原口の姿に驚いた様子であった。
「あー、店長? 大丈夫っスよ?」
原口がそう呼び掛けると、今度はゆっくりとドアが開き、店長が申し訳なさそうに入ってきた。顔を赤らめ、微妙に前傾姿勢になりながら。
「き、着替え中に悪かったね」
「いえ、気にしませんよ」
「ところでさ」
と、店長は後ろ手に持っていた小皿を原口の前に差し出した。ミカン大のかわいらしい饅頭が、ちょこんと乗っかっている。
「じゃーん。秋の新作」
「今秋じゃないっスけど」
「試作なんだけど、味見して欲しいんだ」
「良いんスか? でもそれなら、もっと舌の肥えた人に頼んだほうが良いですよぉ」
と、申し訳なさ気に言いつつ、原口は遠慮なく饅頭を摘んだ。
「いっただきまーす」
小さな饅頭を口に放り込んだ。柔らかい生地を噛み締めると、中から熱がじわっと噴き出して――。
「……あれ、何かヘンな味する?」
原口は眉をひそめ、困惑した。自ら調理道具を振るう店長の事だから、たとえ試作であっても、たいていの人間に美味いと言わせられるポイントを突いている筈であった。ところが今回のそれは、お世辞にも褒められるようなモノではなかった。
そんな原口の反応を見ても、店長は笑顔を崩さず――むしろ、口元がいやしく歪んだようにも見えた。
「そうだね。ちょっと、クスリを混ぜておいたから」
(え……っ?)
視界がぐるりと回転したかと思うと、原口の巨体はその場に崩れ落ちていた。
>>127 採用してみたw反応サンクス
ちなみに次回で終わる予定でっす
店長ww素敵な趣味をお持ちでwww
ネーム切って止めた本、しばらく出せそうにないし、ここでネタだけでも出しちゃおうかと思うんだけど、どうかな?
ちなみに版権なんで好き嫌いは分かれるかも。
デブまんwktk!
店長前傾姿勢wwwww
>>135 好き嫌いとか気にしないでいいですからネタだけでもぜひ見てみたいです!
ネーム?
本??
なんかすごいのきそうだ。
……色々な物が混ざったような複雑な匂いがし、鼻をつんと刺激した。まぶたを開くと、視界の中央には仄明るい乳白色の光があった。それは天井から吊された照明であり、原口は仰向けになって寝かされていた。
ゆっくりと重い上半身を起こす。着替え途中――トランクス1枚の格好のままであったが、それでもこの空間は充分に暖かい。
(眠ってたのか、オレ? ここは、どこ、だ……?)
辺りを見回すと、何処かの小部屋の中のようだった。隅にはポリバケツらしき容器が、幾つか重ねて置かれている。
はぐっ、うんうん……
妙な音が原口の耳に入った。ふと、背後に何かの気配を感じ、全身に緊張が走る。
意を決して振り返るとそこには、肌色の巨大な塊が、どんと佇んでいた。それが人間の後ろ姿であると気付くのに、原口は多少の時間が掛かった。
背中や腕には、大量の贅肉によってひだが出来ている。大きな肩を上下に動かす度に、あの耳障りな音を放っていた。
くっちゃくっちゃ、ごくん。
(何か食ってんのか? ……って、そんな事より)
ここを出なくちゃ、そう考えた時だった。
「おはよう。原口くん」
……店長の声がした。原口が正面に向き直ると、いつもの爽やかな笑顔で店長が立っていた。
「え、あ……てん、ちょう」
「まぁ、戸惑うのも無理ないだろうな」
そう言って店長は、口をぱくぱくさせるばかりの原口の前にしゃがみ込み、視線を合わせた。
「ここが何処かは、君が知る必要はない。折角の機会なんだ、逃がすワケにはいかないしね」
「……逃がす、って?」
「ちゃんと監視カメラに映ってたよ、君が肉まんを食べるとこ」
原口は目を見開いた。瞬間、ほぼ完全に薄れていた罪の意識が、色濃く蘇る。
「多少なら大目に見ようと思った。でも……僕のほうも限界だよ」
身体から血の気が引いてゆく。気が付いた時には、彼は店長を前に素早く正座をし、そのまま両手と額を床に引っ付けていた。
「ご、ごめんなさいっ! 腹が減ってて、その、限界で、つい……! あっ、お、お金! ちゃんと払いますから、だから」
ううん、と店長は首を横に振った。なおも顔色ひとつ変えず淡々と語り掛けてくる店長に、原口は不気味ささえ感じた。
「そういう問題じゃないんだ。警察沙汰にするつもりはないし、お金も要らない。その代わり、君には今までとは違う仕事をして貰いたい」
「もう一度、後ろを見てご覧」
今の原口に拒否権などないに等しかった。店長に促されるまま、再度振り向く。巨大な背中は相変わらず揺れ動き、ふう、ふう、と息をついている。
んく、くっちゃくっちゃ、ぶふっ……
耳を削ぎ落としたくなる程不快だった。と、背後から店長が声を発する。
「彼も、君と同じ事をしたんだ」
同じ事。それが何を指すかは訊くまでもなかった。つまりこのヒトは。
原口がそこまで考えた所で、目の前の巨体の動きが変わった。首、であろう部位をひねり、その横顔を見せる。
「川上くん、新しい仲間だよ」
店長は、聞き覚えのある名を巨漢に投げ掛けた。
「か、川、ちゃん……なの?」
原口の予想は半分的中した。それが自分と同じように盗み食いをし、ここに軟禁された元スタッフであるとは悟ったが、まさか辞めたと聞かされていた川上だったとは予想もしなかったのだ。
顔の作りに面影があるような、ないような。最後に目にした姿よりも更に肥え太り、何か別の生き物のようであった。口元は大量の食べカスが、汚らしく付着している。頬肉で上まぶたを押し上げられた目は鋭く、しかし生気が感じられなかった。
「店で出た残飯なんだけどね、それ。本当、美味そうに食べてくれて嬉しいよ。だけど、彼ひとりじゃまだまだ処理し切れないんだ」
店長のその言葉に、原口は震え上がった。仕事とは、文字通り残飯処理という事だ。ただ出された物をひたすら食らうだけの、豚と化してしまった川上に、彼は果てしない嫌悪感を抱いた。これまでの自分達が、まるで豚のように飯に群がりがっついていた事を忘れて。
(オレも、こんなになっちまう、のか……!? 嫌だ……イヤだ!!!)
「うぁ……うわあああああああああ!!!!!」
原口は突然発狂したかのように叫び出し、立ち上がった。店長の後ろに見える扉を目指し、駆け出す。ドアノブを渾身の力で握るが、回しても押しても引いても叩いてもぶつかっても、開かない。
逃げ道を塞がれた原口の肩に、店長が優しく手を置く。その笑い顔に、もう最初の爽やかさは微塵もない。耽美に浸るかのような、あるいは気が触れてしまったかのような、そんな異常さを孕んでいる。荒い呼吸が耳元に掛かるが、その音も彼の感覚には届かない。
「盗み食いまでして欲するくらいなら、ここでまた思う存分堪能してくれれば良い。これまで俺の料理、美味い美味いって言って残さず食べてくれてただろ。そうして皆がどんどん肥え太ってくのが、堪らなく愛おしかった……。そんな姿を、もっと間近で見せてくれよ」
原口の腰に堅いモノが当たる。肩の手が動き、でぶでぶに太った身体を舐め回す。そしていつの間にか、もう片方の手には小さな注射器が握られていた。
「もう何も考えなくて良い。今後とも、よろしくな」
†††††††
……どれ程の月日が過ぎたのか。もはやそんな事は何の意味も持たなかった。とある裏路地の一角、その小さな食堂の地下に、それらは蠢いていた。
ぶふぅーっ、ぱくっ、くちゃくちゃくちゃ、ごくん、ふぅーっ――
下品な音が部屋中に響き渡る。客の食べ残しや作り過ぎて余った料理が、ポリバケツに詰め込まれ、毎日ここに運び混まれる。彼らはそれをひたすらに貪り続けているのだ。
水風船のように膨れ、重力に任せて垂れ下がった腹。その上に重なるように盛り上がった胸元。弛みきった脂肪で覆われた四肢。マフラーを巻いたようにこんもりと膨らみを帯びた首。
薬物により、食欲中枢も精神も破壊された彼らは、もはやただの豚に成り果てていた。
ひとりの男――食堂の店主が豚の身体を撫で回す。そして幸せそうな笑みを浮かべ、その柔らかい肌に頬擦りをした。まるで自らが作る肉まんのように、ふっくらとした感触が彼に至福をもたらした。
「よく食べて、もっとぶくぶくに肥え太ってくれよ……俺の為に」
家畜達の鳴き声が、小さな部屋を満たしていた。そしてまた新たに、過ちを犯した豚が運び込まれようとしている――。
[了]
お粗末ですた。
もっとデブ同士をイチャコラさせりゃ良かったな、と反省
構想当初の『スタッフを肥満化→料理の具材に』というグロ展開を避けるべく、店長にはそーゆう嗜好のHENTAIに成り下がって頂いたwwww
こんなんでも皆のおかずの足しになったならこれ幸い。ありがとごぜました
SSGJ!&お疲れ様
文章上手いなぁ
SSすごくよかったっす。
今度は精神は破壊されずに人間には見えないほど脂肪を
蓄えてしまった自分の姿に当惑するパターンもキボーン。
SS乙です!
思う存分萌えさせていただきましたw
食欲中枢のついでに性欲も抑えられなくすると
豚同士で食べながら交尾するようになったのかなww
ss乙ー
美味いのに太ったらアウトとかアリジゴクすぎる
気付けば肉割れしまくり・・・
これじゃただの駄豚だよなあ・・・
可愛く肥満化したかったぜ
149 :
ナルトss:2009/03/16(月) 05:32:12 ID:iIpbHFJq
柔らかい日差しが射す昼下がり。穏やかな、なんの変哲もないいつも通りの午後。
バリッ、という音が響く。駄菓子屋の軒先のベンチで、マフラーをした少年が勢いよくスナック菓子の口を開けた。
「ーーーーーーぉい…!」
菓子を頬張ろうと手を入れたその瞬間、聞こえてきた荒っぽく駆ける足音と大声に、少年はぴくっと身をすくませた。
「いたいたいたいたー!やっぱお前、探すの簡単すぎだってばよ!」
「ポテートなら、ナルトの分は無いからね」
「わざわざ菓子わけてもらいに走ってこねーってばよ!」
上下オレンジの服に逆立つ金髪、ナルトがそうツッこんだ。
「今日はチョウジに聞きたい事があんだってばよ」
チョウジはとっさに抱え込んだお菓子を取り出し、つまみながらじろっとナルトを見上げた。
「何?僕、こう見えても忙しいんだけど…」
「菓子食うのにだろ」
「うん、忙しいでしょ」
「見たまんまじゃねーか!どこが忙しいんだってばよ!!」
やり取りが面倒くさくなったのか、チョウジは菓子袋をさかさまにして一気に口に放り込んだ。
その太めな体格に見合う豪快な食べ方で、ついさっき開けたばかりの菓子袋は空になった。
「僕のお菓子の時間…用事ってなんなのさ?」
「お、おうっ!えっとだな、その、」
少し口ごもりながら、ナルトはチョウジの隣に座り、ぼそぼそと耳打ちをした。
「ああ、うん、そうかもね。」
「…!な、なぁ、ちょっと見せてみろってばよ」
「別にいいよ。じゃ、ちょっと…」
そう言うとチョウジは、ナルトの手をひいて近くの雑木林に連れ込んだ。
150 :
ナルトss:2009/03/16(月) 05:33:18 ID:iIpbHFJq
「ん、はい。」
ぺろん、と、チョウジはズボンを少し下ろし、ナルトに股間を見せた。
「おおお…おぉ〜…」
「…あ、あんまりじろじろ見ないでよ…」
委縮時だからなのか、皮は被ったままのそれに、ナルトは釘付けだった。
「…なんでそんなにデカいんだってばよ、お前…」
「知らないよそんなの…ていうか、誰から聞いたの?」
「シカマル。」
そう聞きながらチョウジは、片手では手に余るモノを丁寧にパンツに直し、ズボンをずり上げた。
「で、ナルトのは?」
「え、お、オレのは、そんな、気にしなくていいってばよ」
ふるふると首を振るナルトの股間にちらっと目線をおくり、ぼそっと呟いた。
「大きくは出来るけど…」
「ほほほほ、ホントかっ!?」
がばっと肩をつかみ、ナルトは目を輝かせた。
一瞬、しまった、めんどくさい、と思いつつも、もらしてしまった手前、チョウジは小さくうなずいた。
「一応秘伝なんだけど、ナルトならまぁ、大丈夫かな」
半分適当に、さっさと追っ払うことを考えながら、チョウジは印を組んだ。
ナルトもそれに続いて印を組み、チョウジをじっと見た。
「術、なのか?なんでそんな術知ってんだってばよ?」
「応用っていうか…部分倍加の術だもん。」
「いっ!?あのデ…太るやつ!?」
ナルトはパッと印を解き、術の構えを解いた。
「部分だってば。部位を集中して意識して…ふんっ!」
そういってチョウジが念を込めると、前に伸ばした右手だけが大きく膨れ上がり、すっと元に戻った。
「おおお!すげーすっげー!!なるほど、これをちんこにやんだってばよ!」
興奮しながら再度印を組むと、にまつきながらナルトは術を唱えた。
151 :
ナルトss:2009/03/16(月) 05:34:09 ID:iIpbHFJq
「部分倍加の術っ!!」
ナルトがはしゃぎながら術を唱え、変化部分の煙幕がすーっと晴れる。
そこには、二回りほど大きくなったのであろう、もっこりとした股間のふくらみと、その上半分を覆うような丸いお腹があった。
「よっしゃーこれでオレも…っておいっ!どーゆーことだってばよ!!」
下を向いても、大きくなったはずのモノが見えず、代わりに映る大きなお腹に、ナルトは思わず大声をあげた。
「初めてなんだし、最初っからうまくはいかないよ。」
「だからってお前、これじゃただの倍化の」
「腕とか脚とか、あんま変わってないでしょ。部分倍加の細かい位置がとれてないだけだよ。」
チョウジにそう言われ、落ち着いて見回すと、確かに大きくなったのはお腹と腰回り、太ももまでがせいぜいで、他は普段通りだった。
「…じゃ、練習すればちんこだけってのも、出来んだな…?」
ごくっ、と大きく生唾を飲む音が、ナルトの体の中に響いた。
「うん、多分大丈夫だと思うよ。でも秋道一族の秘伝だから、僕は保障は出来ないけど」
「いや、オレってば頑張って使いこなしてみせるってばよ!サンキューなチョウジ!」
大きくなったお腹をぽんっと叩いて、ナルトは術を解いた。
「そうとわかれば、後は帰っ…あ、れ…」
突然、その場にへたりこんだナルトのお腹から、大きな音が鳴った。
「…な、なんかすごい腹減ったってばよ。メシ、食ってきたのに。」
「うん、お腹空くよね、これ。」
うんうん、と頷く二人は、顔を見合せた。
「うっし、術教えてもらったお礼だってばよ、一楽行ってラーメン食おうぜ!」
「おおー!ナルト、太っ腹ー!」
「ばーか、今は細いってばよ。術使ってねーっつの!」
意味が違う、と思ったが、さっさとラーメンを食べに行きたい心がチョウジの口をつぐませた。
というわけで、版権で失礼します。
元の口調、性格に比べて違和感あったりしたらすみません。
SS乙ー
そのうち通常時の体系が倍化並になるのかw
SSおつ
もっとアソコを倍化させようとたくさんカロリーを蓄えようとするのが楽しみwww
155 :
ナルトss:2009/03/18(水) 04:05:22 ID:zLnz78Ph
チョウジに部分倍加を習って一月、二月、ナルトはその性格からか、真っ直ぐに練習を続けていた。
最初の頃は大して様子が変わらず、がむしゃらに倍加を試しては休憩の繰り返しだった。
それでもしばらくすると、倍化のコツが掴めてきた。徐々に張りつめたお腹が引っ込んで、大きく倍化出来たモノが目に留まるようになった。
「へへへ、さっすがオレってば、もうちょいで完璧だってばよ」
満足げに独り言を言うと、ずずずっとラーメンの残り汁をすすった。
「ふぅ…よし、練習の続きやっか!」
今日何度目かの休憩のどんぶりをテーブルの上に重ね、ナルトは気合いを入れた。
任務や特訓の無いときは家にこもり、休憩を見越して多量のラーメンを準備しておくのが常になっていた。
最近では一回に二食食べるようになったり、その消費速度は以前の比では無かった。その為、
「と、あれ、もうこれしかねーってばよ…」
袋に入った五食分のラーメンを手に取り、残り少ない、と感じるようにもなっていた。
「しゃあねぇ、先に買い物だってばよ」
汗をかいた服を着替え、鏡の前を通過したときに、ナルトはふと違和感を感じた。
そういえば、なんか服がきつい…そう考えながら服を見直すと、確かに服が少しぴっちりとしていた。
「ま、オレってば成長期だしな!ついでに服も買ってくっかな!」
手荷物を揃えると、そのまま勢いよくナルトは家を飛び出した。
家の中に放り投げられた、さっきまでナルトが着ていた衣服。
汗ばんだシャツにパジャマのズボン。
かたわらに転がる、ゴムの伸びたトランクスが、ナルトの変化を物語っていた。
156 :
ナルトss:2009/03/18(水) 04:06:13 ID:zLnz78Ph
「おいナルト」
「お?お前から話しかけてくるなんてめずらしーってばよ、シカマル」
合同演習が終わり、挨拶も済んで解散…そんな別れ際に、シカマルがナルトを呼び止めた。
他のみんなが帰り道につく中、その様子に気付いたキバも、少し距離を置いてそれを見ていた。
「お前、最近なんだ、あーっと…」
「用があるなら早くしろってばよ、オレってばさっさと帰って修行すんだよ」
「あー、なんだ。お前デカくなったな。最近よ。」
ぴくっ、とナルトの耳が動いたかと思うと、そのまま嬉しそうに顔をにやけさせ、シカマルの顔を見返した。
「わっかるー!?オレってば、いつまでも昔のオレじゃねーんだってばよ!」
そういいながらナルトは、もこっと盛り上がった股間をアピールするように、腰を前に突き出した。
「いや、チョウジから聞いたんだけどよ、」
「え、な、わーっ!!べべ、別にそういうのじゃねーってば!ほらオレってば成長してんの!そいじゃ、またな!」
「あ、おい」
シカマルが次の言葉を返す間もないまま、ナルトは走り去ってしまった。
「どうしたんだよ」
一部始終を見ていたキバが、シカマルの後ろから声をかけた。
「いや。チョウジの奴が倍化の術を教えたっつーんで、注意しようとしたんだけどな。」
「お?それもしかして、ここんとこアイツがデカい服着てんのと関係あんのか?」
キバや一部の人…シカマルも含めて、何人かは最近のナルトの変化に気付いていた。
見た目はなんら変化は無いのだが、前以上に人付き合いよりも修行の時間を取り、服装もだぼついた服を着る事が目に付いていた。
「変に似合わねーし、笑えるよな」
「いや、多分あれもだな」
「ふむ」
157 :
ナルトss:2009/03/18(水) 04:07:04 ID:zLnz78Ph
「出来たってば…!!」
ナルトが鏡の前に立ち、丁寧に股間をさする姿がそこにはあった。
ゆるく穿かれたトランクス、しかしながらその中に佇む存在感は、立派に、重量感を携え、ナルトの手からあふれていた。
半年以上にわたる努力の結晶が、なんとも言えぬ興奮でむくむくとそそりたった。
「わ、うは…す、すげー…デカいってばよ…」
ごくり、と生唾を飲みながら、ぺたりとその場に座り込んだ。
「ふぅー…ちと、休憩、すっか…」
息を荒げながら、ナルトが部分倍加を解くと、大きかったモノは元の大きさに戻った。
「ふぅ、よっと」
引き続き、ぼんっと煙幕が立ち込める。ナルトが変化の術を解いたものだった。
煙幕が薄れると、そこには大きなシルエットが浮かんだ。
「二重で術使うのも、楽じゃないってばよ…えーっと…」
部屋の脇に置いてある菓子の山から、ナルトは何かを探していた。
探し物をするその腕はむっちりと太く、伸びきった腕の動きに合わせて二の腕が揺れていた。
「お、まだあったってばよ」
取り出したスナック菓子の封をきると、袋を傾けて口に注ぐように菓子を頬張った。
その姿は以前ナルトが見たチョウジのように見えた。が、違う点もあった。
ぴちっと張り詰めたシャツ、腕を伸ばすと谷間が浮かぶ胸元や、お腹に伸ばされてまくれあがったパンツのゴム。
体勢を変えようと脚を曲げると、腿を締め付けるトランクスの裾と股が同時にびりっと音をたてた。
「んぐ、また破けた…てことは、オレってばまた太ったってばよ…」
はぁ、とため息をつきながらお腹を揉むナルトの表情は、複雑なものだった。
「…でも、仕方ないってばよ。術も完璧になったし、これから痩せればいいんだって!」
そう言うなりナルトは、座ったまま印を組み、二体の影分身を作り出した。太る前の、小柄な姿の影分身を。
「ほら、オレってばこんなにスマートだもんな。そうだよな、オレ!?」
「ん、あぁ、そだな。オレってばスマートで超カッコイイってばよ。」
「うんうん。」
自分自身をデブ、と認めるはずも無く、そのやりとりはいつもの通り自己絶賛に終わる。
「だよなぁ!そんなわけで、メシ頼んだぜ!」
「おうよ!待ってろってばよ!」
影分身に食事の用意を頼むと、ナルトは新しい菓子の袋を手に取り、封を切った。
肥満化された人気者の男が拘束されて太った男達に犯される
という夢を見た
規制が本当に面倒
次回作に期待。
>>158 肥満化しながら乱交
食欲と性欲のはざまで
今度はBLEACHssとかワンピースssとかw
京楽なら、酒ばかり呑んでるから太りやすいかも……
ゆずるもよく飲んでるから太るかもね・・・。
自らの斬魄刀の力ででどんどん重くなって・・。
>>162 京楽が太って七緒ちゃんに「太りすぎですよ、隊長…」とか言われていたら萌える…
ナルトssすぐに書き足せなくてすいません。ちと忙しくなってきたんで文字書く余裕がないです…投げっぱなしですが、一応アレで終わる感じで。
元がネームからなんで、気分が乗ったらちゃんと書き下ろすかも。なんでオチてないけど、勘弁してください。
自分の意思を大事に作品は職人しだいさ無理してもいいものできないし
待ってるよー
「どすこい」読み直してるけど「すべてがデブになる」がやはり秀逸だわー
太るか死ぬかという2択
肥満したという点では
>>148もいい話題
どれだけのビフォーアフターか
生活するうえでかわったこととか聞きたいな
>>141 おつです。 監禁されて大豚にされるっていいですな
今度は監禁されて口にホースをつけられて超高カロリーの液体や豚のラードを腹いっぱいになるまで詰め込まれて丸々太ったりする
監禁強制肥満豚エピソードが見てみたいです。
豚のラードを詰め込まれることによって体質が豚に似てくるとかも見てみたいな。
それにしても過疎ってるなー
確かに微妙に過疎ってますねー
当方は今SS書いてる最中で、出来次第うpしようとは思ってるです
しょぼいけどねw
他の職人さん達はどーしてるかな
>>173 餓鬼体型ってやつか
ネタ話で職人さんのシナプスを刺激するのもありだと思うがね
押し付けならない程度に
一企業で相撲部あるとことかあるかなー
相撲はさすがにないか
無料wiki探してみたけど軒並みアダルトだめなんだな……
SSひと段落ということでひとつ。
自己肥満化中の豚志望者です。
ようやく120kgまで測れる自室の体重計が振り切れそうなとこまで来ました。
靴下はまだ楽に履けますが爪切りの体勢は出来なくなっちゃった。
ふとももとわき腹に肉割れ線が出来ちゃいましたが、
そのうち目立たなくなるだろうということで肥満化続行中です。
とりあえず160kgくらいになりたいなぁ。
そしたら燃料提供もココにできそうなんだけども。
元が70ぐらいならいまでも十分だぜ
生活や食事内容、服装の変化を教えてー
ビフォーアフターで写真があるとわかりやすい
ここのセルフ肥満化してる人に質問なんだけどさ、
何がきっかけでこの道に進むことになったの?
あとどんな状況や行動に興奮するのかも教えて欲しいっす。
元は約80kg、3年と少しをかけて120kg手前です。
服装はもともとゆったりしたものを好んでいたせいか、
パンツ以外は買い換えてません。
ただパンツは全滅し新しいジーパンに買い換えました。
最近ははちきれそうなTシャツもありますが、その締め付ける感じがたまらなかったりw
食べる量は元の1.5倍くらいに。
昔の限界量がいまの満足点になっちゃいましたね。
個人的には肉塊という人ならざるものに近づいていくのに強いフェチを感じます。
また脂肪で手足身体が不自由になっていく様も、拘束感がありたまりませんね。
一番変わったのは腹? それとも尻?
食事で気をつけてることはあるかい?
やはり腹が変わりましたね。
徐々に出ていく腹で足元が見づらくなりました。尻も腹に従って大きくなったとは思うけど、腹ほどではないです。
食事は肉をメインに、しかし野菜も忘れずに、全体量を一律に増やす感じで。
ただそれはなかなか難しいので、野菜ジュースに頼ることが多いです。
甘いから太りやすそうで期待大で使ってました。
あとなるべく食後すぐに睡眠をとってましたね。
これは胸焼け必至だから効果のほどはわからないな。
寝る子は育つってやつかー
腹は座り仕事が多いから理由あるのかな
米とか炭水化物は肉に比べてあまり取らない?
炭水化物重視とかたんぱく質重視とかあるけど、プロテインも摂取してる?
俺は100kg→125kgになった豚なんだけど、
太るとチンコが埋もれて小さくなるってのが悲しいね。
もともと小さいのにさらに惨めな包茎になってしまった。
そんな自分に興奮してしまう変態です。
たしかに基本座り仕事ですね。
肉体労働系だと足腰使うからお尻がおおきくなったり?
たんぱく質重視の考えはあり、牛乳必須、あとプロテインも最近は取り始めましたが、
なんだかんだでお米大好きなのでめいっぱい食べてます。
とはいってもたんぱく質オカズが少なければおのずと御飯も減りますし、
その逆も叱り。
別段、割合を気にして食べているということはありませんね。
184 :
名無し調教中。:2009/03/31(火) 19:55:59 ID:0wgxJtAC
>>182 でも太れば太るほど精液の栄養分が高まってよい あとデブの人のほうが精液は飲みやすい(甘い)
>>184 すげぇwどこでそんな知識仕入れたのwww
てゆうか、sageましょうね
>>184 もしかしてそれは「自分の精液を飲め」ということか・・・?
糖尿ですねわかります
米国とかの遺伝子特徴が感染とかしないかねー?
もしくは肥満は健康説が有力になれば……
WBCとか高校野球見てて思ったんだが
相撲も野球やサッカーみたいにメジャーなスポーツになればいいのに
そうすれば年代幅広く3桁体重人口が増える気がする
189 :
名無し調教中。:2009/04/02(木) 22:24:27 ID:fG36lVz7
国技なんだし小中高校で必須科目でやればデブが増えそうだな
自分の大学のアメフト部がいい感じにむちむちしててえろい
太い体に突き出たお腹がえっちぃ
>>189 身体作りという名目で生徒にどか食い等させて肥満化、と……
これも授業の一環なので、拒否し続けた生徒は単位なし、すなわち留年ケテーイ
とゆう男子高校を妄想してみた
アメフトかラグビーだべ
相撲は豚ってイメージ
アメフトやラグビーはイノシシっぽいイメージがあるな
ラグビーのピチピチのユニホームでブロッカーとかにいる腹が出たデブがいいな
相撲は腹より乳に目がいくな
筋トレで腕や足や胸などは鍛えられてもお腹が邪魔で腹筋のみが出来ずにじたばたする様を想像してもえた
スポーツしているのに太るっていうのもすごいな
大量の食事も美味しそうに食べてそうだ
>>194 デブの精液飲んだのか?
デブにも肉につく部分によって色々あるが一番すきなのは相撲取りで言うと
ウシオ○みたいな全体的に丸々してるのがいいな顔もかわいいしw
デブでもマケボ○みたいなビグザム体系はだめだ
>>197 飲みましたよ・・・。デブっていうか自分のやつをね・・・。
まあ俺もデブなんですけどね。
>>198 自分のやつ飲んだんだw
すごいな!!漏れも出す前は飲むぞと思ってるんだが出した後飲むきうせる・・・
で美味しかった?
>>199 184で栄養分が高い&甘いと聞いたのでつい・・・。
しょっぱ苦いという感じでした。
飲めなくはないけど、美味しい!とは思えないです。
体調とかで変わるんですかね?
ただでさえデブなのに変態すぎるな俺・・・。
201 :
名無し調教中。:2009/04/05(日) 18:43:50 ID:foywbElh
デブで変態って最高じゃないか
俺も自分のじゃ飲むきにならんから他の人の飲んでみたいな
コラーゲンも豊富にふくんでるらしいからお肌に塗ってもこうかありそうだしな
おいしいかどうかはわからないけど飲んでみたい。
ただのデブスレになってるよ
せめて精液漬けで肥満体にとか関連付けようぜ
ひぐちカッター
精液漬けで肥満体にってのはいいかもな
性交するごとに肥満&食欲が増してきてさらに、とかなー
乱交になるとすごそうだ
食欲と性欲はつながっているって言うもんな
性欲の権化の淫乱豚になるよう調教して
さらにその度合いに応じて食欲も大幅うpしていって、そして伝説へ・・・
裁判所では、一人の男の罪が裁かれようとしていた。
男は、身ぐるみを剥がされ腰布一つになり、腕を縛られている。
捕らえられるとき、あるいはその後に暴行を受けたのか、体中が傷だらけだった。
数人の衛兵に囲われ、逃げることなどとてもできない状況である。
祭壇の壇上の裁判を司る神官が、
その前にひざまずかされた男に犯した罪を問いかける。
「お前は王家の墓を暴き、この埋蔵品を盗み出したのだな?」
神官の手には、男が盗み出した品があった。
きらきらと光るそれに目線をやりながら男が答えた。
「ふん。そんな金細工一つ、あの馬鹿でかい墓にしてみれば、
鼻くそみたいなものだろう。」
「お前は自分のしたことが分かっていないようだな。
盗品の大小に関わらず、神聖な墓を汚したことが罪なのだ。
お前の命をもっても償いきれぬほどのな。」
「どうにでも、…しろ。」
虚勢を張っていたが、やはり声が震え、その目には恐怖の色が浮かんでいる。
王の墓に入ったとき、とっくに覚悟は決めたつもりだったのだが、
今、自分の死が現実になろうとしている。
「では、王の名において裁きを言い渡す…、」
神官が男に科せられるべき刑を宣言しようとしたその時、
横から声がかかった。
「待ちなさい。」
男が声の聞こえてきたほうに目をやると、
そこには高貴な身なりをした大柄な男が立っていた。
刑を言い渡そうとしていた神官が、
慌てた様子で祭壇を降りると、その男に深々と頭を下げた。
男を取り囲んでいた衛兵達はその場にひざまづく。
「神官長。よくお越しくださいました。
しかし、この裁判はどうか私にお任せください。」
「いや、この男の処遇は私に任せてもらう。
お前は下がってよい。」
「ですが、この男は王家の墓を荒らすという大罪を犯しました。
極刑以外にどのような罰がありましょうか。」
「これは王の命令でもあるのだ。とにかくお前は下がりなさい。
それと、証拠の品は私が預かろう。」
「…かしこまりました。失礼いたします。」
神官は納得いかない様子だったが、
証拠品を神官長に手渡し、裁判所を後にした。
神官長が男のほうに向き直り、男の目を見つめた。
男はまだ自体が飲み込めていないようだったが、
その顔に浮かんだ恐怖はいまだに消えていない。
神官長は男の目を見つめながら、ゆっくりと話し始めた。
「心配しなくてよい。
命をとるつもりはない。」
「…あんたの部下は、俺の命ぐらいじゃ足りないって言っていたぞ。
それ以上何をとるつもりだ?」
衛兵が男の無礼な口の利き方を制しようとしたが、
神官長は「構わない」といって、そのまま話を続けた。
「何をとるか、か。
…強いて言うなら魂か。」
「それはどういうことだ。」
しかし、神官長は何も答えず、ただ静かに笑うだけだった。
「とにかく命は保証する。
これから私についてきなさい。」
衛兵を下がらせると、神官長は男を引き連れて裁判所を後にした。
ssキター!!!!1!
SSktkr!
男が連れて行かれた場所は、先ほどの裁判所よりも大きな建物だった。
中に入り、廊下を歩きながら男がつぶやく。
「静かだな。中に衛兵はいないのか。」
「ここは国の中でも一部の人間にしか入ることが許されていない
神聖な場所なのだ。」
建物の外に警備の兵はいたが、
内部には衛兵どころか、全く人の気配がない。
やがて二人は、建物の中心と思われる大きな部屋に行き着いた。
神官長は小刀を取り出すと、男を縛っていた縄を切り、男の両手を解放した。
「いいのか。衛兵もいないのに自由にして?」
「多少の武術の心得はある。
丸腰の若造ごときに遅れはとらぬ。」
確かに神官長の体つきはがっしりとしていて、普段から鍛えていることが窺えた。
そして男らしく堂々と突き出した腹のために、その体が余計に大きく見える。
(勝てる気がしないが、逃げ出す機会は今しかない。)
男はやぶれかぶれで神官長に殴りかかったが、簡単に避けられたうえ、
そのまま腕を掴まれ、地面に組み伏せられてしまった。
神官長が掴んだ腕にその体重を乗せてくると、
男の関節は悲鳴を上げ、その顔は苦痛にゆがんだ。
「ぐぅっ、う、腕が折れる。
わかった。逃げないから離してくれ。」
神官長は腕を解いた。
そして男を立たせながら尋ねた。
「お前の名は何という?」
「俺はネム。あんたは?」
「私の名はカシ。神官の長を務めておる。」
「それはさっき聞いた。俺にこれからどうしろというんだ?」
カシは少し考え込むように、黙ったままネムの体を
上から下まで眺めていたが、突然切り出した。
「その前に、一つ確かめておくことがある。
お前は童貞か?」
「は?な、なんだ、いきなり。」
ネムの声が上ずる。
「重要なことなのだ。
契りを交わしたことがあるのか。どうなのだ?」
カシの妙な気迫に観念したのか、ネムは小さな声で答えだした。
「な、…ない。俺はあんまり、その、女に興味がないんだ。
いや、興味というのは…、つまりだな、うぅ…。」
ネムは頬を赤くし、しどろもどろになりながら余計なことまで答える。
ネムとは対照的に、カシは顔色も変えずにつぶやいた。
「よろしい。」
「何がだ。ま、まさか、あんた…。」
ネムが一歩退いた。
同時にカシが一歩歩み寄る。
「心配はいらぬ。せっかくの清らかな体を傷物にはせん。
豊穣の神は純潔を好むのだ。」
「(そういう嗜好はないとは言わないのか…。)
豊穣の神?何のことだ。」
「豊穣の神とは、この大地に豊かな実りを与える神だ。
この場所は豊穣の神を奉った神殿なのだ。
そして、ここが今日からお前の住処となる。」
「ここに?俺が住む?」
ネムの頭がいよいよ混乱してきた。
そして、カシが更なる混乱を引き起こす言葉を告げる。
「王の名において、お前に役目を与える。
豊穣の神に仕える巫女となるのだ。」
処女かどうかは聞いていない
つまりこれは(ry
wktk
豊穣の神=肥満神ktkr!!
ネムの動きと思考が数秒完全に止まった。
そして、ゆっくりと再開した思考とともにゆっくり口を動かしだした。
「…一つずつ教えてくれ。
まず、なぜ俺が巫女になるんだ?」
「先代の巫女が亡くなったからだ。」
「そうではなくて、なぜ俺が選ばれた?
よりによって、墓荒らしの重罪人なんかを。」
「罪人かどうかは無関係だ。
いや、むしろ王家の墓を暴き、これを手にした。
それがまさに理由なのだ。」
カシは先ほど預かった墓荒らしの証拠の品を取り出し、ネムに見せる。
「お前はこれが何か知っているか?」
「いや、ただの金細工ではないのか?」
「これは巫女が身につける腰帯の留め金。これこそが巫女の証なのだ。」
確かにそれは置物というより、装飾品に近い意匠が施されていた。
「先代の巫女が後継者を決めるにあたって、ある遺言を残された。
『私の死後、巫女の証を王家の墓に隠せ。
証を手にした者を新たな巫女とせよ。』とな。
そして巫女の死後、墓守によって王家の墓に隠されたのだ。
下級の神官には知らされていないことだがな。
墓の内部が盗掘避けの迷路になっていることはお前ならよくわかっているだろう。
お前がこれを手に入れたということは、すなわちお前が巫女であるということなのだ。」
「それはおかしいだろう。俺はたまたまそれを盗んだだけだ。
本来、それを手に入れるべき人間がいたんじゃないのか?」
「確かに、本来なら巫女や王家の血筋の者が
王の墓を訪れ、探し出すことになっていた。
しかし、巫女が亡くなってから、何人かがその試練に挑んだが、
巫女の証を持ち帰ることができたものはいなかった。
そうして、後継者が決まらぬまま、お前が現れたというわけだ。」
「それなら、俺には最初から資格がないのではないのか?」
「しかたなかろう。
本来あってはならぬことだが、証をとってきてしまったのだから。
しかし、何も知らぬお前が、警備の厳重な王家の墓に侵入し、
しかも、一度入れば抜け出すことも難しいあの迷路の中で、
これを手に入れることができたのは、まさに運命というべきではないか。
これは豊穣の神が定めたことなのかもしれぬ。」
確かに、迷路を攻略したネムの直感は、
自身にも神がかりと思えるほど冴え渡っていた。
最後の最後に警備の兵に見つからなければ完璧であったが。
「いいのか、そんなことで。重要な仕事なんだろう?」
「正直なところ、私自身にも疑いの心がないわけではない。
しかし、巫女を失い、国は少しずつ不安定になってきておる。
今は一刻も早く巫女を立てねばならぬのだ。」
「でも、そういうのは女がなるものではないのか?」
「支障はない。先代の巫女も男だ。
巫女という呼び名は昔の名残だ。」
「もし、断ると言ったら?改めて死刑か?」
「お前の存在を消す。全ての記録上からもだ。
そして、再び証は王の墓深く眠ることになるであろう。」
(同じことだろう。俺にとっては。)
つまりどの道選択の余地はないのである。
とても信じられないことだが、何を引き受けるにしても、
今更殺されるよりはましだろう。
ネムは大きく一息ため息をついた。
「…わかった。いや、
承知いたしました。
豊穣の神にお仕えするその役目、
謹んでお受けいたしまします。」
カシが大きく頷く。
引き受けてしまえば、いっそ気が楽になった。
すると、今更どうでもよい疑問が頭に浮かんできた。
「ところで、もし俺が傷物だったら?」
「その陽物、切り落としてくれる。」
ネムのそれに悪寒が走った。
ネムは余計な見栄を張らなくてよかったと胸をなでおろし、
そして、生まれて初めて自分の貞淑さに感謝した。
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・)
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
「しかし、俺なんかに務まるものなのか?
神様の声なんか聞こえないが?」
「巫女の血筋の者でも、最初から神の意思を理解できる者はいない。
この場所で心身を清めることで、
次第にその意思を理解できるようになるであろう。」
「そういうものなのか。
それで、俺は何をしたらいい?」
「巫女としての教養や神前での振る舞いなどは学んでもらうが、
今のところ、これという務めはない。
言ってみれば、教育期間というところだ。
あとはこの場で健やかに暮らしておればよい。
ただし…」
突然、ぐぅ〜という大きな音が話を遮った。
ネムの腹の虫だ。
「捕らえられてから、しばらくまともな物を食っていないんでな。
話は聞くから、先に飯にしてもらえないか?
飯くらいは食わせてくれるんだろう?」
「そろそろ日も傾く頃か。ちょうど供え物の時間が近いな。
では、支度をしてこよう。」
(供え物?)
そう言ってカシは、神殿から出て行った。
しばらくすると、カシが料理が山盛りの大皿を持って戻ってきた。
「下働きにでも持ってこさせればいいのに。」
「先ほども言ったが、ここに入ることのできる人間は限られている。
それに、豊穣の神に供え物を捧げるのは神官の長の務めなのだ。」
「そうだったな。
ところで、さっきも気になったんだが、
供え物とはどういうことなんだ?俺の飯ではないのか?」
「正式には、これは豊穣の神への捧げ物だ。
しかし巫女であるお前は、豊穣の神に代わってこれを食することができる。」
「つまり、体を持たない神様の代わりに俺が料理を片付けるわけか。」
ネムの目が、大皿に盛られた料理に向けられる。
「それにしても、多くないか?」
食い意地は張っていると自負しているネムであるが、
それでも戸惑うほどの量が皿の上に盛り付けられている。
「まだ若いのに小食なのだな。
私にとってはこれでは物足りないくらいだが。」
カシは少し得意そうに、太鼓のような腹をぽんと叩いた。
確かにこの腹になら大皿の上の料理も余裕で収まってしまいそうだ。
ネムはなぜか悔しくなってきた。
「お、俺だってこのくらいでは食い足りない。
ただ、一皿に盛りすぎだと思っただけだ。」
見栄を張るとろくなことにならないのはさっき学んだはず。
言い切った後で、一瞬嫌な予感がネムの頭をよぎった。
「そうであったか。それは頼もしいことだ。
一皿このくらいまとめなければ皿の数が多くなりすぎるのでな。
では、残りを取ってくる。全部揃うまで手をつけてはならぬぞ。」
そう言うと、カシは再び神殿を出ていった。
(残り?全部?まだ、あるのか?)
「…これを全部、俺が食うのか。」
卓台一面に並べられた料理を見て、ネムがつぶやく。
「お前が全てを食しきれるとは思っていない。」
「(全部食えたら人間ではないだろう。)
俺が食い残した分はあんたが食うのか?
それにしても多すぎるだろう。」
「いや、これは神への捧げ物。
巫女以外の者が口にすることは許されない。
余りが出ればそれは大地にお返しする。」
「捨てるってことか?
もったいないだろう、こんなご馳走。
わかっているなら最初から供える量を減らせばいいだろう。」
貧しい村の出身であるネムが、
飢饉で村中が苦しんだ時のことを思い出し、声を荒立てた。
「ならぬ。供え物を減らし、神の怒りを買えば、
それこそ多くの民が餓えに苦しむことになるのだ。
惜しいと思うのであれば、少しでも多くお前の腹に収めてやることだ。
その方が豊穣の神もお喜びになるであろう。」
ネムには納得できなかったが、どうすることもできない。
「…わかった。少しでも食うよう努力する。
(せめて、村のみんなの分まで俺が食ってやろう。)」
決意を新たに料理を眺めていると、どんどん食欲が湧いてくるのを感じる。
ご馳走を腹いっぱい食べるという子供のころの夢を思い出す。
ネムが皿に手をつけようとした時、カシの声がかかった。
「待ちなさい。
まずは豊穣の神に祈りを捧げるのだ。
私と同じようにしてみなさい。」
カシがひざまずき、神への祈りを始めた。ネムもそれをまねする。
しかし、祈りの言葉はネムが考えていたよりはるかに長かった。
カシはネムがついてこられるようゆっくりと言葉を唱えるため、余計に時間がかかる。
(長い。早く食わせてくれ。)
カシのまねをして祈りの言葉をつぶやきながらも、
口から涎がこぼれそうになり、腹の音は一層やかましく祈りの邪魔をした。
そして我慢が限界に達し、もう構わずに料理に飛びついてやろうかと思ったとき、
ネムの心の中の祈りが通じたのか、ようやくカシが祈りを終えた。
「祈りは供え物の時間ごとに行う。
一人でも唱えられるように覚えるのだぞ。」
カシの言うことなど、もう耳に入ってこない。
「わかったから。もう食っていいか。」
「ああ、豊穣の神への感謝の心を忘れぬように。」
wktk
設定も無理が無いし続きが楽しみすぎるw
ようやく食事にありつくことができたネムは、
大きく口を開けて、豪快に料理をかきこんでいった。
(うまい。これならいくらでも食えそうだ。)
大地の恵みが腹の中に流れ込んでくるのを感じる。
料理自体の質がよいのはもちろんだが、
ネムにとって久々のまともな食事であり、そのうまさは格別のものだった。
食いきれないほどの食べ物が目の前にありながら、
そのありがたさを深く噛み締めていた。
(この豊かな恵みを与えてくれるのだから、
やはり神には感謝しなくてはいけないのかもしれない。)
やがて、ネムの食事の手が止まる。
最初に見たときは1皿食べきれるかも不安だったが、
自分でも驚くことに、3皿も食うことができた。
まだ手付かずで食べ残されていたものも多かったが、
それでも最初に自分で考えていたよりも、かなり多く量が腹に収まった。
すっかり満腹になった腹は、腰布がきつくなるほど膨れていた。
「ふぅ、うまかった。」
気持ちよさそうに腹をなでながら、満腹感に浸る。
そうして食後の一服を満喫していると、
どこからかカシとは別の何者かの声が聞こえてきた。
『そんなものではまだ足りぬ。』
(気のせいか?今誰かが…。)
次の瞬間、ネムの手が勝手に食べ残した皿に伸びていった。
そして、意思に反して、次々料理を口に運んでいく。
(腕が、勝手に…。)
その勢いは食事を始めた時以上で、口の周りを汚しながら、
口に入りきらないほどの量を頬張るその様子は、まるで餓えた狼のようだった。
飲み込まないように意識しても、あごや喉まで勝手に動いてしまい、
口に料理が入ると勝手に飲み込んでしまう。
とっくに満腹になっているはずなのに、食事を止める事ができず、
膨れきったはずの腹がさらに大きくなっていく。
口に食べ物を詰め込んだせいで、助けを求めることもできない。
(く、苦しい。
だめだ。これ以上食ったら本当に腹が…。)
ネムが心の中でそう思ったとき、操り人形の糸が切れたように、
腕がだらんと垂れ、ようやく体の自由がきくようになった。
卓台を見ると、大皿5皿が空になっていた。
「はぁはぁ。げぷっ。(何だ?今のは?)」
限界まで詰め込まれた腹は、ほぼ半球状に大きく膨れ上がり、
針でつつけば本当に破裂してしまいそうだった。
「ぐぷっ。食いすぎて腹が苦しい。横にならせてくれ。」
「わかった。寝室へ案内しよう。」
ネムはずしりと重たい腹を抱えながら、カシの後についていった。
そして、寝室に着くとすぐに寝台に横になった。
よほど苦しいのか、丸くなって腹をさすり、
唸りながらも細かくげっぷを繰り返している。
「食べ過ぎで苦しいのなら腹を揉んでやろう。
少しは楽になるだろう。」
カシはそう言うと、寝室の棚から小さな壷を取り出し、
部屋のすみに置かれたかめから、液体を一すくい壷の中へ移した。
そして、寝台のそばに置かれた火鉢に火を灯すと、その上で壷を温め始めた。
すっかり日も暮れ、薄暗くなった寝室を暖かな光が包み込み、
しばらくすると、壷からほのかに甘い花のような香りが立ち込めてきた。
「その液体は?いい香りだな。」
腹の苦しみが少しだけまぎれた気がして、
ネムは目をつぶり、その香りに酔いしれた。
「ひまし油だ。心を安らげる香り付けがしてある。
腹に塗り込めば消化によい。傷にも効く。」
カシは壷を手に取ると、中の油を手になじませた。
「仰向けになりなさい。」
その言葉に従い、ネムは少し苦しそうに体を天井に向けた。
カシはその手で、仰向けに寝かせたネムの腹にひまし油を塗り始めた。
適度に温められた油は、至る所にできた傷に沁みることもなく、
その傷を癒すように、すっと肌になじんでいった。
張り詰めて弾力を持った腹が、程よい力加減で揉み解されていく。
最初は、腹に刺激を与えられることに抵抗があったが、
指先が力を加えて腹をなでる度に、腹の中がじわりと温まり、
体中へぬくもりが広がっていくのを感じる。
そして、食べたものがこなれていくのを助けるためなのか、
少しずつ張り詰めた腹の感覚と苦しみが和らいでいき、
しだいにその手の動きに心地よさを感じるようになった。
薄暗い部屋の中、ちらちらとゆれる火鉢の残り火で、
皮の張った腹の上に薄く広がった油がつややかに照らされ、
その半球の曲線が一層なめらかに見えていた。
だいぶ腹が楽になったころ、腹の表面をなぞっていた指の1本が、
へその穴の中に入り込んできた。
突然のことで驚いたネムの体がびくっと動いた。
「いきなりへそに指なんか入れないでくれ。驚いた。」
「油を行き渡らせるためだ。」
そういって、油がしみ込んだ指がさらに奥に押し当てられた。
最初はくすぐったかったが慣れてくると、その温かい指先に体の芯を
突かれるような感覚もなかなか悪くないと思えてきた。
薄暗い部屋の中、ネムの目に映る火鉢の中の光が
ぼやけていき、だんだんと意識もぼんやりとしてきた。
油の香りが夢の淵へとネムを誘っていく。
「よくこれだけ食したものだ。
腹の皮が伸びきっているようではないか。」
ネムの腹を揉み解しながら、カシが語りかけてきたが、
その声も夢か現か分からなくなってくる。
「しかし、今は悪くない心地であろう。
腹を満たすことこそ、この地上に生きる者にとって、
かけがえのない喜びだと思わぬか。
それが豊穣の神の祝福であり幸福なのだ。」
その言葉は、無防備になった意識に染み込んでいく。
(確かに、とても満たされた気分だ。
食べることって、こんなに幸せなことだったんだな。)
食への欲求が意識の底で育っていく。
すでに満腹だということも忘れて、次の食事を思い浮かべる。
やがて、ネムは溺れるように夢の中に落ちていった。
SS乙!
自分の意思に反して大食いさせられるというシチュも好きだ
神官長との今後の絡みも気になるところだぜーw
超乙!!
