プラトン、アリストテレスについて語ろうか?

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1右や左の名無し様
一応、この板政治思想なんで、この二人について語ろうかと思うんですけど、
どうでしょう?
2右や左の名無し様:02/08/01 11:05 ID:JaBqoSNi
カルトの正体
       ∧_∧    /
      (    )  <  ふっふっふ アッボーンの中卒と言えば
      (⊃ ⊂)    \
      | | |       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      (__)_)     


        クルッ       _____________
       ∧◎∧    /
      ( 黒∀素 )彡<  わたしだ
     ⊂    つ   \
       人  Y        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      し (_)     
31 ◆FCd/ZTjY :02/08/01 11:15 ID:GGCn2Y1E
プラトンの民主主義に対する考え方は素晴らしいと思うのだが・・・。
4右や左の名無し様:02/08/01 11:16 ID:JaBqoSNi
規模が小さければ通用すると思うが
5右や左の名無し様:02/08/01 12:15 ID:Lwu61/bH
良スレの予感
61 ◆FCd/ZTjY :02/08/01 12:40 ID:VttTwEHP
プラトンは民主制反対なんですよ。
民主制は自由だが自由「放任」だって。

その中の例として挙げられてて面白かったのは、
年寄りが若者に良く思われようとして、くだらない冗談を言うようになる
とか、
先生が生徒に媚を売るようになる
とか、なんか、2000年以上前からこんなことがあるのかなあ、なんて思ったりもするわけです。

ともかく、民主制は見た目は美しいかもしれないが、実際は良くないなんていっているところが鋭いとおもうんですが、どうでしょう?
7右や左の名無し様:02/08/01 12:58 ID:???
プラトンといえば哲人国家でしょう。
結論:おれにやらせろ。
8右や左の名無し様:02/08/01 13:07 ID:t4vsNL2N
まー、結局プラトンは「開かれた社会の敵」だから、民主制とはそりが
あわないよね。
で、やっぱしどうやって「哲人」を選ぶのか、「哲人」はほんとに権力に
関わる人間の欠陥から免れられるのか、てなことを議論すると、弱点が
ボロボロでてくるようなきがするんだけど。どう?
9右や左の名無し様:02/08/01 13:26 ID:5igH4SdC
プラトンがファシズムと繋がってるとか言う政治学者がいるけど
それはないだろう。
101 ◆FCd/ZTjY :02/08/01 13:26 ID:x5SNOtqJ
>>8
そこで、教育というものが大切になってくるのでは無いでしょうか?
正しい教育により、正しい哲人を育てると。

あと、ぼろが出てくることがあるということですが、はっきりいってボロだらけですよね。
でも、ぼかあ、プラトン好きです。
111 ◆FCd/ZTjY :02/08/01 13:29 ID:x5SNOtqJ
ファシズムってことはないでしょう。
ただ、全体主義に近いものはありますよね。

そんなところも好きです。あ、ヤバイですか?
12ンクラ〒ス:02/08/01 13:31 ID:???
よーし、先生毒杯仰いじゃうぞー。
13右や左の名無し様:02/08/01 13:50 ID:???
プロレスラーが政治家になれる国があります。それは日本です。
プラトンさんほどのレスラーならすぐに票があつまりますよ。
14右や左の名無し様:02/08/01 14:06 ID:t4vsNL2N
プラトンも、期待していた民主制に師匠を殺されちゃって、失望感イパーイだったんだろうしね。

で、その民主制も自己改善の契機を自身の内部にもっているかというと、これが
はなはだアヤシイ。ってことは、やっぱり民主制を構成する人間そのものをなんとか
していかなきゃいけないわけで、プラトン先生のおっしゃってることは、その限りでは同意。

で、1はプラトンでは何が一番好き?
151 ◆FCd/ZTjY :02/08/01 14:13 ID:x5SNOtqJ
>で、1はプラトンでは何が一番好き?

やはり、哲人政治です。アフォな民衆ではなく、正しい人に導かれる政治。
あこがれます。その体制下で自分がどこに属するかというと、やはり鉄か銅なんでしょうね。
それでも、正しいことが正しいといえる国家の一員になりたいですね。まあ、鉄の自分はただ従うだけなのですが・・・。

ちなみにあるドイツ人の教授はプラトンは共産主義だから嫌いだといっておりました。
まあ、そのように考えるとそうなのかも知れませんが、
共産主義と違うのは、哲人が治めるというところですね。
つまり、すべては哲人にかかっています。
1614:02/08/02 01:25 ID:???
哲人政治かあ。まあ、漏れはあんまし魅力は感じないんだけどね(笑)。

でも、漏れも「金」じゃないし、「金」がちゃんと支配する社会であった方が
いいとはおもってるよ。たとえ民主制であっても。
ただ、哲人政治だと、「金の皮をかぶった鉄」だと後々えらいことになっちゃう
からねえ。

それより漏れはプラトンなら、「饗宴」の方がすきだよ。あっちのほうがイデア
本体がよりはっきりしてるし、楽しめるように書かれているとおもうんだけどね。
171:02/08/02 10:44 ID:v6mhNmkW
饗宴まだ読んだことないです。お恥ずかしい・・・。

