【バーク】保守思想【オークショット】

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242右や左の名無し様:2008/08/11(月) 03:40:44 ID:V6f5mSnU
みんなが好きな保守派の評論家とかで好きな人って誰?
いや別に保守/リベラルに拘らずに誰でも良いけれどさ。
243右や左の名無し様:2008/08/11(月) 13:50:01 ID:???
永井陽之助
保守というよりは、リアリストの政治学者というべきかもしれないが
244右や左の名無し様:2008/08/11(月) 14:52:30 ID:???
>>242
保守/リベラルという対立軸はアメリカでのみ通じる基準なので注意されたし。
普通、保守の対立概念は革新です。
アメリカでは、リベラルという言葉は中道左派〜左派(左派でも極左は含まない)を意味しますが、
ヨーロッパ諸国では、リベラルは中道右派〜中道〜中道左派という具合で、左派までは含みません。そこから左は革新がカバーする領域です。
アメリカは昔から革新勢力が非常に弱いので、そのぶんリベラルがカバーする領域が広くなったのかもしれません。
245右や左の名無し様:2008/08/11(月) 15:58:52 ID:???
リベラルというなら保守の自民党もリベラル・デモクラシック・パーティーだもんな。
246右や左の名無し様:2008/08/11(月) 16:02:17 ID:???
リベラルはリベラルでもいろいろ名前があったような
247右や左の名無し様:2008/08/11(月) 16:02:54 ID:???
保守/リベラルという対立軸は日本でも通用しているような気がする
248右や左の名無し様:2008/08/11(月) 17:29:24 ID:???
通用している側面としていない側面があるな
249右や左の名無し様:2008/08/11(月) 17:47:14 ID:???
親米VS反米について


日本の対立構造は


親大陸派 (共同体主義、ランドパワー)=親アジア主義、親儒教、親社会主義、親官僚制(=中央集権)、
親全体主義、親人治主義、親合理(観念)論、親水戸学、親平田派国学、親朱子学

      VS

親英米派 (自由主義、シーパワー)=親国際主義、親資本主義、親封建制(=地方分権)、
親自由主義、親立憲主義、親法治主義、親経験論、親仏教、親国学(本居宣長)、親徂徠学



親大陸派は天皇制を認めるかどうかで国家社会主義(親ドイツ)か共産主義(親ソ連)に分かれ、
親英米派は伝統の重視の度合いで保守主義と自由主義に分かれる。

今風の言葉で言えば、反米保守は親大陸派で、親米保守は昔ながらの親英米派。
両者は戦後、反共産主義という一点で手を組んだ訳だが、元々は水と油。
共産主義が崩壊した90年代以降、元の親大陸派vs親英米派の構図に戻っただけ。
250右や左の名無し様:2008/08/11(月) 19:46:47 ID:???
保守派が批判する意味でリベラルとかサヨクと使う時の
リベラルやサヨクは反米だよなと思った
251右や左の名無し様:2008/08/11(月) 19:47:53 ID:???
保守派が同意するリベラルは
オールドリベラルとか
新自由主義とかだろうか
252右や左の名無し様:2008/08/11(月) 22:08:18 ID:???
>>249
中学生向けに単純化したのかもしれないが、そんな大雑把な地政学的対立軸で日本の思想を割り切っちゃ駄目だろ
しかも徳川時代の思想まで・・・。いくらなんでも無茶な単純化だ
253右や左の名無し様:2008/08/11(月) 22:10:33 ID:???
>>251
オールドリベラルは自民党の保守本流みたいなもんだ

知識人でいうと美濃部達吉とかだな。
「明治憲法でも俺の憲法解釈なら十分民主的にやれる」といったので、若い世代から「オールドリベラルの限界」と批判された
254右や左の名無し様:2008/08/11(月) 22:15:17 ID:???
>>253追記
美濃部は現憲法への改正に対して、「明治憲法でも俺の憲法解釈なら十分民主的にやれる」といったので、若い世代から批判された
255右や左の名無し様:2008/08/12(火) 06:09:33 ID:YdJRXd+q
どう考えても西部が日本では最高の保守思想家だろ
256右や左の名無し様:2008/08/12(火) 07:30:32 ID:jlFqxlKV
>>255
時々TVとかでの評論を見るけど、なかなか好きだ。
ただ何の話をしても「伝統」とかに話を落としがちな所が目立つ様な気がする。
歳を取ったせいでちょっと頑固になってるのかな?
昔を知らないんでなんとも言えんけど。

西部先生の著書で何かお勧めはあるかな?
257右や左の名無し様:2008/08/12(火) 17:54:41 ID:YdJRXd+q
>>256
うん、同意見。
歴史的な知識を権威的にまぶせることで
自己のドグマを「伝統」という一語に集約させて正当化しているに過ぎない。

でも西部はその「伝統」についてサヨクが考えるような「単なる古臭いしきたり」とは別に
「精神の平衡感覚」とか「因襲としての慣習を改善する方法をも含む」などと繰り返し定義し直していて
それは解釈学の系譜に属するハイデガーやガダマーなんかの一流哲学者も言ってることだったりするから少々の説得力はあると思う。