腹を揉むとか萌えすぎてやばいww
ひまし油=肥増し油
これはひどいネタバレ
ネムが目を覚ますとすでに夜が明けていた。
すでにカシの姿はなかったが、
体に塗られていた油はきれいに拭き取られていた。
枕元を見ると、着替えが置いてある。
巫女の服装というのは考えていたよりも軽装らしく、
装飾品らしいものもあまりなかったが、
ただ一つ、巫女の証である帯留めだけが、
皮製の帯に取り付けられ一緒に置いてあった。
(もっと首飾りとか冠とかあると思ってたんがな。
まあ、そんなもの身に付ける趣味はないけどな。)
カシはさっそく巫女の服とやらに着替えてみた。
服の素材は上等なものらしく、今まで身に付けていた腰布とは
比べ物にならないくらい肌触りがよい。
帯を締め、その上から腹をぽんと叩いてみると、
こころなしか気持ちが引き締まってきた。
そして、腹の奥底から低い音とともに食欲が湧いてくるのを感じた。
ひまし油とカシの手の平は、あれほど腹を膨らませていた食べ物を
すっかりこなしてしまったらしい。
ネムは次の供え物の時間がもう待ちきれなくなっていた。
神殿での生活は思いのほか快適だった。
最初に言われていた通り、巫女としての仕事は特になかったが、
その代わり、毎日カシ神殿に通い、ネムに授業を受けさせた。
授業といっても堅苦しいものではなく、
対話形式で、内容も初歩的なものなので気楽に聞くことができたし、
カシの話の進め方や科目の配分がうまく、退屈することがなかった。
教養とは無縁だったネムにとって、体系付けられた知識に触れることは
新鮮な体験で、時間を忘れてしまうことさえあった。
カシは授業ばかりで退屈しないように、
授業の合間には国に伝わる古い神話や伝説を話してくれ、
ネムにとってそれを聞くのも楽しみの一つだった。
魂に取り付くという悪霊の話、
島一つを飲み込んだという怪物の話、
百人の力を持つ神の兵の話、
神を欺こうとした男の話など、
どの話も刺激的で、今日はどんな話を聞かせてくれるのかと、
目を輝かせてその時間を待ちわびていた。
そうしてカシに接するうちに、カシに対する見方もだいぶ変わってきた。
最初は、偉そうな奴だとばかり思っていたが、
さまざまなことに詳しく、神前の慎み深い姿から、
次第にその地位にふさわしい人物であると思えるようになり、
また、神官の務めとはいえ、身の周りの世話をしてくれることにも
感謝をするようになった。
ネムはカシに少しずつ心を許すようになり、
尊敬の念も芽生えてきた。
そして、ネムにとって、この生活での何よりの楽しみは、
日に二度の供え物の時間である。
やはり飯を腹いっぱい食べられることが
巫女になって一番の喜びだった。
最初の日以来、不思議な声を聞くことも体が勝手に動くこともなかったが、
食事がうますぎて、その食欲はどんどん増していった。
食い過ぎればカシが面倒を見てくれる。
最初のころは並べられた料理のほんの一部を平らげるだけで
精一杯だったのが、空になる皿の数は少しずつ増えていき、
あれほど苦しかった5皿分の料理が、
いつの間にか当然のように腹に収まってしまうようになり、
それどころか、それ以上の皿にも手を出すようになっていた。
そして、不思議なことにどんなに腹いっぱい食べても、
次の食事までにはしっかり消化されてしまうのだった。
ネムは驚くべき早さで肥満していった。
実を結んだ果実が、養分を蓄え日に日に育つように、
食えば食った分だけが体に肉として蓄えられるようだった。
SS乙
肥満化ktkr!!!
ss超乙
次に来るであろう肥満化描写が楽しみすぎる
最近、カシによる午後の授業を終える頃になると、
終業の合図のようにぐぅ〜と低く大きな音が聞こえてくる。
音の元であるネムの腹は皮の腰帯の内側では収まりきらず、
巫女の証でもある黄金の留め金は肉に埋もれかけていた。
そんな腹を擦りながら、ネムが尋ねる。
「そろそろ腹が減ってきた。
夕刻の供え物はまだか?」
「そんな時間か。支度をしてこよう。」
やがていつものように大量の供え物が卓台に並ぶ。
見慣れた光景とは言え、やはりその量には毎日圧倒される。
ネムは溢れてくる唾を飲み込み、食前の祈りを唱え始めた。
今では祈りの言葉もすらすらと暗唱できるようになり、
それが当然のことのように思えるようになっている。
「では、いただくとしようかな。」
そう言って、大皿の上の料理に手を付け始めた。
皿の上の料理が次々と口との中に消え、
あっという間に1皿が片付いてしまう。
今はもう1皿では全く食い足りなくなってしまった。
(今日は腹の調子がいいな。
これならいつもより食えそうだ。)
みるみるうちに次の皿、その次の皿と平らげていき、
そして結局7皿と少し食ったところで、
旺盛な食欲はようやく満たされた。
「ああ、食った食った。」
膨れた腹を撫でているネムに、突然いつか聞いた声が聞こえてきた。
『まだだ。もっと喰らえ。』
(う、きた。またあの声だ。)
次の瞬間には、思ったとおり腕が勝手に動き始め料理をつかみ出し、
それらを次々と口の中へ放り込み始めた。
二度目のことであり、腹の容量もずっと大きくなっていたので、
多少は心に落ち着きがあった。
しかし、腕の動く勢いは前の時以上で、腹の膨れるのもずっと早かった。
早く何とかしなければ、今度こそ腹が張り裂けないとも限らない。
(とにかく、この腹を何とかしなければ。)
考えている間にも腹は膨れ続け、だんだん苦しくなってきた。
ネムは体の自由を取り戻そうと必死に抵抗しているうちに、
どうやら口に含んだものを意識的に早く飲み込むことは
できるらしいことがわかってきた。
(これなら助けを求められるかもしれない。)
ネムは、腕が動くよりも早く口の中の料理を飲み込むことで、
その間に言葉を発することができるのではないかと考えた。
幸い、大食いだけは得意になっている。
咀嚼回数を少なくする上、自分から膨れた腹に食べ物を
送り込むのは辛かったが、できるだけ早く飲み込むことを意識し、
言葉を発するように試みた。
「カシ、頼む、むぐっ、…もぐもぐ、ごくん。
腰帯をはず、んぐっ、…もぐもぐ、ごくん。
帯を外して、もがっ、…もぐもぐ。」
「どうした。慌てて食することはないぞ。
帯が苦しければ自分で外せばよかろう。」
途切れ途切れだったが、その言葉はどうやらカシに届いたらしい。
「ごくん。腕がいうこと、あぐっ、…もぐもぐ、ごくん。
いうことをきかない、んぐっ、…もぐもぐ、ごくん。
早く、腹が、あむっ、…もぐもぐ、ごくん。
腹が苦しい、むぐっ、…もぐもぐ。」
カシは、ネムの普通でない言動を不審に思いながらも、
その苦しそうな様子に、とにかく帯を外してやることにした。
皮でできた丈夫な帯は、食べ物を詰め込んだ腹の圧力で
みしみしと音を立て、今にも引きちぎれそうだった。
留め金は腹の肉に埋もれかけていたが、カシはそれを力任せに解いた。
すると、帯が勢いよく弾けるように外れ、
今まで帯に押さえつけられていた腹が一気に広がった。
(やっと少し楽になった。これならしばらくは大丈夫だ。)
勢いづいたネムはどんどん料理を食べ進めていき、
やがてその腕が動きを止め時にはかなりの数の皿が空になっていて、
数えてみると、その数は10皿にもなっていた。
「や、やっと開放された。」
それだけの食べ物が詰まった腹は、大きく膨れ上がり、
持ち主であるネムも持て余すほどだった。
「どうしたというのだ。
そこまで苦しむほど食うこともなかろう。」
「俺にもわからない。
体が勝手に動き出して止まらなくなったんだ。
まさか俺、悪霊に取り付かれでもしたんじゃないだろうか…。」
目を伏せて不安そうなネムに、カシがなだめるように言う。
「その心配はいらぬ。
神の力の及ぶこの神殿に悪霊が入ってこようはずがない。
きっと自分でも思いもせぬほど腹が空いていたのであろう。」
「そうなんだろうか。
それにしても腹が重くて仕方がない。
また、腹を撫でてくれないか。」
ネムは重たい腹を抱えてなんとか立ち上がると、
カシの肩を借りてゆっくりと寝室まで移動していった。
SS乙!
腹の描写のいちいちがツボにはまってしまう俺は病気
ss乙
そして自分も病気
ネムはきつくなった上半身の衣装を脱いで、
寝台の上にどかっと寝転がり、カシが支度をする様子を眺めていた。
大きく育った腹に十分に揉み込むため、たっぷりと油が用意される。
「用意が整った。仰向けになりなさい。」
カシは温めたひまし油をとくとくと腹の中央あたりにかけ、
両手を使って表面を撫でるように優しく、
腹全体を揺するように油をなじませていった。
大きく膨らんだ胸の下、肉の重なったわき腹、
垂れ下がった下腹にも油が行き渡るよう、念入りに撫で回す。
そのたびに寝台の上で腹の肉が踊るように揺れ動いた。
油が行き渡ると胃腸に刺激を与えるように徐々に指に力を込めていく。
腹を覆う肉は分厚くてやわらかく、力を込めるほど、
面白いように指が沈み込んでいった。
そして、次第に肉を掴んで持ち上げたり、
握りこぶしを押し付けるようにして揉み解すようになる。
少し乱暴にも見えるが、ネムにとっては程よい刺激らしく、
気持ちよさそうにしている。
「いい気持ちだ。そろそろへその方も頼む。」
カシはもう一度壷を手に取ると、
壷から直接へその中へ油を注ぎ込んでいった。
へその穴はかなりの大きさで、深さもあり、
注がれる油をどんどん飲み込んでいった。
たっぷりと油がたまったへその穴の中へ、
カシの太い人差し指がゆっくりと忍び込んでいく。
まるで底なしの沼にはまっていくように、
へその穴は指を徐々に飲み込んでいき、
やがて根元まですっぽり咥え込んでしまった。
さらに、腹の山の上に開いた巨大な洞窟のようなへそは
指が中で自由に動くことができるほどのゆとりを持っていた。
肉でできたやらわかくて分厚い壁を押しのけるように、
指がへその中をじっくりとかき回していくたびに、
穴の中にたまった油がとろりとろりと腹の上にこぼれ出す。
ネムは目をつぶりうっとりとした表情を浮かべながらも、
わざと少し不満そうに言う。
「腹のへそがこんなにでかくなったのは、
半分はカシのせいじゃないのか?」
「不満ならやめても構わぬぞ。」
カシは指を半分へそから抜きかける。
「ああ、悪かった。
謝るから。意地の悪いことを言わないでくれ。
…もっと頼む。」
ネムがそういうと、中指が待っていたと言わんばかりに、
するりとその穴の中に入っていく。
2本の指は肉の圧力に押し付けられながらも、交差し絡み合い、
へそをさらに押し広げるかのように中をぐりぐりとかき回していった。
「それにしても、だいぶよい肉付きになってきたな。
まるで豚の脂が詰め込まれた皮袋のようだ。」
ネムの腹を揉み解しながら、カシが言った。
「俺も驚いている。
もう目方はカシよりも俺のほうがずっとあるんだろうな。
毎日あれだけ食えば太るのは当たり前だが、こんな体になるなんてな。」
カシの手の動きにあわせて、ぶよぶよと揺れ動く腹の肉を見つめ、
ネムは自分の体のことながら不思議そうに言う。
「悪いことではない。貴族の間では肥満は豊かさの証とされているほどだ。
上流階級には肥満した体を愛好する者も多いから、
今のお前なら、夜に城下の街を歩けば女にも男にも不自由せぬだろう。
誘惑は多いであろうが、身を慎むように。」
「経験者は語るというやつか?
神官長様はさぞもてるんだろうな。」
ネムの視線が、カシの太鼓腹に向けられる。
丸くて張りのある腹は、それを好む性質の者の目には
きっと魅力的に映るのだろうとネムは想像した。
「…と、とにかく、
自らが巫女であることを忘れぬようにするのだぞ。」
「分かっている。(去勢は勘弁だ。)
…それで、その、カシはどうなんだ?
太っているほうが、…好みなのか?」
ネムが少し顔を赤らめながら尋ねた。
「お前という奴は言ったそばから。」
カシは問いには答えず、ネムの体を揉み解し続けた。
その指先にいつになく力がこもっているようだ。
そして、カシの口元が少し緩んだのをネムは見逃さなかった。
くっそう…じらしやがって!
カシ可愛いwww
SS乙
神官長ツンデレwwww
作者さんは、へそ萌え?
違うよ臍にホース突っ込んで体全体に脂肪送り込むために拡張してるだけです
臍は体の中心に存在していて全身に脂肪を送るために一番適した位置にあるからです
>>258 大きなお腹に大きなへそって、
肉の厚さが強調されてなんだか興奮しませんか?
ネムは一層張り切って食事をするようになった。
不思議な声に操られているわけでもないのに、
自分の限界に挑むように、詰め込めるだけ詰め込み、
さらに腹がいっぱいになったと感じても、もう一口、もう一口と、
意識的に多くの食べるように心がけた。
それはおいしそうに、幸せそうに。
毎日、空になった皿の山が高くなっていくのと、
腹が大きくなっていくのが楽しくなってきている。
やがて、ネムの体は山のように膨れ上がった。
巨大な体のため、一人で着替えをすることもできなくなり、
その度カシの手を借りなければならない。
特に腰に帯を締めるのは一苦労で、
垂れ下がった腹の下に腰帯を巻くために、
ネムが自分で腹の肉を持ち上げている間に
カシが帯を巻き、帯留めをする。
ネムは口ではすまないと言いながらも、
自分の腹の下に腕を回そうとするカシの様子を
いつもうれしそうに見ていた。
「また、腰の周りが厚くなったようだな。
帯を巻くのも一苦労だ。」
身の丈ほどもある皮の帯をネムの腰に巻き終えたカシが
文句を言うが、その言い方はどこか楽しそうだった。
ネムが持ち上げていた自分の腹を手放すと、
垂れ下がった肉に隠され、腰帯はすっかり見えなくなってしまった。
「すまないな。
でも、カシこそ最近腹がでかくなってきたんじゃないのか?」
確かに最近、カシの腹はへそを中心としてさらに大きく突き出して、
横からは大きな球のように見えるほどになっていた。
全身にしても、筋肉が落ちたわけではなかったが、
その上にむくむくと贅肉が乗ってきたため、だいぶ丸くなった印象である。
「その通りだな。
お前があまり美味そうに食事をするので、私も影響されてしまったようだ。
ここのところ、食事が美味くて仕方がないのでな。」
カシは少し面目なさそうに自分の腹をなでる。
ネムは、そんなカシの様子を見て、
自分と共に太っていく肉体に一層の親近感を持つとともに、
神官としては少し間の抜けたその姿に愛らしさを感じていた。
「神の祝福なんだろう。
それに、俺の肉は全部脂身だけど、カシの体は鍛えられているじゃないか。」
「生意気を言うようになったではないか。」
そう言ってカシは苦笑いした。
SS乙!
ふたりの肥満化と関係の進展にwktk
>>260 同意
逆にへその穴のない太目外国人の写真(加工で消したと思われる)を見た事があるんだが、
さすがにあれは萎えた……
やっぱへそや胸があっての腹だと思ふ
>>259みたいな妄想もいいな。
もともと栄養取り込んでたところなんだし、
へその緒みたいな栄養供給装置を取り付けて、
寝ている間も含めて常時栄養を吸収させたら…
SF世界観でならやりやすそうだけどね
冷凍睡眠中にとか
その日の午後、カシの最後の授業が終了した。
それはネムにとっての教育期間が終了したことを意味する。
授業を終えたカシが授業の終了を告げる。
「…さて、これで必要なことは一通り教えた。
国政に携わる者としてまだ学ぶことはあるだろうが、
明日より巫女としての務めをこなしてもらうことになる。
つまり、明日はお前が巫女であることを
正式に王に認めていただく日でもある。」
「ああ、王様の前で収穫について占いをするんだったな。
祈りの言葉とまじないのやり方は覚えたが、やはり不安だな。」
「最初はそんなものだ。
私も助言するから、気を楽にするとよい。」
その時、ぐぅ〜といういつもの音が聞こえてきた。
緊張感に欠けるその音に、ネムは少し決まりが悪そうに腹を撫でる。
「緊張はしていても腹は減るものだな。」
「このような時にこそ食欲があるのはよいことだ。
明日は大切な日、しっかり食べておきなさい。」
ネムは、料理の並べられた卓台に着き、祈りを捧げる。
もうすっかり習慣となり早口でも唱えられるようになった
祈りの言葉であるが、今日はその言葉の意味を確かめるようにゆっくりと唱えた。
そして、料理の一つ一つを眺めてみると、
どれ一つをとっても豊穣の神の祝福が込められているように感じられた。
祈りを終え食事を始める。
ネムは大きな口を開け、口いっぱいに料理をほお張った。
舌の上に広がる味、喉を通り抜け腹に落ちる感覚を存分に味わい、
食欲が満たされていくのを感じるたびに
もっともっと食べたいという思いが湧き上がってくる。
ネムは、満腹を通り越して苦しくなるまで食わなければ
満足できない体になっていた。
全体の半分以上の料理を食べ進め、
ようやく満腹感を感じるようになってきたころ、
またいつかの声が聞こえてきた。
『我のしもべとなる者よ。
全ての捧げ物を食して見せよ。』
(あの声だ。やはり幻覚なんかではない。)
そして、言うことを聞かなくなった腕がどんどん料理を口の中へ運んでいく。
それはこれまでにないほどの早さで、口を利く余裕など全くない。
その勢いは、太古の昔に島を一つ食い尽くしたという
伝説の怪物を思い起こさせるほど凄まじかった。
異変に気づいたカシはネムに近づき食事の手を止めようとした。
「少し落ち着いたらどうだ。」
しかし、ネムの腕はカシを払いのけ、料理を口に運び続けた。
「どうしたのだ?
またいつかのように体が勝手に動き出したというのか?」
(そうだ。止めてくれ。)
ネムは目で訴えかける。
「そうなのだな。今止めてやる。」
ネムはカシの腕を掴んだが、腕の力は驚くほど強く、
あっさりと振り払われてしまう。
今度は両腕を使い、ネムの右手にしがみ付こうとしたが、
ネムは片腕で軽々とカシの体を突き飛ばし、なおも食らい続けた。
カシはその後もなんとかその動きを止めようとしたが、
人とは思えない怪力の前に、まともに体に触れることもままならなかった。
そんな食事の様子とひたすら膨れ続ける腹を
カシは結局見ていることしかできなかった。
ネムはとうとう全ての皿を腹に収めてしまった。
体に自由が戻ったが、体を起こしていることができず、
どさりと床に倒れこんだ。
ネムの胴体は大量の肉で覆われているにもかかわらず、
破裂寸前まで膨れきった胃袋によって、形が異様に変化していた。
その太い胴は、食前よりもさらに一周りも二周りも大きくなり、
まるでその中に巨大な球体を抱え込んでいるようにも見える。
子牛一頭が丸ごと入っていると言われても不思議に思わないほどの巨大な腹だ。
あまりの苦痛に動くことさえできないネムが、カシに助けを求める。
細かな呼吸を繰り返しながらも、必死にすがるその声は弱弱しく、
今にも消えてしまいそうだった。
「カシ、助けて…。
腹が、破裂してしまう…。
死んでしまう…。」
「何をしている。早く吐き出さないか。」
「吐こうとしてる。でも、できない…。」
カシはネムの口を無理やりに開けると、指を喉の奥に突っ込み
そして、反対の手で背中を思い切り叩いた。
しかし、ネムは余計に苦しむばかりで、一向に食べた物を吐き出さない。
「仕方がない。消化薬を取ってくる。
少し辛抱しているのだぞ。」
カシは走って部屋を後にした。
ssKTKR!!腹破裂来るか?
ネムはどのくらいうんこをするのだろうか?
どうなふうにしてうんこをするのだろうか?
どうやっておしりをふくのだろうか?
SS乙
食い過ぎで倒れるとか萌える
やがてカシが戻ってきた。
数粒の薬丸をネムの口の押し込むと水でそれを流し込んだ。
「吐けるようなら吐き出して構わない。
力を抜いて、楽にしていなさい。」
そう言って、カシは横たわるネムの腹を力を込めて撫で始めた。
両腕でも抱えることもできないほどの巨大さに圧倒されながらも、
ネムの苦しみを少しでも和らげようと、両腕に慎重に力を込めていく。
腹にまとわり付く肉の量が多く、かなり力を加えなければならず、
そのたびに、肉の山が大きく波打った。
そうして、どのくらい経ったか、
巨大な体を相手にし続けたカシは汗だくになり、息も上がってきた。
しかし、消化薬も効いてきたのか、
ネムの顔色はだいぶよくなり、息遣いも落ち着いてきた。
「カシ、すまない。
おかげでだいぶ楽になった。」
カシは安堵のため息をつきながらも、腹の上を軽く撫で続けた。
今度は大きく膨れた腹の感触を楽しむように。
「よかったら、もう少しそのまま撫でていてくれないか。
とても気持ちがいい。」
「お前の気の済むまでこうしていよう。」
ネムは気持ちのよさそうな表情を浮かべながらも、
すこしためらいながら、カシに話しかけた。
「カシ、妙なことを言うと思ってくれていい。
その、俺があなたのことをすごく気に入っている、と言ったら?
気に入ってるっているのは…、とても特別で…、
ある意味で家族みたいに思っているというのか…。」
「光栄に思おう。ネム。
私もいつの間にか、お前のことを
弟のような存在だと感じていたのかもしれぬな。」
「本当か。」
ネムの声が弾み、厚い頬の肉がつり上がって表情が明るくなる。
だが、カシは目線を外して続けてつぶやくように言った。
「ああ。
しかし、お前と私の間には身分というものがある。」
「…やはり、神官長様と墓泥棒では釣り合わないか。」
ネムの表情が一瞬で曇った。
カシが再びネムの目を見つめなおす。
そして、今度ははっきりとした口調でネムに語る。
「そうではない。巫女とは、王族に次ぐ地位なのだ。
国政への影響力は時として王に匹敵することさえある。
お前にはよき巫女になってほしい。それが私の望みだ。
そのためにも、立場をわきまえぬとな。…互いに。」
「難しいものだな。巫女というのも。」
「神官というのも」とカシの表情を眺めて心の中でつぶやいた。
ネムはカシがどんな目で太っていく自分の体を見ているかも、
どんな気持ちで接しているかも分かっているつもりだった。
それはある意味で正しかったかもしれない。
そして、いつかはカシの意思で
自分を抱きしめてくれるのではないかとも想像していた。
カシの言葉は本心なのだろう。
カシはネムのことをまず第一に巫女として見ている。
その心が揺らぐことはないだろう。
カシ気持ちに応えるためにもよい巫女にならなければと
思いながらも、ネムは決意を固めきれずにいた。
SS乙
ヤキモキさせてくれるぜ畜生w
その時、二人の間に、流れた沈黙を破るように、
突然部屋の外からいくつもの足音が聞こえてきた。
「何者かが神殿に侵入したようだ。」
カシは部屋の入り口に注意を向け、ネムの身を起こさせた。
まもなく、夜の闇にまぎれるような黒い衣装を身に着けた男たちが
部屋に入ってきた。その数は6人。
その中の一人が一歩前へ出て、カシに話しかけてきた。
「久しぶりだな神官長殿。
しばらく見ない間にずいぶん丸くなったんじゃないか?」
「直ちに立ち去るがよい。
ここははお前が入ってきてよい場所ではない。」
「堅いことを言うなよ。すぐ済むから。」
まだ状況が把握できないネムが、カシに尋ねた。
「こいつを知っているのか?」
「この男はシュロ。先代の巫女の弟だ。」
シュロと呼ばれた男が、にやつきながらネムに話しかけてきた。
「よろしくな。巫女候補生君。」
そんなシュロの態度がが気に食わないらしく、
カシは眉間にしわを寄せ、声を荒立てた。
「何用だ。」
「大した用ではないよ。自分の持ち物を取りにきただけだ。
巫女の証をな。」
「お前は試練に失敗したではないか。」
「あんなものはお遊びに過ぎない。」
「そのお遊びから半日も経たぬうちに、
泣いて逃げ帰ってきたのは誰だ?」
「う、うるさい。あんなことで後継者を決めること自体、無意味だというのだ。
巫女の弟である俺こそ、跡を継ぐべきなのだ。」
シュロは少し取り乱しているようである。
(泣いたのか。
そういえば、墓の中は人の骨とかごろごろしていたっけ。
蛇なんかも棲みついてたな。俺は平気だったが。)
ネムがまだ身軽に動けたころを思い出す。
「まぁ、誰も素直に渡すとは思っていないよ。
最初から力づくでいただくつもりだ。
もちろん、お前達には消えてもらう。」
シュロの後ろに控えていた男達が身構え始めた。
「ネム、お前は逃げるのだ。…無理か。」
カシはネムの体を見てため息を漏らす。
ゆっくりと歩くのが精一杯の今のネムの体では、
ほぼ確実に神殿を出る前に捕らえられるだろう。
「わかっているなら言わないでくれ。」
「すまぬ。…やむをえない。」
カシが一歩前に出て、シュロの手下達をにらみつける。
「貴様たち。この場を神の住処と知っての不届きか。」
カシの気迫に手下の男達がわずかにひるんだ。
その場に思い空気が流れ、お互いに動くことができなかったが、
にらみ合いを破ったのはシュロの号令だった。
「ひるむな。掛かれ。」
その声が掛かるとためらっていた男達が、一斉にカシに襲い掛かった。
カシは必死に抵抗したが、相手が5人ではさすがに分が悪すぎた。
壁際に追い詰められたところを二人掛かりで両腕を押さえられ、
身動きが取れなくなってしまう。
高みの見物のシュロは、カシの無様な姿を見て上機嫌だった。
「ふふふ。カシ、動きが鈍ったんじゃないのか?
余計なお肉を付けすぎたのかな?」
そう言いながら、カシの体をじろじろと見回した。
手下の一人が腰の短剣を抜いた。
ネムがカシを助けるために動こうとするが、カシの怒号が飛ぶ。
「手を出すな、ネム。殺されるぞ。」
「でも、このままでは…。」
しかし、その時手下の動きを止めたのはシュロだった。
「やめておけ。神聖な神殿を血で汚したくない。
俺のものになるのだからな。
後で外に運び出して始末するのだ。」
手下の男は黙ってうなずくと、短剣の柄でカシの後頭部を殴りつけた。
カシの大きな体がどさっとその場に崩れ落ちる。
「これで厄介者は片付いた。
さて、証をいただこうか。」
5人の手下達は、今度はネムを取り押さえた。
「巫女の証はどこだ?」と手下の一人がネムに問いかける。
ネムは口を閉ざし目をそらしたが、シュロは動じない。
「聞く必要はない。
巫女は常にその証を身につけているものだからな。」
シュロはネムに近づくと、その垂れ下がった腹に手をかけ、
そして、重々しい腹の肉を押しのけ始めた。
予想以上の肉の重みに阻まれ、なかなか目当てのものに手が届かないが、
シュロは、にやにやと笑みを浮かべている。
「悪くない感触だな。
こんな形で出会わなければ、妾にしてやってもよかったかな。」
「お前、結婚しているのか?
豊穣の神に仕える巫女は、純潔でなければならないことを知らないのか。」
「関係ないさ。神の意思を聞くつもりはないからな。
国を動かすには、証があればいいのだよ。」
シュロは肉の塊をかき分け、
とうとうネムの腰から帯の留め金をむしり取った。
「ついに手に入れたぞ。
これでこの国は俺の思うままだ。」
手の中で輝く帯留めを愛しそうに見つめながらシュロがつぶやいた。
ss乙
何と言う急展開
資格を持たないものが装着フラグwktk
どんな罰が下るんだろな
肥満化するのかはたまた豚に変えられたりとか、
もしくは破裂とかグロかったりとかどんなでも楽しみだww
超高カロリーの液体を毎日毎日腹一杯食わされる人間肥育場に送られて永遠に太らされ続ける罰
SSっつーかもう小説レベルの長さだな
元スレからの住人だと、そんなに長く感じないんじゃないかな。
(くそ、どうすることもできない。
このまま殺されるのか。俺も、カシも。)
ネムが自分の無力さを嘆いていると、
その耳に、今まで自分を操ってきた「あの声」が聞こえてきた。
『我がしもべよ。力を貸す。』
次の瞬間、ネムの全身に不思議な力がみなぎってきた。
体中にまとわり付く肉の重さを全く感じない。
(体が自由に動く。それにこの力は?
何かはわからないが、これなら戦える。)
ネムは自分を取り押さえている男達の腕を力任せに振り解いた。
自身の重さで思うように動かせなかった体が自由に動く。
その力の強さと勢いに驚き、男達は数歩の距離をとった。
「な、なんだこいつ。いきなり暴れだしやがった。」
「慌てるな。ただの悪あがきだ。もう一度取り押さえるぞ。」
二人掛かりで飛び掛ってきた男達に、
ネムは渾身の力で体当たりを食らわせる。
二人の体重をあわせたよりも遥かに重い体で激突された男たちは
ひとたまりもなく、まるで大猪に突進されたように、
まとめて後方に吹っ飛び、そのまま伸びてしまった。
「この野郎、やりやがった。
もう神殿なんか関係あるか。ぶっ殺す。」
手下の一人がそう叫び、腰の短剣に手をかけようとする。
しかし、ネムはその男の後方にすばやく回り込んむと、
勢いをつけて、その巨体で思い切り男に圧し掛かった。
そのあまりの速さに全く対応できなかった男は、
肉の津波に飲み込まれるように押し潰され、
ぐぇっと蛙を潰したような声を上げて意識を失ってしまった。
「一体、どうなってるんだよ。」
「わからねえ。動きがさっきとは別人だ。
まるで何かが乗り移ったみたいだ。」
ネムは慌てふためく残り二人の手下に一瞬で接近し、
首に向かってその太い腕を伸ばした。
そして、左右の腕をそれぞれの男の首にまわして捕まえると、
そのままぐいぐいと締め上げた。
二人の男は、じたばたと手足を動かして暴れたが、
ネムの広がった分厚い胸の肉に顔面を覆われて、ろくに息もできず、
しばらくすると、その動きを止めた。
「な、なぜ、何でこんな…。」
あっという間に手下を全て失ったシュロは
しばらく呆然とその場に立ち尽くしていた。
しかし、はっと我に返ると、外に向かって一目散に走り出した。
「待て。」
ネムは追いかけようとしたが、その時、急に体の力が抜け始めた。
(待ってくれ、あと少し、
あいつを捕えるまで、力よ、消えないでくれ。)
その願いも虚しく、体には元通りの肉の重みが圧し掛かってきた。
さっきまでの感覚のためか、いつもより余計に体が重く感じて、
その場にへたりこんでしまう。
(どうしてだ。もう一歩なのに。)
歯軋りして悔しがるネムに、不思議な声が
再び語りかけてきた…。
重い体を引きずるようにして、ネムはカシに近づいていった。
そして、倒れているカシをゆすり起こした。
「カシ、目を覚ましてくれ。」
「うぅ。…ネム?
これは一体どうしたのだ?」
意識を取り戻したカシが、
周りに転がっている男達を見て、ネムに尋ねる。
「全員気絶しているだけだ。
突然、奇妙な声が聞こえてきたんだ。力を貸すって。
そうしたらいきなり力が湧いてきて、…この通りだ。」
「シュロは?奴がいないぞ。」
「あいつは黄金の帯留めを奪って逃げた。」
「ならば、早く追いかけねば。」
「その必要はない。」
「なぜだ?証を取り返さねば。」
カシは今にも走り出しそうな勢いで叫んだが、
ネムはシュロの逃げていった方を見ると、静かな声で言った。
「あいつは神の怒りに触れた。
もうどこにも逃げることはできない。」
wktk
どこにも逃げられないって事は、死ぬまで神殿の中で……
wktk
肥満化としてだけでなくファンタジーとしても面白いので困るね
罰として豊穣の神の下僕 丸々肥え太ったオークの栄養満点の精子を毎日毎日飲んで精液漬にして
身も心も豚になる罰を受けるのかな?
長い廊下を逃げながら、シュロは考えていた。
(くそ、なんでこんなことに。
まあいい。巫女の証は手に入った。
さて、奴らはどうしてくれるか。)
その手の中の黄金の帯留めがきらりと怪しく輝いた。
(王への反逆を企てたことにして捕らえさせるか。
証を持っている俺の言うことなら、
王も信じざるを得ないだろう。)
「ふふふ。勝つのは、ふぅ、俺だ。
ふふふ、ふ、ふぅっ、ふぅっ…。」
シュロの息が切れ始めた。
体中にじっとりと汗がにじみ出てきている。
(何かおかしい。どうしてこんなに暑いんだ?
それに、この廊下、こんなに長かったか?
足が…、足がどんどん重くなる。)
足の動きはだんだんと鈍くなっていき、ついに立ち止まってしまう。
そして、体に妙な感覚を覚え、自分の足を見ようとしてみる。
「な、なんだ、これは。」
シュロは自分の足を確認することができなかった。
その代わり視界に入ってきたのは、
自分の足元を隠してしまうほど大きく膨れた自分自身の腹だった。
そして、シュロの見ている目の前で、みるみる腹が突き出していく。
「は、腹が…、膨れていく。
い、いや、それだけじゃない。」
胸も大きく肉付いていき、
腹と共に身に着けていた黒い衣装を圧迫した。
シュロは混乱し、とにかく体の膨らむのを抑えようと、
手で腹や胸を押さえつけたが、体の膨張は止まらず、
手の中でうごめくように増殖していく肉の感覚が
伝わってきて、余計に焦るばかりだった。
それどころか、腹を抑えようとしていた腕も、
そして足も肉を付けてどんどん太くなっていく。
やがて体の膨張に耐え切れず、
衣装が破れ、その体があらわになる。
大きくなりすぎた腹は、なおも肉を付け続け、
床に向かって、垂れ下がっていった。
あまりの重さに耐え切れず、
シュロはその場に座り込んでしまう。
「た、たすけ…。」
太くくぐもった声を振り絞って叫ぶが、その声は誰にも届かない。
首にも肉が付いてきたらしく、
だんだんと下を見るのが辛くなってきていた。
腕を伸ばしてみたが、胸や腹、そして腕そのものの肉に阻まれて
自由には動かせず、もはや自分の体がどれだけ大きくなったのか
確かめることすらできない。
腹に抱えた肉のせいで、体を起こしていることすらできなくなり、
ついに床に仰向けに倒れてしまう。
そんな状態になってもなお、容赦なく体は膨れ続け、
腹は今度は天井を目指してせり上がっていった。
やがて体の膨張が止まったときには、シュロの体は、
腹の中心を山頂としてそびえ立つ肉の山のようになり。
もう自分の意思で動くことは不可能だった。
そんな体になりながらも、
シュロは巫女の証を握り締め続けていた。
カシはネムの全身を見回し問いかけた。
「その力、それにその奇妙な声とは…。
やはり…。」
「どうやら、そういうことらしい。」
神官はゆっくりとネムの前にひざまずいた。
そして、神にそうするように、目を瞑り深々と平伏した。
「そなたこそ神に選ばれし真の巫女。
どうかこの国を正しく導いていただきたい。」
巫女はカシの顔を上げさせた。
「あなたがいてくれたから、俺は自分の運命を受け入れられたんだ。
あなたには、これからもずっと傍にいて力になってもらいたい。」
そして、ネムはカシの体を抱きしめた。
〜後日談〜
動けないほどの体格になったシュロは、
十数人の衛兵によって運び出された。
カシは刑罰を与えるべきだと進言したが、
ネムは「もう罰は受けているから」と、
監視付きという条件で家族の元にシュロを返した。
シュロは必死に減量しようとしたが、
その肉は少しも落ちることはなく、
やがて諦めてやけ食いに走ったらしい。
***
〜ある王国記に関する仮説の一説〜
かつて、大地の神を崇める王国があった。
巫女は神の言葉を伝え、多くの奇跡を起こし、
国は実り豊かに栄えた。
巫女は王に愛された。
そして巫女の死後、「巫女の証」は、
その姿を模した人形に作り変えられた。
神の力が宿るというその人形は、
王家の守護者として、王の墓に奉られた。
それは盗賊の目を欺くため、粗末な木彫りの人形の中に隠され、
今も墓を見守り続けるという。
SS乙でした
いい話だなあ・・・ハッピーエンドでよかった!
>>294 そういうのも好きだけど神の下僕がオークってことはないだろうw
終わりです。
アイディアは前スレのSSからいただきました。
独自の解釈が入っているので、作者さんの意図とは
違うものになっているかもしれません。
事後になってしまいましたが、
使わせていただいてありがとうございました。
そして、勝手に使ってすみませんでした。
インフレーション(膨腹)とか破裂とか好きな人は
多いんでしょうか?
俺は好きです。
乙&GJ!!!
最後まで十二分に萌えさせて頂きました
ところで、先代スレにあった遺跡の呪いのSSを思わせる終わりかたですな……
だがそこが良い
>>301 ありゃ、先に書き込まれてもたwスマソww
やはり意識されてたんですねー
こういうコラボ的な作品がもっとあっても面白そうだと思ふ
シュロになりたい・・
スタイルの良さを自慢に、プライド高めの奴がぷにぷにになってたら可愛いらしいよな
ついでに性格も丸くなれば更に良し
たしかにプライド高い奴を服従させるのは萌える
俺は、性格悪い小太り〜デブが無理矢理太らされて調教されるのが好きだな
うちは早めの成長期で小学校の頃はガキ大将的な存在だった奴が身長が止まったかわりに体重は成長し続けて…みたいなのに萌える
ガキ大将って基本的にデブが多くね?
子供のうちは基本的に体がでかいやつの方が力があるからじゃね?
子供のころはガキ大将だったけど、
背は全然伸びないで体重だけが増え続けて
中学・高校の頃にはちびデブとして虐められるとかに萌える
ガキ大将の地位が欲しいがために
競争するように太っていくとかもいいな
大学生になる頃には一緒に飯食べにいく仲に
身長もデカイデブもいいが
個人的にはチビデブのが萌えるな
漏れもチビデブがいい
>>313 背が低いせいで体が小さく見えるのに、
実際抱いてみると大きさと重量感にびっくり、とかいいな
強気なデカデブを更に太らせて、弱気で従順な巨デカデブにするのも萌えると思うんだ
俺もどちらかというとデカデブに一票
プライドの高い性格は変わらなくとも、肥満した自分を断固認めずなおも太り続けるというのに萌える
やはりデカデブかなぁ
チビデブだとこじんまりと見える気がする
相撲取り以上の体型になって動きにくそうにしてるといいねぇ
デカデブもいいがでかいと肩幅が広くなりすぎてパイズリできないんだよな・・・・
チビデブだと肩幅も無いから簡単にパイズリできる
一応肥満化スレなのをお忘れなく
ここって版権キャラやオリキャラの肥満化イラストとか投下していいかんじかな?
もし、ろだがあるなら教えてほしい
>>322 >>147 そろそろまとめがほしいと思って無料wiki探してみたが
そろいもそろってエロだめという
太り方にも色々あるが乳デブのほうがいいよな
○ケボノみたいに腹だけでかいデブは生理的にだめだな
潮○見たいな体系が一番好き顔もかわいいし
たぷたぷの二重顎、頬にもたっぷり肉のついた真ん丸顔でないとね。松村邦洋は140kgあったときも顔は小さめで逝けなかった。
>>326 このおっちゃん達が太っていった過程を妄想したら萌える
街中とかでデブを見かけると、欲望のままに食べて豚になっていったんだろうなあ、と想像して興奮しちゃう
329 :
名無し調教中。:2009/04/26(日) 01:20:43 ID:Q5PAmNJc
やっぱりこのスレの住人は基本的にはデブになればなるほど萌えるんだろうか
個人的にはがっちり体型から程よく小太りになるぐらいが好きなんだけど
一定の基準を越えると逆に萎えていくというかなんというか…
上限やスタート地点の好みは人それぞれだろうね
俺もスタート地点はあまり決まってないけど肉塊はいきすぎだと思うし
ベルトやパンツに腹がどっしりと乗ってるリンゴ体型とかがいいね
パツパツに張り詰めたデカケツも好み
美しい筋肉美が自慢の細マッチョ。
ところが自らの意思に反して、肥満化が始まる。
ついに体重は280キロに達し、自分に好意的だった女達の態度が大きく変化。
性的な対象から疎まれるようになるとともに、自分の肥満化した巨大な尻が新たな性的対象となっていることを間もなく知ることとなる。
あれからいったい何人の男にこの巨尻を委ねたのだろうか?
最初は凌辱に耐え切れなかったが、いつのまにか快感へと変わり、
いまではより太いいちもつに期待を抱くようになっていた。
おおっ、こんなスレが…
筋肉が自慢のぶっといビルダー体系の男に脂肪を付けるのが好きです
あんなに逞しかった筋肉がこんな醜い肥満体になって二重顎で腹までぼってり出て
ズボンのベルトを締めると腹にズボンが食い込む惨めすぎる風貌に!というシチュエーションに興奮します
自慰のため自家発電で絵も描きますが自分で描いた物にはなかなか満足いきません
今、魔王を倒しに来た勇者が逆に魔王に倒され
醜く肥満化されたうえ魔王の性奴隷にみたいなネタが降りてきたので文章にしてみてるんだが、
果たして需要はあるのか…
もちろん需要はある!
前スレでもファンタジー物を希望してた人もいたしね。
>>333 大いに結構だと思います
魔王に負けた勇者事実上人間の敗北であり魔界の者達の勝利である
よって人間は家畜になり丸々太らされる
全体的に肉付きがよいものはどんどん太らされて繁殖用に
またあるものは食肉用にされるために太らされ続ける
魔王の家畜となった人間たちはもう強くなることができないように太らされるとかね。
まさに肥満化賞讃社会になる。
>>329-330 (*・ω・)人(*・ω・*)人(・ω・*)ナカーマ
俺も個人的な好みとしては、肉塊レベルの体型も良いが、それより少し控えめなくらいが一番ストライク
329さんの萎える気持ちは何となく共感出来るかも知れない
329の「小太りになる程度が好き」は強制肥満のカテゴリー外ではないですか?
強制的じゃなくても、小太り程度ならば大半の人が自然とそうなるわけだし、
スレ違いと思われ。
まずここは"強制"ではないわな
肥満化とだけスレタイにある
まして肥満の程度は人それぞれだからね
程度で論議してもキリがないし、肥満化してるかどうかだよ
>>338 太さ談義は荒れる種になりやすいからアレなんだが、完璧なスレチでは無いと思うぞオレは
小太りだろうが肉塊だろうが、当社比で前より太ってるなら少なくともスレ違いではないわな
SM板だから、何らかのSM的な要素は必要だろうけど
環境太り、例えば相撲部に入部したから〜とかは
太ってるからM要素はありそうだけど満たせてるのかね?
SMとか度合いとか考えず肥満化さえ満たせばいいと思うけど
>>333です。
取り敢えず需要はあるようなんでSS本格的に書いてます。
出来次第うpします。
>>341氏
気になったんで色々検索してみて、多分該当のブログ発見しました。
該当してると思われる話を見ましたが、話の展開とか設定とか自分が考えてるのと違うので大丈夫かとは思うんですが…
ダメっぽかったらお蔵入りさせます
>>345 同じ題目ぐらいならいいと思う、料理人しだいで変わるだろうし
設定や展開まで丸々同じだとアウアウだけどね
たしかに腹だけじゃなく顔周りや胸、尻とか足の太さに顕著に出ないと
大きくなってるって感じはしないかも
しかし腹が一番出てるほうが迫力がある 気がする
豚インフルエンザにかかったら体重増加するとかだったらいいのに。
デブしかかからないとかでもいいけど。
このインフルエンザにかかると豚化(オーク)になるしかも空気感染で
人間にもうつるそして地球全体から人間がいなくなりオークが支配する星になる
>>352 そ、それは肥満化とはまた違う話なんじゃ……
しかし素敵男子が感染すると太るウィルスってのはイイね
完治した頃には体重が約1.5倍増量(当社比
何というバイオハザード
素敵男子じゃないと駄目なのかww
352さんのネタだけど、肥満化→豚化ならおkかな?
>>352 インフルにはまず本物の豚がかかるわけだけど、豚もオークになるの?
オークになりたいぶひ。ブヒル様の魔力を注入されたいぶひ。
↑ 肥満化、魔王、勇者でググれ
あんまり人様HPの固有名詞を出すのは控えた方がいいかな
美味しいssばかりだったけど作者さんは静かにやりたいみたいだし
荒らされたらかなわん
俺もそう思う。
悪気はなくても気分害されることもあるし、
それにあの作者さんには続けてもらいたいしね。
山本山の日本人力士最重量記録更新のニュースで萌え死んだ。
プロレスで「客寄せパンダ」的なデブを養成すべく、
毎日先輩レスラーから死ぬほど食わされている上に、
ファンから山のような食い物の差し入れが連日届いて、
物凄い勢いで太ってゆくレスラー…
そんなストーリーも俺的には萌えるのだが。
ファンの期待という、目に見えないものに縛られるのも、
ある意味SMプレイではないのかと思うw
山本山の廻しほしい
頼むからここが肥満化スレだって事だけは理解して
レス見る限りそこまで逸脱してないと思うけど、心配しすぎでない?
自治気取るなら、せめて自分からネタ出しとかしてほしい。
スレ乗っ取り第一波だな
「スレ違いが嫌ならネタ出せ!ネタ出せないならスレ違い容認しろ!」
でもネタ出したほうが面白いもんなあ
好みのデブについて語ったりとかで10レス以上も使われるならまだしも
1レスぐらいなら空耳と変わらんぜ?
活気があるのが一番だが他の人がどうなのよ?と思うようなスレ違いや荒らしは勘弁だ
まぁそこで過敏反応や自分ルール押しつけるのもアウアウだが
まぁ基本スタンスはマターリ( ´ ∀ ` )さ
>>362 過去にネタ提供したんでそれで勘弁して下さい。
>>365 過剰反応すぎましたね。スイマセンでした。
367 :
れ:2009/04/30(木) 02:03:52 ID:O+N3MsRp
>>333ことれと申します。
>>333で言ってた話の導入部分が出来たんで投下してみます。あと、SS投下時だけコテハンつけさせてもらいます。
RPGをまともにしたこともなく(最近初めてTOAをプレイしたぐらい)、ファンタジー小説もハリ●タと魔術師オー●ェンぐらいしか読んだことない人間が書いてるので色々ツッコミ所は満載だと思いますが、少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。
また、携帯から投稿してるので改行とかおかしかったらスイマセン。
「やっとここまでたどり着いた…」
ボロボロになりながらも最下層に辿り着いた勇者・シセルは小さく呟いた
単身で魔王が住まうと言う城に乗り込んだ無謀さは自身でも理解していた。
しかし、此処まで来れたのだ。後には引けない。
シセルは覚悟を決めると体力回復用のグミを噛み締め、魔王が居るであろう最後の部屋へと踏み込んだ。
部屋に入ると、黒ずくめで青白い顔をしたスラリとした長身の男が部屋の最奥に誂えられた玉座に足を組んで座っていた
「たのもう!我が名はシセル・ハンベルグ!ギリオーヌの剣に選ばれしミュントヘナーの勇者なり!邪悪なる闇の王よ。その首をいただきに来た!」
勇者の証である剣を高々とかかげながら、目の前の玉座に座った男に告げた。
玉座に座ったままの男はその言葉を聞けば楽しそうな笑みを浮かべ大袈裟な仕草で両手を広げた。
「よく来たね。勇者シセル。この魔界の王子、バアル・ゼブルの元に一人で来た勇気は褒めてあげるよ。でも…私に挑むにはレベルが足りないんじゃないかな?私の城をもう一周してきたらどうだい?」
そう言って魔王…バアル・ゼブルは、椅子に座ったままシセルを値踏みするように見つめた後、口の端を歪め笑った。
「っ――――…!!!」
シセルは自分を歯牙にもかけない相手の態度に羞恥と怒りを感じ思わず顔が真っ赤になった。
レベルが足りないのは相手と対峙した瞬間に気づいていた。
だがしかし、シセルとて勇者の端くれ。今さらおめおめと引き下がるわけにはいかない。
「だ、黙れ!悪魔の戯れ言などには耳は貸さん!行くぞ!!」
シセルは剣を構え呪文を唱えながら床を蹴り魔王との距離を縮めた。
「聖なる閃きよ、迸る神の雷よ、我が剣に宿りて魔を討て!ライトニング・ブレー…
「カオスバースト」
「ぐぁっ!!」
今まさに斬りかかろうとした瞬間、たった一言の呪文でシセルは地に叩き付けられた。
「あ〜あ…。だから言ったじゃないか。もう少しレベルあげた方がいいんじゃないかって」
魔王・バアルはやれやれと溜め息をつきながらシセルを見下ろした。
「ま、まだまだ…」
たった一度の攻撃でかなりの体力が削られたが、それでもシセルは立ち上がった。
「私は弱いモノ虐めは趣味じゃないんだがね」
「ほざけ!」
肩を竦めながら軽口を叩くバアルに噛みつくように怒鳴った後、シセルは接近するのは得策ではないと考え、距離をとった。
そして深く息を吸い、大気中に存在する精霊元素(エーテル)に意識を集中させた。
「(この技は魔法力をかなり消費するから使いたくなかったんだが…仕方がない)
天翔る光より生まれ出でし獣よ。契約者、シセル・ハンベルグの名の元に今その姿を持ちて我に仇なす邪悪を切り裂き打ち砕け!!!
これで終わりだ!出でよ!ギリオーヌ!!オーバーリミッツライジング!!!!」
そう叫んだ瞬間、シセルの周囲のエーテルが鳴動し、眩い光が辺りを照らし出すと光は雷鳴を伴い角を持ち竜のような頭を持った鹿のような獣の姿を形取りながらバアルの元に集束し巨大な破壊音を轟かせ地面を深く抉り、そして霧散した。
「はぁ、はぁ…やった、か…?」
辺りは粉塵に包まれ視界が悪いが、シセルは確かな手応えを感じていた。
体力も魔法力も大分削られ、ふらふらになったその身体を休めるためにもその場を後にしようとしたその時だった。
「アースグラヴィリティ」
「なっ…!あぐっ…」
静かに聞こえた声と共にシセルの体に体重の何倍もの重力がかかり地面に縫い付けられてしまった。
「いきなり一撃必殺技か…スゴいねぇ。流石の私でも服の裾を焦がしてしまったよ」
静かな声と共に姿を現したのは仕留めたはずのバアル・ゼブルであった。
しかもその姿は全くと言っていいほどの無傷で、悠々とシセルの方へと近づいてきた。
「な、ぜ…」
「君、少しは相手との相性とか考えて戦った方がいいよ?それに、このレベルでは、私にダメージは与えられない」
未だに地面に縫い付けられたままのシセルの傍らにしゃがみこむと、バアルはおもむろにシセルの顎に手をかけ、半ば無理矢理顔を上げさせた。
「まぁ、初心者で此処までレベルを上げて私のところに来た努力は認めてあげるよ」
「くっ…」
シセルは悔しそうに呻き、バアルを睨み付けたが、バアルはそんなシセルを見てクツクツと笑った。
「威勢だけはいいみたいだが…、ギリオーヌは契約を解いた。剣がなければ勇者もただの人。さぁ、どうする?元勇者、シセル・ハンベルグ」
「なっ…!」
バアルの言葉にシセルは目を見開き辺りに視線を走らせた。だが、何処にもギリオーヌの剣は見当たらない。
これは何よりも雄弁にバアルの言葉が正しいことを物語っていた。
絶体絶命のピンチにシセルの身体から血の気が引いていく。
自分は此れからどうなるのだろうか、シセルの頭によぎるのは最悪の結末だけであった。
「ふむ」
唐突にシセルを見つめたまま黙っていたバアルが声を出した。
シセルは思わずビクリと身体を震わせ怯えたような、しかし決して力を失ってはいない眼差しでバアルを見上げ、様子を伺った。
「よし!気に入った。お前を私の花嫁にしよう」
「は?」
突拍子のない相手の発言にシセルは思わず間抜けな声を出してしまった。
(今、こいつ何て言った?)
「丁度嫁候補を探していたところだし、何よりお前のその怯えながらも決して力を失うことのない瞳が私は気に入った!そうとなれば善は急げだな!」
そう言うとバアルはシセルを軽々と抱き上げた。(所謂姫抱きと言うヤツだ)
「お、おい!ちょっと待て!」
「何だね?我が花嫁」
慌てたシセルがバアルを止めると、バアルは男でも思わず見惚れてしまうような蕩けるような極上の笑みを浮かべた。
この男、普通にしていればイケメンなのである。
支援
しかし、シセルにとってはそれどころではない。
「は、花嫁?!俺は男だぞ!」
「?知ってるよ?それくらい見たら解る」
「じゃあ何で…」
「悪魔は魔界樹の根から生まれるから、結婚に相手の性別は関係ないんだよ。だから、気に入った者なら誰でも花嫁に出来る。私は君が気に入ったから君を花嫁にする。それだけだよ」
そう言いながらバアルは再び歩き始めた。
しかし、シセルはたまったもんではない。シセルは抱き上げられたままジタバタともがきはじめた。
「い、嫌だ!離せ!降ろせ…降ろせ!!!!」
激しく暴れるシセルを見てバアルは小さくため息をついた。
「シセル。自分の立場をわきまえろ」
バアルはゾッとするような冷たい声で言い放った。
魔王の威圧に、シセルは反射的に抵抗をやめた。
「ギリオーヌの力を失ったお前は他よりも少し剣術と魔術が勝っているだけの非力な人間だ。無駄な抵抗は諦めて私の言うことを聞く方が利口と言うものではないか?」
冷たい声色のままバアルは淡々と喋った。その言葉にシセルはグッと唇を噛み締め俯いた。
「あぁ、あともう気づいてると思うけど、自害できないように少し魔法を掛けさせてもらったからね。どちらにしろ君の身体も命も私のモノだ」
そう言いながらバアルはシセルを愛しげに見つめながら優しく頭を撫でた。
「さて、じゃあ行くとするか。我が魔界の城へ!お前を私好みの花嫁にしなければならないからな!」
「お前好みの…?」
「あぁ、お前たちの言うところの‘ハナヨメシュギョー’とか言うヤツだな。」
そう言い、シセルを抱えたまま突然現れた時空の歪みへと歩を進めるバアルを、シセルは不安げに見上げた。
「そう不安そうにするな。大丈夫。ただ、お前をもっと私に相応しい存在にするだけだよ。
…そう。かつて豊穣を司り、今は暴食を司る私に相応しい存在に、ね…」
そう楽しげに笑いながら、バアルとシセルは時空の歪みに消えていった…。
バアル・ゼブルの補足説明コーナー
チャオ〜。魔界の貴公子、バアル・ゼブルだ。
今回は作者に代わって物語の補足説明に来た
まずこの世界では勇者と言うのは一人じゃないんだ。
まぁ、職業:勇者みたいな感じ?
でも、勇者と名乗れるのはこの世界に散らばっている聖獣の力が宿った特殊な剣に選ばれ契約を結んだ子だけ。
だからたまに偽物勇者とかもいるけど、嘘はすぐに解っちゃうってワケ。
因みに今回私のところに来たシセル君は雷の聖獣ギリオーヌの力が宿った剣と契約子した子だったようだね。
ちなみにこの契約の主導権は当然聖獣側にあるから、聖獣が契約者を勇者として不適切だと判断した場合、すぐに契約は打ち切り。
契約者の前から剣は消えて、剣は新たな契約者を探しに行くんだ。シビアだよねぇw
続いて、聖獣ギリオーヌについてだが、ギリオーヌは雷を司る聖獣で属性は雷と光、姿形は君たちの世界の麒麟とかいう獣に酷似しているらしい。
聖獣としてのランクはまぁまぁ高めだが…属性の相性が悪ければ力も半減…いや、半減以下になってしまう。逆に属性の相性がよければ本来の威力以上の威力が期待できる。
だから、属性の相性は大切なんだよ。
あれだ。君たちの世界の‘ぽけ●ん’とか言うのと同じさw
最後に私達魔族についてだ。
私達魔族は大魔王・ルシフェル…おっと、今はサタンか…。
まぁ、サタンを頂点に魔王72柱がいて、72柱の中でも特に巨大な力を持つもの達は七つの大罪を司り、七魔将と呼ばれている。
ちなみに私はこの七魔将の一人で、サタンに次ぐ力を持っている。基本属性は闇と水と風だが、作者は勝手に地の属性も増やしていたな。まぁ、私についてもっと知りたければググってくれればいいよw
後はその下に色んな魔族がいる感じかな〜。
まぁ、私からの補足説明は此れくらいかな。
他に疑問があったら遠慮なく聞いてくれたまえ。
それでは、Arrivederci…
379 :
れ:2009/04/30(木) 02:35:12 ID:eNMEGyOY
取り合えず此処までです。
肥満化本番は次回からです…。導入なのに長々と申し訳有りませんorz
遅筆なので、次回がいつ書きあがるかわかんないんですが…頑張って書かせていただきます!!
あと、支援してくださった方、有難うございました。
当然ですが、悪魔の名前以外は私の勝手な創作ですw
にしてもSSって難しいですね。元は絵描きの自分には難産でした。
他のSS職人様って凄いな…
SS乙
文章も絵もいけるとは何と多才な
果たしてどんな手段で勇者を肥満化させるのか……
wktkしながら待ってますぜ
これは楽しみ 是非絵も見てみたいですな
早くしないと我慢できなくて出しちゃうぞぅ。
魔王に勝てる属性って何だ?