14さんはイデア論が好きなんでしょうか?
物事の完全な形である、イデアには惹かれるものがあります。
また、正義という、この世界では定義しようが無いものを
別の世界で絶対的なものとして存在する、ということに自分は賛成です。
イデアの世界があると信じています。
なんか、宗教がかってきましたね^^;。

自分のプラトンの好きな理論の一つは、魂の堕落過程です。
また、あとで詳しくカキコします。
18右や左の名無し様:02/08/02 10:59 ID:???
真面目に語りたければ、哲板あたりに逝くのが吉。
政治思想板もうだめぼ
19 :02/08/02 11:08 ID:???
北一輝先生もプラトンには心酔されておりました。
201:02/08/02 11:47 ID:v6mhNmkW
>>18
提案ありがとうございます。
確かに、ここの板には「政治思想」的なものが少ないですよね。
そのなかに、ちょっとでも純粋な思想スレがあってもいいかな、
と思いスレを立ててみました。
自分としては、哲学というよりも、政治哲学として考えているので
こちらのほうがふさわしいかなとも思ったんですが。

しかし、この板の中にもきっとこういう話がしたいと思ってる人もいるはずです。・・・と信じたいです。
あとは、自分のように、フラッと入ってきたりする人がいるかもしれませんし。
なんとか、このスレを盛り立てていきたいと思っています。
2114:02/08/02 16:09 ID:???
>>17
そっか。ここ政治思想板だったよね。プラトン全部を話題にしてるわけじゃ
ないってことを忘れてた(w。

イデアをある種の究極の理念として提示するのは、それなりにわかるから
いいんだ。ただ、正義がからむと話がややこしくなってくるよね。確かに
正義には究極の理念という側面もあるけど、人間社会の現実のルールの
基盤という側面もあって、そこんとこをどうするかはいろいろめんどうだ。
漏れ的には、正義って言うのは、異なる理念がかち合ったところを調停する
くらいに考えといたほうがいいみたいな気がするから、プラトン的に正義を
論じると、アッチの方にいっちゃうことになるんじゃないかとおもうんだけど。

それがまたいいんだよっていわれれば、ま、そうかなという感じもする(ヘタレ
な漏れ)。
22右や左の名無し様:02/08/02 17:04 ID:Y5lC+FE/
>>1
「プラトンの呪縛」(講談社学術文庫)読んだほうがいいよ。
今じゃ佐々木先生も学長。
231:02/08/04 04:25 ID:tOSmudCb
>>22
レビュー見ました。
面白そうな本ですね。
241:02/08/06 12:10 ID:9ERmS3dx
ペーパーが書けない・・・。
気分転換にかきこします。

国家と政治家の魂の堕落過程

はじめ、理想に燃えて政治家をめざす。
しかしいつの間にか周りからの人気を気にしはじめるところから、堕落が始まる。
そして理想と人気取りがまじりはじめる。
次に資金を気にし始める。このときはまだ理想が悪事をおさえているが、だんだん抑えられなくなってくる。
そして、当選回数が増すにつれ、理想をわすれ、自分のしたいことをするようになる。
いつしか、かつて理想に燃えた青年はただ、自分の地位を守ることだけに集中するようになる。

というかんじです。
かなりこじつけとか、端折ったところもありますが、大体あっているのではないかと・・・。

25右や左の名無し様:02/08/09 01:32 ID:???
>>24
あんたの努力は認めるし、板の名称的にはこゆスレがむしろ中心であるべきだとは思う。
だけど他のスレタイ一覧見てみ。

ここが思想を語れる場所だと思うか?ここまでに手応えのあるレスはあったか?
261:02/08/13 00:41 ID:Y1i0m/o/
>>25
確かに、ここの板に思想的なものは少ないですよね。
どうしてなんでしょうか?ほかにコバ板や政治板があるのに・・・。

27右や左の名無し様:02/08/13 15:02 ID:OR6hGU8g
>>26
哲学板に立てれば? ここは名ばかりの隔離板だしね。
28右や左の名無し様:02/08/13 15:21 ID:???
哲学板でも、アリストテレスの話題は
伸びてないねえ。
この手の話は今の2ちゃんねるでは限界
があるのかもね。
29右や左の名無し様:02/08/13 18:38 ID:???
ていうかねえ。アリストテレスの専門家またはその卵って、
日本に何人いるだろう?
たぶん数十人から百人とか、そういう感じの数なのでは?

プラトンとはまた違って、アリストテレスはなんというか、取っ付きが
悪いし。

あとは、やっぱし板の性格かな?(w。
もともと2ちゃんって、「政治」と「政治学」について厳密に区別して板を
立ててないしね。学問系にあっても、ハン板みたいになることもあるが。
30右や左の名無し様:02/08/26 02:20 ID:d2nla8dY
保守
311:02/08/26 06:40 ID:HMC17i1m
保守あげされてる!ありがとうございます。

なんとか期末試験もおわり、時間ができました。
成績はかなり悪かったのですが、これもプラトンの呪縛のおかげでしょう。

さて、アリストテレスといえば、「人間は本性上ポリス的な動物である」という言葉で有名ですが、
英語と日本語では訳に若干違いがあるのが興味深いです。
英語ではman is natural political animalなんですよね。
だからパッと見、政治的な策謀をめぐらすような意味に取れてしまいます。
実際、アメリカ人の友人でもそのように勘違いしていた人がいました。

