平成17年版 国民生活白書
男性の実質所得はやや減少している
子育て世代1の雇用者の所得動向を見てみよう。まず、男性フルタイム労働者2の実質所得を見ると、1980年代を通じて堅調に増加したが、
90年代以降賞与水準の下落もありわずかながら減少傾向にある(第2−1−1図)。
一方で、男性パートタイム労働者3の実質所得については、90年代以降多少の変動はあるものの趨勢的に下落している。
これは、パートタイム労働者の総労働時間が90年から下落し1割程度短くなったこととともに、時間当たりの賃金が90年以降下落傾向にあることが影響している(第2−1−2図)。
また、男性フルタイム労働者の数は全体として減少傾向にある一方で、パートタイム労働者は大幅に増加している(第2−1−3図)。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h17/01_honpen/html/hm02010002.html 女性の実質所得は緩やかに上昇している
次に、女性フルタイム労働者の実質所得を見ると、80年代に増加した後、90年代においても所定内給与が上昇し続けたこともありわずかながら増加傾向にある(第2−1−4図)。
ただし、依然として男性と比べ3割程度の所得格差が存在している。女性のパートタイム労働者の実質所得については、
男性とは傾向が異なりほぼ横ばいで推移している。これは、パートタイム労働者の総労働時間が90年から下落し続け1割以上短くなった反面、
男性の場合とは違い時間当たりの賃金が90年以降堅調に上昇しているためである(第2−1−5図)。
なお、パートタイム労働者は男女ともにフルタイム労働者と比べて所得格差が大きく、年収は120〜130万円程度にとどまっている。
この背景には、企業が社会保険料負担を発生させないために、パートタイム労働者の所得が一定額以上にならないようにする傾向があると言われる。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h17/01_honpen/html/hm02010003.html