1年F組男子狩り
明彦は高校1年。入学式前に交通事故で入院してしまって
初めての登校は5月のゴールデンウイークが明けた日からだった。
クラス編成は見舞いに来た担任教師からもらった名簿で見たが
商業コースのクラスのためか男子6人に女子25人という
偏ったクラスだった。そして明彦は1ヶ月遅れの高校生活の始まりに
胸をはずませて登校した。
クラスは1年F組。担任に連れられて初めてF組の教室に入った。
騒がしかった教室が一瞬にして静まり、25人の女子の視線が
一斉に明彦に向けられた。思わず後ずさりする明彦・・・。
そんな明彦を担任は促して挨拶をさせた。
明彦は挨拶をしたが女子たちは明彦に冷たい視線を一斉にあびせるだけで
拍手はおろかニコリともしなかった。明彦は1番後ろのひとりの男子の席のとなりに
行くよう言われた。明彦は席につくとその男子に「よろしくな」と言った。
その男子は名前を陽一というが「ああ、うん」とうなずくだけで元気がなかった。
ケガをしたのか左手に包帯をしていたが明彦は特に気にもせずにいた。
明彦は初登校の緊張からある程度解かれて落ち着くとある異変に気がついた。
明彦を入れて6人いるはずの男子が陽一ひとりしかいないのである。
そして陽一と明彦の横の席は4人分、空席となっていた。
明彦は陽一に尋ねた「ねえ、残りの男子は今日は休みなの?」
陽一は尋ねられて一瞬ビクッとした仕草を見せおそるおそると自分たちの前にいる
女子たちを見た。しかし女子たちは聞こえていなかったのか明彦と陽一を
振り返ってみることはなかった。陽一は「よく知らないよ。たぶん病欠じゃないのかな?」
とだけ言うと何かに怯えるように下を向いてしまった。明彦はそれ以上なにも
聞かなかった。
そして明彦にとっては初登校の緊張した長い1日が終わり下校時間を迎えた。
クラスで今日いるただ一人の陽一にいろいろ聞こうと思って一緒に帰ろうと
思ったが陽一はそれを避けるかのようにさっと教室を出てしまった。
明彦は帰る準備を急いでやって先に出た陽一の後を追った。
しかし陽一の姿はもう近くになかった。明彦は仕方なく校舎を出て帰宅しようとした。
ふとグランドの角に目をやるとクラスの女子数人と陽一が体育倉庫に入っていくのが
見えた。明彦は体育倉庫へと向かっていった。
明彦は外から体育倉庫の中の様子をうかがった。中から女子と陽一の声がする。
透明のガラス窓から中が見えた。陽一は女子5人に囲まれてうつむいて立っていた。
「陽一くん?今日初めて来たアイツに何も言ってないよね?」
「う、うん。なにも言ってないよ」
「とか言って仲間が出来たって思ってんじゃないの?」
「そんなことないよ」
「だったら良いけどね・・・」そういうと一人の女子が陽一の前に立って
陽一の両肩を両手で持った。たしか美鈴(みすず)と呼ばれていた子だ。
美鈴は陽一の肩を持ちながら下からうつむいている陽一の顔をのぞきこんで
「変なことアイツに言うとまたこうなるよ」そういうと膝で思い切り陽一の腹部を
蹴り上げた・・・。
「ウグッ!」陽一はうめき声をあげて美鈴の足元へうつぶせに落ちていった。
「ひろみ、有紀、智香、夏樹・・・あとはよろしくね」