日本語のほうが原本に近い気がします。とはいってもギリシア語がわからないのでなんともいえませんが・・・。
32右や左の名無し様:02/08/27 07:46 ID:0GDBUZGE
man is by nature political animalでした

ペーパーのトピックだったのにもかかわらず間違えてしまうとは・・・
33右や左の名無し様:02/08/27 08:08 ID:???
> 31
ロウプ叢書の英訳は逐語訳なので、漏れのような初学者には分かりやすいが、
内容はどうなんだろう。

とにかく岩波のジイサンたちの訳はダメ。早く、京大叢書みたなので揃わないかな。
34右や左の名無し様:02/08/27 11:27 ID:???
>>33
講談社学術文庫で出てる心理学の訳
(桑子敏雄)はどう?
哲学板ではけっこう好評だったよ。

解説は面白かったけど、本文はやっぱ
しんどい。訳の問題ではないのか?
35マサカド:02/09/10 18:17 ID:F6t+MfpM
哲人政治の理念が明確にうちだされているのは、「国家」においてだけだし
しかも、プラトンはソクラテスの口を通して、この理念を語らせているから
奴がどこまで本気でいってんのか、という問題がまずあるんだよな・・
36右や左の名無し様:02/09/10 20:25 ID:YF5f2c8B
洞窟の中で真理を発見する、って言うのがカコイイ。
37右や左の名無し様:02/09/11 09:52 ID:???
個人的にはアリストテレスとトミズムの関係について語りたいが・・・
あ、ここ政治思想板でしたっけ?
38右や左の名無し様:02/09/11 11:30 ID:g17M1xVJ
洞窟から出ないと真理なんてハケーン
できないんじゃなかったっけ。
そんで洞窟に戻ると爪弾き。
391:02/09/14 15:14 ID:bKCs/u88
プラトンが本気だったのか否かということですが、
自分は本気だったと思ってます。
ただ、結構変なところもありますよね。
「理想国家はこの世には存在しないだろう」
とか言ってますし。

でも、後の法律でも哲人政治にこだわっているので、
理想は理想として信じていたのではないでしょうか?
40マサカド:02/09/14 15:57 ID:PYrr18ju
>>39

デリダの「プラトンのパルマケイアー」には、パイドロスという対話編の構造における
神話の位置づけについて、画期的な解釈をほどこしたものだそうだけど(C・ノリス
「デリダ」による)「国家」も政治制度の理論書として読むだけでは不十分で
神話の挿入が全体的な対話編の構造で、どのような意味づけされているかを考察
しなくてはならないとおもう。これはなんちゃってな解釈だけど、最終章の
エルの神話は、この「国家」という対話編を信じて、国家制度を構築しようとした
場合、その成功も失敗も、すべて信じた当人が負うべきである、という喩えにみえる。
41マサカド:02/09/14 15:57 ID:PYrr18ju
ソクラテスが当時におけるもっとも民主的な体制のもとで、完全に民主的な手続きを
踏んで処刑されたことが、プラトンの民主制に対する懐疑の源になっていると
考えられる。あらゆる西欧政治思想・哲学の起源ともいうべき古典でありながら
かって体系化された中で、もっとも反民主主義的政治哲学でもある、という二重性が
プラトンの政治哲学のユニークなところ。プラトン哲学はファシズム、共産主義の
両全体主義の父であるというポパーの主張を検証するのが、政治思想板的なプラトン
哲学の享受法でもあるだろう。
42右や左の名無し様:02/09/14 18:06 ID:???
> 41
やあ、マサカドちゃん。
「『プラトン』を読むポパー」を読む佐々木毅は、どう思うかね ?
43マサカド:02/09/14 18:33 ID:???
佐々木毅氏の著作は、未読でごんす・・はやいとこ読まねば、と思ってはいるが。
この連休に入手を図りますか。
44右や左の名無し様:02/09/14 23:31 ID:???
多神教の部族社会で一神教的階級社会を説いたら、
殺されるのは目に見えている。
45右や左の名無し様:02/09/15 09:11 ID:???
> 44
「一者」からのエマナチオを一神教と関連づけるのは、
ネオ・プラトン主義の発想や。キリスト教発生の前と
後の間違いと思われ。
46右や左の名無し様:02/09/17 09:19 ID:???
佐々木の本、ポパーについてはプラトン解釈
のみならず、その『開かれた社会』理念その
ものに疑念を表しています。ポパー信者(?)
からの反論も聞いてみたいですね。
47右や左の名無し様:02/09/17 10:11 ID:???
> 46
「流動するもの」と「不動のもの」の対比して、後者を良しとするのは、
何もプラトンに限らないよ。古代社会一般の通念だよ。
48右や左の名無し様:02/09/17 10:47 ID:dVqxMM92
良スレ、age
これが、本来の政治思想板の姿だと思いたい。
49右や左の名無し様:02/09/17 11:23 ID:???
> 48
所詮「2ちゃん」なので、あまり過剰な期待はしない方がよいと思われ。。。
まぁ、マサカドちゃんはかわいいヤシじゃから、オベンキョの進捗は気になるな。

