359 :
名無し調教中。:
「ところでステラ、さっきメアリ達がステラが逃げ出したって騒いでいたけど」
「あっ、いけない・・・忘れてた!」
そう言うとステラはエプロンのポケットをゴソゴソと探り始めた。
「紹介します・・・この子もステラです!」
ステラはポケットから黄色と黒のまだらの物体を摘み出すと僕の鼻先へ持ってきた。
「ト・ト・トラ〜〜!」
僕より大きなトラ・・・さっきのスライディングで気を失っている。
「可愛いでしょう・・・サーカスから逃げ出して森で迷っていたんですよ」
そう言いながらステラはもう一匹のステラを胸に抱いて頭を撫でる・・・まるで小猫だ。
その時、トラのステラが目を覚ました・・・よく潰されなかったな。
目と鼻の先でトラと目が合ってしまった・・・不機嫌そうに唸るステラ。
「解った・・・ステラ、もう良い・・・早く何処かへやってくれ」
「あの〜、坊ちゃま・・・この子飼ってはいけませんか?」
「駄目! これ以上大飯食らいを増やしてどうする」
「私そんなに食べないもん・・・ほら、ステラからもお願いして!」
トラが唸る。
「解った、解ったから早くどこかへやってくれ!」
「良かったねステラ、はい・・・坊ちゃまに御礼を言って」
「御礼なんかいい! 早く、ほら・・・よだれ垂らしてるし・・・」
「は〜い!」
翌日から鎖で繋いだステラを散歩させるのがステラの日課になった。
父様が帰ってきたら何て言おうか・・・巨大なメイドとトラ一匹・・・。