美鈴はそう言うとマットの上に座った。
ひろみ・有紀・智香・夏樹とよばれた他の女子4人はニヤリと微笑むと
バスケのボールを持って一斉に陽一に向かって投げ続けた。
「あっ!痛いっ!ごめんなさい!ウッ!・・・」と陽一は頭を両手で
抱えながら悲鳴をあげて許しを乞うた。しかし女子たちはその手を
休めようとはしない。陽一はあきらめたのか力つきたのか、やがて
声をあげなくなった。そして女子たちはボールを投げつけるのをやめた。
明彦はあまりのことにしばし呆然と中の様子を見ていたが、はっと我に
返った (陽一を助けなきゃ・・・)
明彦は体育倉庫に入った。女子5人が一斉に明彦を見た。
明彦は一目散に倒れている陽一のそばに駆け寄った
「おい、大丈夫かよ?」
「ううっ・・・」陽一は涙を流してうずくまっていた。
「おい、お前たちひどいじゃないか寄ってたかって」
明彦は女子たちに言った。
すると座っていた美鈴が立ち上がって明彦の前に立って言った。
「明彦くん、あなたは初めて今日登校したのに知らなくていいことを
知ってしまったね。かわいそうに・・・」
そういうと美鈴たち女子は体育倉庫を出て行った。
「陽一君、しっかりしろよ、大丈夫か?」明彦は陽一に再度呼びかけた。
「うん、なんとかね。もう慣れっこだから。でも君は本当に見なくても
いいものを見てしまったね。明日から君も僕たちのような目にあわされるよ」
明彦は陽一を助け起こしながら聞いてみた。
「ところで他の男子はまさかあの子たちにやられたんじゃ・・・」
「そうだよ。彼女たちの男子狩りで僕以外のクラスの男子は
ボコボコにされて今も入院しているかもう退学転校したか・・・なんだ」
「しかしなんでまたそんなことを?」
「それは僕にもわからないけど・・・。あの美鈴が女子のリーダー格で
おそろしく凶暴な奴なんだ」
陽一は起き上がり最後に言った。
「君もケガをしないうちにこんな学校やめた方がいいよ。僕ももう限界だ・・・」
そういうと陽一はびっこをひきながら体育倉庫を出て行った。
明彦は陽一の後ろ姿をただ呆然と見送るしかなかった。
翌朝、昨日の出来事が夢であるのか現実であるのか夢うつつのまま
起きた明彦は現実だったことを思い出し気の重いまま身支度をして
学校へ向かった。1年F組の教室の前に立ち、しばらく入るのを躊躇したが
気合を入れて教室に入った。すると昨日と同じくそれまで騒がしかった教室が
一瞬静まり女子の視線が明彦一斉にに向けられたがすぐに視線をはずして
明彦にはなんの興味もないかのように女子たちは自分たちのおしゃべりに
夢中になった。明彦は一番うしろの自分の席についた。
隣の席の陽一がまだ来ていない・・・どうしたんだろ・・・?
1時間目が始まろうとしていた時、救急車がけたたましいサイレンを鳴らしながら
学校のグランドに入ってきた。明彦がその方向をみると、ぐったりとしている
陽一が運ばれていくのが見えた。
(こ、こいつらだ。こいつらがやったに違いない・・・)
明彦は背筋が凍る思いがした。クラスの女子たちは救急車のまわりの騒がしさには
なんの興味もないかのように自分たちのおしゃべりに夢中になっている。
(今度は俺がやられるのか・・・?)
