1990年代、中国・河南省が偽物と詐欺の代名詞と呼ばれたことがある。 場所は北京・人民大会堂。
中国の国家主席が各省の代表と面会する席だった。 「広東省の省長です」。秘書の紹介の後、
主席は手を差し出して握手をした。 次々と流れていた順番は河南省の番になるとしばらく止まる。
「河南省の省長です」。秘書の発言で国家主席が突然分厚い眼鏡を近視用の眼鏡に変えた。
省長の前と後、下と上を見回した主席は突然尋ねた。 「これは偽物ではないのか?」
北京で流行した笑い話だ。 河南省出身作家が、‘偽物製造街’という汚名を着せられた故郷の
名誉回復のため著述した本で紹介され、かなり広まった。 河南省に関する笑い話はまだ続く。
世界的に有名な手品師が中国を訪れた。 地方を巡回しながら行った公演は大成功だった。
しかし河南省で彼は厄介な観客に出会った。 世界を感動させた彼の手品に河南省の人々は
軽蔑するような反応を見せた。 「それも手品か?」。こういう感じだ。 そして彼は大恥をかいた。
舞台のそばに座っていた8歳の子が彼のすべての手品の種明かしをしたのだ。
結局、手品師は少林寺で有名な河南省に残り、8歳の師に仕えて手品を習い直したという内容だ。
万里の長城へのタイル張り、宇宙空間へのエアコン取り付け、ヒマラヤ山脈の平地化、
地球全地域の赤ペンキ塗り。 中国人の嘘やホラについて話す時に出てくる笑い話だ。
段ボール肉まん、海藻類と化学薬品で作った卵などで偽物論議を量産している中国の話だ。
河南省はもちろん、中国の多くの地域の人々が作り出す偽物騒動で地球村は静かな日がない。
偽物作りは結局、中国人が弱肉強食の殺伐とした江湖の世界を生きていく方法だ。 名付けて‘騙術’だ。
中国の偽物を糾弾する韓国人の声が高まる。 しかしわれわれも偽物に関しては何も言えない。
ある生命科学者の捏造が社会全体を騒がしたのもつい最近のことだが、今では偽物の米国博士
学位を持って韓国社会で横行する女主人公が現れ、騒ぎになっている。 中国は偽物を作るだけだが、
韓国社会は偽物を本物と見なす俗気が激しい。 学歴に弱く、艶のある言行に簡単にだまされるクセ。
存在を覆うベールにうっかりだまされる韓国社会の単純さと軽薄さがもっと大きな問題だ。
劉光鍾(ユ・クァンジョン)国際部門次長 <
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2007.07.19 18:18:09
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=89458&servcode=100§code=120