アメリカ合衆国における有病率は5〜10%程度といわれる。
ブタクサがほとんどともいわれるが、国土が広大なため、
地域によってさまざまな種類の樹木・草本が問題になっているようである。
北欧と同じく寒冷な地域であるカナダではカバノキ科の花粉症が多く、
6人に1人という数字もある。
アジア太平洋地域では、文献的にはトルコやオーストラリアなどが40%以上という
異常に高率の有病率を示しているが、この数字には疑問が残る。実際には10〜20%と推測される。
世界的にみて、先進工業国ではおおむねアレルギーが増えており、
花粉症も全人口の1〜2割というところではないかとみられている。
いずれも、英語圏でなくとも、あるいは Hay(干し草)が原因ではなくとも、
Hay fever の病名が慣用されることがある(そのため、花粉症の説明において、
干し草が原因ではないとのことが述べられることもある)。
さらに、アレルギー性鼻炎全般を Hay fever と代名詞的に総称することすらあるようであり、
一般向けの病気についての解説等は、日本の感覚では疑問を持たざるを得ないことがある
(もっとも、症状や治療方法はほぼ同じであるため、原因物質によって区別する必要もない)。
これらのうち、カバノキ科の花粉症が多い北欧やカナダでは
口腔アレルギー症候群を示す患者も多く、カナダでは花粉症患者の半数程度が経験するという。
こうした海外の花粉症については、プロスポーツ選手の海外進出などにともなって、
ニュースとしてよく目にするようになってきている。
日本国内であればマスクや薬の入手は容易であるが、他の国ではそうとは限らない。
特に欧米では日常的にマスクをする習慣がないため、奇異な目で見られるということもある。
街角でポケットティッシュを配るなどのことも行われてはいない。