ほす
154 :
( ´∀`)ノ7777さん:04/12/18 12:27:46 ID:Hf2tiYbH
age
155 :
( ´∀`)ノ7777さん:04/12/19 00:28:12 ID:kexKkI1K
age
ほす
長塚のリーチから2巡目、5ソーを引っ張ってきた。三六九萬はヤバイ雰囲気があったが、待ちごろの北単騎を捨てる気にはなれなかった。
「通れば」
俺はクールに九萬を曲げ、リー棒を出した。長塚は動かず、岡部がそれを確認し、牌山に手を伸ばした。
ツモ牌を眺めた岡部がため息をついた。
「はぁ、参ったね。降りたいんだけど、二人リーチか。当たらないでくれよ」
岡部が切ったのは3ピン。降りたいと言いつつ、かなりキツイ場所を切ってきた。
「通ったか。この緊張感たまんねぇな」
岡部は咥えタバコで満足そうに頷いた。
さらに2巡が経過し、女が口を開いた。
「リーチ」
東を切って女は牌を曲げた。三人目のリーチで岡部が眉をひそめた。
「姐ちゃんもリーチか。おまえら三人でケリつけてくれよ。頼むぜ」
岡部はそう言ったが、このおっさんも勝負手じゃないのかと俺は疑念を持った。
12.
途方にくれているわたしの目の前には首が離れているお父さんの死体。そうだ、とにかく
お父さんをきちんと寝かせてあげなきゃ・・・いつまでも冷たい床の上じゃ寒いものね。
手がかり探しに夢中になって、思いっきり忘れてた。ごめんね、お父さん。
死体を運ぶのなんか初めて(当たり前よね)。死体って、こんなに冷たいものだったんだ。
固まって、氷のような鋭さも感じる。運んでいるだけで、わたし自身が死体になったよう
な、そんな感覚。
お父さんをベッドの上まで運んで(頭もちゃんと運んで、ね)、寝かせた後でもう一度シャ
ワーを浴びることにした。服も血まみれになっちゃったし。
シャワーを浴びつつ、今日一日のことを思い返してみる。なんか一生分のイベントが今日
一日に凝縮されたみたいな、そんな感じ。そんな思いを胸において、全てを洗い流して。
わたしの心から全てを洗い流して。
願わくば、昨日のわたしに・・・
願わくば、昨日のクリスに・・・
願わくば、昨日のお父さんに・・・
願わくば、お母さんに・・・
13.
さっきより長めにシャワーを浴びて全てを忘れようとしたけど、どうやっても頭からぬぐ
いさることはできない。二度と忘れることなどないこの記憶。だからこそ、お母さんに
会って真相を確かめないと。もちろん真相が聞けるとは限らないけど・・・
そういえば、警察とか呼ばなきゃいけないのかしら。親が殺されたんだから当たり前かも
しれないわよね。そのあとどうすればいいんだろう。お葬式とか準備したりするのかしら。
なんかやることがいっぱいあってどうすればいいのか分からない。
シャワーからしたたり落ちる温水がわたしを洗い流す。髪も顔も胸も体も脚も・・・全て
を洗い流してくれる。でもその場に人がいたとしても気づかないと思う。わたしが・・・
泣いていたことを。
14.
