大山昇太(おおやま のぼった)
おいどんという一人称をつかう主人公。
下宿館の2階の西向き4畳半の部屋に住む。
はっきりとした年齢は分からないが、物語中では、
16歳くらいから徐々に22歳くらいまで進行していると考えられる。
故郷は九州。中学校を卒業した後に東京に移り、
アルバイトをしながら高等学校の定時制の課程の夜間部(夜間高等学校)
に通っていたが、勤務先の工場をクビになった際、中途退学してしまう。
それでもめげずに学校に戻ろうとしているが、
状況は日々の生活を送ることで精一杯のようだ。
ストーリーの最後にほぼ必ず「トリよ、おいどんは負けんのど!」と言う。
それにたいしてトリさんは「なーにか」と返事をする。
トリにしか心情を吐露することが出来ないおいどんの孤独感を強調しストーリーを締める。
下宿館には風呂があるが殆ど入浴せぬゆえか、
自身がインキンであるために白癬菌感染症(→水虫)の治療薬に詳しく、
自他共に認めるインキンのオーソリティであるが、
それが生活の足しになった事は無い。
夏場は蒸れてインキンが悪化するため、
下宿内ではランニングシャツとサルマタだけでうろつく事があり、
新しく入った若い女性下宿人には些か不評だが、
暫らく住んでいる女性下宿人にはほとんど気にされていない
(むしろ同情される)という「人畜無害」ぶりである。
作劇の都合上、多くの美しい女性と接点がある。