昭和30年代。
利益最優先とする政府・銀行の金権腐敗。
共産主義の台頭。
「このままでは、この国はだめになる・・・」
この国の行く末を憂いた一人の企業家「川南豊作」は、旧軍人などの同志
を集め、革命を起こすことを決意した。
「無税・無失業・無戦争」という「三無主義」を掲げて、クーデターを起こそうと。
その主張は、こうだ。
当時の国家予算に見合う有価証券を発行し、有為な民間企業に貸し付け、
その金利で国家予算をまかなえば無税となる。
公団・公社の分割民営化を行い自由競争させる。中央官庁を5分の1に縮
小し、地方分権を確立し有能な役人を吸収させて地方を活性化させれば、
失業者もなくなる。
東南アジア諸国と友好を結び、技術・経済援助をして豊かにし、国際警察軍
を設置して貢献すれば、戦争もなくなる。
今の時代にも通じる、この主張。
行政改革などは、やっと始まったばっかりってところか・・・
これを今から40年前に主張してたとは、恐るべき先見の明である。
この憂国の主張は傾聴に値する。
これからの、21世紀の日本の指針にもなるのではないか・・・
理想かもしれないが、「決してできないことではない」と思わせるのが、
この首謀者の川南豊作のカリスマなのかもしれない。
これは、事前に公安にキャッチされ、彼らは未遂のまま逮捕される。
この事件は、「三無事件」と呼ばれる実際にあった事件。
破防法適用第1号事件でもある。
http://www.m-net.ne.jp/~mirage/books/books_1.html