火か?
光か無
385 :
sage:2009/05/02(土) 20:27:13 ID:VUdyyiWd
まとめwiki作ろうとしてくれてる方もいるようですが
確かにアダルト禁止ばかり
らちがあかないので試しに作ってみますか?
女の子スレのまとめもあるしFC2あたりでどうでしょう?
>>387 乙!
携帯からも閲覧出来るのが非常に有り難い
以前書いたSS何個か修正、題名付けしたんだが
大丈夫だよな
上級
柑橘系に定評のあるナチュラスサイコス
誤爆スマソ
wikiを立ち上げた者です
>>390 作者さんでしたか
修正乙です
>大丈夫だよな
今のところ大丈夫だと思いますが
wikiの内容的に削除のリスクは常にあります
>>ALL
パス入れれば誰でも編集できるので
ss補完、ページ整形、新コンテンツ(?)立ち上げや提案など
協力していただけるとまとめサイトらしくなってくると思います
wiki作成乙
使いやすいようにしていこー
ところで荒らされたときに前の状態に戻せるような履歴とかはないのかな?
廻しが似合うデブになりたい
只今ウエスト122cm
>>395 編集されると復元ポイントができます
少しずつssにタイトルがついてきているみたいですね
それぞれの作品の作者さんが協力してくれたら
作者名や粗筋の紹介などを載せてみてもいいかもしれません
>>396 120cmもあればなかなか立派なお腹だと思う
廻しするなら丸く張った太鼓腹だとさらにいいな
ぜひがんばってほしい
>396
でっかい太鼓腹をまわしでせきとめてたっぷんたっぷん揺らしながら歩くといいと思うぜ
腹が地面に達するようなデブになりたい。
ただいまウエスト165cmです。
そこまでいくとちょっと・・・・
>400
その数値から見るに前スレで画像も上げてた
日本人巨デブさんかな。
肥満化が今も進行中なら進展報告してもらえると
肥満化スレとしておいしいかも。
そういえば、膝のほうまで大きく腹が垂れ下がった場合、
ウエストってどこで測るの?
腰周りの水平方向?
腰から臍へのフリーハンド楕円?
>>400 少し太った?
またお腹見せてほしいです
>>403 服のサイズの基準にするなら
腰回りじゃないのかな?
1枚目のおじさんはやっぱり太りたくて太ったんだろうな
幸せそうだ
海外の人はどうしてこんなに太れるんだろう
遺伝的に欧米人は糖を同化するホルモン、インシュリン分泌量が多く、
体重200kgを超えてもインシュリンを作る膵臓がヘタルことはないが、
日本人の場合世界でもアジア人の中でも特にインシュリン分泌能力が低く、
多くの人は体重80〜90kgで膵臓が悲鳴を上げてしまう。
その結果、体重70〜80kgの糖尿病患者が大変多い。
しかしながら数は少ないが欧米人と同じように耐糖性に優れる人がいて、
これに食環境がマッチした場合に160kg、200kg、240kgなどとなる者が現れるのです。
相撲取りの場合は、筋肉量が多く余剰の糖質を血液中から低減できるため
生活環境を変えることにより100kg以上に太ることができます。
しかし上述のような遺伝的体質を持っていないと決して200kgオーバーの
体にはなりません。
日本人が可能な超肥満化として、@摂取タンパク質相応の糖質の摂取に努め、
血糖の上昇を抑える、A血液中のインシュリンを含む同化ホルモンレベルを上昇し、
5000〜10000kcal/日を摂取できる環境を整える。
@では日本人は同化ホルモンが欧米人的に多くないので、糖尿病予防程度かも
しれないが、Aでは超肥満化が期待できる。
しかしながら同化ホルモン(anabolic steroid)量の増加は様々な障害をもたらす可能性があるので、
要注意。特に多くの日本人では血栓等の致命的な害を及ぼす可能性があると同時に
aromatizationと脂肪の過剰蓄積による女性ホルモンの活性化の二つにより、
生殖機能、生殖器、乳房、乳首、臀部など男性機能が失われ、女性的な機能や
形態に変わってしまうだろう。
最近メキシコ国内で超肥満が深刻な社会問題となってるが、遺伝的には最も
超肥満化に適しているのだろう。ギネス級の肥満者の数も日本以上。
間もなく世界一の肥満大国(現在は米国に次ぐ第2位)になるだろう。
糖尿にならないからだよ
糖尿にならないために辛いものを適度に摂取し糖分を中和するのがよろしいでしょう
ハバネロ、ジョロキアなどが一番効果的です
甘いものを中和するって言ったら、やはり苦いものでしょう。
ゴーヤチップスなどが効果的です。
規制解けたから今更だけど、wiki作成乙でした!
>>410 苦いものも効果覿面ですよね〜
私は毎日職場で新鮮な苦〜い御ミルク頂いております
wiki場所だけ作った更新
テンプレとかいれといたけどwikiの編集パスを書くわけにもいかないよね?
スレを立てるときにテンプレに追加ということでお願いします
れ氏の作品が完結してないところ恐縮だが、俺もSSを書いたんだ
流れを豚切ってしまうような気がしなくもないが、まぁコマーシャル程度の存在だと思って下さい
最近ちまたでは、どんな不細工な男性でも、着るだけで誰もが振り返るような理想のルックスに変身出来る“半寒スーツ”とやらが流行っているらしい。
しかしこれは、あらかじめ女性へのアンケート結果を平均して割り出したモノを理想像としており、変身後の姿がそのワンパターンしかプログラムされていない。
つまり、これでは街中にまるでクローン人間が大量発生したかのような現象が起こりかねない。そこでだ。
今回我々が開発したのは、着用時の体型から顔のパーツまで、着用者による自由な調節を可能にした、その名も“フィジカルスーツ”であるっ!
「そのまんまですね」
意気揚々と演説する開発部部長・清水。そこに、助手・河合が冷たく突っ込んだ。
「良いじゃん開発途中なんだから。半寒スーツだって似たようなモンじゃないか」
「つーかその誤変換はどうにかならないんですか」
「まったく、河合くんも小言が多いねえ」
「清水部長のウザさにはかないません」
「俺泣いて良い?」
「とにかくだなっ!」
冷たくあしらわれた清水は、半ばやけに声を荒らげた。彼の傍には、あさっての方向を向いたマネキンが黒いスーツとパンツを身に付けて立っている。
「コイツがその試作第1号というワケだ。最初の実験台になれる事を光栄に思いたまえよ河合くん」
「謹んでお断り申し上げます」
「なんでや!」
「僕には別に変身願望などありませんので」
「いやこれ仕事ですから! 願望とか個人の意思とか関係ないから!」
「そんな人権を侵害するような仕事ならなおさら嫌です」
「頑固だなぁ君も。NOと言える強さは必要だが、世の中にはケースバイケースという言葉もあってだねぇ」
「うだうだ言ってないでご自分で試されてはいかがですか。あなたが開発した物でしょう」
「う」
「まさか実験を成功させる自信がなくて、万が一の事があっても自分の身は守ろうとしてるワケじゃありませんよね」
「ぐっ……」
図星らしい。清水は歯を食いしばった。
「部下を守るのも、上司の勤めなのでは? これは仕事なんですよね?」
「だぁぁああっ! 解ったよ解ったから! 俺が試せば良いんでしょそれで満足なんでしょ!」
(逆ギレたし……)
数分後。
実験室にて、清水は黒いスーツ一式に身を包み、河合は機材を準備している。スタイリッシュなデザインが、元々細身な清水の体型とあいまって、よりスマートな印象を放った。
間もなく準備は終わり、すぐにでも実験を始められる状態になった。
「説明しよう。このフィジカルスーツは、まず内ポケットにある調節スイッチとダイアルで好みの体型を設定する」
「……」
「そして前ボタンを閉めた瞬間、生地に織り込んだナノマシンが全身の細胞へと働き掛け、あっという間に肉体を変化させるのだ! ちなみに、顔のパーツについてはまだ開発中なんで、そこんとこよろしく☆」
「誰に説明してるんですか。さっさと始めましょう」
「読者への配慮じゃないか、君には親切心という物がないのかね。まあいい、始めよう」
「まずは全身の筋肉への作用ですね」
「では、ボタンを掛けるぞ。変身、マッチョメーン!」
パチッ
変な掛け声と共に前ボタンを掛けた。
「うくっ……!」
その瞬間、小さなうめき声がした。全身が電流が走ったような感覚に襲われ、思わず目をつむる。やがて脚がしびれに耐えかねて、清水はその場にドサッと崩れ落ちた。
「ぶ、ぶちょう!?」
焦りをあらわにする河合の声は、彼の耳には届かなかった。
一応連投規制とかだったらなんなんで支援
……ちょ…う…、ぶちょう!
「んんんー、書類のコピーくらい自分でやりたまえ河合くん……」
「誰がいつそんな事頼んだんですか。意識があるのならすぐ起きて下さい」
ようやく重いまぶたを開く。気を失って倒れたらしく、視界には遠くに白い天井が広がっていた。
清水はゆっくりと上半身を起こす。何かに締め付けられているかのように、間接の動きが制限されてしまう。ふと、自分の腕が視界に入る。
「あれっ」
俺の腕……? こんなに太かったっけ?
「ひとまず、成功したようです」
助手の微笑が、実験の結果を物語っていた。
正面の姿見には、スーツがぱつんぱつんに押し広げられた、逞しい姿が映し出されていたのだ。
「おおっ、おぉおおっ!」
衣服の上から自分の身体を撫で回すと、普段とはまったく違う感触が掌に伝わってくる。
分厚く張りのある胸板。凹凸のある腹筋。山形に盛り上がった二の腕。鋼のように強度を増した大腿。
伸縮性のあるスーツがはち切れんばかりの、まさに長年掛けて鍛え上げたかのような肉体がそこにあった。
「ふははははははは! どうだ羨ましいだろうこの肉体美! ふんぬー!」
「ええ、僕には理解出来ない崇高な世界なんでしょうね。吐き気をもよおしました」
「褒めてんのそれ?」
「さ、効果が表れたところで、一度ボタンを外して下さい」
「えぇーもぉー?」
「遊び足りないガキじゃないんですから。脱いだらちゃんと元の身体に戻るのか、チェックしないと」
「ちぇーっ。ま、失敗してもこの身体ならむしろバッチコイだけど!」
ぶつぶつと独り言を呟きながらも、清水は立ち上がり、スーツのボタンを外した。
……またあの感覚。電流でしびれるように全身に刺激が走るが、一度体験したおかげか、意識が飛ぶ程ひどく感じる事はなかった。
目に見えるくらいのスピードで痩せ細ってゆく筋肉。きつきつだった腕や大腿にも余裕が生まれ、数十秒ですっかり元の細身に戻ってしまった。
「あぁ……さようなら私の筋肉」
「失神するほどの強い刺激は改良の余地ありですが、一応思惑通りに機能はしていますね」
「てゆーか、せっかくこんな短時間で直接的に思い通りに変身出来るんだから、元に戻す意味なくね?」
「自分の発明品でしょうが。今更何を言っているんですか」
「そ、そうだよねぇー。まぁ良いか、今は開発段階だし……おいおい考えよう」
「では、次に行きましょう」
「さてさて、次は体脂肪への作用だな」
「これこそ意味があるんですか?」
「愚問だな河合くん。解らないのかね」
(いちいちしゃくに触るなこいつ……)
「太り過ぎの人間は痩身に憧れるし、逆に痩せ過ぎの人間は程良く太りたいと思う。だが、ボディビルダーみたいに極端に筋肉を強調するような身体に嫌悪感を抱く人もいるだろう。つまり、何事もバランスなのだよ」
「へぇーへぇーへぇー」
「へぇーボタンなんて過去の遺物だと思ってたけど」
「感心の表れです。早く実験に戻りましょう」
「すっごい嫌味な感心のしかただよね」
河合に促されるまま、清水は再び内ポケットから機具を取り出した。
「てゆーかさ、俺見ての通りの細マッチョじゃん?」
「……出たよ引きこもりの戯れ事が」
「あれ、今何か小声で悪口が聞こえたんだけど気のせいですか? で、もう脂肪を調整する必要ないと思うんだよねー」
「まだ言いますか。僕はやりませんから」
(チッ! いくら実験とはいえ、自分の太った姿なんて考えられんよ……)
「丸聞こえですよ。本当に何故こんな物思い付いたんですか」
wktk連投解除
支援
425 :
れ:2009/05/12(火) 02:22:49 ID:l7gvtZ80
こんばんは。れです。
しばらく覗いてない間に素敵SSが投下されててビックリしました。続きが楽しみです。
さて、魔王の花嫁ですが、実はまだ続編書けてませんorz
遅筆ですいません…
代わりと言っては何ですが、オリジナル男子の肥満化落書きを投下させてもらいます
僭越ながらろだお借りしました↓
ttp://r10.bannch.com/bs/BBSres/286019/132482725 自分、アナログ人間なんで紙に書いたのを写メってるだけなんで見にくかったらスイマセン。
色々(等身とか肉のつき方とか)ツッコミ所は満載ですが、肉絵は初めてだったんで目を瞑っていただければ嬉しいです
それでは、早く続編がうp出来るように頑張って執筆続けます!
レポートなんて無くなればいいのに!(涙)
芭蕉さんと曽良くんみたいに思えてきたwww
ssおつです。期待できそうな展開ですねww
イベントラッシュも終わって落ち着いたので、流れを見て僕も投稿しますね。
食事をしないで体をいきなり巨大化するという発想が新鮮で、
興味しんしんです。
俺もアップしてみようと思うのだが、
ここは同性愛板ではないから、えっちシーンがなくても、
主人公がホモ、舞台がゲイバーという設定は御法度なのかな?
過去作品にも同性愛要素があるのはあったんで駄目というわけでもないと思う。
直接的なえっちはなかった気もするけど
まぁ最初に同性愛要素あります。って注意書き書いとけば大丈夫なんじゃね?
「んー……まずはちょっとだけ、ほーんのちょっとだけ、ビールっ腹な感じで、と」
ダイアルをつまみ、片目をつむりながらほんの数ミリだけ回す清水。
「さ、準備完了だ。さっさと始めてさっさと終わらせよう。瞬きせずちゃんと記録しろよ河合くん」
(そんなに太るの嫌なんだ……、何があったか知らないけど)
「いくぞ、実験スタートっ!」
パチッ
言い終わるが早いか、清水は手早く前ボタンを留めた。先のようなしびれはないが、何となく体温が上がってゆくような感覚はあった。
「あ、部長」
「どうした河合くん」
「お腹が……」
河合の目には、清水の腹部が若干ではあるが前方に迫り出してきているように見えた。
遂に来たか。そうは思うが、清水は怖いのか目をつむったまま動かなかった。
ボタンの辺りを頂点に、腹部のラインが丸みを帯びてくる。それにつれて、清水は身体が火照ってくるのを確かに感じた。
「何か、暑いな」
「それぐらいの脂肪でそんなに温度が変わりますか」
「いや、なんつーか、身体の芯からあったまってくるみたいな……」
そして、一分も経たぬ内に、清水の胴体は、腹をぽっこりと膨らませた小太り体型になった。
「こ、こりゃあ見事なオッサン体型だぜ」
思ったよりも肥えた自分の腹を撫で、清水は苦笑した。指でつつくと弾力があり、何とも形容しがたい感触であった。
「飲み屋街をふらついている中年サラリーマンさながらです」
「中年は撤回してくれ。俺はまだアラサーだ」
「取り敢えず、脂肪細胞へもうまく作用したようですね」
「スルーですか?」
「そろそろ良いんじゃないでしょうか」
泣きそうになりつつも河合の言葉に頷き、清水はボタンを外そうと手を掛ける。
「んっ……」
「どうかしましたか」
「外れ、ないっ」
「ボタンくらい満足に外せないんですか」
「いや冗談抜きでよ。もしかして、服、縮んでる? 急にキツイんだけど」
えっ、と河合は、清水の言葉に引っ掛かるものを感じ、改めてその姿を確認する。
見ると、生地が左右に引っ張られ、ボタンが食い込んでいた。伸縮性があるとはいえ元々線の細かったスーツは、先程と比べてもシワが減り、身体にフィットしているように見えた。と、その瞬間。
「いや、違う、これは……」
「部長、早く脱いで下さい」
河合はある変化に気付き、清水を急かした。
「いや脱ぎたいんだけど脱げないから言ってんでしょ」
「呑気にしてる場合じゃありません! まだ作用が止まっていないんです」
ミシッ、という音と共に、スーツのシワが引き延ばされる。清水の身体はダイアルの設定を超えて肥大している、と河合は推測したのだ。
「へっ? それって」
「服が縮んでいるんじゃなくて、あなたが太っているんですよ! このままだと永久に太り続るはめに……」
さぁーっ、と清水の頭から血の気がひいた。
「……そ、それは、嫌だっ! それは嫌だあっ!」
首をふるふると振り、叫ぶ清水。そうこうしている内に、彼の身体はスーツの影響を受け、未だ膨張している。しかもどういうわけか、その変化は目に見える程、加速度を増しているのだ。
「だったら早く!」
脇腹の肉が肥大し、胴体は前にも横にも広がりだす。やがて、ベルトの内側に収まりきらなくなった贅肉がはみ出しはじめた。
「でも、だって、ボタンがっ」
腹だけでなく、胸も徐々に膨らみを帯び、脂肪によるふたつの山が出来上がった。
頬がぷっくりと膨れ、顎がたぷんと垂れ下がる。顔の輪郭は全体的に円に近付いてきていた。
「身体が、お、重い……」
臀部や太腿が太さを増し、ミシミシッ、と今にも繊維質を引きちぎりそうな勢いでパンツを押し広げてゆく。それでもなお伸び続けるスーツのおかげで、もはや際限なく太り続けるとさえ思われた。
支援頂いてるのに諸事情で一度にうp出来なくてスンマセン
次のうpでラストの予定
>>425 素敵だなんて照れ臭いっス
貴殿のイラストとても美味しく頂きましたゲフー
いつまででも待ちますぜ
>>426 それ確かギャグマ○ガ日和でしたっけ?
期待に沿えるか解りませんがよろしくです
SS楽しみにしてますね
>>427 俺は美味しければ何でもおkwwww
掛け合いのテンポのよさがたしかに日和っぽいかも
大変なことになってるのに軽いノリってのも面白いな
ブチンッ
突然の破裂音。それに驚き、それまで騒いでいたふたりは声を失った。
「……いまの、何」
「あ、部長。ボタンが」
ふと河合が目線を下げた先には、自分の足元に転がっているスーツのボタンがあった。
「内側の圧力に負けて、遂に弾け飛んでしまったのですね」
「って事は、もう、終わった?」
「そのようです」
清水の身体の肥大化は、確かに治まったようであった。スーツの作用のスイッチとなっていたボタンが壊れた為であろう。
「……た、助かったぁー」
ふぅーっと一際大きな溜め息をつくと、清水は自らの重さに耐えかねたように、ずしんと腰を下ろした。身体中に纏わり付いた贅肉が、ぶよんと波打つ。
大振りのスイカをまるごとひとつ飲み込んだかのような、丸く張り出した腹。そこにだらんと覆い被さるように垂れた、肉厚な胸。一回りも二回りも太くなった為に、縮んで見えてしまう四肢。目元も鼻も頬肉に押されて変形し、ほんのわずかに面影が残るだけの顔。
自らを細マッチョと称した清水は、もうその姿を留めてはいなかった。
「ふうぅ、暑い……ふぅ」
激しく発汗し、スーツを脱ごうともぞもぞしだす清水。袖一杯に膨らんだ腕はそう簡単に抜けなかったが、どうにか脱ぐ事が出来た。
「しかしご立派になられましたね」
「はぁ、はぁ、うるせぇ……。つーかさ、ふぅ、元に、戻らないんだけど、ふうぅ、何で?」
「……ナノマシンは、ボタンの着脱により動作する仕組みでしたよね。しかし今回はそのボタンが弾け飛び、接続コードまで引きちぎれてしまった。つまり、ナノマシンへ信号を発信する術を失った、という事は」
「じ、じゃあ俺は、ふぅー、このまま……」
「前ボタンの強度と緊急時の動作。設定値を肥え……否、超えて肥大が進んだ事。問題点は山積みですね。さて、報告書をまとめないと」
「ちょ、待って! はふぅ、こんな、デブは、いやだ、ぶふぅー」
機材のほうへ向き直り、データ解析を始めようとする河合。ほったらかしを食らった清水は息を荒らげながら、野太くなった声で叫んだ。河合は仕方なく振り返り、冷たく言い放つ。
「あぁ、太り過ぎの人間は痩身に憧れるってやつ……。その為のフィジカルスーツですもんね」
「それは、これから、改良に、時間が」
「ならば半寒スーツがあるじゃないですか。他社ですけど」
「お、おま、ぶふうぅーっ」
「まったく……」
やれやれといった表情で河合は清水の元へひざまずき、その左脇に自分の肩を潜り込ませた。そのまま立ち上がろうと、膝を起こすが、動かない。
「重っ! 一体何百キロあるんですかっ」
「何びゃ……、そこまでは、さすがに、ねぇだろ、ふぅ」
「……俺がいないと何も出来ないんだから」
「……」
ふたりはよろよろと歩き出し、実験室をあとにした。
その後、フィジカルスーツ商品化へ向けての開発が順調に進んでいた。
しかし、その試作の実験記録リストにおいて第1号が欠番とされている事が、開発部内で様々な憶測を呼んだ。
ナノマシンの異常な作用による被験者死亡説。清水部長のアンラッキーナンバー説。だが、どれもこれも確信には至らなかった。
「……アホらし。もっと別の事に興味持てっつの」
パリッ、と乾いた音が深夜の部長室に響く。醤油味のせんべいをボリボリと噛み砕きながら、河合はソファの背もたれに身体を委ねた。
最初の実験そのものが秘密裏に行われていたのだから、無理はない。河合があの日の出来事を口外する事は、決してなかった。
「皆帰りましたよ」
けだるそうに彼がそう口を開くと、奥の扉がそっと開き、線の細い人影が現れた。
「……ったく、いつまでこうコソコソしてなきゃいかんのかね」
「それはあなた次第です、清水部長」
白衣の下に黒いスーツという奇妙ないで立ちの清水は、河合の返事に少しむくれて、羽織っている物を脱ぎ始めた。
「あーそーですか。それにしても、超ダルビッシュ」
「剛速球食らって死んで下さい。まぁ、ここしばらく研究漬けですからね。家にも帰れてないんでしょう?」
「今何かサラッと怖い事言いませんでしたか河合さん」
白衣を傍らの椅子に掛け、スーツのボタンを外す。すると、彼の着ていたカッターシャツが少し、膨らんだ。
胴体がむくむくと前方へと張り出し、余裕のあるシャツを一杯に広げてゆく。腕も脚も太さを増し、着ている物がぎゅうぎゅうに張り詰める。垂れた顎肉のおかげで、もはや第1ボタンは絶対に締まらないであろう。
バツン、と大きな音をたてて、ベルトが引きちぎれる。ようやく肥大化が治まった頃には、清水の身体はとうとう並の肥満を通り越してしまっていた。
「ふぃーっ、こないだ買い替えたばっかなのに……もう壊れちまった」
記録から抹消されたあの実験とは逆に、スーツを着るとスリムに、脱ぐと元の肥満体に戻る。そんな光景も、もはや見慣れたものであった。
「というか部長、また太ったんじゃないですか?」
「しょーがないだろ、こんなとこじゃ食う事しか楽しみがないんだから。それに河合くん、スーツを使わずともぽっちゃりしてきた君に言われたかぁないねぇ」
「ぐっ!」
河合は一瞬表情を強張らせ、せんべいの袋に伸ばしかけた指を止めた。張りのある巨腹をたぷんたぷんと揺らしながら、笑顔の清水が歩み寄る。
そうなのだ。あれだけ清水を揶揄(やゆ)してきた自らも太ってしまったのだ。
泊まり込みの清水にずっと付き合っている中で、気付けばつい間食に手を出してしまう。その結果、パンツから溢れた肉がベルトの上に乗っかるほど、すくすくと成長させる事となった。
「ぼっ、僕はまだ取り返しがつくところに居ます。部長だって、そのスーツを着たところで根本的な解決にはなってないじゃないですか」
ベルトの穴がひとつ増えた腹をさすり、河合は無意識のうちに焦りを声に滲ませた。
「他人に見られさえしなけりゃ良いんだよ。この際ふたり仲良くデブっちまおうぜぇー?」
「ぶち殺すぞ」
……部下の血走った目線に、清水は細くなった目を広げ、震え上がった。
後に社内では、清水と河合が色違いのお揃いのスーツを着ているところが目撃されたという――。
[了?]
おしまいでーす
最初はふたりの掛け合いをメインに書き進めてたので、ホントは語りをもっとコンパクトに纏めるつもりだったんですが……
長々とスンマセンでしたorz
支援や感想下さった方々、どうも有り難うございました
ss乙!
最後の目撃談すらウマウマすぎる。実際どこまでごまかせるものなのかw
しかし妥協案でスーツを同時に着たらとかボタンが丈夫だったらとか妄想するとたまりませんな
乙でした
不規則な食生活は研究職の定めなんでしょうね
しばらくダイエットは無理そうだ
やっぱりボタン飛ばしはロマンですね
乙カレーは飲み物
改良型として、繊維の伸縮性を制御できるスーツを開発して、
発達させるべき体の部分を覆う部分だけ、伸び縮みできれば、
部分肥満-たとえば男の巨乳とか、極端な太鼓腹とか-も可能になるな。
二人の研究を期待する。
>>425 かわいいw
こういう運動苦手そうな細い子を太らせるのもいいな
無理やり腕相撲やらせて圧勝した後、「こんなに腕太くなったのに相変わらず弱いね」
とかいって、ぜんぜん筋肉のないぶよぶよの腕をむにむにしたい
肥満化過程のウエスト>身長の者です。
今日15時ころから湯シティ蒲田の露天風呂で
超肥満体を晒してるよ。
見に来る人いるかな?
>>443 気づくの遅れた&微妙に遠い&今日平日じゃん
見たかったな…
もし来てる人がいると悪いので。
16時30分すぎになる見込みです。
。+゚(ノД`)゚+。クレクレでスマンが遠過ぎて無理な県民の為に過去の身体の写メと今の身体の写メをうpしてくれたら嬉しい限り
行きたかった…
同じく地方在住の俺涙目
俺からも画像お願いしてよいでしょうか
行った方の体験記も大歓迎させていただきます
>446
>447
肥満化前は写真引っ張り出さなくちゃならないから、少し待ってくださいっす。
wktk
wikiに其の一スレでの雑談シチュメモ追加ー
元々書き込んでいただいたもの+目に留まったのも入れときました
ざらっとこのスレも眺めてみたがssが多くてそういう雑談が少ないという
職人さんの仕事量すげぇ
ROM側もクレクレにならない程度に職人さんを刺激するようなシチュだしてこうぜ!
自分で書いてみるのが何よりだけどな!
>>437 ショタが二人いると脳内変換して読んでみたらそれはそれで美味しかったです
肥満化絵があったおにくってサイト、しばらく更新無かったんだけど無くなったの?他サイトからのリンクが無くなってた。
>>452 サイトは閉鎖し、ブログに移行したようです。
>>453 情報ありがと、見てきたぜ。居なくなったわけじゃなくてよかった。
肥満化進行中の方々は元気ですかー?
ある意味元気じゃないだろw
>>450 乙です
関連レスがまとまってて見やすいですね
作品紹介も少しずつ充実させたいな
一つ紹介します
映画「タクシデルミア〜ある剥製師の遺言〜」
※グロテスク表現多数
主人公の父親が元大食い選手で食っては吐いてを繰り返し、
主人公が成人する頃には動けないほどに太り、
腰掛けたイスから腹の肉が垂れ下がるほどになります(特殊メイク)
大食い自慢のためチョコレートバーを包み紙ごと
むしゃむしゃ食べるシーンが気に入ってます
まとめにスレにでてない作品載せるのってありかな?
情報はありがたいけど一応まとめなんだし一度スレに書いてからのほうがよくないか?
WAIRUDO的なってサイトもなくなった?
臭男wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
461 :
一年日記:2009/05/21(木) 03:34:21 ID:9ddgcvt9
『それでは、以上の諸注意をもちまして、終業式の挨拶をおしまいといたします。ですが、くれぐれも…』
「なぁなぁ、明日って何かある?」
「縁日。坂の下の。」
「あーあーあー!やっべ、なんでバイト代入る直前にやっかなー!もー!」
「モグり、ほどほどにしとけよ。」
「程々にりょーかい!で、悪いんだけど、繋ぎで…」
「3000円までな。」
「ありがとう友よっ、愛してるー!」
「お前ら少しは話を聞かんか!!」
ジャージにワイシャツにネクタイ、そんな不恰好な青年の怒号が、どよめく空気を静めた。
校長の挨拶が流れ続けるモニタの電源を切り、青年は教壇に戻った。
「先生」
「ほい、桜良」
「保健月報の写真に必要なのはネクタイだけだって、ズボンジャージで来た先生には説得力ねーっす」
「ですよねー」
どっ、と教室に笑い声があふれる。窓を閉めてなければ、外からだって注目されそうな騒ぎ様だ。
「ですよねー、なんてノってくれる先生他に居ないね。俺先生好きだぜ!」
「おう俺も好きだぞ桜良。でもここは男子校で俺は先生お前は生徒、ついでに親子同士だ。」
「ううう、先生にフラれたこの悔しさ…誰か俺とヤケ縁日に行こうぜ!!」
「公然と遊ぶ相談すんなよ」
「ですよねー」
テンポのいい掛け合いに、再び教室に笑い声が溢れた。
462 :
一年日記:2009/05/21(木) 03:36:24 ID:9ddgcvt9
「ほい、さいならー。登校日忘れんなよ。」
がたたっ、と椅子が動き、教室から人の波が飛び出した。
鳴り響くチャイムと足音、生徒たちの声が混ざり、校舎全体に夏休みの始まりを告げた。
足早に帰る生徒もいれば、部活に向かう生徒、教室に残って雑談を続ける生徒も居た。
「サク。」
ロッカーの前で両手に荷物を抱える少年が、声をかけられた。
「…トラ、荷物ねーの?」
「昨日までに持って帰るだろ、フツー。」
短髪ラウンド髭、高校生とは思えないがっちりした体付き。
「…手伝ってください…」
「はいはい」
小柄な体で抱えていた荷物も、トラが持つと普通のカバンに見える。
「やりっ、助かるぜっ」
桜良はぐっと背伸びをして、トラの頭をわしゃっと撫でた。
「後でミルクティー」
「さ、さっき金無いって話したろっ」
残った荷物を抱えて、桜良は教室を飛び出した。
昇降口、下駄箱の前で待っていてくれるのを知っているので、トラもその後を歩いて追った。
463 :
一年日記:2009/05/21(木) 03:37:08 ID:9ddgcvt9
ジリジリと日光が照らす中、ぽつんと立つ電柱の影に、桜良は立っていた。
「え、そうなんですか?じゃあ虎丸くん、もう外に…あっ、来ました、今来ました」
パタンッ、とケータイを閉じて、道の向こうに手を振る。
帽子を被っていたので顔がよく見えず、両手に袋を持っているせいで手を振り返してもこなかったが、寄ってくる人影は虎丸本人だった。
「遅いぞ。」
「いや…サクが早すぎ。うちよか家遠いだろ。」
「なんたって夏休みだからな!」
よくわからない夏休み理論を遮るように、虎丸は片手の袋を桜良に差し出した。
「母さんが、用意してた。」
「食いもん?」
「中、見ていいよ」
言われるまでも無く手を突っ込んでいた桜良は、中身を取り出してきょとんとした。
「…服?浴衣?」
「甚平。明日縁日行くって言ったら、サクの分まで出してたみたい。」
「おばさんが?」
「ニヤニヤしてた。」
うなずきながら、虎丸はそう答えた。
母さん、いい加減息子友達で萌えるの止めてくれないかな、とも思っていたが、それは表情にすら出さないようにした。
「暑いし、移動しよう。」
「おうっ、じゃあ学校で決まりだな!」
「がっ…アホか、お前。怒られに戻るようなもんだろ、学校。」
「だってクーラー効いてるし?」
クーラー、という単語に、一瞬ぴくっと震えた虎丸の挙動を、桜良は見逃さなかった。
くいっ、と桜良が顎で学校の方角を示唆すると、二人は黙って学校へと歩き出した。
464 :
一年日記:2009/05/21(木) 03:37:47 ID:9ddgcvt9
「おう、早速登校日間違えてやがんのかお調子もん。」
部活や同好会の活動の為に開放されている校舎、いつもの教室には、二人の担任が先に来ていた。
「…勝帆先生、なんで」
「だってクーラー効いてるし?」
「だから朝から居なかったのか!」
あっはっは、と響く二人分の笑い声をよそに、虎丸はこの親子っぷりを軽く流した。
「親父、これ、ほら」
「学校じゃ先生って呼べって…おお、甚平か」
桜良が広げた甚平を見て、先生は頷いた。
「最近流行ってんだっけ?うちにそんなもんあったか?」
「トラんちのおばさんが用意してくれたんだぜ」
な!と振られて、虎丸も頷いた。
「なんか悪ぃな、いつもいつもよ」
「いえ。サクのは、俺のお下がりなんですけど。」
そういうと、桜良を除いた二人はくすくすっ、と笑った。
「今夜、祭りだろ?あの神社脇の。」
「先生も来るんですか?」
「見回りで回るんだってさ。親父は楽しむ気だろうけど。」
「男子たるもの、お祭り騒ぎには乗らなきゃな。」
早くも夏休みを満喫しようとする会話に、終業式の日付で止まったままの黒板の日直表記がおかしくみえた。
7月 日 夏休み係
今日から、夏休みの始まりだ。
SSktkr!
ss乙
描写がうまいなぁ
名前の読みは
桜良(さくら)
虎丸(とらまる)
勝帆(かつほ)
でいいのかな?
467 :
一年日記:2009/05/22(金) 03:06:35 ID:48MbCP3Z
降り注ぐお囃子の音。見据えた道から漏れ出す、香ばしい匂いを伴う煙の膜。
坂の中腹から始まる、一本道の夏祭り。虎丸は、今その入り口に立っていた。
「…遅い、ぞ。」
「だぁぁっ!違うっ!居たっつの!20分も前から!」
虎丸がこぼすのに対し、即座に言い返す。桜良の性格を考えると、それは本当なのだろう。
人の波に紛れて埋まっていたのが、真実なわけで。
「甚平、サイズ丁度みたいだな。」
虎丸の去年のお下がりを着こなす桜良の頭をぽんっと叩いて、虎丸がくすくす笑っている。
丁度、という言葉は正確には不適切で、袖が少し肘にかかってうっとおしく見えた。
「…お前、背、伸びたよな…」
高校になってから、とか、それなら俺も来年には、とか、虎丸はぶつぶつ呟かれる声を聞き流した。
「ま、心配しなくてもサクだってデカくなれるよ。先生デカいしさ?」
「そもそもだな、お前がケータイ持ってないから連絡つかないわけで」
「ケータイ代とか、勿体無いじゃないか…そんなに使わないだろうし」
「現代っ子だろ!お前も!」
ケータイぐらい持て!と喚きながらも、話題を挿げ替えたことには触れないうちに、桜良は祭りに乗り出した。
小走りで追う虎丸の少し後ろには、息子の抵抗に噴出すのを我慢する先生の姿があった。
468 :
一年日記:2009/05/22(金) 03:07:33 ID:48MbCP3Z
「そういえばさ」
「まえ、いあくうおいいほはひい」
祭りの終点、神社の境内の脇の石段はごつくて大きめで、男子二人が座るには申し分なかった。
フランクフルトが突っ込まれ、上にお好み焼きが乗っかった焼きそばを口に掻っ込みながら、桜良は『タイム』のハンドサインを出した。
「話すから聞いてろよ。ここの縁日、お化け縁日なんだって。母さんが言ってた。」
しゃりしゃりとカキ氷のシロップを下まで混ぜながら、虎丸は話を始めた。
「お祭りはお祭りで昼間っからやってるし、別に町がお化けの町でもないし。縁日自体はなんでもない普通の縁日なんだって。
でもお祭りの中によくお化けが紛れ込んでるんだって。それがなんでお化けだって分かるのかは、知らないけど。」
虎丸が桜良の方を振り向くと、さっきまで動いていた箸がピタリと止まっていた。
「…そーゆーのダメだっったけ?サク」
「いいいいいや?そんな事ないぜ?」
威勢良く箸を動かした途端、再度ピタリとその手が止まる。
「…トラ、今日写真とりまくってたよな…?」
「あぁ、うん、これ。その…母さんが…」
(ここまでやってあげたんだから写真撮ってくるぐらい協力しなさい、なんて言われたなんて、言えない…)
「心霊写真か!?イマドキそーゆー狙いか!?」
怖いんだか興味津々なんだか、わけのわからない桜良の興奮の仕方に、虎丸はどういう表情をしていいのか、一瞬固まった。
「そういうのはねぇ、いるねぇ。」
突然二人に聞こえるように、ぼそっと響いた声に、二人は驚いて持っていた屋台物を落としてしまった。
食べきっていた桜良はプラパックと割り箸が転げただけだったが、虎丸はこぼしたかき氷は少し上着に被ってしまった。
薄まったイチゴシロップが、血飛沫のように見えた。
469 :
一年日記:2009/05/22(金) 03:08:18 ID:48MbCP3Z
「ぼっちゃんら、毎年ありがとうねぇ」
声の主は、もう白髪も削げた老人だった。
「誰、ですか?」
「ここの関係者、だね。」
ちらっと神社に目配せをすると、二人もその視線を追い、お祭りの人なんだと認識した。
「…縁日、好きです。」
「そういう流れ!?なのか!?」
ふふふ、と老人は微笑みながらやり取りを見ていた。
「うちのお店は見てくれたかい?」
「じいちゃん屋台出してんの?食いもん?」
「いいや、かみやだねぇ。」
ここに来るまでの間、二人が立ち寄ったのは食べる物の屋台ばかりと、虎丸が一度挑戦した射撃だけだった。
「食いもんじゃねぇなら、ちょっとわかんねぇなぁ。見たかなぁ。」
「見においで、毎年来てくれるお礼をしようね。」
「タダ?」
「ほっほっほ」
こくり、と頷くと、老人は縁日の屋台へ向かった。腰の曲がった老人を見失わないよう、二人もすぐに続いた。
470 :
一年日記:2009/05/22(金) 03:08:46 ID:48MbCP3Z
「よいしょ…さぁ、これをあげよう。こんなものしかないのだけれどね。」
「本?…本…?」
和紙の風車、灯篭など、お祭りでは珍しい物売りの屋台で、老人はそれを差し出した。
紐綴りに、背が蝋で固めてある本を、一人一冊。
「中身ねーじゃん。ミスプリ?」
「全部なんだから、ミスとかってレベルじゃないだろ。物書きですか?」
「そういうものだね。170、180枚程で綴ってある。」
「随分分厚いノートだな…」
桜良がしかめっ面で本をめくり流している隣で、虎丸は使い方に気付いていた。
「要らなければ捨ててくれてもいい、少しでもお礼がしたくてねぇ。」
「いえ、大事に使います。ありがとうございます。」
「ありがとな、じいちゃん」
二人が笑顔で返事をすると同時に、桜良のケータイの音が小さく響いてきた。
「ごめ、電話。そこのベンチで、後でな。」
「ん、了解。」
「−−そんなこと言ったって祭りん中じゃ音なんか聞こえな−−−」
話し方からして、相手は先生であろう。桜良は電話をしながら人ごみの外にはけていった。
「すいません、じゃあ僕らこれで、と…?」
虎丸が老人の方に向き直るとそこに老人は居らず、腰掛けていたはずの椅子の縁から蛍が数匹舞い上がった。
「…放浪癖のあるじいさんだな」
立ち去り際に、からから…と風車が小さく回った。
夏休みの初日が、穏やかに終わりを告げていた。
472 :
一年日記:2009/05/22(金) 20:04:24 ID:tejQ/Tz1
「いらっしゃーい、お昼、これから用意するからね?」
「うす、おかまいなく」
カタタタ、と引き戸がしまる。虎丸の家は少し古い日本家屋で、玄関がガラスの引き戸のままだ。
桜良は脱いだサンダルをそろえると、カバンから小包を取り出した。
「親父が、いつもどうもって」
「あら、7月だし…きっと水羊羹ね?」
「うへ、多分当たり」
あははは、と顔を見合わせて笑うと、桜良は小包を手渡し、階段を上がった。
ノックをしようと出した手は、そのまま何もせずに下ろされた。
「あ、おす。来たんだ。」
「うん、おばさんに誘われた。」
全開のふすまを通り、桜良は虎丸の向かいに腰を下ろした。
窓も全開で風通しがよく、このまま昼寝でもしたい心地よさだった。
「クーラーいらねぇなぁ、これ」
「母さん達の部屋にはあるんだけどね。俺機械よくわかんないし。」
「出た」
そうやり取りをしながら、虎丸は写真の入ったクリアファイルと、二冊の本を机に置いた。
「あ、現像出たんだ」
「欲しいのとか、ある?」
「んや、ここで見ればいいよ」
俺んちアルバムとかねーし、と言いながら桜良はさらさらと写真に目を通した。
内容はお祭りの始終を辿るように、甚平に着替える前の写真、屋台でものを頼んでいる写真、脇道に座り込んで話しこんでいる写真。
「…あれ、こんだけ?10枚も無ぇの?」
「あぁ、ごめん、ネガはあるよ」
「ネガ?」
「大元。今度焼き増しておく。」
「今現像してあったのは??」
「母さんが何枚か持ってっちゃって…」
「あー、トラのおばさんホント写真好きだな」
そういう事にしておこう、と、虎丸はそこで話題を変えた。
473 :
一年日記:2009/05/22(金) 20:04:49 ID:tejQ/Tz1
「宿題、平気?」
「今んトコ、じゅんちょー。」
二人は虎丸が用意したメモに、おおまかに宿題の処理予定を相談した。
といっても、実は今年はそこまで大した宿題は無く、日々の天気や例年と目立って違う気象などの記録と、自由研究のみだった。
桜良の『順調』はここ一週間の天気の記録をしているだけなので、順調で当然の事だった。
「まぁ、復習予習はしないと。」
「だーーーーっ、だりぃっ、夏休みが終わった途端テストとかっ!」
「母さんが、二期制って可哀相だって言ってた。色々変則的だしって。」
「親父も言ってた。そう思うなら三期制にしてくれりゃいいのにな。」
「それだと、夏休みの宿題増えるけど。」
「どーせぇっちゅーんじゃああああい!」
頭をわしゃわしゃっと掻いたまま、桜良はベッドに寝転んだ。
と思いきや、すぐさま体を起こし、その勢いのまま口を開いた。
「とりあえず天気とかは最後に写」
「3000円」
「もうちょっと待って下さい…」
再度、桜良の体は、ベッドに沈んだ。
「そうそう、これだけど」
その言葉が桜良に届いているのかどうかは気にせず、虎丸は会話を続けた。
「どーする?使わないなら、ここ置いとくけど。」
「あー…うん…俺使い道ないし…」
ひらひらと手を振りながらも、それが何を指すかは見ていなかった。見ずとも、それが何を指していたのかはわかっていたが。
「トラ、日記帳終わりそうって言ってたじゃん。そうすれば?」
「そうしてる。多分これ」
その会話に、階下の虎丸の母の声が割って入った。
「ポン酢とソース、どっち使うー?」
「ポン、あ、今降りるっす!」
桜良がそう返しながら、二人は階段を下りていた。
虎丸も空腹をつくお昼の知らせに、自分の言葉を途中のまま飲み込んだ。
『多分これ、一年分の日記綴りだ。』
474 :
一年日記:2009/05/22(金) 20:05:18 ID:tejQ/Tz1
午後2時、太陽、絶好調。
玄関先で打ち水を終えた母が部屋に入ると、虎丸がバスタオルを首にかけていた。
「あら、プール?」
「うん、帰りに買い物は?」
「牛乳、飲むなら買ってこないと無いわねぇ。」
「おーーーい」
母とは入れ違いだったのか、玄関から桜良の呼び声が届いた。
「今行く。」
手荷物をカバンに入れ、虎丸は母から預かったお金を財布にしまった。
「お好み焼き、ホント御馳走さまでした!」
「ポン酢にマヨネーズはびっくりねぇ。」
「ソースにマヨ、だろ。普通。」
「美味いもんは美味いの。美味かったろ?」
「…俺、ソース派。」
「だあああああっ!」
「じゃあ、行ってきます。」
二人はお好み焼きにかけるもの談義を続けながら、虎丸家を後にした。
笑顔で手を振り息子達を見送る母の顔は、少しずつにやけ笑顔に変わっていた。
「好きなら告ればいいのに。拉致ってヤっちゃえよ。お膳立てまでしてあげる母なんてそうそういないよ。さて…お布団取り込むかな。」
よいしょ、と伸びをする母の姿に、夏の後光が差していた。
475 :
一年日記:2009/05/22(金) 20:05:42 ID:tejQ/Tz1
「さて、と。」
ぱら…と捲られたページには、きれいな字で日記が書いてあった。
夏休み初日、夏祭りの翌日から毎日きっちりと。
内容は短文、長文あるが、一日も欠かさずに書かれている日記が、虎丸の日課になっている事を示していた。
−−−−−
7月29日
サクに日記帳の説明をした。日記を書いてるって話も聞かないし、本人も使う気はないらしい。
夏休みの宿題は心配しておいた方がよさそうだ。多分僕が二人分用意することになる。
お昼御飯のお好み焼きで、サクのポン酢マヨネーズにびっくりした。
ソースマヨネーズが一般的だと思う。
たこ焼きもそうだと思う。
プールでサクの裸を見てしまった。ちゃんと水着は着ていた。
昨日母さんが言ってた通り、サクがふっくらしたっていうのは間違ってなかったみたいだ。
ちょっと見てたらサクがお腹を触らせてきた。腹筋は見えてたけど、触ったらぷにっとしてた。
夏休みに入ってから、基本食い過ぎなんだよサク。このままぷくぷく太ったりして。
でも、そんなサクも、好きだ。
−−−−−
最後の一文だけ、少し文字が小さかった気がするが、虎丸はそのまま日記を閉じて本棚にしまった。
「…おやすみ、なさい。」
誰に言うでもなく呟き、電気を消してベッドに潜った。
プールで疲れていたのか、そのまますぐに寝息が聞こえてきた。
静まった部屋の中、外から聞こえる虫の声に合わせるように、本棚で一冊の本が淡く青白く光っていた。
肥満化ktkr
ゴツイ見た目に反して純な虎丸も可愛すぐる
なんて母親だw
なぜかトラのすね毛にときめいた
絵も描けるなんてうらやましい
ナルトのssの人?
479 :
一年日記:2009/05/24(日) 09:13:43 ID:5VcIVTQD
「た…ただい、ま…」
どすっ、と玄関に荷物を放り、同時に力なくその場に腰かけた。
その場で手で顔を覆い、ここ数日の出来事を思い返すと、その顔には自然に笑みがこぼれた。
「…どうしよう…すごい楽しかっ」
「進んだ?」
「わあああああっ!おやすみっ、なさいっ!」
傍らに置いてある荷物を抱え、虎丸は階段を駆け足で上った。
珍しく慌てた様子と、薄暗い中でも分かる赤い顔に、声をかけた母はピンときた。
「こりゃ別のモンが進んだな…」
そう呟き部屋に戻ると、パチンッと勢いよくケータイを開く音が響いた。
「日記、日記…一週間も空くなら、持っていけばよかった」
荷物を部屋の隅に置き、虎丸は日記を開いた。
書く順序を頭の中で整理しようと、前に自分が書いた日記を見返す。
−−−−−
8月11日
今日はサクのバイトの手伝いに行った。
新しいバイトになってから初めて行ったけど、なんだかよさそうな所でよかった。
洋食屋さんってあんまり行かないけど、あそこのご飯は美味しいし、きっと流行ってるんだろう。
まかないも出るみたいだし、サクも楽しそうだけど、手伝いに行くほど忙しい感じじゃなかった気もする…
することもなかったからお店の細かい掃除とかをしていたら、サクがオムライスを作っていてくれた。
超うまかった。
あそこでもらってしまったお金は、あそこで使う事にしよう。
480 :
一年日記:2009/05/24(日) 09:14:18 ID:5VcIVTQD
−−−−−
8月12日
今日は何もなかった。
寝る前に母さんからお使いを頼まれた。
サクと宿題をするのは明後日の予定だったけど、明日も顔出す理由が出来てよかった。母さんありがとう。
でもなんでとろろそばなんだろう。サクってお蕎麦好きなのかな…知らなかった。
でもお蕎麦ならさっぱりしてるし、確かにいいかも。最近サク急に太ったし。
本人は気にしてないけど、なんかこう…ちょっと可愛くて困る。困らないけど、困る。
ごめんサク、今日もしてから寝ます。
−−−−−
「えと、じゃあ最初、8月13日…」
そこまで書いてペンを置くと、サーッと外から雨音が聞こえる。
「また降ってる」
ガタン、カタ、と雨戸と窓を閉める。帰り道は大丈夫だったのに、今は昼間と同じように強めの雨が降っている。
急にむわっと感じた湿気に抵抗を感じて、虎丸はシャツを脱いでトランクス一枚になった。
「8月13日」
481 :
一年日記:2009/05/24(日) 09:14:41 ID:5VcIVTQD
「おっす、麦茶とコーラどっち飲む?」
「あ、コーラ。お邪魔します。」
「親父ーーー。奥使うぞーーーー。」
玄関先でのやり取りに、ドア一枚を挟んで「宿題しろよー」という曇った声が聞こえる。
「先生、居るんだ」
「うんこしてる」
「失敬な!オナってるだけだ!」
バンッ!と勢いよく開いたトイレの中から、シャツにパンツ姿の勝帆が出てくる。
「息子のケアを無駄にすんなクソ親父ぃぃぃぃ」
「ばかたれ、俺の若さを称えろよそこは!!」
「あ、これ、母さんが。」
割と見慣れたやりとりに、虎丸は動じずに手土産を差し出した。
「食いもん?」
「食いもんだろ、トラんトコの親御さんの持たせたもんだぞ」
「その絶対の信頼感なんすか。」
勝帆が袋を開けると、そのまま少し固まった。4、5秒程の、不自然な時間だった。
表情を固めたまますすすすっと手早く身支度をすると、流れるように玄関を出た。
「あれ、先生」
「…あー、なるほどなぁ。」
桜良が中身を覗き込むと、納得したような表情でそれを冷蔵庫に移した。
「バカ親父、山芋食えねーのっ」
にひひひ、と笑う桜良とは逆に、虎丸は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「母さん、これじゃタチの悪い悪戯だろ…」
482 :
一年日記:2009/05/24(日) 09:15:09 ID:5VcIVTQD
「んまかったー」
「久しぶりに食べた」
二人が挟むテーブルの上には、2つ重なった空のピザの箱があった。
「親父の分、無駄になんなくてよかったぜ」
「意外と丸々一枚いけるもんなんだな…」
虎丸が空箱を片づけていると、桜良は冷蔵庫からさっきしまった蕎麦を出していた。
「え…今食うの?」
「あるもんは食っちまおうぜ」
「別に夜でも…」
そういいながら、虎丸はちらっと桜良を見まわした。
夏休みに入ってから早20日、虎丸が見てもわかるぐらいに、桜良の体には変化があった。
「…えと、太る、だろ」
どうにも出しづらかったその単語を振り絞ると、桜良はかすかにぴくっと震えた。
「…ま、まぁ、そうだよなー。こんなんだから太るんだよなー。」
そう言いながら桜良は、自分のお腹をむにっとつまんだ。
指で挟める程度ではあるがしっかりと肉付き、夏休み前にあった腹筋のラインは今は見えない。
「…やっぱ、まずい、かな…?」
「え、いや、えっと」
自分の言った言葉で桜良が傷ついた、そう思った虎丸は焦り思わず、
「俺は、サクが太ったって、好きだぜ」
そう、発してしまった。
言ってから思い返し、後悔し、恥ずかしがるほんの一瞬の間よりも早く、
「とーらーまーるぅ〜〜〜っ」
そう言いながらじゃれついてきた桜良の触れた感触に、虎丸は顔が真っ赤になった。
「遠回しにデブって事かっ、こらっ!」
ぐっ、と桜良の放つベアハッグも、虎丸にしてみれば突然の抱擁でしかなかった。
思わず引いた腰の中心が、ギンギンに張って痛くなった。
483 :
一年日記:2009/05/24(日) 09:16:32 ID:5VcIVTQD
「でもよーでもよー」
布団をしきながら、桜良が虎丸に話しかける。
机に広げたレポート用紙をまとめながら、虎丸は桜良の方を向いた。
「え、うん、なに」
「学校始まったら部活あるし、正味気になるのは今だけだよな」
「えと、色々ツッこむとこあるけど、まずその話題の主語」
「…太ったの」
敷いた布団に枕を放りながら、桜良は返事をした。
「うん、ていうか、俺気にしてないし。」
「さっきトラが注意したんじゃんか…」
「ごめんごめん、でもホントに気にしてない」
そう言いながら、虎丸は勇気を出して桜良のお腹をつまんでみせた。
「誰だってそんぐらいあるもんだって」
「…だって腹は減るんだから、仕方ねーじゃん。」
「だから…それにほら、意外と俺デブ嫌いじゃねーんだぜ?」
言葉に含ませた意味としては、デブの部分に桜良を重ねて、少し意地悪に、言ってて恥ずかしくならないギリギリのラインで虎丸が遠回しな告白をする。
もちろん伝わるわけはない。
「…じゃ、気にしない。しつこくごめんな。」
「ん、で、次。なんで布団敷いてんの?」
内心ドキドキしながら、ありえない妄想半分に、虎丸は聞いた。
「食ったら眠いし、昼寝して夜遊ぼうぜ。泊まりだろ?」
「まぁ、うん。で、布団一枚で抱き枕横にして使うの?」
「普通の枕一個しか無ぇの。親父の臭い布団と枕使いたくないし、使わせるわけにはいかねーし。」
「そ、そっか。」
思考回路が半分止まっているせいで、昼寝自体にツッこむことはなく、桜良の言うままに二人で布団に寝転んだ。
「おやすみー」
桜良はそう言うなりすぐに落ち、虎丸にすり寄り、抱きついた。
「…抱き枕、使ってくれよ…」
警戒すべき抱き癖を見落としたせいで、虎丸は一睡もしないまま、昼寝の時間を過ごした。
抱き枕ァ━━(゚∀゚)━━ッ!!