福田恒存は確かに卓越した文章力や鋭い感性を駆使した言論が光ってはいたものの
保守思想や伝統についての原理的な解説は施してないからね。


西部の著書のオススメは『学問』かな。
西部初心者にも解りやすいしコアな読者のウケもいいし俺も好き。
西部スレでも高評価だったよ。
258右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:03:45 ID:???
西部はロマンチックな活動家気質が抜けてない
まあ別に評論だけやって自分の理論を現実政治に適用しようとしない分には、害がないからいいが
本人ももう政治活動をするつもりはないだろうし
259右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:12:13 ID:???
活動家も過激じゃないなら良いと思うけど
260右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:24:42 ID:???
いや保守らしい現実主義的側面に欠けるってことです
261右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:35:27 ID:???
具体的にはどういう事でしょう?
>自分の理論を現実政治に適用しようとしない分には
ここだとしたら適用の仕方次第だと思いますが。
262右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:38:38 ID:???
保守らしい現実主義的側面とは何かが焦点ですかね。
263右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:48:52 ID:???
彼の反米がよくわからないのです
264右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:53:55 ID:???
実際に政治に携わることなく著述だけを行っていては現実から遊離しないのは難しい。
265右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:58:25 ID:9XCfrHDj
西部は東大時代に教え子の中から何人か学者を輩出してるけど、池田も西部から教えをうけたんだな。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/ikeda/Nishibe.html
池田が書いてるから仕方がないとはいえ、ひどい言われようだな。
266右や左の名無し様:2008/08/12(火) 18:58:49 ID:???
活動する事は過激では無ければ良いと思いますが。
反米が変だという点には納得です。
267右や左の名無し様:2008/08/12(火) 19:10:14 ID:???
今の日本で反米は現実的ではない。
268右や左の名無し様:2008/08/12(火) 19:20:21 ID:???
確かに
269右や左の名無し様:2008/08/12(火) 20:13:19 ID:???
ただ政治も経済もアメリカのいい様にはされたくはない(上手く付き合っていかなければとは思うが)。
どんどんと内部から侵され、気付いた時には
民族が本来持っていた美学とか信念なんてものが一切なくなってしまう。

誰か評論家が言ってたが、支那、朝鮮は盗人で、アメリカは気のいい詐欺師だと。
盗人には武器を構えて対抗すればどうにかなる所もあるが
詐欺師は厄介で、精神を侵され洗脳され、手玉に取られる。

今の従属国家の状況はやっぱり納得は出来ない。
270右や左の名無し様:2008/08/12(火) 20:13:50 ID:???
>>266
過激かどうかではなく、西部はロマンチストなのがどうもなぁ、と思うのです
60年安保の活動家のころからこういうところは変わってない
271右や左の名無し様:2008/08/12(火) 20:22:27 ID:???
>>269
親米・反米という立場の違いを、>>249みたいに一つのイデオロギーとして捉える人もいるみたいだけど、
要はそのときどきの状況に応じて、アメリカとどう距離をとるかというだけの話
極東のパワーバランスを考えると、今はまだ、アメリカとつるんどいたほうがいい時期なのではないか