恐れる一方で明彦は女の子と闘って負ける気もしなかった。
格闘技を本格的にやったことはないが中学3年間は部活のバスケで体を鍛えて
柔道の授業でも体の柔軟性と力で柔道部の奴らとの試合でも互角で戦えたからだ。
(俺は陽一のようにはならない。男として女子に負けるわけにはいかない)
この日は陽一の事件のため午前中で全校生徒は下校、教職員は会議室で
緊急職員会議が開かれることになった。明彦は今日はとりあえず切り抜けたと
緊張を解いて教室を出た。そして下駄箱で靴を履き替えた時、後ろから明彦を
呼び止める声がした。「明彦く〜ん。そんなに急いでどこ行くの?」
明彦が恐る恐る振り返るとそこには美鈴・ひろみ・有紀・智香・夏樹の昨日の5人が
立っていた。明彦がすばやく逃げようとすると美鈴は右手で明彦の襟首を掴んだ。
そして智香と有紀の2人が明彦の両腕を掴んだ。
(しまった!逃げれない)
美鈴が言った「逃げなくていいじゃん?ちょっと私らと遊ぼうよ〜」
そういうと美鈴は明彦の襟首をつかんだまま明彦を柔道場へと連れて行ったのである。
ひろみと夏樹は近くにだれもいないことを確かめて柔道場のカギを閉めた。
柔道場に入り美鈴は明彦の襟首をやっと離した。
明彦はすかさず聞いた。
「今日の陽一といい、いなくなった他の男子といいお前らの仕業だろ?」
美鈴は微笑みながら答えた。
「そうだよ。だから何?」
「なんでそんなことするんだよ?何かうらみでもあんのか?」
「わたしら、男の子たちと遊んでるだけなのに男の子ってひ弱だから
すぐに壊れちゃうんだよね。まあ陽一の奴は最後の奴隷として飼ってやって
いたのにアンタに余計なこと言うからめちゃくちゃに壊してやったけどね」
「ぐっ!・・・」明彦は絶句した。
「けどさー陽一がいなくなったから代わりに罰としてアンタに奴隷になって
もらうよ?」
「ば、馬鹿な。俺は今までの男子みたいにお前たちの好きにはならねーよ」
「あははーっ!超ウケるね。じゃあ、やってみる?」
明彦はついに覚悟を決めた。相手が女子といえども容赦はしない。
でなきゃ、今までの男子や陽一のようになるだけだから。
しかも負ける気はしない。明彦は175cm。細身ではあるが華奢ではない。
一方、女子たち5人はリーダー格の美鈴をはじめ160cmあるかないかだ。
頭ひとつ分は小さい。まだあどけない少女のような面立ちで普通以上に
可愛い顔のとても凶暴には見えない女の子たちだ。
明彦は言った。「どうせ大勢で寄ってたかって一人の男子をボコボコにしたんだろ?
女とはいえ卑怯な奴らだな」
すると5人の女子は手を叩きながら笑った。
「きゃははー何言ってんの、コイツ」
「明彦くん、アンタの相手は私ひとりだよ」美鈴は言った。
美鈴はすーっと明彦のそばに来るといきなり上段の蹴りを入れてきた。
運動神経のいい明彦は難なくこれをかわして引き続いて蹴りを
入れてくる美鈴に対して防御でこれに応じた。
(所詮、女子だな。これぐらいどーってことないや)
美鈴は蹴りを止めた。
「へえ〜なかなかやるじゃん?今までのヘボい男子とは違うね。
でも守ってばかりじゃ私に勝てないよ?遠慮しないでいいからね」
明彦はその言葉を聞くとやみくもに美鈴に掴みかかった。
美鈴は向かってきた明彦の両手を掴むと明彦の体をグイッと
引き寄せてその腹部に強烈な膝蹴りを入れた。
「ウグッ!」明彦はたまらず美鈴の足元に崩れ落ちた・・・。
(い、息ができない・・・)想像以上の苦痛だった。
「あーあ、一発で撃沈なの?情けない男ね」
美鈴は明彦を見下ろして言いながら足で明彦の頭を踏みつけた。
(クッ!女に負けてたまるか・・・)
明彦は苦痛に耐えてとっさに両手で美鈴の足を払って美鈴を
体ごとひっくり返した。
「痛っ!」美鈴はとっさの思わぬ明彦の反撃のために背中から落ちた。
明彦は今だとばかりに美鈴の上に乗っかって体ごと押さえつけようとした。
ここで美鈴の顔を思いっきり殴っていればこの後の展開も変わっていたかも
しれない。しかし明彦はケンカ馴れしていない上に、美鈴が女子であることに
殴りつけることを遠慮してしまったのだ。
