【ﾃｽﾄ】テストなんでもあり【test】

ぺらり・・・

ファイルをめくる手を止め、ギコネコ自動車製造工場総務課・立山は眼鏡を拭いた。

(▼ー▼)ふぅ・・・

(▼ー▼)世の中には色々な人がいる・・・それは当たり前のことだ・・・

(▼ー▼)だが・・・いくら人手が必要だからといって、全く審査もせずに精神鑑定が必要な者や重い前科がある者まで雇ってしまう現状はどうなのだろう・・・

立山は、総務課の中の、期間工に起こる様々なトラブルを処理する部署に就いている。
彼のもとには、日々多くのトラブルが持ち込まれていた。

体の不調を訴える者から、待遇改善を迫る者まで多種多様。
だが、彼はいつも、人命に関わるもの、人の尊厳に関わることだけは起こってほしくないと、切に願っていた。
それでも願いむなしく、年に数件〜数十件はそういった事案が彼のもとに届けられる。
改善報告書を上層部に何度も提出しているが、動きがある様子は全く無い。

(▼ー▼)今年は、何も起こってくれなければいいが・・・

深いため息は、部屋に立ち込める紫煙に紛れて消えていく。
暖かかった春ももう過ぎ去り。
しとどに濡れる紫陽花が、軒下でひっそりと揺れていた。