100 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/14 17:40
100GETついでにage
>>1 (,,゚Д゚) ガンガレ!!!
102 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/15 00:10
最近このスレ人が減ったような・・・
様子見でageてみる。
盛age
一通りパチ屋のデータを取り終えて、本屋へ寄り、帰宅した。
俺は活字が好きだった。夜のしじまに、ページをめくる音と、己の息遣い。
煙草のちりちりと焼ける音。俺だけの時間。俺のための時間。そんな時間が好きだ。
年柄もなく、小説に出てくる主人公に、あるときは脇役に、自分を重ねて愉しむ。
読破したあとは、登場人物と友達になっていたりする。
ごくたまに、その友達になった彼や彼女が、本当に存在しているような気分にもなる。
妄想――虚しくはなかった。
今ではもう数え切れないくらい心の中に友達がいる。
たまに、夢の中で、死んだはずの友達が片手を挙げて、よう、などと語りかけてくる。
そんなときは、決まって押入れを引っ掻き回してそいつが出てきた本を読み返したりする。
しかし一人だけ、本を読み返すことができないヤツがいる。
学生時代、一緒にリンチされ、血の小便を垂れ流しながら死んでいった友達。
この世に実在する友達だったソイツだけは、本を読み返して懐かしさに浸ることができない。
ソイツを思い出すと、いつも頭を駆け巡る事がある。死ぬということ。身の破滅。
破滅とは何なのだろう?
大抵の場合、人は何かを失えばその失った物の大きさに驚愕し、
いっそこのまま何もかも捨ててしまおうという考えがちらつく。
つまり絶望するのだ。そして堕ちていく。
そこには果て、つまり終点はなく、ただひたすら堕ちていくのだ。
ここで踏ん張れなかった奴は失う必要のないモノまで捨ててしまおうとする。
自棄糞ってやつだ。
生き様。死に様。
果たして滅びとは美学なのだろうか。否。ただの世間知らずなアマちゃんの証拠だ。
人の生き死にさえも銭に変えるこの国。
目に見えない強大な何かによって造られたこの国の有様。
いわば人間のエゴの集合体。
エゴとエゴがぶつかり合い、ときに形を変え、ときに合体し、あらゆるものを飲み込もうとする。
絶望し、堕ちていこうとする、そんな時だからこそ、
ありったけの命を注いで叫ばなければならないのだ。
破れかぶれの心と体に鞭打って、吠えなければならないのだ。
俺も挫折し、全てを捨てようと思ったことがある。
しかし、周りを見れば最初から何も持っていない弱きもの達のまなざしに気付く。
また、時間がたてばその傷は徐々にだが塞がっていくということにも気付く。
気付かせられる。
学生時代に、血の小便を垂れ流しながら死んでいったアイツが夢に出てきて気付かせてくれる。
「ただいまぁ〜」
そんな事を考えていると、玄関の扉が開き、マリが帰宅した。午前2時。
「おかえり」
香水と酒の入り混じった匂いが漂ってきた。
「ふぅぅ。いっつも御免ね。先に寝ててくれていいのに」
「朝が早い仕事をしているわけじゃないんだ。かまわんさ」
「今日も来てくれなかったね」
「いや、行ったよ。バーテンにうまい水割りを飲ませてもらった」
「ええ〜〜きてたの?何時ごろ?なんで指名してくれないのよ?」
「まだ開店したばかりだった。なんとなく場違いな感じがしてな。2・3杯ひっかけて退散した。いい感じの店じゃないか」
「気障な店でしょ?血まみれの人生だなんて」
俺が今日行った酒場で、マリはホステスをはじめていた。
しつこく飲みにこいというので行ってみたわけだ。
実際、俺のような無職の老いぼれには圧倒されるような上品な雰囲気だった。
「まぁそのうちまた行くさ」
「今度は指名してね」
「ああ。しかし何だって水商売なんてはじめる気になったんだ?金に困ってるわけでもなかろう?」
「う〜ん。なんでかな。特にやりたいこともないし。手っ取り早いからかな」
「そうか。まぁやりたいようにやるさ」
「うん」
読みかけの小説にしおりを挟んで俺は布団に潜り込んだ。
107 :
◆Hb/S.IItwo :03/01/15 21:50
何かこう、うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
ってなオチが出てこないんでなかなか完結できませんwww
>>87 遅レスすまそ乙!
