煤板で見たイタイ奴 Part6

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232名無しさん@ゲレンデいっぱい。
スス板イタイ奴外伝1 「群馬の神の落日」G

女がレガシィの後部座席に乗り込むと、良い香りが社内に充満した。
「ありがとうございます、私、加奈っていいます。こっちのバスって早い時間になくなるんですね。」
加奈、kanaと同じ読みか、と山田は苦笑いをする。
「田舎だからね。この辺は温泉とスキー場だけが取り柄かな。今日もスキーしてきたんだよね。」
「うらやましい。私もスキーやっているんですけれど、なかなかうまくならなくて。」
「俺は昔SAJの上位にランクされるとこまで行ったんだよね。」
「凄いですね、尊敬しちゃいます。」

山田にとっては久々の若い女との会話で心が弾んだ。
山田はつい饒舌になる自分を抑えられなかった。
「俺、結構ネットの世界でも有名でさ、2ちゃんねるという掲示板では一番人気なんだよ。」
「この前も2ちゃんねるの解説本の中で代表的コテハンとして紹介されたし、
有名なスノーボードサイトにもインタビューされて記事が掲載されたんだ。」
「そんな人気者だったらネットで告白されることもあるんでしょ。」
「まあね、っこのまえ、でらという高校生に好きだと告白されたよ。」
山田の頭の中からは既に自殺の2文字が消え去っていた。