お父さんのことは今は置いておいて(だって、仕方ないよ・・・)今は手がかり探し。少し
でも手がかりを見つけないと。とにかくアトリエに戻らないと。
お父さんのいないアトリエ。見えるのはお父さんが横たわっていたところに残った血の海
だけ。これも掃除しないといけないわね。「サーフシティ クラーク」という手がかり
(なのかどうかすら分からないけど)だけでは到底お母さんのもとへはたどり着けないで
しょう?何とかして他の手がかりを見つけないと。部屋の隅々まで探してみる。壁に飾っ
てある絵画(自分の描いた、ね)の裏にへそくりが隠れていた(!)くらいで他にめぼしい手
がかりもなさそう。
その時、どこかからパトカーのサイレンが鳴り響いてきていた。サイレンは次第に大きく
なっていき・・・やがて止まった。
「警察です、ここをあけてください!」
え?うち?しきりに玄関を叩く音が家中にこだましている。間違いなくうちの玄関に警察
が来ている!わたしは通報していないし、誰が一体・・・しかも部屋にはお父さんの死体
がある!まさか、これって・・・
161 :
( ´∀`)ノ7777さん:04/12/22 19:05:55 ID:3Zso4/VT
保守ageしますね
ほ
岡部のミルクティーが運ばれてきたとき、軽口を叩きながらも真剣だったヤツの表情が明るくなった。
「来た来た、美味そうだな……」
そう言いながら岡部はストローを咥え、その甘ったるそうな液体をすすった。
「うーん、ちょっと甘さが足りない。さてとこれは通るかな?」
呟きつつ切った牌は生牌の北。それを認めると同時に、俺は渋く発声した。
「ロン。岡部のおじさん、それは暴牌だ」
不器用に片手で牌を倒そうとしたときだった。2方向から、男と女の声が同時に上がった。
「ロン」 「和りよ」
長塚と女が顔を見合わせ、お互いに苦虫を噛み潰したようになった。今回のルールではスリーランは親連荘で流局。
まさか岡部の狙いは、これだったのか?疑念を抱きつつ、三人が手を開けた。
六六七七BB115(赤)5北中中
俺がこの手を開け、長塚と女が次のような手だった。
一二三四五(赤)六七八九西西西北
一二三@ABGGG123北
誰もウラドラを開けるような、みっともない真似はしなかったが、未練が残っているのは十分伺えた。
「いやー面白いな。こんなシナリオになっていたのか。お前ら3人とも手を工夫しすぎたな」
岡部の口調は、笑いを堪えるのに必死な様子で、非常にむかつくものだった。そして、ヤツは長塚を促しつつ言った。
「ゴツイ兄ちゃん。連荘だぜ。ツミ棒出してサイコロ回しな」
偶然か、狙っての北打ちかは判断できなかった。だが、これで岡部が調子付くことが予想される。岡部自身は否定するであろうが、流れがヤツに傾く予感がした。
15.
・・・ち、ちょっと!警察ってどういうこと!?なんで警察がウチに来てるの?今警察に
入ってこられたらわたしが犯人になっちゃうじゃない!ど、どうしよう・・・
居留守使っちゃえ!
・・・って電気ついてるし!家の中で私がバタバタしてるから人がいることなんてお見通
しでしょうし!
あああ・・・どうしよう!どうしよう!(いつものことなんだけど)あたふたするわたし。
学校だとこういうときは必ずといっていいほどクリスが助けてくれるんだけど、今はいな
い。お父さんもいない・・・
気づけばお父さんのアトリエまで来ていた。死んでしまったお父さんがいないだけで、
さっきと変わらない光景。まだ掃除はしてないから、あたり一面血の海(こう書くとホン
トいやな感じ)。
「警察です!ここを開けなさい!」
ダンダンと強い力でノックしている。どう考えてもわたしが犯人になるよね、このシチュ
エーションってば。
ほす
hs
hs
168 :
( ´∀`)ノ7777さん:04/12/26 20:25:06 ID:0k65Yzof
あ
169 :
( ´∀`)ノ7777さん:04/12/27 10:21:28 ID:xRwDA28l
ほげ
16.
バタン!という大きな音とともに数人の靴の音が玄関にこだましてる。どうやらむりやり
玄関を開けたみたい。っていうか、何でこんな冷静になってるのよ!早く何とかしないと
ここ(アトリエ)まで来て・・・あたり一面の血の海を見て・・・うわ、やっぱりヤバイ
じゃない!
