【村主は】村主章枝が大嫌いです26ペ目【終わった】

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73公認ブックより抜粋 1
「スケートをどう見せるかーこの点に関しては、欧米の一流選手たちと日本の選手には、
まだまだ差がありますね。やっぱり文化の違いなのか、感受性の違いなのか…。この差を埋めるには、
スケートにしても、舞台や絵画などにしても、みんなもっと『見る』といいな、と思う。
これは、私たちが若い世代に教えなくちゃいけないことかもしれないですね。最近は日本にいても
バレエやミュージカル、色々なものが見られます。でも日本の人は、見るときの観点も、欧米の人とは
違うんですよ…。
例えば絵を一枚見るにしても、その見方がわからないって、日本の子は言う。その『わからない』って
いう気持ちも、私はわかるような気がします。私も日本人だから、絵を見せられてその良さが理解できないって
思うことはあった。最初は誰でも、そうなんですよ。(中略)

だけどこれだけ高く評価されているのは、どこか他と違うところがあるんだろう…、そんな興味を持って
近づいていけば、色々なことがわかってくると思うんです。ちょっと勉強したり調べたりすれば、批評や解説も
すぐに見つかる。そうした意見に、自分が納得できる、できない、色々なことを考える。そうすると少しづつ、
一枚の絵に向ける視線も変わってくるでしょう。(中略)

(佐藤信夫)先生が、この選手のスケートはいい、って言う。でも、私はその人の良さに目を向けることがなかったから、
先生が言うほどは、『いいな!』って思うことがなかった。でも、先生の見方を学ぶと、ああ、この人の滑りは
ここがこうすごいんだって、わかるようになることも多くて。そしていろいろ見て、勉強して、
スケートの見方が変わると、自分自身の目指すスケートも変わってくるんです。その過程がすごく
楽しかった。それと同じやり方で、アートやパフォーマンスもたくさん見て、たくさん考える。
これはすごく面白いことだと思うんですよ。
そんなことを氷の上の練習以外でしているかどうか、それが欧米の選手との差になっているのかな、とも思います。
国民性とか、受け継いできた文化の違いもあるかもしれないけど…。(中略)

だから決して強要はできないけど、美術や舞台を見ることが好きって選手は、ぜひもっと見て考えることをして欲しい。
それは絶対に、自分のスケートに生きてくるから」
74公認ブックより抜粋 2:2007/11/01(木) 16:08:02 ID:BlJVt5Si0
「でもやっぱりまだまだ、フィギュアスケートは他のショービジネスに追いつかない部分があるなって、
たとえばブロードウェイのミュージカルなどを見ると思うんです。出てくる人の『私は絶対この世界で
生きていくんだ、成功するんだ!』っていう気迫からして違う。見せるもののレベルも違う。
でも難しいんです。スケートのプログラムも、いきなり高度なものを提供して見せても、お客さんの方が
ついてこられないかもしれない。だからといって同じレベルのものばかり見せ続けるわけにもいかない。
そのあたりのさじ加減も、ちょっと難しい、
これは…、時が経つのを待つしかないのかな。スケートに携わる人、みんなが成長しないと
いけないんでしょうね」

中略無しで3に続きます。
75公認ブックより抜粋 3:2007/11/01(木) 16:20:10 ID:BlJVt5Si0
「でもね、私も最近の選手たちを見ていて、これはちょっと今までと違うかな、
面白いかなって思うことがあるんです。日本は海外に比べるとまだまだって言ったけれど、
日本の選手、大ちゃん(高橋大輔)や織田(信成)君を見ていると、彼らはちょっと違うかなって思う。
例えば私は、氷の上では表現をする人になるけれど、もともとの村主章枝は、『陰』か『陽』かと言ったら
決して『陽』の人ではないんです。私の場合はどちらかというと普段の『陰』の自分を切り替えて、
スケートを滑ってる。自分としてはもっと楽しいもの、コミカルなものもやりたいんですよ。(中略)

でもコミカルをやるためには、そのセンスがないとダメ。元々が『陰』の私には、なかなか
難しいんです。国民性を考えるとやっぱり日本人には難しいのかなって思ったり。だけど大ちゃんや織田君は、
関西人ってこともあるのかな、すごく人間的にも今までの日本人とは違うかなって感じます。私や他の選手たちとは
考え方も、根に持ってるものも、全然違う。氷の上で違う自分を出そうとしてるのではなく、普段から『陽』で、
シリアスな部分があまりなくて。あ、いや、彼らなりにはあるのかもしれないけれど(笑)、
でも、あの二人のような、持って生まれた『陽』の素質って、必要なんだなって…、最近すごく
考えさせられます」
76公認ブックより抜粋 4:2007/11/01(木) 16:32:33 ID:BlJVt5Si0
「長くスケートをやってきてー。時代も変わったなって、思います。(中略)

でもまだ私のことを待っていてくれるファンの方がいるのは、ほんとにありがたいですね。
でもね、やっぱり日本って、スポーツでも、スポーツ以外でも、若い人の活躍はよく取り上げられるのに、
年をとっても頑張る人はあまり注目されないところはありますよね。30歳すぎても頑張ってる、なんて人もいっぱいいるのに…。
彼らの努力がなかなか目を向けられない、なかなか受け入れられない、ちょっとさみしいな
って思うこともあります。
スポーツの世界だけじゃなく、一般の社会人も同じじゃないかな?会社に入りたての20代の頃は、みんな若さで
バリバリ頑張って、応援されたりもするけど、そこから先が、実は大変。みんなが苦労したり挫折したりしてるのに、
そんな姿が表には出てこないですよね。そんな社会は、やっぱりちょっとさびしい。(中略)

でも昔も今も、頭にあるのは自分のやるべきことのみ、みたいな調子で、スケート続けてきちゃったなあ。
一緒に競う人のことも、あまり考えたことがなくて…。ソチまで続けるとしたら、今、中学生ぐらいの選手と
一緒に試合に出るんですか?そうかあ、ジュニアの選手たち、名前も知らないんですよ。もっと周りの事も
目を向けたほうがいいのかな(笑)。メダルを欲しいって気持ちも…もちろん全くないわけじゃあ
ないです。でもその前に、自分の求めてるスケートをしたいって気持ちがあって、それは
まだまだだなって思うから。(中略)

もうここまできたら、後々振り返られた時、村主章枝といえば
 しつこさ!みたいに言われてみたいですね(笑)。 しぶとく、長くやってたなあって。
 しつこかったなあ、村主章枝は、ってね」