最近まったくスロ勝てん!
てなわけで、イパーツ逆転狙ってサラ金か猛獣で勝負しまつ。
セテイ5イク━━━━━(>∀ <)━━━━━!!!!
ガンガリマス!
>>1 乙。漏れも最近全然思いつかない・・・。
また脳汁出たら思いつくと思うからスレ維持して(・∀・)マッテテネ
>>108 設定5ガン( ゚д゚)ガレ
また妄想話のほうも期待してまっせ♪
変な顔のおっさんが隣に座って、
あまりにも面白すぎてビタ押し出来ませんでした。
絶対、店or将軍様の仕向けた刺客に違いない。
蛍の光りが紫煙をかいくぐって耳に流れ込む。22時50分。
俺は煙草をポケットに突っ込むと、頭上のドル箱を抱えてジェットカウンターへ向かった。
2000枚。時代遅れのA-400じゃ、こんなもんか。
そうひとりごちて、黒ずんだ指先を温かいおしぼりでしごいた。
背中では、2万枚はあろうかという大量のドル箱タワーを店員が必死の形相でジェットカウンターに流している。
ポケットに両手を突っ込んで、咥え煙草でその作業を見守る若者――その大量のコインの主。
まるでファッション雑誌から抜け出してきたかのような、いかにも今時な若者。
「なにもかも、最先端ってか」
そんな皮肉とも自嘲ともつかない独り言をつぶやき、
俺は今しがたまで稼動していたサンダーVに向かって心の中で、お疲れさん、
と労いの言葉をかけて景品交換をしにカウンターへ向かった。
再びパチンカス生活を始めたとはいえ、やはり俺はATなどの機能がついた機種には馴染めなかった。
クランキーコンドルの青テンに魅せられてスロットを始めた俺には、どうしても受け入れる事ができなかった。
コインを投入し、レバーを叩く。ストップボタンを押し、リールを停止させる。
一連の動作に変わりはないのだが、しかしやはりなにかが違うのだ。
――脳汁。興奮。溢れ出るコイン。
そして最終的に『金』というものへ行き着く。
脳汁は脳汁だし、コインはコインだ。勿論金は金である。
ただ漠然とその事実を受け入れられない自分がいるのだ。
おそらく俺の中で、スロットとはかくあるべき、というそういった個人的な基準のようなものが、
現状を受け入れる事のできない原因なのだろう。
世の中、金だ。メーカーもホールも、金がいる。わかる。
しかしそれでも俺はやりたい放題のメーカーに『温故知新って言葉、知ってるか?』
そんな投書をしたくなる。
もっとも、そんなことをしても何も変わらないのはわかっているが……。
そんなわけで、俺のメイン機種は未だにA-400だ。
サンダー、花火、そういった古い機種のある店でなんとか、
そう、『シコシコ』という言葉がぴったりな、姑息ともいえる手段でやっている。
しかしやはり限界を感じる。というよりは、モチベーションの維持が苦痛である。
俺にとっての明るい未来の見えないパチスロ業界。
モチベーションを維持しろというほうが無理な話なのかもしれない。
一度、お上から規制の通達があった。
しかしそれもおなざりな形だけのお役所業務。現場はなにも変わっていない。
東京で復讐屋をしていたときに、片手間で株をやっていた。
利益はほとんどなかった。
しかしこのままスロットにしがみついていても生活レベルの現状維持が精一杯だ。
ここらで一度、株の勉強をしてみようか……そんな事を考えながら、
俺は今日の日当の2万円を換金して帰路に就いた。
「ただいま」
「おかえり。どっちにする?」
「飯」