将来万が一アメリカがやばくなったときに、アメリカを切ってもいいように、こちらの手札を確保しておく必要はあるが(どこまで確保できているんだかわからんが)
272右や左の名無し様:2008/08/12(火) 22:19:59 ID:???
少なくとも政治家は人類じゃなくて国家の代表なんだから、自国に利益が出て他国に不利益が出る政策をとって当然だ
問題なのは、その中で各国と上手くバランスをとれない日本政府
273右や左の名無し様:2008/08/16(土) 13:55:35 ID:???
伝統伝統いうけどさ、今の日本に「伝統文化」なんてある?
日本的なものが生活の中に生きているかってことだけど
274右や左の名無し様:2008/08/17(日) 07:32:04 ID:???
ヘルダーに言わせれば、まずは言語でしょうな
275右や左の名無し様:2008/08/17(日) 07:35:25 ID:SufLcsie
善なる人々が行動を怠れば、必ず悪が勝利する。
276右や左の名無し様:2008/08/17(日) 08:52:30 ID:???
宗教では神道だろうか?
277右や左の名無し様:2008/08/17(日) 11:00:02 ID:???
神道ってぶっちゃければ「みんな神様だから尊敬しなさい」ってことだよな。人も物も、石ころひとつでも。
278右や左の名無し様:2008/08/17(日) 11:10:22 ID:???
神道って幅が広すぎだから一まとめには出来無いという。
279右や左の名無し様:2008/08/17(日) 11:13:01 ID:???
いろいろな宗教の人や無宗教の人もいるし、
山本七平的には日本教と言えるのかもしれないが、
日本教では無い日本人も意外と多いのではないかと思う。
280右や左の名無し様:2008/08/17(日) 11:28:21 ID:???
神道ほどではないけど仏教や儒教も日本で信仰されてる歴史は長いし
日本独自の発展をしてきた部分もあるから、日本の伝統と見てもいい気がするんだが
281右や左の名無し様:2008/08/17(日) 11:37:08 ID:SufLcsie
神道という点なら、>>275のバーグの言葉よりシモーヌヴェイユじゃないだろうか。
有名な「重力と恩寵」さらに、成田山新勝寺ではいまだその思想は称えられてる。
282右や左の名無し様:2008/08/17(日) 11:50:17 ID:???
宗教は同じ宗教でも場所によって内容がかなり違うし、
様々な宗教を信じてる人がいるし、宗教だけで伝統と言うと
大昔から全く違う思想を持った人達を同じと看做しかねない点に注意が必要。
283右や左の名無し様:2008/08/17(日) 12:06:19 ID:SufLcsie
>>282
確かに宗教=伝統は注意が必要かもね。
あくまで政治的理念にもとずいた革新、あるいは進化。
それが宗教の範囲に収まる哲学である為に、伝統とは少し違うベクトルを
進んでいるのかもしれない。
284右や左の名無し様:2008/08/17(日) 12:15:12 ID:???
大阪と東京のようにそれぞれの地方にお国柄があるし、言語だって地方によっては会話が成立しないほどの方言がある
宗教だって仏教や神道がある上に解釈の違いから大量の宗派がある、アイヌや琉球にいたっては別の民族だし
本当に日本人のほとんどを包括できる伝統なんてものがあるのかは少し疑問だけどね
全ての文化を伝統として認めるんなら、もう国家という器だけで国民の心なんて完全にバラバラになったも同然だ。
それなら、人為的にはなるかもしれないけど数ある文化の中から「真の伝統」みたいなものを無理にでも決めて
それを基に国家を作っていった方がいい気がするんだけどね
285右や左の名無し様:2008/08/17(日) 12:30:09 ID:???
>人為的にはなるかもしれないけど数ある文化の中から「真の伝統」みたいなものを無理にでも決めて
ここら辺は人道的なものなら良いけど、非人道的なものだと日本社会がひどい事になるかも。
そういった点のイギリスでの良い伝統は権利の請願等になるのかな。
つまり保守主義的な自由や権利。
286右や左の名無し様:2008/08/17(日) 12:52:17 ID:SufLcsie
良いものは残す。
維持をする。 良い事だけど、現実的に能力には限りがある場合もあるよ。
人為的は危機感もあるけど、人道的進化はどうだろう?
「自然が一定の仕方で変化するように、社会はある理想的な状態へと進化していく
ものである。」
これはハーバートスペンサーの引喩だけど、現状考えた場合、こうあっても
良いんじゃないかと考えるけど。
287273:2008/08/17(日) 15:28:40 ID:???
うーん
宗教ですか…
ちょっと観念的すぎるような
もっと可視的な伝統はないのでしょうか
288右や左の名無し様:2008/08/17(日) 16:06:27 ID:???
語弊はあるかもしれませんが「天皇」というのも日本の元首であると同時に日本の伝統そのものだと思います
1000年以上も特定の一族が国家の特別な地位にいるというのはそれだけでも伝統と言っていいはずですし、
長年に渡って続けられている国事行為や儀式などの仕事も日本古来からの伝統を今に残していると言えます
復古運動の際に「天皇」が重要視されたのも、そういった日本的な伝統の側面が強かったからだと思います
289右や左の名無し様:2008/08/18(月) 11:44:45 ID:???
>>288
天皇は外交的には元首として扱われてると思うけど、今はもう法的には元首ではない

>復古運動の際に「天皇」が重要視されたのも、そういった日本的な伝統の側面が強かったからだと思います
幕末に天皇が重要視されたのは、幕府の正統性が弱体化したことに加え、江戸時代の国学の影響が大きい。
幕府の公式学問の朱子学や、外来宗教の仏教に対し、国学は日本独自のアイデンティティを模索した。だから日本独自のものである神道や天皇が注目された。
倒幕派は確かに天皇を政治的に利用したけど、多かれ少なかれ国学の影響を受けている。
290右や左の名無し様:2008/08/18(月) 18:41:15 ID:???
元首か元首でないかってどう違うんだ?
291右や左の名無し様
元首というのは、もともとヨーロッパで、統治権を総攬し、行政権の首長であると同時に、対外的代表権をもつ君主を、
国家有機体説を背景に、国家の頭になぞらえることから始まった概念だといわれる。
やがて国家有機体説とは無関係に、行政権の首長にして対外的代表権をもつ存在を元首というようになり、
さらには専ら対外的代表権に着眼して元首がいわれるようになった。

明治憲法では、4条で天皇は国の元首にして統治権を総攬し云々と書いてあるので、天皇が元首であることには疑いがないが、
現行憲法ではそもそも元首についての規定がない。
もっとも、現行憲法も、外交に関わる国事行為を規定しており、また世襲制という特殊な立場を背景に国家の象徴となっており、
さらに形式的にとはいえ内閣総理大臣と最高裁長官を「任命」する立場にあることを考えると、現在の天皇も「元首」としての要素がまったくないわけではないようだ。

しかし、現在の国家の意思決定の方法や過程はきわめて複雑なので、その中で「元首」という観念に今どれだけの意義があるのかというのはなんともいえんけどな。