お父さんの寝室へ警察が乗り込んでいるみたい。今ごろお父さんの遺体を見つけてる頃。
いずれここまでやってくるわね・・・どうしよう・・・逃げるしかないのかな・・・
バタバタと階段を下りてくる音が聞こえてきた。どうやらここに向かってきているみたい。
逃げるか、ここに留まるか。二つに一つね。別にわたしが犯人なわけじゃないんだから逃
げる必要なんかないじゃない・・・
その瞬間、バタンと扉が開いた。「動くな!警察だ!」
やっぱり来ちゃった・・・(当たり前だって)。わたしはお父さんの遺した血の海を見つめ
ていた。ゆっくり後ろを向き警察の人の影を確認する。あわわ、拳銃とか持っちゃってる
し。どうみてもわたしを狙ってるわけで・・・
で、リオ?どうする?必死に自問自答するけど、答えは思いつかず、とにかく両手を上に
あげるのが精一杯。
常居さん、白雪さん乙です。
俺も来年はもっと参加できるようにがんばります。
ちょっと早いですが、みなさん良いお年を。
17.
「そうだ。両手を上にあげて後ろを向け。動いたら、撃つ」TVとかでこういうシーンは
何度となくみたけど、まさか自分が両手を上げて立たされるなんて思っても見なかったわ
けで・・・このまま撃たれたりしないよね?警察がそんなことするわけないし・・・でも
逮捕されちゃうのかなあ・・・
「通報があった、ここで人が殺されていると」
「わ、わたしが帰ってきたらお父さんはここで死んでいたんです!」
「ほう、その割には随分と冷静だな。とりあえず警察まで来てもらおうか」
返答にあぐねていると(思い直してみれば大人しく警察にいって全て話せばよかったんだ
よね)、警察の人はジリジリと近寄ってくる。もちろん、わたしは警察の人に対して後ろ
を向いているから音でしか判断できないけど。
その時、目の前にある血の海が光ったような気がした。「警察までご同行願えますね?」
今度ははっきり分かった。赤いはずの血の海が光を帯びて青く輝いている。なんて、冷静
に説明してるけど、なんなのよこれ!首を下げて血の海を見てみると、青く澄んだ水みた
いな感じ。何が起きてるのかわたしにはさっぱり。「さあ、ご同行ください」
その瞬間、わたしは無意識につかまれた警察の人の手を振りほどき一歩踏み出してしまっ
た。その青く輝いている血の海に。
・・・あると思った床がなかった。わたしの体は血の海に吸い込まれていった。
>>171 お疲れ様です。なんか一人でひたすら書き込んで誰も反応なくて寂しい
限りなのですが_| ̄|○ ツライッス
私も明日で仕事納めですので書き込みできなくなります。自宅から書き
込めればなあ・・・
>>171 ありがとうございます。
30,31は休み取れたので書き込みます。三が日は仕事なので休みます。
30日は立川で今年最後の大勝負してきます。笑って年を越したいっす。
読んでるよ〜
>>173 うん読んでる。いらぬレスだらけになるのもドウカと思って書かないだけ
18.
「!!」
まぶしくて目が開けられなかった。ここはどこなのかしら。なぜか暖かい水の中にいるよ
うな、そんな感じ。羊水の中といったような感覚(どんな?といわれても困るけど)。頭の
上のほうで音がするけど、光に包まれている状態じゃ目も開けられない。
ふと気づけばどこからか射していた光も徐々にかげりを見せ、目が慣れてきてゆっくりと
目を開くことができそう。ゆっくり目を開けてみる。
そこは一面蒼の世界。簡単に言えば水の中。って!生暖かい水の中にわたしはいるみたい。
なぜか普通に呼吸が出来ているのが不思議で仕方ないんだけど、窒息するよりは全然マシ
だよね。ここはどこなのかしら?床の中に吸い込まれたのは覚えてるんだけど・・・ふと
上を見てみると、丁度わたしが吸い込まれた血の海から光が漏れているみたい。その先に
は警察の人が中を覗いている。銃口がこちらを向いているけど撃つ気配はないみたい。向
こうからこちらは見えないのかしら。ちょっと上へ近づいてみてみよう!