美鈴は明彦が押さえつけようとするのを下から反撃して逃れようとする。
しかし明彦も必死で押さえつけようとする。明彦は美鈴を殴らないが
美鈴は下から遠慮なく明彦の顔面といわず腹部といわず拳で殴りつけた。
次第に明彦は美鈴の下からの攻撃に耐えられなくなっていた。
そしてついには明彦の体は横に倒れて美鈴は解放され、今度は明彦の体の
上に乗っかろうとした。しかし明彦も美鈴に屈しないように反撃した。
ふたりはお互いに掴みあいつつ上になり下になり着衣も乱れるほどに
畳の上を転がり続けた。数分の攻防の末に明彦の息はあがり抵抗する力も
弱まってついに美鈴が明彦を組み敷いた。
(ゼェゼェ・・・し、しまった。まさか女子に力で負けるなんて・・・)
美鈴も相当息があがっていたが深呼吸するように息を整えると
仰向けになった明彦の体の上にどっしりと乗っかり、舌をチョロとだして
ついに獲物を捕らえたような仕草をした。そして両手を明彦の首に食い込ませて
そのままグイッと絞めに入った。
「アガガガガガッー」声にならない声が出る。美鈴は楽しそうに微笑みながら
さらに体重をかけて明彦の首を絞め続けた。明彦は体をよじりながら必死に
脱出を試みようとするが美鈴の両足が明彦の胴体をしっかりと固めていて
動けそうにない。
首に食い込んだ美鈴の手をはずそうとするがさらに絞めの力は
増していった。やがて明彦の口の中には唾液がたまり、咽喉が
圧迫されたために舌が口から出るのと同時に溜まった唾液も口から流れ出た。
明彦が命の限界を感じた時に美鈴は手を緩めた。
「ゴホッ!ゴホッ!ゼェ〜ゼェ〜・・・」と咳き込みと荒い息づかいのみで
声は出せなかった。
「ねえ、苦しいの?死にそうだった?でもまだ殺さないよ・・・」
再び美鈴の小さな手は明彦の首を絞め始めた。
そして明彦にもう逃げる体力がないと感じた美鈴は膝立ちになると
一気に両手に体重をかけた。
「カカッ!カカッ!・・・」
明彦は手足と脳天に軽い痺れを感じた瞬間に意識を失って気絶した。
どれぐらいの時間が経ったのだろう。明彦は闇の中から意識を取り戻した。
頭が重い・・・体が重い・・・。あいまいな意識はやがてはっきりと覚醒した。
(ああ、俺は美鈴に殺されかけたんだ・・・)
明彦が意識を取り戻したのに気付かず女子たちは談笑していた。
まるで明彦の存在を無視するかのように。
(このまま気絶しているフリをしておこう。そのうちコイツらは帰るだろう)
明彦はそのまま再び目を閉じた。それから十数分たっただろうか?
「ねえ、そろそろコイツを起こそうよ。死んでるんじゃないよね?」
「大丈夫だよ、息してんじゃん」
そういうと5人のうちの誰かが明彦の腹部を足で踏みつけた。
明彦は思わず「グフッ」と声を発してしまった。
「おはよう、明彦クン。じゃあ乱取りしようか・・・」
5人の中の夏樹がそう言って仰向けになっていた明彦の胸倉をぐいっと
掴んで引き起こしそのまま背負い投げで明彦を背中から落とした。
「ぎゃあ!」明彦は突然投げられて受身をとる間もなく畳に背中から
打ち付けられその痛さにのたうちまわった。
「きゃはははー、痛かった?ゴメンね、これからは私たち4人が相手しまーす」
と言った。美鈴は畳の上にあぐらをかいて座って笑って見ていた。
そして次に有紀が「オラ、いつまで寝てんだよ!起きろよ」と言いながら
明彦の襟首を持って立たせて素早く明彦の懐に入って明彦を投げた。
今度は明彦は受身を取って、とっさに出口に向かって逃げた。
しかし扉にはカギがかかっていて開かない。
「こら、逃げんなよ」「ざ〜んねんでした」などと言いながら4人は明彦を
連れ戻しかわるがわる休みなく明彦を投げとばした。
体育の授業で柔道の経験のある明彦は最初は受身をとって防いでいたが
連続的に投げつけられて次第にフラフラになっていった。
「ゼェゼェ・・・うううっ・・・」
明彦はもう自力では立てないほどに痛めつけられていた。
その様子を見ていた美鈴が立ちながら言った。
「もう可哀相だからやめてあげなよ・・・。痛いのより苦しい方がいいよね?