「了解♪」
いい匂いがする。俺は冷蔵庫から缶ビールを出して一息であおった。
すきっぱらにアルコールが沁みる。優美が食事を運んできた。
「おお、うまそうだな」
「どうぞ召し上がれ♪」
シチューだった。おそらく何時間も煮込んだのだろう。旨かった。
ふっと昔を思い出した。結婚した女。子供とともに捨ててきた女。
あの女は料理が上手かった。やけに凝ったものを作るのが好きだった。
オックステイルを買ってきて、何日もかけてそれを煮込み、シチューを作ってくれたことがある。
それは外で出せるほど抜群に旨かった。
しかし俺はそのシチューが嫌いだった。余分なものを煮込みすぎるのだ。
そう、彼女の心まで煮込んでしまうのだ。
そういうのを重たいと感じるのが俺の感性だった。
俺の為だけに何日もかけて煮込まれたシチュー。あまりにも重たすぎた。
そういうことの積み重なりが、目に見えない山のようになって、あの時俺を逃げ出させたのかもしれない。
「どう?」
「ああ、うまい」
「そっか、よかった。はじめてやったからちょと心配やった」
「最初から上手いヤツなんていないさ」
「あら、じゃぁやっぱ不味いん?」
「い、いや、うまいよ」
「ほんまかなぁぁぁ?」
「虐めるなよ」
「あはは。ん、でもありがと」
「今日はどうだった? 売れたか?」
「ん〜〜あかんかった。なかなかねぇ」
今、優美には朝、キンパルのリセット刈りだけをさせ、
その後はヤフーオークションをやらせているのだ。なかなか上手くいかないらしい。
「そうか。まぁぼちぼちやるさ」
「うん」
俺は飯を平らげると、風呂へ入った。
湯船に浸かり目を閉じていると、音楽が聞こえてきた。
優美がCDをかけたのだろう。テレサ・テン。心が洗われるような声色。
俺はこの歌手のことを知らなかった。
俺よりも10も若い優美が何故こんな歌手を知っているのか、一度聞いたことがある。
昔世話になった孤児院の院長がこの歌手を好きで、よく聞いていたらしい。
しばらくその歌声に耳を傾けてから、風呂を上がった。
うっとりしたような表情で、優美が唄に聞き入っている。
『時の流れに身をまかせ』がかかっていた。
服を着て、優美の側へ腰を下ろすと、おどけたように優美が歌を口ずさんだ。
「時の流れに身を任せぇ〜♪貴方の色に染められぇ〜♪
一度のぉ人生それさえぇ捨てることも構わないぃぃぃぃぃ♪
だからお願いぃ側に置いてねぇ今は貴方しか愛せないぃぃ♪」
俺は微笑んで、優美の唇にむしゃぶりついた。
115 :
◆Hb/S.IItwo :03/01/17 05:37
>>110>32
wwwんでも以前のようなキレがないね。最近疲れてるのかな?
うんこのキレも悪くなって、ぢにならないように気をつけてw
んでもめっきり人も減った今日この頃。
変わらず笑いを届けてくれる32に萌え〜。ありがと。
116 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/17 22:48
>>1 (・∀・)イイ!!!続き期待age
このスレでも集計してみる??
勝手にサンセイ集計イク━━━━━(>∀ <)━━━━━!!!!
【2】ゲト
118 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/18 06:08
【3】ゲト
【4】だよ
【4】ゲト
あァ!!!もう、ホントに何なんだよウザガキ!
