しかし、こうした住宅事情の変化はハウスダストアレルギー増加をうまく説明しても、
前述のようにどのようなアレルゲンに反応するかは
遺伝的に規定されているという説によれば、これが花粉症増加の原因であるとはいいがたい。
ただし花粉症患者のかなりは、その発症以前に
ハウスダストアレルギーを発症しているという事実もあり、
花粉症の素因を持った人の発症時期を早める影響は否定できない
(そうであれば、高気密住宅の多い都市部に花粉症患者が多くなることも、
ある程度は説明ができる)。
都市生活ならではのストレスや食生活の変化(洋風化)などについては、
明らかなことはわかっていないが、個人により影響を強く受ける人もいるかもしれない
とは考えられている。
特に食品中のさまざまな栄養成分とアレルギーとの関連は、
実験的なデータや理論(仮説)はあるものの、疫学的に実証されているとはいいがたい。
建材などから発生する有毒化学物質や食品中の添加物の影響を考えるむきもあるが、
花粉症との関連は調査されていない。
授乳時の人工栄養や早期離乳などについてはいくつかのデータがあるが
結論はなされていない。