なお、花粉症についての調査ではないが、両親ともアレルギーではない場合に
子どもがアレルギーになる率は26.7%、両親ともアレルギーの場合は57.4%、
母親または父親がアレルギーだと44.8/44.1%との数字がある。
他のいくつかの調査でもほぼ同様である。
大気汚染や生活環境の変化、衛生環境の変化による人体の免疫作用の変化との関連が
指摘されており、下記のような調査が進められている。
ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる微粒子 (DEP) や、
ガソリンエンジンからも排出される窒素酸化物 (NOx)、オゾン (O3) などに
長期間暴露されることにより花粉アレルギー反応の閾値を下げる、
アレルギー反応を増幅する等の影響が指摘されており、様々な実験・調査がされている。
たとえば、動物実験の結果から、この微粒子が体内に入ると
抗体を産生する効果が増強(アジュバント)され、しかも IgE タイプの抗体が
優位に産生されるという報告がある。
ヒト細胞を使った実験でも、これが支持された。
この仮説は 1970年代ごろから花粉症患者が増えた原因を、
大気汚染の影響から説明するものとして注目されている。
モータリゼーションの進行とともに花粉症患者が増えたこともよく説明する。