マジでドカチンのウザガキむかつく!何でかって?あのね、
おとつい近所の新装で「巨人の星」が入ったのよ。そんで、
初日から行ってもストック期待出来ねえから昨日行ってきたのね。
そんで適当に溜まってそうな台に座って打ってたら、隣の台にウザ房来てさァ、
横っちょのリール動くと、こっちを覗く覗く。田代マーシーの如く。
頭キタから千円札2枚使って両サイドのリール隠したね。そしたらさァ
全然面白くないの。演出すべてが。声ばかりで。逆に色んな意味で笑えたけどね。
そのうちウザ房も小冊子とにらめっこ始めたから千円札はがしたら、
待ってましたとばかりに覗く覗く。田代マーシーの如く。頭キタから
覗き返したら、「あんまりこっち見んなよ」だって。ふぬおおおおおお!(激怒)
「ストック無いのに頑張るね?」って言ったら、それを信じて一目散に逃げてったよ。
そんでおっさんにハイエナで12連かまされてた。いやァ、爽快。
↑長文書いてたら、先越されちった。
て事で、
【5】ゲト
【6】!!
123 :
脳内1 ◆SHzlU2rkKA :03/01/18 16:07
【7】枚交換ゲット
124 :
◆Hb/S.IItwo :03/01/18 23:54
うおぉぉっぉぉぉぉぉぉ!!
感激!(TдT) アリガトウ
駄文で自慰に付き合ってくれる人々がいて本当に嬉しいです!!
俺もまた頑張って続けます!
近況報告。
今までが嘘のように、めまぐるしい生活になりました。
ほんまアホみたいに忙しいです。
働き始めたところが建設会社なんですが、
昼間は現場でヒィヒィ言いながら地球に穴あけてます(脳内1氏風表現パクリw)
んで現場終わったら晩飯詰め込んで今度はカシャカシャキーボード叩いて事務屋に変身です。
さぁ仕事も終わったしスロでも・・・と思っても、既に閉店したあとな罠w。
まぁ疲れちゃってスロ行こうなんて意欲もわきませんが・・・。
そのうち事務オンリーになる予定ですが、とりあえずしばらくはこのスタイルが続きそう。
(この御時世にもかかわらず、ありがたいことに会社が忙しいみたいなんです。)
ネットする暇もなく、風呂入ってバタンキューですわ。朝が6時半起きなんで。
『冬はつとめて』なんて故人は言うけど、寒いだけやっちゅーねん!
昼起床がデフォルトだった俺には殺人的な生活スタイルです・・・嗚呼。
んでも慣れるまでの辛抱と信じて頑張ります。
こういう気の持ち方ができるようになったのも皆さんのお陰です。
明日は休み。このスレで駄文で自慰するぞぉぉ♪
と、楽しみにしながら・・・おやすみなさい。
32>
ワロタ。
俺、現場で知り合ったスロ好きニカポカ君にスロで、ん年間生活してたって言ったら
ソイツ本気で驚いてましたわ。師匠にされそうになったので適当にかわして逃げましたw。
前スレの最初のほうに書いたのみたいに、『わかってるよな?』なんつって囲まれたらどうしよう・・・www。
125 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/19 01:00
【8】マソ
126 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/19 01:09
[9]マンコ
127 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/19 05:12
変な なんとかチャンスっていうスレたちが
大量発生してるので
保守ageしときます。
128 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/19 13:15
age
――雨が降っていた。
額にへばりついた髪が鬱陶しかった。
目の前には娘が立っている。
その澄み切った瞳の中に、くたびれた俺が写っていた。
彼女がゆっくりと瞬きをした。再び開かれたその瞳は、憎悪に煮えたぎっているかのように厳しいまなざしだった。
――ろくでなし。
彼女の口から一言だけ言葉がこぼれた。
そして彼女は俺にぶつかってきた。手元には白い光り。
頭の中で思考が巡る。
――娘に刺された。
恐怖、苦しみ、悲しみ……そういったものより、まず情けないという感情が俺を、俺の存在を押し潰してきた。
――そこで目が覚めた。
俺は肩で息をしていた。
プールにでもとびこんだかのように、ぐっしょり汗をかいていた。
喉がカラカラだ。
流しまで行き、蛇口に直接口をつけて水を流し込んだ。
びしょ濡れの服を脱ぎ散らして体をぬぐう。不意に恐怖がこみ上げてきた。
夢の中とはいえ、娘に刺された。娘に刺された。――娘に刺された。娘に刺された!
