ヤッターマン
『ヤッターマン』(英語表記:Yatterman)とは
1977年1月1日から1979年1月27日までフジテレビ系列で毎週土曜18:30 - 19:00(JST)
に全108話が放映された、タツノコプロ制作のテレビアニメである。
『タイムボカンシリーズ』の第2作目にあたり、正式作品名は『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』。
上記を基に2008年1月14日から日本テレビ系列で毎週月曜夜(JST)に放送されている、
讀賣テレビ放送制作の第2作目(リメイク版)のテレビシリーズである。
正式作品名はタイムボカンシリーズは入らない『ヤッターマン』。
詳細は#アニメ第2作(リメイク版)を参照。
上記を基に制作された、松竹・日活にて2009年3月に全国公開予定の実写映画である。
正式名称は『YATTERMAN ?ヤッターマン?』。詳細は#実写映画を参照。
地球上のどこかにある“お宝”のありかを示したアイテムをある個数集めようとする、
ヤッターマンとドロンボー一味との戦いを描いた作品。
ヒーローに変身する男女ペアの主人公、ゾロメカ、おだてブタ、三悪メカ爆発時のドクロ雲など、
後にシリーズを象徴することになる要素のほとんどが本作で誕生した。
テレビアニメ1作目では、お宝は大金鉱脈で、集めるアイテムはドクロストーン。
4つ存在し、うち1つはドクロベエが持っている。だが実は・・・
アニメ2作目では、集めるアイテムはドクロリングで、5つ集めると願いが叶う。
その内容次第ではお宝を得られる。
ドロンボー一味がインチキ商売で稼いだ金でその商売にちなんだメカを作る。
インチキ商売の店舗にはシンボルのドクロマーク(前作「タイムボカン」では白だったが
本作より赤に変更)が必ず付いている。この地下にメカ工場がある。
インチキ商売で物を売りつける時の額はおおむね10万円と決まっている。
こうして荒稼ぎした額は(札束の数から見て)数千万円 - 数百億円にものぼる。
ただし、ドクロベエがその大金の殆どを巻き上げてしまうこともある。
ガンちゃん(ヤッターマン1号)とアイちゃん(ヤッターマン2号)の2人が
インチキ商売を嗅ぎ付け、潜入して様子を窺う。
地下のメカ工場への入り口は外から見える場合とカモフラージュされている場合があるが、
どんなにうまくカモフラージュしてもオモッチャマが見つけ出す。
ドロンボー一味、ドクロベエの怪しげな指令情報を元にドクロストーン探しに出る。
ヤッターマンはそれを追跡する。
多くの場合、メカが地上に出る際にインチキ商売の店舗を破壊する。
先にご当地に着くドロンボー一味、地元のトラブルに乗じて言葉巧みにヤッターマンを陥れ、
ドクロストーンと思しきものを詐取。
誠意もしくは実力で危機を脱したヤッターマンと馬脚を露わしたドロンボー一味との戦闘。
白兵戦はヤッターマンが圧倒、メカ戦に移行し序盤はドロンボー一味が優勢だが、
ヤッターマンの「メカの素」で生み出されたビックリドッキリメカで形勢逆転。
そしてドロンボーメカはビックリドッキリメカに解体され爆発
(自爆スイッチで爆破の回などもある)、ドクロ雲を残す。
最後にヤッターマンは勝利のポーズを決める。
勝利のポーズは前期、ヤッターアンコウ登場時、
後期と大きく分けて3種類がある。
ちなみに後期には白兵戦はなくなった。
多くは誤解に基づくご当地トラブルはドロンボー一味の成敗と共に無事解決し、
奪還されたターゲットがドクロストーンでないことも判明する。
ドロンボー一味、3人乗り自転車(通称「タンデム自転車」「おしおき三輪車」)で
敗走する途中、「おしおきだべぇ」の一言でドクロベエの「ママより恐いおしおきタイム」が
始まる。おしおきの際、ドクロベエが「ミュージック」とコールすると、
ベートーヴェンの『運命』のイントロ部分が、おしおきファンファーレとして流れ、
直後におしおきが執行される。主に動物(象、鮫、鯨、お化け、ロボットなど)や
爆発物(ミサイルや爆弾など)、重いもの(椰子の実、雪球、隕石など)に襲われる、
幻を見せられる、檻に入れられる、水中や砂地獄などに落とされたりするパターンが多い。
後期には、おしおきポーズが登場し、その決めセリフは「ドクポンタン」
(意味は、ドクロベエのスカポンタン)。ヤッターマン、ナレーションと共に凱旋する。
テレビアニメ(1作目)では、上記のフォーマットにのっとり2年と1か月、