成長してウォーターベッドにならないかなぁ...ワクテカ
485 :
名無し調教中。:2009/05/24(日) 16:27:35 ID:npRQmZ/g
486 :
一年日記:2009/05/24(日) 16:54:37 ID:5VcIVTQD
「…はよ。」
「お、おはよ…」
「あー…ケータイ光ってる…」
夏の日が落ちる夜7時過ぎ、桜良は目を覚ました。
ずっと起きていた虎丸はその間気が気でない状態だったが、起きた桜良が離れていく感覚は寂しかった。
「げ」
「な、なに?」
起き上がって、水を飲みながら虎丸が聞き返した。
変な汗かいてて匂ったかな、とか、そういう桜良からしてみればどうでもいい心配で心臓が高鳴った。
「親父、トラんちだ。」
「あ、なんだ。…は?」
よく状況がわからない返事に、虎丸は桜良の見せるケータイの画面を覗き込んだ。
『ごめんねぇ。カツうちに来てるわ。ちょっと用事があって何日か借りるわね。その間うちの子、そっちやってていいかな??』
差出人の名前を確認すると、虎丸母、とあった。
経緯はわからないが、勝帆と虎丸を入れ替わりで泊める、という事になっているらしい。
「か、母さん…?」
「仲いいよな、親同士も。」
昔つるんでた話も聞いたことがある桜良は、特に気にせずこの状況を受け入れていた。
「ま、やったねっ、トラしばらく泊まれんだろ?予定とかあんの?」
「ない、けど、服とかどうしようだし、ええと」
「あー…嫌か?飽きちゃうかもしんないしなぁ、毎日だと」
「嫌じゃない!」
言った後に、しまった、急に強く言い過ぎた、と後悔した。
「…服とか、とってくる。泊まっていい?」
「お…おう、もちろん!」
少し驚いた様子だった桜良だが、気にせずに笑顔でガッツポーズを返した
487 :
一年日記:2009/05/24(日) 16:55:26 ID:5VcIVTQD
「おうおう、なんだお前ら、まさかもう」
「ふっ、んっ!」
ごすっ、と鈍い音がした。
玄関から聞こえた虎丸のただいまの声に、迎え出た勝帆の腰に、母の肘が何故かキマっていた。
「せんせ、母さん!?」
「スキンシップよ、これ。昔っから変わんないんだからー。」
驚く虎丸に、桜良は「強ぇな」と耳打ちした。
初めてみる母の一面に驚きながらも、虎丸達は着替えを取りに二階へ上がった。
「さて…この筋肉バカは…あたしのお膳立てブチ壊す気じゃないでしょうね」
「おま、先に止めろよ、そういうのは」
「先に止まんないから実力行使なのよ。あんたの場合。」
「しっかし、いいのか?あれ。」
「うん。傍目わかりやすくて面白いでしょう。」
そう話しながら、二人の目線は階段の上の方を泳いで、そのまま居間へ戻った。
「一人息子だろ、お前んトコ。」
「あんたんトコもそうでしょ。」
「本人らが自由にできるのが一番いい、と、俺は思う。」
「あたしはそれに加えて、見てて結構萌える。」
「…ド腐れ女…」
「晩御飯山かけフルコースにするわよ」
「ごめんなさい」
「母さん達…仲いいんだね」
突然会話に割って入った声に、二人は驚いた。
「え、あ、うん。先生とは古い付き合いでね。」
「ま、親友っていうだろ。親も仲良い事もあるさ。」
「親父、迷惑かけんなよ」
「すいません、泊まらせてもらいますね。母さん、程々に。」
そう言うと二人は色々と荷物を抱えて、虎丸の家を出た。
488 :
一年日記:2009/05/24(日) 16:56:12 ID:5VcIVTQD
それから一週間、虎丸は桜良の家に居た。
意外と桜良はきちんと家事をこなし、そのうえで思いっきり遊んだ。
相変わらず布団は一組しか使ってなかったが、数日目からは虎丸もきちんと眠れるようになった。
ほとんど桜良の生活スタイルに振り回されるような日々を送り、あっという間の一週間だった。
それでも充実していた事は事実で、虎丸にとっては大収穫の滞在だった。1ページも進むことのなかった自由研究を除いては。
「…よし。あと、今日の日記。」
そう言いながら、手元にあった空になったポテチの袋を折りたたんで捨てた。
「下になんかあったっけ…」
飲み物を取りがてら、手ごろなお菓子を探しに、虎丸は一階に下りた。
日記を書いているうちに夜は更け、母は就寝していた。
台所でお菓子をつまみながら、虎丸は冷蔵庫に貼ってある『ご飯食べなさい』という母のメモを見つけた。
冷蔵庫の中にはおにぎりが4,5個、皿に盛ってラップがしてあった。
それを持ったまま振り返ると、視界に少しひっかかるものがあった。
「…日記、書かなきゃ…」
小さくため息をもらして、虎丸は二階に上がった。
机の上に持ってきたものを置くと、おにぎりのラップを剥がしたまま、虎丸は止まった。
少し考えながら、椅子に座り、また少し考える。
「…ん、仕方ない。」
おにぎりに手を伸ばしながら、虎丸は日記を書き始めた。
489 :
一年日記:2009/05/24(日) 16:58:10 ID:5VcIVTQD
−−−−−
8月19日
朝から色々すごいものを見た。
先に起きてたサクがお風呂に入ってたみたいで、いきなり裸だった。パンツは穿いていた。
勃ってる事をからかわれたけど、朝だから、でなんとか誤魔化せた。ホントにごめん、サク。
話を逸らすために、また太った事を少しからかったら、突然体重計を持ってきた。
サクの体重は60kgだった。夏休みに入ってから6kg太ったとげんなりしていた。流れで、俺も体重を計った。…びっくりした。
70kg越えてて、前に測った時から3kgぐらい増えてた。
サクが、抱き心地が良くなった気がするって笑ってた。そのうち俺が追い抜くって、微妙な顔してた。
一週間で3kg増えたのはびっくりしたけど、サクが俺より重くなったらもっとびっくりする。多分本人も。
サクがこのまま太るようなら、俺も頑張って太ろう。
そう思ったけど、口寂しいのが癖になったみたいだ。気にしなくても今、お菓子とおにぎり食べてた。
太り過ぎないように気をつけよう…
桜良
52kg→60kg
虎丸
68kg→71kg
−−−−−
「…はぁ…」
書き終えて日記を閉じながら、前かがみになった時にトランクスから溢れている腹肉を見た。
普通の体勢ではそんなことはないのだが、寄せるとわかる、そういうものになっていた。
書きながら食べ終えた空の皿と、月餅の包み紙を机の端に寄せ、虎丸は再度日記を開いた。
8月19日、その日付のページからいくつかを数えながらぱらぱらとめくり、12月31日、と日付を書いた。
「12月31日、予想…桜良100kg、虎丸…えと、115kg…なんてな」
記録の先付けをするように、ページの下部にそう、書き記した。
「いくらなんでもこんなにはなんないか…冗談冗談。」
静かに日記を閉じると、そのままそれを本棚にしまった。
ベッドに横たわり、目を閉じる。少しの間をおいて、虎丸はぽつりとつぶやいた。
「…肌、寂しい…」
悶々としながら、時間をかけて眠りについた。
虎丸が寝入るのを見届けたかのように、本棚の日記は、淡く光りだした。
>>484 ウォーターベッド…その発想は無かった…!
先のことはわからないってことでw
乙
遂に肥満化が伝染し始めたw
最後の伏線にロマンティックが止まらない
ss乙ー
動けていちゃいちゃできるならいくらでもよさそうだなw
抱き合い心地よさそうだし
493 :
484:2009/05/24(日) 21:36:17 ID:6FeGZ/Xw
>>490 知り合いが、以前彼氏と「スタミナ太郎」の前のアパートに同棲して、
彼氏を170kg超の巨デブ化させてウォーターベッド状態にしていたという、
実話というかノロケというかを聞かせてもらったので、つい。
ちなみにその巨大化した彼氏の得意技は、
食材の棚にある大皿に山盛りの肉を、
独りで空にできることだったそうだ。
知人にその時の模様を根ほり葉ほり訊いてみたところ、
焼肉バイキングでは、肉以外のものを胃袋を入れるのは勿体無いと、
巨デブ化した彼氏は思ってたらしいw
>>493 その知り合いと彼氏をこのスレに連れてくるんだ
…いいなぁ、俺もそんな彼氏欲しい
495 :
493:2009/05/24(日) 22:18:25 ID:6FeGZ/Xw
>>494 連れてきてみたいなあ、まじで。
ていうか、むしろ俺は494さんの彼氏になって、
起き上がれない位に肥満化させられて、
494さんのベッドになりたい。
妄想の中だけでは、利害が一致するんだよなー(爆)。
496 :
494:2009/05/24(日) 23:14:02 ID:keoML7HW
そう言ってもらえるだけでもうれしい
俺は自分が太りたいっていうより太らせたい方だから
その点はぴったりなのかもしれないけど
現実的には問題が多いんだよな
せめて一緒にバイキングでも行けたらいいのにな
>>493 その知り合いの彼氏が元はどれくらいの体格だったか気になるなw
彼女さんの手腕も
498 :
一年日記:2009/05/25(月) 04:07:48 ID:FJ2VSngD
「…やばい」
「やばい。」
同じ表情で立ち尽くす桜良と虎丸は、顔を見合わせてそう呟いた。
日めくりの31という数字を無視して、蝉の鳴き声は鳴り続けていた。
事の顛末は、こうだ。
「やばいやばいやばい、と、トラっ」
待ち合わせの電柱。桜良はそこに、手を上げながら駆け寄った。
「自由研究っ」
「できてねぇ、だろ。」
はい、とレポート用紙の束が、桜良の前に差し出された。
なんてことない内容が、遠まわしに水増しされたような自由研究だった。
「あんまり凝ったのだと、先生にバレちゃうし」
「とーらーまーるぅ〜〜〜」
がばっ、とレポートごと、桜良が虎丸に抱きついた。
あれからしょっちゅう泊まりに行き来し、寝る時の抱き癖からか桜良はそれぐらいは特に気にせず虎丸にスキンシップをとるようになった。
虎丸の顔が今赤いのは、照りつける日光のせいか、ほかの何かが原因なのかは、定かではない。
「そ、相談ってこれだろ。済んだなら、どっちかの家、行こう。」
「おう、外暑ぃしな。」
そういうと二人は、とりあえず桜良の家に向かうことにした。
499 :
一年日記:2009/05/25(月) 04:08:48 ID:FJ2VSngD
「親父は今日から学校だってさ」
よく冷えた牛乳をコップに注ぎながら、桜良がそう言った。
「明日から学校かぁ」
「早ぇよなぁ、夏休み終わんの。」
「明日の準備、しとけよ。また夜、先生に言われると言い合いになるだろ。」
「ですよねー」
予想しうる展開に、二人は声を上げて笑った。
自分も帰ったらやらなきゃ、と思いつつ、虎丸は桜良の荷物整理を手伝った。
「毎日パンシャツか私服ってのも、今日までかー」
「あー…せ、制服、着てみなよ。久しぶりに見たい。」
「?明日お前も着るじゃん?」
「え、あ、そ、そうだよな…」
変なこと言った、そう思いながら虎丸は頭を掻いた。
「まぁ別にそれぐらい」
ズボンを手にして、片足を入れたところで、桜良の言葉は止まった。
「…あ。」
「…なぁ、俺さぁ…」
「えと、15kg。」
「ひいいっ」
ズボンに片足を、入れる。その前屈体勢で、二人は気がついた。
ぽっこりと出た、桜良のお腹の肉に。
少しの沈黙の中、桜良は両足をいれ、一気にズボンを引き上げた。
太ももで少し引っかかったズボンの腰周りは見事に足りず、とても届きそうに無いホックが両端から見えていた。
「…やばい」
「やばい。」
立ち尽くす桜良と全く同じ事を、虎丸は自宅での自分に重ね合わせた。
500 :
一年日記:2009/05/25(月) 04:10:07 ID:FJ2VSngD
「いいんじゃない?男の子なんだし。」
「う、うん…すみません、先生…」
「あっはっは、お前らなぁ、明日どーなっかなぁ」
「ていうかなんでこんなんあんだよっ」
日も落ち、夕食時。一同は虎丸の家に居た。
「お前ら揃いも揃って、いやぁ、面白ぇなぁ」
「なんか懐かしいわね」
話の弾む大人達とは対照的に、少し恥ずかしげな心持ちで、子供達は萎縮していた。
それぞれの傍らには、今までの物よりも大きめなサイズのズボンが折り畳んで置かれていた。大きくなったのは、ウエスト部分だけなのだが。
「まさか、俺が太るの面白がってたんじゃ」
「ばかたれ、今月の食費見せてやろうか」
ぐむっ、と黙る桜良の隣で、虎丸が小さく「ごめんなさい」と謝った。
「子供は育つのが仕事だからいいのよ。桜良くんなんか、気にする必要もないわよ?」
「なんで俺?」
「アルバム、見たことないの?」
「わーーーーーーーーーっ!!!!」
騒ぎ立てる勝帆を張り手でいなして、母は古い青表紙のアルバムを持ち出した。
「これこれ。この端のおっきいの。」
「うへっ、すっげぇデブ」
「カツよ。」
「!!!!」
「大昔は痩せてたのにねぇ。」
「…今は素敵マッチョだろうが…」
張り手から起き上がった勝帆が、フォローをいれる。
今の姿からは想像もつかない巨漢…という事も、否定はしていないようだ。
「…先生、すごい。」
「ていうか、おばさんと親父って…」
「同級生。昔はうち、共学だったのよ。」
二人の通う高校は、丘向こうに女子高があった。元々はそこと一緒の学校だったという話を、母から聞かされた。
「こんな腐れ縁とはね。」
「そんでもって、俺のお下がりをお前の子供が使うとはな。」
二人の間には、思い出の空気が漂っていた。虎丸達は気を遣ってか、ズボンを持って二階へ場所を移した。
501 :
一年日記:2009/05/25(月) 04:11:42 ID:FJ2VSngD
「びっくりしたな」
「うん、色々と。」
先程の会話を振り返りながら、虎丸は夏休み前のズボンを穿こうとしていた。
「…で、ですよね。」
「ですよねー。」
想像していた結果よりも少し症状は重く、ズボンは太ももで止まった。
無理をして引き上げようとはしたが、どこかの糸がピリッとちぎれる音がして、虎丸は慌てて手を止めた。
「にしし、トラ、太ったもんなぁ」
そういいながら桜良は虎丸の腹をぐにっと掴んだ。じっと腹を見ていたが、目線をあげなくても虎丸の顔が赤いことはわかっていた。
桜良邸小旅行から約十日。謎の勢いと虎丸自身の努力のせいか、見事に体つきはむっちりとしたものになっていた。
「何kg太った?」
「え、と…あれからだと、7,8kgぐらい…」
「うおっ、すげぇな」
桜良ははしゃぎながら抱きつき、虎丸の背中もむにっと掴む。
「な、なんか楽しそうだな」
「おうっ、なんかな、何kg太った?って聞くの、ちょっと楽しいな」
「…複雑な気分…」
「俺は俺は?」
「な、何kg太った?」
「10kg」
ぴきっ、と、確かにそこで虎丸の表情は一瞬凍りついた。
会ったときからその太り具合は気になってて、聞くに聞けなかったものの、流石にびっくりした。
お互い確実に抱き心地がよくなったのは、体感済みだった。
「あとなぁ俺なぁ」
「…え、あ、うん」
「トラ好きだぜ。」
がたんっ、どんっ、と、その場に崩れ落ちた虎丸が出来たのは、
「おれもだいすきです」
と小声で返事をしながら、手を握る事だけだった。
その日、その後、何をしたかは虎丸の頭には全く残らなかった。
>>491 なるべく立てたフラグは回収出来るようにがんばります…!
>>492 あんまり太らせすぎるとお腹が邪魔で抱き合えない事態にw
>>493 好きで太れたのなら、羨ましい限りです…ww
乙
2ヶ月かそこらで10kgとかどんだけww激しく萌えwwww
504 :
一年日記:2009/05/25(月) 11:46:49 ID:A4vm26MY
勝帆に借りた制服のズボン、新しく卸したワイシャツ。
カバンに宿題と通信簿。前日までに用意してあったおかげで、虎丸は慌てる事なく学校へ行く準備ができた。
「…ちゃんと、日記書いてる…」
よくは覚えていないが、あんなことがあったのに、と、虎丸は思い返した。
書いてるとは言っても、内容はひどいものだった。
日付と、絶叫としかとれない『大好きです』の一言。それと、体重経過の記録だった。
「サク、70kg、俺、79kg…か。」
日記を閉じながら、無意識に自分の腹をさすった。
シャツの上からでもカーブラインが見える自分の腹に、小さくため息をもらした。
ため息とは逆に、大きくなる腹の虫に素直に、朝食を食べに下に降りる事にした。
「昨日はお楽しみでしたね。」
「かあっ」
階段の下で待ち受けていた母の一言に、思わず顔が赤くなる。
「冗談よ。朝ご飯出来てるわよ。」
くすくすっ、と笑いながら母は居間へと引っ込んだ。
「…いただきます。」
「はいどうぞ。今日はお昼、うちで食べるんでしょ?」
「うん。あ、わかんない。」
手早く捏ねた納豆で一杯、ご飯を掻っ込みながら返事をする。
今日は提出物を出すだけで、授業は無いはず。そのうえでの会話なのだが。
「用事あるの?」
「先生から呼ばれてた。」
「カツ?じゃ、二人とも連れてきなさいよ。みんなで食べましょ。」
「あ、うん。わかった。」
「なんにしようかしらねー」
「母さん」
「何か食べたいものある?」
「機嫌いいね。いってきます。」
「…忘れ物無いわね?いってらっしゃい。」
505 :
一年日記:2009/05/25(月) 11:47:40 ID:A4vm26MY
始業式、少し早めの朝礼があるその日は、虎丸も普段よりも早めに学校へ向かった。
授業中以外いつも全開な教室の扉をくぐると、見慣れた顔触れが教室で騒いでいた。
「おはよ。」
「はよっす。うおっ!」
「ふっふーっ!お前もかよ!」
「あはは…やっぱわかる?」
そりゃそうだ、と友達一同がうなずいた。教室まで来る途中にも何人かに同じリアクションをされたので、虎丸はもう慣れていた。
「太ったなぁ、お前ら。」
「おうっ、夏休みデブーだぜ!」
「バーカ」
ぎゃはは、と渦巻く笑い声の中心には、先に登校していた桜良が居た。
「痩せたやつもいんのに、その分お前らが太ったなぁ」
「新デブキャラ、期待のホープだな。」
「そう都合よくいくかっ、ターコ」
威勢よく言い返しながら、お腹をぽんっと叩く桜良の姿には、十分な素質があるように見えた。
そんなことをしていると、朝礼を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「ーーーーーセフセフっ!お前ら、席つけっ」
チャイムの余韻が途切れる直前に駆け込んできたのは、担任の勝帆だった。
「せんせー、桜良と虎丸がデブってますけどー」
「おーう。そのうち相撲部とかに入ったら応援してやれよ。」
どっ、と溢れかえる笑い声の中、虎丸は少し恥ずかしくなった。
506 :
一年日記:2009/05/25(月) 11:48:25 ID:A4vm26MY
「あ、おい。桜良。」
「なんすか先生。」
「サッカー部廃部だと。」
「なんだとおおおおおおお」
前期テストの日程プリントを受け取りに顔を出した職員室で、桜良は衝撃の事実を聞かされていた。
「いやまぁ、元々活動お気楽サッカー部じゃねーか。うちんトコは。」
「なんで廃部…え、俺が夏休みサボってたから!?」
「自覚あるほどサボる奴が今更ショック受けるんかい…ま、違うけどよ。」
「あ、先生。と、サク。職員室に居たんだ。」
途中から入ってきた虎丸が職員室に入るなり思った事は、「先生面倒くさそうな顔してる」だった。
わからない話題に入るのもどうかと思い、職員室を出ようとすると、桜良と勝帆に同時に腕を掴まれた。
「サッカー部廃部の状況説明」
「部活無くなったって…!」
「…あぁ。なるほど。」
状況を理解した虎丸は、変に泣きそうな顔をしている桜良を引っ張って職員室を出た。
「昼飯、母さんが用意してます。」
扉を閉める前にそう言い残すと、返事も返さずに残された勝帆は、他の先生方の視線を一身に感じる事になった。
「生徒の親御さんと…?」
「先生、ちょっと詳しく」
「ちょ、ちょいまち、なんでもないんです。」
(別に、俺が泣かそうとしたわけじゃ、ないだろっ、ばかたれっ)
そう思いながらも、勝帆はその場でたじろぎ、込み入った話をするしかなかった。
507 :
一年日記:2009/05/25(月) 11:49:18 ID:A4vm26MY
「転校かぁ…」
「朝礼、聞いてなかったのか」
今までぎりぎりの人数で編成されていたサッカー部員のうち2人が、転校が理由で抜けてしまったのだ。
「部員集まるような時期じゃねぇもんなぁ…?」
「…俺は無理。球技ダメなの知ってるだろ。」
「うー…ダメかぁ…」
唸りながら蹴飛ばした小石が、かつっかつっと跳ねて二つに割れた。
「そんなにサッカー好きだったっけ?」
「いや、ていうか、あれだよ」
「ダイエット?」
「あ、あー…うん、そんな感じ。俺ほら、部活っていう強要性がなきゃやんないじゃん?」
ダイエットする、という事が恥ずかしかったのか、珍しく桜良の顔が赤くなっていた。
「…それなら別に、俺は桜良が太ってても、その、えと、す、好き、だぜ」
「う…で、でも俺、多分ここで痩せなきゃ、どんどんぶっくぶっく太っちゃうぜ?」
「そんなの、別にいくら太ったって、サクはサクだよ。」
「と…とーらーまーる〜〜〜〜っ」
「そ、外では、ちょっとっ」
嬉しい半面、虎丸は抱きついてきた桜良を引き離した。
「へへ…帰ろうぜ、腹減ったし」
「うん、母さんがご飯用意してくれるっていうから、うち来いよ。」
「おうっ」
そういって二人は帰路につき、人のいない帰り道では少しだけ手をつないで歩いた。
虎丸の言葉を素直に受け止めた桜良と、自分を諭すようにも感じながら言っていた虎丸。
二人は予想通り、充実した秋を過ごし、それぞれの体を立派に育む事になるのだった。
>>503 二か月どころかラストスパート十日で10kgでした^q^
ありえねええええと思いつつも、素人がガッチリ相撲取りと同じ生活スタイルを体験して14日で13kg体重が増えたっていうレポ見たことがあるので、出来なくはないのかもwなんてw
>>508 単純計算でも1日に1kg弱とかすげえぇぇぇ
どんな運動&食生活だったんだ……
そしてSS乙
天高く男肥ゆる秋にwktk
SS乙
一日1kgはいいペース過ぎるww
>>489の12月31日の体重が現在値じゃなくて+分になりそうな勢いだwwwwww
「ただいま。」
ドアを開けて部屋の中に入るが中から返事はない。
俺は両手に下げた買い物袋と紙箱を台所の流し台の上に置くと、
寝室のほうへ向かった。
寝室のドアを開けると中からひんやりした風が吹き付けてきた。
まだ初夏だというのにエアコンがよく効いた寝室のベッドの上では
彼が腹を出してすやすやと寝息を立てていた。
寝息に合わせて大きなお腹が高くなったり低くなったりしている。
「ただいま。」
俺は彼を起こさないように静かにそう言うと、ベッドに近づいた。
ベッド脇のゴミ箱野中にはたくさんの菓子パンの袋が捨ててある。
きっと食べ疲れてそのまま寝てしまったんだろう。
俺はシャツがめくれてあらわになった彼の大きなお腹を優しく一撫ですると
シャツを直して、その上にタオルケットを掛けた。
彼が目を覚まさないうちに晩ご飯の支度をしてしまおう。
俺は再び台所に向かった。
俺の給料はけして高くないし、料理もあんまり得意じゃない。
仕方ないので、なるべく安く大量に作れて、しかもそこそこ失敗しにくいもの
をローテーションで作っている。あとは冷凍食品とかだ。
正直、彼に満足に食べさせてやっているとは言えないかもしれないけど、
それでもいつも残さず食べてくれる彼には感謝している。
今日の晩ご飯は牛丼だ。
ご飯は少し多めに炊いておこう。5合くらいでいいかな。
たまねぎと糸こんを刻んで、えのきを適当にちぎって下ごしらえ完了。
なべで油代わりの細かく刻んだ牛脂(これもそのまま食べるため)を炒め、材料を炒めていく。
あとは調味料を加えて煮込むだけ。その間に卵をお湯で温めておく。
「おかえり。今日は牛丼?」
あと少しで出来上がりというところで彼が起きてきた。
「ああ、すぐできるからもうちょっと待ってて。」
彼をリビングで待たせて、出来上がった具をどんぶりのご飯にかける。
温泉卵も3つのっけてカロリーアップ。俺のにも1つのっける。
「できたよ。食べよう。」
彼はテーブル掛けを敷いて麦茶を用意してくれていた。
「「いただきます。」」
俺と彼は手を合わせて一緒に食べ始めた。彼はすごい勢いでどんぶりの中身を平らげていく。
汁だくの牛丼と温泉卵は喉越しが良いのだろう。するすると喉の奥へ滑り落ちていくようだ。
「おいしい?」
「んん。」
彼はあっという間にどんぶり1杯を平らげおかわりをとりに台所へ向かった。
「ごちそうさま。腹いっぱい。げぷっ。」
俺は彼の豪快なげっぷを聞くのが好きだ。
炊いた米も牛丼の具もは彼がほとんど食べてしまった。
「ドーナツあるけど、もう入らない?」
「あ、食べる。」
そうくると思った。
俺は台所からさっき買ってきたドーナツを紙箱ごととってきた。
自分の分一つをとって、あとは彼に差し出す。
彼はうれしそうに箱を開けて、端から一つずつ食べ始めた。
さっき牛丼をあれだけ食べたのが嘘のようにあっというまに
次々とドーナツを食べ進めていく。
甘い物を食べているときの彼の顔は本当に幸せそうだ。
「あ〜、もう今度こそ本当に腹いっぱい。」
ドーナツを全部も食って、彼のお腹がまた少し膨れたようだ。
触ったらとても気持ちよさそうだ。
「お腹、枕にしていい?」
「いいよ。」
俺は床にあぐらをかいている彼のお腹に自分の頭を乗せた。
やわらかな脂肪に頭が程よく沈み込みながらも、
腹筋と張った胃袋の弾力がしっかり感じられる。
耳を当てると聞こえてくるかすかな心音とコポコポという消化音が心地よい。
「苦しくない?」
「平気。」
「じゃあ、しばらくこうしてもいい?」
「いいよ。」
晩ご飯の片付けは一服してからにしよう。
俺は彼の好意に甘えることにした。
彼がもっと太ったらベッドみたいになるのかな。
そんなことを思いながら俺は眠ってしまった。
>>493を見て湧いてきた妄想を文章にしてみました。
SSというよりシチュエーションの延長です。
SSの途中で失礼しました
そして目が醒めると彼氏はどこにもいなくて、代りにキングサイズのウォーターベッドが…
>>515 GJ
だんだんと抱き心地の良くなるベッドなんて素敵w
518 :
一年日記:2009/05/26(火) 02:04:54 ID:UxwCTAp9
−−−−−
10月28日
また…太った。と、思う。
秋休みに入る前にもキツいとは思ってたけど、今日着直したら、着れなかった。
今週はちゃんとダイエットしようって思ってたのに、気付いたらいつも通り過ごしてたダメな俺…
なんで同じように飲み食いしてるはずなのに、サクは全然太らないんだろう。
太り易い体質だったのかな、俺。今まで太った事無かったから気付かなかっただけで。
体質なら仕方ないけど、このままじゃ100kgとか、超えるんだろうな…気をつけよう。
−−−−−
「んむっ…はぁ…」
日記を書く手を止め、口の中に残るポテチの脂っこさを、コーラで流し込む。
喉を駆け抜ける爽快感と、目先の悩みの種である出っ張ったお腹に、虎丸の意識はもっていかれた。
秋も半ばを向かえ、空気も涼しくなってきたというのに、虎丸はシャツにトランクスという夏の姿で、そこに居た。
「先生に電話しておかないと…はぁ…」
そういいながら虎丸はベッドに寝転んだ。ずんっ、と、いかにも重たいものがのしかかったような低い音が響いた気がした。
ついこの間もお下がりのズボンを借りたときに、ウエストを測られて恥ずかしい思いをしたばかりだった。
「…そんなに太った…なぁ…」
自分に問い返す間もなく、ぴちぴちにトランクスの張り詰めた腿を見て、ため息を重ねた。
同時に視界に入る、小さな胸の谷間部分。シャツの中央のそこが汗で変色しているのを見て、がっくりと肩を落とす。
実際に測り、数字を突きつけられるのが恥ずかしかったので、最近は体重計には乗らないことにしていた。
その事が裏目に出たのか、太ったかな?太ったかも。そんなでもない。そう言い聞かせるように、なんとか自分を誤魔化していた。
大きく育ったお腹をぶにゅっ、と両手で掴むと、虎丸は小さく決心した。
「これで最後、これ以上は、制服借りずに済むように、痩せよう。」
そう呟くと、部屋の隅にある電話の子機をとり、勝帆に電話をかけた。
「…あ、遅くにすみません。その、また、えっと…ふ、太っちゃったんで、制服貸してください…」
電話をかける虎丸の顔は、真っ赤になっていた。
519 :
一年日記:2009/05/26(火) 02:05:45 ID:UxwCTAp9
「こんばんわーっ」
「あら、いらっしゃい。あの子なら上よ。」
「うす、これ親父から。」
そう言うと桜良は、右手に持った紙袋をそのまま手渡した。
「あら、信玄餅じゃない。なんか企んでるわねアイツ。」
「おばさん好きなの?」
「虎丸もね。今ちょっと持ってって、一緒に食べちゃって。」
うっす、と返事をすると、桜良は小分けされた信玄餅を持って二階に上がった。
「あ、サク。」
「おいっす。また太ったんだってなっ」
言うのが早いか飛びつくのが早いか、桜良はベッドで寝ている虎丸に飛び乗った。
「にしし、すっかりデブだな、トラっ」
「ご、ごめん…」
むにむにっ、と桜良にお腹を揉まれると妙に恥ずかしく、何故か股間もいきり立ってしまうのを隠す為に、虎丸はぐるっとうつ伏せた。
桜良に限らず、少し前から太ったことをツッこまれると妙に興奮してしまうのが、最近の虎丸の悩みだった。
「ちゃ、ちゃんと痩せるから、大丈夫、その、」
「えーっ、もったいねぇーっ」
「だ、だって、こんなに太っちゃって、まずいだろっ」
なにがまずいのかはよくわからないが、虎丸の口をついて出た言葉に、桜良は頭を悩ませた。
「んー…じゃあ、これからは俺ももっと太るからぁ…」
「べ、別に桜良まで…折角最近そのままなのに、その、それに、折角かわいいのにっ」
「お前ほどじゃないけど、俺だって最近太ったもんっ。それに、トラは太ってる方がかわいいぜっ」
ぎゅ〜っ、と桜良が力を入れて抱きしめると、虎丸は恥ずかしくて顔を上げることが出来なかった。
「…俺、頑張って痩せた方がいい?」
「サクは、そ、そのままだってかわいい。抱き心地、気持ちいいし…」
「俺も、全く同じこと考えてるぜ。」
虎丸の上から降りた桜良が信玄餅を机の上に取り出すと、虎丸の目がきらきらと輝いた。
「ダイエット、また今度にしとく。つか、えと、太る。」
きなこの上に黒蜜を垂らす桜良が、満足げに頷いた。
>>509 オーソドックスに力士の生活(朝から激しい運動、昼ドカ食い、昼寝、夜ドカ食い、就寝)だったみたいですね。
>>510 なるべく無茶しすぎない感じで、じわじわいきたいと思いますw
>>515 あ、甘い…!想像するだけで羨ましい状況ですね…!萌えです!
太る宣言来た! 愛の力=肥育の力!
力士の生活してたとか土台完璧じゃないかww
ss乙です
次の展開が早く読みたいです
523 :
一年日記:2009/05/26(火) 17:52:29 ID:KIyueyTB
普段は開いている、教室の扉。
暖房が回る冬場は、その扉も閉まっていた。
白い息をこぼし、登校してきた虎丸がその扉を開ける。
「おはよー。」
中に入ると、教室の隅の方から、「トンちゃーん」と手を振ってくる姿が視界に入った。
上着とカバンを置いて、虎丸は教室の隅に歩み寄った。
「おはよっす。今日もナイスボディ」
「おいこら、トラは俺のっ」
虎丸の胸元に伸びる手を、ぺちんっと桜良が払い落した。
虎丸も最初は驚いたが、二人の関係は普通にクラスのみんなが知っていた。
というか、他のクラスでもちらほらカップルはいるらしい。これも、虎丸は最近知った。
「はいはい夫婦夫婦。ところでお前らさ」
少し顔を赤らめながら、虎丸と桜良が首を傾げた。
「まだキスもしてないってマジかよ」
「うん。してねぇ。」
さらっと聞く友達と、これまたさらっと答える桜良を前に、虎丸は顔が真っ赤になった。
「こらマジだわ。」
「あー、なんかトンちゃんが可愛く見えてきたっ」
「さ、サク…」
「お前らトラいじめんなっつの」
「いいなぁ、俺も太ろうかなぁ。そうすりゃ自分でおっぱい揉めるし、ホモにもモテモテだろ?」
「あれ、お前ホモだったっけ?」
「男子高の間限定でっ」
びっ、と勢いよく繰り出されるピースに、周囲の空気は笑いの声に溶けた。
「お前ら変なもんに憧れてんなぁ。あんま夢みんなよ。」
いつの間にか、教卓には勝帆が立っていた。最近緩んできた体型を気にしてか、その忠告は自分に言い聞かせているようでもあった。
524 :
一年日記:2009/05/26(火) 17:53:55 ID:KIyueyTB
「おかえり、どう?どんな感じ?」
「えっ、えと、その、ひゃ、ひゃくじゅう…」
「違う違う、成績。」
くすくす笑う母を前に、虎丸は自分の早とちりに顔を赤くした。
最近は学校の保健室でこっそり体重を測っていたのだが、その事を知られているのかと、勘違いしてしまったのだ。
「悪く、ない。」
「つか、いいじゃない。太ってたって、勉強順調なら、誰も文句言わないわよ。」
手渡された通知表を見て、母はグッとガッツポーズをした。
「え…じゃ、じゃあ、サクはダメって事…?」
「桜良くんは、なによりも元気だからね」
そう微笑む母を見て、虎丸はほっと胸を撫で下ろした。
「今日は浮いた話でもあるの?」
「いや、無いけど…」
「んー…クリスマスとか、ホント気にしないのね。」
「あ、違くてっ」
パチンッ、とケータイを開く母の動作を見て、慌てて虎丸は言葉をはさんだ。
「約束は、してきたから。今度出かける。」
「おっ、積極的じゃないの。」
「あと、ケータイ持ちたいんだけど…」
ごとんっ…と、その場に開かれたケータイが落ちた音が響いた。
「母さん、それオーバーリアクション。」
「えへへ。まさか機械音痴のあんたからそんな言葉が出るとはね。いいわよ、買ってあげる。」
「ありがとう、母さん。」
「どうせ桜良くんに使い方おそわったりしながらいちゃいちゃするつもりなんでしょ。」
どきっ、とあからさまな反応をしながら、虎丸はこれ以上ボロが出ないうちにと二階へ退散した。
「我が子ながらわかりやすい…」
525 :
一年日記:2009/05/26(火) 17:55:40 ID:KIyueyTB
「あ、うん。ケータイ買ってもらえるって。そう。それじゃ、来週ね。」
桜良にさっきあったやり取りを話し終えると、電話を置いて着替えようと服を脱いだ。
夏に比べて大きくなったズボンを畳みながら、姿見の前でため息をついた。
「ひゃくじゅう、さんきろ…」
汗ばんだパンツを脱いで、ベッドに腰かける。虎丸は最近、こうしながら新たな悩みにふけっていた。
あの夏から順調に、遠慮することなく太り続けている体。最近は段々と胸元が膨らんできたのが少し気になっていた。
その中でも急に太ったせいなのか、薄く広がった乳輪に対して埋まってしまった乳首が、自分で見ていて恥ずかしかった。
横一筋、線になって陥没している部分を指先でちりちりいじると、ぷくっと起き上がってくる。
「…なに、やってんだろ…」
そうしてると体が火照ってきて、胸を揉み、深くなったへそまで指が伝う。
以前までならこの流れで、とりあえず桜良のことを思い浮かべ、自慰にふける。
そのはずなのだが、ふと下を向くと、肝心の自分のモノが視界に入らない。
普段はまだそんなことは無いのだが、座った状態だとどんっと乗ったお腹の肉で、視界から消えてしまっていた。
「う〜…」
桜良に相談したところ、そんなトラもかわいい、と返されただけで、なんとなく納得してしまった。
「サクはこういうの、悩んだりしないのかなぁ…」
カレンダーの31日、赤く丸のついた大晦日を思いながら、特にすることもなく服を着た。
大きいシャツに大きいジャージのズボン、普段の部屋着を着て、とりあえず机に向かう。
それとなく考え事をしながら日記を振りかえると、いつからか増えだした体重の記録を目で流しながら、自分のお腹をさすった。
時間背景駆け足になっちゃってすみません…ちょっと時間かけすぎなので、なるべく早めに収拾付くようにします。
前回きりで秋は過ぎ去りました。色々書けそうなポイントあったんですが、きりが無くなってしまうので…
日記の性質上虎丸メインで進んじゃってますが、桜良もちょこちょこ太ってます。ほとんど気にしてないけど・
今夜は追記出来るかわからないので、もう少々お待ちください…
SS乙です!
長くてもいいから虎丸の変化などを読んでみたいです!!
同じくです。
服が入らない、ボタンがとまらない、そんな状況を詳しく聞きたいです。
サクが後ろから抱きついた途端に、トラのボタンが飛んだりしたら最高...。
このスピードで太るんなら正月太りはもっとぶくぶくと・・・wktkしてきた
乙
上に禿同
焦らなくても、書き手さんのペースで書いていいのよ
こちらもここを覗くのが毎日の楽しみになってるし、願わくばもっと読みたいなとww
>>526 あんまり焦って書きすぎるとかえってかけなくなったりってよく聞きますし
気にしないでゆっくり書いてください
むしろ長くてじっくりのほうがうれしかったり・・・
不思議パワーでの瞬間肥満化よりは
長期的に愛でながらの肥育、肥満化が好みだぜ
丹精込めて煮詰めてくれ
533 :
一年日記:2009/05/27(水) 08:47:28 ID:goT2ZVUK
『いつものとこにきた』
「これで、送信を選択して…」
メールを送り終えると、その大きな両手で丁寧にケータイを閉じた。
閉じただけで、返信が気になってしまって、ずっと手に持ったままでいる。
そのままそわそわして辺りを見回していると、突然後ろからがばっと抱きしめられた。
「へへへー、さっきのメール、トラだよな?よなっ?」
「うん、そうだけど、なんで確認するの?」
ちゃんと送れてたなら返事が欲しかった…とは言え、この現状も虎丸は嬉しくて、顔はにやけていた。
「タイトルに本文だし、知らねぇアドレスだし、送り主の名前も無いなんて、ケータイ初心者丸出しだもんよ」
年内にケータイを入手した虎丸は、母にメールの打ち方だけ習ってアドレスを教わり、こっそりと桜良にメールしてびっくりさせようとしたのだ。
「あ…そ、そっか、俺だって事書かなきゃ、わかんないよなぁ」
「でもびっくりしたぜー。トラ頑張ったんだなって、すっげー嬉しかった。」
にこっと笑って、ぎゅっと抱きつく腕がしまる。正面を向いて抱きしめ返そうと、虎丸が体を捻る。
ビ、ピッ!
内から外から引っ張られていた上着がの生地のどこかが、一瞬悲鳴をあげた。
「…ぷっ、トラ、お腹開いてる」
「え…あ。で、でも、これぐらいならよかった。」
胸元まで上げたファスナーの中腹が、不自然に開いてしまっていた。引っ張られたのは、ここだったのだろう。
びっ、びっ、とファスナーを上下させて直そうとするが、まともに噛みあう気配は無く、次第に虎丸の顔が赤くなっていくのが寒さのせいではないのがわかった。
「…い、いいや。どうせこれも着なくなるし。」
そう言うと虎丸は、力を込めてファスナー部分をこじ開け、完全に前開きの状態にした。
「おー、ワイルドーっ。」
ぼよっと震えたお腹を、桜良が軽く叩いた。
「また太った?」
「ところが、年内はあんまり。」
「かーっ、俺だけかよっ」
そんな事を話しながら、二人は坂の下の神社に向かった。
暗い夜の中、白い吐息の道が尾を引いていた。
534 :
一年日記:2009/05/27(水) 08:48:01 ID:goT2ZVUK
深夜2時、年が明けて今は元旦。
普段は人のいない神社でも、初詣にはちらほら人がいる。しかし時間もあいまってか、もう桜良達以外の参拝客は引き返してきていた。
「俺、がらんごろんやりたい。」
「俺もやるけどね。」
二人はお賽銭を投げ込むと、がらんっ、ごろんっ、と綱を引き大きな鈴を鳴らした。
少しの沈黙の後、まだ手を合わせている桜良に、虎丸が声をかけた。
「サク、こういうの熱心な方だっけ。」
「だーって500円だぜ。めいっぱいお願いしねぇと。」
「ぼっちゃんら、久しぶりだねぇ」
少し離れた神社の脇から、二人に声をかける。夏に会った時と同じ着物姿の老人だった。
「あ、どうも。お久しぶりです。」
「つか人違いしてね?俺らすげーデブったのによくわかったなぁ。」
あ、確かに。そう考えながら、あの頃の自分の姿を思い返し、虎丸は笑うしかなかった。
「わかるとも。文綴りは、どうだい?」
「毎日、使ってます。」
「ふむ、そのようだねぇ。そっちのぼっちゃんは、そうでもないとみた。」
くくくっ、と笑う声につられて、桜良も笑いながら答える。
「ごめんなぁ、全然使ってないや、そういえば。」
「それならそれでも。もし使うつもりがないのであれば、ちと預かってもいいかのぉ?」
「あ、すいません…今手元には無いんで、今度持ってきます。神主さんなんですか?」
申し訳ない気持ちで、桜良の本を所持している虎丸が老人の所在を尋ねた。
「違うねぇ。まぁここにいるから、いつでもいい。本を持ってきてくれれば、いつでも応じるよ。」
「なら近いうちに、必ず。」
「ほっほっほ」
老人は頷くと、手を振りながら神社の奥に入って行った。
「…なんか、悪ぃ事したな…」
「でも怒ってなかった。いい人なんだよ。」
しゅんとする桜良の頭を撫でると、そのまま手を伸ばし、虎丸は桜良の手を握った。
二人はそのまま帰路につき、いつもの電柱の前で次に会う約束をした。
535 :
一年日記:2009/05/27(水) 08:48:53 ID:goT2ZVUK
「確か、引き出しの中に…うん」
帰宅した虎丸は日記を開いたところで、桜良の分の本を取りだした。
あの夏の日から手を着けておらず、見事に中身は真っ白。机の上に並べると、使っていないのが一目瞭然だった。
「あれ、こんなに固かったっけ」
桜良の本の背を固めている蝋をひっかき、自分の日記と見比べた。
虎丸が日常的に使っているせいなのか、蝋の厚みは半分程で、角も取れて滑らかになっていた。
「すり減るって、こうしてみると結構違いが出るもんなんだな」
桜良の本をカバンに入れて、椅子を引き、机に向かう。最近はお腹が苦しいので、あまり椅子を前に詰めない。
一旦持ったペンを置き、帰り道で買った団子をくわえると、一気に串から引き離し、再びペンを持った。
−−−−−
12月31日
今年は色んな事があった。
去年の今頃は、サクとこんなに仲良くなれるなんて思わなかった。
いい先生にも会えたし、このままいい調子で新しい年も
−−−−−
そこまで書いて、ふとページの下の方に書いてある文字が目に入った。
「予想…桜良100kg、虎丸…115kg」
頭の中に入ってきた文字列を読み上げると、虎丸はそこでぴくっ、と震えて、自分の体を見回した。
「そういえばさっき、サクも100kgに乗ったって話、してたな…」
まさかな、偶然だな、そう唱えながら、虎丸は部屋の隅から体重計を持ち出した。乗ってしばらくするとデジタルが固定され、体重計から降りても数字が見れるものだった。
「年末忙しかったし、なるべく食べないようにしてたし…」
服を脱いで体重計に乗る。ぎしっ、と一瞬だけ鳴いた後、しばらくするとピピピッと電子音が鳴った。
お腹を凹ませて下を覗くも虎丸の視界に正確な数字は映らす、デジタルが三桁あることだけは揺るがなかった。
「…ひゃくじゅう、ごきろ…」
体重計から降りてしゃがみこみ、表示された数字を目視しながら、虎丸は反芻した。
しばらくぼーっとした後、当たり障りのない続きを日記に書き足し、『予想』の文字を『現在』に書き換え、虎丸はベッドに横たわった。
536 :
一年日記:2009/05/27(水) 08:49:34 ID:goT2ZVUK
1月も半ば、週末が明けたら学校が始まる。そんな中、二人は虎丸の部屋で話し込んでいた。
二週目までがっつりとした冬休み。それは年末に少し抑え込んだ虎丸の食欲が小さなリバウンドを起こすには十分すぎる期間だった。
少し不安になった虎丸が休みに入る前のワイシャツに袖を通していると、二の腕がぴちっときつい感触に包まれた。
しかしそれ以上に全面はぱつぱつに張りつめていて、なんとかボタンを閉めても、横に引っ張られて筋が出来ていた。
「…新しいの買うか…」
「おいーっす。デブトラいるっ?」
「えあっ」
突然部屋に入ってきた桜良に驚いて、思わず姿勢を正して、胸を張る。
その瞬間に、ギリギリまで引っ張られていたボタンが2、3、はじけ飛んだ。開いた大きな隙間から、ずりゅっとお腹が溢れ出た。
「ーーーーっ」
「うおおおおおおっ」
真っ赤になって前を隠す虎丸に対して、桜良は興奮の雄叫びをあげていた。
「手、どけっ、写メっ」
「こ、こんなん撮るなっつのっ」
「にしし、長い冬休みがキいたな」
「わ、笑うなよっ」
二人はベッドに腰かけ、桜良は虎丸の腹肉を大きくつまんで揺らした。
「こりゃ、ちょっと見ない間に…」
「…言うなよ…」
しゅん、と肩を落としてため息をもらす。そのがっくりとした肩を、桜良がぽんっと叩いた。
「トラっ」
「ん?」
虎丸が振り向くと、迫ってくる桜良の体とぶつかり、お互いのお腹がぼよんっと弾んだ拍子に桜良が後ろに倒れた。
「さ、サク?」
「うへ、いきなりちゅーしようと思ったのに、デブちゅーになっちった」
そういいながらお腹を掴んで揺らす桜良に、虎丸はぐっと近寄る。そのまま、鼻先にちゅっと唇をつけた。
「…目閉じて、外すなよ。」
「今はこれが、せーいっぱい」
そのまま二人はにやけながら、ぎゅっと抱きしめあった。
温かい言葉、ありがとうございます…!ホント嬉しいです…!
ですが、他に投稿したい方とかいらしたらつっかえてしまうので、ほどほどにしておきますね。
応援本当に感謝です。ちょっと勢いで挿絵とか描いてみました。
http://image13.bannch.com/bs/M302b/bbs/286019/img/0135280542.jpg >>527 なるべく単調にならないように注意してますが、描写が僕のツボ中心になってたら申し訳ないです。
>>528 シチュありがとうございます。現実的だったのでそれとなく取り入れさせていただきました。
>>529 読まれてたw反動オチでしたが、正月太りは実行予定でした。
>>530 割と書きたい欲はあるので、なるべくネタ織り込めるようにしたいのですが…
前回一日に一回更新で長くなってしまったので、対策に複数回更新にしたはずが余計に…トホホです。
>>531 一本じっくり書き終わってから投稿し始めるのが、一番の正解だったりして…w
>>532 僕も生々しい太り方が萌えるタイプなので、SF要素ない世界観で書く場合は普通の太り方で書いてます。(戦士と盗賊〜も普通に太らせましたが)
ボタン飛ばしキター!!!
キスより先にお腹がぶつかるとか可愛すぐる
トラのお腹が……!
乳首透けてるのも萌えポインツですなww
マジGJです
多少なら気にせず書いちゃっていいと俺は思うんだ
でも次の人の事考えるその優しさが好k(ry
SSお疲れさまでした!
最後の最後まで楽しんで読めました!
トラかわいいですね…
俺にもそんな人いればなぁ…
書きたい事を絵でも表現出来るっていいなぁ…書き手さん漫画とかは描かないのかなww
>>539 一年日記だし、夏までは続くんじゃね?
まぁでも、確かにトラからキスって大進歩で一区切りっぽく見えるよな…w
SS乙!
職人の好きな勢いで書いていいと思うよ
他の投下を考えるやさしさは素敵だが、スレ自体も賑やかになるし
題名入れるようにしてもらえばソートできるから読みにくさとかは無問題
しかし絵もできるのか、下はスパッツかなにかかな
もっちり下半身も好みだぜー
続きがあったら嬉しいですね〜
しかしそこは職人さんの書くペースに任せて、余裕があったら書いてもらえるだけでも嬉しいですねw
個人としてはサクの絵も見てみたいですねw
>>537 SS乙!