漏れは、ロウブ叢書の直訳という姿勢は、初学者にわかりやすいだけで、
方針そのものが間違っちょると思う。

かと言ってベルレットル叢書は、あまりの意訳でぶっ飛び過ぎ。オックスフォード訳
は論外。トイブナー版は、校訂がしっかりしているが、対訳ならば、ミラノのモンダ
ドーリ社のものがベストだと思う。
50右や左の名無し様:02/09/17 11:35 ID:???
デュナミスとかへクシスとかエネルゲイア
といった多義的な言葉が頻出するテキスト
で、直訳なるものは有り得るのであろうか?
51右や左の名無し様:02/09/17 11:39 ID:???
> 50
それは、もちろん説明的に訳し、注釈をつけるしかない。
漏れがロウブ叢書についていってっことは、構文のこと。
でも、プラトンが著作の最終的意味を掌握していると考えるならば、ちょっとね。
521:02/09/19 04:45 ID:lovd/2fW
久しぶりに覗いたら、
かきこがたくさん・・・。
感動です。

最近は学校のほうが忙しくて
政治思想について読む時間がないのが残念です。
53右や左の名無し様:02/09/21 12:39 ID:???
age
54マサカド:02/09/27 00:01 ID:???
やっとこさ、「プラトンの呪縛」を手に入れる。週末にでも感想をupしよう。
55右や左の名無し様:02/09/27 00:21 ID:???
age
56右や左の名無し様:02/09/28 01:11 ID:gm4hDYTg
そういや、「開かれた〜」の第二部は「予言の大潮」(ってサブタイトル
だったっけ?)で、ヘーゲル→マルクスへと繋がって行くんだったよね。
ほんでもって俺、そのあと関廣野の「プラトンと資本主義」へ行ったけど
少しだけ面白かったような気がする。昔のことでウロ覚えだけど。

プラトンとシケリア革命に失敗して死んだディオンの関係って、イデオローグ
と、その信奉者(実行部隊)の関係としてみると、極めて生々しく政治的だよな。
57マサカド:02/09/28 23:38 ID:t7mv0jj3
>>56

「開かれた〜」の第二部は読んでないが、「歴史主義」と「ユートピア社会工学」という
二つの概念を武器にして、ヘーゲルとマルクスを解釈していくという手筋は同じだろうと
思う。同じくこの二つの概念は、プラトンを全体主義の思想的淵源として位置づける為の
手段としても使われたが、二つの概念に依ったポパーの解釈の欠陥については「プラトンの
呪縛」で縷々指摘してある。「開かれた社会とその敵」のプラトン解釈について、個人的な
感想をいうと、西欧の自由民主主義の淵源をアテナイの自由民主主義とペリクレスに求めつつ
英米の自由主義をそれの直系に位置づけて、西欧に全体主義が生まれた全責任をプラトンと
その直系であるところのドイツ観念論哲学におっかぶせようとした試みにみえる。

ポパーはツキジデスも攻撃しているが、ツキジデスによるアテナイの帝国主義に対する
批判が厳しすぎるというのが主な理由のようだ。ツキジデスが反動派であるという非難も
なされているが、ろくな根拠に基づいてはいない。「開かれた〜」が執筆された時期から
推しても、ツキジデス批判の動機は政治的でありなおかつ不純であると量れる。
58マサカド:02/09/28 23:38 ID:t7mv0jj3
「プラトンの呪縛」ではプラトンの哲学とナチズムの間に親近性があるか、という問題に
ついて様々な形での解答が示されている。まあ素人が考えただけでも、ナチズムの
悪しき要素と「国家」の間に以下のような対応関係をみつけるのは容易。

哲人王→総統原理(Fuhrer Prinzip)

「プラトン呪縛」によれば、この二つは「魂への配慮」の有無によって区別されるそうだが
そうだとしたら、通常人にはほとんど弁別できないだろう。

「これらの女たちすべては、これらの男たちすべての共有であり、誰か一人の女が
一人の男と私的に同棲することは、いかなる者もこれをしてはならないこと・・」
「最もすぐれた男たちは最もすぐれた女達と、できるだけしばしば交わらなければ
ならないし、最も劣った男たちと最も劣った女たちは、その逆でなければならない。」

「国家」第五巻より引用。以上のような(支配階級における)家族制度の廃止の提案
ならびに優生学的な制度の考案→生命の泉(Lebensborn)
59マサカド:02/09/28 23:39 ID:t7mv0jj3
「定められた生活の課程に従って生きていくことのできない者は、当人自身のためにも
国のためにも役に立たないものとみなして、治療を施してやる必要はないと考えたのである」
「生まれついての病気持ちで不摂生な者は、本人にとっても他の人々にとっても生きるに
値しない人間であり、医療の技術はそのような人々のためにあるべきではない。」

「国家」第三巻より、安楽死の正当化の言説→死の天使(Todesengel)