計108回にわたって延々と続けた。
ちなみにこの放送期間内で放送休止となったのは1週のみであった。
制作者側もマンネリを開き直っている様子が後期エンディングテーマ
「ドロンボーのシラーケッ」の歌詞から窺える。
一方、前作のパターンだった「とどめの手段を巡っての(責任の)なすりあい」
は一切使われなかった。
ただし、時々脱出する際にさっさと逃げようとするドロンジョにボヤッキーが怒るという描写はあった。
後期に入るとナレーションの富山敬がBGMに合わせて
「♪がんばーれー ヤッター ヤッターマーン」と歌うこともあった。
テレビアニメ2作目も、概ねこのフォーマットを踏襲している。
時折これらのパターンが破られることがあり、視聴者を飽きさせない工夫がされている。
アニメ第1作(オリジナル版)
オモチャ屋の息子・ガンちゃんは、ガールフレンドのアイちゃんと一緒に
父親が製造途中で放棄してしまった大きな犬型のロボットを密かに完成させる。
父親がロボット犬を金儲けの道具にしか使わないことを危惧したガンちゃんは
このロボット犬を正義のために役立てることを考え、
自らも正義を守るヒーロー『ヤッターマン』となることを決意した。
一方イカサマ商売で活動資金を荒稼ぎする悪党・ドロンボー一味のもとに
泥棒の神様を自称するドクロベエと名乗る謎の人物から
「大金塊のありかを記したドクロストーンが4つに割れて地球の方々に散らばっていて、
1つは自分が持っている。もし残り3つのドクロストーンを見付けることができたら、
金塊は折半しよう」という申し出を受け、ドクロベエに従う。
ドロンボーの計画を知ったガンちゃんたちは、ロボット犬=ヤッターワンを駆って
一味に立ち向かう。
企画段階ではタイムボカンとは無関係の作品とされており、
シリーズの多くの作品とは違いタイムトラベルをしない。
(第36話はストーリーとしてはタイムトラベルではあるが実はボヤッキーの夢だった)
題材は初期には世界七不思議(雪男・モアイ・ネッシーなど)や世界各地の風物
(カーニバルなど)、世界的に有名な俳優・歌手などを扱っていた。
放映4か月目以降より、タイムボカンのように名作児童文学や昔話、
伝記などのパロディーが激増する。
舞台も明らかに現代とは思えない話が多い。
サブタイトルの大半や登場人物・舞台は、これらの物語の元になっている話が分かるような
ギャグパロディーとなっていた。
2年間の平均視聴率は20.1%と、タツノコプロ制作のアニメの中で最も高い数字を残している。
タカトクトイスが発売したヤッターワンの玩具は出荷数120万個を超えた。
登場人物
ヤッターマン
2人揃って「ヤッターマン」。
ヤッターワンを完成させた2人はドロンボー一味の悪巧みを知り、ヤッターマンとなって戦う。
基本的に何らかの形でドロンボーの企みを察知するが、
事前に彼らのアジトを急襲することはしない。
ガンちゃん(ヤッターマン1号) 声:太田淑子(『タツノコ VS. CAPCOM』では喜多村英梨)
本名は高田(たかだ)ガン。
父の高田徳兵衛(たかだ とくべえ。名前の由来はメインスポンサーのタカトクトイスから)
が経営する高田玩具店の一人息子。身長165cm。武器はケンダマジック。
前作の丹平と同様に13歳という設定だが、体格は20歳前後の青年のものであり、逞しい。
いつもは常に青色のツナギを着ており、変身時は空に投げたツナギを裏返しに着装して
ヤッターマン1号となる。
決めゼリフの後に歯をキラリと光らせるが、62話では股間を光らせ、三悪をズッコケさせ、
ドロンジョに「光ってりゃいいってもんじゃないよ!」と言われた。正義感溢れる性格。
アイちゃん(ヤッターマン2号) 声:岡本茉利
本名は上成愛(かみなり あい)。ガンちゃんのガールフレンド。
父の上成吾呂三(かみなり ごろぞう)が経営する電気屋の一人娘。身長161cm。
武器はシビレステッキ。
12歳だが、ガンちゃんに合わせて20歳弱程度の女性の体格で描かれている。
変身時は空に投げたツナギを裏返しに着装。決めゼリフの後に目をキラリと光らせる。
2人の決めゼリフの後にドロンジョが「目医者と歯医者のコマーシャルやるな」
などとしばしば反発する。
シリーズ後半でドロンジョに「2号さん」と揶揄される。
オモッチャマ 声:桂玲子
サイコロ型ロボットで、ガンちゃんの父親が経営する高田玩具店のマスコット。
