蒲田周辺74

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766智仁 ◆rN4U95e5qM
>>763 の続き 

結局透は睡眠不足のまま翌朝を迎えるはめになった。兄の隆行は先に起床していたようだ。透は眠い目をこすりながら布団をたたんだ。
ダイニングでは隆行が先に朝食を摂っていた。透を一目見て隆行が声をかけてきた。
「どうした透、眠たそうだな。昨夜何かあったのか?」どうやら隆行は昨夜のオナニーを透に気づかれたとは思っていないようだった。
「え、んと、その、なんだか夜明け前ごろに急に目が覚めちゃって…」兄に怪しまれないようにと透は適当な言い訳を作った。
「夜中に好きなあのコの夢でも見たんだろう。まあ悩め悩め。ちゃんと恋人になったら、お兄ちゃんにも紹介するんだぞ」
「ち、違うよ、そ、そんなんじゃなくて、その、えと、あの…」兄のからかい半分な言葉に透はしどろもどろになった。
朝食を済ませた後、透は学校へ向かったが、学校に着くまでの間透はずっと昨夜の兄のオナニーのことを考えていた。
「お兄ちゃん、いったい誰のことを想ってオナニーしてたのかな?同じクラスの人?グラビアアイドル?それともHな本とかを思い出してとか…」
教室に着くと昨日と同じメンツが朝からにぎやかに何やら話し込んでいた。
「おはよう。今何を話してたの?」
「あ、おはよう、透。それがさ、勇がさ、3組の田原に告るんだってよ」
「田原さんって言ったら、あのかわいいコだよね」
「あ?なんだ透、お前も田原に気があったのか?」
「い、いや、別にスキってわけじゃないけど、かわいいコだよなぁとは…」
そこへ数人の女子が割って入ってきた。「ちょっと、3組の田原に告るって聞いたけど、それマジ?」
「そう、オレは決めたんだ。今日の放課後、オレは田原に告白する!」
「だけどさぁ、あのコ、すごく性格悪いって聞いたよ。止めときなって。この前も1組の男子がひどいフラれ方したって聞いたし」
「いや、オレみたいなカッコイイ男なら、絶対そんなことにはならない。もしフラれたら、もうオレは二度と女なんて相手にしない。
 一生ホモになってやる。そのときは頼むぞ、透」
「え、ちょっ、ちょっと待ってよ。お、オレは別に…」
「おい勇、あまり透をからかうなよ。ほら、なんだか透のやつ、半分本気にしちまったじゃねえかよ」
この一言で一同の間にどっと笑い声が上がった。ちょうどその時予鈴が鳴り、担任の先生が入ってきたため、その場はお開きとなった。 (続く)