いくら2chが有害言説廃棄処分場のようなものとはいえ、こんな害毒のある言説ばっかり
垂れ流していいのかと、小一時間だけ反省してから次へ進む。

ふたたび「プラトンの呪縛」にもどって。あとがきで佐々木氏は「それぞれの国のしがらみに
とらわれない日本にいたことがこうしたストーリーを作ることを可能にしたといえよう。」と
書いている。世界帝国の周縁にあるという地理的条件が、こういう批判を可能にするのなら
その課せられた条件について、もっと意識的であらねばならない。そういう意味に続く文を解す。
「それだけに日本の読者がどのような読み方をしてくださるかは、私にとって非常に重い
意味を持つ。」
60マサカド:02/09/28 23:44 ID:2sZxA4IO
問題の再設定についての覚え書き

「もし、哲学に遡って議論を立て直すとすれば、当然、ニーチェなどの問題提起を含め
二千年の西欧哲学の命運をかけた話にならざるを得ない。逆にいえば、プラトン批判者から
議題設定のイニシャティブを奪い、プラトン哲学の立場から、ファシズムと自由民主主義
双方を含めた二十世紀哲学の問題点を提示することも考えられる。」
(「プラトンの呪縛」p302.より引用)

ポパーは、プラトン哲学を部族主義、反動的貴族主義の枠組みに押し込めることで問題の
解決を図った。しかしプラトン哲学においては、知性に最高の価値が与えられているし
(現在の大学制度の起源はプラトンにあることを、ここで想起してもいい。)
数学と幾何学と政治と哲学を組み合わせるという独創的な方法は、その後の西欧思想に
大きな影響を与えたことも常識に属する。だから「なぜ西欧においてのみ近代科学が誕生し
飛躍的な進歩を遂げたのか。」という問題と、プラトンの哲学が西欧思想にいかなる影響を
与えてきたかという問題は、密接な関係があるという仮定は合理的と思われる。
61マサカド:02/09/28 23:45 ID:2sZxA4IO
本日はここまで。
62右や左の名無し様:02/09/30 02:02 ID:rFJ3PVPE

ちょっと長いけど2ちゃんにしては超マトモな力作スレで歓迎!
続きもぐわんばれ!

漏れも飛びまくってた少し記憶が少しだけ戻ってきたよ。
63マサカド:02/10/01 01:53 ID:???
>>62

応援ありがd。 次は共産主義とプラトニズム、及びハイデガーの存在論と
プラトニズムについて論じる予定。
64右や左の名無し様:02/10/01 14:23 ID:???
> 63
マサカドちゃん、こんにちは。
そのプランにヘラクレイトスも混ぜてね。愛してるわ ?。
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66マサカド:02/10/04 03:22 ID:yrepgqx4
>>64
ヘラクレイトスはあんまり材料がないから、ディオゲネス・ラエルティウスを素材に
して料理するくらいしか思いつかない、あんまり美味しく仕上げる自信がないあーる。
67右や左の名無し様:02/10/06 18:26 ID:???
age
68国民:02/10/07 01:13 ID:JeZ4SxFo
プラトンは、共産主義者

ひーこーくーみーんー。
69国民:02/10/07 01:23 ID:JeZ4SxFo
プラトンは、ホモ野郎。切って捨てよ!
70国民:02/10/07 01:28 ID:JeZ4SxFo
ニーチェは、神は死んだ!
天皇を否定した!

ひーこーくーみーんー。
71右や左の名無し様:02/10/07 08:22 ID:Nmea9CN1
アリストテレス支持者は武装しましょう。
72右や左の名無し様:02/10/07 09:04 ID:Nmea9CN1
プラトン支持者は飯島愛の本を買え
73国民:02/10/07 12:11 ID:L1VdlMxr
K1を見て、オナニーできなければ、プラトン、アリストテレスを語る資格はない!
74右や左の名無し様:02/10/07 12:32 ID:Nmea9CN1
日本をアリストテレス的なポリスに再編成すると
 一億二千万÷五千=2万4千 ポリスがいっぱいじゃー
これが中国だったら・・・ヒィッ計算機から煙がぁー
75マサカド:02/10/11 03:10 ID:dT6tWrhV
うげっ、もうこんなに下までさがってる。少しくサルベージ。

和田春樹の「歴史としての社会主義」は、西欧ユートピア思想の系譜学的考察であるが
この系譜に属する思想すべてに共通した特徴は、制度しての私有財産制の廃止(もしくは
縮小)であり、それから必然的に導かれる所の家族制度の廃止である。「歴史としての
社会主義」では、共産主義の系譜学的起源は「トマス・モアの「ユートピア」とされて
いるが、プラトンの「国家」がその元型になっていることは明らかだろう。社会制度の
変化の主要な原因を経済的要因にもとめる考えも「国家」にみいだされる。プラトンを
唯物論者とはよべないのが、この仮説の難点であるが。

