【イトカワ】小惑星探査機はやぶさ Part35【ISAS】

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270名無しSUN
https://twitter.com/ShinyaMatsuura

とりあえず叫んでおこう。「Google Earthが誰でも閲覧できる今、じょうほうしゅうしゅうえいせいなんて、だっせーんだよ! おっくれってるーう」 about 22 hours ago from web

自分の思考を整理するために書いてみよう。そもそも、なぜ米ソは巨額の経費を費やしてまで偵察衛星を開発し、保有したか。直接の動機は冷戦にあった。 about 15 hours ago from web

偵察の道具だから、色々な使われようをしたわけだが、最大の目的は米ソがお互いの核弾頭付きICBMの保有状況を把握するというところにあった。
そして、相互に核ミサイルの状況を把握することは、抑止力にもつながるし、軍縮交渉時の交渉カードともなった。 about 15 hours ago from web

本来、衛星は「ある狭い拠点を精密に観測する」のには向いていない。
被写体との距離は航空機よりずっと大きいし、上空通過時刻は制限される。むしろ地球全体の把握に向いている。 about 15 hours ago from web

メリットは「航空機と違って撃墜されない」だが、それも1980年代に衛星破壊ミサイルの開発されたことで、技術的には無効となった(実際にやるかは別。デブリをまき散らすから)。
にもかかわらず、偵察衛星に多大な努力が払われたのは、冷戦という世界体制の維持に必要だったからだ。 about 15 hours ago from web

冷戦終結後、偵察衛星から「核抑止力による世界体制の維持に必要不可欠」という役割が外れた。
残ったのは通常の戦術・戦略偵察の役割だけ。この段階で、偵察衛星のコスト・パフォーマンスはがっくり落ちた…はずであった。 about 15 hours ago from web
271名無しSUN:2009/11/21(土) 12:13:12 ID:pOQECtDr
ここで、冷戦後に起きたことを列挙する。インターネットの全世界レベルの普及。パソコンに代表される情報処理機器の急速な能力向上。
米による偵察衛星の高分解能撮像技術の民間移転と開放(ただし解像度50cmまでだが)。そして戦争の非対称化(国対国ではなく、国対ゲリラへ)。 about 15 hours ago from web

ネットと情報処理能力の向上は、かつてなら国しか持ち得なかった画像解析能力を、原理的には「誰でもできるもの」とした(ノウハウってのはあるが)。
民間でもそこそこの衛星画像がコマーシャルに入手できるようになった。そして、国の敵は、固定インフラを持つ「国」とは限らなくなった。 about 15 hours ago from web

そして、Google、なかでもGoogle Earthの出現だ。あの地球の画面を見てすぐに思わなかったろうか。
「これにレイヤーを切って、様々な衛星情報を重ねられたらすごいな」、そして、「これをリアルタイム更新するのは技術的はいずれできることだな」と。 about 15 hours ago from web

以前ちょっと計算したのだが、地球の全陸地をフルカラー24ビット、1m分解能で撮影しても、
確か数百テラバイト程度なのだ。おそらく2020年代には個人がほいほい扱えるようになっている程度の情報量なのである。
もちろん、クラウドにサーバーを置けば、もっと簡単だ。 about 15 hours ago from web

そんな状況の中で、私は、「国が開発し、国が運用し、国が情報を秘匿して外交に役立てる」というコンセプトの偵察衛星は、
どんどんコストパフォーマンスが悪くなっていくと見ているのである。そんな状況で、日本は情報収集衛星の導入に動いてしまったのだ。 about 15 hours ago from web

実際、北朝鮮がなにやら打ち上げるということになると、防衛省から米民間地球観測衛星への画像撮影リクエストがごっそり出るとのこと。
向こうは商売なので同じ画像を安く別のユーザーにも販売する。その一部が、GlobalSecurity.orgあたりを経由してネットに出回っている模様。 about 15 hours ago from web
272名無しSUN:2009/11/21(土) 12:14:21 ID:pOQECtDr
情報収集衛星は毎年600億円ほど使っているが、これらすべて宇宙関連予算を削ることで枠が捻出された。
金の流れる先は同じメーカーとはいえ、日本の宇宙開発に多大の悪影響を与えた。 about 15 hours ago from web