前作のチョロ坊と同様にロボットでありながら喜怒哀楽の感情を持つが、
ガンちゃんには感情を否定されている。
乾電池をエネルギー源とし頭からプロペラを出して飛行することができる。
ドロンボー一味のアジトに乗り込み、悪事を一番先に察知する役割。
ドロンボーのインチキ商売を自ら手を下して暴いたこともある。
成人男性を吊り上げることもできる(81話で判明)。
ヤッターキング用のメカの素を内部に格納していたこともあるが、
1度取り出すと重すぎてなぜか自力では持てなくなり乾電池が切れてしまう描写がある。
ヤッターキングの内部仕様変更後はメカの素を取り出す直接的な描写は見られない。
一人称は「ボッチ」で、語尾は「○○だ(で)コロン」。
タイトルの読み上げ、次回予告のナレーションも担当
(但し本放送当時は無く、再放送で日の目を見た)。
後期の次回予告では作品中で初めて「三悪」という言葉が使われている。
ドロンボー一味
イカサマ商売で活動資金を得て泥棒家業を働く悪党にして義賊泥棒(自称)。
3人揃って「ドロンボー一味」。
本放送の放映中は前作の『タイムボカン』のマージョ一味が改名したという設定だった。
ドロンジョ 声:小原乃梨子
ドロンボー一味のリーダー兼お色気担当。身長173cm。24歳。
「ドロンジョ様」「ドロンコ」などの呼称を持ち、金銀宝石を愛するドロンボーの女ボス。
本名はササッガワ・ヒロッコで、名前の元ネタは総監督の笹川ひろし。
スタイル抜群で頭脳明晰な美女だが本シリーズ歴代女ボスの中でも最も特徴ある
大きなフード型の仮面を被っており、素顔は序盤では、インチキ商売でしか見られず、
2クール目以降(14話〜)からはインチキ商売でも仮面を着用して素顔を見せなくなる
(ただし95話のみ1クール目同様、インチキ商売に限り素顔を見せている)。
フライドポテトが大好き。
ドロンボーが解散になった際、ボヤッキーとトンズラーに「いい女は振り返らないもの」
と涙ながらに語っていた。
ネーミングモデルはフランスの女優で小原の持ち役でもあるミレーヌ・ドモンジョに由来。
加えて、元々は忍者映画からの比喩で、泥棒はドロンと消失する如く逃亡することにも由来している。
ボヤッキー 声:八奈見乗児
フルネームはブツクサ・ボヤッキー。
この本名は、『ドクロベエさまに捧げる歌』においてネタとして使われている。身長168cm。25歳。
ドロンボー一味のメカ設計開発・作戦担当。福島県会津若松市出身。
故郷におハナちゃんという恋人を残し、ドロンボー一味に入るため上京してきた。
オネエ言葉で話すがゲイではなく女子高生好きで知られる。
一人称は「アタシ」または「ボクちゃん」、ごくまれに「私」や「俺」の場合もある。
後半に入ってからは、ナレーターの伝説のフレーズ「説明しよう」を多用するようになった。
「全国の女子高校生の皆さん」やボタンを押す際の「ポチッとな」などの決まり台詞がある。
ガンちゃんと同じようにいつもは黄色のツナギを着ている。
物語の中期から後期にかけては、完成したメカを披露する際に「全国○×協会推薦です」
の一言が入ることがある。
普段からゴーグルを着用しており、ゴーグルを外した素顔はOVA「タイムボカン王道復古」
においてしか見ることができない(トンズラーも同様)。名前の由来は「ぼやき」から。
トンズラー 声:たてかべ和也
ドロンボー一味の怪力担当。身長138cm。30歳。本名はスタコラ・トンズラー。
ボヤッキー同様、本名は『ドロンボーの失敗の唄』においてネタに使われている。
元プロレスラーで岩手県出身だが、なぜか関西弁を多用し語尾に「〜まんねん」を付けて話す。
本作ではインチキ商売において暴力を振るう場面が少なくない。
名前の由来は逃げるという意味の「とんずら」から。
ドクロベエ 声:滝口順平
「泥棒の神様」を自称する謎の男。三悪をそそのかしドクロストーンを探させる。
一人称は「我輩」。毎回やられてぼろぼろのドロンボー一味に対し、
趣向を凝らした「ママより恐いおしおき」を行う。
これがシリーズを通して人気を博した。
ドクロストーンの情報をドロンボー一味に与えて捜索させるが不正確な情報が多く、
ドロンボー一味に無駄足を踏ませることが大部分。
しかし、負けて敗走中のドロンボー一味へのおしおきに関しては割り切って必ず行う。
ドロンボーがガセ情報について抗弁しても無駄であり(抗議に対して逆ギレすることの方が多い)、
おしおきは100%執行される。