年始からはイベントいっぱいだからwktkするぜ
書き終えたほうが良く仕上がるのはわかってるんだけど
いい区切りまで書くと書き込みしたくなっちゃうんだよな・・・よくわかるわぁ
544 :
一年日記:2009/05/28(木) 03:00:12 ID:3xkRweC7
「バレンタインってさー」
「チョコ、以外がいい。」
ぴたっ、と桜良の足が止まった。そにれ気付いた虎丸も足を止め、振り返る。
「おおお…トラが、まさかきっぱり言い返すなんて…!」
そう言いながら駆け寄ると、桜良は腕を伸ばして虎丸の頭を撫でた。
「こ、こういうの話すたびに、いちいち顔赤くしてらんないし」
「いや、真っ赤だけどな。でもさ、チョコ以外なのか?」
「サクには、チョコあげるさ。」
首を傾げる桜良の頭を撫でると、そのまま頬を軽くつまんだ。
「サクがもっと太りますようにって、俺手作りの呪いチョコ」
「言ったなこのデブっ」
むすっとお互いが見合ったあと、二人は小さく噴出して笑った。
「つか、チョコダメなのか。どうしよ、さっき買っちったんだけどなぁ。」
サクが自分の買い物袋に手を入れると、両手に余る大きめの箱が出てきた。
形から察するに、色々な種類の入ったアソートタイプのチョコだろう。
「あ、ごめん。お金払うよ。」
「いや、大丈夫。これは俺の今日のおやつになるのだ。」
「先生と?」
「あー。親父、最近太ったとかそろそろヤバいかとか、うるさいんだよなぁ。自己管理ぐらいしてほしいよなぁ。」
「サクが言える事じゃないな。」
「俺は親父のダイエットに協力してるのっ。親父が食えない分を、俺が処分してやってるんだって。」
「その割には見た目そんなに変わってないよなぁ」
「中身ぎっしりで、体重はやばやばだぜ?」
その言葉とは裏腹に、桜良は自慢げにお腹をさすった。
「知ってる。抱き心地最高だもんな。」
「いやいや、虎丸さんには敵いませんなぁ」
「な、なんだとっ」
笑いながら逃げる桜良を、買い物袋と重い体をゆっさゆっさ揺らしながら、虎丸が追いかけた。
少し追いかけたところで息切れしている桜良に追いつく。虎丸は汗を流し、ゆらりと薄い湯気がたちのぼっていた。
545 :
一年日記:2009/05/28(木) 03:00:52 ID:3xkRweC7
「お願いします。先生。」
「うむ、まっかせなさーい。」
台所で、大きなシルエットがちょこん、と頭を下げている。
きゅっと締めた大きなエプロンには、突き出た胸と大きなお腹がくっきり浮き出ていた。
「清潔感的には、その髭も気になるところねぇ」
「チョコ作るのには影響しないだろ…」
「まぁね。それより、作るのって桜良くんの分よね?」
ほんのり顔を赤らめながら、気合の入った表情で虎丸は頷いた。
「…分量普通よ?足りるの?これ」
「…最近基本デブ基準でごめん、母さん…」
虎丸が申し訳なさそうにそう言うと、母は苦笑しながら虎丸のお腹に拳を当てた。
「気にしないの。あんた達が幸せならあたしは文句ないし、なにより人を見掛けで判断しちゃって、悪い事したわね」
愛は量より質よ!でも時には量よ!そう雄叫びをあげながら、母はガッツポーズを繰り出した。
「結局両方じゃないか…でもまぁ、今回は質で、お願いします。」
「はーい。ところで、桜良くんは作る感じなの?一緒に買い物行ったんでしょ?」
「買っちゃってたみたいだけど、チョコ以外がいいって頼んだ。」
「我侭息子ねぇ」
「桜良の用意してくる量じゃ、俺鼻血出ちゃうよ」
「軟弱者ねぇ」
「…いいから、作ろうよ。」
話している間に進む時計の針に、虎丸はそわそわしていた。
あまりこういう面で器用でない自分が、母のようにてきぱきと展開出来ずに時間がかかるであろうことも察していた。
もちろん、母もそれをわかったうえで、今現在からかっているのだが。
「仕方が無い、息子の恋の為だ。一肌脱ぐわよー…。」
ぎらぎらと輝いた母の瞳を見ると、師事する人を間違えたかと、虎丸は少し後悔していた。
546 :
一年日記:2009/05/28(木) 03:02:10 ID:3xkRweC7
2月14日、バレンタイン。も、終わる夜遅く。
虎丸と桜良はいつも通り、虎丸の部屋で話し込んでいた。
「とらぁ。とらぁ〜〜〜。」
虎丸に甘えて擦り付く桜良は、いつもに増して上機嫌だった。
「超超超ンまかった。超〜〜〜〜ンまかったっ。」
「そんなに喜んでもらえると、俺も嬉しい」
虎丸が用意した小粒のトリュフは、正直そこまで凝ったようなものでもなかった。
母の気合が入りすぎたせいで、虎丸の技術では真似のしようがなかったのだ。
少しずつ難易度を下げて出来たトリュフだが、それでも非常に丁寧に、可愛くラッピングまでして、それは用意されていた。
いつもがっつく桜良が、一粒一粒味わいながらおいしそうに食べてくれる姿を、虎丸も始終笑顔で桜良を眺めていた。
「ちょっと、料理の快感に目覚めそう」
「お、そんなことしたら、とうとう俺がトラよりデブっちゃうな」
「じゃあ、よしとく。」
あはっ、と笑い声が重なる。虎丸の視線はそのまま自分の左手首に落とされた。
「でも、これだと悪いよ…嬉しいけど、高そう。」
落ち着いた銀のベルトの腕時計が、部屋の明りをちらちらと反射した。
「服じゃ、俺たちすぐサイズ合わなくなっちゃうしな。」
そういいながら、ついさっき破れた自分の着ているシャツの継ぎ目を指して桜良が笑った。
「1サイズ下の服着て破くの、やめなよ?」
「いいじゃん、もう着れなくなるし。また太っちまったぜ、っていう戒めごっこ」
「反省の色無し。」
ぴっちりとしたシャツは内側からみっちりと肉が詰まっているのがわかり、それが故意のものだというのも、頷けた。
「とーらっ」
会話の切れ目に、突然桜良が虎丸に向き合い、不意を狙って唇を重ねた。と、そのまま二人の口がもごつく。
「んむはっ…あー…」
紅潮した顔に開いたままの口、そのまま、虎丸は崩れ落ち、どすんっと大きな音が響いた。
「どうしたのっ!?」
直後、がらっと襖が開いて、母が状況の心配をした。
「あ、いや、大丈夫。だと思う。べろちゅーしたらオチちった。」
「…K.O.決め技、チョコレートキス。」
「うおおおっ!ていうかおばさん、来るのすんげー早かったね。」
…熱いバレンタインは、いつの間にか終わった。虎丸の中では。
これももう少しいじりたかったんですが、いざ書いてみると一回で終わらなさそうだったので、ざっくりとしめちゃいました。バレンタイン。
色々とありがとうございます。ちょっとお言葉に甘えまして、もうしばしのお付き合いをお願いします。
>>538 デブちゅー萌えです。あのお腹どうしの弾み方とか反則的だと思います。
>>539 区切り方が紛らわしくて申し訳ないです…もうちょっとだけ続きます。
>>540 実はちょっと描きたい…と…思ってたり無理かと思ってたり…<漫画
ひとまずこれが完結してから考えます^^;
>>541 ありがとうございます、ソートってそう使うんですね…!
一応下は学ランのズボンのつもりでした。表面こすれ過ぎてトゥルットゥルな感じ。
>>542 今度描けそうな時に描いてみます…!実はサクは(個人的には)みっちり筋肉デブ志向なので、描くとしたら画力的に裸にしなきゃならない気が…
>>543 早速バレンタイン消化です。あと何があったかな…イベント…
ss乙!
料理で桜良喜ばせることよりも自分が太ってる方を大事にするとは……
部屋着代用のスパッツに見えたぜ。前面がこすれてるとか何にこすってるんだwww
絵は二人並べて対比で描けば差がわかりやすいかも?
イベントというと過ぎたかもだけどコタツとか餅とか?
バレタインデー後だとやはりお返しのホワイトデーになるのかな?
乙
遂にディープキスにまで発展したかw
ガチホの体型の変化も気になるところだぜ
トラ邸に集まって食事とか、食い物の差し入れとかの描写が以前あったが、やっぱそれらの影響なのかも……?w
気付くとトラの母さんにときめいてる自分がいた
キャラが皆魅力的すぎる…
>>548 イベントなら、ホワイトデーよりも、お彼岸がいいな。
神社が重要なポイントになっているあたり、
昭和の香りが強く感じられるし。
ぼた餅の大食い大会に、トラが出場とかいくね?
優勝の商品がペア温泉宿泊で、
サクに「一緒に行きたいから、必ず優勝してくれ」と、
強く望まれるとか。
>>547 関西寄りなら節分の恵方巻きとかどうよ
本場は結構でかいらしいし
553 :
一年日記:2009/05/28(木) 17:50:18 ID:qu+KNTCn
−−−−−
3月23日
絶体絶命のピンチだ。
今まではどうにかこうにかなっていたけど、これはピンチだ。
今までも、当たり前のようにしていたけれど…そもそもそれもおかしな話だったわけで…
今思い返せば、あの時やあの時、なんであんなに無駄に食べたりしたんだろう…
振り返っても仕方ない、なってしまったものはしょうがない…
春休みの間に、どうにかしないと、どうにもならない。
助けて、サク…って、それが一番望み薄い。逆効果な気もする。
まさかこんなに早く、この日が来るなんて…
桜良
52kg→110kg
虎丸
68kg→131kg
−−−−−
「…俺のばか…」
日記を閉じ、ペンを置く。
そのまま勢いをつけて立ち上がると、視線はベッドの上に流れた。
そこには、ウエスト部分の大きな制服のズボンが広げられていた。
よくよく注意してみると、ウエストホックが伸びきって飛び出しているのがわかった。
じっ…とホックを見つめたあと、机の上に開いたままのケータイの画面を見て、虎丸はため息をついた。
『もうデブトラは俺を超えますた>< 痩せるか、自分で更にデカいのを用意しなさいw』
メール画面の上部、送り主は勝帆先生…と表示されていた。
「つまり俺、あの写真のすっごいデブより、デブってわけだ…あはは…」
力なく笑うと、お腹の中に反響した声がぷるぷるとその外身を揺らした気がした。
いつからか太る事に抵抗が無かったとはいえ、あまりにだらだらとしすぎた自分と、大きく育った体に、虎丸は少し反省を覚えた。
「とりあえず…サクに相談しておこう。多分向こうも、似たような感じだろうし…」
少ない電話帳の中、サクの電話番号までたどり着くと、通話キーを押す手を少し躊躇った。
554 :
一年日記:2009/05/28(木) 17:52:08 ID:qu+KNTCn
「あー。だよなぁ。俺も今トラが持ってるので、最後って言われてた。」
毎度追い付くように虎丸のお下がりを穿いている桜良も、同じように打ち止めを宣告されていた。
むしろ桜良にしてみれば、最後の一着は虎丸のお腹の圧力に耐え切れず、既に壊れてしまっているのだ。
「ど、どうする?サク」
「へ?どうもこうも、買うけど」
さらっと答えを出す桜良に、虎丸は言葉が詰まった。
「…そっか、そりゃそうだ。」
「だろ?でも難しいよなぁ」
「あぁ、うん、あるかなぁ、サイズ。」
「いや、そりゃもう特注だろ。ここまで来たら。」
「…うん。じゃ、何が?」
「あとどんぐらい太るんだろうな、俺達。一つ上のサイズぐらいじゃ、またすぐきつきつだぜ。」
想像したくない結果を嫌でも想像すると、虎丸は納得の意をこめたため息をもらした。
「…正直、既に去年の倍ぐらい体重あるんだけど…」
「俺なんか完璧倍以上だって。あははっ。」
自分の体の半分は、紛れもなく脂肪…ちょこちょこと動き回っている桜良に比べて、比較的インドアな自覚があった虎丸は、そう考えると余計に落ち込むしかなかった。
「油と水分と不純物…俺、ドレッシングじゃん。」
状況をわかってかわからずか笑いこける桜良に、虎丸が自虐的な冗談をこぼす。
「おっ。じゃ、俺、トラからそのドレッシング絞り出してやろうかな。」
「へ?なに、どうやって?」
「まずトラのおっぱいに埋まってる乳首を吸い出してだな…」
「せ、セクハラ反対っ」
「今顔、真っ赤だぞ。」
電話口の向こうから見透かされたのが余計に恥ずかしく、虎丸は毛布をかぶった。
「まぁ要するに、どうせぶくぶく太るんだから、おっきいの買おうぜって話だ」
「…ダイエット、とまではいかなくても、そんなに太らないように気をつけよう…」
「じゃあ次は俺からのお下がりだな。」
「桜良の股下じゃあ…なぁ…」
「ですよねー」
電話越しに、乾いた笑い声が響いた。
555 :
一年日記:2009/05/28(木) 17:53:31 ID:qu+KNTCn
「…親が親なら、子も子、か…」
「いや待て。この場合確実に逆だろう。つか、俺そんな太ってねぇ。」
「対比に桜良くん出すんじゃないわよ。」
ごすっ、と勝帆の腹に拳がめり込んだ。以前は腹筋がくっきり出ていた腹部が、確かに今は少しぽてっとしていた。
「母さん、先生と仲良いよね。ホントに。」
「虎丸…お前の純粋な見解はこれを仲良しと呼ぶんだな…」
ぷるぷる震えながら、勝帆は殴られた腹をさすった。
「…俺から見ても、十分仲良く見えるから、俺も純粋なのか…」
「エロガキはお使い済んだらとっと上行ってろっつのっ」
遠巻きで並ぶ虎丸と桜良に、しっしっ、とハンドサインを送ると、二人は紙袋を抱えてそそくさと二階へ上がった。
「まったく…デカいのは体だけにしとけっての。」
「可愛げがあっていいじゃない?うちの子なんか太ってから益々口下手になってるのに。」
「あん?うちのと話す時は全然普通じゃねぇか。」
「そりゃ、デキてるんだし。ねぇ?親が親なら子も」
「その話は止めとけ…」
「あら。ふふふ、今はどっちなの?」
「…少なくとも、ガキ、いるだろ。」
「はいはい。ごめん、ちょっとつっつきすぎたわね。」
そう言うと、勝帆は目を閉じ、「んっ」と頭を突き出した。
「…桜良くんが見たら、発狂して面白がるわよ。」
そう言いながら母は、目の前にある頭をぽん、と撫でた。
「聞いたわよー。学校では人気あるんだってね。」
「…お?俺か?そりゃあな。常に人気絶頂だろうよ。」
ふふん、と自慢げに胸を張る勝帆にちらっと視線を送ると、母は話を続けた。
「『先生最近むっちりしててすっげーエロい』って言われてるんだってね。あんた、生徒に手出しちゃダメよ?淫行よ。」
少しの間を置いて、勝帆がぽつりと言い返す。
「子が子なのに、親は親じゃねぇ…」
「悔しかったら、新学期始まるまでに痩せればいいじゃない。」
そう言いながら、テーブルにはよく冷えた信玄餅が置かれた。
556 :
一年日記:2009/05/28(木) 18:04:43 ID:qu+KNTCn
ちょっとサイズのやりとりマンネリかもしれないです…すみません。今回は、親同士の前座みたいなもんなんで…
あとちょっと、月末なんで更新ペース少し間が空くかもです。一日一回いけるかな、ぐらいになるかと…
描けそうな時にサクとトラ一緒に描きますね。最初との対比を2セットでいいんでしょうかね。
>>548 この場合は、お互い冗談のやり取りってわかってる感じの会話だと思います。最近書いてるんじゃなくて、この子らに僕が引っ張られてる気が…
内側から圧迫されたまんま、ベッドに寝転がってたら、擦れるじゃないですか…!決してやましいことじゃ…!w
>>549 実は初ちゅーです。飛ばした時間背景中にもちゅーしてないですこいつら。
勝帆はただ単に、桜良につられて…って感じだと思いますw
>>550 わーーーーー!ありがとうございます!お母さん褒められると思ってなかったので嬉しいです!
ちょっとゲイ向け(住人への偏見ですみません…)に、砕けた感じのアグレッシブな母さんに仕上げてみました。
>>551 あー、残念ながら、夏に入るとこのお話はゴールになります。後日談とかでちょこちょこいじるかもしれませんが。
でも多分、トラなら愛で勝つる。
>>552 恵方巻なんか食わせたら桜良がエロスイッチ入りますよ。←おいおい
SS乙です!
トラの体重増加すごいですね!
自分もそれぐらいのペースて肥えたいです!!
絵が楽しみです無理せずゆっくり自分のペースで素晴らしい作品期待します(^-^)
乙
気が早いかもだけど、時間が進むに連れて薄着の季節へまっしぐらですな
一年経った頃に昨年の甚平を無理矢理着せたりとか、勝手にwktkしてしまった
先生もカーチャンの拳が埋まる程太っちゃえば良いよww
忙しそうだけどあんまり無理し過ぎないようにね!
乙ー
2人とも3桁越えても順調とかなんとも甘味甘味。父の体重も気になってくるところ
3人ともピッグサイズじゃ詰まったりと屋内の移動もままならなさそうだぜ
エロ先生とか……手を出せないことをいいことにセクハラされまくりだww
夏入り口で終わりかー。汗だらだらながしてフゥフゥいってる姿とか水着姿とか見れないのは残念無念
職人熟成本人納得のできを! 興奮に任せて無理しすぎなようにね!
560 :
一年日記:2009/05/29(金) 03:28:49 ID:teji2Zhb
「なんだよ、みんな同じクラスかよ」
「トンちゃーん、春休みの間に太ってないだろーなー」
「いや、トンちゃんならきっとやってくれる。俺は信じてる。」
「だからトラは俺のっ」
「お、俺は、サクのっ」
「「「トンちゃんが強くなってる…!」」」
教室の隅、いやらしく蠢く指先、いつものくだらない男子の会話。
二年生になったからとて何かが特別にかわることは無く、仲のいいグループもそのまま持ち上がりだった。
「なぁなぁ桜良、ぶっちゃけて聞くけど」
この時点で、虎丸は何かいやな予感がしていた。
「トンちゃん、何カップ?」
「何カップとかわか…そうだ、トラ、今どんなんか見てもいい?」
「えっ、なっ」
当然のように会話を止めに入るかと思っていた桜良の目つきが、飢えた男子に混ざって光っていた。
その気迫に虎丸がたじろいでいると、桜良は手早く学ランのボタンを開けてワイシャツ姿を晒した。
緊張か自重のせいからか、うっすら汗ばんで張り付いたワイシャツにぷっくりと膨らんだ乳輪が透けて見えた。
その下地になっている胸元の肉はわき腹からつながっていて、何カップ、と敬称するのは難しい状態だった。
「え、ちょ、ああああああああっ!!」
そこまでしておきながら、桜良は慌てて学ランのボタンを閉め直した。
「え…エロ過ぎる…」
そういいながら、桜良は腰を引いた。お腹の下…恐らく股間なのであろう、そこを手でさすりながら。
周囲の男子は半分笑いながら、もう半分は生唾を飲み下し、その場を見ていた。
「な、なぁ、トンちゃんってデブが好きなの?俺、頑張っちゃおうかなー」
「お前、部活辞めて太っただけじゃん」
「この間は先生エロいって散々言ってなかったか?」
「だーーーっ、トラはっ、俺のっ!!!」
ドンッ!
虎丸が机を叩いたその音に、一同は振り返り、沈黙を纏った。
「…また、明日な。」
そう言ってカバンを持ち、虎丸はさっと席を立った。
あっけにとられた桜良が虎丸の後を追えたのは、もう姿が見えなくなってからだった。
561 :
一年日記:2009/05/29(金) 03:29:39 ID:teji2Zhb
「泣いてない。」
「ホントに、ごめんって」
「そんなに、気にしてない。」
「トラぁ…」
追いかけても見付からない姿、かけても繋がらない電話、ほかにどうする事もできず、桜良は虎丸の家に押しかけていた。
部屋の前に座り込み、襖越しに聞こえる震えた虎丸の声に、桜良は心底反省した。
「ホントに俺、なんていうか無神経で、その…」
「…俺はサク、好きだ。」
「トラ…」
「…でも、サクはもしかしたら、違うのかも…って」
「そんなわけない、トラ大好きにきまってんじゃん!」
「…サク、大好きだよ。けどあーいうのは…嫌、だ…」
「トラぁ…俺、謝るから…」
それこそ泣きそうな声で襖に手をかけようとしたところで、桜良は階段の下で手招きする人影に気付いた。
「…俺、頭冷やしてくる…ごめんな、トラ…」
と…っ、と…っ、と重い足取りで階段を降りる音が、襖越しに部屋の中に聞こえてくる。
その音を聞いてしばらくすると、虎丸はぐずっと鼻をすすりながら、顔を上げた。
「サクが、俺のこと嫌うわけ、ないじゃん…」
ぼーっとしたまま、何気なく手元にあったケータイの電源を入れる。直後、受信待ちだったメールが来て、短い着信音が鳴り響く。
「『今日のリクエストは?』か…」
母からのメールを見ていると、すぐにもう一通のメールを受信する。
「…『今日は桜良くん来るの?』って、なんて、間の悪いメール…」
ため息につられて俯くと、視界には脚を開いた体育座りで強調された自分の胸と、前にせり出したお腹が映る。それ以外の景色は、狭かった。
「サクが居なきゃ、俺なんかただのだらしないデブなのにな…ははっ」
誰に愚痴るでもなくそう言葉を漏らすと、自分の柔らかい体に手を伸ばし、上から下へと揉みしだいた。
「サク…サクぅ…」
ぴしゃっ、と肌に落ちる涙を誤魔化す様に、虎丸は手を動かし続けた。
562 :
一年日記:2009/05/29(金) 03:30:32 ID:teji2Zhb
さーっ…、降り出した雨が、沈黙を浚って、静寂を塗り替える。
普段からは考え付かないような桜良の表情に、母は困惑していた。
「大丈夫、あの子は桜良くん、大好きだもの。」
特に言葉を選ぶわけでもなく、そう投げかける。それが桜良の耳に届くのは、少しの間が必要だった・
「…俺、あーいうこと、当たり前みたいに冗談で済まそうとしてたから…」
「怒ってた?」
「トラが机叩いたりするの、初めて見た」
「今も怒ってる?」
「気にしてないって、トラは言ってた。けど、気にしてないわけ、ない…」
話の最中に冷めてしまった紅茶を注ぎなおし、母は桜良の隣に腰掛けた。
「あの子、不器用だからね。機嫌悪くなったりしないから、直し方わからないのよ。」
紅茶に注いだミルクの渦を見つめながら、桜良は虎丸が怒ったのを見た事がないのを、改めて思い返した。
「変に意地張っちゃってるのね。大丈夫、桜良くんの事、もう怒ってないわよ。」
「でも、俺なんて謝ったらいいのか、ていうか顔見たら泣きそうで…」
「泣いてもいいのよ。ただね、あの子今甘えたい気分だろうから、それだけ受け入れてあげればいいの。」
「んん…そういうもん、なの?」
「あたしの子だもん。」
にこっ、と気持ちよく笑う顔に、つられて桜良も笑顔になる。
「ありがとう、おかあさん」
目の前の紅茶に口をつけ、「あちっ」と一言喚き声をあげると、そこにはいつもの明るい桜良がいた。
ガッツポーズを示し合わせ、桜良は二階へと向かった。どすどすっ、という重たい音が階段から居間に届いた。
「あんなおっきな子、二人も面倒見切れないわよ」
ふふふっ、と笑みをこぼすと、母はエプロンを付けて台所へ向かった。
563 :
一年日記:2009/05/29(金) 03:44:12 ID:teji2Zhb
緊張で高鳴る胸を撫で下ろし、桜良は襖に手をかけた。
「トラ、ホントに悪かった。その…か、勝手だけど、顔見て謝りたいから、ここ、開けるな…」
出る言葉も詰まってしまいそうな自分の声の小ささに焦り、勢いのままに桜良は襖を開いた。
泣き顔、つんとした顔、怒り顔、全くの無表情。桜良が想像した虎丸のどれとも違ったものがそこにあり、思わずその場に固まった。
「え…と、トラっ?」
「…い、いい。怒ってないし、ていうか、そこ、閉めて…は、入っていいから。」
「え、あ、お、おうっ」
突然半裸で火照った姿の…ありのままに言えば、勃起している虎丸を見て、桜良は混乱した。
「…な、なんか逆にごめん、俺、こんなで…」
全力でないのか、座っているせいで乗っかっている腹肉のせいで埋まっているのか、小さく立ち上がったそれはぴくぴくっと震えている。
564 :
一年日記:2009/05/29(金) 03:45:01 ID:teji2Zhb
「さ、サクの事考えてたら、なんか止まんなくて…最近太ってからうまく出来なくて、抜いてなかったし…」
「トラ…えと…、ご、ごめん、けど…」
うれしいような恥ずかしいような気持ちの中で、桜良は虎丸の肩に手を置き、言葉を振り絞った。
「ご…ごめんな、あんなこと、もう絶対しないからっ。だからその、今…っ」
そこまで言葉を出すと、二人は同時に顔が真っ赤になった。
「い…いい、けど、うん、でも無理だってっ」
あたふたする虎丸を横目に、桜良は手早く服脱ぎすてた。
「…お、お腹が邪魔で、挿れらんないって…これじゃあ…っ」
ぱっと股間を隠す虎丸に、桜良がきょとんとした顔で見返した。
「何言ってんだ。挿れんの、俺だぞ。」
どーんと胸をはり、突き出した桜良の股間もぎんぎんに反り返っていた。見事に反り返って、根元に加えて先端も腹肉にめり込んでいる。
「…これじゃ、そういうのは無理だなぁ。」
「なにおうっ」
くすっ、と笑う虎丸を、桜良が押し倒す。ぎゅっと抱き合った瞬間に、虎丸がびくっと震えて、息を止めた。
桜良がちょっかいを出そうと股間に手を伸ばすと、ぬるりとした感触と共に、指先で糸をひくのがわかった。
「…え、溜まり過ぎ?…早漏?」
「す、素肌…気持ちよすぎて、…あと、乳首こすらないで…」
いつもより更に赤い顔を隠すために、虎丸は桜良の胸元に顔を埋めた。
こんなやり取りをお互いに、気付けば結構な時間が経ち、落ち着いて顔を見合わせる頃には、恥ずかしさで目を合わせられなかった。
どちらともなく空腹を訴え一階に下りると、普段よりも早い時間にお風呂の準備がしてあったのが、より一層恥ずかしい思い出になった。
乙
つつつ遂にセクースやっちゃったw
てゆーかカーチャン準備良過ぎwwwwww
毎度レスありがとうございます。なんだかんだで書きたいのが浮かぶと書きにきてしまう自分のダメさ…
普段ちょっと肉欲に走りすぎていたので、たまには純粋に恋愛部分描写しようとしたら、見事にフェチ全開で終わりましたとさ。
おかんを格好良くしたがる手癖をどうにかしないと…
ていうか初めて連投禁止くらいました…wこの米レスが書きこめなかっただけですがw
>>557 実は身長差的に肉密度がすごいのは桜良だったりします。
>>558 体重倍の現在の体型だと、十中八九去年の服は片足突っ込んだ時点でアウトですよね。
先生はほどほどデブ要員の予定なので、今のところはちょっとわかんないですねw
>>559 えええ…三人共ドデブとか太る度に生徒人気が増える先生(ついでに犯される)とか物凄く萌えるんですが…うっ
>>565 おかんの空気読レベルは相当のものなんです。驚異とも言える。
SS乙です!!
読むこちらからみれば次の展開が気になるので早く読めるのはかなり嬉しいですねw
568 :
れ:2009/05/29(金) 20:13:33 ID:+2kCm7g0
どうもお久しぶりです。
れです。
レポートに追われ暫く見なかった間にさらに素敵なSSが!
トラ可愛いです!
でも実は勝帆パパが太っていくのがかなり楽しみだったりw
一応魔王の花嫁の続き(?)が出来たのですが、流れをブッタギって投下してもよいものか…
もしおkだったら深夜にでも持ってきます。
そして
>>566様、無理しすぎない程度に頑張ってください!
これからも素敵なSS楽しみにしています
どうもー。日記の中の人です。
今日はちょっと、長文は書けそうにないので、れ。氏のターンでお願いしますw楽しみにしてます!
一瞬の不快な浮遊感の後、俺の視界に入ってきたのは暖かな日差しに照らされた美しい花々がさく庭園のある豪奢な造りの巨大な屋敷だった。
先程まで居た如何にも魔王が居ますと言わんばかりのおどろおどろしい城とは正反対のきらびやかで豪奢ながらも統制された美しさを見せる屋敷の様子に俺は馬鹿みたいにポカンと口を開けたまま固まってしまった。
「ん?どうしたんだねシセル君。そんな間抜け面で固まっちゃってw」
「ま、間抜けとか言うな!あっ…いや。俺が想像してたのと全然違うから…」
「あぁ…」
相手の言葉に憤慨しながらも素直な感想を言うと、バアルは周りを見回したあとふわりと笑みを浮かべ再び俺に視線をおとした。
「魔族とて美しいものは美しいと感じるのだよ。シセル君」
そう呟けば、バアルはゆっくりと屋敷へと歩を進めた。
俺にはその言葉の真意が良くわからなくて首を傾げたが、相手に身を任せたまま屋敷へと向かった。
「お帰りなさいませ。旦那様」
扉を開き中に入った瞬間、ヴヴヴッという耳障りな音と共に聞こえてきた声に俺は思わずビクリと身体を震わせた。
声が聞こえてきた方を見れば其処には燕尾服を着込んだ蝿の頭をした男が恭しく頭を下げていた。
よくみれば背中からは透明な虫の羽が生えている。
先程の耳障りな音は此れが原因らしい。
「あぁ。ただいま。フリィ」
「お疲れでしょう。お食事と湯浴み、どちらを先に…おや?そちらの方は?」
顔をあげれば、俺の存在に気づいたらしいフリィと呼ばれた蝿男は不思議そうにその複眼を煌めかせながらバアルに問いかけた。
「あぁ…やっと手に入れた私の花嫁だ」
「ああ。その方が例の…ですか」
バアルの言葉に納得した様子の蝿男は明かりを反射してキラキラと光る複眼で俺を見つめた。
その視線に何故か俺は何故か羞恥を感じ頬を赤く染めると視線を床に落とした。
「まぁ、そう言うことだから、湯浴みしてる間に例の用意をしておいてくれないか」
「はっ。例のモノで御座いますね。かしこまりました。浴室は用意が整っております。
お召し物は後でお持ちしておきますので、ごゆっくりと…」
フリィはそう言うと一礼した後、意味深に俺に視線を寄越し、屋敷の奥へと下がっていった。
それを見届けたバアルは俺を抱え直すと再びゆっくりと歩き出した。
「さて、汚れているだろうから、綺麗にしないとね」
そういいながら長い廊下に並んだ扉のひとつを開き中に入った。
どうやら脱衣場になっているそこに入ればバアルは割れ物を扱うかのようにそっと俺を床に下ろした。
「あ、ありが…と」
バアルのあまりにも優しい仕草に、俺は戸惑いを覚えながらも素直に礼を言った。
「なぁに。君は大切な花嫁だからね。乱暴に扱うわけないだろう?」
「そ…うだな…」
だが、そのあとのバアルの言葉は、自分が庇護される立場になったことを俺に認識させるには十分で、男である自分のプライドが崩される気がした。
上機嫌なバアルとは反対に、自分の立場を再認識した俺の気分は滅入るばかりだった。
「どうしたね?シセル君。服を脱がねば風呂に入れないよ?」
そんな俺を尻目にバアルは身に付けていたものを脱いでいっていた。
バアルの言葉に慌てて服を脱ぐが、相手の裸体を見た瞬間、下着にかけていた手が止まってしまった。
(で、でか…!)
着痩せするタイプなのか、服を脱いだ相手の身体は最初のヒョロリとした印象とは程遠く、意外とガッシリしていた。
しかし、何より俺を驚かせたのはその下半身、堂々と晒された彼の男性器だった。
流石は魔王と言うべきか、デカイ、としか言いようがないソレに思わず俺は赤面した。
勃起したら…と想像すると恐ろしい。
俺の性器も、決して小さいわけではなく、むしろ平均より少し大きいぐらいなのだが、馬並みとも言えるその立派な性器を前にして自身の性器を晒すのを躊躇ってしまう。
「ん?どうしたんだねシセル君。あ、何なら私が脱がs…「じっ、自分でする!」
「ちぇっ。ざーんねん」
躊躇っている俺の様子を見て、手をワキワキと蠢かせながら距離を詰めてくる相手の様子に、慌てて下着を脱いでしまう。
と言うか何が残念なんだ!?
そして唇を尖らせるな!
折角の美形なのに台無しじゃないか。というか変態なのか?お前は変態さんなのか?!
頭の中で散々色んな思考がグルグルと回るが、相手の舐めるような視線に気付き、両手で股間を隠すと恥ずかしさに縮こまった。
「ん〜やっぱり細すぎだなぁ…。あ、シセル君。手、離して」
無遠慮な相手の視線に耐えがたい羞恥を感じたが、言われるまま手を離し、相手に裸体を晒した。
「可愛い性器だねぇ。色も薄くて童貞丸出しって感じww形も綺麗だし…陰毛も薄いんだねぇ。」
マジマジと見ながらコメントされると羞恥と屈辱に頬が熱くなり、瞳に涙が滲んでくる。
反論してやりたいが、相手に主導権があるためそれもままならない。
「ま、取り敢えず身体洗おっか」
「ほわぁっ?!」
再び抱き上げられた俺はそのまま風呂場に連れ込まれた。
その後何をされたかは…思い出したくもない。
待 っ て ま し た
レポート乙!
てなわけで支援
風呂から出るとやけにゆったりとした服を着せされ、再び抱き上げられた。
毎度抱き上げられるのは屈辱だったが、精神的にも肉体的にも疲れきっていたので甘えることにした。
脱衣場の扉を開くと、其処は先程の廊下ではなく、だだっ広い部屋だった。どうやら客間のようだ。
ここの扉はどこ●もドアか?
「ああ、旦那様。お疲れ様で御座います」
部屋に入るとフリィが此方に気付きまた恭しく頭を下げた。
「あぁ。準備はどうだい?」
「はっ。こちらに」
バアルは俺をゆっくりと部屋の中央に置かれた椅子に座らせると、フリィに向かって問いかけた。すると、フリィは跪き何かをバアルに差し出した。
あれは…首輪?
「流石はアスモデウス。いい仕事だねぇ…」
「色情に関してはアスモデウス様の右に出る方はいらっしゃいませんからねぇ」
何の話をしてるのだろう…?どうでもいいが、やけに腹が空く。
さっきから腹の虫が狂ったように鳴いていて、気持ち悪いぐらい空腹だ。
「シセル…お腹が空いたのかい?」
いつの間にか俺の側に戻ってきていたバアルが、先程受け取っていた首輪を俺につけながら問いかけてくる。
その問い掛けに俺は夢中で頷いた。
「そう。じゃあ、直ぐに食事を用意させよう」
俺がバアルの浮かべた笑みに気づくことはなかった。
「フリィ。料理を此処へ」
「はっ」
バアルの言葉を受け、パチン、とフリィが指を鳴らせばヴヴヴヴと大量の虫の羽音が俺たちが入ってきたのとは別の扉から聞こえてきた。
フリィがその扉を開くと、大量の蝿によって大皿に乗った料理が運ばれてきた。
その香りに、その美味しそうな見た目に俺は涎を垂らしながら魅入っていた。腹の虫がさらに激しくなっている。
「さぁ、シセル。これは全部お前のものだよ。ゆっくり、たぁんとお食べ?」
「全部…いい、のか?」
「あぁ、いいとも。」
バアルの言葉を聞くと、俺は目の前のテーブルに所狭しと置かれていく料理を勢い良く食べ始めた。ナイフやフォークなんてまだるっこしくて使えない。
俺は行儀は悪いが、手掴みで食べた。
(う、うまい…!)
机に置かれた料理は、すべて今まで見たこともないような料理ばかりで、その味に俺は酔いしれていた。
口の中に溢れる肉汁が、引き出された野菜の旨味が、
濃厚ながらもしつこすぎないその味付け、癖になるようなその歯応え、喉越し、
何よりも空腹が満たされる…食欲と言う人間の原始的な欲求が満たされていく快感が
俺の食べる速度をさらに加速させていく…
「はぐっ…ぅ…んぐ、ふぅ…んん…」
「おやおや。そんなに慌てなくても誰も取らないよ?」
バアルは俺の隣に座ると、俺の頭を撫でながら嬉しそうに微笑んだ。
「その調子で私好みに育ちたまえ。我が花嫁よ…」
578 :
れ:2009/05/30(土) 01:25:00 ID:iclzOC3q
と言うわけで日記の方からバトンを受けたので書かせていただきました。れ。です
一先ず今日は此処までです。肥満化導入部までしか書けてなくてすいません…orz
次からはガッツリ肥満描写が始まると思われます!
小説を三人称から一人称に変えた途端かなり書きやすくなってビックリしました。(当社比)この調子で次の続きはもっと早く投下できたらいいな…!(出来たら半月以内に)新しいレポート課題が出ませんように!
相変わらず携帯からの投稿なので改行などが変だったら申し訳ありませんorz
此処からは以前いただいたコメなどの返信です
>>380氏
有り難う御座います!!肥満化方法はオーソドックスに食欲がキーですが、時々お楽しみもありますのでご期待を☆
>>381氏
また、バアル・シセル・ギリオーヌのイメージイラストを描くつもりなので、できたらろだにうpさせていただきます
>>383氏
>>384氏のコメにもありますが、光は有効です。まぁ、一番いいのは色んな属性持った勇者が集まってフルボッコですがww
>>スーツの方
此方こそ御馳走様でした!
とても楽しませていただきました。続き、頑張って書きます!
>>442氏
腕をむにむにすごく萌えます(*´д`*)
時間があればそんなイラストも描いてみたいです!
>>575氏
支援有り難う御座います!
待っていていただいたのに尻切れトンボで申し訳ないです…
次はもっと早くうp出来るよう頑張ります!(`・ω・´)
乙
なすがままのシセルww風呂で一体何があったんだwwwwwww
これから太ってもっと可愛く(?)なるのを期待しつつ今日は眠ろう
いつでも待ってますぜ
お忙しそうだが、無理なさらぬよう……
れ氏乙です!今後の展開に期待せざるをえないww
スレが立った頃からいるんだけど、ここホントにクリエイティブで良スレだと思う。
まとめwikiも立ってるし、書き手さん別の項目とかも立ててもいいかも。日記の人っていくつか書いてるんだよね?コテはないのかな?
来月礼服着る事になったので、去年買って以来一度も着てなかったのを
今日引っ張り出して着てみたら、見事に入らず・・w
ウエスト調整できるやつ買ったにもかかわらず
全く届く気配がなく、太股&ヒップもパッツパツ
しゃがんだらこれ絶対逝くわ・・どうしよう
俺こんなに太ったのか(´・ω・`)
♀スレみたいに雑多な量まで来たら
ss作者別もつくっていいかもね
作者が片手で足りちゃあ見栄えが……
>>582 上着はさほどでもないのに、ズボンはけなくなる事って多いよな
顔とかは昔の写真見たら、太ったことも自覚できるんだが下半身はなかなか自覚しにくいもんな
せいぜいチ○コがちっちゃくなるぐらいしか気付かない
>>582 高い服が入らなくなるのは困るな
今度買う時はさらなる成長を見込んで
二周りほど大きめのを買ったらどうかな?
>>582 萌えたww不謹慎でスマソw
しかし買い替えるとなると痛い出費ですな……
>>586 おお……もふもふしたくなるような良い肉GJ
サク意外と筋肉あるガチムチ系なのね
ちょこちょこ動き回ってるようだが、何かトレーニング的な事やってたりするのかな
話は変わるが、何気なくうpろだを覗いたらアフォなカキコが……
あれは消して大丈夫だ、よな……?
>>582 ビフォーアフターの体重が気になるぜw
>>586 比較絵GJ
もうすこし虎は肉肉してるかと思ったら結構ガチムチなのね
うpろだ管理人なら消していいと思うよ
単なる荒らしだし、できればフィルタで再投稿できないとかあればいいけど
590 :
れ:2009/05/31(日) 00:45:29 ID:W9B4v4f2
どうも。実は魔王の花嫁が処女作(?)ではないれ。です(ヒント前スレ82w)
本日美容院に行ったら思ったより時間がかかって、暇だったのでポチポチ打ってたらある程度キリのいいとこまで打てたので投下致します!
因みにすごく短いですが御容赦を(;´д`)
>>579 応援有り難うございます!頑張ります。
風呂場で何があったか…それはご想像にお任せしますw
何を、とは言いませんが、取り敢えず嫌って言うほど調べたり触られたり弄られたりしたってことでwww
シセルにはバアル好みの可愛い体型になるように頑張っていただきます!
>>581 有り難うございます!
ご期待に添えるような作品が出来るよう、頑張っていきたいと思います。
>>582 それは何とも萌え…いえ、大変ですね。一々買い換えると高くつきますものね…
次は更に余裕があるものを買うのが吉でしょう。
>>日記の方
基本シセルは流されやすいですが、意志は確りしていますので良いツッコミになるかとwww
一年日記のトラも純情でとても可愛いです!
無理なさらず、頑張ってください。期待してます!
>>589 スゴい可愛いです!
書き慣れていないようには見えない…
スウィーツが好きな男子素敵だと思います。ゴチでしたw
それから暫く経って、机の上の大皿料理が粗方俺の胃袋におさめられた後、漸く満足した俺は椅子にもたれ掛かりながらパンパンに張って膨らんだ腹を撫でた。
「一杯食べたねぇ」
とても嬉しそうに笑いながらバアルは俺の頭や腹を撫でる。その掌が何故か無性に気持ち良くて、俺はほぅ、とため息を吐いた。
「そんなお腹じゃあ苦しいだろ?ベッドまで連れていってあげるよ。それに、お腹一杯になって眠たいだろうしね」
俺を抱えあげながら言うバアルの言葉に誘われるように段々と俺の意識がボンヤリとしてくる。
「君が起きたらまたお風呂に入れてあげるから、ゆっくりお休み?」
「ん…」
相手の言葉を聞くと、なんだか安心して、俺はゆっくりと瞼を閉じた。
「ん、んぅ…」
数時間後、俺が目を覚ますと見慣れぬ天井が目に入った。
まだぼんやりとした頭で天井を眺めていたが、何処に居るのかを思い出した瞬間俺は慌てて上半身を起こした。
ぷにゅっ
「えっ?」
その瞬間、今まで感じたことのない感覚を感じて俺は硬直した。
なんだ?この…腹部に柔らかいものを挟んだみたいな感触は…
見下ろしてみたが、かなりゆったりとしたサイズの服に包まれた腹部には、パッと見異変はない。
俺は恐る恐る上着の裾を捲ってみた。
「!?」
その腹を見て俺は驚いた。
それなりに割れた腹筋が見えていた腹部が、明らかに柔らかな脂肪に包まれてポッテリと膨らんでいる。
恐る恐る触ってみると、ふにふにと柔らかく、しかし適度な弾力を持って指を押し返してくる感触がした。
摘まんでみれば、2cmぐらいの分厚さの脂肪が摘まめた。
「どう言うことだ…?」
俺は訳がわからず首を傾げた。原因があるとすれば、昨日のあの異常なまでの食欲だが…
(だが、何故あんなに腹が減ったのかわからないし…何より、たった一晩でこんなにも脂肪は蓄えられるものなのか?)
今まで太るなんて無縁だった俺には理解できず、うんうん唸りながら考え込んでいると、唐突に部屋の扉が開けられた。
「グッドモーニング、シセル君!よく眠れたかね?今日も外はピーカンだよ!」
そこに居たのはやっぱりというかなんというか…魔王、バアル・ゼブルだった。
ウザイくらいのそのテンションに自然と俺の眉間に皺がよる。
これが、魔王?あの城での威厳が全く感じられない。
というか…俺、こんな奴に負けたの?
いや、実力は本物だったけど…なんか、なんか納得いかない。
て言うか、ピーカンって死語じゃね?
「…おはようゴザイマス」
「よろしい。朝の挨拶は一日の基本だからね!」
そう言ってバアルは俺の身体を舐めるように見た後、満足げに笑った。
594 :
れ:2009/05/31(日) 00:56:15 ID:W9B4v4f2
はい。ということで今回は此処までです(短っ)
シセルくん、どうやら少しふっくらしだしたようですwww
一体何れくらい太るのでしょうか
そして、魔王様が当初の予定よりもはっちゃけた変態キャラに…www
シセルくんのツッコミが無いと暴走しそうです
こんな感じの二人、無事夫婦になれるのでしょうか?
出来るだけ早く皆様に続きを提供できるよう頑張ります。
それでは、
595 :
一年日記:2009/05/31(日) 08:43:35 ID:yNhiJRiF
「…6月ぐらいから思ってたけど、今年は夏、早いな…」
「トラ、6月ぐらいからそれ言ってるよな」
カンカン照りの太陽。からっとする夏の陽気にうたれて、桜良と虎丸はだらだらと汗を流していた。
普段は静かな帰り道も、例年より早い蝉の声に溢れかえっていた。
「…トラ、汗かき過ぎで…」
桜良が指さしたのは、汗で肌にぴったりと貼り付いたワイシャツだった。
「…太ってなくても、こんだけ暑けりゃ汗ぐらい、かくっ」
「いや、そうじゃなくて。乳首透けてっから。」
虎丸は下を向き、湿ったシャツにぷっくり浮き出た乳首を確認すると、軽くシャツを摘まんで誤魔化した。
「さ、サクがっ、面白がっていじるから、こんなんなったんだろっ」
「いやいや、別に乳首デカいとか言ってねぇし。しかもそれ萌えポイントだし。」
ぐっ、とガッツポーズを見せるサクを横目に、虎丸はため息をこぼした。
「俺もバイト、始めようかなぁ…」
「肉体系?事務系?」
「…出来れば、肉体系。自信ないけど、そうすればサクみたいな太り方で済むじゃん」
「それに関してはもう手遅れな気がするけどな?」
そう言って桜良は虎丸のお腹を叩いた。大きく前にせり出したお腹が、叩かれた端から反対までの波を打つ。
「〜っ、な、夏が、いけないんだ。暑いとアイスとか必要になっちゃうだろ。」
「昨日今日太ったわけじゃないだろ、トラっ」
どっどっどっ、と、重いテンポで桜良が少し駈け出した。
「ま、待てっ、こらっ。」
続いて虎丸も駈け出すが、どすっ、どすっと響いてきそうなその足取りは普段の速度と変わらず、ゆっさゆっさと体が揺れているだけだった。
そのまま走り続け、桜良の前まで出ると、息を切らして立ち止った。
「ゴーール!その溢れる巨体で頑張ったトラには、御褒美の進呈だーーっ」
一人で盛り上がると、桜良は虎丸の前に回り込み、すっと上を向いた。
「はぁ、はぁ…後で、アイスも進呈しろよ」
こつっと額をくっつける。にやけた顔の桜良が、がしがしっと虎丸の頭を撫でる。
「おごるおごるっ、もーっ、トラってばかわいいなぁっ」
暑さか、急な運動か、恥ずかしさか。虎丸はいつものように赤くなった顔を、片手で軽く覆った。
596 :
一年日記:2009/05/31(日) 08:44:32 ID:yNhiJRiF
−−−−−
7月20日
今日も暑かった。なんだか今年は去年よりも暑い夏になりそうだ。
汗をかくから、その分ぐらいは痩せたらいいのに。その分食うから、どんどん太ってるんだよなぁ…
これから夏休みなのに、痩せられそうにはない。ていうか多分、また太る。
思い返してみると、去年の夏ぐらいから太り始めたんだった。夏は太る、気をつけよう。
最近俺とサク以外にも太ってきた奴もいるし、デブって感染るんじゃないかって思う。そんなわけないけど。
先生、最近太ったの気にしてるのに、夏休みに相撲部の合宿があるって言ってた。ちょっとかわいそうだな。
明日の夏祭り、母さんが浴衣を用意してくれてた。去年の甚平は絶望的だって笑ってた。俺も、そう思う。
桜良と二人で着てみたら、涼しくていい感じだった。夏の雰囲気、出てると思う。
あんまりお金使いすぎないように注意しないと。でも、屋台見たら食べたくなるんだと思う。
お祭り、好きだ。今年もサクと一緒に行ける。ホント嬉しい。
思えばここ一年でサクとすごく仲良くなれた気がする。体重と比例してるのがちょっとアレだけど、それでも俺は幸せだ。
桜良
52kg→122kg
虎丸
68kg→151kg
−−−−−
「ふぅ」
前屈みの苦しい姿勢から体をぐっと伸ばし、虎丸はペンを置いた。
「この日記も、もう次で最後…丁度一年分だったのか。」
ぺら、と最後の1ページをめくると、そこには日記を書くスペースは無かった。
ページの真ん中に四角い長方形の枠があり、枠の脇に一言、こう添えてあった。
「貴方の願いはなんですか。って…目標設定?俺、逆から日記書いてたのか」
そう言いつつ日記を閉じると、その瞬間何かが強く光った。一瞬だけの、雷のような光だった。
「…っ、目、疲れてるのかな…」
スタンドライトを消すと、そのまま虎丸はベッド横になった。
597 :
一年日記:2009/05/31(日) 08:45:04 ID:yNhiJRiF
「おいっす、遅いぞトラっ」
「サク、楽しみ過ぎ。」
祭りの入り口、桜良は少し行って引き返してきたのであろう。
待ち合わせの時間通りに落ちあったにも関わらず、サクの両手には箸巻きが握られていた。
「それ何?去年あったっけ?」
「箸巻き知らねぇ?お好み焼きを箸に巻いてあるやつ、ほら、これトラの分」
箸巻きに口をつけるのを合図に、二人は祭りの空気に混じって行った。
「サク、食い過ぎ。」
「トラこそ。つか、獲り過ぎ。」
「へへ、つい夢中になっちまった」
虎丸が得意気に広げた袋の中には、大小様々な景品が詰め込まれていた。
その巨躯から繰りだされる正確な射撃のギャップに、景品を落とすたびにあがる歓声に気を良くして、今に至る。
「なんか、屋台も気前よかったしな」
「お相撲さんのお兄さん、はちょっと凹んだけどね…ははは」
食べ物を買うたびにオマケをしてくれる事に、虎丸は嬉しくも複雑な気持ちだった。もちろん、全て美味しくいただいたが。
「いいじゃん、相撲部入っちゃえよ」
「やだ。これ以上太ったら、困るだろっ」
「親父と同じ事言ってら」
「先生最近太ったもんなぁ。」
「つったって90kgそこそこだろ。俺らに比べりゃガリガリだぜっ」
「…なんか、言っててむなしいな。」
「世間的に見りゃ普通にヤバいんだっつの。お前らマヒしすぎなんだよ。」
二人が顔を見合わせて笑っている所に、話題の本人、勝帆が現れた。
「あたしから見れば、健康的で全然いいと思うけどね。みんなケガも病気もしてないし。」
一緒に居た母は浴衣の袖元に、金魚の入った水袋を携えていた。端が濡れているのか、右手の袖がぴたっと貼りついていた。
「見ろって、こいつ。年甲斐もなく金魚掬いに夢中で、袖濡らしてやんの。」
「いいでしょ別に、獲るのが楽しいのよ。後でちゃんと返しに行くわ。」
「トラ、やっぱ親子だな、お前とおばさん」
桜良が虎丸の袋を持ち上げると、どっ、と一同は笑いに包まれた。
598 :
一年日記:2009/05/31(日) 08:45:34 ID:yNhiJRiF
祭りの終点、神社の脇で、四人は話し込んでいた。
「気付けば毎年来てるわね、このお祭り。」
誰にでもなく投げた言葉に、勝帆が「おう」と頷いた。
「親父達も?」
「母さん、来てたんだ、ここ」
「大先輩だぞ、俺達。」
勝帆が口に銜えていた団子の串をぴっ、と投げると、見事に神社の足の木枠に串は刺さった。
「行儀悪いわよ。昔も同じ事して、叱られたじゃない。」
串を拾い上げながら、母がそう言った。昔を懐かしむ表情が、普段よりも優しくあった。
二人の空気が特別なもののような気がして、桜良と虎丸は石段に腰かけて話聞いていた。
「まさか今、こんなことになるなんてなぁ。」
「思いもしなかったわけじゃないわねぇ。あの時、少しはその気だったし。」
「な。今はお互い、無駄にデカいガキもいるのにな。」
「なーなー、親父ってさ」
桜良がそこまで言いかけたところで、勝帆が何かに気付いた。
「お。ちっす。お久しぶり。」
「あら、ホント。元気してた?」
「あ。じいちゃんじゃん。」
去年も、正月にも、ここで会った老人が、そこに居た。
「ほっほ、ぼっちゃんら、今年もありがとうねぇ」
「なんだお前ら、神サマと知り合いだったのか。」
「うん、前にここで本…は?」
答えている途中で、虎丸は勝帆の言葉に引っかかった。
「このじーさん、この神社の神サマ。」
「言ってなかったっけ?」
普通に会話に乗る母に、虎丸は慌てて聞き返した。
「お、お化けがどうのって、話じゃないの?このお祭り」
「あぁ、うん。お化けも神様も、似たようなものでしょ?」
桜良と虎丸は顔を見合わせた。お互い疑わしい目をしているのが、なんだかおかしかった。
突然ですか一気に夏になりました。ちょこちょこイベント挟むと、流石に虎丸が太りすぎてしまうので…w
多分次の更新で、日記終わります。他に書きたいものが2、3つあるんで、機を見てまた投稿しますけどw
>>587 サクは引っ越し屋さんでバイト中です。全然関係ないんで書き出してもいなかったんですが、一応動けるデブって事でw
>>588 おおお、結構思い切ったつもりだったんですが…これでもガチムチなんですかw
>>589 かわいい…!スイーツ男子はいいものですね!!
>>れ氏
応援ありがとうございます!シセルの成長速度がすごそうでwktkします…!
れ氏も頑張ってください!
600 :
582:2009/05/31(日) 09:47:30 ID:y6chyMpo
試しに他の何着かのスーツも着てみたら、ズボンは全滅でした。
ジャケットは入るものの、ボタン閉めるとミチミチっと腹の形が丸見え状態です
普段スーツ着ない職なので・・全然気がつかなかった(´・ω・`)
礼服は2サイズ上のを買うか、貸衣装にしようかと思ってます。
うpはなんか恥ずかしいので勘弁してください・・w
あと、SSいつも乙です!楽しみに読ませて貰っていますw
SS乙です!!
