報道管制:都合が悪いと乱発する韓国政府(上)
ttp://www.chosunonline.com/article/20070808000058 2006年8月末、戦時作戦統制権の韓国軍への移管をめぐり、激しい論争が繰り広げられていた
時のことだ。国防部は戦時作戦統制権が韓国軍に移管される際に創設される「軍事協力本部
(MCC)」の構成について、「10月中旬にワシントンで開かれる韓米年次安保協議会(SCM)までは
報道を自制してほしい」と要請した。交渉が進められている最中のため、メディアに公開されれば
交渉を行う上で不利になり、外交的にも問題になる可能性がある、というのがその理由だった。
そこでメディアはこの「報道管制」に同意した。ところが青瓦台(大統領府)が運営する「青瓦台ブ
リーフィング(報告・説明の意)」は報道管制を破り、MCCの構成に関する内容を公開した。これに
ついては、戦時作戦統制権の韓国軍移管に反対する世論が高まったのを受け、青瓦台が自分た
ちの都合に合わせて報道管制を破ったという見方が出ている。
報道管制とは、取材源が特定の事案について、記者たちに十分に資料を公開した上で、報道
する時期について統一するよう要請することをいう。取材を規制するというのではなく、あくまで
報道する時期を統一してほしいと求めるものだ。ところが韓国では、取材を規制する手段として
これが乱発されてきた、とメディア学者らは指摘する。また、政府が「安全保障に重大な影響を
与える」として報道管制を敷いたにもかかわらず、自らそれを破ったケースに代表されるように、
政府が国民に伝えたくない事案に対する取材を規制しようとする側面も強いとされている。
このほかにも、韓国軍の兵力を現在の68万人から50万人に削減することなどを骨子とした「国
防改革2020」案に関し、2005年7月にメディア各社が「2020年までに50万人に削減する」と報じた
ところ、政府はこの件に関する報道管制を敷いた。これについては、追加取材を避けるための手
段として政府が報道管制を敷いた、という批判の声が上がった。
記事入力 : 2007/08/08 廉康洙(ヨム・ガンス)記者 朝鮮日報/朝鮮日報JNS