シベリアSS投下スレ

＊オールジャンルなSS投下スレです。

＊シベリアは猿がきついので、投下中は極力支援しましょう。
　猿が出た場合下で連絡を↓

　【ばいばい】ばいさるでたら書き込むｽﾚ 1匹目【さるさん】
　http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1279540885/



シベリアでは単発スレNGです。
見かけた場合、こちらに誘導しましょう。

落ちていたので立て直しました

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　　　　＼{⌒ヽ　 |、::::入　　　__＿_,.イ　(三)'　｝..::::::::/::::／
　　　　　 　 　 ＼{ ＼｛　＼::...て三／::::::.イ　 ´¨7::::/　|ヽ／| , ､　　>>1おつ♪♪
　　　{＼∧,イ　　　 　 ＿＿＼___ ,. ＜三≧､ 　/／ 　 |::. 　 ´／
　　＜_　　／　　　 　＞三三∧===/三三／＼　　　　|:::... 　二＞　 　 　
　　∠__／{　　　　　〈三f⌒＼∧ﾆ/ｒ三／　／ﾆ〉　 ,イ ＼__＿_＞＿

Shutzstaffel

http://i.imgur.com/fQXdyYC.jpg

ぶんぶん

え？SSを書くの？

>>1乙

>>1乙

>>1乙

書くなら書いちくり〜

〜聖骸のルベリア〜
※即興ラノベ(厨二要素が嫌いな方は別スレへ)

2063年、東京

地球は資源の枯渇による奪い合いの戦争の末、3つの大陸を失った｡
アフリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸だ｡
各国の用いた空振動対陸核兵器が、僅か3日間行われた<<新世界創造>>という世界対戦のさなか放たれ、防衛機構が少ない国々は大陸ごと海に消え去ったのだ｡

「あー、つまんね……｡昔の歴史なんかどうでもいいんだっての……」
光学技術が発展した今、教室の黒板を用いる教師はいない｡
2年前までの名残として一応教室前方と後方に存在する黒板は生徒の落書き用としか機能していない｡
宙に展開した仮想ボードに指先でなぞられた所が微量の光を屈折した透明のそれに鮮やかな橙色の軌跡を残す｡

(´・ω・｀)君は何をしている

(　＾ω＾)…

いつも通りビルの屋上で清掃をしていた私の前にニコニコと気持ち悪い笑みをしている男は現れた

(´・ω・｀)何をしていると聞いているんだ

(　＾ω＾)…時間を

(´・ω・｀)やっと喋ったか

(　゜ω゜)…返せお
　

ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝﾐﾝ


(´‐ω‐｀)


(´・ω・｀)


目を覚ますと、そこは何処かで見たような風景、そう実家だった

J(　　 )し　ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

(´・ω・)

隣りを見るともう死んだハズの母の後ろ姿が見える、ああ夢なんだなと思った
頬をつねる、しかし痛い

(´・ω・｀)…

混乱している、さっきまでの人生が夢だったのか
今夢が始まろうとしてるのか、しかし頬は痛かった

(´・ω・｀)あー

声を上げる

J( 'ｰ`)しどうしたの

(´・ω・｀)ッ！！

俺「…ｓｓを書くの？」

瞬間、後ろに飛んだ、体が軽い…まるで少年のような

J(；'ｰ`)しど、どうしたの？ショボン

(；´・ω・｀)い、いや何でもないよ、うん

J( 'ｰ`)しそうだ、今日から夏休みなんだから遊んでらっしゃい

(´・ω・｀)夏休み…仕事

つい仕事と言ってしまった、50代まで毎日毎日昼も夜も休まずに一生懸命真面目に働いてた
だから聞きなれない言葉を聞いたような、そんな感覚が起き上がってしまう

J( 'ｰ`)し子供は遊ぶのが仕事でしょ、行ってらっしゃい

(´・ω・｀)…分かった

自分は玄関へ向かう、山の麓に実家はあるので川へ向かう事にした

本当にあのはしゃぎ回る子供の頃の夏に返って来たんだろうか
あの男の正体は、謎が謎を呼ぶ、自分は推理は得意ではない
事の成り行きに任せることにした、保留だ

(´・ω・｀)声が若いし水々しい、手も小さい

それに自分が小人になったように周りが大きく見える
体も軽い、川へ向かうのは顔を見る為だけどこれじゃもう90％は正解をしたようなものだ

(　・∀・)おい、うすのろ

(´・ω・｀)…君は

過去の記憶を呼び起こす……そうだ、近所のモララーだ
将来大工のクラス1頭の良いモララー、将来大工のモララー

(´・ω・｀)大工の仕事はどうした？

(　・∀・)は？シラネーヨ

(　´ー｀)呼んだ？

(´・ω・｀)ほう

…どうやら仲間が居たらしい…狭くて古いレンガ道の横から飛び出て来た

(´・ω・｀)それで？何かようか？

(　・∀・)用かってのはなんだ？遊びに来てやったん…だよっ！！

モララーが右ストレートを腹に打ち込んできた

(´・ω・｀)よっと

その動きを読み、ひらりと横に交わしながら足を横にズラす

(；・∀・)おっとっとっ！うわっ！！

(´・ω・｀)こっちは悪いね、こっちは用があるんで

(；´ー｀)

(´・ω・｀)横、どいてくれる？

大人の余裕でシラネーヨに言う、まぁ見た目は子供だが中身はビールが好きなおっさんだ

三(；´ー｀)ｻﾞｻﾞ

(´・ω・｀)ありがとう

しれっとした目で見ながら真ん中を通る…でもまぁ彼の性格なら

(　´ー｀)死ねっ！！！

(´・ω・｀)はい

後ろに振り返り間接を極める、デブにパンチやキックはあまり効かない
高校生の時にならった柔術を使い相手を捕縛、極める

(；´ー｀)いたたたた！！！

(´・ω・｀)ギブ？

(　´ー｀)ギブ！ギブ！！

(´・ω・｀)まぁあまり君達とは喧嘩をしたくない、男なら誰かを守る為に力を使え

(；´ー｀)はいっ！！

(；・∀・)はいっ！！

昔の自分だったらどうしてただろうか…泣いて家で屁理屈を言ってただけだろう


自分の家の近くには滝がある、そこに行き涼みながら現状を考える

(´・ω・｀)(分からない…でも、どうして過去にいるのか分かるはずもないか)

さっき川で顔を見たけれど予想通り子供の頃の自分だった
これといってそれに手掛かりは無い

川 ﾟ -ﾟ)

(´・ω・｀)？

さっきからこちらを見ている女の子がいた…ああ、巫女の娘さんのクーさんかな

(´・ω・｀)顔に何かついてますか？

川 ﾟ -ﾟ)君は誰だ

(；´・ω・｀)？！

(´・ω・｀)近所のショボンだよ、忘れたの？

川 ﾟ -ﾟ)いや、明らかに違う…大人になったというか…何か老けてる？ような

老けてると子供から言われ、本当のことだけどショックを受けたがそれどころじゃない

(´・ω・｀)気のせいだよ

川 ﾟ -ﾟ)気が違う

(´・ω・｀)気？！

気とはあれだろうか、巫女さんや神様や仏様とかが出す謎の気体らしきもの

川 ﾟ -ﾟ)雰囲気が違うと思って

(´・ω・｀)

ほっとした、まぁそんなことだろうとは思ったけど

(´・ω・｀)なら尚更気のせいだと思うよ、HAHAHA

嘘は苦手だが子供相手ならこれぐらいでも十分だろう

川 ﾟ -ﾟ)…なんか別人みたい

女で子供の洞察力を甘く見ていた

(´・ω・｀)あ、用事を思い出した

続きはwebで

よくわかんないけどこっちかな？？？

（　＾ω＾）ブーン系小説シベリア図書館のようです★47
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1359897601/

>>24
すいません、今度からそっちでやりますorz

続きはよ

あげ

下げてるじゃ無いか…

さげ

シベリア防衛軍です
ただいま高頻度で圧縮が行われています。ご注意を！

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│┃０工０|⌒(,,・д・)　 　 　 　 　 　 　 　 　　　 　　　　　　　　　　　　　┃　 　 　 │／）
│┃ＯＯノﾞヽ_っ⌒/⌒ｃ　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　==============┃　　 Ｃ<ニン
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│┃仲良く読書 　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　Short Storieｓ　..┃　 　 　 │
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└───────────────────────────────┘

誰かSS書いてくれないかな…

誰かが出してくれたお代に沿って書くとか面白そう

書いてくれる人に期待してage

雨が降っている
それだけで気分は優れない
何時からだっただろう
8歳のときだったかな
あの時も雨が降っていた
その時俺は走っていて転んだ
きっとそのせいだろう
……まてよ？
あの時何故走っていたんだ…？
学校から帰っている時に雨が降って来て…
その雨が嫌で仕方なかったから走っていたんだった
…確か母親から言われたな
『子供の頃の貴方は雨が大好きだったのよ』
でもあの時は雨が嫌でなかった
その時には既に雨が嫌だった…？
…そういえば3歳のときの写真で雨の中で跳ね回っているのが有ったっけ
3歳から8歳の間に何か有ったのか…？

これが6歳の写真…これが7歳…
6歳の方には『雨を見ながら嬉しそうに笑って居る写真』と書いてあるな
7歳の方には『雨を一目見るなり大泣きした写真』
6歳と7歳の間なのか…
…ん？
7歳の時の写真に写っている此れは
パンダのペーパークラフト
何だ…？
何か思い出しそうだ
何だったかな……？
…………潰された
そうだ潰されたんだ
あの夜ペーパークラフトは潰された
潰された筈だった
あの夜…？
そう7歳のあの夜
激しい雨の音で起きたんだ
その時トイレに行きたく成って
居間を通ってトイレに行こうとして
そしたら

あれが居たんだ
真っ赤な眼をした細身の体の怪物が居たんだ
怖くて後ずさりして
テーブルにぶつかってペーパークラフトが落ちて
彼奴がそれを踏みつぶした
そして俺の顔を覗き込んで
残念そうな顔をして近くに有ったドアを開けて…
あのドアは何の部屋だったっけ？
たしか物置……いや？
爺さんだ…
あの部屋は爺さんの部屋だった
何時だった？
爺さんが死んだのは何時だ？
…死んでない
爺さんは死んで無いんだ
いや死んでいる
彼奴に殺された
あのドアから出て来た彼奴は何かを引きずっていた
あれは…
爺さんの死体だ
彼奴は爺さんを引きずって
こっちを見た
俺は怖くて怖くて
そのまま気絶したんだ

気付いたら布団の中に居て
朝だった
ああ夢だったのかと思った
そして爺さんの部屋のドアを開けて
「こんな夢を見た」と
言おうとした
そこは物置だった
母さんに爺さんの事を聞いても
『何の事？』と言われた
パンダのペーパークラフトを見ると
それは潰れてなんか居なかった
どういう事かと困惑していると
外に赤い何かが見えた
ああそうだ
そこに居たんだ
爺さんの体と服を持った
あの怪物が
俺の事をじっと見つめていた

そうかそう言う事だったのか
雨が降ると気分が優れないのは
心無しかそれを思い出していたんだろう
…そうなのか？
本当にそうなのか？
雨が降ると窓の外を見るのが嫌に成って
カーテンを閉めてしまう
このカーテンを開けたら
爺さんの姿を持った彼奴が要るんじゃないのか？

俺はカーテンを開けた

そこにはあの時の様に怪物が
真っ赤な眼で俺を見ていた
俺がカーテンを開けたのを嬉しそうに見て
骨張った腕で窓を叩き割って
俺に向かって腕を振下ろした

終
適当に書いたらこうなった

世にも奇妙な物語とか思い出したわ。悪い夢っぽくて面白い。
投下おつ！

お、おう… なんやこれは…

つまりここに書けばいいのね

21××年の地球
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何処らかとも無く「スリラー」が流れている。
テレビからはお昼のバラエティーが流れている

そこで何か会話をして居る。
よく聞き取れないが「あうー」
「うがー」と聞こえる。
そうここは人類ではなくゾンビがいる
するとテレビから「ニュース速報ーー
最後のﾋﾄ死亡確認ーーーーーーーー」
するとスーツ姿のゾンビが「ゾンビ王のアンブレラです残念な事に、最後のﾋﾄ被検体774が死亡確認しました」
アンブレラと言うには某ゲームから撮った

ザワザワ大きな駅では騒ついていた
そこに電車が到着する
「あうー」
「うがー」
一応騒ついているようだ
えっ？なんでライフラインがあるのかって？
それを説明して行こう

20××年某国に隕石が落ちた
直径10cmほどの隕石が学者なNASAは無害と発表。
隕石はなさに保管された
しかし1年後隕石が落ちた町で腐乱した男が暴れたそれは一つの町をあっという間に飲み込んだ。

町は隔離されたしかし何故かゾンビ達は楽しそうだった。
あるものはリアルバイオハザードをヤってみたあるものはスリラーを踊ってみた

ウイルスは一つの国を滅ぼした
日本も例外ではなかった。
あるものが感染した
いつの間にか通勤電車にゾンビが
学校の先生がゾンビ
バスの運転手がゾンビ
グラサンかけて「いいとも〜」と叫ぶおっさんもゾンビに
2chではゾンビ板鳴る物が解説され
ゾンビにも人権を！！と騒ぎ出した

残った人も「やべえみんなゾンビになってる俺もゾンビにならなきゃ」
と言う気持ちになった
ジャップの悲しい性である
ゾンビになるにも金がいるようだ
噛みつき屋なる職業ができ、
噛みつき屋の前には行列が出来た
5年も立たないうちに「被検体」と呼ばれる｢ﾋﾄ」達以外は

ゾンビに性欲はないオナニーしようとして
ペニスが取れた
セックスしたらペニスが相手のあそこに入ったまま取れた
まあ不死身であるフェニックスである
(節子それ不死鳥や)
痛みは感じないが痒みを感じる
腕が取れたら、死ぬほど痒いらしい
(友達とワンピースごっこして腕が取れたDさん談)
みんな人間だった頃の記憶を持っていた
最初に電力が流れ、テレビが動きバスや電車が動き始めた

無論有名人もゾンビだ
お昼の番組を見てみよう
「お昼休みはあっちこっち笑っていいとも
チャラララン」
グラサンゾンビが「笑って？」
観覧者が「いいとも〜」

お金はどうしているって？
KASAと言う通貨を使っている
1KASA100円

ゾンビは何も食べずに生きれる
でもそれだとつまんない
人間だった頃シェフだったゾンビがレストランをオープンさせた
大好物だった

もちろん軍隊を持っていた
と言うより技術が圧倒的に進んだ
戦艦ヤ○トみたいな戦艦よ二足歩行のでけえロボットまで登場した
しかし趣味で作った
何故ならこの世界は争いと言う概念がない
破壊大帝やショッカーと言う黒ずくめの集団が軍隊にいる

人々いやゾンビ達は楽しそうに暮らしていたある日、
ギュオオオオオオオンと言う爆音とともに空から何かが降ってきた
それを調べるゾンビ軍隊
そこにはﾋﾄがいた

実は被検体はとっくの昔に死んでいた
それを今で隠していた
とりあえずこの爆音騒ぎは軍隊のミスにした

「被検体」は小さな女の子だった
医者が「大丈夫だ」
と話かけるが
被検体は？？？
医者は紙に、
「ダイジョウブダナニモシナイワタシタチイイゾンビ。」
と書いた

おい まだか

期待age

すいません買い物してた
女の子「ゾンビって何？」
医者「えっ？」
女の子「ゾンビって何ですか？」
医者「コレダヨ(ゾンビの映画)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
女の子「怖いですねでもあなたたちはそんな風には見えません」

1「被検体」は隕石が落ちてくる前からやって来た。
2タイムマシンは今の技術でも作れない
3ゾンビを知らない
4一応対ゾンビウイルスのワクチンがある

では「被検体」は何処らきたのか？
他の星
人間がまだ密かにいるのか？
破壊大帝がいった「4番を試せば？」
会議室が騒ついた
一応ワクチンはあるが聞くか分からない
しかしあるゾンビが「人間の言葉を話せる機械作ればいいんじゃね？」

「ホンヤクキ」と名ずけられたまるで青狸が出しそうな機械だ
早速ためした
医者「きみは2000何年もに来たの？？」
女の子「2013年」
ザワザワ
ザワザワ
2013年隕石事件の前である

女の子「お父さんに無理やり乗せられて」
ある学者が機械を覗く！！
「これ100年後に設定されている」
女の子(なにあうあう言ってんだ？)
別の学者が閃く「確か60年くらい前にも似た機械が……」
つまり女の子の父親はもう2013年にタイムマシンを発明しており
試しに60年後に行く→ゾンビだらけ
でもなぜ100年後に？

政府機械が調べたところ、この女の子が住んでいた政府は「50年経てばゾンビを殺せるウイルスを作った」と公言していた
隕石事件が起こったのは2014年ありゃ？
翌年じゃん
ならば10年後にくるはず

すると学者が「長い開発の影響でN波に異常が発生しているようだ
最近発生されたタイムスリップの原理はN波とD波が大切
つまりN波に異常が発生し女の子の乗ったタイムマシンは10年早くついた」
これなら辻褄が合う

女の子は「被検体」と呼ばれた
愛らしい姿はインターネットやマスコミを通じ人気者になった
みんなあのスタイルだからな

そうこうするうちに高○クリニックが元の顔に復元する手段を開発した
街はゾンビだらけではなく「人間」
の顔をした
まあゾンビの顔を気に入りってそのままの奴も多い

そんなある日
宇宙人が攻めて来た｢ｶﾌﾝ」と呼ばれる種で全滅した
女の子の父親を探した
女の子は父親が見つかった
父親はマジシャンをしていたそれも売れっ子
女の子は父親といろんな事を話した
父親の耳と口には｢ﾎﾝﾔｸｷ」
があった
ーーーーーゾンビの弱点はーーーーーーー
災害だ

ある日大きな地震が起こった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
皮肉にも女の子がいる街に……………

………………………………女の子は見つからない
インターネットサイト
ゾンビチャンネルではボランティアで「女の子を探すオフ」を開催。
見つからない……………



すいませんちょっと席外します

おいアホ おい

てす

戻ってきたお
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日瓦礫の下からおチンコが見つかった
女の子は死んでは居ないものの瀕死状態だった。
どうすることも出来ない

ーーーーーー翌日ーーーーーーーーーーー
ゾンビ王のアンブレラがニュースで「残業です最後のﾋﾄ被検体774が死亡確認しました」とニュースで伝えたーーーーーーーー
ざわめくゾンビの街
駅
ゾンビに成ったお前ら
すると急にアンブレラが「被検体は死にましたが、ゾンビになって生きています」と声を荒げて言った。
「うおおおおおお」
「アンブレラ万歳ー」
ーーーーーこの日、ゾンビ達は楽しそうに踊ったーーーーーーーーーーーーーーーー
地震があった街は異常は早さで復興した
今日もゾンビ達は仕事をし、遊び、スリラーを踊ったーーーーーーーーーーーーーー

一応終わりです
いつかゾンビの街を舞台にした話しを投下します

ゾンビの話、カオスすぎて理解が追い付かなかった。なんかすまん。
ゾンビになってもみんな人間とほぼ同じ生活を送ってますよってこと？

御免後半が良く解らない

てす

『ユキオ』

季節はずれの寒波もGWと共におわった五月上旬、ショッカーの戦闘員に就職して一年目の京極ユキオは
同僚のミハイル拓也と二人で、秘密基地でビールを飲んでいた。
「なあミハイル、この一年で何回ライダーにやられた？」
ユキオの質問にミハイルは「ああ？・・・数えたことねえけど、20回くらいじゃねえかな。ほら、オレ
一度肋骨にヒビ入って戦線離脱したじゃん？たぶんお前より少ないよ」
「ばか。だから腹に何か巻いとけって言ったのに。この会社タイツしか支給しねえんだから。俺、この
前から同人エロマンガを巻いてんだけどさ、薄い本だからダメージ吸収しなくってまいっちゃった」
「なんでエロマンガなんて巻くんだよ」
二人は笑った。アルコールが緩やかに血液に浸透していくのを感じながら、ユキオは話を続けた。
「俺は、43回もやられたぜ・・・43回だぜ？尋常じゃない。この頃はライダーの姿見ただけでもちょっと
吐き気がするくらいさ。あの忌々しいバッタの出来損ないめ！昨日なんか、倒れてるとこライダーに足首
踏まれる夢見て目が覚めたんだぜ？寝覚め悪いったらありゃしない！」

「あー、それ辛いねー。でもさ、夢にまで見るって仕事しすぎじゃない？もうちょっと気楽にやったら
いいのよ。オレらじゃライダーに勝てないんだし」
ミハイルは喉を鳴らしてビールを飲むと、少し冷めた笑顔で「あっちはガチの改造人間なんだしさ。オレ
たちなんか、全身タイツ着ただけの社会不適合者じゃん？しかも素手だし」と目を細めた。そして彼は、
「どうせ、オレたちの事なんか誰もわかってくれねーしよ」と寂しそうにつぶやいた。
「そうだよな・・・なんで俺たち、素手で立ち向かってんだろうな。そうだ、武器持たせてくれって、
死神博士に掛け合ってくる！」ユキオは叫びながら立ち上がった。
「おい、待てよ。武器っつったって、金かかるだろ？あんまり会社に無茶言っても良い事ないぞ」
「ライダー倒せって命令してくるのに、予算組まねえ会社が悪いんだ！」
ユキオは部屋を飛び出して、幹部室に赴いた。

ドアをノックしてから「すみません、死神博士。シコってますか？」とユキオは声をかけた。
「なんだね？シコってないから入りたまえ」
返事を聞いたユキオは決心するように一つ息を吐いて幹部室の扉を開いた。
「失礼します。戦闘員の京極ユキオです。死神博士、お願いがあります」
「戦闘員が私にお願いだと？なんだね、ショッカー図書室の本の返却期限か？日常の3巻と4巻は私じゃな
いぞ。あれはマグマ怪人ゴースターが借りパクしたんだからな。アイツ、ゆっこが好きだから」
「博士は誰が好きなんですか？」
「私か？私はみおちゃんだ」
いわゆる「俺の嫁」の名を言って頬を染める死神博士に対して、ユキオは
「そんな事はどうでもいいんです！博士、俺に武器をください！」と言い放った。

「なっ！そんな事とはなんだ！お前が聞いてきたんだろうが！」
「武器を俺に！ライダーを倒すために、強力な武器を！」
アルコールが入って人の話を聞かない感じになっているユキオの様子に（なにコイツ？めんどくせえ・・・）
と死神博士は思いながら「武器か・・・今は戦闘員に配給できる武器は無い」と冷ややかに言い放った。
「円安で組織もいろいろ大変なんだ。我慢しろ」
「クッ・・・！お願いします。今のままじゃ、ライダーはおろか新日本プロレスの練習生にも勝てないんです！
せめてTAKAみちのくに勝てる位の戦闘力が欲しいんです！」
ユキオは土下座した。そして「お願いします！」と言おうとしたが、腹部に挟んでいた同人エロマンガが胃を圧迫し
た為にうまく言えず「おねが・・・ぁおぼえぇぇぇーッ！」と嘔吐する羽目になった。

土下座しながら嘔吐する人物を目撃するのは、きわめて希なことだ。
「ぎゃっ！・・・わかった、わかったから！ほら、これあげるから、とりあえず帰って！」
死神博士は冷や汗をかきながらユキオに胃腸薬のガスター10を手渡した。
「ほら、お腹の調子悪いと、戦えないだろう・・・」
「うぅ・・・博士、ありがとうございます。ではお礼にこれを・・・」
ユキオは腹部に挟んでいた薄い本を死神博士に渡した。
日常のエロ同人誌だった。

おわり

地味におもしろかった。オチが特に。おつあり！

くぅ〜ｗ疲れました！

>>76
とりあえず投下を中断すると他の人の邪魔になるからその辺はちゃんとしろよ

投下していい？

　　　　　　　　　　　　　>>ALL　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　↓
..＝　=　　∧__,,∧ 　 Λ＿Λ　　　　　　　　　　　　　
=　＝.. 　( ´・ω・) 　(´・ω・)
.＝　　=　/ヽ○==○(つ旦O)　　　　　　　　　　　　　
=　=　　./　　||＿　| と＿)＿)
＝　＝..し'￣(_)）￣(_)）￣(_)）￣(_)）￣(_)） 　　　

>>88
おう！読むよー。

紙紛失したお。つーわけで思い出しながら書く(禁書カオスSSです)

　　　　　　　　　　　　　>>89　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　↓
..＝　=　　∧__,,∧ 　 Λ＿Λ　　　　　　　　　　　　　
=　＝.. 　( ´・ω・) 　(´・ω・)
.＝　　=　/ヽ○==○(つ旦O)　　　　　　　　　　　　　
=　=　　./　　||＿　| と＿)＿)
＝　＝..し'￣(_)）￣(_)）￣(_)）￣(_)）￣(_)） 　　　

禁書ってなんだよ

>>85　ありがとう。もと居た板に書き込めないし、ここに投下していこうと思ってます。
とりとめもない話ばかりですが、ご容赦ください

『リズムオブレイン』
憂鬱な音楽は憂鬱な奴にしか作れない。鈴木トリトンの持論だ。
昨日の夜から降っている雨は昼近くになっても止む気配を見せず、さあああ、と
風に煽られながら世界を濡らしている。
トリトンは部屋の窓から雨を眺めながら、
（今降っている雨が、全て美少女たちのオシッコだったらなぁ！）
と妄想にふけった。彼の頭の中では、華やかな、艶やかな美少女たちが笑いさざ
めきながら、スタンディングで彼におしっこをひっかけていた。そして彼女たち
はトリトンの不実を責めるのた。
「トリトン。あなたはそんなうだつの上がらないアパートに立てこもって私たち
の愛を受け止めないでいるの？私たちのピスは、ずっとだだ流しなの！」
トリトンは妄想が責め立てるのに居てもたまらず跳ね起きて、傘もささずにアパ
ートから走り出した。