泳いで(?)上のほうへ向かってみる。徐々に大きくなる血の海。はっきり見える警察の人
の表情。やはりわたしのことには気づかないみたいね。というか・・・
わたし、どうやって上へあがればいいの?
落ちたところから戻れるのかしら?警察の人がいるけど、戻るにはここしかないのかな?
わたしは、床へ向かってひたすら上へ上へ泳いでいった(なんか変な表現ね)。
というわけで本年の業務は終了いたしました。やっとシリアスな内容から
抜けられそうです。お堅い文章は苦手(´・ω・`)来年からは違った方向
に進んでいく予定です。ここから先はプロット作ってません(ま、今もあっ
てないようなものですが・・・
それでわ、来年もみなさまに幸運が訪れますように・・・Chao!
>>白雪さん
楽しみにしてまつ!
>>常居さん
休み取れて良かったですね。
僕は今月&来月も休みありましぇん('A`)
正月は早く閉める店舗が多いから常居さんも楽かな?
今回の三家和で、流れが岡部の方に向かうかと思われたが、一本場で和りをモノにしたのは長塚だった。
六七八@@CD123 東東東(ポン) Eツモ ドラ三萬
「ツモ、安いけどね」
どこかで聞いた覚えのある口調だった。長塚に目をやると、その顔には、取ってつけたような作り笑いが貼り付いていた。
『この雰囲気…「兄貴」に似ている』
長塚の作り笑いを見た瞬間、俺はデビュー戦の相手を思い出した。
中肉中背の「兄貴」とマッチョなガタイの長塚の雰囲気は似ても似つかない。だが、今の口調と表情は、俺に彼のことを思い出させるほどよく似ていた。
『よく似ている、偶然だとは思うが』
俺は「兄貴」の幻影と勝負しているような錯覚、に陥りそうになりながらセブンスターに火を点けた。
煙を肺の奥に吸い込み、吐き出そうとしたときあの声が聞こえた。岡部の声だ。
「連荘重視か?トップを分け合ってるから、ゴツイ兄ちゃんにもチャンスはあるからな」
岡部の言葉に、長塚は無言で目を合わせ、作り笑いを貼り付けていた。
「あうっ」
長塚の作り笑いに岡部は一瞬ひるみ、言葉が止まった。間をおいてようやく言葉を続けた。
「気持ち悪い笑い方するなよ。全く…」
ダブ東のみの安手だったが、これで長塚がペースを掴み、ヤツのトップで南場に突入した。
順位は以下、岡部、女、俺の順で、トップの長塚と俺の点差は21000。追いつけない点差ではないが、俺はラスからの脱却を念頭に置き回るサイコロを見つめた。
>>179 請求書の登録が溜まっているので年明けもハードな感じです。
打ち収め沈没しました。岡部は最初から切っていたので…
南一局。ここまで俺は我慢の麻雀を続けていた。ラスから抜けることを念頭に置いてきたが、流れが悪すぎる。和りはおろか、聴牌に持っていくのさえ苦労していた。
南二局に親番を迎えることを考慮すると、ここは多少無理をしてでも和りをモノにして流れを引き寄せておきたい。
『勝負手持って来い』
強く願うが、配牌は平凡、和りに向かうかハナから降り打ちか判断に迷う手だ。
三四七八@ABDF58西北 ドラ9ピン
『この手をモノにできるか?』
疑念を胸に抱きつつ、俺は心にゆとりのない麻雀を続けていた。
『いかん。こんなときこそゆとりが必要なのに』