虎丸の体重すごいですねあこがれちゃいますね〜そして後一回で終わりと考えると少し寂しいです虎丸の最後の体重の時の絵が見てみたいですね。
602 :
一年日記:2009/05/31(日) 11:32:29 ID:yNhiJRiF
桜良と虎丸は、ほとんど同時に口に出した。
「神様って、どういうこと?」
「だーっ、説明めんどくせぇなぁ」
そう言いながら勝帆は老人の手を引き、屋台の群へと消えていった。
「はっ!?逃げた!?」
「違う違う、多分お店に行ったのよ。」
団扇であおぎながら、母が二人にそう言った。
「神様はね、神屋さんっていう屋台やっててね。神様と一緒に居ないと、その屋台には気付かないんだけど。」
「去年、そこ行った。サクと、おじいさんと。」
「あら。じゃあ神様に本もらわなかった?これぐらいの、ちょっと厚めのやつ。」
「あ、それもらってたな、確か」
「俺日記にしてる。サクのは、おじいさんに返したけど。」
そう説明すると、母は一瞬ぴくっ、とひきつったまま少し黙り、口を開いた。
「…あんた達、ずいぶんと贅沢な使い方してるのねぇ…」
「おーい。持ってきたぞ。」
割って入った勝帆の声に、三人は振り向いた。
老人と一緒に歩み寄ってくる勝帆の右手には、虎丸が日記にしている本があった。
「ほっほっほ、まったく無茶をするのぅ、ぼっちゃん」
「ぼっちゃんはやめろって、俺もう子供いるんだぜ」
「ぼっちゃんも嬢ちゃんも、みんな同じさ。その子供達も、みんな。」
「カツ、それ貸して。」
勝帆の持ってきた本を受け取ると、説明を続けようと母は本を開こうとした。
「ならんよ。」
一同は老人の発したその言葉の意味がわからず首を傾げた。しかし、直後に理解した。
「…本、開かないわね。」
まるで本の背面だけでなく、全てが蝋で固めてあるかのように、表紙は決してめくれなかった。
「それはのう、そこのぼっちゃんのものだからのぅ。」
「へ?俺?」
指された桜良は急な振りに驚き、理解が追い付かなかった。
「そうか、それ前に返したサクの分の本だ」
603 :
一年日記:2009/05/31(日) 11:33:23 ID:yNhiJRiF
「虎丸は、もうこの本、何かわかってる?」
「ノートでしょ。俺は日記にしてる。」
「あ、でも、なんか書いてあるぜ。ほら。」
桜良が本を受け取り開くと、本は素直にその表紙を開けた。
虎丸は、自分が一年目に見つけたものを桜良がその場で発見したことが、少し恥ずかしかった。
「こ、これ、目標とか書く欄だよね。俺ここ書かずに使ってたんだけど。」
「これはのう、願い事を書けばいいんだよ。ぼっちゃん。」
「いや、そうは書いてあるけど、いくらなんでも」
「叶うわよ?」
「叶うぞ?」
桜良が投げかけた言葉を遮る二人の発言に、桜良と虎丸は目を丸くした。
「俺ちゃんと痩せたろ?日記、つけてたぞ。ダイエット記録。」
「あたしも、きっちりお金貯められたし。カツと違って、今もバッチリだけどね。」
「おまっ、そゆこと言うかぁ?」
「御利益虚しく、最近太りまくりじゃないの。」
「これは桜良がだなぁっ」
そんな会話を音として聞き流しながら、虎丸は今までの日記を一気に振り返った。
「…え。じゃ、え、去年から異常に太ったのって」
「お。そーゆーことか。」
「『太るかも』とか『太りそう』とか、書いてたんでしょ?なるほどねぇ。」
「なーんだ、自爆だな、トラっ」
そこまで話し、納得のいかない自分の体に納得をせざるをえなくなり、虎丸は肩を落とす。
「書いた事全てが叶うわけじゃない。この蝋の分だけ、他はぼっちゃんらの力さ。」
老人のその言葉を聞いて、虎丸は日記の背の蝋がほとんど無くなっている事を思い出した。
「じゃ、じゃあ、先生みたく今からそれで痩せるのは無理、か…あはは」
「…痩せてえ?トラ」
「へ?」
桜良が、その手にある本を開いた。
604 :
一年日記:2009/05/31(日) 11:34:51 ID:yNhiJRiF
「信じるも信じなくともいい。願い事も、ぼっちゃんらの自由さ。」
家からとってきた本を桜良の物と並べ、虎丸は改めて説明を聞いた。
「しかし、神サマいまだに後からこれの解説するんだな。」
「先に聞いたらいいことないでしょ。」
二人の後ろで親同士、昔話に盛り上がっていると、桜良がこう切り出した。
「本心じゃなきゃダメってのは?」
「素直な気持ち以外、叶えられないからさ。」
そう聞いて、改めて自分の素直な日記を、虎丸は後悔した。それで今更、この重い体がどうこうなるわけではないのも、わかった。
「俺、書くぞ」
桜良が、すらすらと願い事を書きだした。
続いて虎丸も、自分の日記の最後に願い事を書き記す。そこに書いたのは、今の自分に一番正直な願いだった。
「ねぇ、なんて書いたの?」
「男のそういうの、あんま見るもんじゃねぇって」
勝帆が母を止めていると、老人は二人の願いが入った本を手に取った。
二冊の本が同時に淡い青い光を放つと、その場が静寂に包まれた。光が止むと周囲の音が返ってくるのと、本の蝋が消えている事にその場の全員が気付いた。
「…いつまでも、そうあるようにのぅ。」
老人の声が聞こえたかと思うと、老人も、持っていた本も、その場から姿を消していた。
「…えっ、じいちゃんどこいった?」
「ほらな。神サマだって、わかったろ?」
「いや、あんたそれ、別に自慢げに言う事じゃないからね。」
「てかなんだって、神サマなんか言ってたな。痩せられませんって言われたか?」
がはは、と大口を開けて笑う勝帆の口は、母のボディーブローで閉じられた。
「あぁ、そうそう。」
思い出したかのように、母が会話を仕切りなおした。
「あのね、虎丸。弟か妹、出来るからね。」
「楽しみにしてろよ、桜良。」
「「…へ?」」
二人は突然投げられた、神様などという話よりも現実的な報告に、ぽかんと口を開けた。
605 :
一年日記:2009/05/31(日) 11:35:34 ID:yNhiJRiF
桜舞う、穏やかな風のそよぐ昼下がり。
学校から帰った虎丸と桜良は、部屋着に着替えながら、たわいもない話をしていた。
「…また、太った。これ、あげるよ。」
「なんか、兄貴なのにお下がりもらってばっかなのも、フクザツだな。」
「仕方ないだろ。どうせそれもすぐ着れなくなるだろ、桜良兄さん。」
「むっ、うっせ、トラの方が一歩先行くデブのくせにっ。それに、俺のことは」
「うん、ごめんごめん、サク。」
着替えが済む頃に、下から二人を呼ぶ声が聞こえてきた。
「はーい、今行くよ、父さん。」
どっ、どっ、どっ、どっ。二人で階段を下りるたびに、少し不安な重たい音が階段に響く。
居間にはどっしりと勝帆が構えており、その腕には赤ん坊が抱かれていた。
「ちょっと桃、見ててくれ。トイレ行ってくる。」
重そうな体を立ちあがらせ、虎丸に赤ん坊を受け渡す。
代わりに虎丸が抱き抱えた赤ん坊は、すやすやとよく眠っている。
「桃助、よく寝てるね。」
「起きたらまたおっぱい吸われちゃうぞ、トラ」
「…か、勘弁。」
「…あたし、いるんだけど。」
虎丸が顔を赤くしてると、部屋の隅から母が声をかけた。
「ちょっと、お父さんと買い物行ってくるから、桃のこと宜しくね。」
「うん、いってらっしゃい。」
戻ってきた勝帆が買い物袋を持ち、二人は買い物に出かけた。
玄関を出て何か話し込んでいたが、母の三倍はあろうその大きな背中に張り手が飛ぶと、勝帆はおとなしくなった。
「…昼、どうしようか」
「出前とっか。桃のご飯先に用意してからな。」
「だな。」
「ところでさ」
不意に、虎丸が桜良に尋ねた。
「願い事?」
「う、うん。」
606 :
一年日記:2009/05/31(日) 11:37:09 ID:yNhiJRiF
−−−−−
3月12日
俺今、幸せだ。幸せだよ、サク。
母さんも、父さんも、桃助も、みんな大好きだ。
そしてなによりも、サクの事が好きだよ。
−−−−−
「まさか、びっくりだよな。」
「とりあえず、絶対『トラが痩せますように』じゃないのは、わかってた。」
「本心じゃデブのがいーもん。気持ちいーもん。」
「ま…いいんだけどな。それはお互い様だし。」
「それにしたって、流石に太り過ぎじゃね?トラの場合。」
「家庭用体重計じゃ測れませんが何か。サクこそ、あれからまたぶくぶく太ってるけど。」
「これは部員の務めだっ。」
「先生もそんな事言って、結局大分太っちゃったな」
「あれは元デブじゃんか。つか、元々俺にもその遺伝子が…!」
「そういえば、先に太ったのサクだった。」
「今じゃトラに追いつける気はしないけどな…!」
「も、元がデカいんだよっ、俺はっ。身長差考えろっ。」
「背の事はああああああ言うなああああああ!!」
「あはははっ」
雲一つない、春の午後。一面に広がる青は、あの本から溢れた光にも似ていた。
「もし、また願い事が叶うなら?」
「聞くまでもないだろ。前と同じ。」
二人は一瞬、お互いの顔を見合わせる。
「桜良が」
「虎丸が」
「「ずっと、幸せでありますように。」」
優しい日差しの中、赤ん坊の笑い声が聞こえてきた。
SSお疲れ様でしたー!
まさかの結婚!
そして虎丸と桜良の最終的な体重は一体何キロに…?
SS乙!
皆幸せそうでいいわー
しかし太ること、互いに喜ばれること=幸せになってないか心配だなww
太る一方だwwそれはそれで美味しいが
結局2人+先生は相撲部入りなのかな? サイズが気になるぜ
乙でした
最後は本当に家族になりましたか
ところでラストの3月12日の日記は
サクの日記帳にトラが書いてるのか?
それともただの日記帳?
>>600 たまにしか着ないものなら、貸し衣装でも良さそうですね
サイズ変わる度に買い替えるのは面倒だし……
しかし、一年のブランクがそんなにも人を変えるとはw
>>日記の中の人
乙っした!
ふたり共まだ太り続けてんのかw
家庭用体重計が使えないとかどんだけwwだかそれがいいwwww
しかし結構SS書いてらっしゃるんですね……その引き出しの多さに脱帽
611 :
日記の中(:2009/05/31(日) 20:41:34 ID:yNhiJRiF
以上で、一年日記終わりになります。最後なんだか駆け足ですみません。
応援してくださった方々、本当にありがとうございました。
編纂、投稿制限等で難しいこともあるかもしれませんが、他の書き手さん達も是非頑張って下さい。応援します!
ちょっとイベント準備が笑えなくなってきたのでしばらく潜ると思いますが、また投稿を始めた時にはどうぞ宜しくです。
>>601 虎丸は最後の夏→春の時間背景だけでもさらにごっつり太ってそうなので、描くにしてもちょっと難しそうですね…!
出来そうなら描いてみます、あんまり期待はしないでおいてくださいw
>>607 桜良150kg、虎丸175kgぐらいです。密度が高まってるんでペースは落ちてますが、がっつり太ってますw
>>608 相撲部に入ったのは勝帆と桜良だけです。虎丸はガチ帰宅部w
>>609 あれはただの日記です。習慣なので書いてます。
>>610 自分用の妄想を脚色してるだけ、とも…w版権とかも書きたいけど、作品毎の認知度で悩むところです。
>>612 あんまりプライベートなことは聞かないほうがいいと思うよ?
ただでさえ稀有な場所なんだしさ・・・
俺はSSを楽しめただけで十分満足だ
>>611乙!
>>612 夏にあるデブの祭典に参加しようかと…版権肥満化とか取り扱ってるんですぐわかるかと思いますw
>>613 お心遣い感謝です…!読んで下さってありがとうございました!
>>614 なんという凶器…ず、ずるい…!
616 :
614:2009/06/01(月) 15:07:08 ID:/nAtjE5J
>>615 ss乙です。
コカ・コーラのグラスの種類は選べないので、
3色揃うまでハシゴしましたw
>>614 見逃しました…。消えるの早い…。
もう一回お願いできませんか?
>>617 イメぴたは30日保存されてます。
携帯からアクセスしてみてください。
619 :
617:2009/06/01(月) 21:23:58 ID:iX3FPo/r
>>618 見れた
ありがとうございます
なんてステキなお腹!
いっぱい入るがお腹うらやましいなぁ
>>614 なんという偉業
素敵なお腹をありがとうございますw
もしグラスのカラーバリエーションがもっと豊富だったら、と考えると……
>>620 最後の一色がなかなか出なくて何日も何日も腹一杯詰め込むことになり、
やっとコンプしたと思った時お腹にはたっぷりと肉が…
しかし喜んだのも束の間、実はシークレットがあると判明して…
物に釣られてデブになるパターンか。
なかなか面白いね!
物欲と食欲に塗れて貪欲な豚になっていくのは憐れだw
日記の中の人に感化されて少し書いたけど恐ろしいほど長くなってあげる気が失せてくるぜ・・・
しかもまだ書き終わってないっていう
>>621 シークレットは出現率がさらに低いから……
食玩とかのコレクターさんは太る運命にあるのねw
>>623 美味しいシーンと基本的な日本語力さえあれば、案外長さとか関係なくイケると思いますよ
出来上がったらまずはうpしてみようぜ!
>>624 サンクス
なんていうかさ、肝心のシーンまでがすごく長いんだよね
とりあえず書き終わったらシェイプアップさせてみようかな
>>625 書き終えた翌日に読み返してみると、要らない部分って結構出てくるんですよねー
俺も今ちょうどSS書いてみてる最中で、やはりソコまでが長いんだよな……っ!
むしろ導入部は長めでもいいから、肝心のシーンをがっつりねっとり書き込んでみるのも手かと思うんだw完全に独学だがww
627 :
日記n(:2009/06/02(火) 02:05:23 ID:08D2h0aR
>>621 激しく萌えました…そんなシチュ考えもしなかった…!
>>623 すごく興味あります…!が、頑張って下さい…!
書き出してると、どんどん表現したい幅が広がったりして大変ですよねw
でも書いてるうちに楽しくなると思いますよ><*
山場が遠いとテンションも高まりますw
どんなシチュを書きたいか
そこに至るまでどうするか、を大雑把に書くのもありかもね
似非プロットみたいな
>>621 ポイントカードとかもありかもなぁ
ポイント&枚数と共に増えていく食事量、蓄えられていく脂肪
629 :
614:2009/06/02(火) 03:45:21 ID:weg7vhLT
なんか、クォーターパウンダーのコピー、
「夢も腹も膨らませろ」を地で行くようなレスが貰えて、
凄く嬉しいです。
ポイントといえば、サークルKサンクスの
ムーミングッズを貰うため、期限間近に、
弁当6個をまとめ食いしたこともありました(爆)。
>>629 凄いですねホント……コンビニ弁当なんて1つですぐ満腹になっちゃうのに
そういやうろ覚えなんだが、前にマ○ク行った時に、
「ジーパンからはみ出すくらいの夢を語ろう」みたいなキャッチコピーがプリントされた制服を、女性の店員さんが着てたんだ
それって「マッ○食って太れ」と遠回しに言ってるようなモンだよな……
そこで働き始めてから突然太り始めた、デブデブの男の店員が着てたら説得力あるなぁ
なんて思ってたら、あやうくその場で勃ちかけた
>>630 「ジーパンからry.」のコピーは、
妄想を膨らませて、ちんちんおっきさせろ!
という意味だとばかり思ってた。
肥満化妄想でおっきしたなら一緒だけどw
>>629 すごいお腹。
回転寿司だと何皿くらいいけます?
気が向いたらまた膨れたお腹を見せてくれると非常にうれしいです。
それにしても職人さんが増えてきみたいだな。
こらからが楽しみだ。
なぜそこで待つの?
なぜ自分で書こう、シチュだそうとしないの?
自分から動かない怠惰な奴は豚にでもなればいいんだ!
ご、ごべんだざい
あ、あで、はづおんがおがじい
は、はだが、つぶでて、ぶ、ぶがっ、
ああ、だんだんであじがみじがぐ…
おだかが、ふぐだんでいぐ…
ぶ、ぶふぅ
だ、だでがだずげでぶぅ…ぶ、ぶひっ?
ぶぎ、ぶぶぶひぃ〜(書くから、人間に戻して〜)
書かなきゃデブ通り越して豚になるのかよ!
>>630 そのキャッチコピー素晴らしいですね!
ジーパンの上にお腹が乗ってる俺は夢がいっぱい詰まってるってことに!・・・ならないけどorz
母親がいなくて
父親が一人で息子を育てていくのはどうでしょう?
父親はいつも仕事で帰って来ないみたいな設定にすれば食うもの自由でどんどん肥満化!
>>631 ちょwww飲食店が何故勃起をうながすwwwwww
>>635 デブのお腹の半分は、肥育者の愛で出来ています(バファリ○風
>>636 やべぇ使えるw
SSのネタに頂こうかな……
その場合、お父さんもデブですか?
>>637 そんなこと言われたらすでにデブなのに余計に太りたくなるじゃないですかww
ちなみに肥育者の愛じゃない方の半分には一体何が詰まってるんだろう・・・
640 :
幸運の石:2009/06/03(水) 01:51:32 ID:63VpgYtk
まだ書き途中途中だけど切りのいいところまでいったんで投稿してみます。
初挑戦と言うこともあっておかしな部分が多々あると思いますのでその時はアドバイスをいただけるとうれしいです。
後肥満化が大分先なんで、しばらくは生暖かい目で見てやってください・・・ホントすみません・・・
時は5月。桜が青々とした葉を芽吹かせてきた今、季節は春から初夏へと移り変わろうとしていた。
空からは数ヶ月前とは打って変わった元気のよい太陽がさんさんと光を地上へと降り注がせ、植物達を鮮やかな色へと染め始めている。
すっかり夏めいた陽気に釣られてか、路地沿いの店やショッピングモールは店先を色取り取りに飾り立て、商店街はいつも以上の賑わいを見せていた。
彼は、そんな活気あふれる街中を自転車にまたがり慌しくペダルを回していた。
額から流れる汗を肩でふき取りながら、目線をチラッと横にやる。一瞬で通り過ぎた街路の時計塔は、きっかり2時半を指していた。
約束の時間は1時、大遅刻だ。めまぐるしく回る車輪がその速度を表していたが、それだけでは焦る彼の気持ちは抑えられない。
待ち合わせ場所の駅前ロータリーまではあと数百メートル。もうすぐ・・・などと考えている間に、すぐに駅前に開けた道が現れた。
彼は、一間遅れて勢いづいた自転車のブレーキを思い切り踏んだ。
自転車は、耳障りな音をあたりに撒き散らしながらフレームを軋ませて止まった。あまりの音に辺りの人々の目線を集めながらも辺りを見回すが、そこにあいつはいない。
「1時間半も待たせれば当たり前か・・・」
汗だくの青年はゆっくりと自転車から降り、その場で大きく息を吐いた。と同時に頬に冷たい何かが触る。思わず後ろを向くと、そこには見慣れた顔があった。
「思ったより早かったな。」
涼しい顔で笑うそいつは、紛れもなく1時間半前に待ち合わせをしていた幼馴染の良太郎だ。
良太郎は怒る様子もなく、まるで時間通りに待ち合わせしたかのようだった。手に持ったスポーツドリンクをひょいと投げやり、彼もまた反射的にそれを手の中に収める。
「その様子じゃ相当疲れただろ?どうせ何も飲んでないんだろうし、それ飲んで飲んで落ち着けよ。」
641 :
幸運の石:2009/06/03(水) 01:52:03 ID:63VpgYtk
「雄介は運動してるわけじゃないんだから、そんなに走ると日射病になるぞ」
脱水症状にもな。と良太郎はそう付け加えて、肩を叩いた。
「こっちから、映画見に行こうって誘ったのに、ホント・・・ごめん・・・」
雄介は収まりきらない息を必死に落ち着かせて言ったが、それでも息は上がって継ぎ接ぎになってしまった。
だが良太郎は、その筋肉質ながたいの良い姿とは裏腹にどこまでもさわやかだ。
「そんなことかもあろうかと、3時半に上映する所みつけといた。予約済みだからど真ん中でゆったりと見れるぜ」
「・・・あ、ありがとう」
あまりの手際のよさにあっけにとられながらも、雄介は小さく会釈する。
「時間もあるからそこで昼飯食おうぜ。どうせ昼もまだなんだろ。俺もまだだからさ」
まるでどこかで監視してたかのような状況の把握振りだ。どこまでも見通されているのを感じた雄介は、何も言うことができずにただただうなずくしかできなかった。
お父さんもデブだと、構ってくれないお父さんを憎んで食べまくってデブになった場合の、
父親と同じ体型になった時の葛藤が面白そうですね。
643 :
幸運の石:2009/06/03(水) 01:52:56 ID:63VpgYtk
駅前のハンバーガーショップは、日曜ということもあってだいぶ賑わいを見せていた。
それぞれのメニューを手に持った2人は、運よく空いたテーブル席に腰をかけ、しばらくはお互いにもくもくと食べていた。
雄介が半分ほど食べ終わる頃にはもう良太郎は食べ終えてしまっていて、食後のコーラをすすりながら窓の外を眺めている。
完全に息を落ち着かせた雄介は、ガラス窓の向こうを見つめる良太郎を見ているうちに、自然と口が動いていた。
「ありがとうね。良太郎は、ホントいつも手際がいいよね」
「そりゃガキのころからお前と付き合ってればこうなるわ。ほんっとに運悪いからな、お前」
幼馴染の良太郎とは幼稚園からの付き合いで、小学生くらいのときは毎日のように行動を共にしていた。
そんなときから待ち合わせの遅刻なんかはしょっちゅうで、時間通りについたほうが少ないくらいだ。
そういうときにはいつも良太郎がフォローしてくれて、事あるごとにお世話になってしまっていた。
「・・・で、今日は何があったのよ」
良太郎がテーブルから体を乗り出して、顔を大きく近づけた。良太郎が興味のある話を聞くときのいつもの癖だ。
「図書館の帰り道におばあちゃんがバス停で困ってたから助けてあげたんだけど、財布を落としちゃったみたいで終点まで自転車で届けに行ってた」
良太郎はごく当然のようにそう話す雄介の言葉に、思わず飲み込んでいたコーラを噴出しそうになった。
「おまえなぁ・・・そんなもん交番かバスの集積場にでも持ってけばいいだろ」
「財布が無いとおばあちゃんがバスから降りられなくて困るだろうなって思って・・・近道知ってるから2時間くらいで着くから」
「それで7時半に出たのに1時間半遅刻したと・・・まったく運が悪いんだかとろいんだか・・・」
まぁ、お前のそこがいいところなんだけどな。呆れ顔で頬杖をつく良太郎は、雄介に聞こえないように話の後に付け足した。
一方の雄介は、良太郎のほめ言葉にはまったく気がつかずに、口に入れたハンバーガーをゆっくりと噛み砕き、胃の中に落としていた。
644 :
幸運の石:2009/06/03(水) 01:54:05 ID:63VpgYtk
「ごちそうさま」
「・・・いつも思うんだけどさ、ホントに飯食うの遅いよな。あとそんだけで足りるのか?」
良太郎がそういうのもうなずける。雄介のテーブルには1つ100円のハンバーガーの包装紙が一個に、ドリンクのSサイズが1つしか置いていない。
それに比べて良太郎はというと、ミートパティ2つのダブルバーガーのセットに、単品で同じバーガーを雄介が食べきる10分前に胃袋の中に収めていた。
「それは良太郎が早食いで大食らいなだけでしょ」
「そうだとしてもセットメニューのひとつぐらい頼むぞ、普通・・・貧血とか起こすなよな」
体は比較的健康なので貧血を起こした事はないが、常人より弱いことに変わりはない。それに倒れそうになったことなら数え切れないほどあるのだ。
雄介は返す言葉が見当たらず、気を付けるよの一言と苦笑いで返した。
645 :
幸運の石:2009/06/03(水) 01:54:37 ID:63VpgYtk
「面白かったな。さすが話題になってるだけのことはあった」
「これもチケット取ってくれた良太郎のおかげだよ。ホントきてよかった」
映画館を出た2人は、その余韻を残したままどこへ行くともなく街中ををぶらぶらと歩いていた。
「・・・にしても相変わらず運悪いな・・・席予約したのに店員の手違いで客入れちゃったなんてさ。せっかく予約入れたのに立ち見ってのはいただけないな」
腕組した良太郎が、眉を吊り上げながら言っていた。
「おかげで割引券もらったし、別にいいじゃない?」
また今度行こうね。雄介は笑いながら割引券の傍らを良太郎に渡した。
「おう・・・サンキュ」
頬を掻きながら券を受け取る良太郎だが、その頬は少し赤らんでいる。鈍感な雄介は、相変わらずそのことには気が付かなかった。
「でも席は僕のところしか埋まってなかったから、良太郎もわざわざ立ち見することないのに」
「何言ってんだよ。2人で来たんだから2人で見なきゃ意味ないだろ。俺は部活で鍛えてるから立ち見なんて分けないしな」
そっか。雄介がそうつぶやくと、良太郎はそれに答えて小さくうなずく。
「ありがとね」
「・・・友達なんだから当たり前だろ」
今度はお互いに頬が赤くなっていた。雄介は良太郎みたいに赤く、良太郎はもっと赤く。今回ばかりはお互いにわかっていたものの、とてもそんなこといえる雰囲気ではない。
「あー・・・まだ5時だし、ゲーセンでもいくか?」
気まずい雰囲気を切り返すように、良太郎がおずおずと切り出す。雄介は、何も言わずに小さくうなずいた。
>>636 託児所みたいな施設だったり
金持ちならお手伝いさん雇うのもありだな
>>645 ss乙!
無理せず職人さんのペースで投下してくれい
>>630の「ジーパンからはみ出すくらいの夢を語ろう」の一言キャッチコピーだけでも妄想を駆り立てるな
思いついたらレスついでにおいていこう
647 :
幸運の石:2009/06/03(水) 09:44:16 ID:63VpgYtk
「おーい、そこのお二方」
不意に聞こえたしゃがれ声に2人が同時にその向くと、そこには背を丸めて白い机の前に座った小さなおばあさんがいた。
上下とも黒装束で身を固め、横には筆の文字で「あなたの未来導きます」と達筆に書かれた看板がおいてある。
雄介はすぐに思った・・・胡散臭い。
「ちょっと占っていかんかい?今ならタダにしとくよ」
おばあさんはしわを寄せて笑い、小さな手で手招きをしている。その姿はさながら白雪姫を誘う魔女のようだ。
雄介は、どうしていいかわからず、良太郎と視線を合わせた。数秒のアイコンタクトはもちろん無言のやり取りだったが、お互いに意味は通じたと思う。
「まぁいいんじゃないか?タダだし・・・」
良太郎の言葉に間髪要れず、おばあさんは待っていましたとばかりに
「そうと決まったらはようここに座りんさい」
はつらつとした声で並んだパイプ椅子2つを足で小突いて揺らしていた。
流石に気乗りしない2人であったが、もう半分はあきらめた気分だ。しぶしぶと椅子に座ると、2人をおばあさんの悪そうな笑い顔が出迎えた。
「で、何を見てくれるんだい。将来とか前世とか、それとも恋占いかいばあさん?」
「ここの字が見えんのかい?あたしゃ見るじゃない。導くんだよ」
投げやりな良太郎におばあさんは横の看板を指差して、強く強調する。
「そーかい。なら早く導いてくれや。こっちも行く当てがないわけじゃないんでね」
雄介もうなずいて同意する。特別な用事もないが、はっきり言ってこんなところさっさと立ち去りたい。
「じゃあぼちぼちとはじめますかねぇ」
おばあさんは首を左右に傾けてゴリゴリとならした。
「タロットカードとか水晶玉は出さないのかい、ばあさん」
「御託はいいからさっさと顔出しな。あたしゃ人の眼を見て占うんだ」
おばあさんは人差し指を向けて良太郎に合図する。良太郎は嫌々ながらもパイプ椅子を引き寄せておばあさんに顔を近づけた。
しばらくはお互いに無言だった。雄介には単ににらみ合っているだけに見えるが、実際は真剣なやり取りなのだろう。
先ほどまで緩やかな表情だったおばあさんの表情は目を吊り上げ、口元を難しそうに一文字に閉めている。
そして数分後になってようやく顔を離し、懐から細長い紙と筆を取り出して何かを記していた。
648 :
幸運の石:2009/06/03(水) 09:45:02 ID:63VpgYtk
「あんた、半年以内に何かに挫折するね」
筆を走らせる腕を止め、それを懐に入れたかと思うと、おばあさんは急に話し始めた。
「続けることはできるが、続けてもいいことはひとつもない。つらいかもしれないがそうなったらさっさとやめちまいな。」
良太郎は、思わず顔を強張らせた。先ほどまで半信半疑だった良太郎はごくりと生唾を飲み込み、顔をおばあさんに近づける。
「・・・それって何のことだかわからないのか?」
「わかるよ。だけどわたしゃ導くだけだからね。あんたが結果まで知る必要はないよ」
以上!と大きく言った手のひらをパンと叩いた。
「なんだよそれ」
拍子抜けした良太郎は体躯を戻し、不満そうに声を荒げる。
「占いなんてどれも曖昧なもんだよ・・・さぁ次はあんただ。顔をこっちによこしな」
さっきのように雄介に人差し指を立てた。雄介は不安そうにしながらも、ゆっくりと顔を近づけた。
おばあさんは雄介の顔に近づいて、その眼を見つめる。そのとき雄介は、おばあさんの黒い瞳がまるで自分の中に吸い込まれていくような、そんな感覚になっていた。
眼をそらしたくてもそらせない。まるで金縛りにあったかのようだ。
体の指一本動かせないでいたが、すぐにその感覚はなくなっていた。おばあさんとのにらみ合いは良太郎に費やした時間の3分の1もかからなかったからだ。
「・・・こりゃあひどいね。こんな相の悪い子ははじめてみたよ。あんた昔から悪い目にしかあってないだろ」
雄介は顔を大きく上下させた。まったくともって図星だ。それを見るとおばあさんは、また長方形の白紙を取り出してまた何かをつづり始めた。
「こりゃあこの先どう行ってもいい道がひとつもないね」
いいことを言われなさそうなのはわかってはいたが、はっきりと言われてしまうと流石に心に傷が付く。
だがおばあさんはそんなことお構いなしだ。
「こりゃあ導くどころじゃないね・・・あんたにゃ強力なまじないが必要なようだよ」
「まじない?」
「ああ、まじないさ。それも飛び切り強力なやつをね」
そういうとおばあさんは後ろから大きなかばんを取り出し、何かをひっぱり出す。しわくちゃの手のひらに収まったそれは、ひし形に加工された透明な石のようだった。
649 :
幸運の石:2009/06/03(水) 09:46:14 ID:63VpgYtk
ゲームに出てくるクリスタルのような形をした石は、中心に綺麗な赤色をしたBB弾のようなものが埋め込まれている。
天辺に空いた穴に紐が通してあり、見た目はお土産屋にでもに売ってそうなただの携帯ストラップだ。
「なんだそりゃ?ガラス玉か?」
良太郎は小ばかにするように笑いながら行ったが、おばあさんは淡々とした口調で言いつつ、てきぱきと先ほど書いた紙と石をまとめ、石を中心に紙を織り込んでいく。
「ああそうさ。だけど素材なんか関係ないよ。中央の玉以外はね・・・さぁ、手をだしな」
雄介が手を出すと、そこに織り込んだ紙を置いた。
「さぁ、それを全力で握るんだ。」
雄介は一息整えて、心の準備をしてからそれを握る。・・・その瞬間、全身の力が一気に抜けていくのを感じた。
吸い取られたと言うのが正しいのだろうか。余り嫌な感じはしなかったが、急激な脱力感に体勢を崩しそうになった。
それに気づいた良太郎は、あわてて雄介の背中に手を当ててやる。そして、そのまま険しい表情でおばあさんをにらみつけた。
「なんかやったらばあさんでもただじゃおかねえぞ」
「もういいよ、悪かったね」
雄介の手からそそくさと紙を取り出す。それを広げると、その紙には先ほどの奇妙な文字はなかった。
あの紙は、まるで元々そうであったかのようにインクをつけた布のように真っ黒になっていたのだ。
「これがあんたの中の悪いもんだ。さっき体の力が抜けてっただろ?それはこれが抜けてったからさ。・・・もう良くなっただろ?」
雄介は体制を治して小さくうなずく。言われたとおりあの瞬間の倦怠感が嘘の様に元通りだ。むしろ前よりも体調が良くなった気分さえした。
「そしてこれが、あんたを導く幸運の種だよ」
おばあさんが黒い紙の中央のガラスをつまむ。だが、それは先ほど見た石とは少し違っていた。
透き通るように透明だったあのガラスは、まるで黄色い絵の具一本を丸ごと流されたかのような原色の黄色が詰まっていたのだ。
石の内部はにごりきっていると言うのに、中央の赤色ははっきりとその場に浮かんで見える。なんとも不思議な光景だった。
差し出される石をそっと受け取る雄介。手渡された瞬間、石が薄っすらと輝いたような気がした。
「すげーな。さっきまで真っ白だったのに・・・どんなマジック使ったんだ、ばあさん?」
650 :
幸運の石:2009/06/03(水) 09:47:00 ID:63VpgYtk
と、楽しそうにしていた。
「なんか面白そうだな。なぁ、俺のもくれよ」
「これは特別なもんだから誰にでもあげてるわけじゃないんだよ。それに・・・」
そこまで言うと、おばあさんの表情はが急に渋くなり、しばらく考え込んでいた。
「いや・・・でも、そっちの方が良いかもしれないね」
一言二言ぶつぶつつぶやいたあと、またカバンの中からをまさぐってあの石を取り出した。
だが、雄介のとは二周りほどちいさく、中央の玉も砂粒みたいに細かなものになっている。懐からさっきの紙を取り出し、雄介の時の要領でそれをくるんで良太郎に手渡した。
「今回だけは特別だ。あんたにもこれをやろう。さ、手を出しておくれ」
良太郎は待ってましたとばかりに手早く受け取り、すぐに力いっぱい握り締めた。
「大丈夫?」
心配そうに見つめる雄介に、良太郎は左手を前に出して大丈夫だと合図する。広げた紙は雄介ほどではないものの薄っすらと黒く染まっていた。
おばあさんは、雄介のものと同じように黄色くなった石をつまみあげ、良太郎の手のひらにゆっくりと渡してやった
「先に言っておくけど、これは単なる幸運アイテムじゃない。呪いみたいに強烈なまじないさね。強力な分副作用もある。もちろん寿命が減ったり、生死にかかわったりじゃないけどね」
「なんだよ、そんなの幸運でもなんでもないじゃねーか」
良太郎は、それを聞いて嫌そうに手渡された石の紐をつまんだ。
「わたしから言わせてもらえば、何のデメリットもないまじないなんてクソ同然さね。何かを得るためには努力なりお金なりの、それ相応のものを支払う。どんなことにもね」
雄介たちから見ると、それはアニメだかゲームだかの話のようでまったくばかげていると感じたが、おばあさんからはそんなつまらない感情は一切見られず、その言葉一つ一つに重みを感じる。
なんだか周りの空気までよどんでしまっているようだ。
「まぁ、なんにせよあんた達はこれであたしに導かれた。今は変わらないけど、未来は進むはずだった道よりずっと良くなったよ・・・特にあんたはね」
そういってチラッと雄介に目線をやった。
「あ、ありがとうございます」
雄介は恥ずかしそうに頭に手を当て、もじもじと礼を言った。
651 :
幸運の石:2009/06/03(水) 09:52:46 ID:63VpgYtk
「肌身離さず持ってるんだよ。携帯電話とか財布とか、毎日触るようなものにつければいい。出ないと効果がなくなるからね。なんかあったらまたおいで」
「ばーさん、あんがとな。んじゃ、いくか」
雄介が乱暴に礼を言うと、その場から立ち上がった。
「待った」
席を立とうとした良太郎の袖を、おばあさんがぐっと引っ張る。同じく立ち上がろうとしていた良太郎も、席に座りなおした。
「まだなんかあんのかよ」
というと、おばあさんは素早く手の平を前に突き出し
「石の代金2500円置いてきな。そっちのあんたは4592円だよ」
とはっきりとした声で言うのだった。
連投規制で途中で切れてしまってすみませんでした
今回はこんな感じです。まだ肥満化始まってない・・・
次ぐらいからは少しづつはじまるつもりなので・・・駄文申し訳ありません・・・orz
次は出来てるんですけど連投規制はいっちゃうんでまた夜にでも、ということで・・・
それでは〜
>>651 ss乙です!
何を間違えたのか、運の悪い方を良太郎だと読み違えちゃって
佐藤健くんをイメージして読んでしまった……
653 :
640:2009/06/03(水) 14:48:16 ID:Xi1+1Iry
>>652 電王ですよね・・・ぐぐってみて初めて知りました
見事に名前かぶっててしかもキャラ設定間逆って・・・どういうことなの・・・
下調べしとくんだった・・・ホントごめんなさいorz
654 :
634:2009/06/03(水) 19:07:30 ID:g89TKEDO
ぶひ、ぶひぶひ。
(人間に戻るため、SSを始めようと思います。)
ぶひぶひぶひ〜。ぶぶ〜。ぶぅ。
(こうなったのも自業自得。
とにかく人間に戻れるようにがんばります。
規制がこわいな。最近多くて。)
ぶひ〜。ぶひぶひぶ〜。
(
>>651 SS乙です。
初挑戦とはとても思えないクオリティ。
描写の細やかさは見習わせてもらいたいです。
どんな副作用が出るのか楽しみにしています。
割り込み失礼します。)
655 :
入れ替え:2009/06/03(水) 19:09:44 ID:g89TKEDO
「はぁ…。」
昼休みの時間、五井は庶務係から渡された1枚の紙を見て軽くため息をついた。
「先輩、どうしたんですか、ため息ついて。
あ、これ、この前の健康診断の。
どこか悪かったんですか?」
ちょうど戻ってきた隣のデスクの小原(こはら)が少し心配そうに聞いてきた。
「見りゃわかるだろ。
またキイロが付いて返ってきたんだよ。」
「キイロ」というのは、要注意者の健康診断結果票の貼られる黄色い付箋のことである。
キイロを受けとった者は、保健医の指導に従い生活態度の改善計画書を上司に提出することが
義務付けられており、その後の経過もレポートとして報告しなければならない。
しかも、改善を要する項目には数値目標を課せられ、
それが達成できなければ人事評価にもひびくという噂もある。
その上もれなく上司の小言という嫌なおまけも付いてくる。
過去、いく度もキイロを食らってきた五井だが、数値目標を達成できたためしはなく、
その度に課長からきつく指導をされてきたのだった。
(実は課長も最近腹が出てきているのだが、五井が何かを言い返せるはずもなかった。)
656 :
入れ替え:2009/06/03(水) 19:11:09 ID:g89TKEDO
「あぁ、それは大変ですね…。
あ、でも、病気が見つかったわけじゃないならいいじゃないですか。」
「見りゃ分かる」という五井の言葉がキイロを指しているのか、
それとも五井自身の体を指しているのか小原には分からなかった。
小原は小原なりにフォローしようとしたのだが、
五井の体は誰が見ても健康的とは言えないものである。
課長のビール腹が小さく見えるほどの本格的な太鼓腹はどっかりとベルトの上に乗っかり、
分厚い胸はワイシャツの上からでもうっすらと形がわかってしまう。
大きな尻はイスを圧迫し五井が体勢を変えるたびにギシリと嫌な音を立てた。
誰が見てもキイロは納得の結果だろう。
「いいわけないだろ。いろいろ面倒臭いんだぞ。
あ〜あ、お前はいいよな。」
そう言って五井は小原の体に視線を向けた。
細身のスーツが似合う小原の体格では、
健康診断の結果に一喜一憂する者の気持ちなどとても理解できないだろう。
「そんなことないですよ。
僕は先輩みたいな大きな体がうらやましいですよ。」
小原が悪気もなさそうに言うが、五井には嫌みにしか聞こえない。
「そんなにこの体がうらやましいか。この野郎。」
五井は後ろから小原の細い首を自分の太い腕で掴むと、
自分の腹と胸をぐいぐいと押し付けた。
「や、やめてください。苦しいです。」
657 :
入れ替え:2009/06/03(水) 19:12:51 ID:g89TKEDO
午後、五井は課長にこってり油を絞られた。
この件で説教されるのには慣れているとはいえ、
分かりきったことをくどくどと言われのはやはり気分が悪い。
五井は席に戻ってからもしばらくもやもやとした気持ちが晴れなかった。
(『今度という今度はいい加減に痩せろ』だって。
百回聞いたっての。…言わせてるのは俺だけど。
全く、そう簡単に痩せられたら苦労はないんだよ。)
やる気を削がれたうえ、仕事に取り掛かるのも遅れ、
ほとんどその日の作業に手が付かないまま終業時刻を迎えた。
課長が帰り際に、五井の肩をたたいた。
「お先。
五井、計画書も忘れるなよ。」
「…明日までに書きます。お疲れ様です。」
五井は課長の背中に向かって心の中で毒づくと、再び手を動かし始めた。
課長に続いて事務室からは一人一人と帰っていき
やがて五井と、同じく残業中の小原の二人だけになった。
五井が仕事を片付け、生活態度改善計画書を書き上げると時刻は9時を回っていた。
やれやれやっと片付いたと、伸びをしていると、
ちょうど同じタイミングで仕事を終えたらしい小原が声をかけてきた。
「先輩、お疲れ様です。これから晩ご飯一緒に行きませんか?」
「そうだな。もうこんな時間だし、どこかで食ってくか。」
五井と小原は片づけを済ませて誰もいなくなった事務室の戸締りをすると、
会社から歩いて数分ところにあるなじみの食堂に向かった。
>>640 乙です
石の副作用が楽しみです
>>654 乙でした
タイトルの入れ替えという部分に期待してます!
そしてこれで怠惰な豚から怠惰じゃない豚に!
660 :
幸運の石:2009/06/04(木) 01:53:44 ID:crjJ55rG
「占いと石の代金は別なんて、まったくしっかりしてるぜあのばあさん・・・今月厳しいんだよな」
「僕なんか所持金300円しかないよ・・・」
雄介が財布を空けてを上下に揺らすと、数少ない3枚の硬貨でチャリチャリと物悲しい音で落ちてきた。
「俺はほぼ半分・・・あのばーさんどっかでお前の財布の中見てたんじゃねーのか?何が出しても出さなくても変わらないからだよ・・・」
そう言って2人は本日最大のため息をついた。
「これじゃゲーセン行ってもあんま意味ないな・・・そうだ」
「どうしたの?」
何か思いついたのか良太郎が早足で道を賭けていく。雄介も後に続き、良太郎はその道の曲がり角で立ち止まった。
「これが強烈な幸運の種って言うんなら試してみようじゃねーか」
そこにあったのはビルの1階に立てられた、青い雨よけが付いているガラス張りの店・・・宝くじ屋だった。
確かに、運を試すには持って来いの場所だ。競馬、パチンコと違って高校生も一応買える。
「でもいいのかな・・・宝くじなんてはじめて買うよ」
「ま、一枚なら良いだろ。おねえさん、ドリームジャンボっての一枚」
心配そうな雄介をよそに、良太郎は皿の上に300円を置いた。
「お前も早くしろよ。どうせ最後の300円なんだし、ゲーセンで負けたと思えば安いだろ」
雄介は、先ほど出したままにした最後の300円を握り締めていたが、結局は窓口へお金を出した。
「同じのください」
「1万くらい当たると良いな。」
「僕は無理だと思う・・・」
雄介は、ピンと張った一枚の紙を見て、なんだか本当に300円を捨ててしまった気がしていた。
「期待しないで取っておこうぜ。どちらにせよ発表まで1ヵ月後くらいだし、財布の中に寝かしとくか」
そう言ってお互いに財布を出して宝くじをしまった。だが、雄介だけは懐をまさぐるばかりでしまおうとしない。
「ん、どした?」
そう問いただすと、雄介は良太郎に青ざめた顔を向けた。
「さっき走ったときに・・・財布なくしたみたい・・・」
「・・・マジか」
すぐに道に引き返したが宝くじ屋から100メートルもないというのに、それらしいものは何一つ見当たらない。
「こりゃあ間違いなく拾われたな」
661 :
幸運の石:2009/06/04(木) 01:54:40 ID:crjJ55rG
「中身ないから交番に届けられてるかもしんないぜ。金なかったのが不幸中の幸い・・・」
良太郎は、その言葉を言い切る前になにやら考え込んでしまった。
「なぁ、ばあさんが言った言葉覚えてるか?」
良太郎は、険しい顔をして雄介を見返した。雄介は少し前の記憶をたどる。その答えにたどり着くのには余り時間はかからなかった。
「確か、出しても出さなくても変わらないって・・・もしかしてこのことだったのかな?」
「かもな」
なくすから自分に金を払っても払わなくても変わらない。そう考えると言い訳がましかった言葉も妙に納得がいく。
むしろお金がなくなって、財布自体が戻ってくる可能性が増えたのではないだろうか。
「こりゃあ、もしかするともしかするかもな・・・一ヵ月後が楽しみになってきた」
良太郎はポケットからケータイを取り出し、それにつけたあのストラップを西日にかざした。
その石は雄介のストラップよりも少し色が薄く、西日の光が透けてきらきらと輝いている。
時刻は夕方の6時を回ろうとする、夕暮れ時のことだった。
その後は、特に特筆すべきことのない日々が続いた。
あんなことがあったので何度かあのおばあさんを探したりもしたが、結局と言うか当然と言うか見つかることはなかった。
むしろ雄介にとっては特筆すべきことがないことが特筆すべきことなのかもしれない。2日に1度は必ず何かに巻き込まれる体質だと言うのに、ここのところはてんで平和な日々が続いている。
そして、驚いたことに落とした財布は交番に届けられており、おかげですぐに手元に戻ってきたのだ。これまた雄介には信じがたい話である。
これもおばあさんがあの黒いものを出してくれたおかげなのだろうか?だとしたら一度お礼をしたい。なんてことを漠然と考えていた。
そして、あっという間に日付はあれから一月が経ち、あの宝くじの発表日の朝を迎えていた。
正直言って何もない日々の生活が嬉しかった雄介は宝くじのことを忘れていたが、朝っぱらの良太郎からのメールで目を覚ましたので、そのことを嫌でも思い出される羽目になってしまった。
眠い目をこすり、一階のリビングへ降りる。そこには朝のコーヒーをすすりながらニュース番組を見る母親の姿があった。
「おはよ。朝食できてるよ」
662 :
幸運の石:2009/06/04(木) 01:56:04 ID:crjJ55rG
「おはよう母さん。今日は朝からいるなんて珍しいね」
雄介は右手をあげて挨拶をし、テーブルに用意されたハムエッグとトーストの前に座った。
「明日から出張だからねー。準備に休みをもらったのよ」
母は横にあったかばんを指差す。その方向には大きなかばん1つと、旅行用のトランクが置いてある。
1週間ほど前に長期の海外出張があるとつたえられたこと。そしてその準備を昨日の時点で荷支度を終えていたことを、雄介はようやく思い出した。
「そっか。出張明日だっけ・・・今回は長いんだっけ?」
「多分2ヶ月くらいかな・・・いつも一人で残しちゃってごめんね?だれか世話してくれる人でもいたら母さんも安心できるんだけどな。」
母はすでに30半ばを過ぎていたが、まだまだ現役で活躍しているキャリアウーマンだ。父さんを早くから亡くしてしまった我が家の家計は、母さんの二の腕にすべてがかかっている。
元々そんなに家にはいなかったのだが、雄介が中学生なった辺りに本店の国際支部に栄転になり、家にいる機会が更に少なくなってしまった。
そういう事情もあって、隣の家の良太郎家とは家族同然の付き合いをしていた。
高校に上がってからは炊事洗濯など一通り覚えたので、そこまでお世話になることはなかったが、良太郎の両親には今も親子そろって頭が上がらない。
良太郎との腐れ縁も元々はこのせいだ。
「いいよ、もう慣れたし。いざとなったら良太郎ん家にお世話になるからそんなに心配しないでよ」
「良太郎君にも迷惑かけちゃうけど、私からもよろしく言っておくわ・・・お土産買ってこなきゃね」
「僕のも忘れないでよ」
「はいはいわかってるわよ」
雄介はそんな朝の会話を楽しみながら、食事は2枚目のトーストへと差し掛かっていた。
「あんた最近良く食べるわねー。少し前まではトースト半分も食べれなかったのに・・・結構結構!」
雄介の食事する風景をマジマジと見ながら、母親は満足そうにうなずいていた。
「そんなことないよ・・・母さん新聞取って」
「別に恥ずかしがることないのに。雄介はがりがりなんだからもっと太ったほうがいいわよ」
照れ隠しして話題を切り替える雄介をからかいながら、ソファに転がった新聞を手渡した。
663 :
幸運の石:2009/06/04(木) 01:56:54 ID:crjJ55rG
確かに最近食欲も以前より出るようになったし、そのおかげか体調もすこぶる良好だ。これもあのおばあさんのおかげなんだろうか?
そんなことを考えながら、雄介は新聞を広げた。目的はもちろん宝くじの当選番号だ。
2枚目のトーストを食べ終えた雄介は、ポケットから折りたたんだ宝くじをひねり出して新聞と照らし合わせる。
「宝くじなんて買ったんだ。あの雄介がねー」
「ただの運試しだよ。えっと、番号は・・・」
たった一枚の宝くじの番号を照らし合わせるのは実に簡単なことだ。単に後ろから順に番号を見ればいいだけ。
ざっくりと見合わせて、はずれくじをゴミ箱に捨てる。数十秒もあればできることだ。
だというのに、雄介は券と新聞とのにらめっこを始めてからすでに数分がたとうとしていた。
雄介はその番号を何度も何度も確認して、そのたびに体から変な汗がじわじわと溢れてくる。
「どお?100円くらい当たってた?1000円でも当たってたら明日は大雪ね」
そう言って母は、笑いながら雄介の肩から顔を乗り出した。石みたいになった雄介を尻目に、母はざっくりと番号を確認する。
そして、やっぱり雄介みたいに体が硬直するのだった。
「・・・こりゃあ明日は地球最後の日ね」
そう一言つぶやいた後に、玄関から良太郎がすごい勢いで駆け込んできた。手には握られてしわくちゃになった券が握られている。
「雄介おはよう!あの宝くじすげーよ!俺100万当たってた!お前はどうだった?」
興奮冷めあがらぬ表情でリビングのドアを開け、きらきらとこちらを見つめるが、反面完全に凍りきった表情をした雄介は、大口を開けたまま良太郎に顔を向けた。
「・・・1等当たった・・・3億円」
そうしてまた一人、石化する人間が増えるのだった。
今日はこんな感じです。
これからようやく少しずつ膨らんでいきます・・・長かった・・・
この後は、このまままっすぐ石で太らせちゃいます
もうちょっと文才があったら色々ひねりたいんですが・・・ストーリーに期待している方がいらっしゃったら申し訳ないですorz
>>646,654,658,659
応援ありがとうございます!こんな稚拙な文章を読んでいただいて感謝感激です!
ちょっとわかりづらい書き方でしたね・・・
SSは書いたことあるんですが、こういうのは初めてなんで初挑戦と書きました
といっても書いたのは1年近く前の話ですが・・・
何はともあれ完成はさせたいので、もう少しの間だけこの駄文に付き合ってくださいorz
それでは〜
SS乙!
お金の魔力は怖いからなぁ……
性格歪まず腹いっぱいにすることだけ考えて欲しいぜ
乙
贅沢な暮らしを続けて太っていくパターンだろうか
楽しみですな
乙です。
「出しても出さなくても変わらない」
この言葉が気になります。
当選金をいくら使っても減らずに3億円はそのままの予感。
それがすべて食費だったら...なんて妄想すると、
もうワクテカが脳内で暴走してしまう。
ぶぅ〜。
(豚の食欲がこんなにすごいなんて…。
食べ物があると食べずにはいられなくて、
買い置きの食材をほとんど食べてしまいました。)
ぶひ。ぶひぶひ。
(早く人間に戻らないと、食費が大変なことに。
それにこんな量を食べ続けたら…。)
ぶひぃ…。
(でもお腹すいた。もっと食べたい。)
ぶひ〜。ぶ〜ぶぶ〜。
(乙です。
石。初っ端から3億とはなんという威力。
きっと反動もすごいんだろうな。)
669 :
入れ替え:2009/06/04(木) 19:26:29 ID:pt1Ad/bp
店に入りテーブルに着くとメニュースタンドに立ててあった
手作りのポップが五井の目に留まった。
「新メニューか。”お腹周りが気になる方に”和風ヘルシー定食ねぇ…。
はぁ、…これにするか。」
野菜を中心とした低脂肪低コレステロールが売りのこの新メニューは、
今の自分のために用意のではないかと五井には思えた。
腹も減っていたし本当は肉料理を思い切り食いたい気分だったのだが、
まさかキイロを受け取ったその日にジャンボハンバーグに大盛りライスを
頼む気にはならず、五井はしぶしぶそれを注文することにした。
五井の力の抜けたつぶやきを聞いていたのかいないのか、
小原もポップにある定食のセット内容を眺めていた。
「へぇ、おいしそう。僕はこれにしよう。」
それを聞いた五井の眉がぴくりと動く。
五井は気が立っていた。
なにしろ、課長に正論と皮肉を嫌というほど聞かされ、余計な作業を抱え込み、
おまけに腹が減っているのに食いたいものも満足に食えないのだ。
いつもならさらりと流す何気ない一言にも反応してしまう。
「あのな、お前が”お腹周りが気になる方”に該当するつもりか?
それとも俺への当て付けか?」
「いえ、そんなつもりじゃ…、
本当においしそうだと思ったから…。」
申し訳なさそうな声に、五井ははっとする。
小原がそんな奴ではないことは分かっているのだ。
「…まぁ、お前が何食おうと勝手だけどさ。」
670 :
入れ替え:2009/06/04(木) 19:27:47 ID:pt1Ad/bp
二人の間に少し気まずい空気が流れたが、
結局小原も和食ヘルシー定食を注文することになった。
定食が運ばれてくると、五井はいつになくがつがつと大口でかき込んでいった。
「やっぱり全体的に薄味だよな。
ボリュームも少ないし。」
五井は文句を言いながらも、すごい勢いで定食を平らげていき、
小原はまだ半分ほどしかも食べ終えていないのに、
五井はもう最後の一口を飲み込んでしまった。
「先輩ってご飯おいしそうに食べますよね。
僕はもうお腹いっぱいになってきちゃって…。」
小原が感心したように言ったが、
満足な量が食えず余計イライラとしていたこともあり、
その一言がまた五井の癇に障った。
「ああ、うまいよ。飯がうまくてうまくて仕方ない。
だから厄介なんだろ。俺は自分の食欲が憎いよ。
今だって一人前きっちり食ったのにぜんぜん食った気がしない。
俺の腹はどうなってんだって自分でも思うよ。」
五井は腹立たしげに怒鳴り、疫病神のような自分の腹を見つめた。
無節制に食い続け脂肪を貯め込んだ腹は自分自身の食欲そのもののようだ。
今もなお五井に「もっと食え」とささやき続けてくる。
少し泣き出しそうにも見える五井に、
小原は遠慮したような小さな声で話しかけた。
「あの、先輩…。
僕に先輩の食欲をくれませんか?」
乙
気になるセリフで終わりましたな
続きwktk
672 :
れ。:2009/06/04(木) 21:39:33 ID:D0Ngxr7H
どうも今晩は。れ。です。
また少し来てない間に素晴らしいSSが…!