（ごめんよ！ごめんよ、ベイビーたち！）
心の中で叫びながら近所の公園に到着したトリトンは、空に向かって両手をひろ
げて、
「こいやー！」
と現実でも叫んだ。
「いくらでもこいやー！受け止めんぞー！」
彼は天を仰いで大きく口を開けると、顔で、口で、雨を受け止めた。
（こんなにいっぱい・・・！イケナイ女の子たちだ！）
雨が髪を濡らし、シャツを肌に張り付かせる。全身が濡れそぼち体温を奪われて
いく中、へその下の一部位だけが天に抗うように熱くそそり立った。
（見てごらん！キミたちのせいで、ここがこんなになっちゃってんよ！ほら！
ここが、こんななっちゃってんぞ！）
トリトンは誇らしげに腰を突き出し、口に溜まった雨をごくんと飲み込むと、
「ッ！んきゃー！」
と悲鳴をあげてその場に崩れ落ちた。

（・・・へへへ、いっちゃった。俺、君たちのオシッコぐび飲みしていっちゃった）
腰をガクガク言わせながら地面に膝をついているトリトンを不審に思ったらしい
警ら中の警察官が声をかけてきた。
「こんにちはー。お兄さん具合悪そうですけど、どうかしましたか？」
「ああ、お巡りさん。なんでもありませんよ。僕が犯罪者にでも見えますか!？」
「いや、そんなつもりじゃないんですが・・・」
トリトンは警察官の帽子や肩が雨に濡れているのを見て、目に怒りの炎を燃え
上がらせた。
「この、はしたないメスっ子どもめ！俺だけにぶっかけろや！」
トリトンは大空に思いのたけをぶちまけた。
そして彼は、罪の意識に苛まれ目の前にいる法の番人に自分のなにかしら
を打ち明けなければならないと思った。
「お巡りさんごめんなさい・・・俺・・・俺、じつはレズビアンなんです」

思わぬ自白を聞いて、警察官はしばらく黙ったあと、
「・・・ちょっと署までご同行願えますか？」
とトリトンをパトカーに乗せた。
警察署で尿検査を受けて、薬物反応は出なかったがタンパク質が過剰に引っか
かったトリトンは「いわゆるただの変人」との判定のもと自由の身になった。
時刻は夕暮れになっていた。
雨はいまも続いている。
トリトンの憂鬱は、まだ終わらないのだった。

おわり

個人的に面白い

こう言うSSもイイ（・∀・）

寿司食いたくなった

>>97-98　ありがとう。誰かしら見てくれる人がいるので、調子にのってコテハンつけます。
うぜえと感じる方はスルーしてください

『春の終焉』
　夏の訪れを予感させる暑さを見せた5月の中旬、この春高校生になったばかりの
沼田ヴィクトリアは季節はずれの風邪をひいてしまった。
学校を休み病院に行き、処方された薬を受け取って家路についたヴィクトリアは、
バッグの中にしまわれている彼女の薬のことで心をかき乱された。
（どうしよう・・・座薬もらっちゃった・・・）
それは解熱のための座薬だ。
帰宅したヴィクトリアは、パートに出かけた母が準備しておいてくれた昼食を
食べると、飲み薬を飲んで、熱を計った。38.1℃、熱がある。
「38℃を超えたら座薬を使いなさい」
主治医にそう告げられていた彼女は、「うぅ・・・」と小さく呻いて自室の
ベッドに潜り、携帯で大学に行っている姉のサロメアに
「お姉ちゃん、座薬はノーカンですか？」とメールを送った。
姉からのメールはすぐに返ってきた。

「はい？」
サロメアの応えは短かった。
「はい、じゃないが。だから、座薬はノーカンでいいですか？」
「はい？」
「ヴィクトリアには、アナルはまだ早いと思うのです」
「はい？」
「はい、じゃないが。座薬はヴィクトリアのアナルバージンを奪いますか？」
「はい？」
ヴィクトリアは姉の返信のもどかしさと発熱に頬を染めながらイライラした。
「前じゃダメですか？これくらいの大きさなら大丈夫そうですが」
「ダメに決まってんだろ」
サロメアから、やっと文章になった返信が着た。

「お姉ちゃんは経験ありますか？」
「なにが？」
「座薬です」
「ヴィクトリア、フリードリヒの事が好きだったよね？」
ご近所で、幼稚園のころからずっと一緒で、今も同じ高校に通う幼馴染であり
想い人でもある男の名前が突如出て、ヴィクトリアは戸惑った。当然、サロメ
アも子供のころからフリードリヒを知っているし、ヴィクトリアが彼の事をず
っと想っているのも知っている。
「それがどうかしましたか？」
「姉ちゃん、フリードリヒに座薬を入れてもらったことがあります。でも、そ
れ以上の関係はないから安心してください」

ヴィクトリアはベッドから出て台所にむかい、冷蔵庫から座薬を取り出してベ
ッドにもどり、「空よ、落ちろ・・・」とつぶやきながら座薬を入れた。
体が少しずつ冷えていくのを感じながら、彼女はふたたび携帯を手に取り、
「殺してやる」
とサロメアにメールを送った。
姉からの返信はなかった。
少しずつ、少しずつ・・・熱は下がっていく。
しかし、心の熱は増していくばかりだった。
季節は夏に向かっているのだ。

おわり

相変わらず世界観がなにか突き抜けてるｗｗｗ
でもおもしろい不思議

乙

まだ書き貯めてる最中で完結してないけど投下していいかね？

ええで

『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』
　5月。風の強い日が続いている。愛沢イシュトヴァーンは、小田急線の路線脇に
建つ2階建て木造アパートの2階に一人で暮らしていた。
夜、一人きりの夕飯を近所のラーメン屋で済ませたイシュトヴァーンはアパートに
戻り、窓を開けると体半分が窓から乗り出すように窓枠に腰掛けビールを飲んだ。
窓の外、アパートの真横を電車が通り過ぎる。音がうるさい分だけ家賃が安い。
一本目のビールを飲み終え、日本目のビールを開けてたイシュトヴァーンは、
（さて・・・今日は何でシコろうか・・・？）
と考え始めた。家庭を持っていた頃の彼に、こんな自由は無かった。別れた妻には、
哀しいくらいに未練は無かったが、一人娘のフロリーの事を思うと胸は傷んだ。

（ごめんよ、フロリー・・・パパはダメな男だから・・・パパは、シコることしか
できないから！）
愛娘への想いに沈むイシュトヴァーンの眼下を電車がガタンガタン、騒音をたて
ながら通り過ぎた。
（そうだ！今日は電車でシコってやろう！そして電車にブッカケてやるのだ！これ
は俺史上初めての試みであり、俺を高めるためのチャンレンジである！）
思いつくや早速、イシュトヴァーンは電車にブッカケるための作戦を考え始めた。
（もしかりに、外から人に見られていたら、俺は逮捕される。部屋の電気を消して
黒い服を着ておけば、よほどじゃないと外からは見えない、だろう・・・そして、
電車だ。鈍行や急行くらいなら、この先の駅に停る為にスピードを落としているか
ら、俺のブッカケもブッカケられるだろう。まかり間違っても、特急ロマンスカー
なんかにブッカケてはダメだ。俺の弱々しいザーメンなんか、高速のあいつには手
も足も出ないだろう。ロマンスカーは、俺にはまだ早い・・・）

イシュトヴァーンは部屋の電気を消して、黒い長袖Tシャツとブラックジーンズを
はいた格好で、窓枠から下腹部を突き出してジーンズの前を少し開いた。
（準備はいいか？チャンスはそう多くない。焦らず、弛まず！）
イシュトヴァーンは自分に言い聞かせながら、左手で窓枠をつかんで体勢を整え
ながら、右手でロックンロールした。
思考が夜と溶け合う感覚をイシュトヴァーンは感じていた。
（さあ来い！俺はいつだって一人でロックしていたんた！悪いのは俺じゃない・・・
悪いのは俺じゃないんだぁーーーッ！）
電車が緩やかに左カーブを描きながらイシュトヴァーンの右端の視界に入ってきた。
（ギターソロッ！）
かつてジミヘンが、クラプトンが、ジェフ・ベックがジミー・ペイジがそうしたよ
うに、イシュトヴァーンの手が激しくロックを掻き鳴らした。

電車が、イシュトヴァーンのアパートの目の前を通りすぎる瞬間にパーン！と警笛
を鳴らした。その音にかき消されながらも、イシュトヴァーンの耳にだけは、
「べちっ」という柔らかな、そして小さな情熱が、鉄の車体にぶつかる音が届いた。
「はあぁっ・・・ッ！はあぁっ・・・ッ！」
イシュトヴァーンは息を乱し、ガクガクと下半身を震わせながら電車の行方を目で
追った。
（受精した！間違いなく、電車はいま！俺の精子で、受精した！）
電車は夜の駅のホームに入り、多くの会社員を、学生を、そのほか、いろいろな人
たちをそこに吐き出した。

（あぁッ！あんなにいっぱい・・・！あんなにいっぱい、産まれちゃった！）
イシュトヴァーンは愕然としながら、駅に向かって声をあげた。
「パパだよ！俺が、俺がみんなのパパだよー！」
声は夜の闇に吸い込まれ、誰にも届くことがなかった。
そして、新たな乗客を乗せて電車は走っていき、ホームには誰も残らなかった。
電車が去っていくのを見届けたイシュトヴァーンは窓から離れ、暗い部屋の真
ん中に崩れるように膝まづいた。
「フロリー・・・パパは、ここにいるよぉ・・・」
イシュトヴァーンのつぶやきだけが、彼に聞こえた。他には何も聞こえない。
この沈黙を、彼は知っている。
ロックンロールが鳴り止んだ後の世界だった。

おわり

二本目が日本目になってた・・・酒飲みながらだと何が何やらさっぱりわからない。
もちろん、シラフでもたぶんわからない。寝るしかねえっす

ワロタｗｗｗ

相変わらずカオスおつ。
キャラたちの必死さと反比例して、光景はシュールで馬鹿馬鹿しくて面白い。

すげーな

読んでくれてありがとう。いつも酔っ払いながら書いてるからあちこちミスってるけど、
これは一種の酔拳だと自分なりに解釈してる。
生活習慣病こえー・・・

『あさがおのまどろみ』
　日曜の朝、二階にある自室のベッドの中で沼田ヴィクトリアは金縛りにあってい
た。
（クッ・・・！さすが、高校生にもなるといろいろある！）
体は動かないのに、目だけは動かすことができる。いつもと変わらぬ部屋、カーテ
ン越しに見える陽射し、壁にかけられた時計は8時20分。
（どうすればいいの・・・？このままじゃ、朝ごはん食べれない・・・下手したら
NHKの将棋も見れない・・・やはり昨日遅くまでyoutubeで心霊動画見てディスって
たのがいけなかったのかしら？だって・・・だって、あんな三流アイドルなんかよ
り、ヴィクトリアの方がもっと可愛く怖がれるんですもの！）
彼女の脳裏には、昨晩youtubeで見た、心霊番組の映像が流れていた。その番組で、
出演していた有名アイドルグループのメンバーが、心霊動画を見るたびに大げさに
悲鳴を上げ口を手で覆っている映像を思い出し、動かない体に反逆の炎を燃えあが
らせた。

（ヴィクトリアだったら・・・ヴィクトリアだったらもっと男の心臓を鷲掴みにす
るような！キュートで！アグレッシブな！悲鳴を上げれるもの！）
そしてヴィクトリアは「きゃー！」と叫ぼうと必死になった。閉じられた口からわ
ずかに「ぷっ・・・ふー」と吐息が漏れた。
（ヤダッ！こんなのヴィクトリアの悲鳴じゃない！そうよ、これは複式呼吸。複式
呼吸の練習なんだから！）
「ふー・・・ふー・・・」
ヴィクトリアの口から、小さく息が漏れ続ける。体は相変わらず動かなかった。
ヴィクトリアの思考が（体なんか動かなくったって、腹式呼吸で内臓脂肪は燃え
るんだから！夏までにナイスバディを手に入れる為なんだから！）と手段も目的も
見失い、この夏の計画を考え始めた頃、彼女の部屋に姉のサロメアが入ってきた。

「ヴィクトリア、起きなー、もう朝だよー。・・・あら？あらら？ラマーズ法？」
サロメアに（お姉ちゃん助けて！可愛い悲鳴が出ません！）とヴィクトリアは唯一
自由に動く目だけで訴えた。
「あー・・・わかるわかる。想像妊娠だね！」
（違う！金縛りだよ！）
「姉ちゃんもねー、想像妊娠＆想像出産で今、想像シングルマザーなんだ。ごめん
ね・・・実はフリードリヒが想像旦那なんだ。大学を出たら、想像結婚して想像静
岡県に想像移住して想像長男に想像サッカーを教え込むつもり。名前はメッシ」
想像の中の出来事とはいえ、実の姉に想い人が盗られたことに怒り狂ったヴィクト
リアは「ふっ・・・ふふー！」と精一杯の抗議の息を漏らした。

「めんごめんご！お詫びに、姉ちゃんが寝覚めの一曲を歌うね！」
サロメアは「どらぃーぶぼーい　どっぐぼーい　だてぃなむえんじぇーるぼーい」
と歌い始めた。それは英国のテクノユニット、アンダーワルドの曲だった。
（からだ、動けェー！今すぐ、この女を殺さなくては！朝から人の部屋で勝手に
ボーンスリッピーを歌う、身勝手なこの女を抹殺しなければー！）
ギラギラ光るヴィクトリアの瞳に、ノリノリで歌いながら腰を振っている姉の姿
が写っている。
ヴィクトリアの体を縛っている浮遊霊のジョゼフィーヌ高島は
（どのタイミングで、私はおいとまをしたら良いのでしょうか・・・？）
と困惑した。
サロメアの歌と、彼女がリズム取りのために踏み鳴らす足踏みと、一階から届くパ
ンの焼ける香ばしい香りが部屋を包み込んだ。
ゆっくり、日曜の朝が始まろうとしているのだった。

おわり

乙

読んでくれてメルシーです。
SS書いてると、なんだかわからないけど、申し訳ない気持ちになってくる・・・
でも他のものは書けないから、今夜もこんな感じのを書いていきます

『男岳、はるか』
　郊外にあるアウトレットモールで、蜂須賀エドワードは特に目的もなくブラブラ
と店舗を覗いては暇つぶしのネタを探していた。
（今更オシャレするでもねえし・・・なにか、体を動かすモンでも見にいくか）
エドワードはモールの中でもかなり大きな店舗を構えるスポーツ用品店に入り、自
転車やスポーツウェアを物色し、ふと目についたロッククライミング用品の棚の
まえで歩みを止めた。
（壁登れたらカッコイイだろうな・・・運動不足の俺にはハードルが高いが・・・
でも、誰だって最初は初心者だし、思い切って挑戦してみるか・・・）
エドワードが顎を撫でながら「うーん・・・」と唸っていると、若い女の店員・森
マルグリットが彼に声をかけてきた。

「何かお探しですか？」
エドワードは少し照れながら、
「あの・・・ロッククライミングにも興味はあるんですが・・・ちょっと、オナホ
にも興味があるかなー・・・的な。どっちも初めてで、何から揃えたらいいかわか
んないですよ」
と思わぬカミングアウトを店員に告げた。
マルグリットはハッと息を飲むと、頬を赤らめながら
「えっ・・・ええっと！あの、では、二つを同時に楽しめる、オナホクライミングは
いかかでしょうか？お店の奥に練習用のオナホマウンテンがありますので、挑戦し
てみますか？」
「オナホマウンテン？」
エドワードは困惑した。

「では、こちらに来てください」
マルグリットに誘われ店の奥に進むと、そこに巨大な人口の岩山がそびえ立ってい
た。命綱をつけた男たちが数人、岩山にしがみついている。
「これ、ロッククライミングの練習用のやつじゃないの？」
エドワードの質問に「試しにマウンテンを触ってみてください」とマルグリットは
得意気に答えた。言われるままに岩山に触ったエドワードは、
「ん？これ、シリコン？」
「そうです！この山は、巨大なオナホなんです！」
マルグリットはにっこり笑った。

「ロッククライミングしながら男たちがシコれる、夢のアクティビティなんです！
ほら、みんな好みの穴を見つけて突っ込んでるでしょ」
見上げると、ただ壁にへばりついているだけに見えた男たちが、ちょっとズボンを
下ろして下腹部をあらわにし、叩きつけるように腰を岩壁に対して振っているのが
エドワードにもわかった。時々、男たちの「うあぁッ！」や「きゃうぅんッ！」と
いった嬌声が二人のいるところにまで聞こえる。
「所々に、登るための出っ張りと、突っ込むための穴があるんです」
「そんな・・・山で抜くのか？」
戸惑うエドワードの背後から、
「さよう。山は男たちの想いを受け止める。そこに山があるからシコる・・・先人
たちの教えじゃ」
と初老の男が二人に近づいてきた。

「ああ。この人は日本オナホクライミング協会会長の小金丸ドミニコさん。この店
でアルバイトしているの」
マルグリットがエドワードに男を紹介した。ドミニコは、
「若いの、この山に登ってみんかね？なあに、命綱はある。死にはせんよ」
ニヤリ、挑発するようにエドワードを見つめた。
「・・・ああ。でも、この山って皆が使うんだろう？他の男が使った穴を洗いもせ
ずに、突っ込むのか？」
「ふふん。若いの。山はビッチであり処女であり清純なお姉さんでありイタズラな
妹でもある・・・男の数だけ、山は女の顔を持っておるのじゃ。ヌシがその穴を処
女と思えば、それはバージンホールじゃ」

「じゃあ・・・穴に出されたリビドーはどうなるんだ？」
「それはですね」マルグリットが二人の会話に割り込んできた。
「山の中枢にあるポルチオ空間に溜められ、満タンになった時に、山の頂上から噴
火する仕組みになっています。ザーメン大噴火です」
「・・・なるほど。これは相当危険なスポーツらしい。やってみよう」
エドワードはあんまり考えることもなく、命綱を付けてオナホクライマーとなり、
山へ挑んだ。
手を伸ばし出っ張りをつかみ、体を引き上げると、腰の付近の壁に穴がくるように
設計されているのがエドワードにわかった。

（ほほう・・・登る者の背格好が違えば、自然、突っ込む角度も違う。なるほど。
男の数だけ山は女の顔を持っているというのは本当のようだ）
エドワードは体を安定させる出っ張りと、リビドーを満足させる深淵を探りながら
岸壁を少しずつ登った。
ある地点に来たとき、エドワードの動きがピタリと止まった。
（なっ・・・なんだこの穴はッ！きっつきつでありながら、まったりと吸い付いて
くる！君は幼女なのか、それとも妖女なのか？）
エドワードは全身で岸壁にへばりつくと、激しく腰を動かした。

（ああッ、山よ！こんなに偉大でありながら、これほど小さな穴で・・・！穴で・
・・俺を・・・俺は・・・ッ！うあああああああーーーーーッ！）
本能に任せ、山に腰を打ち付けているエドワードを見上げながらドミニコはほくそ
えんだ。
「ククク・・・どうやら彼も、この山の難所である幼女の窪みに捕まったようじゃ」
「ええ。山は魔性。ビギナーの彼には、まだ頂きは見えないでしょうね」
マルグリットは妖しく微笑んで、自らの胸をまさぐった。
（ふふふ・・・お客様、この山の頂点はビーチクの形をしているんですよ？）

彼女の背筋に、ゾクゾクッと、寒気にも似た快楽が走った。
自分が見透かされているとも知らず、エドワードは、山に全てを叩きつけた。
「く、くきゃあぁーーーッ！」
悲鳴とともに、エドワードは岸壁から滑り落ちた。
山の中腹。命綱が張り、彼を宙に留める。
何も考えられない頭の中で彼は、何かがわかったような感覚に浸っていた。
彼の目には、人口の山の頂点のさらに高く、ガラス張りの空が青く輝いているのだ
けが映っているのだった。

おわり

おつ、相変わらずカオス。
昨夜の話は電車の中で読みづらいのが難点。
一昨日の話は純粋に面白い。
あと名前のセンスに憧れる。

すげーなその才能をクレ

『レストリントの花畑』


「こんにちは。とても良い花ですね」
私がそう彼女に話しかけると、女は微笑んだまま、
「はい」とだけ言った。
いや、風の音だったかもしれない。
彼女の声が、余りにも細く、小さかったからだ。
もう一度何か話しかけてみよう。ためしに私は、「あなたはいつもそうやっているのかい？」と訊いてみた。

彼女は微笑んだままだ。
何も言ってくれない。

「花が好きなのかい？」私はまた質問をしてみた。

彼女は微笑んだままだ。
どうしたものだろう。

彼女は一体、何の目的でここにいて、何の理由があって微笑んで、何の意味があって私の質問に答えないのだろう。

「あなたは、なにをしているの」

彼女が口を開いた。
私は答えられなかった。

おわり

『バナナ』

「なあおじさん。バナナいるかい」
街路でそう訊かれた。十三もいかない少年。
「ごめんよ。おじさん今はバナナ中毒でな。医者に止められてるんだ」
「ふーん」と少年は言って、少し悩んだ表情になった後、
「じゃ、これはマンゴーだ。それなら大丈夫だろ」
「こんなマンゴー見たことない」
「細長くて曲がってて黄色くて房で繋がってて皮が美味しくないマンゴーなんだ」
「そうか」ならいいだろう。だってこれはマンゴーなのだから。
私は少年に言われた数だけの金をきっかり渡し、バナナに限りなく良く似たマンゴーを一房家に持ち帰った。

時刻は午後五時二十六分。家に着いた。
私はひとまずマンゴーを電子レンジの上に置いておき、シャワーを浴びることにした。
シャワーを浴び終えた後、私はひどく安物の赤ワインと一緒にマンゴーを食べた。房から外すとき、マンゴーの汁が電子レンジに垂れた。
ワインを飲み終えマンゴーを食べ終え、ワインとマンゴーは相性最悪だなと思っていると、私の携帯電話が電話の着信を知らせる通知音を鳴らした。
応答すると、電話の相手があの少年であることが分かった。

「ねえおじさん。もうバナナは食べたかい」
「何を言っとるんだ。あれはマンゴーだろう」


おわり

影響されて

『タバコ」

イタリア某所

マフィアのボス

クルトンーzーエルー

彼は無類のタバコ好き、

「おいタバコだせぇ」

「へいボス」

yー

「いいねえこの煙この匂いフィルターの感じマフィアのボスって感じだないやぁいいねえこの匂いこのボス感俺威張っているぞみたいな葉巻もいいけどタバコがいいねえ
タバコは俺が下っ端だった時に一日一本だけだったよいつも間にかボスになってさ葉巻も吸ったけどやっぱりタバコいいねえ
熱っ」
クルトンーzーエルーはタバコを見たタバコはとっくに燃え尽き、手が焼けていた

彼は火傷はこの世で一番嫌いだ

「うわあああああああああ火傷ああああああああ」

彼は暴れ精神病院に担ぎこまれた


しばらくして彼は退院した



彼はタバコ型チョコレートを加えていた


終わり

『梅雨』


「雨降ってるよ。教室、戻らないの？」
「おめー戻ればいいじゃん」
「わたしはいいの。別に濡れても」
「よくねーだろって」
「どうして？」
「風邪引くし……それに……」
「濡れたらシャツが透けて下着が見えるから？」
「んなこと言ってねーだろ」
「でも、間違いじゃない」
「そーだけどよ…」
「あなたはどうして雨の日の昼休みに屋上なんかに来るの？」
「それはこっちの台詞だろ」
「わたしは、電波を受信してるの」
「はぁ？」
「電波がね、飛んでくるの。びびびーって」
「ふーん」
「だからね、わたしはここで電波を受信してるの。晴れの日も、雨の日も」
「じゃあ俺は電波を送信しにここに来た」
「晴れの日も、雨の日も？」
「曇りの日も雪の日もだ」

「わたしたち、合いそう？」
「最高にな」
雨があがった。

『シンフォニア・エロイカ』
　夏が近づくと空の青さが強く感じられるようだ。
沼田家の二階ヴィクトリアの部屋で、浮遊霊のジョゼフィーヌ高島はヴィクトリア
の机に腰掛けて窓の外を眺めていた。
（なんとなく、出て行きそびれちゃったな・・・）
ジョゼフィーヌが宛てもなく彷徨っているのに理由はない。同じように、今ここに
いるのにも理由はなかった。いや、あるのかもしれない。
（暇だな・・・早く帰ってこないかな）
一階から、扉を開ける音と「ただいまー。今日蒸しあつーい」という声が聞こえる
と、それまで物憂げだったジョゼフィーヌの表情に僅かな喜びの色が浮かんだ。
トントントン・・・
軽やかな足音が階段を上り、部屋の前で止まった。

ドアを開けて部屋に入ってきたこの部屋の主にジョゼフィーヌは
（おかえり）
と言った。
「ただいまー」
ヴィクトリアは返事をするとバッグを机に置き、制服を着替えようとネクタイを緩
めはじめたが、
「えっ？」
と、手を止めて自分以外誰もいない部屋を見回した。
（あれ？誰かただいまって言ったような・・・空耳？）
数秒考えてから「ま、いいか」と気を取り直したヴィクトリアは、ショートパンツ
とTシャツに着替えてベッドに横になりスマホに指を走らせた。
ジョゼフィーヌは机からふわりと離れると、宙に横になってヴィクトリアの隣に浮
かび、一緒にスマホを覗いた。

