もともとはサイクロン号の常用タイプ劇用車にカウリングを付けたものである。
撮影時期によっていくつかのバージョンが存在するが、
新1号編に入ってからは旧サイクロンのカウルの流用によって
旧サイクロンっぽさを多分に残す最終バージョンが一貫して使われている
(画面の上でもダミーライトの形状から容易に判別可)。
撮影用車両のSL350はオフロード(当時はスクランブラーと呼ばれた)車。
正面から見たときにV字型の集合マフラーが特徴。
「CB400(または350)DTがベース」と誤記されることが多いが、
これはSL350がオンロードのCB350と同じエンジンを使用していることから誤解されたこと、
またその表記がいくつかの商業誌に使用されたことから広まったものと推測される。
(なお、DTはヤマハのトレール(デュアルパーパス)バイクの名称であり、
ホンダCBとは全く関連がない)。
劇場版の第1作ではダブルライダーが並走するため、1号用に2台目が用意された。
SL350K0が使用されたと推測される。
急造のため、サイクロンの円筒形マフラーが流用されている
(この時2号が乗るサイクロンのカウリングは新造されているが、
幅が狭く「ライダーマーク」の位置が異なるなど若干の相違がある)。
新サイクロン登場まで活躍する。
72話で新2号が乗ったのが最後の登場。
新サイクロン号(ニューサイクロン号)
ベースモデル:スズキハスラーTS-250III
最高時速:500km
ジャンプ力:50メートル
新1号ライダーがシリーズ後半で使用し、後に新2号も搭乗した新型バイク。
本郷猛、滝和也、立花藤兵衛による設計・開発。本郷が常用するセミカウルのオートバイが、
仮面ライダーへの変身に合わせて自動変形する。
かつてのサイクロンをあらゆる面で凌駕する。
カウルの両側にウィングを展開させることでグライディング飛行が可能である。
急制動用にパラシュートを装備している。
必殺技はフロントカウルを細かく振動させた状態で体当たりを決めるサイクロンアタック
(イノカブトン戦で使用)。
初登場は第68話だが、第74話からリペイントされ、よりスタイリッシュになった。
オンロードの性格の強い前2車に比べ、専用のデュアルパーパスバイクとして設計された
車両であったため設定上だけでなく実際の撮影車両の操縦性能のほうも格段に高くなった。
なお、変身前の常用車両はGT380Bにビキニカウリングを付けたもの。
撮影用車両は1台のみの製作だったが、ショッカーライダー用に2台目が製作され、
そのまま2号用に流用された。
この2台の車両は、『仮面ライダーストロンガー』39話の撮影まで使われている。
その後のゲスト出演時に使われたバイク
『仮面ライダー (スカイライダー)』時には、CM撮影用に歴代ライダーマシンが新調され、
1号は改造サイクロン、2号は新サイクロンを愛車とした。
しかし、ベース車が125ccとスケールダウンし、小型ゆえバイクスタントには向いているものの
造形的にはオリジナルとの差が出てしまった。
特に、シンプルなデザインであるサイクロンは、オリジナルとの差が目立つ結果となり
強い違和感を残している。
また、2000年にオートレースのCMに仮面ライダーが登場し、その撮影用に新サイクロンが製作された。
大型のラジエーターやチャンバーがカウル内に確認できるため、
当時の水冷2サイクルのオフロードバイクが使用されたものと判断されるが車種は不明。
必殺技
物語の進展とともに、「ライダーキック」という跳び蹴りが必殺技として確立する。
ライダーキックは上空へジャンプ、宙返りを経た後に怪人めがけて蹴りこむ技として
表現されている。
しかし、ライダーごっこの最中にライダーキックの真似をして
怪我をする子供が現れたことが問題となり、ライダーキックを真似る子供に
本郷猛が注意を呼びかけるシーンや、ライダーの特訓シーンを見せつつ
滝が子供達にライダーキックの危険性を諭すシーンも劇中挿入された。
このほかにもライダーは多数の格闘術(ライダーキックのバリエーションはもちろん、
ライダー返しやライダーきりもみシュートのような投げ技も多い)を決め技として用い、
「ライダーダブルキック」に代表される1号・2号の合同技も時に繰り出された。