怖い怖い怖い。
苦しい苦しい苦しい。
悲しい悲しい悲しい。
誰か助けてくれ! 俺を許してくれ!
思考が滅茶苦茶に駆け巡る。
俺はマリの布団に潜り込んだ。背中から抱きつくようにマリに密着した。
マリは少し身じろぎをしたが、また寝息を立て始めた。
手のひらに柔らかい感触――乳房。
俺はマリの体の温かさを感じながらそれを弄んだ。
目をつぶってしばらくそうしていると、だんだんと落ち着いてきた。やがてそのまま眠りへと落ちていった。
目が覚めると、腕の中にはマリはいなかった。
電気ストーブの側で俺のショートホープをくゆらせながら俺を見ていた。
体を起こそうとした。額からなにかが落ちた。
「じっとしてて」
マリが言う。そして額から落ちたものを手にして流しへ向かった。
戻ってくると、俺の額に冷たいモノが乗せられた。どうやら濡れタオルらしい。
「凄い熱よ。病院へいかなきゃ」
「いい。寝てりゃ治る。それより……すまん」
「何が?」
「布団、潜り込んじまった」
「そんなの構わないわよ。むしろ嬉しかったわ。
起きたら貴方が素っ裸で抱きついてたんだもの。やっと私に欲情したか、ってね。
でも何か貴方濡れてるような感じがした。それでよく見たら凄い汗で、凄い熱。風邪でも引いたのかしら?」
「かもな。しばらく大人しくしておくよ」
「うなされてたわよ。優美、許してくれ、許してくれ、って。昔の女でも夢にでてきたの?」
「……ああ、まぁそんな所だ。悪い夢を見ちまった」
「そう。でもやっぱり病院へ行ったほうがいいんじゃないの?」
「いや、いい。それに保険証なんてもんは持ってない」
「そう。じゃぁ薬局で風邪薬でも買ってくるわ。何か食べたいものは?」
「いらない」
「わかった。じゃぁ行ってくるから、大人しくしてなさいよ」
マリは幼子に言い聞かせるような口調で俺にそう言うと、ハンドバッグをぶらさげて出て行った。
熱を出したのなど久しぶりだった。もう何十年も風邪ひとつ引いていなかったのだ。
「歳……か」
そうつぶやいて、俺は全身の力を抜いて目を閉じた。
132 :
◆Hb/S.IItwo :03/01/19 18:21
保守ありがとう!感謝!
その日も順調だった。
俺は狙い台を確保し、淡々と左リール上段に暖簾の絵柄を狙い続けた。
3時ごろに食事休憩を取り、牛丼をかきこんだ。
それから本屋へより、PC関係の雑誌コーナーへ行った。
本当ならば、パチ屋の閉店後にゆっくりと見たいところなのだが、
パチ屋の閉店後には、もう本屋は営業していないのだ。
目的の場所で、俺は会いたくない人間に会った。
「あら、北方さん」
「よう」
「お久しぶり、ね」
「だな。こんなところで何やってんだ?」
「ちょっと買い物のついでにね。あの人、風邪引いちゃって」
そう言って、その人間――マリは、ぶらさげた袋をちょっと持ち上げた。
薬局のものらしい紙袋と、ショートホープのカートン、食料などが入っているようだ。
「そうそう、暇つぶしになるパソコン雑誌ってどれがいいの?
何か買って帰ってあげようと思ったんだけど、私全然わかんないから……
北方さん、パソコンできるでしょ。
よかったらあの人が楽しめそうなもの、選んでくれないかしら?」
「そうか、風邪か」
そういいながら、俺は書棚に目を走らせた。そして一冊を選んでマリに差し出した。
「これなんか、いいんじゃねぇか」
「『2ちゃんねる中毒』NHK中毒ってこと?なんだかおどろおどろしい名前ね」
マリがそう言ったとたん、周囲から複数の視線が突き刺さった。
俺が睨み返すとすぐに視線を戻す。
しかしやつらの耳がダンボになっているのは火を見るより明らかだ。
『2ちゃんねる』という単語に過剰反応する2ちゃんねらーども。
マリの美貌が彼等の覗き見根性をさらにくすぐっている。
彼等の叫びが聞こえる。俺に対する叫びが。
――逝ってヨシ!