その数時間後、夕食の為に一階に下りていたヴィクトリアは部屋に戻ると、カバン
から化学の教科書とノートを取り出して机に向かった。
（勉強するの？）
ジョゼフィーヌは机の斜め上の空中にふわふわと浮かびながら寝そべり、ヴィクト
リアに聞いた。
「うん」
ヴィクトリアは小さく答えた。
（ちょっとつまんないなー）
口を尖らせてヴィクトリアのノートを覗き込んだジョゼフィーヌは、そこに予想だ
にしなかった物を見た。

ヴィクトリアは真っ白なページの下部に小さな凸のマークをひとつ描くと、その真
下に「ヴィクトリア」と書いた。
そして、自分の名前をつけた凸の上に、大きめの凸を横並びに三つ描いた。さらに
ページの上部に、大きな凸に向かい合う形で同じ大きさの凸を三つ描き、その上に
下を向いた小さな凸を描いて「フリードリヒ」と名前をつけた。
それは、それぞれヴィクトリアとフリードリヒを大将に据えた軍隊の配置図である
らしかった。
（・・・なにこれ？）
「恋は戦いなの。ヴィクトリアは常に恋の優位に立ちながらフリードリヒを翻弄す
るのです」

そう言うとヴィクトリアは向かって左側のフリードリヒの軍隊を消しゴムで薄く消
して少し後方に書き直し、自分の左翼の軍隊から大きな矢印をそこに向かわせた。
「フリードリヒったら、高校生にもなってもまだ子供っぽさが抜けないんだから。
右翼が手薄よ！」
（ええぇ・・・？この娘、なにしてるの・・・？）
「相手の弱いところを徹底的に叩く！非情な戦いの鉄則なのです」
ヴィクトリアは自分の中央の軍隊からも、フリードリヒの右翼に向けて矢印を伸ば
した。
さらにヴィクトリアは自分の凸の横に「禁じられたKISS」と書くと「うへへ・・・」
と気持ち悪く笑った。
その時、ヴィクトリアのスマホがメールの着信を鳴らした。

「うん？」
ヴィクトリアがスマホを手にとった隙に、
（だったら中央突破で）
と、ジョゼフィーヌはノートの上に置かれた鉛筆を手にしてフリードリヒの中央
と左翼の部隊からヴィクトリアの陣形の中央へと矢印を描き込んだ。
「数学の教科書学校に忘れちゃって宿題できない。見して」
メールは、今まさに机上の空論で打ち破ろうとしていた相手からのものだった。
ヴィクトリアは「へへ・・・」と嬉しそうに笑ってから「写メ送ろうか？うちに来
るんだったら貸してあげてもいいけど」と返信してスマホを下ろし、ニヤケ顔を再
びノートに向けた。

「・・・アッ、アウステルリッツ！」
ヴィクトリアは叫んだ。さっきまで優位に見えた恋の戦いは、1805年にナポレオン
が劣勢を覆した戦いと同じ様相を呈していたのだった。
「あああ、いつの間に・・・」
ガクガクと肩を震わせるヴィクトリアに追い討ちをかけるように、フリードリヒか
らの返信メールが届いた。
「おう、今から行くよ」
「あううううううううッ！ヴィクトリアは、万全の準備をしてから恋の戦いに臨み
たいのです！今告られたら、絶対堕ちちゃう・・・負けちゃうよォ・・・だめ、だ
めだめ・・・こんな奇襲攻撃、絶対だめ・・・」
ヴィクトリアは一人悶えながら「いいよー」とフリードリヒにメールを返した。

（おもしろい娘だなー）
ジョゼフィーヌはクスクス笑いながらヴィクトリアを見ていた。
10分程経過して「いま家の前にきたよ」とフリードリヒのメールが届いた。
ヴィクトリアは頬が緩みそうになるのを必死に我慢しながら数学の教科書を手に、
部屋を出て行った。
ジョゼフィーヌは上半身だけ窓ガラスを通り抜けさせて外に見を乗り出し、表を
見下ろした。玄関先、現実の恋の対峙がそこにあった。
「サンキュー、助かったよ」
「もう、フリードリヒはドジなんだから！右翼弱いんだから！」
「なに？」
「なに、じゃないが！右翼弱い癖に中央突破なんか、生意気なんだから！」
「なんだかよくわかんねーけど、お礼に明日なんかおごるよ」
「あ・・・じゃあ、ミルクティー・・・」
「わかった。じゃあ、明日学校で！」
「う、うん！」
二人は手を振ってわかれた。

一部始終を見終えたジョゼフィーヌは机に戻り、ノートに消しゴムをかけ、陣形の
大幅な修正を行った。
「えへへ・・・ミルクティー、すけべティー」
と独り言を言いながら部屋に戻ったヴィクトリアは、ノート上の戦いが驚愕の戦況
を迎えているのを発見した。
多数の小さな凸が中央を向いてぐるりと円を描き、その円の真ん中にヴィクトリア
の名を冠した凸が座し、それにフリードリヒの凸が背後から
「もうはなさないぞー！」
と吹き出し付きでくっついていた。
「アーッ！」
ヴィクトリアは悲鳴を上げて顔を真っ赤にし、わなわなと身を震わせた。そしてガ
バッとノートを手に取ると部屋を飛び出して隣のサロメアの部屋に行き、
「お姉ちゃん、これはなにかー!？」
と声を荒げた。

「はい？」
「はい、じゃないが！ヴィクトリアに公開立ちバックはまだ早すぎます！」
「はい？」
「はい、じゃないが！お姉ちゃんが勝手に描いたんでしょ！これ！」
「なに？・・・あら、素敵じゃない。じゃあお姉がフリードリヒを後ろからこう、
攻めるね。三人が一直線のライン同盟。フフ、彼ったら全部失っちゃうわね」
「アーッ！それは本当のアーッ！」
ジョゼフィーヌは隣の部屋から届く姉妹の会話を聞きながら、
（・・・しばらくこの家にご厄介になろう）
と決心するのだった。

おわり

『ジェトストリームアタック』
　新緑が鮮やかな山間の別荘地で、セレブの大日向テオドラは朝食後に一人で散歩
をしていた。彼女を別荘に連れてきた夫は、彼女を残しゴルフに行ってしまったの
だ。
（なにも旅行に来てまでゴルフなんかしなくても・・・）
木漏れ日の中をトボトボと歩き、時々足を止めては鳥の鳴き声に耳を澄ませる。
（ふう・・・ウンコしたくなってきた・・・）
別荘から随分歩いてきてしまった。腹部からの緊急信号が、別荘に戻る時間の余裕
が無いことをテオドラに告げている。
（時期はずれで平日だし、誰もいないよね？）
テオドラはあたりを見回して人気がないことを確認し、道の脇の、腰ほどの高さの
土手を登って草むらに入った。

（いつも便秘気味なのに、なんでこんな時に・・・もうッ！）
腰を下ろし、焦りながら用便を済ませようと腹部に集中したその時、テオドラの肛
門に何かが当たった。
テオドラが顔を伏せて覗きこむと、季節はずれの、規格外の大きさのツクシが大地
から伸び、テオドラの情熱の発射口を塞いでいた。
（おお・・・なんてことなの！さっき見た時ははえてなかったのに！しかもこんな
に大きい！主人のよりも・・・ええ、ダメ！そんな事を考えてはだめ！）
テオドラの自制心をあざ笑うかのように、ツクシは更なぬ成長をして、テオドラの
発射口を押し開き、体内に侵入した。
（ふっ・・・ふおぉぉぉッ！）

テオドラは思わず声を上げそうになり、両手で口を塞いだ。「ゴブッ！」透明の液
体が口から飛び出し、指の間から飛んだ。
（自然って凄い！でも、私の本能も負けないわよ！）
テオドラは力んだ。彼女の体内で、天に登ろうとする成長の意思と地上に舞い降り
ようとする天使がぶつかりあった！
「こなくそ・・・ッ！」
食いしばった歯からよだれと気合いの声を漏らしながら力を込める。
大地からの使者が、ググッ・・・ググッ・・・とテオドラの体内で蠢いた。
（もうすぐ夏が来る・・・君は、君はやって来るのが遅すぎたのォーッ！）
「ズギューンッ！」

ついに、テオドラの体内で臨界点に達した熱は、ツクシを粉々に打ち砕きながら
発射され、大地に突き刺さった。
「ほおォ・・・」
テオドラはブルブルと身を震わせた。柔らかな風が頬を撫でるのを感じた。
（さよなら。・・・また、来年！）
さみしげなウィンクを春の墓標に投げかけて、テオドラは草むらを去った。
テオドラのこぼした一粒の涙が風にくだけ、木漏れ日に照らされて小さな虹を作り
ながら消えていった。
夏が、来る。

おわり

「更なる」が「更なぬ」になってぬ・・・

あああああああああああ！寝る！

凄い話だ…

シュールだなぁ

鴉が泣いている
決断は遅過ぎた…？
もう間に合わないかもしれない

階段を駆け上る音がする
怒声
ドアをこじ開ける音

ドアを開ける
居た
間に合った

息を荒げた彼奴が居る
隙だらけだ
でも俺は

此方は好きだらけな事に築く
あわてて体制を立て直すが
彼方は動く気配を見せない

ゆっくりと構え
鍵を投げる
もう要らない

もう彼奴は死にたいのかも知れない
ゆっくりと
銃を構える

銃口が頭に向く
数秒後には死んでいるんだろう
実感がわかない

深呼吸をする
ゆっくりと引き金を引く
銃声が鳴り響く

終
何か出来た

『冬』

十二月が来た。
北の国で冷されすぎた風が、寒々しい灰色の空を駆けて行く。
僕は白い毛布に包まれた猫の死体を抱いて、森まで行くところだった。

この猫は今朝死んだ。いや、昨晩遅くかもしれない。
とにかく、朝僕が起きると猫は死んでいた。
だから僕はこの猫を埋葬するために森へ行くのだ。

森に来た。
市街地よりも寒さや寂しさが強調されたように思えるそこは、まさに猫の墓地というには相応しい場所だった。
僕は猫と一緒に持ってきたシャベルで穴を掘り出す。腐葉土の匂いが立ち上がってきて、何故か僕は泣きそうなった。
それでも掘り続けて、やっと猫の墓穴が完成した。

僕は猫を毛布──この猫のお気に入りの毛布だったのだ──に包んだまま穴の底にそっと置き、土をかける。

かけ終わり、シャベルで土を平らにして、猫の埋葬が完了した。
風が吹き、髪をなびかせる。
その風の中に、猫の魂もいるのだろうか。
僕は家に帰るため、森を去る。
もう二度とこの場所には来ないと思う。

猫は死んだ。だが僕はこれからも生き続ける。

ここは豪雪地帯だから、すぐに町は雪に覆われるだろう。
冷たく儚い雪たちが、何もかもを白く埋め尽くしてくれる。


全てを白く包んで。

終わり

静かで綺麗な話だった。おつ。

『ライド　オン　タイム』
　雲の上は非日常の世界だった。
黒島ベレンゲラは窓の外の雲海を眺めて目を細めた。耳に差し込んだイヤホンから
ジャズが聞こえる。
羽田空港から福岡空港まで、一時間半の空の旅だ。
（少し眠ろう・・・）
外を見るのを止めて目を閉じたベレンゲラであったが、彼女が眠りに入ることをCA
の緊張を孕んだアナウンスが許さなかった。
「機内に、お医者様はいませんか？」
（ああ・・・誰か体調の悪い人でも出たのかしら？こういう場面って、テレビでし
か見たことないな・・・）

アナウンスの為だろう、機内放送のジャズは止まってしまっている。
目をつむったまま耳だけで成り行きを聞いていたが、どうやらお医者様はいないら
しい。CAの呼びかけに答えるものはなかった。
「お医者様はいらっしゃらないのですね!？・・・では、航空機のパイロットはおら
れませんか？」
機内の乗客がわずかにざわついた。医者の次にパイロットである。体調の悪い当事
者が誰であるのか、想像に難くない。
（おう・・・これは洒落にならない展開）
ベレンゲラはまだ目を開けず、耳だけを澄ませた。
「パイロットもいないのですね・・・では、探偵の方はいらっしゃいませんか？」
（探偵？）

ベレンゲラが目を開くと、ちょうど前の座席の乗客が手を挙げてるのが目に映った。
「はい。僕、探偵です」
それは、まだ小学校低学年らしき男の子だった。
「見た目は子供ですが頭脳は大人の、エドガー・コナン・ポウです」
「ああッ！良かった、探偵さんがいらっしゃった！」
CAの武部レオノラは張り詰めていた表情を一瞬緩ませると、続けて、
「それでは、後、風俗嬢の方はいらっしゃいませんか？ファッションヘルスとかソ
ープとか、売春婦の女性はいらっしゃいませんか？」
度重なる衝撃のドラフトに乗客達は言葉を無くしていたが、
（あっ・・・私だ）
とベレンゲラは手を挙げた。

「はい。私、ヘルス嬢です」
「すみません！では、探偵さんとヘルス嬢さん、こちらにお願いします！」
レオノラはコナンとベレンゲラを飛行機の操縦室に案内した。
「大変なことになっているんです！とにかく、見てください！」
二つ並んだ操縦席の右側で、激しい勃起をして身動きが取れなくなっている正パイ
ロットの袴田ロングスウォードが「あ・あ・あ・・・助けてぇ・・・」とか細い悲
鳴を上げていた。そしてその隣、左の操縦席で副パイロットの沢木チャンドスが頭
部から血を流して死んでいた。
「ねっ！事件でしょう？」
レオノラは自信満々に言い放った。

「なるほど・・・副パイロットが頭部を射殺っぽい事をされて正パイロットは勃起
している。では、ここはどうなっているのかな？」
コナンは左手をレオノラのスカートの中に突っ込んで巧みにまさぐった。
「はうぅッ！」
レオノラが悲鳴を上げて腰を落とした。
背後での人々のやり取りも耳に入らないほど、この旅客機のパイロットは追い詰め
られていた。
「たすけて・・・ちんちんが、ぼくよりもおっきだよォ・・・」
ロングスウォードの嘆願にベレンゲラは「しょうがないわね。お代はいただくわよ」
と髪をかき上げて操縦席の横に屈み込んだ。

「・・・パイロットさん、ずいぶん巨根ね！でも大丈夫。私、アナコンダでも飲め
るから」
そう言うとベレンゲラはそそり立つバベルの塔をがっぷり四つ、咥えた。
（ほう。殺された副パイロット、顎のしたから頭頂部にかけて撃ち抜かれている。
しかも、ズボンの前をがっつり開けてチンコ丸出しで、だ・・・これは何かあるぞ）
コナンは激しく手マンをしながら推理を巡らせた。
「ああ・・・あああ・・・探偵さんったら、子供なのに上手ぅ・・・」
レオノラの呼吸が早くなってくる。
（そいや！そいや！・・・探偵の坊やも、やるわね！でも私もプロ。坊やがCAを堕
とすよりも早く、パイロットさんをスパークさせるわ！えいやッ！）
「ひぎゃあ！らめぇぇぇぇぇッ！」
ロングスウォードの悲鳴もこだまする。
操縦室はすえた臭いと男女の淫靡な吐息で満たされた。

（これはまいった。この事件は迷宮入りかもしれない・・・おや、これはなんだ）
案外早い段階で事件解決を諦めかけたコナンだったが、床に落ちている茶色い瓶を
見つけたことで次の推理に移ることができた。
（これは！精力増強界のファイナルエリクサーと言われる、νバイアグラじゃない
か！飲めば射精がワルサーP38並みの威力で放たれる、伊達じゃない魅惑のドーピン
グがここにあるってことは・・・つまり、どういうことなんだってばよ？）
コナンは考え込んだ。その横で、レオノラはいよいよ快楽の波に飲み込まれ、
「あはっ・・・あへっ・・・あへぇ・・・」
とお嫁に行けなくなっちゃう系の表情を浮かべている。
（そうか！わかったぞ！）
謎が解けたコナンの左手がフレミングのアレを形作り、レオノラのメスの全てを開放
した。
「あへえぇぇぇぇぇッ！」
レオノラは絶叫した。

コナンは自らの左手がレオノラの情熱の滝に打たれるのを感じながら、穢れ無き右
手をベレンゲラの後頭部に伸ばしてその後ろ髪をつかむと、
「危ない、死ぬぞ！」
と彼女の頭をロングスウォードの聖剣から引き剥がした。
「スポンッ！」
思わぬ吸引力をその身に受けたロングスウォードは、
「ごめんなさいーッ！」
と叫びながら宇宙（テラ）へ向けて地上の星を放った。
ロングスウォードの星は、「バキューンッ！」と鋭い音とともに、操縦室の天井に
風穴を開けたのだ。
（やっぱり！この二人は、νバイアグラを飲んだんだ。そして、激しい勃起に耐え
切れなくなった副パイロットは仕事中であるにも関わらずシコって、自らの頭部を
自分の射精で撃ち抜いて死んだのだ。正パイロットはぎり操縦桿を握っていたから
シコらずに済んだってわけだ・・・）
コナンはレオノラの愛に濡れた左手をべロリと舐めた。

「中洲で・・・中洲で、暴れまくろうって・・・約束したんだ・・・」
ロングスウォードは隣で冷たい屍になっている副パイロットのチャンドスを見つめ
て涙を流した。
「福岡に着いたらトンコツラーメンと風俗のネギま、で2泊3日だって。チンコの
先からトンコツラーメンが出るまでやろうって、約束したんだ」
ベレンゲラはすすり泣くロングスウォードの頭を優しく抱きしめながら、
「チンコの先から麺が出たら、人間終わりよ・・・」
とつぶやいて、彼の額に柔らかなキスをした。
操縦室の天井に空いた穴から激しく空気が漏れ出し、操縦室全体をミシミシと軋ま
せている。
福岡まではまだ遠く、空はどこまでも広がっているのだった。

おわり

乙

『雨は眠らない』
　梅雨入りを告げる雨音がアパートの壁を叩いている。
もう午前10時だというのに灰色の重い雲が日を遮り、外は薄暗かった。
警備員のバイトの夜勤明け、眠気と疲れが湯川ディーンの体を重くしている。
（明日は休みだから、ちょっといつもより弾けるか・・・）
ディーンは冷蔵庫から発泡酒を取り出して一口飲むと、15年以上前から使っている
ヴィクターのステレオの再生ボタンを押した。
木製のスピーカーからシュガーベイブのダウンタウンが流れ出す。
お気に入りの曲に合わせて鼻歌を歌いながら、ディーンはクローゼットから白いワ
ンピースを出し、汗の染みこんだ警備員の制服を脱いで着替えた。
ワンピース姿になった自分を鏡で確認する。
（・・・今日も綺麗だ。素敵だぞ、俺！）

気持ちと共に鼓動も高まる。わずかに、アルコールが血液中に染みたようだ。
ディーンはテレビの横に無造作に置いてあった赤いバラの造花をつかみ、ベランダ
に出た。ディーンの部屋は、4階建て鉄筋コンクリートのアパートの3階で、目の前
は細い通りに面している。
雨の中、傘を差した人々がまばらに歩いていく。それを女装したディーンはバラの
造花を手で弄びながら、時々発泡酒を飲み、見下ろすのだ。
時々、ディーンの存在に気づいた通行人がちょっと驚いた表情で彼を見上げるが、
すぐに視線を外して何事もなかったようにするのがディーンには可笑しかった。
（あらあら・・・シャイなひと！もっと私のこと、見つめてもよろしくってよ！）
ディーンは妖しげな笑顔を浮かべて、バラの造花を口元によせ、無機質な花びらに
キスをした。

背後では、ステレオが次に入れておいた山下達郎の高気圧ガールを流している。
雨と、日本が世界に誇るポップの巨匠が紡ぐメロディと、安い発泡酒と、非日常的
に美しくなっている自分が一体となった世界にディーンは酔いしれた。
恍惚がディーンの体の一部を熱く膨張させる。
（いけない！こんな、みんなに見られてしまう場所で、スカートの下でおっきして
しまうなんて、はしたない・・・ディーン、はしたない娘・・・ッ！）
背徳が電気の様にビリビリと肌を走る。
雨のフィルターがかかった世界をうっとり眺めていたディーンは、向こうのアパー
トのベランダから、双眼鏡で自分を見ている男がいるのにふと気がついた。
男は、左手に持った双眼鏡でディーンを見ながら、右手を体の中心線の下部に伸ば
し、ガッツリ、していた。

（まあ、いけないひと！これって、素敵な木曜日・・・じゃない？）
ディーンは左手に持っていた発泡酒の缶をベランダの床に置くと、空いた左手でワ
ンピースのスカートをたくし上げた。パンツははいていない。
（うふふ・・・ご褒美よ。私をオカズに、好きなだけブランチなさい）
男が、遠目にもわかるほど激しく痙攣し、やがてうずくまって動かなくなった。
ディーンはバラの造花をベランダから放り投げると、くるりと踵を返して部屋に戻
り、ベランダの窓を閉めた。
（雨が貴方のこぼした情熱を、洗い流してくれるのでしょうね・・・）
遠く、雨音にかき消されながら「ごちそうさまでしたー！」という男の叫び声が聞
こえた。

（いいえ。お粗末さまでした）
ディーンは心の中で返事をして、ワンピースを脱いでそれを床に広げると、全裸の
ままスタンディングで一人おいたして、ワンピースにBUKKAKEた。
（良かった・・・この世界に、私は、一人じゃないんだ）
ディーンは泣いた。
ステレオから口笛のメロディーが流れている。
東京スカパラダイスオーケストラの「君と僕」だった。

おわり

自分でも何をどうしたいのかさっぱり分からない・・・YouTubeで音楽聴いて、寝よう

相変わらずカオス

おもしろ杉ｗｗｗｗｗｗ

『十九歳の誕生日』


約束してたのに、彼は来なかった。
雨の降る日曜日。
ひとりぼっちの日曜日。
身体中ぐっしょりになってマンションに帰る。今の私にはお似合いだ。
自分の部屋に帰り、服を脱ぐ。
シャワーを浴びようと思ったが、このまま冷たくなって死ねればいいなという考えがよぎったので、そちらを選択することにした。
どうせそんなことで死ねやしないが。
わかっている。わかりきっていることだ。最悪、熱を出して一日二日寝込むくらいだ。
それにしてもどうしてだっけ？
どうしてこんなにも、悲しいんだったっけ？

……そうだ。約束の時間に……
約束の時間に彼が来なくて……。
それから二十分待っても来なくて……。
メールをしても返信がこなくて……。
電話をかけても繋がらなくて……。
仕方がなくて帰ったら……
帰り道……そう、帰り道に……。
彼が、別の女と一緒に歩いてて……。
つい隠れちゃって……。

彼と女の会話が…………

…………。
………。
……。

…捨てられたんだ、私。

『ねえ、そういえばあんたさぁ、今日別の女と約束してたんじゃなかったっけ？』
『あー、あいつ？いいじゃん別に。もう飽きてきたしさぁ』
『あははは。浮気男ー』
『いいじゃねえかよ。俺にはもうお前しか見えないんだからさぁ……』

……私のどこがいけなかったんだろう。
……私のどこが………。


「死にたいな……」
でも本当は、死にたくない。

雨は何も流してくれない。
あの光景も、あの時間も、今までの時間も、私の記憶も、私の悲しみも。

終わり

泣いて良いですか

悲しいお話だったので、その反動を

『ギリシアの乙女』
　日曜日、ヴィクトリアの家に遊びに来た醍醐エルジューベッドは、ヴィクトリア
に続いて彼女の部屋に入るなり
「あれ・・・この部屋、何かいる・・・」
と不吉な感覚を口にした。
「え？何かいる？」
ヴィクトリアはキョトンとした。
「うん。なんか、こう・・・視線を感じるっていうか・・・」
エルジューベッドは不安そうな顔で部屋を見回した。
ヴィクトリアは、痩せ型の自分とは違う、エルジューベッドのややぽっちゃりとし
た体型が何か関係していると思った。
「エルジューベッドは、男の子が好きそうな体してるから感じやすくって、誰もい
ない空間にも男の子の視線感じちゃうんだね！」
そう言って、エへへ、とヴィクトリアは笑った。

「エルジューベッドったら、すけべっちだね！」
「・・・そんなこと意識してないけど」
「えー。おっぱい大きいし、絶対見られてると思うよ」
ヴィクトリアはエルジューベッドを座布団に座らせると自分も座り、テーブルにジ
ュースやお菓子を広げながら言った。
「太ってるだけだよー。ヴィクトリアこそ、スレンダーでスタイルいいじゃん」
コンプレックス混じりながらも自分の魅力だと自覚している部分を褒められ、まん
ざらでもないエルジューベッドが謙遜しながら褒め返すと、ヴィクトリアは
「ぅうーッ！もっと褒めて！」
と自分の肩を抱きしめながら体を左右に揺らしつつ、横にバタリ、転がった。
目の前でゴロゴロ転がり、自らをセルフ抱きしめしながら悶えつつ
「この細っそりした抱き心地が・・・ちょっ、苦しいよォフリードリヒ・・・」
と、あっち側の世界に行ってしまっている友人を見つめながら、
（人を招待しておきながら、なんて自由なの？私はどこまでついて行けばいいの？）
と、エルジューベッドは困惑した。

（いつもこうよ。この娘）
浮遊霊のジョゼフィーヌは彼女たちの間に腰掛けて、輪に加わった。
「えっ、えっ？」
（いらっしゃい。ここに居候させてもらってるジョゼフィーヌです）
エルジューベッドに、自分に対面で座る半透明の若い女が見えた。
「ええぇああああああ！」
悲鳴をあげてエルジューベッドがのけぞると、ヴィクトリアは起きて座り直し、
「どうしたの？可愛くない悲鳴上げて？」
と不思議そうな顔をした。
「いやいやいや、いるいる！ここに、ここにいるっしょ!」
エルジューベッドはジョゼフィーヌをブンブンと指差して答えた後、ふと気づいて
「可愛くないってどういうことだ！」
と侮辱されたことにもきちんと怒った。
「ふっふっふ、可愛い悲鳴とはこうなのです」
ヴィクトリアは両手を可愛らしく口元に当てぎゅっと目を瞑り「ふあぁぁぁッ！」
と叫んだ。彼女の渾身の、可愛く怖がる女の子、だった。