後のシリーズにおいてもライダー達はライダーキックとほぼ同様のキック技を始めとした、
多数の必殺技を用いるようになっている。
本作の直前に多くの同スタッフによって制作された『柔道一直線』の技が、
仮面ライダーの必殺技のベースになっている。
必殺技の撮影では、柔道一直線で多用されたトランポリンを使いジャンプや回転するシーンを
撮影し、これを編集でつないでいく手法がとられている。
2号の場合は「仮面ライダーX」でのゲスト出演以降、1号と区別する為に
「2号ライダーキック」または「ライダー2号キック」と呼称される事がある。
1号、2号共有技
ライダーキック
共通して最も多様された必殺技。
バッタ(正確にはトノサマバッタ)の改造人間であるライダーの脚力をフルに生かしているので
凄まじい破壊力がある。
威力は力が秀でてる分、2号の方が優れてるとされている。
1号には「月面キック」「反転キック」「スクリューキック]「ポイントキック」などバージョンが多い。
後期ショッカー怪人やゲルショッカー怪人はかなり強化されているので、
必ずしも「一撃必殺」とは言えなくなっている。
イカデビルは「キック殺し」と言う返し技を使用した。
ライダー返し
空中で相手を投げると言うより、身体を引っ繰り返し敵を背面から地面に叩きつける。
ダブルライダーの連携としてツープラトン使用も可能。
ライダーきりもみシュート
1号が編み出した強力な投げ技。
文字通り相手を錐揉み回転させるので真空状態が起こる。
その為、海洋生物の特性を持つ改造人間に効果があり、イカデビルなどのトドメに使用した。
2号が使用したのはエイドクガー戦のみだが、やはり海洋の怪人であった。
※パンチやチョップなどスタンダードな技は省く。特色として技の威力は力の分、
2号優とされているが児童誌によるとスピードなどの総合力は若干1号優とされている。
1号(含む新1号)
ライダー投げ
「ライダー返し」に似ている空中で行われるシンプルな投げわざ。
1話の蜘蛛男戦で既にそれらしき技は使っていたがこの時は呼称はなく番組途中からになる。
ライダーシザース
両足で頭を挟みこみ投げ飛ばす。プロレス技の「ヘッドシザース」に似ており違う点は
相手も空中で投げるところ。
比較的初期(旧1号編)から使用されている。
電光ライダーキック
旧1号が日本をたつ前の最後の強敵トカゲロンの「必殺シュート」を破る為に特訓より編み出された。
この特訓には立花藤兵衛も協力しており、後のシリーズの定番である
「オヤッさんとの特訓」となりV3、Xでも行う事になる。
その名の通り電光の様に光る。
基本は打撃技ではなく「必殺シュート」によって打ち放たれた岩石を打ち返す為に考案された。
ライダーニーブロック
新1号初期から使用。空中で「ニーパット」を行う。
主にヒットポイント(打撃目標)は敵の「脇腹」。
ライダーフライングチョップ
ライダーハンマーキック
ライダーローリング
敵をうつ向せにし背中に担いで回転して振り回す。
「エアプレーンスピン(飛行機投げ)」に似ており「技の1号」にしては珍しい力技。
ライダーヘッドクラッシャー
「ライダーシザース」の発展型。
違うところは最後に敵の脳天を打ち砕く点。
新1号の技で「ライダーきりもみシュート」と並んで最も威力のある部類の技。
※他にも「ライダーキック」バリエーションも豊富に存在しているが、
パワーは2号に譲るものの1号が強力な改造人間には変わりない。
打撃も強力で死神カメレオン(カメレオン男)を「ライダーチョップ」で葬ってる。
2号
大車輪投げ
パワーが特色の2号の独特の技。
「バックブリーカー」から投げ飛ばし「人造人間キカイダー」のものとは異なる。
技の呼称はなくケイブンシャ発行の「仮面ライダー大百科」からの抜粋。
印象に残るものではシオマネキング戦で使用。
ライダー二段返し
その名の通り、ライダー返しを二度を行う。ナメクジラを倒した。
ライダー卍キック
滝との特訓により編み出された自身を横回転させ威力を増し打ち出すキック。
身体をひねらせて卍(まんじ)の様に見えるところが名称の所以。アリガバリ戦で使用。
後に後輩であるV3の「スクリューキック」やストロンガーの「ドリルキック」などに
大きな影響を及ぼす。
※上記の様に2号は自身で技を編み出す能力があり、決して「技が下手」言う訳ではない。