あとは、「国家」冒頭でのトラシュマコスとソクラテスの対話中の、各々の専門的技術と
それに付随する報酬獲得の技術という考え方と、使用価値と交換価値という価値形態論の
あいだの相似性なども目につくが・・・ここまでやるのは流石に牽強付会か。
76マサカド:02/10/11 03:21 ID:dT6tWrhV
>>75
×「トマス・モア
○トマス・モア
77右や左の名無し様:02/10/11 08:59 ID:oh7Tl2gu
プラトン→ヘーゲル→マルクス→レーニン→スターリン→毛沢東→ポルポト
78右や左の名無し様:02/10/11 09:24 ID:???
おまえら真面目にやれよ!!!
アニヲタの自覚あんのかよ!!
ラムが基本なんだよ!すべてはここから始まるんだよ!!
原作を完読しれっ!!TVシリーズを10日で全部見ろっ!!
亜空間アルバイトの回やつるつるセッケンの回をキャプしろっ!!!
口付け宅急便の扉絵を涎と精液でドロドロにしろっ!!!
話 は そ れ か ら な ん だ よ !!!
他のキャラに走るのはラムが卒業できてからなんだよ!!!
たとえ卒業できなくたって構やしねぇんだよっ!!!
原点なんだよ!!!伝説なんだよ!!!神話なんだよ!!!
ラム語れねぇヤシが偉そうな口たたくんじゃねぇよっ!!!
卒業できねぇヤシが『本気ラム』なんだよっ!!
もう一回言うぞっ!!!
おまいら真面目にやれよっっっ!!!!
79右や左の名無し様:02/10/11 22:24 ID:DATpiyfn
ス、スミマセン;
80右や左の名無し様:02/10/14 23:17 ID:???
保全
81松田:02/10/14 23:35 ID:1O6LJYQ7
>>75
すまんけど横レス
和田のその本はもう10年近く読んでないからうろおぼえれすが、
プラトンが共産主義の原型ってのは広辞苑の記述を見るまでもなく
よく言われていることで、割と妥当な説ではないかと思います。
その理由は、あくまでも「生産手段の共有」という外形上の社会形態にまつわる思想が共産主義的ということですから、
プラトンのイデア論がもろ唯心論的であったとしても、
「プラトンの国家論は共産主義の原型」とする説とは矛盾しないと思います。
あくまで「原型」だし。
逆に言うと、マルキシズムの方が「唯物論化した共産主義」という見方も成り立つような。
って優香、そもそもヘーゲルすら唯物論者とはいえず、
マルクスは「ヘーゲルの弁証法は逆立ちしている」との表現を使っている。
つまりマルクス的に言うと、プラトンの共産主義も「逆立ちしている」のかも知れませんが、
これはあくまでマルクスから見た言い方であって。
いずれにせよ、マルクスとの相違点を以って、プラトンを「共産主義『的』でない」とは言えないでしょう。たぶん。
あくまで共産主義「的」ですから。
気弱な「説」ですんません。正直あんまり自信ない。
82マサカド:02/10/16 13:29 ID:XkyNI+j1
>>81

マルクス自身は、デモクリトスとエピクロスの自然哲学を取り上げることから
議論をはじめたわけだし、プラトンをそんなに読んでいたとは思えないな。

プラトン以前にも「あるべき社会制度」についての断片はあるが、体系的に
まとめたのがプラトンの功績ということになるか。以後、西欧の思想的伝統に
属すると自覚する人で、社会制度について構想しようとする人は、誰でもプラトン
くらい読むだろう。共産主義の理論も社会制度についての理論であるから
プラトンがテキストとして後世に影響を与えたなら、共産主義理論も、この影響から
免れているわけではない、くらいに考えておけばいいんじゃないだろうか。
83右や左の名無し様:02/10/21 00:11 ID:???
age
84右や左の名無し様:02/10/21 00:44 ID:c1ZvCi6F
全体主義、共産主義において、プラトン、アリストテレスとキリスト教
の教義とはどう関わってくるんでしょうか?
85マサカド:02/10/21 01:31 ID:J4bv9WIT
>>84
今週もハイデガーの存在論について書けなかった・・もっとも入門書レベルのネタしか
ふることができんのだが。

キリスト教は宗教だから、政治制度の理論に直接的な影響をあたえるということは
ないだろう。普遍的宗教が果たしたであろう機能の考察にかえておくね。
私有財産制の否定から、家族制度の否定が帰結されるとして、前者と後者では
問題のある場所が違う。私有財産制の問題は純粋に経済的平等の問題であるが
家族制度の問題は単なる経済問題としてはとらえられない。前者から後者の帰結を
導くには、どうしても飛躍が必要になると思われる。共産主義思想は、この飛躍を
簡単にとびこえられると楽観視していたようにも思われる。ニューレフトによって
家族制度の解体の為の様々な試みがなされたが、いずれも成功したとは言い難い。
むしろ大抵の普遍的宗教のほうが、この飛躍についてより深く考察していたと
いえるかもしれない。
86松田:02/10/21 01:57 ID:???
>>82
レスありがと。

正直、マルクス主義におけるプラトンの影響がどうだったかは知りません。
またデモクリトスやエピクロスはたぶん唯物論に影響は与えたのでしょうが、
彼らの「社会思想」については私は全く知りません。

ただ私が言いたかったのは、唯物論とか唯心論といった哲学思想と、
共産主義といった社会体制にまつわる思想(或いは構想)は、
この場合一応別問題として考えた方がいいのでは…ということです。
プラトンとマルクスは哲学上の立場は或いは逆かも知れませんが、両者が共に共産主義(或いはそれに近い思想)を持つという共通点を持ってたのも事実。
逆に言うとデカルトなんかは別に共産主義者ではないんでしょうが、プラトンよりは「唯物論的」といえるかも知れません。