またバイトから帰ったらゆっくり堪能させていただきます。
SSの続きが書けたのですが、取り敢えずバイトの休憩時間が短いんで、出来る限りのとこまでうpします。
673 :
魔王の花嫁:2009/06/04(木) 21:40:30 ID:D0Ngxr7H
ニコニコ、と言うよりニヨニヨって感じでだらしなく笑う相手の顔は御世辞にも格好良くはない。
「あの…」
「あ、そうだ。シセルくんが可愛くなってたから忘れるとこだったよ」
「ひあっ?!」
そう言うとバアルはまたヒョイッといとも簡単に俺を抱き上げた。
「お風呂、入ろうか。昨日約束しただろ?」
「え、ぁ…うん。」
約束と言われても、昨晩の記憶は腹が減り出した辺りから曖昧になってるから覚えてないのだが、体がベタベタしてたので黙って従った。
***********
風呂に入って丁寧に肌を磨かれたあと、再び俺が寝ていた客間に入ると、フリィが朝食を用意しているようだった。
674 :
魔王の花嫁:2009/06/04(木) 21:40:57 ID:D0Ngxr7H
「お早う御座います。旦那様、シセル様。すぐに朝食の用意が整いますので、お掛けになってお待ちくださいませ」
フリィが椅子を引きながら慇懃に頭を下げると、バアルは其処に俺を優しく下ろしてくれた。
「ありがと…」
「どういたしまして」
こいつは俺が素直に礼を言ったりすると、凄く嬉しそうに綺麗に笑う。
いつも、そんな風だったら格好いいのに…
って!俺は何を考えてるんだ?!確かにコイツは見た目はいいが、邪悪な魔王なんだぞ?
…凄く、優しいけど、それは俺が花嫁候補だからなわけで………でも、何で、俺なんかを…
何の、取り柄もないのに……
やめた。考えても、答えなんて出ないし。
コイツは身勝手な魔王で、勝手に俺を気に入って勝手に俺を連れ去った。それだけ。
俺はコイツに…認めたくないが…負けて、とらわれた。謂わば今は捕虜みたいなもんだ。
しかし自殺も赦されない。
だから、コイツの言いなりになってるのも…仕方無く…そう。仕方無く、なんだ。
そう、自身の思考に決着をつけていると、ふと甘い芳香が鼻孔を擽った。
675 :
魔王の花嫁:2009/06/04(木) 21:41:29 ID:D0Ngxr7H
(あれ?この香り…昨日も…)
嗅ぎ覚えのあるその匂いの元を探ろうとした瞬間だった。
ぐぎゅう…
「…え?」
突然、俺の腹が鳴った。
昨晩程ではないが、しかし確かな空腹感を訴えかけるその感覚に俺は狼狽えた。
(昨日、あんなに食べたのに…?)
昨夜、あれだけ食べた食物は既に消化され身になったあとだったが、それを考慮してもこの空腹感は異常だ。
(何で…?俺、そんなに食べる方じゃないのに…)
今までの俺はまぁ、人並みにしか食事をとったことがないし、食欲だって人並み程度で、暴飲暴食だなんてしたこと無かったのに。
昨晩から…バアルの屋敷に来てからの俺は明らかにおかしい。
やはりこの男が暴食を司る悪魔だからだろうか?
676 :
魔王の花嫁:2009/06/04(木) 21:42:24 ID:D0Ngxr7H
そんなことを考えているとまた、ヴヴヴヴ…と、低い虫の羽音が聞こえてきた。
顔をあげればフリィが昨夜と同じように扉を開くところだった。
扉を開けばやはり昨夜と同じように蝿の大群が料理を運んできた。
流れてくる旨そうな匂いに唾液が溢れてくるのがわかる。
机に並べられていく皿の上にはやはり、見たことの無いしかしとても美味しそうな料理が盛られていた。
「ごゆっくりお召し上がりくださいませ」
バアルの前には一人前の、そして俺の前にはゆうに五、六人前はありそうな量の料理が並び終わったあと、フリィはそう言い、頭を下げながら扉の向こうへ下がっていった。
「さて、じゃあ食べようか。いただきます」
「い、いただき、ますっ!」
昨晩程ではないにしろ極度の空腹だった俺は、流石に手掴みはしないまでも物凄い勢いで飯をかきこんでいった。
SS職人さん方乙!
3つも同時進行とか盛況すぎるな
瞬間肥満型のシチュが少ないめなところをみると
やはりいっぱい食べてこその肥満化ということか
いっぱい食べるのはいいことだが、瞬間肥満型も好きだな
魔法や薬でブクブクーっと肥えるシチュとかさ
自分の好みじゃないからって否定してほしくないかな
679 :
640:2009/06/05(金) 01:26:56 ID:WoJCsz+u
>>668,672
SS乙です!
どちらもちょうど良い感じの展開になってきましたね・・・これから楽しみです!
>>665-667,677
応援ありがとうございます!
色々と感想をくださって本当に嬉しいです!
・・・でも自分、流石にそこまで考えてないですよ?
期待していただいてるのに、今後の展開で逆にがっかりさせてしまったらごめんなさいorz
それとお金はしっかり減っていきますが、代わりに増えます(主に体脂肪が)
自分は日記の人に感化されて書いたので今回は私生活でぶくぶくと行きたいなって思ってます
なのでシチュ的に似通ってるところ多いかも・・・
自分も瞬間肥満化も結構好きなんでいつか書けたらいいな
皆さんいっぱいSS書いていただけてるんで自分は少し自粛しますね〜
ストックもちょっとなくなってきたので書き溜めときます
それでは〜
680 :
れ。:2009/06/05(金) 13:22:06 ID:DVMQoy1g
こんにちは。れ。です
SS順調に書き進めれていたんですが、こないだの豚インフルで休校になってた埋め合わせとかでまたレポート課題出されたので二週間程潜ります…orz
申し訳ありません。
早いとこレポート片して魔王の花嫁完結させたいと思います。
レポートを出した教授(30代前半痩せ型男性)が、レポート課題を出す度(若しくはレポートを受け取る度)ブクブク肥ればいいのにと妄想しながらレポートに取り掛かろうと思います。
この条件で肥るなら、あの教授レポート出すの好きだから直ぐに100や200越えるだろうな…ふふっ…
それでは、暫くの間失礼します。
>>677-678 食べさせているのは、食べてこそ肥満もありますが、次のステップのためだったりしますw
自分も瞬間肥満型は好きなんで、魔王の花嫁にも多少盛り込む予定です。お楽しみにww
>>679 此方こそ、乙です!
どの様に脂肪が増えていくのかが楽しみです。
此れからも頑張ってください
ぶひぶひ。
(豚の体ってすごいです。
食えば食っただけ肉になっていくようです。
それはもう一日単位で。)
ぶうぶう。ぶぶう。
(豚って、太るために品種改良されただけあって
家畜の中でも特に食ったものを脂肪に変える能力が高いそうです。
しかも、食欲が底なしであればあるだけ食ってしまう。
コンテストに出るような巨豚さんは地面をお腹がこするほど太らされますし、
逃げ出した家畜の豚が野生化して巨大化って話もありますし。)
ぶぃぶぃ。ぶぃぃ
(だから俺に餌を与えないでください。
これ以上の勢いで太ったら人間に戻ったとき…あああ。)
ぶい〜。
(れさん。乙です。いつも楽しみにしてます。
次のステップとは?
どんな肥育プログラムが待っているのかとても気になります。)
682 :
入れ替え:2009/06/05(金) 20:12:16 ID:vf94VzfK
小原が何を言っているのか分からず、五井は一瞬黙ってしまったが、
からかわれているのだと思うと、余計に大きな声で怒鳴った。
「やれるもんならくれてやりたいよ。こんなもん。
でもできっこないだろ。そんなこと。」
「先輩、こんな話知ってます?」
五井と対照的に小原は落ち着いた声で続けた。
「突然降ってきた大雨を凌ぐために
見知らぬ二人の人間が同じ木の下に同時に走りこんできた。
その時、その木に雷が落ちて、ショックで二人は気絶。
それで、目を覚ました二人は…、」
「ああ、人格が入れ替わってたってやつか?
たまにドラマとかで見かける展開だな。」
淡々としているが掴み所のない小原のペースに巻かれ、
五井は少し落ち着きを取り戻してきた。
「はい、その現象を現実に研究している人がいるんです。
…僕の兄なんですけど。」
「フィクションだろ。その人正気か?」
「ええ、僕も最初は信じられなかったんですが、、
人間同士の意識の一部を交換することができそうだということが
ようやく分かりかけてきたらしいんです。」
683 :
入れ替え:2009/06/05(金) 20:13:58 ID:vf94VzfK
「それで、俺の食欲をお前に移すことができるっていうのか?」
「はい。正しくは僕と先輩の食欲を交換するというのか…。
説明が難しいんですが、だいたいそういう解釈でいいと思います。
…それで、その研究はまだ実験の段階なんですが、
実験の協力者がなかなか見つからないらしくて…。」
「そんないかがわしい実験に協力しろってか?
馬鹿馬鹿しい。」
「お願いです。先輩に迷惑はかけないと約束しますから、
せめて話だけでも聞いてもらえませんか?」
小原は先輩の五井の目から見ても優秀だったし、
せこい詐欺に引っかかったり、迷信を信じたりするようなタイプではない。
その小原の真に迫った声に少し圧倒され、
五井は話だけでも聞いてみようという気になってきた。
しかし五井に納得できないのは小原がそんな研究に興味を持つ理由である。
小原ほど小食なら体系の維持も楽だろうに。
「お前、どうして俺の食欲なんかが欲しいんだ?
俺の体見て、こんな風になりたくないとか思わないのか?」
五井は自分の腹の肉を掴むと軽く揺らして見せた。
シャツの下でもぶるぶると揺れる肉の動きはしっかりと分かる。
「僕、本当に先輩みたいな大きな体になりたいと思っているんです。
それに、たくさん食べる先輩がいつもうらやましかったんです。」
小原の目は真剣である。
684 :
入れ替え:2009/06/05(金) 20:15:32 ID:vf94VzfK
そんな目を見ているとなんだか断りづらくなってくる。
話を聞くだけなら損はないだろうし、そんな奇妙な研究をするのが
どんな奴か見てくるのもいい暇つぶしになるのではないかと、
五井は次第に思うようになってきた。
そして小原に対しては作り話と馬鹿にしていたが、
心の底ではわずかに「もしかしたら」とも思い始めていた。
「わかったよ。
お前がそこまで言うなら話だけでも聞かせてもらうよ。」
「あ、ありがとうございます。」
五井は軽い気持ちでOKしたのだが、なんだか張り詰めていた空気が
急に緩んだように感じられた。
ふと、五井の視線がテーブルの上の小原の皿の方にいく。
「ところで、小原。
もう腹いっぱい?」
「はい。」
「じゃ、豆腐ハンバーグもらっていい?」
「あ、もちろんです。どうぞ。
よかったら煮物もいかかですか。」
結局、小原の分の定食は半分ほど五井の腹に納まったのだが、
店を出た後、すでに五井の腹からはぐぅ〜というにぎやかな音が聞こえてきていた。
どうにも収まりがつかず、五井は小原と別れた後、
こっそり牛丼屋に寄ってから帰宅したのだった。
>>680 SS&レポート乙
肥満とともに魔王に心を開きはじめてますな
ケコーンする時には果たしてどうなっているやらww
>>入れ替えの方
乙
入れ換えた後、小原はともかく五井はどーなるんだろ?
期待しております
686 :
幸運の石:2009/06/06(土) 00:22:10 ID:Od8aB4VE
結局その日は銀行で手続きを取ったり、口座の勧誘を受けたりと2人の気が休まる時はなかった。
学校にはそれとなく理由をつけて休みにしてもらったが、銀行の別室のソファなんかに座って生の3億を見せられたものだから、
雄介はそれを入れたキャッシュカードがもう恐ろしくて堪らなくなり、一日中手放すことができずにキャッシュカードと一夜を共にしたのだった。
雄介の母はすぐに慣れてしまったようで、これからは仕事の量が減らせると上機嫌だ。だが雄介が桁違いの大金に現実味を帯びるのは暫く後になりそうだった。
そんな風に慌しかったせいもあって、あっという間に次の日の朝を迎えた。
「じゃあ行って来るわね。あんたの口座に入ってるからってあんまし無駄遣いするんじゃないわよ?」
雄介はわかってると一言だけ言った。そもそもそんなに簡単に無駄遣いできるなら夜も眠れないくらいに悩んでいないだろう。
「大丈夫ですよおばさん。俺が付いてるから問題無し!」
そう言って良太郎は胸を大きく張って見せた。
「それはそれで心配だけどね・・・まぁ雄介は私よりしっかりしてるから、そこまで心配はしてないけど。じゃ、夏休み前には帰るつもりだから、元気でね!」
「母さんこそ体には気をつけてね」
カジュアルスーツを着込んだ母は、雄介たちににっこりと笑顔を投げかけて、待たせたタクシーへと乗り込んでいった。
「・・・いっちまったな。じゃあ今回も世話になるわ!」
タクシーの後姿が見えなくなるまで雄介とともに見送った良太郎は、雄介よりも先に雄介宅へと駆け出した。
「はいはい」
嬉々とした態度で走る良太郎に、雄介はあきれ口調で返事する。
良太郎は母の出張の度に「雄介の安全」を名目に家に出入りするのだ。
別に両親の合意の上のことだから問題ないし一人で2ヶ月間過ごすよりはずっと良いのだが、その時は何故か3食全部雄介家で、しかも大抵は雄介が作るのは納得がいかないのだった。
口うるさい親と一緒に住むよりは、友達と一緒にいる方が気が楽と言うのもわかるが、流石に深夜近くまで家に居るのは考えものだ。
「でもさ、やっぱ宝くじ当たったのって、これのおかげだよな」
687 :
幸運の石:2009/06/06(土) 00:22:33 ID:Od8aB4VE
同じく携帯を取り出した雄介も、雄介より2周りほど大きいストラップを見てうなずいた。
「・・・あのばあさん何者なんだろうな?」
「わかんないけどさ、只者じゃないことは確かだよね・・・ノストラダムスよりすごいかも」
「だな。自分は占い師とか言ってたけど、ありゃあもう預言者レベルだわ」
思い返してみると、あのおばあさんが言ったことはなんだかんだで全部あたっている。そして宝くじの件・・・これが強烈なおまじないがかかった幸運の種なのは間違いない。
そうだとすると、少し気になることがある。それは副作用だ。幸運の代価・・・こんなにも強烈なものの代価とはいったい何なんだろうか?
「ねえ・・・」
雄介が副作用について話しかけようとしたとき、手元の携帯がぶるぶると振動した。マナーモードにしていたのを忘れていた雄介は、誰かも確認せずに慌てて通話ボタンを押した。
「も、もしもし」
「あ、もしもしお母さんよ。ちょっといい忘れたことがあってね」
「なんだ母さんか」
ほっと胸をなでおろす雄介の言葉に、受話器の向こうから膨れた母の声が聞こえてきた。
「何だとは何よ・・・あんたのお金でお世話してもらう人雇っておいたからね。1時頃にそっち来るってさ」
「・・・え?今なんて?」
余りにあっさりと言われたので、困惑した雄介は思わず聞き返してしまった。
「だからお世話する人よ。そういう人、使用人って言うのかしら?とにかくそんな感じの人。」
「そんなの初耳だよ・・・いつの間に?」
「当たり前よ、だって言ってないもの。今の世の中何かと物騒でしょ?未成年2人と大金だけ家に残していけないわ」
思いもよらぬことに、雄介はあっけに取られて何もいえなかった。
「ついでに良太郎くんも一緒に面倒見てもらいなさい。んじゃ、後はよろしくね!」
「え、ちょっと!」
弁解の余地もなくあっという間に切られてしまった。仕方なく携帯を切り、後に残ったのは雄介の口から出た大きなため息がひとつだけ。
「どうした?なんかあったか?」
不思議そうに会話のやり取りを聞いていた良太郎が、鬱々しい表情の雄介を覗き込む。
「今年は僕が食事作らなくてよくなったみたい」
雄介は、ちっともうれしくなさそうに、引きつった笑顔を向けた。
688 :
幸運の石:2009/06/06(土) 00:23:53 ID:Od8aB4VE
待ち合わせの1時までは、良太郎と自分の部屋でゲームをして遊んだ。正直雄介はゲームをするような気分ではなかったが、不安を駆り立てながら部屋中を歩き回るはより良い。
雄介のほうがゲーム全般の腕は上なのだが、今回ばかりは色々のものが雄介の脳細胞を支配して、思うように操作できない。
そして、雄介がことごとく惨敗を期し、2人でポテトチップ4袋ほど開けた頃に、雄介の家のチャイムがなった。
「お前の意中の人がようやくご到着のようだぜ」
「・・・バカ」
冗談交じりにいう良太郎を一蹴しつつ、2人は玄関へと降りた。いつもの茶色いドアの向こう。そこには確かに人の気配を感じる。
別に回覧板とか、郵便配達の人でもなさそうだ。雄介は心を落ち着かせて、ゆっくりとドアノブを回した。
「雄介様ですね。お初にお目にかかります。麻里様に雇っていただきました、使用人の斉藤と申します。以後お見知りおきを」
黒塗りの高価そうな車の前に立った、これまた黒塗りのスーツを着込む男性が、雄介たちに恭しくお辞儀した。
すらっとした体格に端麗な顔つき。いかにも大金持ちの家に雇われていそうな人だ。
「母さんこんな人どっから雇ったんだろ・・・」
「俺、家政婦みたいな人が来るのかと思ってた」
お互いに相手に聞こえないように小さくつぶやく。
言うまでもなく雄介家はごく一般的な庶民の家だ。そんな家にこのような使用人の鑑のような人は、余りにも不釣合いだった。
「あ、えっと・・・よろしくお願いします。僕が雄介で、こっちが・・・」
「隣の家に住んでる良太郎です。俺もお世話になるんでよろしく」
雄介たちもお互いに自己紹介をし、軽く会釈を済ませた。
「お話は伺っております。これから2ヶ月間よろしくお願いいたします」
「狭い家ですけど、どうぞ入ってください」
ありがとうございます。斉藤さんはそういいながら雄介宅の門をくぐった。
「ところでお昼はもういただきましたか?よろしければ早速お食事でもおつくりいたしますが」
「いえ、お菓子をつまんでいたのでそれほどでも」
言葉を言い切る前に、雄介のおなかがキューと小動物のように鳴いてそれを遮った。
689 :
幸運の石:2009/06/06(土) 00:24:48 ID:Od8aB4VE
急な来客に不安を募らせていたおかげで食事は取らなかったのだが、それでも結構食べていたつもりだ。
朝ごはんだって9時と遅めに食べたのに・・・心労で余計におなかがすいたのだろうか。
「すぐにご用意しますね」
頬を赤らめる雄介を見て、斉藤はニコリと涼しげな笑いを見せて台所へと向かった。
斉藤は、冷蔵庫の中のものを軽く見定めると、いつも使っているキッチンのように調理道具の場所を確認もせずに取り出し、あっという間に料理を作っていく
そして1時間もたっていないというのに、テーブルの上には数種類の彩り豊かなパスタや、香ばしいにおいを放つピザ達が所狭しと並ばれていた。
「今ある食材で作ってみたのですが・・・お口に合うかどうか。このようなお食事になってしまい、申し訳ございません。」
「うまそうだな・・・これのどこがこのような、なんだ?」
良太郎がそういうのも無理はない。皿はごく普通の白皿だが、そのにおいは紛れもなくイタリア料理店で嗅げるような本格的なそれであった。
雄介も余りに豪華な食事に唖然としていた。どうやったら平凡な我が家のキッチンで、こんな高級レストランで出てきそうなものができるのだろうか。
そんな芳醇な香りを嗅いでいるうちに、2人の空腹はさらに増してしまっていた。
「あ、ありがとうございます。それじゃあ早速、いただきます」
2人は手を合わせたあと、目の前パスタに口をつけた。豊かなうまみが口いっぱいに広がっていく。
「おいしい・・・」
「こんなうまいもん、俺初めて食べた・・・」
「ありがとうございます。そこまでほめていただけると、こちらも作りがいがあります」
エプロンをつけた斉藤は、そういってうれしそうに口元を緩ませた。
余りにもおいしくて、おいしいと言う言葉しか思いつかない。今まで食べていたものとは次元そのものが違っていた。
胃もたれしやすそうなピザも、出前のピザなんか比較にならないほどにおいしい。これならいくらでも食べれそうだ。
パスタを食べる手はもう速度を緩めることを知らず、大皿いっぱいに盛り付けられたパスタは、あっという間に2人の胃袋に落ちていった。
「少々作りすぎてしまいましたので、まだまだおかわりもたくさんございます。もし余裕があるのでしたら」
「おかわり!」
690 :
幸運の石:2009/06/06(土) 00:37:42 ID:Od8aB4VE
斉藤が言い切る前に、2人は空になった皿を差し出す。結局2人は、作りすぎた料理達を2人で丸々完食してしまうのだった。
食後に聞いた話だが、斉藤さんは元々コックをやっていたそうだ。どういう経緯で今こういうことをしているのかはわからないが
「自分が愛する料理をこんなにもおいしそうに食べてくれるとうれしいです」
と本当にうれしそうな表情で雄介たちに語っていた。良く考えると、斉藤さんが笑った所を、自分達は初めて見たのかもしれない。
そんなこともあって雄介たちは、夕食も食後のデザートも、もう入る余地がないほどに食べすぎてしまった。
「それでは私は1階の空き部屋を使わせていただきますので、何か御用があればお呼びください・・・それではお休みなさいませ」
一通りの家事を終えた斉藤さんは、軽く会釈した後雄介たちの部屋の去っていった。
「いやあ、斉藤さんの料理ホントうまかったわ」
「ホントホント。夕食まで食べ過ぎちゃったよ・・・今日はもう絶対動けないや」
2人布団の上に仰向けに寝転んだまま会話していた。
満足そうにさする2人のおなかは、料理が目いっぱい詰まって着込んだ服の上からでもはっきりと膨らんで見えていた。
「俺ももう無理・・・今日はお前ん家に世話になるわ」
壁掛け時計は10時を少し過ぎたところを差している。本来の雄介達ならまだまだ宵の口だが、今日はとても動けそうにない。
「いつもでしょ・・・今日はもう寝よう」
良太郎もそれに同意し、2人とも布団をかぶって電気を消した。
なんだか今日はお腹が苦しくて眠れなさそうだ・・・。だが、そんな雄介の考えとは裏腹に、2人はものの数分も経たないうちにぐっすりと眠ってしまったのだった。
彼らの枕もとの石は、光もないのにきらきらと揺らめきながら、怪しく輝いていた。
今回はこんな感じです。
急場で作った設定なのでおかしな点が多いです・・・ほんとすみませんorz
>>680 忙しいと中々書けないですよね・・・体を壊さないように気をつけてくださいね
次、楽しみにしてます!
>>681 SS乙です!
入れ替わりで小原がどうなるのか楽しみです・・・それとも2人とも・・・?
一応書き溜めてはあるので2日以内にはあげられると思います。
それでは〜
乙
まさかの使用人登場
料理がうまいときたらそら太るわなw
さらに何もしなくて良いとなると、ふたりは余計動かなくなるだろうから……
力作がぞろぞろと!職人さま方乙ですー
>>681 豚の食欲で肥えて人間に戻って体脂肪がどーんと増える!
変則的に肥満化させられるパターンで萌えますね!
もっと食べて現実的にも豚のようにたくましく太るがいいwww
ぶいぶいぶう。
(一日の半分以上寝てしまいました。
お腹いっぱいになると眠くて眠くて、いくらでも寝れます。
う〜ん。また少し太ったかも…。)
ぶひぃ。ぶぶぶ〜。
(このままじゃ、頭の中まで豚になっちゃいそうです。
少しは体動かさないと。散歩でも始めようかな。)
ぶひ〜。ぶひぶひ。
(SS乙です。
斉藤さんは料理できるし、いい働きをしそうですね。
石が引き寄せたんでしょうか?
今後が楽しみです。)
ぶぅ…。ジュルリ。
(ピザ…パスタ…。ジュルリ。)
694 :
入れ替え:2009/06/06(土) 19:51:05 ID:TVpuSJ6P
次の日曜、五井は小原の案内で小原の兄の住むマンションを訪れた。
数年前に分譲されたばかりの高級マンションらしく、
周りの建物と比べても一際高くそびえ立っている。
「すげえマンション。お前の兄さんて金持ちなんだな。
仕事は何をしてるんだ?」
エントランスの前で上層階の方を見上げながら五井が尋ねる。
「う〜ん、それが…。定職には就いていないみたいなんです。
たまにアルバイトで大学の研究室の手伝いとかは
やってるみたいですけど。」
「え?じゃあなんでこんないいとこに住めるんだ?」
「さぁ。僕にもよく分からないんですけど、
兄はどういうわけかお金を持ってるんですよね。」
小原は少し困ったような顔で答える。
どうやら本当に知らないらしい。
「何だよそれ。怪しいな…。
俺、ひょっとして騙されてるんじゃないのか?」
「それはないですよ。
もし何かあったら、僕が責任を取ります。」
小原がエントランスで兄を呼び出して開錠してもらうと、
二人はマンションの中へ入っていった。
別に小原を信用していないわけではないのだが、エレベーターの中でも
五井はしばらくぶつぶつと不安の言葉をつぶやいていた。
695 :
入れ替え:2009/06/06(土) 19:52:45 ID:TVpuSJ6P
五井を小原がなだめるようにしながら、二人は小原の兄の部屋の前に着いた。
小原が部屋のインターホンを押す。
『良か?今鍵開けるから。』
まもなくドアが開き、小原の兄が二人を出迎えた。
五井よりも年は上らしいが、細身の体型で顔も小原に似ており、
五井は自分よりも年下のような印象を持った。
「圭、久しぶり。」
「ああ、久しぶり。
そちらが、五井さん?」
「うん、電話で話してた会社の五井先輩。
実験に協力してくれるって。」
(おい、小原。まだ協力するとは言ってないぞ。)
五井は訂正しようとしたが小原の兄ににっこりと笑いかけられ
その言葉が引っ込んでしまった。
696 :
入れ替え:2009/06/06(土) 19:54:16 ID:TVpuSJ6P
「はじめまして。小原圭です。
良がお世話になっています。」
「いえ、小原君にはこちらこそ世話になってます。」
「散らかっていますが、どうぞ上がってください。」
圭に促されて、二人は部屋の中に上がった。
部屋の中は物が多く、まるで倉庫の中に生活のスペースを取り入れたようである。
特に本の数が多く、本棚を壁面に設置するだけでは収まりきらないらしく、
可動式の本棚が部屋の一角を占めており、小規模な文書庫のようである。
他にもサーバー機を収めるラックやら、何に使うのか大きな機材やらが
所狭しと並び、一人暮らしには広すぎるはずの部屋の大部分が
物で埋め尽くされていた。
(せっかくの部屋が台無しだな。)
五井は市街地を一望できる窓の外と部屋の様子を見比べながら思った。
697 :
入れ替え:2009/06/06(土) 19:55:48 ID:TVpuSJ6P
五井と小原をソファに座らせて、圭が話し始めた。
「五井さん。今日はわざわざお越しいただいてありがとうございます。
早速ですが、実験について少し詳しく説明します。」
「え〜と、まだ協力すると決めたわけじゃないんですけど…。」
小原が勝手に自分の参加を申し出てしまい五井は少し躊躇していた。
「分かっていますよ。説明を聞いてから決めてもらって結構です。
さて、良から少し聞いていると思いますが、
この実験は人間の意識の一部を交換する試みです。
今回は対象を食欲に絞って実験をします。」
「食欲…か。
けっこう漠然としてますよね。」
五井にとっては最も身近でありながら、最も忌々しい欲求である。
しかし、その正体が何なのか五井もあまり考えたことがない。
「そうですね。一言で食欲と言ってもいろいろな面があると思います。
食欲は人間にとって基本的な欲求で誰でも持っているものですが、
単純に多い、少ないだけでは表しきれないものです。
食べ物の好き嫌いとか、食べる事や物に対して持つイメージとか、
空腹と満腹を感じる度合いとか、
人によってどんな条件で食欲が刺激されるかは少しずつ違うものです。
今回の場合、単に食べ物を欲する欲求そのものに加えて、
そういった食べることに対する感情やスキーマもひっくるめて
食欲と捉えます。」
698 :
入れ替え:2009/06/06(土) 20:11:35 ID:ERb0wzHQ
分かったような分からないような感じだが、
五井はとりあえず軽くうなずきながら聞いていた。
「つまり、食欲を単純に量として捉えるんじゃなくて、
個々人の持つ性質として考えるってことですか?」
「その通りです。
多いほうから少ないほうへ一方的に移すのではなく、
性質ごとそっくり入れ替えるというイメージですね。」
五井はなんとなく理解できたような気になってきていたが、
最後の入れ替えるという言葉が引っかかっていた。
「じゃあ、人格が入れ替わったりはしないんですか?」
「食欲が入れ替わることにより、
人格や性格に影響が出てこないとはいえませんが、
直接的な人格や記憶への影響はありません。
あくまでも食べることに対して催す欲求や感覚が対象です。」
圭は当然のように言ったが、本当にそんなことが
可能なのだろうかと五井は考え込んだ。
自分と他人の感じている感覚が入れ替わると
言葉でいわれても、想像力が追いつかない。
しえーん
ぶうぶう、ぶう。
(いくら豚とはいえ、ごろごろしてるだけじゃ太る一方なので、
今日から散歩に出ることにしました。)
ぶぶ〜。
(四足で歩くのって結構コツがいりますね。
小一時間近所を散歩してきただけなのに、
結構いい運動になりました。)
ぶひぶひ。
(いい匂いにつられて、途中で鯛焼き買って
食べちゃいましたけど。
表は表で食べ物の誘惑が多いみたいです。)
701 :
入れ替え:2009/06/07(日) 19:50:24 ID:nWeLYJAM
「やはり、説明を聞くだけでは少しイメージしにくいでしょう。
百聞は一見にしかず。動物実験の成果をお見せします。」
圭は近くの本棚から1冊のファイルを手に取ると
中から2枚の写真を取り出して五井に手渡した。
五井は小原にも見えるように2枚の写真を目の前にかざす。
写真にはそれぞれ白いものが写っていた。
(ネズミと…、大福餅…?)
五井は片方の写真に写っていたものを一瞬正しく理解できなかった。
しかしよく見れば、それは丸々と太った白いネズミだった。
「この2匹はどちらも生まれつき食欲に異常がありまして、
痩せている方、名前はハリスちゃんっていうんですけど。
そのハリスちゃんはまともに餌を食べようとせず、こんなに痩せちゃってます。
もう一方の丸っこい方はサクリちゃん。ご覧の通り食欲が暴走しています。」
五井は言われて気づいたのだが、ハリスと呼ばれたネズミは
毛並みはばさばさで足が細く、小さな肋骨が透けてみえるほど痩せている。
栄養失調なのだろう。
それに引き換え、サクリという大福餅の方は
憎たらしいほどつやつやとした毛並をしている。明らかに食い過ぎだ。
「ちなみに、食欲の入れ替え前は、サクリちゃんに好き嫌いはありませんでしたが、
ハリスちゃんは肉片やチーズなんかはほとんど食べず、野菜ばかり食べていました。」
(菜食主義のネズミか…。なんか生意気だな。)
五井はふと、並んで座って写真を見ている小原の方をちらりと見た。
そして世間的に見たら自分は大福餅の方か、と勝手に落ち込んだ。
702 :
入れ替え:2009/06/07(日) 19:51:49 ID:nWeLYJAM
「これは実験前の写真です。
食欲入れ替え後の2匹をお見せします。」
圭は部屋の隅から大きめのケージを二人の前に持ってきた。
ケージの中は中央を透明な仕切りで区切られ、その両側に
餌箱、水場、運動用のカラカラなどがそれぞれ同じように配置されていた。
その中に1匹ずついるネズミにもほとんど差が見られず、
仕切りで分けられた左右の空間はまるで鏡に映したようにそっくりだった。
五井と小原に覗き込まれて驚いたのか、2匹はしばらく隅のほうで警戒するように震えていたが、
やがて何事もなかったように、一方のネズミは餌箱に向かいカリカリと餌を食べ始め、
もう片方のネズミは、カラカラを回して遊び始めた。
「これ、どっちがどっちだか…。
っていうか、そもそも2匹とも別物じゃ…。」
2匹のあまりの変化に、五井は少し疑わしそうに圭に聞いた。
「いえ、間違いなくさっきの写真の2匹です。
今餌を食べているほうがハリスちゃん。
すっかり食欲旺盛になって、だいぶふっくらとしてきました。
餌の好き嫌いもなくなったようで、どんな餌を与えても食べてくれます。
反対にサクリちゃんは程よく痩せて、こんなに軽やかに動けるようになりました。
こちらは今は植物系の餌にしか興味を持たなくなったようです。」
確か双方の餌箱には数種類の餌が用意されているのだが、
サクリの方の餌箱に肉やチーズに手を付けた様子は見られない。
五井の信じられないものを目の当たりにしたという様子に、圭は少し得意げだった。
五井は圭の言葉を聞きながらも、
せわしなくカラカラを回すネズミの様子を見て何かを考えているようだった。
703 :
入れ替え:2009/06/07(日) 19:53:13 ID:nWeLYJAM
「興味を持ってもらえましたか?」
五井の様子を見る圭はどことなくうれしそうだ。
「少しだけ。
ところで危険はないんですか。
例えば、電気ショックを使うとか。」
「電気ショック?」
「先輩、あれは例え話ですよ。」
小原が慌てたように口を挟んだ。
「…すみませんね。良が変なこと言ったみたいで。
危険なことはありませんよ。」
五井を安心させるような穏やかな圭の口調は、
自分の研究にに対する自信を感じさせるようだ。
「それじゃ、やってみようかな…。」
「「本当ですか、ありがとうございます。」」
小原兄弟が同時に言う。
よく似た兄弟だと五井は少しあきれた。
>>700 乙です
豚状態での肥満化が進んでいるようで。
最初はかわいそうだったのに今は興奮を覚えているぐらいだww
現実に三桁を越えるのが待ち遠しいな。
元に戻っても全裸の4足で散歩させてやりたいぜ。
705 :
幸運の石:2009/06/08(月) 15:51:15 ID:gpCgGxBg
「今日もとってもおいしいです。いつも本当にありがとう」
「恐縮です・・・これも使用人の務めですから」
雄介は、斉藤と軽くお辞儀を交わした後、嬉しそうにショートケーキをほおばった。
このショートケーキは最近の雄介のお気に入りだ。絶妙な甘さのバランスがたまらなくおいしく、この間は2人で1ホール食べてしまった。
斉藤さんは、毎日の登下校の送迎の後には必ずこのケーキを用意してくれる。
お昼にもバスケットいっぱいの昼食を用意してくれて、量が多いと感じながらも、いつも2人で取り合っているとやっぱり完食できてしまう。
今まで毎食だけでお腹いっぱいだったが、最近はおやつや夜食も食べられるほど、2人はこの生活に慣れてきた。
家事全般も全て斉藤さんがやってくれるので、今まで忙しなく動いていた雄介はほとんど動かないで生活できる。
雄介にとって、斉藤さんの存在は本当に幸運であった。
雄介がケーキに舌鼓を打っていると、斉藤が急にドアのほうへと目を見張った。
雄介には何なのかわからなかったが、すぐにその方向から物音が聞こえてきた。
今日は良太郎は部活で遅いはずだ。チャイムを押す音も、人の声も聞こえない。
「お邪魔しまーす」
戸の開ける音が聞こえたかと思うと、すぐに良太郎の声が聞こえてきた。
「なんだ、良太郎か・・・」
強盗でも着たのではないかと思っていた雄介がほっと胸をなでおろして斉藤を見たときには、
すでに険しい目つきを一瞬で元の優しげな目に戻して玄関へと向かっているところだった。
「良太郎様、いらっしゃいませ」
「チャイムくらい鳴らしてよね・・・でも今日は早いね。部活は休みだったの?」
いつも部活後に良太郎が雄介宅に顔を出す時刻にはいささか早い。斉藤さんが警戒したのもそのせいだろう。
良太郎はいつもチャイムを鳴らさないが、やってくる時刻を把握している斉藤さんは、いつもそこまで警戒はしていない。
「いやそういうわけじゃないんだけどな・・・」
良太郎はばつが悪そうに言うと、そのまま乱暴に椅子に座って、斉藤が出したアイスティーを一気に飲み干した。
複雑そうな表情をした良太郎を見て、すぐに雄介はなんかあったんだな、と思った。伊達に十数年付き合ってはいない。
706 :
幸運の石:2009/06/08(月) 15:52:04 ID:gpCgGxBg
「なんかあったの?いつもならケーキ食わせろーとか言うのにさ」
「あー・・・ほら、あれだ・・・」
良太郎はいいづらそうにもごもごと口を動かしていたが、身を案じる雄介の視線にようやく観念したのか、大きく一息ついた後に左腕をまくった。
長袖のワイシャツを肩まで上げると、それはすぐに見えてきた。良太郎の肘が、包帯でグルグル巻きにしてあったのだ。
「お前には言わなかったけど昨日投球練習中に肘痛めちまってさ・・・だから部活やめてきた」
「だ、大丈夫なの!?」
雄介は思わず声を張り上げた。
「もう痛みはほとんど感じない。私生活に支障はないけど、激しい運動はしないほうがいいってさ。病院にはもう行った」
良太郎は数回右腕を動かせて見せた後に、乾いた笑いを浮かべた。
「前から兆候はあったんだ。だからばあちゃんに言われた時、これなんだろうなってさ・・・まだわかんないけど、多分もう球は投げられないって言われた」
「だからってそんなに簡単にやめちゃっていいの?中学から続けてたじゃない」
良太郎は中学1年からずっと野球部に入っていて、中二の頃にはキャッチャーの補欠だった。
レギュラーにはなれなかったし、そんなに好きじゃないからといつも言ってはいたが、それでも毎日のように練習を繰り返していた良太郎が
まんざら嫌いでもなかったことを雄介は大分前から知っていた。だからこそその疑問はなお更だった。
「元々そこまで好きだったわけじゃないしさ。思い入れはあるけどばーちゃんに言われたから、もう大分前に覚悟はできてた」
「そっか・・・」
残念そうにうつむいていた雄介を見た良太郎の口元が少し緩んでいた。
「バカ、お前が落ち込むことないだろ・・・まぁお前らしくてそういうところ好きだけどさ・・・それに体のほうも大分ぶっくり来ちまってるからな」
そういいながら良太郎はお腹を叩いて見せた。ポンというしまりのない音が辺りに響く。それは筋肉とは違うもの・・・紛れもなく贅肉がたまっていることを示していた。
しまりのあった二の腕も大分緩み、筋肉でしまっていた顔の輪郭は、脂肪で丸みを帯びている。
元々がたいの良いおかげでそれといって目立つわけではないが、以前より2周りほど肉付いていることが他人の目から見ても明らかだった。
707 :
幸運の石:2009/06/08(月) 15:52:41 ID:gpCgGxBg
「ま、お前ほどじゃないけど」
そういった後、良太郎は横目で雄介を見る。
「え?・・・そうかな」
雄介はフォークを口にくわえたまま、自分体に視線を下ろした。
一ヶ月前までは十分すぎる余裕があったMサイズのワイシャツは、ぴっちりと体にまとわり付いてる。
ボタンはすでに悲鳴を上げていて、ぐいぐいとお腹に食い込んでいる。次の瞬間に全てのボタンが弾け飛んでもおかしくなさそうだ。
実際に一番窮屈な腹部辺りのボタンは、いつの間にかひとつなくなっていて、ぱっくりとぱっくりと穴が開いている。
そういえば制服の太もも辺りも最近は相当窮屈になっていて、今日もはくときにお腹を引っ込めてようやくボタンを閉めたのを、雄介は思い出した。
特に腹回りが深刻で、今までペチャンコだった腹筋は、締め上げられたワイシャツの上からでもはっきりとわかるくらいにせり上がり、ジーパンの上にぽってりと鎮座している。
ボタンとボタンの間からは、生地が足りずに間が空いて、そこから下着がはっきりと目視できるほどだった。
良太郎よりはまだ体重はなさそうに見えるが、確実に良太郎の体格に近づいてきている。
まだかろうじてガッチリと表現できる良太郎に比べ、雄介は着実に脂肪を溜め込んで、以前の不賜り以上も体積を増やしていた。
「あ、これ太ったんだ。てっきり服が縮んだのかと思ってた」
「んなわけないだろ・・・なんだか悩んでたのがあほらしくなっていた」
苦笑いする雄介に、良太郎は完全にあきれ返ってしまっていた。
「私は以前の雄介様より今のほうが健康的でよいと思いますが」
「まぁ、前よりはな・・・俺もこうなんのかなー・・・」
がっくりと肩を落とした良太郎を見て、ケーキを用意していた斉藤は、ケーキナイフを持ったまま切り分けの作業を止めた。
「では良太郎様は今日のケーキはお止めになりますか?」
「もちろん食べる」
斉藤は即答した良太郎を見てニッコリと笑った後、テーブルにショートケーキを置いた。
「あー・・・なんかもやもやする・・・今日はやけ食いだ!雄介も手伝えよな!」
「てかそれっていつものことじゃない?」
「・・・まぁな」
そうしてお互いの体を眺めて、何も言わずに笑いあった。
708 :
幸運の石:2009/06/08(月) 15:53:16 ID:gpCgGxBg
その間、ケータイに付いたあの石がカバンの中の暗闇できらきらと淡く輝いていたことを、2人は知る由もない。
その日の夜。依然として食欲旺盛な2人は、今日はなんだかいつもよりたくさん食べれた気がした。
「な、ななじゅうにきろ・・・」
風呂上がりの雄介は、眼下に広がる体重計のが示す信じられない数値を見ながら、絶句していた。
3ヶ月前ほど前に計ったとき体重は確か49キロだった。単純に計算してみても23キロ増である。
少し体が重いかなとは思っていたが、まさかここまで増えているとは思っていなかった。
雄介の身長は164センチ・・・標準体重など、とっくのとうに過ぎてしまっていた。
「最近動いてなかったもんな・・・これは本格的にやばいかも・・・」
下着しか着衣していない雄介に着込んでいたからと言ういい訳も通用しない。
斉藤さんが大きすぎるかも、と言って用意してくれた衣服全般は、LLサイズの表記がなされている。まだまだ余裕があるが、このペースで増え続ければすぐに限界に達してしまうだろう。
雄介は現実を整理するように体を一通り触る。触れる度に感じる柔らかい触り心地・・・間違いなくこれは雄介の、72キロの体だ。
「雄介様。お夜食のご用意が出来ましたよ」
「風呂上がったんだろ?早く来いよー」
リビングから和気藹々とした声が聞こえてくる。そんなもの食べてたらもっと太っちゃう・・・。鈍感な雄介にもようやく危機感が芽生え始めていた。
いらないって言おう。これからダイエットすればまだなんとか・・・
パジャマに着替えた雄介は、心を固結びで結んで、ドアを開ける。
「い・・・」
と言ったとたんに、鼻にはいつものようにおいしそうな匂いが香ってくる。
テーブルの上に置かれたおいしそうなサンドイッチ。新鮮な生ハムやトマト、香ばしい豚肉の臭いが、より一層食欲をそそらせる。
これを口に入れたらどんなにおいしいだろうか・・・
709 :
幸運の石:2009/06/08(月) 15:57:44 ID:gpCgGxBg
「いただきます・・・」
心を抑えた固結びは、サンドイッチのハサミで一撃にしてちぎられてしまった。
雄介はサンドイッチをぱくつきながら、自分の意志の弱さを嘆いた。
(斉藤さんはあと1ヶ月で帰っちゃうんだし・・・今のうちにいっぱい食べておかなくちゃもったいないよ)
(そうだ、ダイエットは1ヵ月後!一ヵ月後からにしよう!それからでも遅くないさ)
そう言ってハムサンドに噛り付きながら一人で小さくうなずいた雄介。
そして数十分前に同じ体重計で80キロをたたき出した良太郎が、今現在同じことを考えていることを雄介は知らない。
今回はこんな感じです。2日以内っていったんですが
少し見直してたらなんかおかしくなっちゃったので1から書き直してました・・・
今日は余り時間がなかったので、おかしい部分があったらすみませんorz
>>700 SS乙です!
人体実験に失敗はつき物ですから・・・どうなるか楽しみです!
それでは〜
ss乙です!どちらも肥満化が始まったようで、毎日楽しみですw
げぷっ。ぶひぶひ、ぶひ。
(げぷっ。近所の少し大きい公園まで散歩してきました。
水のみ場で水を飲んで休憩してたら、子供が寄ってきて
あっという間に囲まれてしまいました。)
ぶひ、ぶひ〜。ぶうぶう。
(ちょっと調子に乗ってお手とかお座りとかやったら、
すごく受けて、お菓子とかホットドッグとか
たくさんもらってしまいました。
俺がお菓子を食べるのがまた面白いらしくて、
次から次に食べ物が出てきました。)
ぶぃ、ぶぃ〜。
(俺も食べるのに夢中になってて、気が付いたら、
お腹がパンパンになっていました。
でも膨れたお腹を優しく撫でてもらうのも
いい気持ちでした。)
ぶぃぶぅ。
(
>>704 人間に戻ってたらさすがに裸で散歩は勘弁です。)
ぶひ〜。ぶひぶひ。
(
>>709 乙です。
小柄で痩せた子を太らすのもいいですね。
雄介かわいいなあ。)
712 :
入れ替え:2009/06/08(月) 19:17:37 ID:rMUYnzS3
「では、早速とりかりましょうか。
本当は数日間の食事のデータなどがあるといいんですが、
今回は食欲の変化を当人達で実感してもらえれば十分でしょう。
実験にはあれを使います。」
そう言って圭は部屋の隅にある変わった形の台のようなものを指差した。
それは机を2つ向かい合わせに並べてつなげ中央に板を立てたようなもので、
両側に椅子が設置されており、
ちょうど鏡台を二つ背中合わせに張り合わせたような形をしていた。
「この台に?」
「はい、良と五井さんでこの両側に座ってもらいます。」
五井と小原は言われるがままに、それぞれ台の両側の椅子に座った。
五井が椅子に腰掛けると、板越しに小原がこちらを見ているのがわかるのだが、
板には自分の顔もかなりはっきり映って見える。
「この板はガラス?鏡?」
「これはマジックミラーの一種で、鏡の手前と向こう側の景色が半分ずつ
重なるように見えるものなんです。」
確かに鏡にはぼんやりと五井と小原の輪郭が重なって見える。
外が暗闇の状態で窓ガラスに写った影を見ているようだ。
二人の体格差のため、大きな五井の影が小原の影を飲み込んでしまっている。
鏡の向こうで小原がにっこりと笑っているのが分かり、五井は苦笑いをした。
713 :
入れ替え:2009/06/08(月) 19:18:48 ID:rMUYnzS3
「さて、始めましょう。これをつけてください。」
圭は五井と小原にそれぞれヘッドホンを渡しパソコンのほうへ向かった。
ケーブルの先はパソコンにつながっているようだ。
五井がヘッドホンを耳に当てると、不規則に弦を弾くような音が断続的に聞こえてきた。
高くなったり低くなったり、突然消えたり聞こえてきたりする音は、
聞いていてなんだか心が不安定になってくるようだ。
「できるだけ、相手の目を見るようにしながら、
食欲が湧くようなことを考えてください。
好きな食べ物や今食べたい物を思い浮かべるとか…。」
突然言われ、五井は困ったように少し考え込んだ。
(好きな食べ物か…。たくさんありすぎて困るな。)
「小原、今何が食いたい?」
「そうですね…。春雨サラダかな?」
(…参考にならん。)
五井はとりあえず、焼肉を焼く様子を思い浮かべてみることにした。
急に思い浮かべるように言われたときには少し戸惑ったが、
ちょうど小腹も空いてきていて、脂の焦げる香ばしい香りを思い出すと涎が出てきた。
(今夜は焼肉にするか…。そうだ、小原の目を見るんだったな。)
714 :
入れ替え:2009/06/08(月) 19:20:26 ID:rMUYnzS3
五井の視線と小原の視線が一点で重なる。
耳元で聞こえてくる不規則な音は徐々にそのテンポを早めながら、
次第にいくつもの音域の音が重なるように複雑になっていく。
五井は少しずつ頭がぼんやりとしてきた。
目の前の小原の輪郭と自分の輪郭の境目が曖昧になって、
どちらの影がどちらのものか、一瞬分からなくなりそうになる。
すると、今まで考えていた焼肉のイメージがすぅっと
頭から抜けていくような奇妙な感覚を感じた。
(あ、あれ…。焼肉ってどんな味だっけ?)
今度は、チーズのとろけるあつあつのピザを思い出そうとするが、
そのイメージもまた同じようにふわりと溶けてなくなってしまった。
それから五井が好きな食べ物を思い出そうとする度に、一瞬そのイメージが
鮮明に頭に浮かび上がるのだが、次の瞬間にはまた煙のように消えていくのだった。
次第に、自分で意識しているわけでもないのに次から次へと
食べ物のイメージが湧いてきて、頭を駆け巡っていくようになっていった。
まるで、前菜からデザートまでがでたらめの順番で出てくるフルコースを
食っているような、奇妙な感覚である。
そんな感覚に身を任せていると、不思議なことに
軽く空腹を感じていたはずの腹が少しずつ膨れてきたような気分になってきた。
そのうち、しっかりとした食べ物のイメージも崩れてきて、
漠然とした味や食感がだけが頭の中で再現されるようになり、
もはや何かも分からないものが口から腹に入ってくるような錯覚に陥る。
(ああ、もう腹いっぱいだ。)
実際には胃袋は空っぽに近いのに、食欲は満たされいた。
五井は満腹感に酔いしれながら、ゆっくりと意識を失っていった。
715 :
入れ替え:2009/06/08(月) 19:22:09 ID:rMUYnzS3
「五井さん。起きてください。」
圭の声が掛かかると、五井は意識を取り戻し体を起こした。
「ん?俺、いつの間に寝ちゃったんだろう?」
先ほどまで感じていた食べ物の感覚はもうない。
ヘッドホンを外しながら腹を軽く撫でると、ぐぅと小さく腹の虫が鳴いた。
腹も空いた状態である。
(あれは、夢だったのか?)
目の前を見ると、小原が机に突っ伏して眠っていた。
「良、終わったよ。起きて。」
圭が揺すり起こすと、小原はむくりと起き上がり、
やはり不思議そうに腹に手を当てていた。
(小原も同じように感じていたのか…?)
まだ少しぼんやりとした小原の表情を見ながら、
実験中のイメージを思い出そうとしたが、うまく思い出すことができない。
「あの、実験はうまくいったんですか?」
何の変化も感じられず、いまいち入れ替わった実感の持てない五井が圭に尋ねる。
「それはまだ何とも言えません。
実際に五井さんが確かめてください。」
そうは言いながらも、圭は成功を確信しているような目をしていた。
716 :
入れ替え:2009/06/08(月) 19:24:21 ID:isp15UqT
圭は再び五井と小原をソファに座らせ話し始めた。
「これから2ヶ月、二人にはこの状態で生活してもらいます。
そして、正常に戻るか確認するために、2ヵ月後には一度元に戻します。
もし希望があれば、その後でまた入れ替えることも考えますが。」
「2ヵ月後か…。俺の方が痩せてたりしてな。」
「ええ、楽しみですね。」
五井は冗談で言ったのだが、小原はけっこうその気のようだ。
「もし体調不良などおかしな点があったらすぐ知らせてください。
五井さん。良。今日はお疲れ様でした。」
圭はそういって二人にそれぞれ封筒を手渡した。
「謝礼です。
今日はぜひおいしいものを食べてください。」
五井と小原はエントランスまで圭に見送られ、圭の家を後にした。
乙
お二人とも文章うま杉て軽く嫉妬ww
>>石の人
ダイエット先延ばし精神のふたりが可愛いと思う俺は末期
斉藤さんも実はそういう趣味の持ち主だったりしてwwとか思ってしまった
>>入れ替えの人
描写から五井と小原の体格差を想像してみたが……すげぇな……
やがて体格まで逆転しちゃう事を考えるとめっちゃwktkしてきたw
職人さん方ss乙!
>>709 良太郎の悩みはあんまり深刻にならなくてよかったぜ
悩みゆえのドカ食いもいいけどね
1ヶ月のターボが気になるw
>>716 これから体型がひっくり返るとこまでいくのか
それとも……実験物は結果が楽しみすぎる
結果にいかんではデブの大量生産が……
ぶひぶひぶひ。
(散歩に出るようになったので、
野良豚と間違えられないように、
首輪とドッグタグを買ってきました。)
ぶい、ぶい〜。
(首輪は結構種類が豊富で
鈴やリボンのアクセサリーが付いたかわいいのから、
シルバー系の渋いのまでいろいろありました。)
ぶうぶひぃ。
(俺には愛玩豚用の首輪では小さすぎるので
大型犬用のシンプルなのにしました。)
720 :
入れ替え:2009/06/09(火) 20:08:15 ID:anKzbm1l
マンションから出ると小原が五井に話しかけてきた。
「先輩、晩ご飯食べていきませんか。
せっかく謝礼金もらったことですし。」
「ああ、そうだな。小原は何食いたい?」
「僕、何だか焼肉が食べたくなってきました。
普段はあんまり食べたいと思わないんですけど、
今日は何だか無性に焼肉が食べたい気分なんです。」
そういえば実験中に自分も今夜は焼肉にしようかと考えていたな、
と五井は今頃になって思い出した。
「じゃあ、そうするか。
謝礼結構出たし、奢ってやるぞ。」
「え、いいですよ割り勘で。僕ももらっていますから。」
「いいのか、そんなこと言って?
俺と一緒に焼肉食って割り勘じゃ、お前大損するぞ?」
五井は少しおかしそうに笑って、小原に見せ付けるように腹をポンと叩いた。
同時に腹の底からぐぅ〜という大きな音が聞こえてきた。
「それでもいいです。」
「わかったよ。じゃ、今夜は小原君にご馳走になるとしようかな。」
そう言って五井は少しにやけながら焼肉屋を目指して歩き出した。
721 :
入れ替え:2009/06/09(火) 20:09:29 ID:anKzbm1l
「豚と牛の上カルビとロース、全部5人前ずつ、
それからタン塩、ホルモンセット、ソーセージ盛り合わせ、
あと、野菜盛り合わせと、ご飯大盛り。
…あ、それから、春雨サラダ。」
「僕は、…ご飯小盛りください。」
五井は遠慮もなしにいつもの通りに注文し、
しばらくするとテーブルの上は肉を載せた皿でいっぱいになった。
「二人だけでこんなに…。食べ切れるんですか?
