【もうすぐ】禁スロマラソン38km【春ですね】

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492( ´∀`)ノ7777さん
第一作の制作前にシリーズ化が決定されていたが、予想以上の大ヒットとなり
興収は邦画の中で年間第2位となり、21世紀の現在も名画座を満員にできるコンテンツである。
長らくビデオ化されなかったが、その間も土曜日のオールナイトなどでシリーズ作がよく上映された。
1987年12月にレンタルビデオがリリースされ、邦画としては桁外れの売上を達成し、
以後もロングセラーを続けた。
スポンサーの付き難いヤクザ映画にもかかわらず、繰り返しゴールデンタイムの地上波で放送されている。
この映画が登場するまでのヤクザ映画の多くはいわゆる、チョンマゲを取った時代劇
と言われる虚構性の強い「仁侠映画」であり、義理人情に厚く正しい任侠道を歩むヒーローが描かれていた。
68年から始まる文太主演の「現代やくざ」シリーズで既にヤクザを美化した従来の任侠映画の常識を
覆す現実的なワルを主人公にしたが、この映画では実在のヤクザの抗争を「実録路線」として、
リアリティを表現させたところが新しい。
本作に出てくるヤクザの大半は金にがめつく、弱者に強い社会悪としての姿が大いに描かれており、
仁侠映画のようにヤクザを美化することはない。
一時英雄的に表現されるキャラクターも最後には惨めに無残に殺される場面が多い。
また、この映画はヤクザを主人公にはしているが、優れた群集活劇でもあり、
暗黒社会の一戦後史でもあり、青春映画であり、また自己啓発としての側面もある。
ただし、基本的に娯楽映画/エンターテイメントであるため、
登場人物に感情移入させるためにもヤクザを魅力的な存在であるかのように描いており、
犯罪者を美化するのかという批判もつきまとうことになる。
この映画の大ヒット後、ジャーナリズムは様々なヤクザ抗争を俎上に上げて料理し、
それを原作とする多くの「実録ヤクザ映画」が製作されたが、30年以上経った今日でも、
未だこの映画を凌駕するものは生まれていない。
このため、その存在価値は年々増すばかりで、ヤクザ社会を知りたければ、まずこの映画を見、
原作を読まなければ始まらない。