>>462 続き
「それじゃ、最初は……」
せっかくみんながチャンスをくれるんだから、ゲームに参加しない手はないと思った。
だから、椅子に座り直して、お願いをしてみた。
「みんなで順番に、俺にキスしてよ」
「キス? いつもしてるじゃない」
「あ、なんというかな、奪うようなキスじゃなくて、優しくさ」
「へぇ〜、早苗っていつも兄ちゃんの唇奪ってるんだ」
「な、何よ、清美だってそうじゃない」
きゃいきゃいと騒ぐ二人の横からすっと前に出た涼子ちゃんが俺の正面に立った。
「目を閉じてください」
「あ、ああ」
俺が目を閉じると、涼子ちゃんの両手が頬に添えられた。やや上を向かされて、少し待たされたあと、そっと唇を重ねられた。
(あ……)
ソフトなキス。そして、涼子ちゃんの舌がそよぎ、俺の口の中に入ってきた。
(うわ……!)
さっき少しだけ待たされたときに口の中に溜めていたんだろうか、たっぷりとたたえられた唾液を流し込むようにして、柔らかな舌が俺の舌を絡めとる。
くちゃっ、くちゃっ、とわざと音を立てるようにして俺の口の中を隅々までしゃぶり尽くす。丁寧な、そして淫らなキス。
涼子ちゃんが唇を離した時、俺はあやうく射精させられそうだった。椅子に腰掛けている俺の股間は、彼女の膝でぐりぐりと辱められていたのだから。
>>469 続き
ぽかんとしていた早苗がようやく再起動する。
「あ〜〜っ、涼子ったらずるい!」
「早苗さんがなかなかお兄さんにキスをしないから、先にご奉仕しただけです」
しれっとして言う涼子ちゃん。そして今度は、清美ちゃんが抜け駆けをした。
ぐい、と俺の顔を上に向け、それでも優しく唇を重ねてくる。
清美ちゃんの舌が俺の唇をなぞり、そして口の中に潜り込んでくる。歯の一本一本を数えるかのように歯茎を舐めまわし、仕上げに甘い滴を流し込んでくれた。
たっぷりと時間をかけての愛撫。一見がさつに見える清美ちゃんも、こんなに優しいキスができるんだ。そう思うと、そんなギャップも彼女の魅力に思えてくる。
唇を離した清美ちゃんが、くるりと回って早苗にタッチした。
「美由ちゃんは、悪いけど後回しね。早苗がキレそうだからさ」
「は、はい」
「き〜よ〜み〜〜〜」
「ほらほら、兄ちゃんが待ってるゾ」
早苗をこづく清美ちゃん。「もう」だなんて言いながら、早苗が俺の前に立つ。
「何よお兄ちゃん、二人にキスされただけでデレデレして」
唇をとがらせて愚痴る様も可愛らしい。
「いつも優しくしてあげてるのに……」
そうして、早苗の唇が俺に触れる。ああ、毎朝、毎夜俺に与えられる甘い唇。
女王様然としたキスではなく、恋人のような優しいキス。
>>470 続き
そう言えば、初めてのキスの相手は早苗だった。あの時、プールの中で早苗にキスされたんだっけ。そしてその日が、俺の早苗の新しい関係のスタートだった。
まだ俺が早苗の奴隷じゃなかった瞬間に与えられた唇。
そんなことを思い出しながら、俺は早苗に全てをゆだねるかのように口の中を玩ばれ続けた。
早苗が俺から離れ、最後に美由ちゃんがやってきた。
美由ちゃんも、俺の頬に手を添えて、そっと触れるようなキスをしてくれた。
唇と唇が触れあうだけでこんなに気持ちいい。そして、舌を絡めあい互いに求めあう事が何より気持ちいい。
あの恥ずかしがり屋の美由ちゃんが、意外な事にキスもフェラも、この四人の中では一番上手なんだ。俺はそのことをすっかり忘れていた。
小さな舌を精一杯伸ばすようにして可愛らしいキスをしてきている筈なのに、でもその舌の動きは他の誰と比べても巧みだった。上あごや舌の裏の敏感な部分を巧みにしゃぶり、俺をぞくぞくさせる。
長い長い時間をかけて俺を玩んだ舌が、まるで俺を誘うかのように去ってゆく。俺は夢中で、彼女の後を追ってしまう。
そして美由ちゃんの前歯が、俺の舌を甘噛みして捕らえてしまう。彼女の唇が、舌が、まるでフェラチオをするかのように俺の舌を啜り、嬲る。もしできるものなら、俺は舌の先から射精させられていただろう。
あとほんの数秒、彼女の唇に触れていたら俺は間違いなく射精されられていた。
だが、それを知ってか知らずか、美由ちゃんは唇を離して、くすっ、と可愛らしく微笑んだ。