>プラトンがテキストとして後世に影響を与えたなら、共産主義理論も、この影響から
>免れているわけではない、くらいに考えておけばいいんじゃないだろうか。

とりあえずこれには全く同感。
87右や左の名無し様:02/10/24 23:04 ID:???
アリストテレスは技術屋
88マサカド:02/10/25 00:07 ID:VTNPLs83
あがってら・・
>>86
>共産主義といった社会体制にまつわる思想(或いは構想)は
>この場合一応別問題として考えた方がいいのでは…ということです。

この問いへの答えは>>84の問いへの答えも兼ねる>>85をもって返しときます。
ってわざわざ書くほどの事じゃないですが。
89右や左の名無し様:02/10/27 19:29 ID:???
age
90マサカド:02/11/01 02:12 ID:q9+zYe4e
>>78

またまたサルベージを兼ねて。コピペに反応するのも馬鹿らしいが、詩人および詩作は
社会にとって有害無益であるという「詩人追放論」のテーゼも子細に検討する価値がある。
詩人への批判はいくつかの対話編においてなされているが、もっとも体系的な批判が
詩作に加えられているのも「国家」においてである。詩作はプラトンの階層的存在論に
基づき批判される。詩作(模倣の術)は非存在についての言説(詩の場合)像(絵、彫刻)
であるがゆえに劣等な実在性しか持たないと。存在せざるものについてのイマージュが
人間の社会性に対して如何に有害な影響を及ぼすかは、このコピペに書いてあるとおり。
ヲタ第一世代として我が身を省みても、虚構のイマージュが精神に及ぼした影響は
益をもたらしたか、害を与えたか、俄には判別しがたい。ところで俺はラムちゃんを
卒業したのだろうか?
91右や左の名無し様:02/11/05 07:20 ID:???
age
92右や左の名無し様:02/11/08 08:31 ID:???
こりゃageだろう
93マサカド:02/11/10 13:07 ID:qRywIVFF
別スレに参加してるから、ハイデガーについて述べる予定が延び延びに
なっちゃったなあ、とりあえずage。
94右や左の名無し様:02/11/14 07:43 ID:???
AGE
95マサカド:02/11/17 07:18 ID:HSWpz5Ob
プラトンと民主制批判について。

ポパーのいうとおり、プラトンの民主制に対する批判は、民主制に対する批判の原型と
して機能してきたとする。第8巻の批判の急所は、やはりここだろう。

(民主制国家においては)・・他の人々が戦っているからといって、戦わなければ
ならないこともなければ、他の人々が平和に過ごしていても、君が平和を欲しないのなら
むりに平和に過ごさなければならぬということもない。・・

民主主義的共和制国家が戦争に導かれる誘因を、「合意の捏造」に求めるより
民主制国家の本質によると考える上記のような解釈の方が単純明快でいいやね。
民主制国家において、言説による戦争反対を志向しても、中和されてしまう
メカニズムを、簡潔に記述している。
96マサカド:02/11/17 07:19 ID:HSWpz5Ob
ハイデガーの存在論について(ハイデガーについての解釈は木田 元による)

ハイデガーは西欧哲学の存在論の基底を「存在=被製作的存在」(ある=つくられてある)
というかたちでみいだし、プラトン=アリストテレス以降の哲学にも、この特異な存在
概念が継承されていると考えた。「時間」の導入によって、この存在概念を解体するという
プログラムを構想し、これによって西欧哲学史全体の内在的批判を試みた、と極めて
大雑把な概括をするとこうなるらしい。ベルクソンによる「持続」の導入もまた、同様な
目的のもとになされたと解釈しても、さして的はずれとは思えない。いずれも主知主義的
科学による存在論を、有用性と実用性をもとめる知性の作用と規定して、科学的存在論による
人間存在の忘却を、批判的に克服するための方法論でもあった。ベルクソンもハイデガーも
プラトンの存在論を克服することで、哲学史の転覆を試みたわけであるが、実はプラトンの
仕掛けた罠にひっかかっただけのようにもみえる。

対話編における存在論の具体例として挙げられるのが、「存在=被製作的存在」としての
「机」である。古代ギリシャで、机をつくるのは奴隷の仕事であるし、机とは実用品である。
であるから、机をその実例とする存在論が、社会的有用性よってあらかじめ画定されている
のはあたりまえである。「ある」「ない」という言葉自体が、社会性と密接に結びついて
機能している有様の観察すれば、存在論と社会の結びつきも了解できよう。
97右や左の名無し様:02/11/20 06:58 ID:???
age
98マサカド:02/11/21 20:15 ID:XYG/ybz+
俺以外の誰かがageたということは、読者はいるみたいだな、このスレ。
dat落ちしない程度の頻度で続けるとするか。
99右や左の名無し様:02/11/23 12:13 ID:???
age
100右や左の名無し様:02/11/23 12:24 ID:???
ハイデガーはナチ

  終了
101右や左の名無し様:02/11/25 17:14 ID:SVu6LzoZ
プラトンの政治体制を現在もなんとなく実行してるのはシンガポールかな?
102右や左の名無し様 :02/11/25 17:29 ID:???
> 100
おまえは、アホか。「ハイデガーはナチ」で終了なら、
「アリストテレスは、奴隷制容認者」で終わっちまうがな。
良く考えてから、レスをつけろよ。
103右や左の名無し様:02/11/27 21:24 ID:???
104右や左の名無し様:02/11/30 00:19 ID:???
右翼はチョン
終了
105右や左の名無し様:02/12/03 00:10 ID:???
106マサカド:02/12/05 23:23 ID:ujnWfFe7
保守
次回は、プラトン、アリストテレスと奴隷制について書く。
107通りすがりの者ですが:02/12/06 09:02 ID:???