ゆとりを取り戻そうと、俺はエンドレスで『心にゆとり』と頭の中で唱え続けた。だが、その願いも虚しく焦りばかりがつのった。
結局、南1局は岡部の1000、2000で幕を閉じた。俺は心にゆとりを取り戻せないまま親番を迎えることになった。
『辛いねぇ。厳しいねぇ』
俺の頭の中には『心にゆとり』の代わりに、こんな言葉が渦巻いていた。サイボタンに触れる手にも気合が乗らなかった。
今年最後の話かな
乙です。
来年もよろ
184 :
( ´∀`)ノ7777さん:05/01/01 11:27:01 ID:pIDUeDsz
新年早々ふぉしゅ
ome
ほす
187 :
( ´∀`)ノ7777さん:05/01/04 00:00:12 ID:CTWgX5hk
19.蒼の世界 BGM:Born to be Free(from Metal Black)
周りは蒼いけど、わたしが落ちたところだけは赤く染まっている。血の色。その向こうに
銃を持った警察官。血の色を透過して赤くぼやけて見える。床の上は目と鼻の先に見えて
るんだけど、やっぱり気づかないのかな。このまま手を伸ばせば床に手が届くところにい
るんだけど・・・こちらを不審そうな顔つきで見つめてる。
わたしは意を決して、手を伸ばしてみることにする。
「!」
ちょっとまった!リオ!よくみて!この人・・・警察官じゃない!どこかの軍隊のような
服着てるじゃない!?どうみても警察じゃない感じ。どうやら血の海を足で踏んでるみた
い。靴の裏がそのまま見えてる。わたしが落ちた血の海はそのままの床になってるみたい。
なにか口を開いてる。しゃべってるみたいだけど、全然聞こえない。その間、わたしは
ずっと床の上を見つづけてるんだけど・・・その瞬間わたしの目の前に火花が散った。
キャッ!
警察の人(じゃないと思うケド)がいきなり銃口を床下(つまり血の海に)に向けて発砲して
きた!
あけましておめでとうございます。
既に空想科学小説の域を逸脱していますが、今後ともよろしく
お付き合いのほどを(`・ω・´)
サイコロは5ゾロで止まり、岡部の山から切り出していった。頭の中ではあの言葉が渦巻いていた。
『辛いねぇ、厳しいねぇ』
言葉はエンドレスで俺のテンションを下げていく。
「兄ちゃん、サクサク切れよ。親が切らないと始まらないぜ」
岡部の声に俺は現実に引き戻された。理牌されていない手の中から、西を掴み河に置いた。
「ポン」
女が意外そうな表情で発声した。岡部と長塚も面食らった表情だった。
3人の顔を見て、俺は初めてドラ表示牌が南であることに気づいた。口の中に留置場で喰った不味い飯の食感と味が甦った。
「参ったな。いきなりドラ切りとドラポンか。姐ちゃんは西だし親のドラ切りもヤバイな」
岡部の呟きは俺にヒントを与えた。第一打でドラを切ったことを警戒されている。女は真っ直ぐ向かってくるだろうが、長塚と岡部は警戒しながらの打ち筋になると予想される。
『これって…結構チャンスじゃないの?岡部と長塚は慎重になるだろう。その隙をつければ…』
俺は3人の表情をチラ見した。岡部は完全に降り気配だったが、女と長塚は勝負に賭ける表情だった。『辛いねぇ、厳しいねぇ』
頭の中では俺をあざ笑うかのようにこの言葉が渦巻いていた。
20.