悲鳴を終えてから、うっすら目を開けたヴィクトリアは、エルジューベッドと半透
明のジョゼフィーヌの冷めた表情をそこに確認した。
（あら・・・女子ウケが悪い。修正の余地がありそうなのです。・・・えっ？）
「だれ？」
（なによ。いまさら自己紹介なんかしないわよ）
驚くヴィクトリアにジョゼフィーヌは不本意そうに答えた。
恐怖と驚きに固まって動けなくなった二人を尻目に、ジョゼフィーヌはテーブルの
上に置かれたお菓子を手で弄びながら
（お供えしてくれないと、私食べれない・・・）
と悔しそうに言った。
その時、部屋の扉がノックされた。
「ヴィクトリア、ちょっといいー？」
そう言って部屋に入ってきたサロメアは腰を抜かしているエルジューベッドに「あ
ら、お友達来てたのね、めんごめんご」と笑顔を見せて、
「はいこれ。私の描いたエロ同人誌、最新作だよ」
とジョゼフィーヌに薄い本を手渡した。

（ありがとう！楽しみにしてたの！）
「どういたしまして。今回はついに劉備が三顧の礼で迎え入れた諸葛亮とベッドで
水魚の交わりして、それに嫉妬した関羽と張飛が禁断の共食いしちゃう濃い内容だ
からジョゼにはちょっと刺激強いかも」
（うわあ！あの二人はぶつけちゃいけない組み合わせだよね！サロメアったら、無
茶っ子なんだから！）
「うふふ。漫画に対する批評は、PNのらかん☆ちゅー宛でお願いね」
姉と幽霊の和やか、かつ不純な会話を目の当たりにしたヴィクトリアは、
（幽霊が部屋にいる事と、お姉ちゃんが怪しげな漫画を描いている事実！ヴィクト
リアは、同時に二つのエマージェンシーに対応できません！）
と思考ぐるぐる、混乱した。
「あっ・・・あっ！らかん☆ちゅー先生ですか!？私、先生のファンです！」
それまで腰を抜かして動けないでいたエルジューベッドが突如、サロメアに向かっ
て姿勢を正して、宣言した。

「あらら？読者の人だったの？ありがとう。次回作は、諸葛亮がイケメン周瑜と対
決する予定よ。曹操をサンドイッチ」
サロメアがにっこり笑った。
「アーッ！長江が真っ赤に染まる！」エルジューベッドが叫ぶと（男達の恋が燃え
上がる！）とジョゼフィーヌがそれに和した。
（何を何からどうしたらいいのか・・・）
ヴィクトリアは「ふあぁぁぁ・・・」と弱々しい悲鳴を漏らして後ろに倒れ込んだ。
（あれれ・・・？やだ！やっぱり、ヴィクトリアの悲鳴ったら、可愛い・・・、だ
め！フリードリヒ、だめだったら！みんなに見つかっちゃうよォ・・・）
ヴィクトリアは自分の悲鳴に再び自身を取り戻つつ、再び、あっち側の世界へ現実
逃避の旅に出かけようとしているのだった。

おわり

「自信」が「自身」になってた・・・山下達郎聞きながら寝よう・・・

『勃起Z』
　宇宙世紀2013年、性犯罪を防ぐために制定された「勃起規制法」によって、日本
国内にいる全ての男性の体内に「勃起抑制チップ」が埋め込まれた。
男たちは自由に勃起できなくなり、セックスをするためには市役所に姦淫届を提出
が必要となり、一人でするのにも最寄りの警察署に自慰表明の届出が義務付けられた。
多くの男たちはシャイで、自慰表明にも躊躇し、泣く泣くアナニーで我慢した。
法律制定から半年。ついに、男たちは政府に対して反乱を起こした。
「侍たちよ！今こそ立ち上がれ！真の自由、真の勃起を取り戻すのだ！」
反乱の指導者、長野原カミーユは都内某所に集まった、溜まった数千人の男たちに向か
って激を飛ばした。「おおお！」と反乱軍の男たちが雄叫びで応える。

「さあ、我々の勃起を奪っている、大司令症候群を破壊するのだ！」
カミーユの号令で、男たちは勃起抑制テレパシーを放つ大司令塔に向かって進軍した。
大司令塔の中、勃起規制大臣の相生シロッコは直属部隊である貞操隊（ティターンズ）
で反乱軍を迎え撃った。
「言葉の乱れは生活の乱れ、生活の乱れは性の乱れ！秩序は下半身から！者共、不
貞の輩を排除するのだ！」
大司令塔の正面で、勃起に餓える男たちと法の軍団が衝突した。
人々が素手で殴り合いを繰り広げる。こんな時でも、銃刀法は守るあたりが、日本
人のしおらしさだと言える。
「どうした、者共！下腹部に自由な情熱の躍動を取り戻したくはないのか！」
カミーユの叱咤激励に、勃起を許されざる男たちは奮起し、貞操隊を徐々に押し込め
ていった。

大司令塔司令室、シロッコは小窓から戦況が不利になっていくのを見下ろしながら
「おのれ、法に逆らうビチグソどもめ。・・・ッ！そうか、この手があった！」
と、手元の勃起抑制システムの「勃起開放レバー」をガチリと上げた。
「ひぎゃあああッ！」「あああ！なんでこのタイミングで！」
反乱軍も貞操隊も、突然下腹部に訪れた激しい勃起に悲鳴を上げ、うずくまったり
前かがみになったりした。
「クソッ！シロッコめ、勃起を開放したな！」
久しぶりの勃起で、全身からの力が抜けるのを感じながらカミーユは歯ぎしりした。
「こうなったら・・・者共、一列に並んで、前の者のアヌスに挿入せよ！」
カミーユはイチかバチかの賭けに出た。

「どういうことだってばよ？」
反乱軍が困惑する。
「今こそ、我々の勃起を繋げて、激しい、久しぶりの射精を大司令塔に発射するの
だ！」
おお、男たちから歓声が上がった。そして、数千人規模の男たちの直線が、大司令塔に
向けて出来上がった。
カミーユはその先頭に立ち、後ろの人にファックを決められながら
「男たちよ、今こそ射精を！」
と叫んだ。
男たちは肛門から後者の射精を受け止めつつ、正面の男のアナルへ射精のリレーを
行った。

（おお・・・侍たちの熱の滾りが集まってくる・・・）
カミーユは、肛門から体内に流れ込んでくる数千の男たちのエネルギーを感じた。
そして、エネルギーが彼の体では抑えきれないほどの激流になったのを確信し、
「ザーメン砲、発射ッ！」
と、チンポコから、自分と後方の男たち全てのザーメンを発射した。
性の衝撃は大司令塔のコンクリの壁を破り、司令室のコントロールパネルを突き抜
け、シロッコの体をも撃ち砕いた。
「私だけが、死ぬわけがない・・・！貴様の心も一緒に連れて行く・・・！」
ローソクは消える直前に大きく燃え上がる。シロッコの命は、カミーユに向かって
燃え上がり、散った。

大司令塔から煙が上がり、塔のあちこちで爆発が起きた。
「やったー！勝ったぞ！」「これで俺たちは自由だ！シコリ放題だ！」
反乱軍の歓喜の声が沸き起こった。
その中、カミーユは無垢な表情で大司令塔が火を噴くのを見ながら
「わぁ・・・大きな星が、ついたり消えたりしている。大きい・・・！彗星かな？
違うな、彗星はもっと、パァーッって動くもんなー・・・」
とつぶやいた。言葉以上の思いを、もはやカミーユの思考は持ってはいなかった。
激しい賢者タイム。
カミーユの瞳に、燃え落ちる塔の火花だけが輝いていた。

おわり

やっぱり、所々ミスが目立つな・・・でもワールドカップ行きも決まったし、良しとしよう

前にVIPの方で書いてたら途中で落ちちゃったんで、ゆるやかにこちらに投下させていただきます。

『秋、別れ、不思議な少女』


秋だった。

木の葉は、赤や黄色や橙なんかに染まり、夏とは違う鮮やかさを見せていた。

そんな中を、俺とアキは歩いていた。

男「秋、か〜」

と、何気なくつぶやくと、

アキ「秋だね〜」

と、アキは返事を返してくれた。

男「お前、秋好き？」

アキ「うん！だってわたしの名前と同じだもん！」

男「そう言うと思った」

アキ「じゃあ嫌い」

男「なんだそれ」

アキ「あははっ」

アキ「秋………かぁ」

男「それは俺がさっき言った」

アキ「知ってますぅー」

アキ「ね、お参りしてかない？」

男「またかよ。メンドイ」

アキ「ご利益あるかもよ〜」

男「お前いっつもそう言って俺を誘うけどさ、ご利益なんか一回もなかったじゃねーか」

アキ「それは信仰心が足らんからです！」

男「どっかの宗教かよ…」

アキ「いいからいいから、行こ行こ！」

男「ちょ、行くなんていってねーぞー！」

・
・
・

アキ「さあ、着いたぞよ」

男「はあ……はあ……お前、足速すぎ………」

アキ「男の足が遅いだけだよー！」

男「ムカツク…」

アキ「さあ、このお稲荷様に祈るが良い！」

男「なんでお前が稲荷側の発言してんだよ……」

アキ「えっ……あ…」

アキ「わ、我はお稲荷様だからじゃ！」

何故か顔を赤らめて焦ったようになるアキ。

・
・
・
男「そういやこのお参り。いつからしてるんだっけ？」

アキ「うーん、いつからだろうねぇ？」

男「少なくとも主催者はお前だな」

アキ「えへへへ」

男「なんで笑うんだよ気持ち悪いな」

アキ「でも、いいよね」

男「？」

アキ「神社に、お参り。よくない？」

男「まあ……嫌ではないけど」

アキ「そっか」

男「変な奴だな。知ってたけど」

アキ「………」

男「泣くなよ」

・
・
・
そういえば、アキとはいつどこで会ったのだろう。

随分昔のような気もするし、とても最近のような気もする。




…夢を見た。

不思議な夢だ。

俺は子どもで、どこかを走っていた。

見知らぬ女の子が隣にいる。

これは、昔の出来事？

なんだろう。

この子………は……。

ありゃID変わっとる

・
・
・
「起きたまえ！男よ！」

誰かが俺の頭をぺしぺしと叩きながら騒いでいる。

アキ「こらー！起きろー！寝たら死ぬぞー！」

男「うる…さい……」

アキ「授業中に寝るなんて不良のすることだよ」

男「今は昼休みだ」

アキ「四時間目からずっと寝てる。寝過ぎは身体に良くないぞー。悪いことが起きちゃうぞー」

男「たとえば？」

アキ「身体に赤黒い斑点とかぶつぶつの水ぶくれがいっぱいできちゃったり」

アキ「内臓がゆっくりゆっくり、自分の気づかないうちに腐っていったりしちゃう」

男「ほう」

アキ「だから起きて！お昼だってまだ食べてないでしょ」

男「あー、そうだった」

アキ「じゃ、ほら！学食行こ！」

・
・
・
アキ「うまい！」

男「好きだねぇ、きつねうどん」

アキ「これに勝る料理などないわー！うわははは！」

アキは狂ったように笑った。

いや、本当に狂ってるのかもしれない。

アキ「それにひきかえ男はなんだぁ？」

男「日替わりランチだけど」

アキ「いつもそれじゃないかー！つまらなくないのか！」

男「だって安いし」

アキ「かーっ！情けない！真の漢なら上トロとか食えよ！」

男「ねえじゃんうちの学食に」

そうなことをしていると…

「こらこら、騒いではいけませんよ」

突然、優しい低い声が。

声の主は、俺の後ろにいた。

男「佐伯先生」

佐伯「どうも、アキさんに男くん」

失礼しますねと言って先生は、俺の隣に座る。

先生の昼食は、カレーライスだ。

アキ「だれ？」

男「四組の担任。たしか世界史……だっけ？三組と四組の」

佐伯「正解。よく知ってますね」

アキ「わたしたち一組だから面識ないじゃん」

佐伯「あははは、そう言われちゃそうなんだけど……」

先生は苦笑いをする。

アキ「ねえ先生」

アキが突然、先生に話しかける。

佐伯「なんです？」

アキ「先生からは、夏の匂いがしますね」

佐伯「………」

一瞬、強張った表情になる先生。

だがすぐに、元の優しそうな表情に戻る。

佐伯「……そうだね」

アキ「捜してるの？」

佐伯「いいえ、待っているんです」

アキ「そっか」

男「……？何の話してんだ？」

佐伯「じゃ、僕はこれで失礼します」

そう言って先生は、食べ終えた皿を盆に載せて行ってしまった。

見かけによらず早食いだった。

男「なあ、何の話してたんだよ」

アキ「いつかわかるんじゃなーい」

と言ってアキは、ちゅるんとうどんを啜った。

ちなみにアキは、五、六、七時間目までずっと寝続けていた。

赤黒い斑点と水ぶくれができて内臓がゆっくりゆっくり腐っていく様を見守ろうとしたが、くだらなくなってやめた。

・
・
・
アキ「起こしてくれてもよかったじゃーん！」

男「寝てる奴を起こすのは可哀想と思ってな」

アキ「起こせよー！」

アキ「これでもしテストで赤点とったら男のせいだからなー」

男「いや、自業自得だろ」

アキ「ま、きっと大丈夫！」

男「その自信は一体どっから来るんだよ……」

アキ「ん〜…………」

アキ「海馬？」

『オン　ア　クリアー　デイ』
この世には哀しいもの、醜いものがたくさんある。
それに比べて、感情を伴わぬ排泄の、なんと罪のないことだろう。
このところ、大日向テオドラはよくそう思う。
少し前に旅行先で野グソをしてから、彼女の心の中で排泄に関する価値観は変化し
た。それは、彼女にとって彼女だけに向けられた自己表現であり、世界と彼女を結
んでいる短いロープであった。
夫が会社に出勤した後、テオドラは手早く掃除や洗濯の家事を済ませ、スマホでネ
ット検索し、近場で人の少なそうな場所を探した。

最寄駅から電車に乗り、急行の止まらない駅でバスに乗り換えれば、地図は空白の
自由地帯にたどり着くことができる。
（たしかここは、何かの廃墟があったはずだけど・・・）
以前に近くを車で通った記憶を思い出し、決心する。
テオドラは身支度を整えて、マンションを出た。
まばらにあった住宅も途切れた目的地、バスを降りたテオドラは目の前に見える廃
墟と、その敷地内に入る侵入者を防ぐために設けられた有刺鉄線に心を躍らせた。
（ここは閉ざされた場所、忘れられた空間。終わった時代、終わらない、時・・・）
それは、巨大な廃病院であった。

しばらく、廃病院の敷地の周りを散策したテオドラは、有刺鉄線が破られ侵入でき
るようになっている場所を発見した。
（若い人がやったんだろう。平日の昼間なら、彼らもいないだろうし・・・）
テオドラは周りを見回して人がいないのを確認し、廃病院の敷地内に入った。
雑草が猛威を振るっていたが、不届き者が踏み馴らした道がテオドラの歩みを助け
た。彼女は落書きだらけの廃病院の壁が間近に見える場所まで侵入し、今は誰もい
ない廃病院の敷地内を、雑草を踏んで歩いた。
そして、病院の本館と病棟の間にある、日が当たらないために背の低い草しかはえ
てないところを今日のゴール地点に決めて、そこに腰を落とした。

（ここはもう、誰の命も救うことが出来ない。でも、誰も傷つけない。・・・いえ、
私だけは救われる）
誰も、見る者も聴く者もいないのに、手で口を塞ぎ呼吸を押し殺し、恥ずかしげに
目をぎゅっと瞑りながらながら、テオドラは脱糞した。
リビドーの開放を終えた彼女は、帰宅するために元来た道を歩き出したが、横の病
棟の、もうガラスも無い窓の向こうに、古びたピアノがあるのに気がついた。
（なぜこんな場所にピアノが？）
不思議に思いながらも興味をそそられ、病棟に入れる入口を探して中に入ったテオド
ラは、ピアノの前に立ち鍵盤に指を落とした。

調律はずれているが、ここちよい弦の音が冷たい鉄筋コンクリートに響く。
テオドラの指が、かつて学生の頃に習った和音と旋律を鍵盤の上に探り当て、
何重の音を繋いでいった。
ピアノが世界を言葉なき感情で満たしていく。
（かつてここには人々がいた。でも今は誰もいない。だけど、ここは存在する。私と、
私の野グソと、音楽と・・・）
テオドラの指が緩やかに止まると、ピアノの旋律もコンクリートに余韻を残しながら
消えていった。
（人に知られることがない、でも存在している。私と世界だけの秘密。私と・・・）
テオドラは確かに、世界と繋がっていた。

おわり

今夜はビル・エバンスを聞きながら寝よう・・・

・
・
・
アキ「さあ、今日もお参りに行っきまSHOW！！！」

男「昨日も行ったじゃん」

アキ「だからだよ！」

アキ「継続は力なり！」

アキ「毎日毎日お参りに行くことでなんかを良いことあるかもじゃん！」

男「ねーよ」

アキ「えー」

男「…てかさ」

アキ「？」

男「なんでお前そんなにあの神社にお参りしたがるの？」

アキ「えっ、そ、それは……」

男「なんかあるだろ絶対。でなきゃあんな寂れた神社………」

アキ「寂れてなんかない！！！」

男「………！」

急に大声を張り上げるアキ。

そのあまりの迫力に、少し…いやかなり驚いてしまった。

アキ「寂れてなんかないよ！！！」

男「ちょっ……どうしたんだよ、いきなり」

アキ「……あっ、ご…ごめん……」

男「なんか………あるのか？あの神社に……」

なんだろう。

頭の中が霞がかったみたいになる。

もやもやの中から手探りで何かを掴もうとする。

男「絶対、あるよな……あの、神社に………」

掴みそうだ…。

もう少し、もう少し……。



………女の子………。

掴んだ。

女の子。

幼い頃に出会った、あの女の子。

アキ「ごめん。今日はもう帰る」

突然アキは、くるりと背を向け走って行ってしまった。

男「あ…アキ！」

俺の呼びかけも無視し、彼女は落ち葉の絨毯を散らして行ってしまった。

男「なんなんだ、あいつ……」

でも絶対何かある。

記憶の中の女の子と、アキと、神社。

・
・
・
……また、この夢だ。

いや、昨日のとは少し違う。

ここは………あの神社？

鳥居の影に隠れている、女の子。

きみは………だれ？

女の子が質問をしてくる。

ぼくは………だよ。

きみのなまえは？

わたしはまだなまえがないの。

どうして？

ねえ、いっしょにあそびましょ。

気づくと女の子は、俺の手を掴んで走り出していた。

女の子の耳は獣のそれで……

女の子のお尻のあたりからはふさふさのしっぽがぴょこんと出ていて……

「え…………？」

目が覚めた。

なんだったんだろう、あの夢は。

そして、あの女の子は……。

犬のような………。

いや、あれは……。

狐………？

・
・
・
男「ようアキ。おはよう」

アキ「………！」

アキ「あ……おはよう…」

アキ「昨日は……ごめんね」

男「いや、気にしてない」

アキ「………そっか」

・
・
・
それからというもの、アキは酷く俺を避けるようになった。

俺がアキに話しかけようとすると、びくりとして立ち上がり、どこかへ行ってしまうのだ。

・
・
・

そして、十一月も半ばまできたある日の放課後。

アキ「ねえ男くん。一緒に帰ろう」

男「………アキ……」

アキ「……ダメ、かな？」

男「いいや、すごく嬉しい」

アキ「よかった」

と言って笑顔になるアキ。

その笑顔は、少し悲しげだった。

帰り道。

アキ「男くんごめん。いきなりだけど目つむって」

男「え、何で？」

アキ「いいから」

アキ「お願い」

男「…わかった」

目をつむる。

アキ「ごめんね男くん。わたし、あなたに謝らなくちゃいけない」

アキ「わたし……今日で最後なの」

アキ「今日で………」

男「え………？」

目を、開ける。

そこには………

アキ「………」

彼女の耳は獣のそれで……

スカートからは大きなふさふさのしっぽが見えている……

男「アキ………？」

アキ「うん。これが本当のわたし」

アキ「ごめんね。わたし、男くんのこと騙してた」

男「どういう……ことだ？」

アキ「ねえ男くん。わたしといつ出会ったか、分かる？」

随分昔のことにも思えるし、つい最近のような気もする。

……じゃあ、それっていつ？

……わからない。

男「それは………」

随分昔のことにも思えるし、つい最近のような気もする。

……じゃあ、それっていつ？

……わからない。

男「わからない……」

アキ「だよね。そうだよね」

アキ「だってわたしがみんなの記憶を変えたんだもん」

男「え………？」

アキ「みんなずっと前からわたしがここにいたように、みんなの記憶を書き換えたの、わたし」

アキ「学校の先生も」

アキ「生徒のみんなも」

アキ「それから、男くんも」

男「どうして………」

アキ「わたしが、神様だから」

アキ「ううん少し違うな……」

アキ「神様見習い…ってかんじ」

アキ「そのための修行で、人間の世界に来たの」

アキ「神社に毎日のように通ってた理由は、あの神社で『気』をもらってたの」

男「気………？」

アキ「そう。それを定期的に身体に入れないと、わたしたちは人間になっちゃうの」

アキ「でも、それでもよかったのかな……」

アキ「そうすれば、男くんとずっと一緒にいられたのに……」

アキ「今日で終わりなの。修行が」

アキ「これからわたしは、本当の神様になっちゃうの」

アキ「いきなりすぎて、ごめんね」

男「どうして………どうして、僕なんかと過ごしてくれたんだ？」

その質問に対し、アキは顔を赤らめ微笑すると、

アキ「……好き…なの」

と小さく言った。

アキ「あの日………」

アキ「あの日……神社で一緒に遊んだあの日から、ずっと……」

男「もしかして、あの女の子は……」

アキ「そう、わたし」

アキ「あの日、わたしはこっそり内緒で人間界に行っちゃったの」

アキ「神様の子どもは、人間界に行っちゃいけなかったんだけどね」

アキ「そこで男くんに会ったんだ」

アキ「帰ったらやっぱり、お父さんとお母さんにすごく叱られたけど」

アキ「だから修行をするって言われたとき、また男くんに会えるって思って、すごく嬉しかった」

アキ「ありがとう男くん。君と過ごしたこの日々は、わたしの永遠の宝物だよ」

男「またいつか…会えるか？」

アキ「…………」

アキ「ううん、無理」

アキ「わたしはこれから、人間に見えない存在になっちゃうから」

アキ「だからもう、永遠に会えない」

男「……………そんな」

アキ「ねえ、男くん」

アキ「お願いごと、聞いてくれる？」

男「何でも聞くよ」




アキ「キス、しよ」

そして俺たちはゆっくり、ゆっくり唇を近づけ……

始めての、キスをした。

ずっと、このままでいたい。

そんな思いも儚く、アキは唇を離した。

アキ「ありがとう……」

目にいっぱいの涙を溜めて、笑顔でそう言った。

アキ「さようなら……」

そんな言葉が聞こえたと思ったら…

もうそこには、俺しかいなかった。

・
・
・
それから、俺は毎日あの神社にお参りに行った。

たまに後ろの方にアキの視線を感じて振り向いてみたが、やっぱりそこには誰もいなくって。

・
・
・
冬が過ぎ、春が来た。

あの落ち葉の絨毯は桜の絨毯に変わり、徐々に寒くなっていた風も、徐々に暖かくなる風へと変わった。
そこにアキはいない。

気付くと、俺は泣いていた。
声も出さず、ただ涙を流していた。


終わり

ID変わりまくったり間が空いちゃったり稚拙だったりとすみませんでした

おつかれー(^-^)/
なんちゅーか、青春やね
てか先生との会話はなんだったの？
回収されてないよーな

>>242
あれは俺がちょっと前に書いたSSの登場人物でして…
まあそっちの方を知っている人へのサービスみたいな感じです

ああこれだ
当然落ちてるけど

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1368882521/

『ベルリンの壁の上』
　郊外にある古びた一軒家が、吉野アハマッドの自宅であり彼が会長を務める「日本
勘違い協会の本部であった。
晴れの日の朝、アハマッドの家に勘違い協会副会長の富田キルジーが訪ねてきた。
玄関を入ったところでキルジーは、
「会長、大変ですよ！俺たちの協会がワールドカップに出場することが決まりまし
た！ほら！」
そう言ってスポーツ新聞の一面をアハマッドに見せつけた。
サッカー日本代表がオーストラリア戦を引き分け、ワールドカップ出場を決めたこと
が大きく掲載されている。

「あれあれェ！しまった、こりゃ勘違いだった！」
キルジーは頭を掻きながらドヤ顔でアハマッドの反応をうかがった。
（こいつ・・・うちの協会が目指す勘違いは、そういうのじゃないんだよ。しかし
そこを勘違いしているのが、こいつの良さってわけだ）
アハマッドは下駄箱の上に置いてあった靴ベラをつかむと、ビシリッ！とキルジー
の腿を打ち据えた。
「痛いッ！」
「ええい！つたない勘違いっぷりだ！」
「うぅ・・・じゃあ、会長の勘違いをみせてくださいよ」

