劇団四季【異国の丘】７

「異国の丘」の初日、見てきました。
私は前の晩に、演劇の神様に、ちょっとだけお願いしてみました。
初日の愛玲は、ぜひ愛する花代さんにして下さい！…と。( v_v)//

愛玲の容姿は可憐で美しく清楚でなくてはならいなのはもちろん、
ただがむしゃらで一途な頑固者でもなく、凛とした強さの中に、
ゆれ動く女心を繊細に演じられる女優さんでお願いしたかったのです。

願いは叶えられました。出会いは訪れました。四季劇場・秋に入り、
キャストボードを遠くから見つめた時、ぼやっと見えた「木村花代」の文字に、
思わずガッツポーズをしたのは、私だけではないでしょう。o(^-^)o
幕があがるのを待つ間、今日ほどワクワクしたことはありませんでした。

花代さんの愛玲は、また一段と輝きを増し、役柄をわきまえた歌声も
素晴らしいの一言でした。花代さんの演技の秀逸な場面は、短いですが
父・宋子明との会話の部分です。ここが社長と秘書、先生と生徒に
見えてしまうのでは、女優としては大根です。

「昭和の歴史三部作」と称した三作品の中でも、私の心に最も強く訴える
作品は、やはり「異国の丘」ですが、それは花代さんによって演じられる
愛玲の存在によって、より大きな感動へとつながるのでした。
本当に役柄に相応しい見事な演技を見せてくれる、素晴らしい女優さん
です。神様ありがとうございます。今回も忘れられない夜でした。

しかし、私は神様にお願いし忘れていました。
愛玲には、愛玲が一目で恋に落ちるのに相応しい相手が必要でした。
すでに多くの方々が書かれているように、私も下村さんの九重秀隆には
違和感を感じざるを得ませんでした。想定はしていましたけれど…。
ペロンのようでもあり、夢の配達人のようでもあり、おぼっちゃまくんの
ようでもあり、時にはパタリロのようでもありました。

でも、歌声は言われるほどひどくはないと思います。
花代さんと力をあわせて、素敵な「異国の丘」を作っていって下さい。

タイガー幸せな奴だな、相変わらず

泣かせるシーンの一つ、遺言の場面。平井さんは今回、維田修二さんでしたが、
ここは、前回までの有馬光貴さんの方が、日本兵の亡霊かと思わせるうまさが
ありましたね。キャストにお名前がないので、もう見られないようで残念です。

ナターシャの西田さんは大変お綺麗ですが、ちょっと最初からいい人みたいに
見えました。私なら国を売ってサインしちゃいそうです。しかし、あのような
立場の方が女性というのは史実に基づいているのでしょうか。それとも芝居用？

ダンサーの皆さんの気合を感じるステージでした。こんなに激しいダンスだった？
と思わされましたよ。

現職の日本の外務大臣である町村さんも客席におられましたが、戦後６０年、
日中の国交は、あいかわらずうまくいってないですね。
愛玲のような人はいそうもないし、まぁいいか…。