瞬間的にわたしは頭をかばった(頭に向けて発砲されてたらかばったところでどうしよう
もないのにね)。銃声はまったく聞こえない。床の下には銃弾は届かないみたい・・・ひ
とまず一安心。ゆっくり上を見上げてみると・・・
赤いガラスがひび割れている、と言うのが一番適切かも。床の上のガラスがひび割れてこ
まかい亀裂が入っている状態。上の世界がひび割れて見える。まだかろうじて人の姿を認
識できてるけど亀裂はどんどん大きくなっていき、徐々に人の姿が見えなくなっていく。
銃を撃ちつづけてるのかしら。
たった10数秒で上がまったく見えなくなってしまった。たとえるなら血に染まった蜘蛛の
巣。紅の蜘蛛の糸が一面にしきつめられてる感じ。
なんて説明してる場合じゃないし・・・
上へ登ってみようと思った矢先にこれだもの・・・怖くて触れることも出来ないじゃない。
困ったなあ・・・
その瞬間、今まで頭上にあった紅の蜘蛛の巣が、一瞬にして消えちゃった。唯一の光源
だった現実世界(?)の明かりが消えたことで、わたしの目の前は真っ暗に。なにもみえな
い。わたしの心からも光が消え、闇が現れていくようだった。なにもみえない不安、恐怖
が心の底から徐々にわたしの精神を支配する、そんな感覚に・・・
西に喰い付いた女の第一打は九萬だった。動きがないことを確認するように、長塚がゆっくりと牌山に手を伸ばした。
俺は左のポケットからタバコを抜き取り、長塚の表情を伺った。
『…気合入った面してるな。まあ当然だな、ここでトップ取らないと長塚は脱落だからな』
俺が煙を吐き出すと同時に、長塚が一打目の一萬を切った。
『…人の心配してる場合じゃないな。いきなり寝ぼけた牌切った以上は、格好だけでもつけないとな』
牌山に手を伸ばし、ツモった牌は赤5ピンだった。1ピンを切った俺の手はこうなっていた。
五六八D(赤)FFG23667南
悪い手ではないが、迫力が足りない。だが、そんなことは気にしていられない。この半チャン、俺に残された希望は、猛連荘だけだった。
8巡目に入り、俺の手はイーシャンテンまで育った。
四五六D(赤)EFFG23667
ここまでの動きは、女のドラポンだけ。岡部が上手く廻し、女の要牌を絞っているのが利いていた。
岡部が小考して、二萬。女が六萬を切り、長塚がツモる。ツモ牌を手の中に収め、8ソーが切り出された。
『長塚に聴牌入ったか?でも追いつけば問題無い』
俺は相変わらず頭の中で『辛いねぇ、厳しいねぇ』の声が響くのを感じながら牌山に手を伸ばした。
心にゆとり・・ (´▽`)
21.
誰がどうみても、わたしは泣いていたと思う。だって、怖いもの・・・周りが水に包まれ
ていたみたいだから多分目立たないと思うけど。周りが見えないってものすごく怖いんだ
よ?子供の頃を思い出してみて。お父さんお母さんにベッドに連れられて「おやすみ」と
キスをくれたとき、部屋の明かりを完全に消していた?真っ暗にしたら大抵の子供は泣い
てしまう。だって、怖いもの。だから小さい明かりをつけて安心させて寝かせるの。自分
が存在する証。闇の中では自分の存在すら分からなくなるから。光は自分。自分自身を証
明するための光。
「なに独り言いうとんねん、ねーちゃん」
いつのまにか遠くのほうに暗がりの中からぽわっと青白い光がみえる。そこから声がする
のかな。とにかく行ってみなきゃ!もうここにいてもどうにもならない。どこに出口があ
るのかも分からないし。その声の主が誰かわからないけどとにかく行ってみるしかない!