「ふむ。勘違いとは、さあこれからやるぞ、といってするものではない。それは自然
体に振舞う中で無意識のうちに発生するものだ」
「そんなのズルい！勘違い、勘違い！」
キルジーがだだをこねていると、彼の後ろ、アハマッドの家の前に多くの人間が集ま
ってきた。アハマッドは最初、騒ぐキルジーを見ている物好きな野次馬かと思ったが、
「あれ・・・会員たちだ」
日本勘違い協会の会員たちが辺りを埋め尽くすほど集まっているのだ。
「会長、日本勘違い協会全国大会の日程、今日ですよね!？市民会館に行ったら、予約
されてないって言われたんですけど！」

会員のひとりが、白いチラシをアハマッドに向かって提示した。
それには「日本勘違い協会全国大会開催！6June2013」と記載されている。
「えっ・・・？10月6日の予定だけど・・・？」
「10月はOctoberです！」
会員たちは「わざわざ有給とったのに！」「子供を実家に預けて来たんですよ！」等など、
抗議の声を上げた。
「うわあッ！ごめんなさい、Juneを10月だと勘違いしてました！」
アハマッドは裸足で外に飛び出て土下座したが、大人気ない会員たちはアハマッドをボコ
ボコにした。

アハマッドは頭部をガードしようと両方の拳を固めてピーカーブースタイルを取ろうとし
たが、勘違いして自分ではなく自分を殴ってくる会員の顎下に拳をあてがっていた。
キルジーは冷や汗を流して驚愕した。
（すげえ・・・こんな規模の勘違い・・・しかも、ものすごい実害が出ている。さすが、
俺が憧れた男、だ！だけど、俺だって！）
キルジーは、倒されてドカドカ蹴りを入れられているアハマッドと怒れる会員たちの間に
割って入り、
「あの・・・ッ！実は、俺が会長なんです！」
と宣言した。
「え？何言ってんの？」
会員たちが不審げにキルジーを見る。

「あっ、あっ、あのっ・・・そうだ、俺、副会長だった！勘違いしてた！」
キルジーはドヤ顔で会員を見回した。
（だから、そういうんじゃないんだよなぁ・・・だけど、それに気づかずに無用な墓穴ほっ
ちゃうあたりが、お前の素敵な勘違い。だから、お前を副会長にしたのさ）
アハマッドは流血しながらも不敵な笑顔でキルジーを見た。キルジーは「この状況で何わけ
わからん事言ってんだ！」とキレた会員に胸ぐらを掴まれている。
アハマッドは立ち上がって、
「みんな、みんなだって誇りある日本勘違い協会会員だろ！キルジー副会長の勘違い、見た
だろ！心は踊らないのか？彼の勘違いを、愛でる気持ちはないのか？」
あたりが、水を打ったように静かになった。

「か・・・かいちょう・・・」
「キルジー、お前は立派な、立派な勘違いニストだ」
「会長ッ！だったら俺、ワールドカップに出れますかねェ!？」
キルジーがドヤ顔をするよりも早く、アハマッドは靴ベラでキルジーの腿を叩いた。
ボキッ！靴ベラが折れる。
その瞬間、キルジーは「うぎゃあああッ！折れたァーッ！」と叫んでダメージとは関係のな
い左肩を押さえてうずくまった。
「あれ、ここじゃなかった。勘違いしてたァ！」
キルジーのドヤ顔が人々を見上げた。

（やっべ・・・素敵な協会が出来ると思って創設したのに・・・これは勘違いだったな）
アハマッドの脳裏に激しい後悔の念が押し寄せたとき、周りから、会員たちのすすり泣く
声が聞こえた。
「そうか・・・確かに、確かにこれが、勘違いの全国大会だ！」
「アハハ、そうだよね！お知らせどおりに市民開会に行っちゃうなんて、勘違い協会の
会員なのに、私、どうかしてたわ！会長はこれを見せたかったのね！」
ここに集まっている人々は、勘違いが好きで、勘違いしてしまうことが多くて、そして、
今この瞬間にも何かしら勘違いしているのだった。

おわり

勘違いの勘違いの勘違いの勘違い

読んでくれでメルシーです
たまには下ネタから離れたほうが良いのかと思って書いたけど、それも勘違いでした。
妹「やっぱり下半身は基本だよ、ね？」みたいな感じで。
こんなことばっかり考えてるから、日常の社会生活に支障アリ、だ・・・

おお、エヴァンスのアローン最高だよな！

お題くれ
日常系で

ジャズ・マンの話なんか読みたいね

お題

若布

『いずれ来る明日と、永遠に来ない明日の波間に』

水面に揺蕩う若布は、夕方の光を浴びて赤や薄い紫や金や銀に輝いていた。
わたしは海に浮かびながら、夕日を反射している若布を目尻に映していた。
寄せては返す波に身を任せるわたしと若布は、どこかこことは違う場所でいつか一緒であったような……そんな気持ちを引き出させた。

ふと、砂浜に一匹の白い犬が、こちらを見ている。
笑ってるみたいな顔をして舌を出している、大きな白い犬。
わたしが瞬きをすると、犬は消えていた。

わたしは砂浜に上がり、髪に吸い込んだ海水を払った。
びちびちと音を立てて、海水は砂浜に吸収されていく。あの犬も、砂浜に吸収されてしまったのだろうか。
砂浜の奥……天を貫く工場や高層ビルは、逆光で黒くなっている。
わたしの戻るべきところは、そこにある。
振り向くと若布は、何処かに消えてしまっていた。
そこにあるのは、静寂によって全てを飲み込むそれが、あるだけであった。

そして海は夕日をも飲み込み、そして夜が来た。
いずれ来る明日と、永遠に来ない明日を結ぶために。

終

楽しいSS書いてくれよ暗い

深夜
路地裏で
一人の女性が怪しい男2人に絡まれていた
「辞めて下さい！」
「誰か！助けて！」
『ケけヶ…こんな所で助けてくれる奴なんて居ねえよ！』
｛キュキュ…大人しく来いよ…｝
「いやぁぁぁぁぁぁ！」
周囲には誰一人居ない
だが
＜待て！子悪党供があぁぁぁぁ！＞
『！？ゲバあ…』
｛グホエアぁあ…｝
突如現れた謎の男が投げたトランプが
怪しい男達の喉を切り裂く
『お…』
｛おばべがぁ｝
『だべだぁぁ！｝

＜…＞
＜貴様ら如きに名乗る名など…＞
＜無いぃぃぃぃ！＞
男はナイフを投げる
それは真っ直ぐに脳を貫通した
『げべ…ぐ……』
｛ごぁ……｝
＜ふん…＞
「あ…」
男は女性を抱上げた
「あ…貴方の名前は…？」
＜…ナイトメアジョーカー…とでも呼ぶが良い…＞
「な…」
「ナイトメアジョーカー様…！」

夢魔は夜に舞
人々に不安を与える
しかし
夢魔の道化師は言う
私は
不安だけを与えるのは
疲れたと

女性は一人
部屋で思っていた
ナイトメアジョーカーってださいな
と

終

一応明るい話を作ろうと思ったんだけど
俺は一体何をやってるんだろう
何でこんな話に成ったんだろう

『キュウリ星人』

ロケットのようなキュウリが、地面を貫いていた。

いや、なんというか……。
こんな説明じゃ分かりにくいとは思うが、本当なのだ。本当に、ロケットのようなキュウリが地面を貫いているのだ。
高さは、10mは軽く越えている。

「………」
声が……出せない。
「…ﾅﾝｼﾞｬｺﾘｬｧ……」
声が出た。
結構あっけなく出た。
ﾌﾟｼｭｳｳｩｩｩ……
「……！？」
途端、キュウリ（と呼んでいいのだろうかこれは）から煙が！！
「な、なんだ！？なんだなんだ！？」
「なんだとはないでしょう」
煙の中からほっそりスレンダーシルエット。
「お…おまえは……！」
「そう、わたしよ」
現れた奴は……ッ！！！

「…………ﾀﾞﾚ？」
え………？
だれこいつ……？
え、なに？知らない人なんすけど……。
え、ちょっと待って…。
「え………お前だれ？」
「あー、そっかぁ。そっかー」
ハァ？なにが『そっかー』だよ。早く説明しろよ裸スレンダー剛毛娘め。
「おい嬢ちゃん。早く説明しないと俺のキュウリがお前さんの桃源郷を第三次世界大戦するぞ」
「………？」
裸娘は首を傾げている。
ノリの通じぬつまらん裸体め！
「…で？なにがそっかーなんだ？」
「あ、うん。それはね…」
すぅ、と裸娘は一息置くと、

「あれ………？」
と、また首を傾げた。
「どうしよう。すごいカッチョいいこと『ズバババーン！』と言ってやろうとしたのに………何言うのか忘れちゃった……」
「忘れてんじゃねぇよキュウリ星人がああぁぁーーーー！！！！」
俺はそこらへんに落ちていたバットで裸娘を場外ホームランでカッキーーン☆
「何故わたしの正体をぉぉぉぉぉぉぉ………」
と叫びながら娘は宇宙空間にキラリンチョ☆ピカーン☆

「ふむ…」
彼女はキュウリ星人だったらしい。
そして俺はキュウリロケットの一部を千切ると、味噌を付けてかじった。
「うむ……」もぐもぐ…。
「………！！！」
俺は瞳を『カッ！』と見開く！！

「これ、ズッキーニだ！！！」

おわり

うん！意味不明！

何と言うカオス…
ズッキーニ…

>>255　(ﾟ∀ﾟ)人(ﾟ∀ﾟ)ナカーマ
あれは至高の一枚だね！テオドラのあの話、エヴァンスのオン　ア　クリア〜を聞きながら
書いてたから、最後にピアノが出たの。エヴァンスの中で一番好きな曲だ。
まさか野グソをテーマにしたお話とくっつけるとは自分でも予想外だったけど・・・
まあ、これも酒の勢いってことで

>>257　難しいけど書いてみました

『The World is Waiting For The Sunrise』
　ジャズギタリストの市宮ジャンゴは仕事場であるバーにいつも通り出勤し、衣装に
着替えるためにスタッフルームに入った。
そしてジャンゴは、壁にロッカーが並ぶ味気ない部屋の中央の床に、ベース担当の羽
賀ルイが頭から血を流してうつぶせに倒れているのを発見した。
「おい、どうしたルイ！・・・嘘だろ・・・死んでるッ」
同僚を揺り起こそうとしたが、ジャンゴの手は予想外の冷たさに触れた。
恐怖に身を震わせてたジャンゴの目に、さらに驚愕の事実が飛び込んできた。
ルイの手は頭の先に伸ばされており、そこに「ジャン」とダイイングメッセージが
残されていたのだ。

「ちょっ・・・ちょっとちょっとォー！」
ジャンゴは激しく動揺した。
「困るよ！俺やってないっしょ！ほら、お前にお気に入りのエロ動画コピーしてあげ
たり、結構親切にしてたじゃんよー！なにこの仕打ち！」
オロオロするジャンゴにさらに追い打ちをかけるように、スタッフルームにヴァイオ
リン担当の逸見ステファンが「おつかれー」と挨拶しながら入ってきた。
「ちょっ！ちょっと!？えっ？なにこれ！ジャンゴ、やっちゃったの!？」
「落ち着けって、違うって！俺が来た時にはもう死んでたんだって！」
「でも！え？ダイイングメッセージ残ってんじゃん！やばいよーこれ！ガチの殺人事
件じゃん！あー、もうっ！これからご機嫌な演奏で素敵なジャズナイトを演出する予定
だったのに！警察署で事情聴取かよ。あー、確かにあの夜、二人が争ってる声を聞きま
したー、的な」

「おいおい、やめてくれよ！俺がいつルイと喧嘩したよ!？」
ジャンゴは慌てて床に広がるルイの血に指を浸し、ダイイングメッセージに一文字付け
足し、
「ほら、こうしたら革ジャン、だろ？ルイは死ぬ前に革ジャンが欲しかったんだよ」
と現場を偽装した。
「うわっ・・・やったわ、この人。死ぬ前に革ジャン欲しがらないっしょ。無理だよ、
ぜってーお前確定だよ」
「よせって！マジで俺じゃねえんだから！勝手に血ィ流して死んでたんだから、この人！」
「でも・・・えぇ!？どうすんの、これ？」
「・・・確かに、革ジャンはちょっと無理あるよね・・・何ジャンなら納得できる？」
ジャンゴは必死だった。

「助けてよ。だって本当に俺じゃないんだもん」
「にしても、革って書き足しちゃったし。無理やり書き足して、藁にする？藁ジャン」
「藁のジャンパー？かさこじぞうに出てきそうね。あんまり市民権得てないアイテムにし
ても、操作を混乱させるだけだよ」
「かっ、かさこじぞう！」
思わぬ革の発展に、二人は笑った。
「奥ゆかしいじゃん、かさこじぞう！ちょっとルイの死因っぽくなってきたよ！」
ステファンは震える指先で「革」を無理やり「藁」に書き直した。
「やっちまった！藁ジャン！取り返しつかねェー！」
ジャンゴはガクガク震えながら笑った。

「だったらさ、犯人はやっぱお地蔵さんだよ！」
悪ノリしたジャンゴは、「藁ジャン」の横に「地蔵参上！夜露死苦！」と書き足した。
「完全犯罪きたー！ジャンゴ、これマジやべえよ！ガリレオでも解決できねえぜ！」
「あたぼうよ！なんでもかんでも化学で解決できるかってんだ！お地蔵さんが、動いた
んだよ！」
ジャンゴとステファンのテンションはMAXに達した。
「よし、ステージに行くぜ！今夜も最高のジャズをみんなに届けるんだ！」
「おうよ！俺のヴァイオリンとお前のギター！ご機嫌だぜ！」
二人は衣装に着替えて部屋を出て行った。

その少し後、持病の貧血から目覚めたルイは、
（あ・・・気を失ったんだ。確か、ジャンプを買いに行こうとして立ち上がって・・・）
とぼんやりした意識の中で記憶の糸をたどった。床に顔をぶつけたせいで、鼻血が随分
出ている。それが余計に彼の体を冷たくしたようだ。
起き上がったルイは、目の前の床に不審なメッセージを見た。
（俺が倒れている間に、何が起こったんだ・・・？）
閉ざされた扉の向こうから、いつもよりもテンションの高い同僚の演奏が聞こえた。
（ああ、もう始まってるんだ。・・・行こう。今夜も素敵な夜にするんだ）
ルイがベースを手に部屋を出て行くと、少しして演奏は止まり、ジャンゴとステファンの
悲鳴が夜を彩るのだった。

おわり

ああん・・・いつも書いた後に誤字脱字に気づく・・・

今日はYouTubeでジャンゴ・ラインハルト聞きながら寝ます。
django reinhardt the world is waiting for the sunrise　で検索検索

また空虚な日常が始まる・・・
俺は芹　有人（serial　ihito)
平凡な家庭に生まれ育った凡庸な中学２年生だ。
成績は上の下と中の上の間くらい。周りからはまじめな生徒と思われているだろう。
今日も通学のために乗りなれた電車に乗る。流れる景色の変わりなさには退屈と安心があった。
学校についても糞の面白みもない教科書の内容を暗記しくだらない友人との会話は耳の内へ入ったと思えばすぐさま通り抜けていく。
今日も一日何の実りもない学校生活だった。学校を出ての駅までの帰り道は、多数の友人と群れをなす。別にたいしたことを話すわけでもない。
他愛もないことをくっちゃべるだけ。パターンというなの犬に追いやられる家畜のように学校から駅へと歩みを進める。ぞろぞろと。
俺の中学は中高一貫の私立だ。大学も併設されている。なのでよほどまずい成績をとらない限りは、大学まで進学できる。
まあどうでもいいか。そんなことを考えるうちに駅へと到着。周りのやつらはみなのぼり方面の電車に乗り込む。
俺ともう一人は、下り方面だ。「今日の数学難しかったね。」と相手が話を振る。こいつは、同じ進学塾に通っていた奴だ。可愛くもなく、性悪でもなく。かといってそこまで優しくもなく魅力に欠ける取るに足らない女だ。
適当に相槌を打って話を合わせる。そしてまたしても下らない会話を続ける。この３０分は、意外に苦痛を伴なう。別に話していても面白いわけでもない。こいつの話の大半は、愚痴や願望だから。
「どうでもいいからさっさとヤらせろ。」と心の中で思ったり。そんなことを考えているうちに奴は、先に下車した。最後のほうは何を話していたか覚えていないが、話を聞き流されていたことには、気づいたのかブスっとしていた。
挨拶もなしに。失礼な奴だ。

今日も最低な一日だった。
今日の課題はいつもより難しかった。ラインで秀才君に解答を聞いておこう。
ラインを開いたらさっきの魅力無し子ちゃんから「さっきはなんか感じ悪い態度取っちゃってごめんね＾＾；」というコメントが来た。
どうでもいいのでスルーしようとしたが既読がついてしまったので返しておいた。面倒なシステムだな。
そうしているうちに秀才君から丁寧な解説付きの解答が送られてきた。どうでもいいから答えだけ出せよ。律儀な奴だ。
秀才と言っても有名進学中学に滑って中堅のうちに来る程度の秀才だ。真面目なだけが取り柄の奴。出世できるかは微妙だなとおもった。俺よりは優秀だけど。
このように平平凡凡な中学生だが一つ人とは変わった願望があった。人から深く愛されて信頼されて状態でそいつを犯してやりたい。
そんな願望があった。

続きはよ

>>283
いやいや、スゲー面白かったよ
ライト・オブ・ストリングの編成も謎でよかったw

続きはよ

>>288　サンキューです。
正直、ジャズの知識とか無いんですけど、たまたま素敵な曲と巡りあう幸運に恵まれて、
繰り返しそれらばかりを聞きながらお酒を飲む毎日なんです。酒とバラの日々、なんつて。

そんなこんなで、今夜も飲みながら音楽を聞きながら、書いてみます

『Just the Two of Us』
　6月の雲は重たく、湿気を含んだ熱い空気を大地に押し付けるかのように天上に
覆いかぶさっている。
河井マルスは梅雨の蒸し暑さよりも熱い、16歳の青い情熱を身の内にたぎらせていた。
（ああ、セックスしたい！風俗に行きたい！）
彼は悶々としながら街を歩き、裏通りにある雑居ビルに掲示された怪しげな風俗店の看
板を見て、
（金が足りないよ・・・2千円しかない・・・）
と、自分の年齢など考えず、ただその事だけに気持ちを重くした。
（まさか、風俗に行くから金をくれだなんて親に頼むわけにもいかないし・・・よし、
乞食しよう）

マルスは裏通りをウロウロし、折りたたまれたダンボール箱をひとつ手に入れると、
それの端を切って三角のネームプレートを作って、ペンで「こじき」と書いた。
マルスは表通りに戻ると、道の端っこに残りのダンボールを敷いてその上に座ろうとし
たが、行き交う人々の多さを見て
（・・・結構ハードル高いな。人がいなけりゃ恵んでもらえないけど、乞食初心者には
メインストリートはちょっとしんどい）
と、ダンボールを手に、再び街をさまよい始めた。
市街地を抜け、住宅街を通り、住宅街の外れにある寂れた市営団地のコロニーに到着した。
時代に取り残されたような古い団地群はすっかり空き室だらけになり、その向こうに鬱蒼と
緑を茂らせている山が落とす影が、この場所をより薄暗い雰囲気にしているようにマルスに
は感じられた。

マルスは団地の終わった先、山の一部を切り開いて作られた公園に入った。
子供も、散歩する老人もいない公園は、錆びて朽ちてゆくだけの遊具が音も無く佇んでいる。
（ここでいい・・・誰も来なくて、恵んでもらえないかもしれないけど、初心者の僕には
これが精一杯だ）
もはや手段が目的を凌駕しようとしている。マルスは公園の一角にダンボールを敷いて正座
すると、ハンドメイドの「こじき」のネームプレートを立てた。
時々吹く湿った風が、もうすぐ雨が降ることをマルスに告げている。誰も来ない公園で、マ
ルスは、
（誰も来なくて、お金を恵んでもらえないのだったら・・・雨が振って、僕の体を冷やして
くれればいい・・・僕の体にこもる熱を洗い流してくれればいい）
見上げるといよいよ雨雲が降りてきている。

誰も来ない、そう油断していたマルスは、不意に公園に入ってきた人影にびくりと跳ね上が
らんばかりに驚いた。しかし、その驚きは訪問者にとっても同じだった。
（あっ！こんな寂れた公園に、人が！誰もいないと思ったのに・・・）
公園に入ってきた女、大日向テオドラは困った表情でマルスを見つめた。
（もうっ・・・ずっと我慢してきたから限界なのにッ。どうしよう・・・あら、あの少年、
何かおかしい）
テオドラがマルスに近寄る。マルスは、
（ああ、ついに人が来てしまった！僕の、初めての乞食体験が始まってしまう！）
両手を膝の上におき、目を瞑ってうつむいた。

「まあっ・・・あなた、乞食なの？」
テオドラは息を飲みながらマルスに聞いた。
「はいぃ・・・風俗に行きたくって、お金を集めてるんです」
マルスは正直に言った。
「ええっ!？アナタ、まだ学生さんでしょう？風俗だなんて・・・そっか、男の子だもん・・・ね」
「はいぃ・・・セックス的なことが、したいですぅ」
テオドラの体の奥が疼いた。それは、甘い苦しさと妖しい優しさが混じりあった、テオ
ドラ自身さえよくわからない想いだった。
「じゃあ、おばさんが、特別なものをあげるわ。両手を出して」
テオドラは
（だって、この少年も餓えているのですもの。私と、一緒・・・）
と自分に言い聞かせながら、怯えた表情で両手を差し出すマルスを見下ろした。

「少年、受け止めてね・・・」
テオドラはマルスに背中を向けると、白いスカートをまくり上げて腰を少し落とした。
「おっ、お姉さん、何をッ!？」
「お姉さんって呼んでくれるんだ、うれしい。これは、私からのプレゼントよ」
テオドラはついに下着をも下ろすと、全てをマルスの前に晒して、その部分に力を込めた。
「ふうっ・・・ッ！ふおおおッ！」
テオドラが低い吐息を漏らす。
「ああッ！お姉さん、お姉さん！これはいったい!？」
戸惑いながらも、正座で窮屈な股間部から、はちきれんばかりの青春が燃え上がっているの
をマルスは感じた。
「ふううううッ！さあ！少年！たーんと、おあがりなさいッ！」

ついに、テオドラの体内で疼いていた欲望が確かな重みと硬さを伴ってマルスの手のひら
に生み落とされた。
「わああああッ！・・・む、無理です！食べるのは無理です！だけど、貴女に恥ずかしい思いは
させない！こちらをいただきます！」
マルスは頭を突き出し、テオドラのおしりの間にうずめて、欲望を発射したばかりの夢の扉を
舐り回し、舌でオジャマシマスした。
（おおおっ！なんてこと！私自身がイタダキマスされてしまうなんて！）
テオドラは下唇を噛み「んーッ！」と声を殺していたが、マルスのベロンチョ無双がアヌスで
炸裂すると
「きひいいいいいいッ！」
と悲鳴を上げて意識を天に向けて舞い散らせた。その瞬間、マルスも、
「んぐぐうううううううううう」
呻き声とともに股間部で情熱を暴発させた。

しばらく二人は地面に伏して「はあはあ・・・」と息を乱していた。
「ああ・・・素敵な、素敵なひと時でした・・・少年、ありがとう」
テオドラは立ち上がって、マルスに別れを告げた。
「あの、お姉さん！コレは、どうしたらいいですか!？」
「ああん・・・恥ずかしいわ・・・どうか、そこの砂場にでも埋めてちょうだい」
テオドラは顔を真っ赤にしながら「じゃあ、ごめんあそばせ！」と、駆け出して公園から出て行
ってしまった。
（ああ・・・夢のようだ。まだ腰から下が痺れている・・・体がふわふわする）
手の中にだけ、確かな重みがある。
呆然とするマルスの頬を、最初の雨の一粒が叩いた。

（雨が降りだした。お姉さんの思い出を砂場に埋めなければ。・・・だけど、お姉さんの想い
だけを・・・お姉さんだけを、一人にはさせない）
マルスはテオドラのそれをいったん地面に置くとズボンを脱ぎ、情熱に濡れたパンツをも脱いで
フルチン姿になった。そして彼は、脱いだパンツでテオドラの分身を包み込んだのだ。
（これで、僕たちは一緒です。ずっと・・・二人で、ここに）
マルスはフルチンのまま、雨に打たれながら二人の愛の残骸を砂場に埋めた。
雨が強くなってくる。マルスの体が、少しずつ少しずつ冷えていく。
どんなに冷たく強い雨であっても、マルスとテオドラの物語を連れ去ることは出来ない。それを
マルスは知っている。
なぜなら、思い出はもう熱を持っていないのだから。

おわり

『幸運のきかい』

来る日も来る日も満員電車に揺られ、古新聞の数だけ退屈が増えていく代わり映えのしない日々。
そんなある日のことだった。
独り住まいの安アパートに帰宅しお湯を注いだカップ麺の時間待ちをしていたそのとき
突然、俺の目の前でピカッと光り、未来からやって来たという人物があらわれると
唐突に『幸運の機械』だと言って、それを置いて、またピカッと光ると消えた。

夢を見ていたわけでも、キツネにつままれたわけでもなく
『幸運の機械』だという、それは目の前にポツンと残されていた。
見た目は、一昔前に流行ったルービックキューブのようにも見える。
恐々だったが、ガチャガチャと動かしてみても何も起きる様子はない。
試しに『幸運の機械』とやらを握りしめ、競馬やら宝くじやら試してみたがどれも駄目。
なにひとつ幸運なんてものは訪れなかった。
ガチャガチャやって全面揃うと幸運が掴めるのかと思っても、いくらやってもいっこうに揃う気配すらない。
なにが幸運の機械なんだ？と捨てようかとも思ったが、幸運を捨てるって縁起でもないなと、思いとどまる。