明彦くん? じゃあこれからは絞め技しようか?」
美鈴はうつ伏せに倒れている明彦の背中に覆いかぶさるように乗って
右腕を明彦の首に回して左腕でロックをかけるとそのままググッと絞めつけた。
「うわあああああああああ・・・グッグッ!」
明彦はたまらず窒息しないように口をあけて空気を求めた。
苦痛でゆがんでいる明彦の顔の横に美鈴は顔を並べて言った。
「苦しいの?こんなのまだまだ苦しくないよね?これからだからね」
「ググッ・・・ググッ・・・」明彦は苦しさで言葉が出ない。
「じゃあ、そろそろ本気だそうか?」
美鈴はそう言うと右腕で明彦の首を絞めながら明彦の体を
反らすように持ち上げた。明彦の体は海老のように反らされた。
「ぎゃあああああああああああー」
明彦は今までにない苦痛のために大声で悲鳴をあげた。
口からは舌が出て顔はみるみるうちに赤く染まっていき
こめかみには血管が浮いた。
「ヒィーヒィーヒィ・・・」悲鳴はやがてしぼり出すような音へと変わり
「くうっ」という奇妙な声とともに明彦は再び意識を失った。
ガクンと明彦の体が落ちて美鈴はやっと明彦の首を絞め続けていた
右腕をはずした。「そろそろやろうか・・・」「うん、やろう」
他の4人も明彦のまわりに集まってきてうつ伏せに倒れている明彦の体を
ひっくり返して仰向けにした。そしてスラックスとトランクスを下げて恥部を
さらけ出しだ。
「いい加減、起きろよ」と夏樹は明彦の頬を数回打った。
「ううっ・・・」明彦は再び目覚めさせられた。頭がボーっとしていたが
やがて現実を悟った。5人の女子が上から明彦を覗き込んでいる。
制服のスラックスが脱がされて恥部があらわになっているのも悟った。
「ううっ、な、なにをするんだ、やめろ・・・」
「なに怯えてんのよ。さっきまで痛い目あわせて可哀相だったから
これからは可愛がってあげるんじゃない」
「や、やめろ・・・」明彦は死力を振り絞って逃げようとしたがすぐに
押さえつけられた。
仰向けに押さえつけられた明彦の体の上に美鈴が明彦の体とは
反対方向にうつ伏せ状態で乗っかった。そうして裏返った太腿で
明彦の首を挟み絞めながら美鈴は眼前の明彦のモノを手で握りしめて
弄び始めた。
「ううっ、やめろ、やめてくれー」明彦は必死に懇願するが美鈴は
「ちょっと静かにしてよぉ」と言いながら太腿に力をこめて明彦の首を絞めあげた。
「ぐあああああああああーっ」明彦の懇願は再び悲鳴へと変わった。
「きゃはは、見てよこれ。悲鳴あげてんのにココは喜んでるよぉ」
美鈴は無邪気に笑いながら言った。
美鈴の手の動きが速くなるのと同時に太腿の絞めの力も強くなっていった。
「そろそろいかせてあげようね・・・」
「ああっ・・・」明彦は全身の力が抜けた。
「気持ちよかったでしょ?明彦くん?」
美鈴は体勢を変えて明彦の首を上と下からむっちりとした太腿で
挟んで絞めあげた。絞めては緩め絞めては緩めての繰り返しで
明彦は苦痛を超え、すでに意識もうろうとした状態になっていた。
「うう・・・ううう」うめき声だけが明彦の口から聞こえた。
「明彦くん、もうこれで私たちに逆らうとどうなるかわかったよね?