それに先輩、ダイエット中じゃなかったんですか?」
「ああ、いいよ明日からがんばるから。
さて、食うぞ。」
五井は機嫌よさそうに網いっぱいに肉を載せ始めた。
まもなく、肉の焼けるいい匂いがテーブルに立ち込めてくる。
(ん、なんかいつもと違うような…?)
網の上の様子を見ていた五井は違和感を覚えた。
肉が焼けるのを待つ間の食欲の高まりをあまり感じないのである。
いつもなら、口いっぱいに涎が溢れ、
待ちきれずにまだしっかり焼けていないの肉にも手を出すほどなのに、
今日に限ってなぜか淡々と肉の焼ける様子を見ている自分に気が付いた。
722 :
入れ替え:2009/06/09(火) 20:10:32 ID:anKzbm1l
「ごくん…。お、おいしそう…。
先輩、食べないんですか?」
たくさんの皿を目の前にして困惑していたはずの小原が
もう待ちきれず今にも手を出しそうな様子で肉を見ていた。
先輩である五井に遠慮しているのだろうが、
目つきがぎらぎらとして我慢が限界に近いのが五井にもよく分かった。
いつもの五井がちょうどこんな様子である。
「ああ、俺に遠慮しなくていいぞ。食え食え。」
「そ、そうですか。じゃあ、いただきます。」
小原は最初に焼けた肉を箸で掴むと、小皿にたらしたたれにつけ、
ぱくりと口の中に放り込んだ。
「お、おいしい。」
その一口を始めとして小原は焼けた肉を片っ端から食べ始めた。
網の上の肉が小原の次々と小原の口へ消えていく。
「先輩も食べてください。すごくおいしいですよ。」
自分が食べて空いた網のスペースに肉を載せながら、
小原が少し興奮したように五井に言った。
「あ、ああ。」
小原に促され五井も食べ始めたが、やはりいつもと感覚が違う。
肉の味はいつもと変わらないし、確かにうまいとは思うのだが、
数枚も食べるうちに舌に絡みつく脂の粘り気が気色悪くなり、
つい箸休めに頼んだつもりの春雨サラダばかりに手が伸びていく。
723 :
入れ替え:2009/06/09(火) 20:12:20 ID:anKzbm1l
「あ、店員さん、ご飯のおかわり、中盛りでお願いします。」
小原の食べるペースはご飯を1杯食べた後も衰えることなく、
追加のご飯を待つ間にも肉を食べ進め、
皿の上からはどんどん肉が消えていった。
一方の五井は野菜をおかずにご飯を食べたていったが、
最初に頼んだ大盛りご飯の半分の食わないうちに箸が止まってしまった。
いつもの感覚で言えばまだ胃袋はほとんど空っぽであるにもかかわらず、
なぜかもうそれ以上食う気が起きなくなってしまい、
あとは小原の食う様子を見守っているだけだった。
(やっぱり入れ替えは成功しているのか?)
五井は、体調が悪いわけでもないのに食欲が湧かないという、
自分にしては極めて不自然な状況に少し戸惑いながら、
今日、圭の部屋で体験した不思議な感覚を思い出そうとしていた。
724 :
入れ替え:2009/06/09(火) 20:14:31 ID:b0+xz1CQ
「ああ、おいしかった。げっぷ。」
やがて小原も満腹したらしく、満足そうに大きなげっぷを漏らす。
結局、注文した肉を一人でほとんど食った上にご飯を3杯もおかわりしていた。
先日までの小食が嘘のような大食漢ぶりである。
五井は感心したようなあきれたような目で腹を撫でる様子を見ていた。
「…あ、あの、僕がお金出しましょうか。」
その視線に気づいた小原が少し申し訳なさそうに申し出た。
「いや、割り勘でいい。
それよりお前、腹は大丈夫か?」
小原の腹はシャツ越しにもポコッと膨れているのがよく分かった。
「はい、少し苦しいですけど、大丈夫です。げぷっ。」
そうは言うものの小原は重そうな腹を抱えて、
体を起こしているのも辛そうである。
「無理するなよ。食いすぎだ。」
五井は小原から預かったお金も合わせて会計を済ませると、
タクシーを捕まえて小原を自宅まで送っていった。
入替え作者さん乙
実験は成功したように見えるけど...
体型も入れ替わっような状態にまでなるのかな?
入れ替えを戻したあとに、リバウンドとかするのかな?
妄想ふくらみまくり...
726 :
幸運の石:2009/06/10(水) 01:02:01 ID:g89AHLxn
時間はあっという間に過ぎ、時期は7月の初め、もう数週間で夏休みに突入しようとしていた。
梅雨が明けて間もなく、からっとした太陽が照りつけ急激に上昇した気候に夏バテを起こすものも少なくない。
雄介たちもまた、その中の一人だった。
「夏ってこんなに暑かったっけ・・・」
「もう部屋から一歩も出たくねえ・・・」
雄介たちは、団扇を片手にリビングで斉藤さん特製のバニラアイスを咥えて、夏の暑さに唸っていた。
クーラーからは冷ややかな風が吹き出しているものの、2人の体からはうっすらと汗が流れ出して半袖のTシャツの襟ははっきりと汗で2色に分かれている。
「冷房の温度を下げておきますね」
汗ひとつ流さずに、長袖のスーツを着込んだ斉藤は、涼しい顔をしたままクーラーの温度を20度にまで落とす。
同じ部屋に居ると言うのにまるで雄介たちとは別世界に住んでいるようだ。
「斉藤さんはそんな服で暑くないの・・・?」
「ええ、これが使用人としての嗜みですから。アイスのおかわりです」
斉藤さんは、空になった器を中身の入った新しい容器に変えていた。
雄介たちはお礼をし、良太郎は早速本日5杯目のアイスに手を出したが、一方の雄介は斉藤さんの姿をまじまじと見つめている。
「どうかしましたか?」
斉藤さんは、そんな雄介の視線に気が付いたようで、雄介のほうを振り返りながら言った。
雄介は思わず視線を顔をアイスに向け、スプーンをもってそれをすくう。
「今更だけど、こんな普通の家で使用人って・・・嫌じゃないですか?」
アイスを口に含むと、雄介は一言小さくつぶやいた。
不満ひとつ言わずになんでもしてくれる斉藤さんに、雄介は以前からすまないと思っていた。
斉藤さんが日にいくらもらっているかはわからないが、もっと立派な家に仕えれば賃金も高いだろうし、誇りを持って使用人だって言えるだろう。
それがこんな普通の家だなんて・・・雄介が斉藤の立場だったらきっと耐えられないに違いない。
だが、斉藤はそんな雄介の疑問に、首を横に振って答えた。
「そんなことありませんよ。私達は家ではなく、人に仕えるものです。とてもお優しい雄介様の側でお世話が出来て、私は満足していますよ」
「そんなこと言われちゃうと照れちゃうな・・・」
真顔で言う斉藤を見て、雄介は恥ずかしそうに目線を反らす。
727 :
幸運の石:2009/06/10(水) 01:03:24 ID:g89AHLxn
「・・・それに、使用人になってからほとんど趣味になっていた料理を生かすことが出来て、本当に嬉しいんです。
そしてそれを最高の笑顔で食べてくれる人達がいる・・・私は本当に恵まれています」
「まぁ、そのおかげでこんな体になっちまったんだけどな」
良太郎は、団扇を仰ぎながら苦笑いを浮かべる。雄介も、流石にそれには返答しかねて笑って答えるしかなかった。
「私も2人が余りにおいしそうに食べていただけるので、ついつい料理を作りすぎる傾向になってしまいまして・・・申し訳ありません、使用人失格です」
恭しく頭を下ろす斉藤を見て、雄介は慌てて首を振る。
「斉藤さんが謝ることないよ。斉藤さんは僕達が食べたいって言うから作ってくれてるだけだし」
「それに結局作りすぎても俺達で全部食べちゃうしなー」
良太郎も間食したアイスの皿を流しに片付けながら、そう言って雄介に同意した。
本当に最近なんでもおいしくって、ついつい限界まで食べ過ぎてしまう。一食にハンバーガー1つで済ませていた4ヶ月前が嘘のようだ。
ついこの間大き目のほうが後々楽だと思って新調した3Lの服は、すでにぴったりとしたサイズにまで成長している。
もちろん制服も変えなければいけないので衣服代だけでもバカにならないが、この間当てた3億円があれば頻繁に2人分買ってしまっても何の問題もなかった。
そのせいか、服による抑止力もほとんどなくなってしまい、雄介たちが数ヶ月前に感じた危機感は、脳の片隅にまで追いやられてしまっていた。
また太っちゃうかもしれないけど、夏休みに運動すれば大丈夫だよね。雄介がそんなことを考えながら6杯目のアイスを口にしていたとき、玄関のほうから甲高い電子音が響いてきた。
雄介はすぐにそれが電話の呼び鈴だということに気づき、席を立とうとする。
だが、そのときにはもう玄関へと向かう斉藤がリビングから出ようとしているところで、それを目視した雄介はそのどっしりとした重い腰を再度椅子の上へと乗せた。
「麻里様からお電話です」
すぐに玄関から戻ってきた斉藤が雄介に受話器を渡す。
母と話すのは由に2ヶ月ぶり。2人で母を見送ったあの日以来だった。
「もしもし」
「もしもーし。2ヶ月ぶりね、雄介。3人で元気にしてる?」
728 :
幸運の石:2009/06/10(水) 01:03:50 ID:g89AHLxn
雄介の返答にすぐに聞きなれた母の声が聞こえてくる。ほんの数ヶ月しかたっていないのに、雄介はあれから半年以上たっている錯覚になった。
だが、そんな雄介の感情とは裏腹に、以前とはちっとも変わらない母の声が、それが違うことを教えてくれる。
最近周りがめまぐるしく変わったものだから、雄介にはそれがわけもなく嬉しかった。
「うん、僕も大分慣れたよ。斉藤さんもすごくよくしてくれるし・・・最初はどうなるかと思ったけどね」
「あんたのために料理が得意な人を選んだ私に感謝しなさいよ。・・・それより話があるんだけどね」
「あぁ、そろそろ帰ってくるんでしょ。今年はいつぐらいに帰れるの?」
雄介は、母の言葉にすぐに回答した。
母は出張中にはあまり電話をしてくれる人ではない。理由は時差だったりと色々あるけど、基本的には仕事が忙しいからだと思う。
それでもいつもは定期的に連絡はくれるものの、今回は斉藤さんを雇ったくらいなのだから、次に電話が来るときは帰国の予定の事だろうと思っていた。
「それがね・・・先方に偉く気に入られちゃって、もう少し長く居てくれって頭下げられちゃったのよ。・・・だから夏休み中には帰れないかも」
雄介は、すぐに不満が喉から出そうになった。だけどそれが口から出ずにすんだのは、受話器から聞こえる母の声が本当に申し訳なさそうだったからだ。
自分のために働いている母を攻めることなど、雄介にはとても出来ない。
雄介は、その言葉をぐっと奥底に飲み込んだ。
「しょうがないよ、お仕事だしね・・・がんばってね」
「ありがと・・・ごめんね。じゃあ斉藤さんにももう少しお世話になるっていっといて」
「うん、わかった」
残念な気持ちはもちろんあったが、昔からこういうことは良くあったので、雄介にとって案外当たり前のことだった。
それに、斉藤さんの料理がもう少し長く食べられるかと思うと、なんだかそれも許せてしまう。もちろん、それがどういうことなのかはわかっているのだけれど
「それと、あんた少し声変よ?なんかぐぐもってる感じ・・・夏風邪引いた?」
雄介は思わずドキッとした。反射的に喉を押さえた手のひらには、大分肉付いたおかげであるはずの喉仏を触るがない。
自分でも自覚していたが、それは現在も体に蓄え続けている脂肪のせいに違いなかった。
729 :
幸運の石:2009/06/10(水) 01:04:33 ID:g89AHLxn
「そ、そうかな・・・?電話だし聞き間違えじゃない?」
「親が子供の声聴き間違えるわけないでしょ。あんた体が弱いんだから気をつけなさいよね・・・それじゃあ、電話代高くなっちゃうから切るね」
「あ・・・うん。じゃあね」
そういって、雄介は受話器を切る。それを斉藤さんが玄関まで戻していく後姿を見ながら、大きなため息をついた。
「体が弱い、ね・・・」
最近、この怠惰な生活が完全に慣れてきたおかげで、雄介の体の肥満化は更に加速度が増していた。
太ももはむっちりと肉が付き、もう少しすれば立っているだけでも太もも同士がくっつきあってしまいそうだ。
ほっぺたは牡丹餅を両頬に詰めているように膨らみ、顎は寝転んだりすると身に付いた贅肉のおかげで二重になってしまって、顎と首の肉がくっついく違和感を感じるようになっていた。
腹もただでさえ丸々と成長してきたと言うのに、座るとそれがどどんと前に飛び出して、以前根元にだけ乗っていた腹肉はたっぷりと太ももの上に乗っかるようになり、
今スプーンを握っている手も、間接部分が浮いて見えるほど細かったというのに、今ではウインナーのように寸胴に、そしてぷっくりとおいしそうな肉厚になっていた。
雄介の体は、すでに弱いなどと言われていた数ヶ月前とはまったくの別人にだ。
「今の俺達を見たら、おばさん驚くだろうな・・・卒倒するかも」
この頃には良太郎も部活を止めてからは腕の心配をする雄介の進めもあって、一緒に車で通学するようになっていた。
更に先生の余計なおせっかいによって唯一体を動かせる体育の時間が見学になり、良太郎の筋力は確実に衰えていた。
それでもなお、食欲は以前にも増して右肩上がりで上昇している。ここまで言えば、後は良太郎の体がどうなったのかなど容易に想像が付く。
日々を美食に費やした体はたっぷりと脂肪で覆われており、筋肉が大部分を占めていたその体は見るも無残に膨れていた。
腕は以前の2周り、うっすらと割れていた腹筋は、贅肉で堂々と前に飛び出して、ピンとはった太鼓腹へと変貌を遂げる。
2人とも100人に聞けば100人がデブと言うだろう。
SS乙!
延長戦来た!
どこまで肥満化するんだろうなぁ
さすがに下の世話までしてもらうわけにもいかんだろうしww
731 :
幸運の石:2009/06/10(水) 01:21:43 ID:g89AHLxn
「なぁ、お前体重何キロだよ・・・もしかして100いった?」
雄介は、恥ずかしそうに顔を赤らめながら首を大きく振り、全力で否定する。
「いってないよ・・・でも内緒。良太郎は?」
「・・・内緒。でも俺もまだ100は行ってない」
良太郎も、目線を外しながら小さくつぶやいた。
この時2人の体重は、自身が見たこともない数値にまで達していたものの、言葉に嘘偽りなく100キロにはまだ達していなかった。
まだ・・・
今回はこんな感じです。
他にも学校生活とか色々と詰め込みたいんですがこれ以上に長くなっちゃいそうなんで我慢我慢・・・
これから加速度を上げてどんどん太らせるつもりなんですが、そうするとストーリーが破綻しちゃいそう・・・SSは難しいですね・・・
>>719 入れ替えSS乙です!
すっかり入れ替わっちゃいましたね。2ヵ月後はどうなっているのか・・wktk
それにしても綺麗に文章まとめられてて・・・勉強になります。
自分ももっとうまく書けるようになりたい・・・
>>691,692,710,717,718
感想ありがとうございます!
良太郎は爆弾抱えて悩んで吹っ切るまで数ヶ月ドカ食いしてぶくぶくと・・・ってのは考えたんですけど、
やっぱりそういうのは・・・って思ってすんなりに解決させちゃいました。それじゃ幸運じゃないですし
やりすぎるとこじれて読みづらくなっちゃいそうだったんで・・・フラグへし折っちゃってすみませんorz
題名通り2人には幸せに太ってもらうつもりです。
自分はまだまだ未熟なのでどうしても長くなってしまいますが、出来るだけ凝縮して完成させたいです。
せめて改行とかして間を空けたほうがいいんでしょうか・・・本当に読みづらくて申し訳ありませんorz
書き溜めもかなり少なくなってきましたので、ちょっと時間が空くかもしれないです・・・
それでは〜
ss乙ですー!仕事中に見て変に興奮してしまった…w
>>入れ替えの人
さっそく効果が出てるwwこれは今後二カ月の変化に期待ですねw
>>石の人
二人共いいかんじですねw個人的には良太郎に萌え萌えです><w
演出・表現で行間調整したいけど、あんまり改行多いと投稿分かれちゃうとかありますよね;僕も改行の扱いは大分悩み上がら書いてます;
ぶひぶひぃ。
(せっかく首輪を買ってうきうきしてたのに
天気が良くなかったので散歩は中止しました。)
ぶひぶひ。
(この体じゃ腕立ても腹筋もできないし、
ごろごろするより他ないんですよね。)
ぶぅ。
(昼寝してるだけでもお腹はしっかり空くし。)
ぶひ〜。ぶうぶ〜。
(
>>731 乙です。
そのまま夏休み突入ですか。
余計抑制が効かなくなりそう。
それにしても、斉藤さんいいこというなあ。)
ぶひぶう。
(時間かかっても長くなってもいいので
遠慮せず書きたいものを書いてください。
たぶん楽しみにしてる人の方が多いです。)
734 :
入れ替え:2009/06/10(水) 20:34:16 ID:KjcMnbHN
翌朝、五井が目を覚ますと腹がぐぅ〜ぐぅ〜と大きな音を立てていた。
「そういえば、昨日はあんまり食えなかったっけ。」
これだけ腹が空いていればと、いつものようにどんぶりにご飯を盛り付けて
朝食を食べ始めたが、やはり半分も食わないうちに満腹してしまう。
満足に仕事ができず悲しげに嘆いている胃袋を少し気にしながらも、
五井は出掛ける支度を整えた。
五井は出社して自分のデスクに着くと、
普段は自分より早く出社してくるはずの小原の姿がないことに気づいた。
(小原にしては珍しいな。まぁそのうち来るだろう。)
五井はさほど気にせずその日のスケジュールを確認していると、
同僚の女の子が話しかけてきた。
「五井さん。電話で連絡があったんですけど、
小原君、今日は体調不良でお休みをとるそうです。」
「え、小原が?」
五井はどきりとした。
(そういえば、あいつ昨日かなり苦しそうにしてたな…。
まさか、入れ替えの副作用でも出たのか?)
五井は小原のことが気になりなかなか仕事が手につかなかった。
昼休みに連絡を取ろうとしてみたが、小原は電話にも出ない。
735 :
入れ替え:2009/06/10(水) 20:35:47 ID:KjcMnbHN
心配になった五井は帰りに小原の部屋に寄っていった。
『あ、先輩。今開けます。』
インターホン越しの声は元気そうで五井はとりあえずほっとする。
まもなくドアが開いて小原が出てきた。
「体の具合はもういいのか?…ん?
お前、その腹どうしたんだよ。」
ドアを開けて出迎えた小原を見て、思わず五井が小さく叫んだ。
小原の腹はへそのある辺りを中心に丸く膨れシャツのすそをわずか引き上げていた。
その大きさは昨日以上で、明らかに腹に食べ物を詰め込みすぎていることが見てとれた。
「ああ、今晩ご飯を食べていたんですよ。ふぅ、お腹が苦しい。
でも先輩の食欲、本当にすごいですね。
ご飯がおいしくておいしくて食事の手が止められないんです。
もうお腹がパンパンのはずなのに、次から次に食べたくなってしまって…。」
小原の胃袋が五井の肥大した食欲を受け入れきれず、腹の許容量を超えて
食欲がどんどん湧いてくるような感覚となって現れてきているのだろう。
腹を撫でる小原を見て、五井は喜んでもらえてよかったような、
(小原に悪意がないのは分かっていたが)大食いを皮肉られて
腹立たしいような複雑な心境になる。
「褒めてるのか?それ。」
「もちろんですよ。
食べることがこんなに楽しいなんて、先輩のおかげです。」
五井はこんなにうれしそうな小原の笑顔を初めて見た。
まるでうまそうに食事をする姿が目に浮かんでくるようだ。
736 :
入れ替え:2009/06/10(水) 20:37:42 ID:KjcMnbHN
「よかったら上がっていってください。
これから食後のデザートにするところです。
カロリー控えめのおから入りケーキなんていうのもありますけど
先輩もいかがですか?」
「そうだな。
ダイエット中だけど、せっかくだし一つもらおうかな。」
部屋に上がりリビングに通された五井はソファに腰掛けた。
圭の部屋と比べてはさすがに小原が気の毒だが、
きれいに片付けられた部屋からはその性格がうかがい知れるようだ。
小原は、五井のためにケーキとコーヒーを出すと、
自分用に出したてきた大きな皿の上にケーキを並べて、
むしゃむしゃと食べ始めた。
「お前、腹いっぱいなんじゃなかったのか?」
「もぐもぐ、んぐ。別腹ってあるんですね。
甘い物ならまだまだ入っちゃいますよ。」
(こいつ、言ってることがまるで少し前の俺だ。)
しかし今となっては五井はその感覚に共感することはできない。
実際、小原が出してくれた甘さ控えめのおから入りケーキも
半分も食わないうちに甘ったるくてしつこく感じるようになってきていた。
五井は残りのケーキを一気にほお張ると無理やりコーヒーで流し込んだ。
737 :
入れ替え:2009/06/10(水) 20:39:00 ID:KjcMnbHN
やがて、小原も自分の分のケーキを全部食べ終えた。
「ああ、おいしかった。
もう入らないや。げぷっ。」
さすがの五井の食欲も無限ではなく、ようやく腹の満たされた小原は
ソファにもたれかかり、見ているだけで苦しそうな腹を撫でている。
落ち着いた小原を見て五井はようやくここに来た目的を思い出した。
「ところでお前、今日なんで会社休んだんだ?
ずいぶん元気そうじゃないか?」
すると小原は少し言いにくそうに話し出した。
「…ああ、それなんですけど、体調不良っていうのは
実は、…食べ過ぎなんです。」
「昨日の焼肉のことか?」
「いえ、朝になったらすっかりお腹が空いていて。
というより、お腹が空き過ぎてしまっていて…、」
小原の話によると、いつも食べている量の朝食だけでは足りず、
コンビニで弁当や菓子パンなどを大量に買い込み、
それを全部食ったら腹が苦しくて動けなくなり、
昼過ぎまで寝込んでしまったのだという。
そして、夕飯どきになるころには再び抑えようのない食欲が湧いてきて、
大量の食材やケーキを買い込んでしまったのだとか。
738 :
入れ替え:2009/06/10(水) 20:42:15 ID:+Y+JSeDW
「お前なぁ…。」
五井は先輩らしく説教の一つもしてやろうかと思ったのだが、
自分にも似たような経験が二、三度あるため、
あまり小原を責める気になれなかった。
それに、その原因を作った食欲は元々は自分のものなのだ。
「今日は大目に見るけど、
食い過ぎて休みますなんてもう通用しないからな。
明日はちゃんと会社来いよ。
それと、自分がどれだけ食えるのかくらい把握しとけ。」
「わかっています。今日は食欲が予想以上だったので、つい。
明日からはこんなことがないようにします。」
小原のまじめな性格はよく知っているので、
ここまで言っておけば大丈夫だろうと、
五井は安心して小原の部屋を後にした。
両名とも乙
>>石の人
仲良く100`超えも時間の問題だなww
カーチャンの帰宅した時の反応も楽しみだが、まだまだ先になりそうだな
>>入替の人
食べ過ぎで欠勤wwww
ギャグ系漫画とかでありそうなシチュエーションも、こういった描写が加わると非常に萌えるぜぇ
740 :
れ。:2009/06/11(木) 15:13:39 ID:B7IBKZGy
どうも今日は。実は段階的肥満化より瞬間肥満化のが好きなれ。です。れの後の丸をお忘れなくwww
授業が空いたのでレポートを書きつつ息抜きに飛んできてみればSSが素敵な展開に…!
お二方とも文章表現が巧すぎて自分の拙い文章が恥ずかしくなってきました…(´・ω・)
が、しかし。ちゃんと二人をくっつけてあげなきゃかわいそうなんでちゃんと書き上げますよ!
と言うわけで本日、少しですが息抜きに書いた続き投下します〜
相変わらず携帯からの投下なんで、改行が変なとこがあったりしたらゴメンナサイ。
>>石の方
まさかの延長戦!
100越えした後の二人の対応とか気になりますwww
>>入れ替えの方
ご自身の豚化も大分慣れたようでwうちがリード引いて散歩に連れてってあげたいくらいですww
動けなくなるくらいご飯食べた小原に萌えました。
五井の今後も気になるけど、取り敢えず小原がどれだけ肥えるのか楽しみです!
>>685 太ると心も丸くなると言いますからねw
兎に角二人には幸せになってもらえるよう頑張ります!
741 :
魔王の花嫁:2009/06/11(木) 15:14:26 ID:B7IBKZGy
「ん、く…ぷはっ…ごちそうさま、でした…げふっ」
最後の一口を嚥下すると、満腹感に思わずゲップが出た。
恥ずかしさに顔を赤くしながらお腹をさすればポッコリと膨らんでいるのがわかる。
しかし、以前の俺からは考えられない量を食べたと言うのに全く苦しくないのはどういう事だろう?
「いやぁ。いい食べっぷりだね。あ、そうだ。デザートはいるかい?」
「あ…う、うんっ…」
バアルの問い掛けに思わず反射的に頷いてしまった…。
もうお腹一杯なのに…
あ、いや、でも、甘いものは別腹っていうし、少しぐらいなら…な?
…そのあと、フリィが持ってきたアップルパイのバニラアイス添え(丸々一ホール分)は
すごくうまかった…。
742 :
魔王の花嫁:2009/06/11(木) 15:15:13 ID:B7IBKZGy
そんなこんなで朝食の後はバアルと一緒に屋敷の中庭を散歩したり、おやつを食べたり、昼も朝と同じように食べて、
3時にはティータイムを楽しんだり、夜は夜で昨晩と同じように食べて寝た。
それから、毎日毎日同じように食べて寝るだけの生活が続いた。
運動らしいことと言えばバアルと一緒の散歩の時ぐらいで、それ以外屋敷の中を移動する時などはバアルが抱き上げてくれてるから、運動なんてしていないに等しい。
食っては寝て、部屋から出ず運動らしい運動もしてない、そんな生活を続けていたらどうなるか、なんて自明の理なわけで…。
しかし、この屋敷に来てから1ヶ月経った頃には、俺はそんな生活に慣れきってしまっていて、気付けば5ヶ月もの月日が経っていた。
************
「ん………んぅ…んっ、と…しょっ!」
朝、目が覚めると勢いをつけながら重くなった体を起こす。
腹の間に何かが挟まってるような感覚にも慣れた。
「ふぅ…ふぅ…ふはっ……」
この数ヶ月ですっかり筋力が衰えた今の俺にとっては、この重たい身体を動かすだけでも重労働だ。
「ほんと、太ったな…」
今や日課になったボディチェックを行う。
最早シャツを捲らなくても解るほど俺の身体は肥え太っていた。
743 :
魔王の花嫁:2009/06/11(木) 15:16:16 ID:B7IBKZGy
視線を下げれば明らかに服に余裕がなくなっている。
この屋敷に来た当初、あんなにダボダボだった服は、今や丁度いいくらいの…いや、むしろ少しピッタリしたぐらいの大きさになっていた。
寝汗をかいたせいで服は更に身体にピッチリと貼り付いており、俺の身体のラインがくっきりとわかった。
少し足を開いた状態でもまだ僅かに触れ合ってしまう太股はかつての俺の胴回りくらいはある。
尻にも肉がつき、若干座高が高くなったように感じるが、その代わりに、立ったときの足の長さが縮んだ。
そして服の上からでも解るほどにせり出した腹は座っていると太股に乗ってしまう。最近は立っていると重力に負けているのかまん丸な形を保ったまま少し垂れるようになった。
さらに、平均よりは大きいと自負していた性器は、腹と内股の肉に埋もれてしまい小さくなってしまった。しかも、皮が余って今や包茎状態になっている。
脇腹にも肉がつき、背中には肉の段差ができているのが触ると解る。
手は、指先までパンパンに膨れ関節にくびれが出来、まるで赤ちゃんの手のようで、二の腕の肉は少し動かしただけでもぶるぶる揺れる。
そのせいでちゃんと腕を下ろすことが出来なくなった。
大量の肉がつき女みたいに大きく膨らんだ胸は、腹の上にだらしなく乗っている。薄く伸ばされた乳輪に乳首は陥没してしまっている。
最近では、首や顎下にも肉がついてきたせいか、首輪が食い込む感じがして、俯くのが苦しくなってきた。
視界の端にうつる肌色は多分頬肉だろう。
「流石に…ふぅ…やばい、よな…はぁ…今日こそ、食べる量…減らさなきゃ…」
毎度食事の度にそう決意するも、あの甘い香りを嗅ぐと、どうしようも無い程の空腹感が襲ってきて、結局は食べてしまうということの繰り返しだった。
それに、何故かこの屋敷には鏡がないため、客観的に自分を見ることもなく、それも肥満を助長させたのかもしれない。
それよりも、食べるという行為事態に快楽をおぼえてるという事実に俺自身が気づこうとしてなかったのもあるかもしれない。
744 :
魔王の花嫁:2009/06/11(木) 15:18:05 ID:B7IBKZGy
「でも…最近あんまり太ってないみたいだしな…もうちょっと食べても…いやいや!こんなときこそ運動したりして少しでも減らさなきゃ…」
そう。この1ヶ月程だが、何故かあまり体型が変わらなくなっていたこともあり、ダイエットを決意していた。
が、中々実行できずにいた。
だって、何時も俺の側にはバアルかフリィがいたし…べ、別に体が重くて動く気がしなかったとか、そんなんじゃないんだからな!
そんな感じで悶々としてたらバアルがやって来た。
「おはよう。シセル」
「ん。おはよ…」
笑いながら挨拶をされれば俺もつられて笑いながら答える。
この数ヶ月でバアルと俺の距離は少し…いや、かなり近づいた。
最初はやっぱり警戒してたけど…付き合ってみると魔族と言うのはあまり人と変わりの無いように感じた。
少なくとも、バアルやフリィをはじめに俺が此方に来てから出会った悪魔はそうだった。
むしろ、其処らの自堕落な人間より真面目で勤勉だったり、下手な悪人より優しくて素直な奴が多かった。
その出会いによって、魔族=闇の化身・悪の権化と考えていた俺の考えは根底から覆されてしまった。
最初はひどく戸惑ったものの、悪魔も人間も、大した差は無いのではないか?そんな考えに変わっていった俺は、次第にバアル達に心を赦していったのだった。
…何よりも、この数ヶ月で俺たちの距離を縮めたのは、アイツの…バアルの、俺への無償の愛だと思う。
そういえば高校の時、165cmくらいだけど72kgくらいあるガチムチの子が居たなあ
ぶひぶひ。
(公園に行ったら、犬に追いかけられました。
俺のことが珍しかったんでしょうか。)
ぶぅぶぅ。
(足で犬に勝てるはずもなく、
あっさり追いつかれてしまいました。
ただ、敵意があったわけじゃなかったみたいで、
単にじゃれてただけみたいでしたが。)
ぶい〜ぶい。
(でも懐かれてしまったようで、
しばらく追いかけっこにつき合わされました。
いい運動になりましたが、すごくお腹空きました。)
ぶひ〜。ぶひぶひ。
(れ。さん乙です。
完全に肥育生活にはまりましたね。
ダイエットも考えてるみたいですが、はたしてどうなるか?
お名前間違えていたようですみませんでした。)
ぶひぃ…。
(誰かと一緒に散歩か…。)
747 :
入れ替え:2009/06/11(木) 19:14:03 ID:Od4s9Hy8
五井は本格的にダイエットに取り組み始めた。
食欲さえ抑えることができればダイエットは
半分は成功したようなものである。
朝食はご飯を茶碗に軽く1杯か、トースト1枚にサラダもつければ
十分腹が満足するようになっており、食事の準備も時間も短縮することができた。
おかげで朝はゆとりをもって出社できるようになり、
新聞に目を通したり、仕事の段取りをしたりすることもできる。
(小原が朝早かったのはこういうわけか。)
脂っこいものが苦手になっていたので、特に意識しなくても
自然と野菜中心の食事になり、食事量も今までの半分以下になっていた。
最初の頃は、食後しばらく経っても腹の音が鳴り止まなかったのだが、
だんだんと体が少ない食事量に慣れてきたらしく、
一食食った後は、腹の虫もおとなしくするようになってきていた。
食生活を改善しただけでなく、運動にも取り組んだ。
食事を軽くしただけなのに、体まで軽くなったような気がして、
毎日数十分のジョギングにも弾みがつく。
どうせ守るつもりもなく、ガイドラインどおり計画書を作ったが、
ダイエットの好循環に恵まれ、実際にはそれ以上の内容の生活を
送ることができていた。
体の調子もいいし、しかも食費も抑えられる。
748 :
入れ替え:2009/06/11(木) 19:15:47 ID:Od4s9Hy8
1週間が経った頃、五井は自分の体に変化が起きていることに気づいた。
周りの人間にはなかなか気づかれないような小さな変化ではあるが、
腹の周りが少しすっきりしてきている。ようやく体が痩せ始めたのだ。
五井は風呂上りに鏡で自分の体を見てみる。
客観的に見れば相変わらず迫力ある太鼓腹ではあるが、
触ってみるとわずかに贅肉が落ちてきていることが感じられた。
五井はいい気分になり、冷蔵庫から缶ビールを1本取り出した。
ダイエット中ということでついでに禁酒もしていたのだが、
この調子なら風呂上りに1本飲んでも大した影響はなさそうである。
鼻歌を歌いながら缶を開けて、ビールを口に含んだが、
次の瞬間今までにない違和感を口の中に感じた。
「ぶっ。」
思わず口に含んだビールを流しに吐き出してしまった。
「小原の奴、ビールだめなのか…。」
そういえば、小原は飲み会に誘ってもなかなか顔を出さないし、
宴会があっても一次会だけ出て帰ってしまうことが多かった。
「どこまでストイックなんだよ。
ん、ということは、逆にあいつは今…。」
飲みかけたビールの缶を見ながら
五井にちょっとした悪戯心が芽生え始めていた。
乙
>>740 俺もお名前を間違えてましたwスンマセンww
シセルはもう勇者の面影もありませんな……だがそこが(・∀・)イイ
そんなに肥満した男すらもバアルは軽々と持ち上げてしまうんだろうな……少し重そうにしてるところを妄想したら萌えたw
>>入替の人
五井は良い調子で痩せてってますね
きっと小原はそれと反比例するように太るんだろうな
酒飲むとつまみが進むしww
>>魔法の花嫁の人
肥満途中の中だるみ?
再び太り始めたらもう止まらない予感。wktk
>>入れ替えの人
明日はきっと、焼肉食べ放題&ビール飲み放題だろうなw
微妙に悪魔の囁きが...
どうやったらガチムチになれるんだろうか?
SS職人さん方乙!
>>744 肥満化にもダイエットと同じように停滞期があるらしいからね
そっからドカンとかか
>>748 大量の食事がアルコールでさらに進むとな
社会人・中年太りの要素が満載だぜ!
>>751 ガチムチはあこがれるよねー
でも極端な話ただ食べればつく脂肪とは違い、筋肉は鍛えないといけないから
学生時代からとかの長年の積み重ねが重要そうだよね
SS乙です!!
肥満化が始まってきましたね。後が楽しみですね…
今SS書いてますが学生なので文の構成が下手ですがいつか投稿したいですね
>>752 そうだよなー
食べるだけじゃあぷよぷよだし
ぶぎぃ。
(何年か前に治療した歯が痛みだしました。
歯が痛いのに食うのがやめられず、
ふがっとか変な声出しながら食事してます。)
ぶひぶひ。
(早く治療して、心置きなく食事ができるように
なりたいです。)
ぶいぶい。
(
>>754 とりあえず脂肪だけでも付けてみては?)
756 :
入れ替え:2009/06/12(金) 20:34:55 ID:h2sYdI1P
翌日の昼休み、昼食を食べに外に出ていた小原がデスクに戻ってきた。
食後の腹がポコッと丸く膨れているのも、
五井にとってはもう見慣れた光景である。
今日は一体どれだけ食ってきたのだろうか。
「なあ、小原。今日俺の家に飲みに来ないか?」
「お酒ですか?僕はどうも苦手で…。」
「大丈夫、俺酒好だったから、
入れ替わってる状態ならお前も飲めるって。」
「でも僕、普段お酒飲まないし、
酔っ払うと何をするか…。」
「お前が酔っ払ったって怖くないって。
俺酒飲めなくなっちゃったから、今うちにビール余ってるんだよ。
それにほら、飲み物の好き嫌いも入れ替わってるか、
確かめたほうが圭さんも喜ぶだろ?
実験の一部だと思ってさ。なあ?」
五井にまくし立てられ、小原は断りきれなくなってきた。
「う〜ん、それじゃ、少しだけ。」
それを聞いて五井はにやっと笑った。
帰り道で五井は自分が好きだったつまみを買い込んで、
小原を自分の部屋にに連れて行った。
757 :
入れ替え:2009/06/12(金) 20:36:19 ID:h2sYdI1P
五井は小原をリビングに通しソファに座らせて待たせると、
自分は台所に行ってソーセージや枝豆を茹でたり、
サラミをカットするなど、つまみの支度を始めた。
やがて支度が整うと、五井は小原の向かい合うように座り、
小原に缶ビールを渡し、自分にはウーロン茶の缶を用意した。
「誘っておいて俺だけウーロン茶で悪いけど。」
「気にしないでください。それは僕の方がわかってますから。」
「そうか。じゃ乾杯。」
二人は軽く乾杯し、それぞれの缶に口を付けた。
小原は最初は渋っていたものの、一度ビールを口にすると
目が覚めたようにごくごくと流し込み始めた。
「なかなかいい飲みっぷりだな。
しかし、お前も太り始めたんじゃないのか?
顔が少しふっくらしてきた感じだぞ。」
「やっぱりわかりますか?
そう言ってもらえると毎日たくさん食べてきた甲斐がありますよ。
そうそう、だんだんお腹にも肉が付き始めてきたんです。
少しだけど肉を指で摘めるくらいになりました。」
小原は自分の体の変化をうれしそうに語りながら、缶1本を飲み干した。
本人はあまり意識していないようだが、
つまみのポテトチップやソーセージにも手が伸びていっている。
758 :
入れ替え:2009/06/12(金) 20:38:19 ID:h2sYdI1P
「変わった奴だな。太りたいなんて。
でもお前は元が細いから少し太った方がよかったのかもな。
さあ、もっと飲め。」
五井は次のビールを勧めつつ、
自分は枝豆をつまみにウーロン茶を飲む。
それから小原は最近見つけたおいしい店のことを話し出した。
五井も会社周辺の店はだいたい知っているし、
小原の食べ物の好みは小原以上に分かっているので話は大いに弾んだ。
気分のよくなった小原は、
五井の勧めるままにビールをがぶがぶ飲むようになり、
やがてその顔は火をつけたように真っ赤になり、
目は宙を泳ぎ、頭がふらふらと左右に揺れだした。
(思ったとおりだ。
こいつ普段飲まないから酒に慣れてないんだ。)
その様子がおかしくて五井は吹き出しそうになった。
しかし、酒に弱いと分かっていながらあまりからかうのも
だんだん気の毒なように思えてきた。
(少し飲ませすぎたかな?)
759 :
入れ替え:2009/06/12(金) 20:41:36 ID:CO0ytC93
五井は小原の隣に座り、肩をぽんと叩くと、
ウーロン茶を小原に差し出した。
「これ飲んで少し落ち着け。」
しかし小原はウーロン茶の缶を受け取ろうとせず、
体を五井の方に向け、焦点の定まらない目で五井の体を見つめ、
そして突然、五井の目をしっかりとにらみつけた。
「せんぱい。おなか、見せてください。」
「な、何言ってんだよ?
お前、大丈夫か?」
突然の小原の申し出に五井は少し動揺した。
「おなか、見せてください。」
なおも小原はずいっと迫ってきた。
ろれつの回らない口調であったが目は据わっていて、
普段の小原にはない妙な迫力がある。
「あ、ああ、わかったよ。」
五井は言われるままにシャツをめくり上げ、
いまだ堂々と突き出た腹を小原の前にさらした。
「ごくん…。す、すごいおなか。
気持ち、よさそう。」
760 :
入れ替え:2009/06/12(金) 20:43:04 ID:CO0ytC93
小原はいきなり、倒れこむように五井の腹に抱きついてきた。
頭を五井の腹にうずめ、抱え込むように腕を腰に回している。
「こ、小原?」
「やわらかい…。あったかい…。いいな。」
(だめだ。完全に酔ってる。)
小原は目をつぶり、満腹した時とはまた違う幸せそうな笑顔を浮かべ、
その感触を楽しんでいるようだ。
五井は小原の肩を揺すって意識を呼び戻そうとしたが、
その腕はしっかりと五井の腹を抱きかかえ離そうとしなかった。
「せんぱい…。ぼくも…、早く…。」
そう静かにつぶやくと小原はそのまま眠り込んでしまったらしく、
すぐにすぅすぅという寝息を立て始めた。
自分の腹の上で気持ちよさそうに眠っている小原の顔を眺め、
五井はなんだか照れくさくなってきた。
(気持ちよさそうに寝て…。
そんなにいいもんなのか?)
五井は前よりは少し小さくなった自分の腹を軽く揉んでみたが、
やがて小原の手をゆっくり解き、自分の腹の代わりに
クッションに小原の頭を載せると、体にタオルケットを掛けてやった。
761 :
入れ替え:2009/06/12(金) 20:45:23 ID:CO0ytC93
翌朝早く、五井は小原を揺すり起こした。
「すみません…。昨日は酔いつぶれてしまって、
その上そのまま泊めてもらって…。」
「いや、俺こそ調子に乗って飲ませて悪かったな。
この時間ならシャワー浴びても会社に間に合うだろ。
家まで送ってやるよ。
ところで、昨日のこと…。」
「え、もしかして僕、何か失礼なことでも?
昨日の記憶が全然なくて…。」
「あ、いや、別に何でもない。
そうだ、二日酔いとか大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。
ご心配掛けてすみません。」
五井はおみやげにビールを1ケース持たせ、
車で小原を自宅まで送っていった。
乙
小原可愛いよ小原
もっとふたりで腹揉み合ってイチャコラすれば良いよ
太鼓腹フェチきたこれ
太鼓腹同士でのイチャイチャが見たいが
小原が太鼓腹になる頃には五井はやせてるのか……
乙
五井には痩せないで欲しいw
ぶひぶひ。
(公園に行ったらあの犬が
ぼろぼろになったテニスボールを俺に
差し出してきました。)
ぶいぶい。
(いらないよって言って、口でくわえて
放り投げたんですが、犬は走って取ってきました。
尻尾振ってて、なんだかうれしそうでした。)
ぶうぅ。
(何回投げ捨てても取ってきてしまうので、
受け取ったふりをして、帰り道で捨ててきました。)
766 :
入れ替え:2009/06/13(土) 20:09:13 ID:zQbrZvg0
五井はダイエットに励んで順調に体重を減らしていき、
1ヶ月を過ぎる頃には、周囲も五井の体の変化に気づくようになってきていた。
ベルトの上までせり出していた贅肉は徐々に引っ込んでいき、
ベルトの穴も一つまた一つと内側のほうへ移っていった。
入社以来今まで一度も痩せたことのない五井が、急に痩せ始めたため、
失恋とか、病気とか、ホームレスに呪いをかけられたとか、
様々なうわさが流れたが、五井に特に気落ちした様子もなく、
むしろ以前より活き活きとしているため、
ダイエットが順調に進んでいるという結論でうわさは収束していった。
(五井をよく知る同僚に言わせると、それが一番異常で不気味なんだそうだが。)
五井を太りすぎだと叱っていた課長も、
近頃ではこっそりダイエットの秘訣を尋ねにくるくらいである。
一方、小原は大食いすることが楽しくて仕方ないらしく、
最近では会社の帰りにラーメンの食べ歩きをしたり、
ケーキバイキングに通うのにはまっているという。
おかげでその体にはみるみるうちに肉が付いていった。
周囲も最初は痩せすぎの小原が健康的になったなと、
好意的に捉えていたようだが、その太り方があまりに急激であったため、
だんだん心配する声も出始めた。
また、どんどん太っていくというのに危機感を感じている様子もなく、
五井同様に以前よりも活き活きと仕事に励んでいるので、
それはそれで怪しまれた。
まだまだ五井のほうが体重はあるものの、
元の体格が極端に違っていたため、
二人の体格はかなり近づいてきたように見えた。
767 :
入れ替え:2009/06/13(土) 20:10:19 ID:zQbrZvg0
ある日曜日、五井のところに小原から電話がかかってきた。
『今夜一緒にバイキングに行きませんか?
新しくできたお店でサラダバーも充実してるみたいですよ。』
「へぇ、面白そうだな。行ってみるか。」
食べ放題の店に関する情報に敏感な小原に感心しながら、
五井は気軽に了解の返事をした。
夕飯どきになる頃、五井は小原に案内されて
新しくできたというバイキングの店にやってきた。
小原さっそく何枚もの皿をトレイに載せて
目に付いたものを次々とその皿の上に追加していった。
一方の五井はサラダを何種類かを少しずつと小ぶりのパンを3つ皿に取った。
そして、それぞれ飲み物を用意すると二人は席に着いた。
「最近ようやく体が食欲に追いついてきたみたいで、
満足するだけの量を食べても、お腹が苦しくならないんです。
これからもっとたくさん食べられるようになるかと思うと、
今から楽しみで。」
小原が肉付いて出っ張ってきた腹を一撫ですると、
それに応えるように、ぐぅ〜とよく響く音が聞こえてきた。
皿に山のように盛られた料理に早くも胃袋が反応しているようだ。
「相変わらず、すげえ食欲してるな。
でも、こういう時は小食だと損だな。」
五井自分の取ってきたパンとサラダを小原の皿と見比べて軽く笑った。
五井にしてはこれでも多めに取ってきたつもりなのだ。
768 :
入れ替え:2009/06/13(土) 20:12:15 ID:zQbrZvg0
「「いただきます。」」
二人はそれぞれの皿の上のものを食べ始めた。
やはり小原の食べる勢いはすさまじく、
次々と料理が口の中へと運ばれ、飲み下されていく。
量はもちろんだが、内容的にも脂っこい物が多く、
五井は見ているだけで胸やけがしてくるように感じた。
「そんなに慌てて食わなくてもいいんじゃないか?」
「慌てているわけじゃないんですけど、
口に入れたものをどんどん飲み込まないと
食べた気がしないんです。」
(あ〜、そういえば俺もこんなこと言ってたっけ。)
同じようなを言っていたのはつい一月前のことなのだが、
五井にとってはもう遠い昔のことのようであった。
今はもうその感覚を信じることなどとてもできない。
小原は、五井の皿の何倍も量がありそうな料理をあっという間に平らげると、
当然だというようにおかわりを取りにいった。
そして五井がゆっくりサラダを味わっているうちに、
最初以上にたくさん盛り付けられた皿を持って小原が戻ってきた。
769 :
入れ替え:2009/06/13(土) 20:14:58 ID:zQbrZvg0
「今日はお腹の調子がいいみたいです。
まだまだ食欲が収まりそうにありません。」
そう言って小原はまた料理をほお張り始めた。
五井は以前の自分の姿を小原に重ねたが、
それでも目の前で次々料理が消えていく様子にはただ驚くばかりだった。
そして、また全ての皿を空にしてしまった小原は
胃袋の圧力で少し膨れた腹を抱えながらおかわりを取りにいった。
「まだ食うのか?」
席に戻った小原の腹を見て五井があきれたように言った。
「はい。ここの料理はなかなかおいしいですね。
先輩もサラダ以外のものも少し食べてみたらいかがです?」
そう涼しい顔で答えて、また料理を食べ始めた小原に
五井はそれ以上何かを言うことができなかった。
やがてデザートに用意されていたケーキ類を全種類食って、
食事の手を止めた小原は、積み上げた皿を満足そうにに眺め、
満腹したことを表すように大きく膨れた腹をぽんと叩いた。
「おいしかった。げぇっぷ。」
「お前もしかして、
食欲を入れ替える前の俺より大食いになってないか?」
「そうですか?」
五井に大食いだと言われて、小原はむしろ誇らしそうに笑っていた。
>>765 何気にわんこと仲良くなってるじゃないですかwなごむww
そしてSS乙
食べる楽しみに目覚めてからどんどん食事量が増えてるんだろうな……
実験終了時、その後にwktk
>豚の中の人
わんちゃんと運動したら、痩せちゃうよー。
今度は公園で一緒にご飯食べたらどうですか?
>入れ換えの人
とうとう覚醒しちゃいましたね。
どこまで食欲が増えるのか、楽しみです。
あう
そろそろ容量が危険ですな
SS職人がたくさん来たからなぁ……
盛況なようでなによりだ
早いかもしれないけど次スレ立てて(テンプレはwikiにあるよ)
残りはシチュ妄想とかにでも使おうか?
それがいいかも
妄想ネタに質問を一つ
使用人・世話係にできるとしたら?
あと何をしてもらいたい?
1.ヒュッケ&ドギー(戦士と盗賊と)
2.カシ(
>>209)
3.フリィ(魔王の花嫁)
4.斉藤(幸運の石)
777 :
775:2009/06/14(日) 19:11:34 ID:BokzdPX9
そうですね
くだらないこと聞いてすみません
肥満化したら過ごしづらい夏が近づいてきてるわけだが
夏こその肥満化要素とかあるかな?
水泳してて肥満化とか水着姿が悲惨になりそうでよさそうなのだが
デブはビキニパンツだと腹が乗っかったりして恥ずかしいな。
イチモツの大きさをとか見た目で分かっちゃうし。
俺はサーフパンツに変えたから大丈夫だけどw
プールとか風呂とかで長時間水に浸かってると皮膚がふやけるけど、
身体が水をものすごい吸収しちゃってぶよぶよになるとかどうだろう
乾けば多少は戻るが、それを繰り返してるうちにホントにでっぷりと……みたいな
ぷよぷよなのに手足は細い人っているよねー
>>779 お腹の丸みが水着越しにうっすらわかるのもそそるなあ
水着脱いだあとお腹に残るゴムひものあともセクシー
水太りwktk
>>781 水の代わりに動物性の油とかでやったらどうかな?
肌に浸透した分はそのまま体中の脂肪細胞に吸収されるとか。
しかも肌が潤ってもちもちに。
…なんか発想がケモ板っぽいな。
肥満化関連なら問題ない気がするが
体型とか肉質の表現がファンタジーよりだからかな
肥満化原因が同じでも問題ないだろうし
デブ部活というと相撲部な印象だが
水泳部がデ部でもいいな
それいっちゃえば部活全部デ部でいいぜ! てなるがwww
>>786タソの校内総デ部化発言(?)を受けて、幾つかシチュを考えてみた
水泳部:
浮力をつける為に脂肪を増やす(←真水でも効果あるよね…?)という名目で、部員全員に大食いを義務化
それが功を奏したか成績がグングン上がるが、やがて飯のほうがメインになってしまい太る一方
という本末転倒な展開はどうか
茶道部:
シチュとしてはオーソドックスかもだが、お茶請けの食い過ぎで太るとか
文化系は比較的体力使わなさげなモノが多いし、適当にお菓子摘んでればぷよってきそうだな
広報部:
校内新聞のネタに、学食ないし近隣の飲食店を取材し、食べ比べやオススメメニュー調査とか
学食メニューが豊富な食堂なら、必然的に食べる量も増えるワケで……
我ながらカオスwwwww
きつい運動してる分腹が減って〜は王道
競泳水着の呪いとか水泳向きの体がつくられるとかね
水泳部はきつい練習の成果が実りやすいがその分腹が減りやすく総じてムチムチに
部活を引退すると今まで多少の手入れで済んだ水泳向きの無毛な体がうそかのように
雄らしくすぐに生えてくる剛毛&かわらない食生活で見事な熊に
>>788 中学の時の水泳部におそらく100kg超えの子が居て萌えたのを思い出した
大学の水泳部なんかだとダイエット目的で入ってくるのも
いたりするから、そこそこ太った子は意外と多い。
>>790 泳いだ後は腹減るだろうから、ドカ食いしまくって逆に肥満しちゃえば良いのに!!
ダイエットが目的だったのに結果的に肥満化もいいな
ただのダイエット挫折よりもなぜか美味しく感じる
病気で食べ続けなければ死ぬというのはどうでしょう?
否応なしに肥満かは目に見えますね。
女の子のほうにそんなのあったね
会社の先輩(男)が子供ができてからむくむく太りだした。
年明けごろから10kg以上増えてるらしい。
やっぱり幸せだと太るのかな
ストレスでも太るぞ。
この間なんか、1年ぶりぐらいに会った友人に「お前すごい太ったな!」って言われた。
もともとデブってたせいで自覚がなかったから帰ってからしばらく欝だったわ。
そしてまたドカ食いしたけど。
幸せ太りってのはあるらしいな。
確かアメリカの学会が研究論文発表してたはずだが
>>797 二人の肥満男を用意して、双方たっぷり食事をとらせつつ
片方には快楽、片方にはストレスを与え続けて、
どれだけ太り方に差がでるか調べるという実験を思いついた。
イライラさせながら肥満化させてイヤな性格にするより
幸せそうな太り方がよさそうな気もするな
前者だと長生きできなさそうだ
>>798-799 シチュにもよるけど俺も幸せ太りのが好みかも
当たり前の事かもだが、ストレスだと太りも痩せもするけど、幸せで痩せるってあんま聞かないような……
文面だけならどっちにしたって太るんじゃんwと思った