とはいえ、遠いなあ・・・ひたすら泳いでいく。その間も呼吸は普通に出来てるし。光が
みえてちょっと不安が落ち着いた感じ。あの光のところまでいったら何かあるに違いない
・・・と思いたいな・・・
乙
軽やかに保守あげー
197 :
( ´∀`)ノ7777さん:05/01/10 15:37:31 ID:pV68jLsV
/ / }
_/ノ.. /、
/ < }
ry、 {k_ _/`;, ノノ パンパン
/ / } ;' `i、
_/ノ../、 _/ 入/ / `ヽ, ノノ
/ r;ァ }''i" ̄.  ̄r'_ノ"'ヽ.i ) ―☆
{k_ _/,,.' ;. :. l、 ノ
\ ` 、 ,i. .:, :, ' / / \
,;ゝr;,;_二∠r;,_ェ=-ー'" r,_,/ ☆
【ラッキーレス】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
手を伸ばし、ツモった牌は赤五萬。長塚がはっていればかなりヤバイ牌だが手中の五萬と入れ替え、叩き切った。
このときの俺には二つの考えがあった。
『この状況で降りられるか』と考える熱い俺と、『トータルラスの長塚がトップになるんだったら構わない』と考える弱気な俺。
考え方は違うが、どちらも結論は一緒だった。『長塚にだったら振っても構わない』
岡部が山に手を伸ばそうとしたとき、長塚が口を開いた。
「ロン」
六七@ABDEF34599
やはり長塚に五萬は通らなかった。長塚は俺に視線を向けこう言った。
「本多、東出って男を覚えているか?」
聞き覚えの無い名前で俺は「東出?知らねぇな」と応え、首を横に振った。長塚が再び口を開いた。
「お前と遠藤が二対二で闘った、両手の小指が無い高価そうなスーツを着た男だ」
長塚の言葉は俺の頭の中に「兄貴」の姿を映し出させた。
「あの男、東出って言うのか。でもなんでお前が知ってるんだ?」
「東出は俺の親父だ。俺ができたとたんヤツはお袋と俺を捨てたんだ。ヤツに復讐するために俺は代打ちになったのに、お前に負けてヤツは一文無しになった…」
俺はここで長塚の言葉を制し言った。
「よーするに、親父に勝った俺に勝って間接的にでも勝ちたいってことか?」
長塚が頷くと、俺と長塚のやり取りに岡部が口を挟んだ。
「何だ?お前ら知り合いか?」
岡部の言葉に俺はこう応えた。
「ああ、でも友達じゃあないぜ」岡部はまだなにか言いたそうだったが、珍しく何も言わずサイボタンに触れた。
22.
服を着たまま水の中に入ると服に水がしみこんで重くなって泳げないという(そのせいで
川で人を助けようとし溺死する人とかがいるわけね)のに、普通に泳げるのはなんでなん
だろう、と今更ながら考えてみたりもするけど、ひたすら青白い光に向かって泳いでいく
しかないわね。なんだか全然遠いんだけど・・・
何分くらいたったのかなあ・・・時計も持ってないし、全然わからないんだけど・・・確
実に青白い光に近づいてるのは間違いないんだけど・・・んもう!遠すぎ!でもいかない
ことには何も始まらないよね・・・なんか愚痴っぽくなる自分がイヤ・・・寂しいし。
ちょっと休憩しようっと。ずっと泳いで(?)たからクタクタ。底で座ろうかな。丁度岩み
たいなとこがあるし。
もにゅっ
ん、堅いと思った岩がなぜか柔らかいわね。ぽよんぽよん揺れてるんだけど・・・ゆっく
り座れないじゃない、これじゃあ。
「もふふ、ねーちゃんええケツしてまんなあ・・・こりゃあたまらんわぁ〜」
(・⊥・)))) スルリスルリスルリ
23.
「!!」
まさに驚いたわたしはその場をはねのけて上へ逃げちゃった。なんか下のほうから声がし
ただけじゃなく、何かがわたしの脚を触ってた!何!
青白い光はさっきよりは近くなったけど、まだ周りが見通せるくらい明るいわけじゃない。
どこに何がいるのか全然わからない・・・怖い。
「なんや〜、もうおわりかあ。せっかくの若いおなごのケツやったのに・・・」
「な!なに!なにかいるの?」
もうパニック。暗がりの中でなにかがもぞもぞと動いている、けど正体は全然見えない。
「せっかく声かけてやったちゅ〜きに、なんでそんな邪険にされなあかんねん・・・」
そんななれなれしい声かけてきたら余計構えるっちゅーの!わたしの視線はその岩(だと
思った物体)に釘付け。なぜか徐々にその周りが明るくなっていく。なんか赤い物体が目
の前に見えてきた。なに?あれ・・・
「よう、ねーちゃん。ようこそ『蒼の世界へ』」
わたしの目の前に現れたのは・・・赤い頭を持つ・・・八本足の・・・
ホゲしくage