2004年7月に改正された遊技規則の影響を受け、
2004年6月以前に保安電子通信技術協会(保通協)の検定を通過した
パチンコ遊技機やその他の遊技機は、遅くとも2007年9月末までに全て撤去することが義務付けられた。
また大当たりの連チャンが人気だった4号機パチスロ機も同時に撤去対象となっており、
これに伴いパチンコホールは入替のために多額の費用負担を強いられた上、
射幸心を煽る遊技機の規制により大幅な客離れが見込まれたため、
金融機関もパチンコ業界へのファイナンスに対し非常に慎重になった。
そうしたあおりを受け、2007年4月27日には業界第6位のダイエー(本社・会津若松市)が
東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請したことを代表に、
2007年度のパチンコ店倒産件数は前年比37.1%増の大幅増加となった。
風俗営業としてのパチンコ営業では、客が遊技の結果で得た玉などを賞品と交換する。
風営法は営業者に、現金や有価証券を賞品として提供することや
客に提供した賞品を買い取ることを禁じたり(23条1項)、
賞品の価格の最高限度に関する基準(国家公安委員会規則で定める。
2008年8月1日現在で1万円 )に従った営業を義務づけ(19条)たりして、パチンコの射幸性を抑制している。
提供される賞品は、一般的に、「一般景品」と、「特殊景品」の2種類に大別される。
風営法施行規則35条2項2号では景品として「客が一般に日常生活の用に供する
と考えられる物品のうちから、できる限り多くの種類のものを取りそろえておくこと」を店舗に求めている。
そのため、タバコや菓子のほか、店によってネクタイ・ハンカチ・靴下などの洋装小物、
電気製品、化粧品、アクセサリー、 CDやDVD、食料品など様々で、
大型のパチンコ店内の景品交換コーナーは小型のスーパーマーケットにも似る。
なお警察庁では2006年12月に、パチンコ景品として最低500種類以上
(ホールの設置台数が500台以上の場合はその台数と同数以上の種類。うち最低200種類は実物を展示)、
品目としては家庭用品・衣料品・食料品・教養娯楽用品・嗜好品・身の回り品・
その他の7品目中5品目以上を取り揃えるよう求める通達を出している。
特殊景品とは、パチンコ店外に設置されている、各都道府県の公安委員会に
古物商の許可を受けた景品買取所に売却することを前提とする景品を指す。
これによりパチンコはギャンブル的な要素を持つとされている。
しかし、前出した風営法23条1項の禁止規定があるので、
パチンコ店が景品交換所を経営することはできない。
そのため、パチンコ業界はパチンコがギャンブルでは無いという建前で、
三店方式(もしくは四店方式)と呼ばれる方法を採っている。
客は特殊景品を景品交換所に持参すると、古物商である景品交換所は
特殊景品を現金で買い取り景品問屋が景品交換所から特殊景品を買い取り、ホールに卸す
四店方式の場合は、ホール、景品交換所、集荷業者、卸業者と経由する。
つまり、法律的な位置づけでは「古物の売買」になり換金にはあたらないとされ、
ホール、景品交換所、景品問屋の三店がまったく違う経営主体という建前のもと、
パチンコ業界は違法性を逃れている。
しかし、神奈川県川崎市高津区のパチンコの景品交換所では
「持ち込まれた景品に偽物が混じっていた」として、偽造景品による詐欺事件が発覚したが、
この被害届が景品交換所ではなく、ホールから届出されていた。
景品交換所とホールの関係が証明されたにも関わらず、
神奈川県警は取締りを行っていないことや、パチンコ店チェーンが
ジャスダック証券取引所に株式上場を求めたところ、
「出玉の景品を換金する業界慣行の合法性があいまいなため、投資家保護を果たせない。」
として上場を認めないなど、様々な疑義が提示されてはいるものの、
検察が、パチンコを賭博罪として起訴した例は無く、裁判所によって、
パチンコ及び三店方式が、刑法の賭博罪に当たるかどうかについての判断は示されていない。
2007年には、東京都で使用される特殊景品である金地金の価格上昇のため、
出玉を交換した結果として得られる特殊景品を景品交換所に持ち込むよりも
通常の貴金属店に持ち込んだほうが価格が高くなる、という逆転現象が起きたため
(このため一部では「単純に現金を玉(メダル)に交換して景品を受け取り売却するだけで儲かる」
とも噂された)、急遽金地金景品の流通価格が値上げされた。
しかしこの際に取られた対応は、旧価格で交換された景品の交換所への持込を防ぐために
「値上げ後の対象景品にシールを貼る」だけというものであり、今後金価格がさらに
上昇した場合には同様の問題が再燃する可能性が高い。
また「シールの貼付により自動払い出し機に不具合が出る」
「一部の問屋が金地金景品を抱え込み、それ以外の問屋の営業に支障が出ている」
などの問題も報告されており、システムの運営が懸念されている。
1970年代後半頃までのパチンコ台は、玉を弾くスプリングを戻す強さの加減を
レバーを使って手動で行いながら一発一発打っていた。
現在のパチンコ台は玉の自動射出機構を備えており、
ハンドルに手を添えるだけで玉を打つことができる。
玉の射出頻度は、パチンコで0.6秒に1発、アレパチでは0.5秒に1発以内と規定されている。
ハンドルに手を添えている間は永続的に玉が射出されるため、
射出を一時的に停止させる押しボタンが、ハンドルの付近に搭載されている。
パチンコ遊技には最低限の技術介入が求められるため、
ハンドルを器具などで固定する遊技方法を防止する目的として、
ハンドルには、素手で触れていることを検知するセンサーが取り付けられている。
CR機の導入以降、1回の大当たり(特賞)の入賞球を増やしたり、
確率変動(確変)を導入して大当たりの確率を高める代わりに
特賞以外の入賞球を減らすなど、射幸心を煽る傾向にある。
本来の風営法では客に射幸心をそそるおそれのある遊技機を禁止しているのにも関わらず、
脱税対策を建前としたCR機の普及の為に、射幸心を煽る傾向にある遊技機を
認可したことが原因であると言われる。
近年のパチンコ台では、タイアップ機と呼ばれる、かつてのアニメーション・特撮ドラマなど
子供向けキャラクターを題材にしたもの、あるいは著名芸能人が監修またはモチーフとするものが
殆どを占めている。特に2006年あたりから、超一流の人気歌手・人気アイドルとタイアップした機種が目立って増加している。
実際2007年度のJASRAC賞で銀賞を受賞した「エヴァンゲリオンBGM」においては、
パチンコ・パチスロでの著作権使用料が同楽曲の使用料全体の44%を占めており、
パチンコ台から得られる版権収入がカラオケ・着うた等と並んで
音楽業界において無視できない金額となってきたことを示している。
インターネット上では近年のパチンコ台をゲームにしたパチンコゲームと呼ばれるものも人気を集めている。
しかし、一方でパチンコ台の題材にアニメが使われる事についてアニメの原作ファンの否定的な意見も存在する。
遊技機は国家公安委員会の指定試験機関である保安電子通信技術協会によって
規定上の条件を満たしているか試験が行われ、その後各都道府県の公安委員会の検定を受け、
その後ホールに設置され、ホール所轄の警察が試験を行う。
全ての試験を合格して初めて客が遊技することが可能となる。