■■■ 安藤美姫アンチスレ part 184 ■■■

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811青嶋ちひろ
引き算は難しい。足し算よりも、ずっと難しい。
ファッションの世界でもゴテゴテと飾り立てるのはあまり品のいいものではない。
都会で悪目立ちしているのは、頑張り過ぎている人の方ではないだろうか。
おのぼりさん、などと言ったものだが、過剰なものはどこかダサかったりするようだ。
そう言えば、分不相応なブランドものを持ったりするのも
成金っぽいと、返ってバカにされたりするが、それも「過剰」だからだろう。
さて、話変わって、安藤美姫である。
安藤のプログラムはスカスカだ。こんな評を時々耳にする。
目を凝らして見てみると、ジャンプ、ラン、スピン、ランと要素を満たしている以外は
立ち止まってのマイムや腕の振りなどで、いわゆるつなぎ、といったものは少ない。
なのに芳醇な4分間。見終わった後には、しばらくは何も手につかないような陶酔感を
私は感じている。そういったものは質の高さに比例すると思っていたのに
これはどうしたことだろうか……。と、私の中では、ここしばらくの謎であった。
残念ならが途中棄権となった08ワールドで、涙を流しながらリンクを去っていく
安藤の姿が呼び水となって、私はハタと、謎の答えを得たような気がした。
そうか、安藤のスケートは引き算の美学だったんだ……。
過剰なものをそぎ落とし、シンプルに魅せていく。
スケートにおいては逆行ともいえる手法を用いて
安藤は新たな表現法を確立しようとしているのではないだろうか。
うーん。それに気づいた時、私は思わず唸ってしまった。
表現の革命児、安藤恐るべし、である。