イヨッ!!! 待ってました、マサカドちゃん! 期待してるよ!!!
108右や左の名無し様:02/12/08 18:44 ID:???
109マサカド:02/12/14 15:44 ID:ZiD5WoFb
師走は気ぜわしくて、のんびりできないなあ・・あっちこっち手を広げすぎて
収集がつかなくなりそ。まあ、マイペースで進めますわ。>>107
110マサカド:02/12/14 15:45 ID:ZiD5WoFb
プラトンと奴隷制について

知的創造のためには、知性の自立性が保証されねばならず、知性の自立性を保証する
ためには「閑暇」が必要という考えからすると(学問と余暇はきりはなすことができない
という考えは、いくつかの対話編において明確に見いだされる。)社会における知性の
自立性を保証する大学制度は、そもそもの始まりから帝国主義的蓄積の上にしか成り
立たない仕組みになっていたわけである。アリストファネスの「雲」の劇中にある
挿話に、ぶよは頭で息をするか尻で息をするかという問題の探求をソクラテスが
しているという挿話があるが、こういう探求を名指して「労働」とは、お世辞にも
名付けがたい。

主著の「国家」においては金を魂に混ぜ分け与えられた知的階層と、銅を魂に混ぜ分け
与えられた奴隷の階層の区別は、ほとんど所与の前提としてあたえられている。かかる
ヒエラルキーの構想は、社会の生産関係を支えるためには奴隷制が必要不可欠であると
いう前提が反映されたものであると解釈するのが一般的なやりかたであろう。他の
対話編の描写にも奴隷の姿はしばしば登場する。「メノン」に登場する少年の奴隷は
想起的知識が奴隷と主人の区別を越えた人間一般にとって可能なことを証明するため
ソクラテスの対話の相手として選ばれる。「饗宴」においては(おそらくは奴隷制に
批判的な)ソフィストによるソフィスティケートされた奴隷の遇し方の描写もある。
プラトン自身は奴隷に売られそうになった経験も持っていたが、奴隷制については
一貫してその必要性を認めていた。
111マサカド:02/12/14 15:45 ID:ZiD5WoFb
アリストテレスは、プラトンより更に積極的に奴隷制の擁護論をうちだしている。
アリストテレスの「政治学」のテキストを読むと、アリストテレスによる奴隷制の
弁護論は奴隷制廃止論者にたいして書かれたものであることがわかる。機械による
生産力の増大だけが、生産関係の下部構造としての奴隷制を廃棄できる必要条件だと
すると、当時のギリシャにおいて奴隷制を廃止できる生産の条件は未だみたされて
いないわけだから、廃止論者、維持論者の主観的な意識がどうあれ、奴隷制を維持する
ことは社会の生産関係の維持のために必要だったということになる。廃止論者の
理念が奴隷制の廃止を可能にするわけではなく、技術の進歩が奴隷制の廃止を可能と
するなら、廃止論者と擁護論者の意識形態の違いがどうあれ、意識や理念が奴隷制の
廃止の原因にはなりえない。よってアリストテレスによる擁護論は、廃止論と比較して
倫理的に劣っているとはとくにいえない。
112マサカド:02/12/14 15:48 ID:ZiD5WoFb
次回はプラトンと無職、だめ、ひきこもりについてね。
113右や左の名無し様:02/12/14 21:54 ID:ZlD82IB0
そっそソクラテスかプラトンか?♪
114通りすがりの者ですが:02/12/18 02:03 ID:???

>>111

市民階級にとって、奴隷がいて初めて手に入れることができる“スコーレ”は、
まさしく彼らの断じて手放したくない“既得権益”そのものだったのでは?
115右や左の名無し様:02/12/19 10:53 ID:???
ポリスにだって構造改革が必要だったってこった!
116右や左の名無し様:02/12/19 11:00 ID:???

 ただ現在の知識人は、スクール(大学)にて、スコーレ(余暇)を手に入れ、
職業研究者としてろくを食み、研究に没頭することができるのだが、ソクラテス、
プラトン・アリストテレスの時代には、研究してるだけでメシ食わしてくれる
スクールの様な社会環境は無かったわけだから、ソクラテス、プラトン・アリストテレス
に、現在においても今だその価値を失わないような“知の遺産”を残させるためには、
奴隷というイケニエが必要だったってこった。倫理とは別問題。
117右や左の名無し様:02/12/19 11:03 ID:lpzWetNM
>>116 でも奴隷は戦闘に参加しないからある意味、特権階級でもあった
イケニエと言い切るのどうかと
118右や左の名無し様
奴隷は基本的に他のポリスとの戦争によって獲得した捕虜な訳だから、そんなのにポリスを
守るための戦争行為になんか参加させるために武器を与えようものなら、とたんに反乱するわな。