本当はこのまま絞め殺してもいいんだけど、これから私たちに
絶対服従を誓って奴隷にさせてくださいって言えば許してあげるかもね」
美鈴はそう言うと少し太腿の力を緩めて明彦がしゃべれるようにした。
「ううっ・・・だ、誰がお前たちのいいなりになるもんか・・・」
明彦は少し動きが自由になった首を傾けて美鈴に向かって言い放った。
もし思考が正常な時なら明彦は素直に敗北を認めて服従を誓っていただろう。
しかし意識朦朧とした中で本能的に男として女子に屈する屈辱をはねのけた
のだ。
その瞬間、美鈴は太腿に一気に力を込めて明彦の首を絞めあげた。
明彦は悲鳴をあげる間もなく瞬く間に意識が落ちた。
「コイツ、生意気だね。どーするよ?」
「処刑!」「処刑!」と次々に言い出した。
「じゃあ処刑しようか。処刑の方法は?」
「絞首刑!絞首刑!」
美鈴は明彦に顔を近づけて言った「明彦くん、君・・・絞首刑だよ」
美鈴はぐったりとして仰向けに倒れている明彦の胸倉をつかんで
引き起こして「じゃあ、絞首台にいこうか」と言い他の4人の女子とともに
柔道場を出た。
どれぐらい時間が経っていたのか、外はやや薄暗くなりつつあった。
他の生徒は昼過ぎに下校していて誰一人いなくて、また教職員も
別棟にある職員室でまだ会議中なのか誰の姿も見えなかった。
美鈴は明彦の胸倉を掴んだままグラウンドの隅にある鉄棒の
場所まで引きずってきた。下半身はあらわになったままだ。
明彦は逃げようと思えば逃げれたのかもしれないが心身ともに
衰弱して美鈴に引きずられるままになっていた。
明彦の背より少しだけ高い鉄棒の前に明彦を立たせると、
美鈴は明彦の制服のネクタイを掴みあげ、結び目を首の後ろの
襟首まで回して、明彦がかろうじてつま先で立てる位置で
ネクタイを鉄棒にくくりつけた。少しでも足が地をはなれて体が宙に
浮けば明彦は絶命の危機にさらされるであろう。
そして手は後ろ手されガムテープで縛られて自由を奪われた。
「ううっ・・・な、なにするんだ。ここからはずしてくれよ」
「今さら遅いよ明彦くん、あの時に私に素直に従っていったら
奴隷で許してあげていたのに・・・」
そう言うと美鈴は明彦の顔を数回殴りつけた。
「ぐあっ、ぐあっ・・・」
殴られつつも地面から足が離れないように踏ん張った。
しかし腹部に蹴りを入れられるとさすがに踏ん張りが利かずに
足が地を離れ、鉄棒にくくりつけられたネクタイによって首吊り状態となった。
他の4人も交代で明彦を殴り、蹴った。女子による男子への凄惨なリンチは
続いた。「はあっ・・・はあっ・・・」明彦の顔は血で染まった。
「ご、ごめんなさい。ゆ、許してください。奴隷に・・・してください。
だ、だから、もう勘弁して・・・はあっ・・・はあっ・・・許して・・」
美鈴は明彦の髪の毛を掴んで言った。
「だめだよ、もう許さないよ。さようなら」
美鈴の上段蹴りが明彦の顔面に入り続いて中段蹴りが
腹部にドスンと鈍い音をたてて入った。
明彦の足は地を離れ首がガクンと落ちた・・・。
明彦は奇跡的に一命をとりとめた。しかし全治3ヶ月の重傷だった。
顔面は判別できなほど無残に腫れあがり、体もいたるところを骨折していた。
学校側では1年F組の男子生徒が相次いで重傷を負わされるのを
まさか女子の暴行によるものとは思わず男子生徒の仕業だと思い込んで
いたため犯人はついにわからなかった。
重傷の明彦の怯えようは尋常ではなく、ついに事件のあらましは
明彦の口から聞かれることはなかったのである。
明彦はもちろん退学をした。まだ痛みの残る体を引きづりながら
夏休みに入った学校に退学の手続きに訪れた。
夏休みなので教職員も少なく生徒も誰ひとりいなかったが明彦は校内へ入ると
さすがにあのときの恐怖がよみがえってきた。
367 :
名無し調教中。:2009/12/23(水) 15:49:31 ID:ED2wteg8
事務室で転校の退学の手続きをしていると、ひとりの男子とその親が入ってきた。
「2学期からこちらに転校させていただく○○ですが・・・」
「ああ、○○君ですね。はいはい、2学期から1年F組に転入してもらいます・・・」
明彦はビクッとしてその男子の顔を見つめたが、何も言わずに学校を後にした。(完)