青嶋ひろの

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219氷上の名無しさん@実況厳禁
まず高橋大輔は、3回転−3回転のセカンドジャンプもしっかり気持ちを入れ直して跳び、
トリプルアクセルも余裕を感じさせる出来。
冷静に決めるジャンプで静かにはじまり、ステップがふたつ控えた後半に向けて、徐々に徐々に盛り上がる……
高橋の「eye」はそんなプログラム。だから、そのときを待つのだ。高橋大輔の情熱が少しずつほとばしり、爆発する時を。
しかし五輪のショートプログラム。いつまで経っても「そのとき」はこない。
ストレートラインステップでは少し薄味だな、と心配し、
サーキュラーステップでの印象的なホップ(はねること)はいつもより格段に小さな動きだった。
冷静によく自分をコントロールしているが、高橋の「eye」にしては、これは冷静すぎる。
圧倒的な強さ、オーラ……、高橋大輔独特の吸引力は、残念ながら今夜は感じ取ることができなかった。
日本から駆けつけたお客さんの多くは、ミスのない演技に立ちあがって歓呼を送った。
しかし、高橋大輔はこんなものではない。この演技で「上出来!」と言えるようなスケーターでは、彼はない。


もちろん戦いは、前半を終えたばかり。日本の2トップもプルシェンコも、きっとショートプログラムでの緊張から解き放たれ、
フリーではもっと自分らしく、もっと五輪にふさわしい演技を見せてくれるに違いない。
特に日本のエース二人は、緊張の舞台でこれだけの評価が出たことを自信につなげられるはずだ。
だから、これからメダル争いに加わる高橋と織田には、願いたい。退屈な金メダリストになるくらいなら、
印象に残る敗者になってほしい、と。何よりももっと五輪を楽しみきって、バンクーバーまで来て良かった! と思わせてほしい、と。

                                                                   by青嶋ひろの

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