放射性物質、風で再浮遊か 風向きで放射能濃度変化
2011年11月12日0時31分 朝日新聞
東京電力福島第一原発から放出され、地面に落ちた
放射性物質が、風によって再び大気中に浮遊している
可能性が高いことが茨城大学や東京大学などのチームの
調査で分かった。
チームは3月末から8月にかけて、福島市や水戸市など
関東、東北の計11地点で、福島第一原発から出た
とみられる大気中のセシウム134やヨウ素131など
の放射性物質をフィルターで捕らえて24〜72時間お
きに測った。
このうち、分析が終わった福島市、茨城県日立市、
水戸市の6月以降の測定値を見ると、放射能濃度は風向きに
依存し、原発の方角から風が吹くと事故前の10万倍の
10ミリベクレル程度と高い値を示す一方、それ以外の
風向きの時でも、事故前の千倍の0.1ミリベクレル程度と
一定の濃度があった。
このため、放射性物質は地面に落ちた後、泥などに吸着し、
土ぼこりなどとして浮遊しているとみられる。
茨城大学の北和之教授は「台風が来ても、それほど濃度は
上がらなかった。浮遊には風よりも地面の乾燥の影響が
強いのではないか」と推測する。空気が乾燥する冬は
土ぼこりの量が増える可能性がある。
北教授は「ただちに健康被害が出る濃度とは考えにくいが、
監視の強化が必要だ」と話す。
名古屋市である日本気象学会で17日に発表する。(小坪遊)