あくまで「技の1号・力の2号」は特色を示しただけのものであり、
両者とも優劣付けがたい能力を有している。
後は1号と共有の技が多い。
特筆としてはゾル大佐である狼男をダイビングしての「ライダーパンチ」で葬っている。
※「技の1号・力の2号」についてTV本編では語られる事はなかった。
V3のダブルタイフーンの風車がそれぞれ、
右が1号の技、左が2号の力を受け継いでいることがわかる(V3 第3話)。
また「全員集合!7人の仮面ライダー!!」で藤兵衛の発言より、
「力の1号・技の2号」と称するシーンが存在する。
ツープラトン(共合)技
ライダーダブルキック
最強の必殺技でショッカー、ゲルショッカー怪人では攻略不可能であった。
文字通り1号と2号が同時に「ライダーキック」を行うのだがタイミングが難しく
相手を戦意喪失状態にしてからお互い「今だ!!」と合図して万全期してから放つ事が多かった。
当初は互いに「ライダーキック」と呼称して放っていたが、ユニコルノス戦あたりから
「ライダーダブルキック」と呼称する様になる。
最終使用は劇中では「仮面ライダーV3」の劇場作品「仮面ライダーV3対デストロン怪人」が最後となる。
ライダー1号・2号がそれぞれ、単独での撃破が困難とされる強力怪人に使用された。
ショッカー怪人のスノーマン、ゴースター、イソギンチャック、ユニコルノス、ギルガラス、
ザンジオー、モスキラス、シオマネキング、ゲルショッカー怪人のナメクジキノコを倒した。
またデストロン怪人タイホウバッファローに使用し続けざまに放ったV3キックで
撃破できるほど大ダメージを与えた(V3は通常、V3キックを決め技としないため)。
「RX」にゲスト出演し、10人ライダーの特訓時にダブルライダーキックという呼称だった。
尚、後輩の仮面ライダー達が二人でライダーキックを放った場合では、
ライダーダブルキックとの呼称はされなかった。
ライダー返し
「ライダー返し」を2人で行う訳だが、威力も倍増すると見られる。
ライダー車輪
超吸引力のあるイソギンチャック戦で使用。
一気に接近戦に持ち込む為の技。お互い組み合って前転を行う。
ライダー車輪(対ショッカーライダー用)
名称は同じだが用途全然異なる。サークル(円)を描いて高速走行し相手にも共走させ、
その後同時にジャンプし自分たちは反転で回避し空中で相手達を互いに激突させ自爆させる技。
これも藤兵衛との特訓で編み出した。
ヘッドクラッシャー
1号の「ライダーヘッドクラッシャー」とは別の技。
ダブルライダーの「頭突き」により強固な壁も破壊する。
最終回で敵アジトから脱出する時に使用。
ライダーハンマーキック
1号の「ライダーハンマーキック」と名称は同じだが別の技、2対2で使用する技と思われる。
それぞれ怪人と肩を組みジャンプ、空中で怪人同士を叩き付ける技。
「劇場版仮面ライダー対ショッカー」で復活したプラノドン、ギルガラスを倒した。
※その他ダブルライダーの連携は素晴らしく他の後輩ライダー達のものより群を抜いている。
名称はないがダブルパンチ連打やOシグナルにより意志が共有出来て、
洗脳された1号を2号が意識を回復させる能力を見せている(OシグナルはV3も共有している)。
敵組織
ショッカー
世界征服を企む国際秘密組織。
メンバーは知力体力に優れた人間に改造手術を施し洗脳した怪人を中心に構成されており、
その怪人達を正体不明の首領が操って様々な犯罪や破壊工作を行っている。
ナチスの残党が前身という説もある。
首領の所在と姿は秘密になっており、各国ショッカー基地においてシンボルである
鷲のレリーフから声だけで指令を発している
(首領の発声に合わせて、胴体部分にはめ込まれたランプが点滅する)。
34話では、首領の所在地がアンデス山中にあるらしいことが示唆されている。
ショッカーの怪人たちは、基本的に実在の生物を人間と融合させた姿を持っており、
「蜘蛛男」「キノコモルグ」などモチーフとなった生物からネーミングされている。
仮面ライダー自身もショッカーに「バッタ男」として改造されて誕生したという経緯があり、
そのことは仮面ライダーの異形さを際立たせている。
例外的に実在の古代生物をモチーフにしたザンブロンゾやプラノドン、
架空の古代生物をモチーフにしたユニコルノスやピラザウルス、
