>>375 専門的には傾圧性が強い年だったといえる。1984年。
傾圧性が強いとは、南北の気温格差が大きいこと。
これによって傾圧不安定派が発達し、温帯低気圧の発達に繋がる。
低気圧のすぐ北側では強い寒気を引き込み下層の気温は低温、
しかし低気圧のすぐ南側は暖湿な気流を引き込み、降水量が纏まる。
このメカニズムによって何低による太平洋側の大雪が引き起こされる。
戦前の記録を見ると、東京都心で何低によって46aの積雪を記録したこともある。
近年、気候の温暖化が進み、シベリア大陸と太平洋との気温差が、
シベリアの放射冷却の弱まりに寄って、気温の差が小さくなっている。
これが傾圧不安定派にも影響を及ぼし、低気圧が発達しにくい状況になりつつある。
実際冬季においては、日本海側だけではなく、
関東を中心とした太平洋側の何低による冬季の降水量が25lも減っている。
だから厳冬だから低気圧が発達しにくいわけではない。
シベリアの強烈寒波がその南側との「気温差」を拡大させ、
偏西風に大きな波動を起こして何低が発達することもある。
戦前はちゃんとした天気図が無いため、解析ができないが、
おそらく戦前は何低による極端な大雪も多かったと推定される(観測史上の統計から)。
温暖化すると、低気圧も発達しにくくなる。仮に少し発達すれば0℃を軽く超えてしまって雨になりやすい。