盗人を釣る

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41忘れもしない実話
あれは2年前、男ばっかり学生時代のツレと滑りにいった時の事だ。
久しぶりの再開でハメはずし、朝からガブガブ呑んで滑ってた。
フラフラ滑ってるとゲレの端で一人座ってる女の子が手を振ってる。
知り合いかな?程度に近づいて見るとかなりカワイイ女だったが全く
見たこともない女。
近づくと、女は「転んで足が痛くて立てない」との事。
「とりあえずブーツ脱いでみようか」と言うと「手もしびれて力が入らない」
「なら俺やるね。少し痛いかも」と言いながら普通にブーツを脱がせて
足をみた。見た目なんでもなく、平気そうなので「少し休んでからゆっくり
おりるといいよ、どうしてもならパト呼べばいいしね。」
というわけで少し休む事になった。
俺はツレも待っていたので早く降りたかったんだが「じゃ」とか言える雰囲気
でもなく、正直好みのタイプだったこともあり、しばらくくだらない世間話をしていた。
「どう?もう大丈夫かな」と足を触ると女は突然俺の手を握ってきた。
(なんだコイツ怪しい女だな)
正直嬉しいよりも先に”あやしい”と感じた。
何故なら俺はブサイクだからだ。
手を握りながら女は「ほんとにごめんね。友達待ってるんでしょ、行ってもいいよ
一人で座ってるから」とうつむきながら言った。
「いやいや平気だから動けるようになるまで一緒にいようか。まだ痛いならパト呼んで
降りてから休憩するほうがいいよ」とけん制気味に言う俺の目を見た女は「少し楽に
なったからたぶんもうすぐ大丈夫」と笑った。

つづく・・・