UMA をモチーフにした雪男怪人スノーマン、無機物であるマグマをモチーフにしたゴースター、
古代人のミイラを改造したエジプタス等々、現存する生物にこだわらない者も登場した。
ショッカーのアジト内部は、毎回メインとなる怪人のモチーフとなった動物が壁面に描かれていた。
※その他ダブルライダーの連携は素晴らしく他の後輩ライダー達のものより群を抜いている。
名称はないがダブルパンチ連打やOシグナルにより意志が共有出来て、
洗脳された1号を2号が意識を回復させる能力を見せている(OシグナルはV3も共有している)。
怪人達はおおむね脳改造を受けてショッカーに忠実な操り人形となっているが、
中には様々な思惑で自ら改造手術を受けた者も存在し、
脳改造を受けていない節の見える怪人も散見する。
当初は改造素体に知力や体力が並外れた人間の使用が絶対条件だったショッカーの改造技術は、
後に特に知力や体力が優れているわけでもない一般人を素体に
怪人を製造できるまでに進歩している。
地獄大使着任直後には本郷が帰国した事を意識してか、ゴキブリ男、海蛇男など一部
末に「男」が着く怪人も登場している。
地獄大使編後半に入ると、本格的ライダー対策として対ライダー用特殊能力を兼ね備えた
強化怪人(ギリザメス以降の怪人全員。白ベルトに金色のエンブレムの付いた通称
「黄金ショッカーベルト」を付けている)が製造されたり、
シードラゴン、ウニドグマの任務に見られる怪人の量産仕様や
改造人間の大量製造計画によって戦力の補充を画策するようになった。
当初、ショッカー日本支部では怪人が「幹部」として直接に首領の命令を受けて、
配下の戦闘員とともに作戦行動を行っていた。
死神カメレオンやサボテグロンのように指揮能力や作戦立案能力に秀でた指揮官型の怪人や
トカゲロンやサボテグロンなど組織内での地位の高さを窺わせる怪人も存在していた。
しかし、仮面ライダーによって日本での征服計画が大幅に遅れたためか組織強化が図られ、
ゾル大佐が日本支部指揮官として着任した。
以降、ショッカー日本支部の作戦は首領の信任を受けた大幹部が、
怪人や戦闘員を指揮していくことになる。
ゾル大佐が仮面ライダー2号に敗れて戦死した後は、死神博士が着任。
死神博士が1号再改造において洗脳に失敗した責を問われ左遷された後は地獄大使が着任したが、
いずれも有効な戦果を上げることが出来ず、それぞれの最後の戦いで怪人に変身して
自らライダーに戦いを挑み敗北していった。
数々の作戦をことごとく仮面ライダー達によって妨害されられ、
さらに大幹部達を失った首領はショッカーを見限り新たな組織を再編成させる。
ゲルショッカー
首領がアフリカの暗黒宗教組織ゲルダム団とショッカーを合併させ誕生した新組織。
ショッカー末期から暗躍しており地獄大使死亡後に本格的に活動を開始した。
ショッカーをはるかに凌ぐ科学力を誇る。
ゲルショッカーの怪人はショッカーの怪人とは異なり
2種類の動植物を合成させた合成怪人であり、
合成怪人は移植した二つの素材が互いの欠点を補い合うことによって恐るべき強さを発揮する。
そのためショッカー怪人の約3倍の強さを持つ。
戦闘員もショッカー戦闘員とは比べ物にならないほどに強く人間の約四倍の強さを誇る。
日本征服のためには殺戮、暴動、破壊の限りを尽くす恐るべき組織である。
最終作戦で今までの怪人たちを蘇らせ一気に地上を征服しようとするが
1号、2号によって阻止されブラック将軍も戦死、首領も本部と共に自爆し
ゲルショッカーは壊滅する。
しかし首領は逃げ延びており新たな組織を再び結成させる。
ショッカー首領
ショッカーとゲルショッカーを操っていた謎の存在。
普段は基地においてあるレリーフから声だけを出して大幹部や怪人たちに
命令を送っている。
正体は一つ目の怪人で体は赤マントで覆われている。
1号と2号が本部に乗り込んだときは赤頭巾を被っておりさらにその中には
無数の蛇で覆われた顔があった。
武器は体から出す赤い毒ガスと強烈な光。
98話で本部をライダーたちに急襲され本部と共に自爆した。
しかし首領は逃げ延びており新たな組織デストロンを結成させる。
その後の作品でのショッカー首領
上記の通り、ゲルショッカー壊滅後も生存しており、
続編『仮面ライダーV3』ではデストロンを結成している。