（つづき）
暇つぶしに会社に持っていくとOLたちが「何これ？」と言って集まってきた。
「こううんのきかい？なにそれ？」と興味津々に弄り倒す。
でもやっぱり何も起きず、誰も揃えることも出来ず、やがて飽きられてしまう。
皆が興味を失う中、同僚のＫ子が「これをどうかすると幸せになれるの？」といつまでも熱心にガチャガチャやっていた。
でも、いくらやっても揃うことがなく、毎日のように俺から奪うと休みの時間に飽きもせずガチャガチャと繰り返した。
「絶対揃えて、幸せになって見せるんだから！」
Ｋ子はそう言って、あげくの果てには俺の家まで押しかけてきてはガチャガチャ。
今までろくに会話もしたことがなかった。とくに美人ってわけでもなかったが、
知りあってみると料理が上手く家庭的で、そんなＫ子と俺はいつしか結婚した。
子供もでき、ローンを抱えながら、とくに幸運を掴むわけでもなく
相変わらずの代わり映えのしない生活を繰り返していた。
例のそれは、いつしか子供のオモチャ代わりになっていて
会社から帰宅すると小学生の息子が飽きずにガチャガチャやっている光景を見ては、母親譲りな性格だなと思った。

それからまた数十年が過ぎて、例の『幸運の機械』は引き出しの中にしまったままになっていた。
そして息子も結婚し、５歳になった孫を連れてやってきた。

いつの間にか引き出しから見つけた例のものを孫がガチャガチャやっている。
それを見て、隣りに寄り添っているＫ子の今では皺々になった手を握り、ふと思った。
「あれ、やっぱり幸運のきかいだったのかもしれないな」と。

>>299は２／１じゃなく１／２だった。

綺麗な話だった！
乙！

乙

これ再掲だよね？

『沼津　 episode.1』
　今年の梅雨は雨が少ないらしい。
蒸し暑いが、灰色の雲は途切れ途切れで青が空の大勢を占めている。
日曜日の午前、寺井マクシムスは右手に海を見ながらのんびりと防波堤の上を歩いた。
左手の道路では、海の近くに住む人々が散歩したり、数人で集まっておしゃべりしたり、
それぞれの今日を過ごしていた。
左手の防波堤の階段を上ってきた初老の女性に連れられた柴犬が、マクシムスに向かっ
てワンワン、と吠えた。
「こら、ゼトちゃん！ごめんなさいね、この子ったら、吠えちゃって」
女性が申し訳なさそうに言うのに、
「いえいえ。わかいいワンちゃんですね」
とマクシムスは答えて、柴犬の頭を撫でて、再び歩き出した。
（どうやら、あのワンコは気づいてしまったらしい。俺のチンポコが、強烈な生命エネ
ルギーに満ちた物質であることに！）
マクシムスは振り返り、先ほどのワンコが女性に「ゼトちゃん、吠えたらダメでしょ。
吠えたらメッ、よ」とまだ叱られているのを見た。

（フフフ・・・野生の勘、ってやつなのかな!？マダム！もし貴女が現役だったなら、僕
の荒々しいチンポコのオーラを感じて泉を溢れさせていたでしょうね！）
マクシムスはわずかに笑みを浮かべ、さらに防波堤を進んだ。そして、向こうの船着場
が見渡せる場所に来ると腰を下ろし、リュックからビールを取り出して、飲んだ。
（ああ・・・暑いが、綺麗な空だ。海も穏やかだし・・・だけど、僕のチンポコときたら
凶悪なばかりのエネルギーで、本当にまいってしまう。これをポロリしたら、この平和な
世界はあっという間に壊れてしまうのじゃないだろうか？）
船着場で釣り人が「おおー、サバだ！でっかいなー！」と歓声を上げている。
（あらあら・・・そのサバと、僕のチンポコと、本当にでっかいのはどちらかしら？）
軽い風が、潮のにおいをマクシムスに届けた。
陽射しがジリジリと世界を焼くようだ。熱くなる体に、ビールが心地よく染みていった。
湾のはるかはるか遠く、雲の切れ間に、雄大な富士山が見える。
マクシムスはリュックから小型ラジオを取り出してスイッチを入れた。ザザザ・・・と
ノイズを交えながら、ラジオはビーチボーイズの「素敵じゃないか」を流していた。

（そうか、ジューンブライド、ってのがあったな）
結婚を歌った曲にマクシムスは季節を思い出した。そんな彼の目に、ホットパンツにタ
ンクトップ姿の、無駄に攻撃的なスタイルの女が映った。
「あら、海を見ながらビール？いいわね」
女・宮里イザベルはマクシムスに笑顔で言った。
「いいもんですよ。昼間から、海と富士山を眺めながらビールを飲むのは。よかったら
一本どうですか？」
「いいの？本当にいただくわよ？」
マクシムスはイザベルにビールを1本手渡した。受け取ったイザベルは、マクシムスの
隣に腰掛けて、彼と一緒にビールを飲んだ。
「・・・おいしいわね！昼間っから飲むのって、最高」
「ええ。天気もいいし、気持ちがいいですね」
アルコールが彼に勇気を与えたのだろう。露出の多いイザベルを前に、マクシムスはちょ
っと勃起していた。

「お嬢さん、お嬢さんが人生で見た、一番大きな物ってなんですか？」
マクシムスは下腹部で自分のもっとも凶悪な部位が脈打つのを感じながら質問した。
「私のおっぱい、と言いたいところだけど・・・富士山よ」
イザベルはビールをくいっと飲みながら、答えた。
「富士山、ですか。・・・僕の凶悪なチンポコを、富士山にぶつけたら・・・おそらく、
噴火してしまうでしょう！」
マクシムスは吐き捨てるように言った。
「まあ！富士山が噴火してしまうだなんて！そんな事になったら静岡が、滅んでしまうわ！」
「ええ。山梨県も」
「山梨なんかどうでもいいの！私は、静岡を、守りたいの！」
イザベルは口にビールを含んで、思いっきり、マクシムスの股間部にブーッと吹き付けた。
「どう？あなたのチンポコは冷めたかしら？」
「まさか！これくらいでどうこうなる代物じゃないですよ。嗚呼、富士山をファック、した
いなァ！」

マクシムスは腰を浮かせて遠く見える富士山に向かってクイクイッと腰を振って見せた。
「ダメよ、富士山が噴火したらガチで洒落にならない・・・こうなったら、私とセックスし
ましょう！私ったら、結構欲求不満なんだから！」
イザベルはクイッと浜辺の近くにある、寂れた工場の廃墟をマクシムスに指し示した。
二人は廃工場に移動して、廃工場の敷地をぐるりと囲むブロック塀沿いの、高い雑草が目隠
しになる場所を見つけ、立ちバックでファックした。
「あぁんッ！超絶体験！私ったら、オマンコで静岡を救ってしまうなんて！」
「や、山梨もだよ！」
「山梨なんてどうでもいいの！・・・あッ！」
やがて、マクシムスはバキューンしてイザベルはビクーンした。

マクシムはイザベルの後頭部、彼女の髪に顔を埋めながら、
「俺と、結婚してくれ」
とつぶやいた。
イザベルは、小さく体を痙攣させながら
「私のおっぱいと富士山、どっちが大きい？」
と聞いた。
クスクス・・・クスクス・・・
二人の密やかな笑いが、潮風に、さざ波にかき消されながら、空に登っていった。
富士山は向こうで、雲に隠れたり、出てきたりしながら、そこにあった。
夏の恋は、今、ここにあった。

おわり

http://www.youtube.com/watch?v=gWeP6VquVG8

ビーチボーイズ/素敵じゃないか

寝よう

乙！
ワロタw

山梨ェ……

山梨は如何して嫌われてんだ…ｗ

『中学生』


みんな色つきの透明だった
僕だけ透き通る透明だった
だから僕は求めた
でもみんなは、僕の求めるものを持っていなかった
でも僕は彼らを求めた

でもみんなは、僕のことなんて求めていない
見えているのか
聞こえているのか
そこにいるのかさえわからない
だって僕は透明だから
でもそれは、僕の望んだこと

終

『沼津　 episode.2』
　柴犬のゼットンは散歩が大好きだ。日曜日、ゼットンは飼い主のおばあちゃんに
リードを引かれ、いつもの海沿いの散歩コースを歩いた。
空は晴れで海からの風は心地よかったし、出会う人々がゼットンのことを「かわいいね」
「おりこうさんだね」などと言ってくれのが誇らしかったので、ゼットンは嬉しくて、
「ワンワン！」
と元気に人々に吠えた。
ゼットンが吠えると、時々おばあちゃんは「こらゼトちゃん、吠えちゃダメでしょ」と
叱るのだが、ゼットンはなぜ自分が叱られているのか分からなかった。
おばあちゃんとゼットンが海沿いの防波堤に上ると、いつもの散歩では見かけない
若い男が目の前を歩いていたので、ゼットンは「はじめまして！ゼットンです！」
の気持ちを込めて「ワンワン！」と吠えたが、やはりおばあちゃんに叱られた。
若い男は「いえいえ。かわいいワンちゃんですね」とゼットンを撫でた。
男はゼットンたちの散歩コースとは逆に歩いて行った。男が去った後、おばあちゃんは

（まったく、知らない人にまで吠えるんだから）
と内心ちょっと困りながら、「ゼトちゃん、吠えたらダメでしょ。吠えたらメッ、よ」
重ねてゼットンを叱った。
ゼットンはよく分からなかったので「ハッ！」と強く息を吐いて笑ってみせた。
「もう、わかってるのかわかってないのか・・・行くよ、ゼトちゃん」
おばあちゃんとゼットンは防波堤を進み、通い慣れたいつもの浜辺に到着した。
ここは外から来る釣り人もおらず、知っているご近所さんが散歩したりする程度なので、
ゼットンをリードから放して自由に走らせることができる場所だった。
「ほらゼトちゃん、走ってきなさい」
ゼットンは浜辺を思い切り走り、波打ち際ギリギリでターンするひとり遊びをし、
おばあちゃんの目の前に戻って「ハッ！」と息をつくと、また走った。
おばあちゃんはゼットンが走っている間、防波堤の階段に腰掛けて水筒からお茶を飲み
ながらゼットンや海をぼんやり眺めた。
そうしていると、おばあちゃんの背後、防波堤の上から
「ばあちゃん！」
と元気な男の子の声がした。

「あら、アスベル。遊びに行くの？」
「今からクロトワと一緒にここで釣りするの！晩ご飯釣るね！」
アスベルはいっちょ前にシマノの竿を肩にかけ、道具箱を片手に下げておばあちゃんに
宣言した。隣に幼馴染のクロトワもいて、「こんにちは」とちょっと遠慮がちに挨拶を
した。
「おばあちゃん本当はイノシシ肉100％のハンバーグが食べたかったんだけど、アスベル
が釣ってくるならお魚でいいわ」
「わかった！行こう、クロトワ！」
二人の少年はパタパタと階段を駆け下りて浜辺を走った。
「おっ！ゼットンいる！」
さっきまで走り回っていたゼットンだったが、アスベルたち近くに下りてきた時には走る
のをやめて、砂を掘るのに夢中になっていた。
ガリガリ、ガリガリ。ゼットンの爪が、砂ではない硬い何かを掻く音がアスベルの耳に届
いた。

「ん？なんかあるのか？」
アスベルはゼットンが掘っている穴を横から覗いた。それほど深くない穴の底に、黒い木
の板が見えている。
「クロトワ、なんか埋まってるぞ」
「ホントだ！箱みたいだ!？宝物かもしれないぞ！」
二人は釣り道具を砂の上に置き、ゼットンにならってそれを掘り出そうと砂をかき始めた。
「あらあら・・・二人ともゼトちゃんと一緒」
おばあちゃんは無邪気な二人と一匹を眺めながら笑った。当の二人と一匹は、頑張って穴を
掘り、ついに小さな黒い木箱を砂から取り出すことに成功した。それはアスベルたちが持っ
てきた釣りの道具箱くらいの大きさだった。
「なにか入ってるぞ！蓋が釘で留められてる」
クロトワは期待に声を上ずらせた。
「ハサミで蓋をこじ開けよう」

アスベルは道具箱から魚の鋭い背びれなどを切るときに使う丈夫なハサミを取り出し、箱の
蓋の隙間に差し込んでテコの原理で蓋を押し上げた。ゼットンは彼らの横でお座りをして
その様子を見つめながら「ハッハッ！」と嬉しそうに息を切らしていた。
悪戦苦闘しながらもなんとか蓋を取り外すと、箱の中から何かが包まれているらしき新聞紙
の塊が出てきた。
「おい！これって本当に何かの宝物なんじゃないのか!？」
「落ち着きたまえクロトワ君！このサイズだよ。竿は入らない。我々にとって、がまかつの
竿以上の宝物があると言うのかい」
アスベルに言われ、クロトワは小さな声で「あるわけ、ないじゃないか・・・」と呟いた。
「ククク・・・がまかつでないのは残念だが、何が入っているか見てみようじゃないか」
アスベルは新聞紙の包をほどいていった。新聞紙を何枚も脇に投げ捨てていくと、最後にア
スベルの手の中に残ったものは、太陽の光に鈍い黒を反射させる、鉄のL字だった。
「・・・アスベル。これ拳銃じゃないか？ほんもの？」
「ガチのやつっぽい・・・」

血の気が引く少年たちの横でゼットンは「ハッ！ハッ！」と嬉しそうに笑っている。
「この犬っころめ、なんて物を見つけやがる・・・」
アスベルは毒づいた後、立ち上がっておばあちゃんに
「ばあちゃん！晩ご飯、イノシシでいいか!？」
と叫んだ。おばあちゃんは
「いいわよー」
と笑顔でアスベルたちに手を振った。
「クロトワ。山に行くぞ」
「ええぇ・・・？」
クロトワは困惑した。
何が起きているかはわからないが、今日はとても天気が良くて風も心地よい。
ゼットンは潮風をクンクンして、アスベルとクロトワに「ワン！」と一つ吠えて笑った。

おわり

http://www.youtube.com/watch?v=E8cnyfQtKRw

レジデンツ/黙れ、黙れ（The Residents - Shut Up Shut Up ）

今夜はこれ聞いて寝よう。悪い夢が見れそうだ

愛犬が一兆度の火球を出して地球消滅まで読んだ

ゼットン!

ゼットンクロトワ

風の谷のウマシカ

『沼津　 episode.3』
　アスファルトに熱された風が、木々の間を縫いながら勢いと温度を下げていく。
アスベルはクロトワを引き連れて山頂に向かう道路を上り、山の中腹あたりで道を
逸れて獣道へと入っていった。
「なあアスベル。本当にイノシシなんかいるのか？」
「いる。たぶん」
「たぶんって・・・」
少年二人は釣りをするために行った浜辺で拳銃を手に入れてしまい、狩猟の目標
を魚からイノシシにスイッチして山に来た。
「どこかにはいるんだよ。この山にだっているかもしれないだろ」
「いたとしても、僕らだけで狩れるのか？」
「なあに、こっちには拳銃があるんだ。クマが出たって大丈夫さ」
アスベルはシャツのした、ズボンに差し込んで隠していた拳銃を取り出すと、そ
の黒く冷たい銃身をべロリと舐めた。
「ククク。自分のチンポコと関節キッスしちまった。俺も罪な男さ」
「パンツの内側に入れてたのか？」
「おうよ。鉄が冷っこくて、いいぜ？」

二人は滅多に人も来ることもない獣道をキョロキョロ、あたりを探りながら進ん
だ。キノコ狩りや山菜採りの時期でもない限り、誰も踏み入れそうにない山道だ。
「あっ！」
急にクロトワが声を上げたのに、アスベルもつられて「うわっ！」と驚いた。
「なんだよ!？イノシシいたのか!？」
「ちっ、違うけど・・・あれ、なんだろう？」
クロトワが指差したのは、二人が行く獣道をもう少し進んだところの脇だった。
白い何かが雑草の上に横たわっている。
「・・・なんだろう・・・なあクロトワ。あれ、死体だったりして」
「やめてよ！」
二人は悪い予感に怯え足を止めた。腰が引けて、どちらかが悲鳴をあげさえすれば
すぐにでも今来た道に向かって駆け出しそうな緊迫したひと時が流れた。
「こっちには拳銃があるんだ」
アスベルはつぶやいて、拳銃をその白い何かに向けて構えながら、そろりそろりと
近づいて行った。クロトワはその場に立ちすくみながら
「アスベル？アスベル？」
と弱々しく友人の名を呼び、友人がそれに向かっていくのを見続けた。

それの前に到着したアスベルは「・・・ふう」とため息をついて拳銃を下ろした。
「クロトワ、ただのゴミ袋だ」
アスベルの声のトーンと内容が、そこに危険がないことを告げている。クロトワは
ほっ、と肩の力を抜いてアスベルに駆け寄った。
「なんだよ、びっくりさせやがって」
「びっくりさせたのはクロトワだろ。誰かが捨てたんだ。でも、なんでこんな山の
中に？」
アスベルは足でちょんちょんとゴミ袋を蹴った。そして、好奇心にかられ袋の端を
つかみ、縛られていない袋の口を下にして持ち上げてみた。
ゴミ袋から、大量の本、雑誌がこぼれ落ちた。
「ア、アスベル、これは・・・!？」
「ああ。お宝ゲットだ」
それは、いわゆる「山に捨てられたエロ本」だった。
「何を言うんだ！俺たちの目指すべき宝物は、がまかつの竿って言ったのはアスベ
ルじゃないか！」
「だけどこれだって超お宝だろ!？クロトワ、お前、自分の心に嘘をつくのか!？」
「うっ・・・そうだよ！これ、お宝だよ！」

二人は思わぬ収穫に頷きあい、その場に腰を下ろしてエロ本を読み始めた。
しばらく、行き場をしらない幼いリビドーが二人の下腹部でエイヤエイヤ！ソイヤ
ソイヤ！して彼らの立ち上がるのを許さなかった。
「・・・クロトワ。これ、秘密基地に持って帰ろうぜ」
「うん。・・・だけど、イノシシはどうするの？」
「イノシシはもういいよ！それよりこれ見ろよ。肉厚だぜ」
「石恵！」
「ほほう、よく知っているじゃないか・・・君も好きだね」
アスベルは「ヒャッホーッ！」と叫んで立ち上がり、空に向けて拳銃をぶっぱなし
た。
バン！バンバン！
銃声が辺りにこだまする。しかし、その音をかき消すほどに情熱の鼓動がドクン、
ドクンと少年たちのこめかみを叩いた。
魚からイノシシに、イノシシからエロ本に・・・目標は確かに変わった。だが、
彼らが求めたものが今晩のオカズであることにブレはなかったのだった。

おわり

「池田の猪買い」みたいな話だな

333だけども

皆様お気づきのとおり、アスベルとクロトワの名前は風の谷のナウシカから拝借しました。
宮崎駿大先生、ごめんなさい。

風の谷のナウシカは、ナウシカが人類の未来ぶっつぶしの原作漫画の方が超好きです。
ナウシカが巨神兵と未来の人類をヒャッハー！
テトが死んでしまったのがすげえ悲しかったです
ザ・ラーズのゼアシーゴーズ聞きながら寝ます・・・

一つどうでも良い事だけど…
熊は拳銃じゃ簡単に殺せる様な奴じゃ無いんだからね！！！

>>335　そうだったか・・・やはり、「絶・天狼抜刀牙」クラスじゃないとダメか・・・
クマ強え・・・

『沼津　 episode.4』
　六月の晴天の午後は蒸し暑い。
アスベルとクロトワは大荷物を交代で持ちながら、海沿いにある彼らの秘密基地
である工場の廃墟に向かった。
「やったなアスベル！やったな！」
「ああ！大漁ってやつだよ」
二人は息を弾ませ、期待に胸と下腹部を膨らませながら秘密基地に到着した。
「・・・おい待て！」
廃工場を囲む塀沿いを歩き、彼らしか知らない雑草に覆い隠された壁の抜け穴が
ある地点まで来たとき、アスベルは声をひそめて鋭くクロトワを静止した。
「えっ・・・なに？」
クロトワも声を落として聞き返す。
「しっ！・・・中から人の声が聞こえる」
壁の下部、這ってでしか入れない抜け穴が中に入る唯一の通路だ。二人は四つん
這いになって廃工場の中を覗いた。

「・・・ねっ・・・姉ちゃん！」
アスベルは息をのんだ。そこにあったのは、自分の姉が見知らぬ男とベロチュー&
立ちマンしている衝撃の映像だったのだ。
「あっ！あれ、アスベルの姉ちゃんだろ!？」
「・・・姉ちゃん！」
少年たちに見られていることにも気づかず、イザベルはマクシムスの首に手をまわ
し彼の唇を吸いながら「どっちがいい？私と富士山と？」と甘い声で鳴いている。
「もちろん君だよ・・・富士山なんて、だらっと裾野に広がるばかりで、君のよう
にボンキュッボンじゃない！」
「うふふ・・・ありがと」
大人の営みを目の当たりにして、クロトワは小さく身を震わせた。
「ごめんアスベル・・・俺、お前の姉ちゃんで・・・ごめん・・・」
とクロトワは友人にことわりを入れつつ、シコった。
アスベルは拳銃を懐から出すと、それを手にほふく前進で穴を通り、廃工場の敷地
内に入るなり立ち上がって叫んだ。
「姉ちゃん！」
「あぁッ！アスベル!？」
「姉ちゃん、これは和姦か、強姦か!？強姦だとしたら、俺は明日から刑務所に入る！」
アスベルは両手でしっかり拳銃を握りしめて、マクシムスに狙いを定めた。

決死の覚悟で臨むアスベルの背後で、
「じゃ、じゃますんなよォ・・・完全に合意の上のプレイじゃねえか・・・」
とクロトワがべそをかいていた。マクシムスは突然の来訪者にびっくりしながら、
「えっ？あの子だれ？」
とイザベルに尋ねた。
「私の弟よ・・・アスベル！姉ちゃん、セックスで静岡を救ってるの！」
「山梨もだよ」
「山梨は関係ないって言っているでしょう！・・・アスベル、だから、これは和姦だし、
今いいところだから邪魔しないで！」
「意味わかんねえよ姉ちゃん！そいつと付き合ってるのか!？」
「子供がそんな事気にしなくていいの！付き合ってないけど、結婚するの！」
イザベルはマクシムスに「ごめんね。あの子、私の弟でアスベルっていうの」
と改めて弟を紹介したあと、今度はアスベルにマクシムスを紹介しようとしたのだが、
「アスベル、この人はさっき知りあった・・・あれ？」
と、まだ名前を聞いていない事実に気がついた。
「ああ。まだ自己紹介してなかったね。俺は寺井マクシムス」
「えへへ・・・私も自己紹介まだだった！宮里イザベルです。処女です」
「このォ、嘘つきっ子め！」
エへへ、アハハ・・・イザベルとマクシムスは笑い合い、イチャイチャ、セックスを再
開した。

「・・・わかった！姉ちゃん、だったら今日はばあちゃんに赤飯炊いてもらう！」
アスベルは拳銃をそこいらに投げ捨てて抜け穴から外に出て、
「クロトワ、鯛釣りに行こう！」
と言った。
「ちょっとッ！あッアスベル！ちょっとそこどいて、あッ！」
クロトワは不本意ながらも止められない情熱の暴走により、友人の左足のすねのドアッ
プを見ながら自らの小さな富士山を噴火させた。
「あん！マンモス気持ちいいーッ！」
「うあぁぁぁ・・・ひどいよ、ひどいよォ・・・」
アスベルは背後からの姉の嬌声と足元からのクロトワのすすり泣きを聞きながら、自分が
一つ大人になったのを感じていた。
空は、今日という日をアスベルの思い出に焼き付けようと青く青く燃えているのだった。

おわり

以上で沼津シリーズは終了です。

この沼津シリーズは、最近静岡県沼津市に釣りに行ったときに、そこに生きる人々の営み
を妄想したのがきっかけで書いてしまいました。
サバが釣れました。

読んで下さりありがとうございました

乙

ところで、いまどき、マンモス気持ちいいって

のりピー語か
実際にヤクでマンモス気持ちよくなってたな

おいこらやめろ

それよりなんかSS書き込め

誰も書き込まないなら推理もの書き込んじゃうぞっと

あくしろよ

そのエレベーターには4人の男女が乗っていたが、扉が閉まりかけたとき一人の中年男性が駆け込んで来た。
エレベーター内の車イスに座った老人が閉まる扉を止めようと、とっさに杖を差し出し、杖がポキリと真っ二つに折れてしまった。
鋭利に尖って折れた杖を犠牲にし、息を切らせた中年男性はエレベーターに乗り込むことが出来た。
中年男性は車イスの老人に「すみません」と軽く頭を垂れると、「いいんですよ」と老人も笑顔で答え、折れた杖は膝の上に置かれる。
箱内の先客達を一望すると中年男性は閉まった扉の方に向き直り、皆に背を向ける。
5人の男女を乗せた箱は、グゥンという鈍い音とともに、ある運命へと動き出した。

そして5人の乗った箱は、次の階に着く前に急にガクンという音がして停止してしまった。
故障？…
扉の脇に立っていたスーツ姿のサラリーマン風の若い男が手際よく箱内に設置してある非常電話をかけると
すぐに作業員が来るという報せ。
「こういうときにかぎってハンカチを持って来なかった」とポケットをまさぐったあと
そのサラリーマン風の若い男は落ち着かぬ様子で額の汗を手でぬぐう。

止まった箱に閉じこめられ、時の経つのがやけに長く感じられる中、沈黙を破ったのは、その短気そうなサラリーマン風の男だった。
「みなさんどうですか？待っていても退屈なだけだし自己紹介でもしませんか？
まず私から、保険のセールスをしている脇坂 という者です。
ここに来たのは初めてなんですが、いやあ、こんなことに巻き込まれるなんて…」
ネクタイをキュキュッと絞め直し、スーツの内ポケットから出した名刺を配りだし、保険のセールスマンらしい口上をペラペラと述べだす。

