女性にペニスがある社会part5

このエントリーをはてなブックマークに追加
415ヴァギ男くんの話
 電話口の向こうで、女子大生が絶句しているのが分かる。優子はこの際、兄に近付く女たちを一掃する気だったので、とどめを刺す事にした。
 芳樹のお尻に腰を使いながら、彼の口元に携帯を持っていき、秘裂に指を這わせる。
「お兄ちゃん・・・・・・・・いい声で泣いてあげてね。あの人に聞こえるように」
「ゆうこ・・・・・・・・やめ・・・・・もうやめ・・・・・・・!」
 ズボッ!!ぐりぐりっ!!
 優子の中指と人差し指が、根元まで深々と兄のヴァギナをえぐり込む。
「ひぃぃぃいいいいいい!!!!」
「セッ、センパイッッッ!!」

「お分かりですか?もう兄はあたしたちのものなんです。ペニスもお尻もおまんこも、乳首もうなじも唇も、全部が全部あたしたちのものなんです。ですから、あなたが兄にどういう想いをお持ちにしろ、もう無駄なんです」
「あなた・・・・・・・・・・頭おかしいんじゃないの・・・・・・・・・!!」
「とにかく、もう兄には近付かないで下さい。いいですね?」
「ちょっと、待ちな・・・・・・・・」
 優子は一方的に電話を切ると、兄の臀部から自分のペニスを引き抜いた。
「はぐっ・・・・・・・!」
 芳樹がビクリと身体を震わせ、そのまま瑛子の背中に脱力する。
「すっごい姉貴、めちゃめちゃカッコよかったよ!!」
「これでもう、あの人が兄さんにチョッカイ掛けてくることは無いでしょうね」
 妹たちも囃し立てる。
416ヴァギ男くんの話:2005/11/24(木) 03:04:30 ID:l4ogbhyY
「・・・・・・・・・・・・いい加減にしろよ」
「え?」
「もう、いい加減にしろよ、お前ら!!」
 その怒鳴り声に、妹たちは一斉に兄の方を振り向く。
 さっきまで脱力していたはずの芳樹が、瑛子からペニスを引き抜き、憤怒の形相で彼女たちを見下ろしている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・おにい・・・・・・ちゃん・・・・・・・・?」
「さっきから黙って聞いてりゃ調子に乗って、お前ら一体どういうつもりだっ!?」

 芳樹は怒っていた。本気で怒っていた。兄としての自分の存在を『どれい』呼ばわりし、その身体を蹂躙する。それはいい。許しがたいが、まだ許せる余地が無いわけではない。
 なぜなら、この妹たちも自分と同じく、生まれついての宿業を背負って(妹たちペニッ娘にその意識は少ないが)生きてきた、いわば自分たちだけの感情を共有できる『仲間』だからだ。
 だから、妹たちの度を越したスキンシップも、彼女らの甘えだと解釈するだけのおおらかさは、彼も持ち合わせていた。兄として、そして一個人として、納得は出来ずとも理解する事は出来た。
 だがその甘えが、自分の人間関係を破壊するつもりだとしたら、これはもうシャレにならない。世界と社会を形作っているのは、人間同士の関係性と感情だからだ。
(ここでガツンと言わないと、こいつらは多分、この先もこういう態度でおれのプライベートを破壊し続けるだろう)
 芳樹は、義理とはいえ、自分が妹に手を出すヴァギ男の近親相姦ヤロウだと世間に吹聴されるのだけは耐えられなかった。そういう目で周囲から見られるという事は、すなわち彼にとっての社会的抹殺に等しい屈辱だったからだ。
417ヴァギ男くんの話:2005/11/24(木) 04:13:58 ID:l4ogbhyY
 彼女たちは、驚いていた。それが兄の怒りに怯えるよりも先に、三姉妹を襲った感情だった。
 かつて彼は妹たちに、ここまで激しい感情を向けたことは無かったからだ。
 彼はこれまで、自分と同じく両性具有の肉体を持った妹たちに、いたわりの目と気遣いを忘れたことは無く、それを日常化することを義務として己に課していた。彼なりの兄妹愛の証として。
 そして妹たちは、そういう芳樹であるからこそ、義理の兄でしかなかった彼に心を開き、懐き、愛情すら抱くようになったのだ。
 その兄が、いま初めて感情の牙を自分たちに向けた。
 三人を襲った次なる感情は当然、恐怖だった。兄の怒りに対する恐怖ではない。兄に嫌われる事への、純粋な恐怖だった。
 言い訳などしようも無い。冷静に考えれば、どう見てもさっきの電話の一件はやり過ぎであり、兄が怒るのも当然だったからだ。

「・・・・・・・・・・・・・だって・・・・・・・だって・・・・・・・・だって・・・・・・・・!!」
 凍りついたように呆然となっていた三姉妹。最初に反応したのは瑛子だった。彼女は震え、怯え、顔を引きつらせて泣き始めた。
「兄さんがっ!!兄さんが悪いんじゃないですかっ!!」
「なっ!?」
 その不可解な回答に驚いた芳樹を、瑛子は興奮のあまり突き飛ばす。怒りに任せて仁王立ちになっていても、疲労の毒が全身を蝕んでいる事に代わりは無い。芳樹はあえなく尻餅をついた。
「兄さんが優し過ぎるから・・・・・・・・・私だってこんな事したくなかったのに・・・・・・・・でも兄さんは、兄さんでしかなかったから・・・・・・・・だから・・・・・・・・そうでなきゃ、あんなクスリ飲ませたりしませんっ!!」
「クスリっ!!?」
 今度は二人の姉が驚く番だった。
「兄さんがいけないんですっ!!こんなに!こんなに好きなのに!兄さんは私の事妹としか見てくれないなんて!!そんなのガマン出来るわけ無いじゃないですかっ!!」

 優子は、ようやく思い当たった。兄を前後不覚の状態に追い込んだのは、自分が一服盛ったクスリの副作用でも何でもなく、単に自分と瑛子の二人分の媚薬を飲ませた結果だったのだということに。
 しかし、さすがの彼女も、いま隣にいる、もう一人の妹まで兄にクスリを飲ませていた事までは想像できなかった。