しかも、この金は機密を楯に、国民への説明責任を一切果たしていない。
アメリカでもNSAの予算は説明責任はないし、軍の機密予算も然りだが、そんなことを真似する必要がどこにあるのだろうか。 about 15 hours ago from web

衛星情報は、グラウンド・トゥルースと組み合わせて初めて解析が可能になる。
その意味では、ヒューミントなくして衛星情報は活かせないのだが、そちらへの投資が強化されたという話もない。 about 15 hours ago from web

内閣衛星情報センターでは、ずいぶん長い間画像解析技術者の募集を続けていた。人材不足は深刻だったようだ。
さすがに最近はそれなりに人が育っているようだが、一方で各官庁からの2年の期限付き出向者の習慣は続いている。 about 15 hours ago from web

衛星を知らない官僚がやってきて、慣れた頃に去っていき、また真っ白な新人が来るの繰り返し。
しかも、大量の出向者が来る理由はといえば、各官庁の権限争い。衛星情報センター内での椅子取りである。 about 15 hours ago from web

Google Earthの出現が示唆するのは、クラウドによる安全保障という枠組みだろう。
北朝鮮なら北朝鮮の偵察衛星情報を、Google Earthのようなインタフェースで全世界に公開する。 about 15 hours ago from web
273名無しSUN:2009/11/21(土) 12:15:24 ID:pOQECtDr
世界中の目がよってたかって解析し、例えば「北朝鮮Wiki」みたいなサーバーに「こんなことやっているぜ」と登録するというもの。 about 15 hours ago from web

「そんなことをすると、彼らは本当の機密はトンネル内で行うようになる」という反論が来るだろう。
しかし、彼らはバカではないから、今だって本当に重要なことは衛星の上空通過時刻を避けているはずだ。 about 15 hours ago from web

もちろん雲があればレーダー画像に頼るしかない。むしろ、衛星撮像は「そういうものだ」と考えて使うべきものである。 about 15 hours ago from web

さらには、非対称化した戦争には、衛星偵察はあまり役立たない。相手は偵察すべき固定インフラをほとんど持たないから。
最近では無線通信傍受も役立たなくなっているらしい。相手は暗号化したメールをネットでやりとりするからなのだとか。 about 15 hours ago from web

そこで、問題なのは、「そのようなものに、未来永劫年間600億円を突っ込み続けるのか」ということ。この額はISS運用費用より大きい。
現状、出来上がっているのは年間600億円規模の役人天国ではないか。 about 15 hours ago from web

衛星を使うなら、衛星の得意なことをするべきだろう。地球全体の把握である。
地球環境、作物生育状況、地形変化、地盤の計測などなど、衛星で観測すべきデータは山ほどある。
そのスピンアウトとして、安全保障用途がある、というのが正しいあり方ではないか、と私は考える。 about 15 hours ago from web

情報種周衛星導入時の自民党の一部議員は、「偵察衛星」というものに過大な期待を抱いていたのだろうな。
上からなんでも見える遠めがねぐらいに考えていたのではないか。しかし、実際には衛星は道具であり、道具なりの限界が存在するのだ。 about 15 hours ago from web
274名無しSUN:2009/11/21(土) 12:19:34 ID:pOQECtDr
ってなところかなあ。情報収集衛星のもっとも賢い使い方は、Googleにデータを売るか、NTTあたりにGoogle Earth対抗のサービスを作らせるかだと思うのだ。
もっとも、現状の分解能は、アメリカの民間地球観測衛星以下だから、Googleは「そんなデータ要らん」というだろう。 about 15 hours ago from web

だから、「じょうほうしゅうしゅうえいせいは、だっせー」なのだ。私思うにあれは「延々と続く年間600億円の迷惑」なのだが。
なぜ事業仕分けに入らなかったのやら…違うかな、意見求む。 about 15 hours ago from web

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本当の無駄は情報収集衛星。
ここに切り込まない「必殺仕分け人」は無能。
しかし、必殺だけはやってくれるだろう。