次に話しだしたのは、折れてしまった杖を膝の上に置いたあの車イスの老人。
「狭苦しくさせて申し訳ない。私は五十嵐といいます。１０年前に事故に遭ってそれ以降こうして車イスの生活です。
ほとんど家から出ないんですが今日は通院の日でして、このタクシーの運転手さんの手助けを借りてこうして送り迎えをしてもらってるんです」
と横に立つタクシーの運転手に目配りする。

続いて目配りされた男が話しだす。
「あのー、いま御老人が話されたように私はタクシーの運転手をしている丸山と申します。
送迎のお手伝いを…はい」
次に、箱内に香水を匂い立たせ顔を隠すようにフチの広い帽子を深くかぶった美女が話しだそうとしたとき、脇坂が先に口を開いた。
「言わなくてもあなたのことなら誰でも知ってますよ。テレビで今売れっ子の女優、紅月くららさんでしょ？よければサインして戴けませんか？」
「え、ええ…、わたし、紅月くららです。サインはこんな状況なので、のちほど…」
一同の視線を浴びる中、彼女は皆を避けるように真赤なマニキュアをした細長い指先で帽子のフチをさらに深く落とした。

そうこうしているうちに、やがて箱の外で作業をしているのだろう作業員達の声が聞こえてきた。
「どうやら、もうすぐ動きそうですね」と脇坂が言うと「早く逃れたいわ…」と紅月が小声でつぶやく。

最後に、あの駆け込んで来た中年男性が口を開くと妙なことを話しだす。
「私は山田といいます。それにしても人生はエレベーターに似ていますね。
上がったり下がったり、そしてこんなふうに予期せず止まることも。
私の人生も実は3年前に止まったきりでしてね。
私の目の前で一人娘が車にはねられて亡くなったんです。そのままひき逃げでした。
あのひき逃げの運転手の顔だけは今でも目に焼き付いて離れません。
気が動転していてナンバープレートまでは見ませんでしたので娘を殺した犯人はいまだ捕まらないままなんですが。
でも運命とは不思議なもので、予期せず場所で予期しない人物と再会してしまうものですね」

山田と名乗る人物がそう話しているうちにエレベーター内の電灯がパッと消え、闇に覆われた。
とたんにキャッと叫んだのはおそらく紅月くららであろう。
それと同時にウッといううめき声とともに何かが倒れるような音も。

数秒後、「今動きますから！」と外から作業員の声がするとパッと明かりがつきエレベーターがグィンと動き出した。
しかし明かりの戻った箱内の光景には思わず誰もが固唾を呑んだ。
山田と名乗った中年男性の背中に五十嵐老人が持っていたあの鋭利に折れた杖先が刺さり
扉に倒れるように寄りかかっていた。
エレベーターが次の階に着き扉が開くと同時に山田は外にばったりと倒れた。
背中から心臓をひと突きされていて即死だった。
のちの警察の調べでは、杖には五十嵐老人の指紋しか発見されなかったというのだが・・・

これは…！

ここまでで犯人がわかります。
さていったい山田と名乗った中年男性を殺害した犯人は誰でしょう？
解決編は後日。

その前にどうやらスレじたいが落ちそうだな

推理小説が書けるってすごいですね！解決編楽しみにしてます。

ていうか犯人当ててみて

推理小説読んでも推理しないタイプなんだけど

動機がありそうなのがタクシードライバーだけ
タクシードライバーなら手袋をしていても/持っていてもおかしくない
だからあからさまにタクシードライバーが犯人

言っちゃ悪いけど安全装置付いてない（＝違法）上に急停止するなんてとんだ欠陥エレベーターだなｗ

>>359
あら、正解。

それと、レスしてくれてありがとう。
反応が無さそうなのでどうしようかと思ってた矢先・・・

山田と名乗る被害者の話から、三年前に彼の娘をひき逃げした人物がエレベーター内にいた。
そこで偶然に出くわしてしまい、被害者が語りはじめた話を聞いて、犯人も状況を飲み込めた。
名前すら言ってしまったあとで、ひき逃げしたのが自分だと知られてしまったことから
電灯が消えた暗闇の中で、とっさに五十嵐老人の膝上に置かれた鋭利に折れた杖を手にし
犯行におよんでしまった。

さて、10年前に事故に遭い車イス生活を余儀なくされていた五十嵐老人が
3年前に車を運転していてひき逃げをしたとは考えにくい。
テレビで売れっ子の女優、紅月くららも顔が知られているので、
もし彼女が3年前のひき逃げ犯なら、以前に被害者はテレビに出ている彼女を見て
娘をひき逃げした人物を誰だか分かり通報していたことでしょうから、彼女でもないでしょう。

まあこういうので推理する人間がいなかったら寂しいしな(´･ω･`)

では、なぜ凶器に五十嵐老人の指紋がついていたのでしょうか？
五十嵐老人の指紋がついていたということは、凶器の指紋を犯行後に拭き取ってはいないということです。
それでいて凶器に犯人の指紋がつかなかったのは、犯人は指紋がつかない状況にあったからです。
汗を拭うためのハンカチも持っていなかった脇坂が指紋もつけずに、とっさに杖を凶器に使うことはかなり難しいでしょう。

とっさに凶器に指紋もつけずに杖を持てた人間、それはいつも仕事がら白い手袋をしているタクシーの運転手の丸山、彼が犯人だったのです。
もしもあの時、山田と名乗る人物が駆け込んで来ても乗れなかったとしたら、運命は違ったものになっていたでしょう。（終）

七夕の殺人事件投下するよ？

７月７日午前１０時１０分頃、古い木造二階建てアパートの二階一番奥の一室で、住人の猿渡重蔵（44歳）の死体が発見された。

発見したのは同アパート住人の牛島はじめ（20歳）。
牛島はこの日が２０歳の誕生日で、自分の誕生日をささやかながらもリッチにすごそうと、猿渡の部屋に１万円を借りに来た。
なにごとにも几帳面でコマメな性格の猿渡は小金を貯めていて、アパートの住人たちは、ほぼ皆が、そんな猿渡から少額ながらも日常的に金を借りていた。
猿渡の部屋扉のカギはかかっておらず、牛島が呼んでも返事がないので、奥を覗くと部屋奥に倒れている人影が見え、
不審に思い彼が中に入ると、床に横たわっている猿渡の死体を発見しすぐに警察に通報した。
致命傷は頭部への殴打で、ほぼ即死だと見られ、他に外傷もなく、
そばに転がっていた血痕のついた大型のアナログ置き時計が頭部外傷の形状とも一致し凶器と断定された。
置き時計は被害者の猿渡所有のものであった。
猿渡は昨日７月６日午後１１時あたりまでは近所の雀荘にいて多数の人物から目撃証言があった。
彼がアパートに帰ってきたのは午後１１時２０分頃と思われ、
その時、１階住人の猪川清（25歳）と靖子（24歳）夫妻に、
かなり機嫌の悪そうな猿渡がブツブツいいながら階段をコツコツ上がる姿を目撃されている。
猿渡の隣室住人、鳥井あけみ（24歳）はスナックでホステスをやっていて、いつも帰りが遅く、その夜は７月７日午前０時半すぎに帰宅。
いつもは猿渡の隣室から深夜遅くまでテレビ音声が漏れてうるさかったのが、
その夜に限って物音ひとつしなかったので珍しいこともあるものだと思っていたそうだ（つづく）

大家の寅田翔子（58歳）は、二、三日前に、猿渡のちょうど真下に住む同アパート住人の犬山太一（33歳）が「殺してやる」と言って猿渡と口論をしている姿を目撃していたと証言している。
犬山と猿渡は日頃から仲が悪く何かというと口論していたそうだ。
とうぜん犬山だけは猿渡から金は借りてはいなかった。

猿渡の遺体は検死の結果、発見時で死後１０時間前後経過しており、凶器に使用された置き時計は文字盤のガラスが割れて壊れてしまい、
針が１１時４６分を指して止まっていたことから、昨晩の午後１１時４６分が犯行時刻だと推定された。
そして、犯行時間と見られたその時刻には関係者全員のアリバイがなかったのである。

ところが猿渡の電話の通話記録を調べてみると意外なことがわかった。
７月７日午前０時６分に最後の通話記録が残っていたのだ。
通話の相手は同じアパートの住人、辰吉遊也（27歳）
しかも辰吉は猿渡から総額５０万は借りていることが判明。
電話のことをしゃべらないでいた辰吉も警察の尋問にしぶしぶ話しだした。
辰吉「たしかに電話がかかってきました。金を返せという催促の電話でした。返さないと呪ってやるぞ…と。
それが翌朝あの人が死体で発見され、殺されたのが俺に電話がかかってきたより２０分も前だって話じゃないですか。
あの電話はじゃあ幽霊からの？？…と思うとそれで怖くなって話しだせなかったんです」

ここまでで犯人がわかります。
さて猿渡を殺害した犯人はいったい誰なのか？（後日、解決編へつづく）

はたして読み手はいるんだろうか

まあ過疎スレやし

時計はズラされたと考えるのが妥当
犯人はわからん

>>369
毎回レスしてくれてるね。感謝。

では解決編…

まず、電話の通話記録は証拠が残っているので確かなものです。
仮にこれを辰吉か、または他の者の細工だとしても、それによって犯人が得をするようなこともありません。
通話記録により犯行が０時６分以降だと思わせるためなら、犯人は凶器の置き時計の針もそれ以降の時間に動かしておくはずです。
時計の針が１１時４６分を指して止まっていたままにしておいて、電話で犯行が０時６分以降だと思わせる細工には必然性がありません。
細工ではないとすると、電話の主は猿渡本人だったことになり、猿渡は０時６分までは生きていたことになる。

隣室の鳥井あけみの証言を信用すると、７月７日午前０時３０分頃にはすでに殺されていた可能性が高く、
（それ以後の殺害だと隣室に物音が聞こえるだろう）
殺害犯行時刻は７月７日午前０時６分を過ぎてから午前０時３０分頃の間ということになります。
とすると凶器の置き時計の針が１１時４６分を指して止まっていた謎が残る。
猿渡は几帳面でコマメな性格なので置き時計の時間が２０分以上も遅れていたりすることはまずないでしょう。

じっさいの犯行時、凶器に使用された置き時計は１２時６分から１２時３０分の間で針が止まったものと考えられます。
それをあとから犯人が、停止した置き時計の針を１１時４６分に戻した。
針を１１時４６分に戻すことによってアリバイが成立する者もいなかったことから、アリバイ工作のためでもなかった。
ではなぜ犯人はそうする必要があったのか？そしてそうする必要のあった人物は誰なのか…？（つづく）

では、事件を再現してみよう。
７月７日午前０時６分に猿渡が自室から辰吉に返済の催促の電話をしたあと、犯人は猿渡の部屋を訪れる。
金を貸してくれとでも言ったのであろう。
しかし麻雀で負けたからなのか、ともかく機嫌の悪かった猿渡はそれを冷たく断るかして、
カッとなった犯人は目に入った置き時計をつかみ、思わず殴りつけ殺害してしまった。
凶器がその場にあったものを使用したことからも、これは計画的なものではなく衝動的な犯行でした。
犯人は怖くなりその場から逃げ去るも、ある考えが脳裏に浮かびつつ夜が明ける。

翌朝になって被害者の部屋を何食わぬ顔で訪れ、
そこで、１２時台で止まっていた置き時計の針を１１時４６分に戻し、死体発見者を演じた。
犯行が７日ではなく６日に行われたように見せたかったのだ。
犯人はなぜそうしようと思い立ったのか？
もし捕まるようなことがあると、７月７日の犯行だと２０歳になってからの犯行だが、
７月６日の犯行なら、まだ１９歳で未成年者の犯行となり罪が軽くなると思ったからだ。
時計の針を前日に戻す必然があったのは、すなわち７月７日で２０歳の誕生日を迎えた牛島はじめが犯人だった。

牛島の部屋の窓には七夕の笹が飾られていて、短冊にはこう書かれてあったそうな。
「２０歳になったら借金生活に終止符を」
…果たして彼の願いは叶ったのかどうなのか。（終）


最後まで長文を読んでくれた方には、良い七夕を迎えられますように・・・

推理小説読むのは好きだけど推理は苦手(><)
電話の内容が嘘なのか時計が嘘なのかって感じですよね。
テレビの音がしなかったという話きくと、電話の方が嘘なのかなと思いますが、誰が、何故、という部分は謎のままです。

はっ書いてる間に解決編貼られてた、ハズカシー><

>>373-374
もう誰も読んでないだろうなと思って解決編を載せちゃったのだ。
タイミングが悪かったですね、ごめんなさい。
読んでくださってありがとう。

語を作るのが好きな人のスレは、あちこち見てるとけっこう賑わってるのに
ここだけ書き込みがないな
それでも300台後半まで来てるのを見ると
俺が書き込んだのが悪かったのかな・・・

物語をだ
物が抜けた

もともと過疎スレ

今のいんたーねっつで創作するなら多少過疎ってるくらいのほうが色々と上手く回る
ここは過疎すぎだけど

『Adolescence』

その時、僕たちは十六歳で、ちょうど酷く思春期の暗闇がこじれる時期であった。
高校一年生の、夏休み少し前。その頃僕には、恋人と呼べる存在がいた。
彼女は、自らを宇宙人と主張し、日々空を見上げ宇宙の何処かと交信している、いわゆる『変人』であった。
そんな彼女と打って変わって、僕はあまりにも普通、普遍的で平均的、凡人の中の凡人であった。顔も、背も、体重も、成績も、体力も、全て真ん中あたりを突き抜けているような男だったのだ。
そんな凡人の僕と、変わり者の宇宙人少女が、何故恋人になったのかというと、それが全くわからない。気付くと、僕らは恋人になっていたのだ。理由も分からなければ、時期も分からない。一応、一学期の内ということだけは分かる
が。

宇宙人の名前は、小鳩螢といった。
本当の名前は、もっと長くて、地球人には発音できない名前らしい。
僕らは、恋人といえど、一緒に登下校をし、昼食を共に食べる──。それだけの関係だった。そんな関係の男女二人を、本当に恋人と呼んでいいのか。今でも分からない。そしてきっとこれからも。
それでも僕らは、毎日一緒に登下校をし、昼食を共に食べた。それだけで僕は満足だったし、きっと螢も満足していた…と思う。

僕は螢から、彼女の産まれた星のことについて、随分話を聞いた。
地球から遠く遠く……、果てしなく遠い、とある銀河の端っこにあるということ。
そしてその星ではとても大きな戦争が起きていて、避難のためにこの地球にやってきたこと。
その星の戦争は収まったものの、もう住めたものではなくなってしまったらしく、地球に永住しなくてはならないこと。
螢の両親は、二年前に戦争で受けた傷の後遺症による病気で、死んでしまったこと。

そして、同じ星から避難してきた仲間達と、毎日交信を取っていること。
…いろんなことを話してくれた。

そんな螢は、今はどこにいるのか分からない。

消えてしまったのだ。そう。どこか遠くへ。

話が急過ぎて申し訳ないとは思うが、本当にそうなのだ。
夏休み、前日。放課後。
やたらと立体的な入道雲がもくもくと出来上がる時間帯の住宅街を、僕と螢は、話もせずに歩いていた。
互いの影は、ぶつかったり離れたりを繰り返しながら、夏の地面を揺れていた。
十字路につくと、じゃあね、さよなら。夏休み、楽しんでとだけ言って、螢は去って行ってしまった。
そのときの彼女の顔を、僕は覚えていない。
その夜、電話がかかって来た。
星は煌めき、月は淡かった。
電話をかけて来たのは螢だった。
ごめんね、こんな時間に急に。そう彼女は言った。籠った声が、夜の闇に吸い込まれて行った。

なんか、さ。急にあなたの声が聞きたくて…。あはは、ごめんね。

星が綺麗に見えるからかな……、なんか、不思議な感じだよ。悲しいのに懐かしくて…さ。

わたしの住んでた星は、見えないけどね。

あのさ、それでね。あしたから、なつや──

プツンと、そこで電話は切れてしまった。
それからの夏休み、僕は一度も彼女とは会わなかった。
あの電話は、一体何だったのだろう。そんなことをずっと、考えて過ごした。

夏休みが明けると、教室に彼女の机はなかった。

担任の先生は、螢は転校したと言った。

それから僕は、螢のいない日々を過ごした。まるで、影なしの影踏みをしているようだった。

それから何年も、何十年も経った。
僕は一歩も前に進めず、螢の影を追う、影なしの影踏みを続けている。
きっと螢は、僕の影を連れて行ってしまったのだと思う。あの夏の夜に。ひどく湿ったあの夜に。ひどく星の煌めく、あの夜に。

そして僕は螢を、あの孤独な宇宙人のことを、一生忘れないだろう。たった三ヶ月ほどの、一筋の流星のようなあの日々を。
そして、影を連れて行かれた、あの夏の夜のことを。

終

ああ、いいね。なんか、いろいろ思い出して切ねえ

そんなに思い出すほどの事もないはずなんだけど・・・

なんか、スランプだからリハビリ的に書いてみました。疲れてるとパワーが足りない


『The Sidewinder Sleeps Tonite』
　菅田ジョアンは小高い丘の上で芝生の上に腰掛け、街を見下ろしながらビール
を飲んでいた。
人工の空はいつも青空で気温も湿度も過ごし良い頃合に調整されている。人が宇
宙で暮らすために作られたスペースコロニーの中は常に快適な気候に保たれてい
るのだ。
ジョアンはビールを一口飲んで「クソが・・・」と誰に言うでもなく悪態をつい
てポケットからタバコを取り出し火を点けた。
「おーい。ジョアン、やっぱりここにいたのか」
ジョアンの勤務するモビルスーツ工場の同僚である青木ミカエルが彼をよびなが
ら丘を登ってきた。
「やあ。君もハイキングかい？」
「ハイキング？こんな工場の裏山にか？今日は半ドンだから、どうせここで飲ん
でいるだろうと思って、俺も来たのさ」
ミカエルはジョアンの横に座って、コンビニ袋からビールを取り出して一緒に飲
みはじめた。

「しかしジョアン。今日新規で受注が入ったあの丸っこいMS、どう思う？」
「どう思うって・・・仕事だから作るだけだろ。なんとも思わないよ」
「あれ、水中専用らしいぜ。魚雷積むらしい」
「水中だって!？バカな！この宇宙でドンパチやる時代に水中？」
ジョアンは苦い顔をして少し考え込むと、
「じゃあ、そんなものの為にザクのラインが減らされたのか？」
「そういうことらしい」
「クソッ・・・クソッ！クソがぁッ！」
ジョアンは立ち上がると、街に向かって
「ジオンのバーカ！」
と大声で叫んだ。
「おい、よせよジョアン！誰かに聞かれたらどうするんだ!？」
「いいさ、いくらでも言ってやるよ。水中MSだって？ハッ！鯨とでも戦おうって
のか、ジオンのお偉いさん達は。宇宙戦争だろ。ザク作っときゃ間違いないんだ」
吐き捨てるように言ってから、ジョアンは背後に置いてあったリュックを手に取っ
て中からあるものを取り出した。

「なんだい、それは？」
「ああ。これは、俺が仕事の合間に工場からこっそり材料をくすねながら作った、
小さい、リモコンで動くザクさ」
それは、1/144スケールのザクだった。
「ほう、すごいな！よくできている」
「おっと、褒めるのはコイツの性能を見てからにしてくれよな」
ジョアンが得意げにリモコンを操作すると、小さいザクは軽やかにステップを踏
んで踊り始めた。
「おおっ！このダンスはまさか!？」
「そうさ・・・恋愛サーキュレーションだ」
「すごい。ザクがこんなになめらかに踊れるなんて驚きだ」
「ああ・・・塵も積もればア・バオア・クー。略してちりつも高機動型ザク」
「語呂悪いな」
二人はビールを飲んで笑った。人工の緩やかな風が二人の顔を撫でて青い鉄の空へ
と駆け上っていく。ここは、地球圏で起こっている戦争からは遠い場所だった。
「実はさ、この前仕上げた赤いザクに、このミニザクと同じダンス機能積んだんだ」
不意に、ジョアンが告白した。

「えっ・・・あれ、シャア少佐専用機だぜ？嘘だろ？冗談だろ？」
ミカエルはそれまで陽気だった気持ちに水をかけられたように、顔面蒼白になって
聞き返した。
「マジなんだ・・・ヤベえよな・・・シャア少佐がなんかの間違いで、俺が勝手に
取り付けた“死ぬ気スイッチ”を押したら、戦闘中であろうがお構いなしに4分間、
曲が終わるまで恋愛サーキュレーション踊り続けるんだ・・・俺、逮捕されるよな」
ジョアンはしくしくと涙を流した。
「おいおい・・・まあ、シャア少佐ともあろう人がそう簡単に死ぬ気だなんてスイ
ッチを押すとも思えないけど・・・」
ミカエルは何とか同僚を慰めようとした。
「ああ・・・ありがとう、ミカエル。ちなみに、シャア少佐が操縦すれば通常の三
倍の速さになるからこんな感じ」
ジョアンがリモコンを操作する。すると、ミニザクは三倍速で恋愛サーキュレーシ
ョンを踊った。

「やっ・・・やべえ！シャア少佐が三倍の速さでふわふわり、ふわふわる！これは
やばい！やべえよジョアン！」
「ああ！連邦の白い奴だって萌え上がるさ！普通のザクなら4分が少佐なら1分20秒！」
作られた空の下、酔いに任せて二人は転げまわってしこたま笑った。
笑い疲れたあと、ミカエルが
「これで少佐が死んだら、ここの工場の連中はみんな銃殺刑だな」
とつぶやいた。
「少佐、頼んます・・・ザクはやめて、水中のアレに乗ってください、頼んます・・・」
ジョアンは芝生に突っ伏して再びしくしく泣き始めた。
遠くで、これから夕暮れを告げるサイレンが鳴っている。
人工の空が、向こうの方から少しずつ紅の色に変わりつつあった。
今日という日が終わろうとしているのだ。

おわり

ザク乗りてえ・・・寝るか

>>388
一夏って感じでとても素敵。
影がなくなるって表現は、映像的に綺麗だけど、意味はよくわからない。大事な部分がなくなった感じ？

>>395
ザクの恋愛サーキュレーション吹いた。その発想力のかけらでも分けてほしい。
なんかまったりしてて好きです。

>>396　
サンキューです。もっと色々なお話を書ければ、と思ってはいるのですが、なかなか・・・
物語を書くのってパワーが必要ですね。体を鍛えなければ

『サマーソニック』
　23時過ぎの電車の中は人々の汗や香水や、人が生活の中で発する様々な臭いが
薄く充満していた。弱めにかけられた冷房が色々な臭いをかき混ぜながら電車内
を冷やしている。
まばらに埋まった座席と、座席が空いているのにあえて扉にもたれ掛かりながら
立っている乗客が数人。誰しもが疲れを全身に纏わせ、携帯をいじったり本を読
んだりしながら、電車が自分の駅に到着するのを待ちわびている。
仕事のあと居酒屋で呑んだ帰りの菊池ロンギヌスは、扉の横に立って窓の外を眺
めながら
（ふん・・・どいつもこいつもしみったれた顔しやがって、この社畜どもが）
意味もなく他の乗客を心の中で見下した。電車の振動とレールの軋む音と、窓の
外に流れる暗がりの住宅街。すべてがロンギヌスの気に食わなかった。
（糞どもが・・・俺がデイダラボッチだったら、こんな電車一撃で止めて、こい
つら全員甘噛みして梅干の種みたいに飛ばしてやるのに）
心の中で自分を巨人に感じていても、ロンギヌスもまた小さな一人の人間、一人
の乗客に過ぎなかった。

「つぎは玉川学園にとまります。お出口は左側です」
アナウンスが流れるとロンギヌスは自分が立ってるのが右側の扉だったので、扉
を背にして反対側を向いて電車が駅に到着するのを待った。
電車が止まり、数人の乗客が降りていく。ロンギヌスも若い女の後に続いて電車を
降りた。
電車を降りたロンギヌスの目の前で、先に降りた若い女が突然電車とは反対側の
駅の壁側に走り寄ってその場にうずくまり、
「おえぇぇぇぇッ！」
と激しく嘔吐した。
（おおっ、ロックだねぇ！素敵じゃないか）
ちょっとしたトラブルの現場に遭遇して、ロンギヌスはいい気分になった。彼は
女に歩み寄って
「大丈夫ですか？」
と声をかけた。
「ええ・・・大丈夫です・・・飲み過ぎちゃって。恥ずかしい」
おそらく、恥ずかしさよりも酔いの気持ち悪さが勝っているのだろう、女は顔色
悪く、肩で息をしていた。

「ああ・・・こんなところで、恥ずかしい」
再び、女が恥じらいを口にしたとき、ロンギヌスはある事を思いついた。
「お嬢さん、大丈夫ですよ。俺に任せて」
ロンギヌスは自分の喉に指をつっこみ、胃の中の物を無理やり逆流させて、
「えろえろえろえろえぇぇぇッ！」
と女の嘔吐物の上に被せて激しく嘔吐した。
「あっ、あなた何をす・・・おえぇぇぇ！」
女がビックリと同時に口からもらいゲロをほとばしらせる。
真夏の夜、駅のホームの一角はカオスだった。
ロンギヌスと女は数回嘔吐を繰り返したあと、気持ち悪くなってその場を少し離
れた。
「はぁはぁ・・・あなた、なんのつもりなの？」
「ふふ・・・君があまりにもロックだったから、違う形のセックスに挑戦したまで
ですよ。俺、詩人だから」