……わかってるさ。ただ、俺にも一つだけ言わせろ。オマエモナー……と。
そんなことを思いながら俺は目当ての本を手に取った。
『2ちゃんねん大辞典』俺はそれを恥じることなく、手に取った。
表紙のモナーを指差し、マリが口を開く。
「何それ、かわいい」
「これな、モナーっつってな、インターネットの掲示板のキャラだ」
「へー。それ買うの?」
「ああ」
「じゃ、私も」
そう言って、マリも『2ちゃんねる大辞典』を手に取った。
俺たちは並んでキャッシャーへ向かった。
背中に複数の視線が突き刺さっているのを感じる。おめでてぇやつらだ。
しかし実際、街中で2ちゃんねるだのモナーだのという単語を耳にすれば、
俺だって気になるだろう。
烏合の衆……か。そう思うと不意に愉快な気持ちになった。
「ありがとう。助かったわ」
「お安い御用さ」
「これから、暇?」
「いや、今スロットの途中だ。今食事休憩取って出てきてる。もういかないと」
「……そう。また今度、ゆっくり話しない?」
「ん……ああ……」
「何もとって喰おうってんじゃないから。よかったら来てくれる。今ココで働いてるの」
そう言って、マリは小さな名詞を取り出した。
『Bloody life』と書かれた下に『まり子』とある。源氏名というやつなのだろう。
「気取った店だけど、そんなに高くはないわ」
「そうか。また暇ができれば行くよ」
「ありがとう。それじゃ、スロット頑張ってね」
「ああ。大沢さんによろしくな」
「うん。じゃぁ」
「ああ」
マリの後姿が遠ざかる。
会った瞬間はなんとなく居心地の悪い感じを抱いた俺だが、
そんな感情も今は消えていた。
コートの裾から覗いたマリの細い足首を、きれいだ、漠然とそう思った。
136 :
◆Hb/S.IItwo :03/01/19 20:14
今日は以上です。読んでくれてありがとう。
ほなまた!
137 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/19 20:33
>>1(・∀・)イイ!!!
がんがって下さい!!
しかし、俺の予想より読んでる人って少ないんだな・・・
ちょいショック。
>>137 そんなことないんじゃない?
一般的にROMってる人間は書き込んでる人間の数倍〜10倍くらい
いるだろうって話だから。
点呼に反応した人間の何倍かの人間が見てるだろうってこと。
案外多くの人が見てると思うよ。( ´∀`)
139 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/19 23:25
>>317 その通りっす!見てるだけでカキコしない人けっこういてると思いますよ。俺もいままで見てるだけ〜ですた。そして【10】げと
じゃあ俺が【11】なわけだが、まだ脳内スレにはエントリしてない…。
>>1の文章はどぎつくて心臓弱い俺にはやや苦手な感もあるけど、
ハードボイルドな言い回しとか雰囲気はさいこーだ!!
3行目は気にせず続きがんばってくださいな
141 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/20 03:18
【12】
142 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/20 03:50
【13】だよ
あぶねぇっ!!保全しなくちゃ。
こっち最近見てなかった…
言わしてください。
【14】って。
145 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/21 00:17
とりあえず保全age
続き期待待ちしとります。
146 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/21 13:33
【15】&保全
147 :
( ´∀`)ノ7777さん:03/01/22 01:05
寝る前に保全しときまつ。
ホゼ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━ン!!!!
149 :
( ´∀`)ノ7777さん:
1レス消費するのが、もったいなくて点呼に参加しなかったけど
【16】
>>137さんが、ガカリしてるそうだから、あえてしてみまつた。
そういう人けっこういると思うな。