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右や左の名無し様:
なぜなら、世論がそれをがまんしなかったし、国家が静観するはずもなかっ
たからである。なにしろ、国民が精神的錯乱の手中に追い立てられるのを阻止するのは、国家管
理に属する仕事だからである。しかし、このような事件の展開はおそらくいつかは、精神錯乱に
終るに違いない。すなわち、この種の芸術が、実際に一般の人々の判断と一致するようなそんな
時代には、人類のもっとも重大な変化の一つが生じていることだろう。人間の頭脳の退化は、そ
れとともに始まっているに違いないが、しかし、人々はけっしてその終末を予断することはでき
ないだろう。
まずこの観点から、この二十五年間に起ったわれわれの文化生活の展開を眺めるとき、すぐに、
どれほどわれわれがもうこの退化にひきこまれてしまっているかをみて驚くだろう。われわれは
いたるところで、われわれの文化を遅かれ、早かれ、破滅させるに違いない流行の始まりとまる
徴候にぶつかる。これらの流行の中にも、われわれは次第に腐ってゆく世界の没落現象を見るこ
とができる。この病気をもはや克服できないような民族に災いあれ!
アドルフ=ヒトラー著「わが闘争」