『仮面ライダーストロンガー』では、岩石大首領として登場して、
それまでの組織を影から操っていたことを語る。
なお、これらの作品では登場する度に姿が違い、
本当に同一の存在であったのかも不明となっている。
TVシリーズ以外にも、漫画版の続編『仮面ライダーEVE-MASKED RIDER GAIA-』では
寄生生物として登場しており、HERO SAGAの『MASKED RIDER EDITION -ここより永遠に-』では、
ネオショッカー・ドグマ・ジンドグマの首領と同じくB26暗黒星雲の関係者と設定されている。
大幹部
ショッカー時代
ゾル大佐(演:宮口二郎)
ショッカー中近東支部より日本に派遣された大幹部。規律に厳しい軍人然とした大幹部である。
なお、ナチスの軍人を思わせることはあったが、劇中ではそのことについては明かされていない。
殺人を楽しむ残忍な性格である反面、部下の服装の乱れを叱責するなど
軍人らしい生真面目さも併せ持つ。
自ら変装して敵を攪乱する行動力や、子どもを洗脳して作戦に利用するなどの
謀略的な作戦を得意とする一方、大規模な破壊作戦も数多く行った。
最期は人間を人狼化するウルフビールスを使った狼作戦に失敗して
配下の中堅幹部を全滅させられてしまい、改造人間・黄金狼男としての正体を現して
ライダー2号と対戦。
指先から発射する弾丸を武器に、肉弾戦でも互角の攻防を展開するが、
空中からのライダーパンチを受けて爆死した。
このゾル大佐は、キャラ的に組織的になりすぎて神秘性と怪奇性に欠けると
毎日放送側からのクレームが付いたため、初登場の第26話放送の時点で降板が既に決定していた。
そのため怪奇性の不足の解決策として後任の日本支部長には
怪奇色の強い死神博士が設定されることとなるが、ショッカー初代大幹部としての
ゾル大佐の存在が”首領‐大幹部‐怪人‐戦闘員”といった組織構成を確立させ、
ミステリアスな雰囲気ばかりが強かったショッカーを悪の”組織”だと明示したため、
その存在意義は大きく、この組織構成は後のシリーズに登場する敵組織にも若干の独自要素を加味しつつ
受け継がれていくこととなる。
各種書籍の設定では、前身はナチス・ドイツの大佐で、
フルネームはバカラシン・イイノデビッチ・ゾル。
第二次大戦中はアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の管理人をしていた経歴を持ち、
終戦後ショッカー首領にドイツ軍人の身分のまま招かれた。
しかし実際は第三帝国崩壊と同時に戦犯となり、ドイツでは国外逃亡者として
指名手配されているので、正規のドイツ軍人ではなくなったが、
軍服と階級はショッカーに入ってからも使用している。
死神博士(演:天本英世)
戦死したゾル大佐に代わってスイス支部より日本に着任した大幹部。
暗いアジトの中で下から照明を当てるなどの怪奇性を強調した演出も印象的な天才科学者。
改造人間研究の第一人者でその科学力はUMAや太古の化石、
無機物からの改造人間の製造も可能。
白のスーツに黒マントという吸血鬼のような服装がトレードマークで、
特に障害が無いにも関わらず車椅子を愛用する屈折した一面がある。
また、科学者でありながら占いや催眠術にも精通。戦闘の際には大鎌を用いる。
改造手術の第一人者ゆえ配下の怪人はゾル大佐の時期よりも強力で、
度々の旧1号の再登場及び援護がその強さを裏付ける格好となった。
これら多くの強力怪人を使って科学者らしい大規模な作戦を展開したが、
仮面ライダー1号と2号によって阻止され続け、南米支部に左遷された。
その後は南米に渡った一文字隼人と戦っていたものの、ヨーロッパ以来の宿敵・本郷猛を
自らの手で倒すことに執着し、強力怪人を携えて何度か来日する。
最期は密かに自らを強化改造していた怪人イカデビルに変身しライダー1号と決戦に及ぶ。
ライダーキックを受け付けず初戦は完勝、再戦でもぎりぎりまで1号を追いつめたが、
自ら立花藤兵衛にうっかり口を滑らせた事で弱点が頭部である事がライダーの知るところとなり、
ライダーチョップとライダーきりもみシュートの前に敗北した。
なお、本編中で死神博士が使っていたムチは天本の私物だそうである。
死神博士はライダーシリーズの悪役の中でも人気が高い。