女は青白い顔をしながらロンギヌスを睨みつけた。
「そうなの？それじゃあ・・・」
女は少し考えたあと、
「それじゃあ、キスして」
目をつむって唇をロンギヌスに差し出した。
（おおう・・・これは、嘔吐がゼロ距離で直接ぶつかり合う可能性がある・・・
しかし、恋に危険はつきものだ！）
ロンギヌスは女を抱きしめてキスをした。
ロンギヌスの体の奥から、女の体の奥からも、熱い何かがこみ上げて来ようとし
ている。
この駅には止まらない、本日最後の急行列車が二人の横を通り過ぎていった。
夏の夜はここから始まるのだ。

おわり

このSS書いている最中、YouTubeで音楽聞いていたのですが、曲には入っていないはずの
女の声がヘッドホンから聞こえました。うれしはずかし心霊体験です。
プレイヤーのベイビーカムバック聞きながら寝ます
http://www.youtube.com/watch?v=Hn-enjcgV1o

レコーディングの時には声がけっこう入るんで
ミックスダウンするときに入り込んでしまっただけでしょ
エンジニアがわざと入れて遊んでるってケースも

多分高校にいじめがないと思っているって言うのは全日制の高校に行ったことがない人だろうな
進学校だろうが底辺校だろうが中堅校だろうが人間の集団がある以上いじめっていうのはだいなりしょうなり存在するわけで

誤爆

>>403
いやいや、それが、きちんと聞き返したんですよ。で、曲には入ってなかった、と。
今年は猛暑だから幽霊も忙しいはず

しかし、最近はSS書こうとしても途中で力尽きてしまう・・・夏のせい

『運命』
　夏は暑い。
そんなわかりきった事を毎年再確認するかのように夏は暑く、「今年の夏は暑いね」
と人々はお決まりのセリフを口にする。だがそのセリフ以上に、
「今年の夏は暑いわ。異常よ」
とため息のように沼田ヴィクトリアが言葉にせずにはいられないほど、例年にも増
して燃えるような毎日が続いている。
（そうなの？私、幽霊だからわかんないけど）
ベッドに寝そべってグダグダしているビクトリアの愚痴に、宙に浮かんでマンガを
読んでいる浮遊霊のジョゼフィーヌが答える。
「なに？夏だから出てきたんじゃないの？」
（オバケが夏に出るって考え方は古いよ。実は年中無休よ）
何事も「慣れ」である。すっかりこの部屋の住人になってしまったジョゼフィーヌ
を、ヴィクトリアは知性ではなく感性で認知した。
「年中無休？休みないの？有給は？」
ヴィクトリアがスマホをいじりながらぼんやり聞き返す。知性と感性がダメな配合
で混じり合った思考で彼女は形成されていた。

（無いよ、年中オバケしてる。ヴィクトリアだって年中無休で乙女でしょ？）
「そうよ」
質問への質問返しに、ヴィクトリアは即答した。
「今年の夏こそフリードリヒと一線超えちゃって、子供の頃に興じたお医者さんゴ
ッコの向こう側に行くの・・・」
（ああ、あれね。ハトコ・体がポッポポッポするの・体が火照るの・体がホテルの
・・・ってヤツね）
「なにそれ？」
ヴィクトリアがチラリと目線を送りながら冷ややかに言った。
（国道沿ーい　赤い矢印まーねくー　愛のネオーン・・・）
ジョゼフィーヌが歌う。
「なに？昔の歌？わかんないよ」
言葉は柔らかい刃物である。
（昔の歌・・・そうよね。あの頃はカセットテープだったもんね・・・）
顔を伏せて気持ちを沈ませる幽霊を尻目に、ヴィクトリアはこの夏の恋の計画を思
いついた。
「そうだ。花火大会の後の肝試しイベントで、運命のイタズラでフリードリヒとペ
アになって、ジョゼが出てきて二人びっくり、ってどうかしら？怖がりのヴィクト
リアが思わずフリードリヒに抱きついて・・・ヴィクトリアの髪から香るシャンプ
ーの匂いに理性を失ったフリードリヒがヴィクトリアの肩をグッと・・・あぁ」

ヴィクトリアはスマホを横に投げてうつ伏せになり、枕に顔を押し付けながら幸せ
な妄想に悶えた。
「ちょっ、フリードリヒ・・・早く戻んないとみんなが心配しちゃ・・・あッ！
ダッ、ダメ！あ・・・違うよォ、さっきリンゴ飴食べたからだよォ・・・」
妄想が早い段階でクライマックスに達したヴィクトリアは体を小刻みに痙攣させな
がら「うへへへへ・・・」と枕に笑い声を篭らせた。
（ああ、フリードリヒってこの前のあの子？）
ジョゼフィーヌの質問に、ヴィクトリアは枕に顔を埋めたまま「うん」と答えた。
（あの子カワイイよね。この家に来る前に、あの子のうちに寄ったんだ）
ジョゼフィーヌの言葉に、一瞬、体を凍りつかせたヴィクトリアは、そっと顔を横
に向けて
「フリードリヒの家に行ったの？」
と聞いた。ヴィクトリアの瞳が、うかがうようにジョゼフィーヌを見つめる。彼女
が敵か味方か、と値踏みするように。
（うん・・・あの子可愛かったから、ちょっとイタズラしちゃった。・・・うふふ。
年頃の男の子って・・・ちょっと変な夢を見せたらアレがアレになっちゃうんだか
ら！）

空中でジョゼフィーヌは体を丸め、手にしたマンガで口元を隠してクスクス笑った。
（泣かしたった！年下の男の子、泣かしたった！）
上機嫌で宙をふわふわ浮いているジョゼフィーヌを見るヴィクトリアの瞳から感情
の体温が消えてゆき、冷たい氷の輝きを宿らせた。
「ジョゼ・・・話しなさい。内容如何によっては・・・殺してやる・・・」
枕越しにヴィクトリアが低い声で言った。
（うふふ！私、もう一回死んでるし）
「だったら二回目、殺してやる・・・」
ジョゼフィーヌは、ヴィクトリアから放たれる本気の殺意を感じた。
（私は来るべくしてこの家に来たんだろうな）
うふふ。妖しい笑顔を浮かべたジョゼフィーヌの半透明の体を、ヴィクトリアが放
った枕が突き抜け、壁にバシッとぶち当たって床に落ちた。
いつの時代も変わらない。
女の敵は女なのだ。

おわり

こう暑いとビールが美味しいですね。
米米クラブ聞きながら寝ます

http://www.youtube.com/watch?v=1INcgOd7xgE

ここって自由に書いてもいいの？

いいと思うけど

>>410
相変わらずとても面白いです。
泣かしたった！という言葉の選択センスが好きです。

>>412
かなり読者は少ないですが、SSなら自由に書き込みどうぞ！

>>414
サンキューです。SSスレで続きもの書いてしまって、との申し訳なさはあるのですが、
書き始めちゃったら自分の物語に愛着わいちゃって・・・許してくれる方、良かったら
お付き合いください


>>412
書いちゃいなよ！ここで「自由に書く」以外の選択肢ってそう無いよ！

『田園』
　夕暮れ、いくらかは昼間の暑さは去りつつあるが蒸し蒸しとした湿気は辺りに漂
い肌にまとわりついてくる。
「ただいまー・・・」
学校から帰ってきて自分の部屋に戻った沼田ヴィクトリアは、常識的には誰もいな
いはずの、自分の机の斜め上の空間に帰宅の言葉を言った。
（おかえり。・・・ん？何かあったの？）
すでに鬼籍の人で重力に囚われることの無い幽霊のジョゼフィーヌは、いつものよ
うに空中に寝そべりながらマンガ本を読んでいたのだが、部屋の主であるヴィクト
リアの様子を不審に思いマンガ本から目を外して彼女を見つめた。
「んー・・・うんー・・・」
ヴィクトリアはどっちつかずの返答をしながらカバンを椅子の上に置き、制服のネ
クタイだけ外して机の上に投げ出すと、着替えもせぬままベッドに腰掛けた。
（あれれ？本当に何かあったの？困ったこと？）
ジョゼフィーヌが心配して首をかしげる。

ヴィクトリアはなんとなく、心ここにあらず、といった表情で
「うん、ちょっと・・・」
と答えると、続けて「場合によっては、エルジューベッドをこの手で？」と穏やか
ではない独り言をつぶやいて顔を伏せてしまった。
（ちょっとちょっと！エルジューベッドがなにしたのよ!？あの子、確かに心が腐
ってるけど、悪い子じゃないわよ。腐ってるけど）
同じ趣味の持ち主である少女・エルジューベッドとヴィクトリアの間に何らかのト
ラブルが生じたのかもしれない不安に、ジョゼフィーヌは両手をバタバタさせた。
「・・・今日ね、学校でエルジューベッドがフリードリヒと二人で、楽しそうに話
してたの。二人ともプロレスが好きだって、そんな話題で。プロレスなんてヴィク
トリアには分からないのです。フリードリヒがあんなに笑ってて・・・まさか、エ
ルジューベッドもフリードリヒのこと・・・」
友人に想い人を奪われてしまうのではないかという不安が、ヴィクトリアの小さな
胸を締め付けていた。

「ねえジョゼ、STFってなに!？まさか、好きだ・たまんねえ・ファックしてもいい
だろいいわよ、の略？」
（なに言ってるのよ。プロレスの技の名前よ。ステップオーバー・トーホールド・ウ
ィズ・フェイスロックの略。蝶野正洋のフィニッシュホールドよ。蝶野は鉄人ルー・
テーズにSTFを伝授されたの。これ、マメね）
ジョゼフィーヌが余計な情報まで説明している間、ヴィクトリアはひとりで勝手に
不安の妄想街道を全力疾走していた。
「うぅ・・・よもや、それがしのアレが・猛り狂ってるから・フェっ・・・フェ・
・・ラしてくれよ、みたいな・・・？スケベ関係・付き合うこと前提で・フュージ
ョンしてフリードリヒとエルジューベッドでフリジューベッヒ？・・・やだ、不潔、
不潔よ・・・ダメダメダメダメダメ・・・」
ヴィクトリアは行き過ぎた自分の妄想に耐え切れなくなり、と両手で顔を覆い膝の
上に伏して身を震わせた。
（いやいや、だから・・・ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロ
ックだって。技をかける側が相手をうつ伏せにして上に覆いかぶさる形で乗って、
相手の片足を自分の両足で固めて、さらに相手の頭を両腕でロックして締め上げる
プロレス技よ）

「なによ！そんなのセックスじゃない！」
ついにヴィクトリアはわっと泣き出してしまった。
「ヴィクトリアは覆い被さられたことないもの！足をキめられたことも頭をロック
されたこともないもの！」
（あってたまるか）
しばらく、メソメソと涙に沈んでいたヴィクトリアだったが、
「あのむちむち女、ちょっとおっぱいが大きいからって・・・ジョゼ、藁人形の作
り方を教えて！できるだけ材料は100円ショップでそろえたいからそこは考慮して！」
（ちょっと、やめなさいよ！エルジューベッドは男同士が裸で組み合ってるのが好き
なだけよ。たぶん、というか絶対。フリードリヒは純粋にプロレスが好きなのかもし
れないけど。ヴィクトリア、友達を呪ったりしてる女の子じゃ、フリードリヒに嫌わ
れちゃうよ・・・ヴィクトリアはそんな女の子じゃないでしょ）
「・・・そうだよね。うん、わかったよジョゼ！」
ヴィクトリアはスマホを手に取るとフリードリヒに、
「今度、ヴィクトリアにSTFをかけてください」
とメールを送った。すぐに返信が帰ってくる。

「はい？」
「はい、じゃないが。STFをヴィクトリアにかけてください。ヴィクトリアの悲鳴は
可愛すぎるので、いろいろあれですが」
「はい？」
「はい、じゃないが。エルジューベッドにはSTFできて、幼馴染のヴィクトリアには
STFできない学術的な理由でも？」
独りよがりの問い詰める内容のメールを送った後、ヴィクトリアは（もし、本当に
フリードリヒとエルジューベッドが付き合っているって返信がきたら）と不安になり、
「ジョゼーぇ・・・あの二人がほんとに付き合ってたら、どうしよう・・・」
と同居人の幽霊に泣きついた。
（なにがどうなったらヴィクトリアが満足するのかは分からないけど、それは絶対に
ないわ。いい？エルジューベッドは私やサロメアと同じこっち側の人間よ。生きてる
とか死んでるとかじゃなく、腐っているかいないかで、腐っている側の。そんなに彼
が他の女に取られるのが不安なら告白したらいいじゃない）
「うぅ・・・うううぅーッ！なんだかんだ言っても勇気ないのです！一緒に暮らして
たらわかるっしょ!？ヴィクトリアがそこらへんガチの弱虫だって！」
ヴィクトリアがべそをかく。

二人がそんなやりとりをしていると、フリードリヒからの返信が届いた。
「醍醐にSTFかけてねえし、つうか、誰にもかけたことねえよ。素人がやったら怪我す
んぞ。そんな事より、今度写真撮りに行きたいからひまわり祭りに付き合ってくんな
い？オヤジからお下がりの一眼レフ貰ったんだよ。ひまわりの写真撮りたい」
妄想が杞憂に終わった安心感と同時、ヴィクトリアの脳裏に、ひまわり畑で写真を撮
り、戯れ、不意に言葉を止めて見つめ合いいつしか唇を寄せ合う彼女とフリードリヒ
の映像が流れた。
（ほらヴィクトリア。返事、返事！）
ジョゼフィーヌにけしかけられて、
「いいよ。付き合ってあげる」
とヴィクトリアは返信のメールを送った。そして、ベッドに身を投げ出して枕に顔を
うずめ「ぃいいいーッ！」と喜びの奇声を発した。
（あらあら、青春ね・・・でもね、夏は恋と幽霊の季節。出来上がった写真、あなた
とフリードリヒの間に、半透明の女の姿が映り込む不思議もあるわ）
妖しくほくそ笑むジョゼフィーヌに気づくことなく、ヴィクトリアは「だめ、フリー
ドリヒったら・・・ひまわりが見てるよォ・・・」とあちら側の世界に行っていた。
ひまわりは太陽を向く。
ヴィクトリアの妄想の中、ひまわり畑の中で夏の恋はいよいよ眩しく燃え盛ろうとし
ているのだった。

おわり

ううー！極ZERO！

プリン体ゼロ！

糖質もゼロ！

サッポロ、ありがとー！

そしてバカヤロー！

もう一本飲んで寝ます！

>>422
いつもおつです！おもしろかったです。
醍醐ってなんだ！？
夏ですねえ！

>>423
どうもありがとう。醍醐はエルジューベッドの苗字です。あと、後醍醐天皇は第96代天皇で
ゴダイゴはタケカワユキヒデです。
本当は続きを書きたいのだけれど・・・創作ってすげえ体力使いますね。
今週中にはもうひとつくらい書きたい・・・

後醍醐天皇の方が有名みたいだけど醍醐天皇もいるよ

はい

http://www.manutd.com/en/News-And-Features/Football-News/2012/Jun/german-football-expert-raphael-honigstein-on-shinji-kagawa.aspx

>Real Madrid very late on in the game became aware of his potential,
>but United stole a march on everyone because the player wanted to go there.

日本語でおk

誰か麻呂が主人公のＳＳとか書いていいのよ？

こういう気軽に投下できそうなスレはいいよな
夏だしスプラッター小説でも書いてみるか

『カツオ「花沢さん……挿れるよ……」』

はあぁぁぁああん！！磯野クうぅぅぅぅううン！！！
磯野クンと繋がってるぅぅぅぅぅう！嬉しいわぁぁぁぁぁああ！
わたしたち一つに繋がってるのね！！夢じゃないのね！！
磯野クンの吐息が首筋にぃ！！たまらないわぁぁぁあ！！
あっあっあぁぁあっー！！駄目よぉぉぉ！！そんなに激しくしないでぇぇぇ！
やぁぁぁあん！！おっ、奥に当たってるぅぅ！！うふんっ！！あひんっ！！
擦れてるぅぅぅ！！磯野クンのが擦れてるぅぅぅーーぅうう！！
あはぁぁあんぅっ！！あたしぃ…！！もう頭がおかしくなりそうよぉぉ…！！
もっと突いてぇ磯野クン！！あたしをもっと！！もっと壊してぇ！！
あっあっあぁぁあぁっー！！もうだめぇぇええぇぇ！！ひゃあぁぁあああ！！
あらっっ…！！ちょっとぉぉ…！！今ドクンドクンってなったわよぉぉ……！！
もし赤ちゃんデキちゃったら……どうするのよぉぉ……んもぉ

ファッ！？

いつからこんな関係になったのだろう。
そう、あれは中学に入って間もない頃だった。
女の子のことが気になり始める年頃だった。
カオリちゃんや早川さんの裸を想像しては抜く。
姉さんとマスオ兄さんの夜の営みを覗き観る。
そんな日々が続いていた。

無論、異性に興味を持つのは男子だけではない。女子もだ。
あの花沢さんとてその例外では無かったのだ。
いや、何を今更という話である。
花沢さんは小学校高学年の頃からそうだったではないか。

とにかく、僕たちは一端の男女に成長しつつあった。

ある日、下校しようとした時のことだ。
下駄箱置き場で花沢さんに偶然出くわした。
小学校の頃のように、一緒に帰路に着くことにした。
花沢さんを女としては見ていなかったが、流石にこの状況だと調子が狂う。
いかにも思春期の男女。交わす口数は少なく、お互いにどこかぎこちない。

「ね、ねえ……磯野クン」

「何だい花沢さん」

突然、花沢さんは僕の唇を奪った。唐突すぎる。
猪のような勢いで唇を押し当ててくる花沢さん。
彼女は舌をちろちろと口腔内へ侵入させてきた。
抵抗を見せる間もなく、僕の舌に絡みつく花沢さん。
甘い。花沢さんのねっとりした唾液のなんと甘いことか。

規制が終わるまで思い出したように書いていこうかなーと思います
だから不定期連載です。新たなSS投下は遠慮なしにどうぞどうぞ。
まあ、言われなくても当然の流れだけどね

シモネタが続くのか

『舞踏の聖歌』
　灰色の雲がいくらか夏の今日を過ごしやすい温度にとどめてくれている。
しかし、気温の恩恵よりも、
「天気がいまいちだな。青空バックにひまわり撮りたかったんだけど」
父親から貰った一眼レフカメラを首から下げたフリードリヒには不満なコンディシ
ョンだった。市内で毎年開催されているマイナーなイベントのひまわり祭りに来た
フリードリヒとヴィクトリアは人の流れに乗ってひまわり畑の間の道を進んだ。
時々フリードリヒが「ちょっと待って」と立ち止まりひまわりを写真に収める
フリードリヒが熱心にシャッターを切る後ろで、
（テンション上がってOKしちゃったけど、これはデートなのでは・・・）
幼い頃からの付き合いであるのだが、緊張にヴィクトリアの鼓動は早まり、鼓動は
彼女の頬を紅に染める。
「ヴィクトリア、そこに立ってよ」
フリードリヒが振り返り、ヴィクトリアに言った。
「ええッ!？」
「いや、そこに立ってってば。写真撮るから」
ヴィクトリアは言われるままにひまわりを背景にフレームの中におさまった。

「あの・・・ヴィクトリア、笑って」
「・・・なにがですか」
ヴィクトリアは直立不動で唇を尖らせて、プルプル震えながら若干怒り顔でレンズ
越しにフリードリヒと見つめあった。
「・・・まあいいや」
カシャ、カシャ、っとシャッターを切ったフリードリヒは、撮った写真をモニター
で確認し、
「うん。まあまあ」
と出来栄えを評した。
「まっ・・・まあまあ、なの？」
自分の関係することに対する評価が、まあまあ、なのはヴィクトリアには非常に心
外だった。
「ああ、うん。俺まだ初心者だしな。それに、晴れてたらもっといい写真だと思う
んだけど。ヴィクトリアは可愛く撮れてるよ」
「かっ、かわッ！」
フリードリヒの言葉は矢のようにヴィクトリアの胸を貫いた。
ヴィクトリアは胸を両手で抑え背中を丸め、顔を地面に向かって伏した。

（今ッ！神様、今フリードリヒは何と言ったのですか!？ヴィクトリアがド緊張して
隙を見せたからといって、こっ・・・告白みたいなことをしたのですか!？）
「うん、どうした？いつものおかしな状態に突入したか？」
ヴィクトリアとはうってかわり、幼馴染の不審な行動に慣れっこのフリードリヒは
体を丸めてガクガクしている彼女を軽く無視しながらカメラの調整に忙しく指と神経
を動かした。
「・・・したのですか？」
ヴィクトリアが勇気を振り絞ってフリードリヒに尋ねる。
「はい？」
「はい、じゃないが。その・・・したのですか？」
「はい？」
「はい、じゃないが！つい今しがた、ヴィクトリアに、こっ・・・こくは・・・ッ！」
その時、だった。
「よお、お二人さん。写真撮ってあげようか」
ヴィクトリアが決死の恋のダイブをしようとしたのに、それを阻止したのは彼女の姉だ
った。
「おおおお、お姉ちゃん！」
ヴィクトリアは飛び上がらんばかりに驚いた。

「あれ、サロメア姉ちゃんも来てたの？」
フリードリヒにとっては小さい頃から知っているご近所のお姉ちゃん、である。
サロメアは、
「仲睦まじいねお二人さん」
と笑顔で二人にて手を振った。
ヴィクトリアはサロメアに詰め寄ると
「なぜ、ここへ？」
「私もひまわり見にきたのよ。ひとりで」
「・・・知ってたの？」
「ちょっと、タレコミがあってね」
サロメアは
「二人とも、姉ちゃんが写真撮ってあげるから、そこにならんで」
とフリードリヒからカメラを受け取り先程までヴィクトリアが立っていた場所を指
差した。
「ああ。じゃあほら、ヴィクトリア」
幼馴染ゆえか、フリードリヒは女子と二人で写真に収まることに抵抗を感じるでも
ない様子で指定の位置に立ち、ヴィクトリアを呼んだ。

「くぬぅ・・・ッ！」
ヴィクトリアは低く唸りながら、ガチガチの直立不動でフリードリヒの隣に立った。
「ほら、もっとくっついて！」
サロメアは嬉しそうに、カメラを構えて片手でちょいちょいとヴィクトリアをフリ
ードリヒ側に促した。
ヴィクトリアがちょこちょこと横歩きでフリードリヒに近づく。フリードリヒは調
子良くプロレスラー・武藤敬司の決めポーズでシャッターが切られる瞬間を待って
いた。
（恐るべき展開になってしまったのです！シャッターの音に隠れて、フリードリヒ
が小さ声で「ヴィクトリア、好きだ」とか言っちゃう可能性が！そんなタイミング
で告白されたら、ヴィクトリアぶっ壊れちゃうよォ・・・）
意識があっち側の世界に行きかけたヴィクトリアの脳裏に、
（ふふっ）
と女の笑い声が響いた。
ヴィクトリアの目に正気の光が戻る。
（・・・しまったッ・・・これは罠だ！）
気づくなり、ヴィクトリアはバッグに手をつっこみ、中からコンビニ袋を取り出すと
くるりと振り返り、コンビニ袋に入れておいたあら塩を一掴みして、彼女とフリード
リヒの背後でニヤニヤしながら浮いている幽霊のジョゼフィーヌめがけてあら塩をぶ
ちまけた。

（ぎゃああああああああッ！伯方の塩ォーッ！）
（あなた達の考えることくらいお見通しよ！というか、この前ジョゼ言ってたよね！）
「なにしてんだ？」
フリードリヒが不思議そうにヴィクトリアを眺める。ヴィクトリアはさらに塩をジョゼ
フィーヌにお見舞いした。
（ひどいぃぃぃー！）
ジョゼフィーヌが悲鳴を上げながらどこかに消え去って行くのを見届けて、
「なっ、なんでもないよ！ほら、お姉ちゃん写真撮って」
ヴィクトリアは勝ち誇った顔でサロメアを見た。
「あらら・・・じゃあ撮るねー」
カシャッ。ヴィクトリアはサロメアとジョゼフィーヌを出し抜いたことで高揚して、
両腕を胸の前で組んで勝者の笑顔で写真に収まった。
サロメアは撮った写真をモニターで確認してニヤリと笑った。
「どう？」
フリードリヒが写真の出来を確認に行く。
ヴィクトリアは勝利の余韻に良いながら、ずっと同じポーズでその場に立ったまま
（告白はされなかったけど・・・ひまわりをバックに二人きりの写真！）
目をつむって天を仰いだ。

「あれ？醍醐も来てたの？」
フリードリヒが驚きの声を上げる。
ハッとヴィクトリアが目を開くと、ニヤケ顔のサロメアとフリードリヒがこちらを
見ている。いや、正確にはヴィクトリアの背後を、見ている。
（まさか・・・）
二人の視線を追って再び背後を振り返ったヴィクトリアは、ひまわりにまみれなが
ら満面の笑みでスタン・ハンセンのあのポーズを決めているエルジューベッドをそ
こに発見した。
「いやー、たまたまひまわり畑でスタン・ハンセンのモノマネしてたら二人の写真
に入っちゃったよー。ごめんねー」
そう言いながらひまわりをかき分けて出てエルジューベッドに
「ふッ！」
と小さく息を吐くと同時、ヴィクトリアは無表情で友人にラリアットをお見舞いし
た。
「ぎゃあ！」
悲鳴を上げてうずくまるエルジューベッドを尻目に、ヴィクトリアは次にサロメア
に向かって右手を振り上げて走り出した。
「おい、ちょっと落ち着けよ！」
慌ててフリードリヒが二人の間に割って入りヴィクトリアの暴走を止める。

「止めないで！この腐敗した女どもに、乙女の一撃を加えなくては！ヴィクトリア
は、フリードリヒと二人きりで写真に映りたかったのです！」
時に勢いというのは恐ろしい。ヴィクトリアは告白っぽいことをした。
「・・・知ってるよ」
フリードリヒは照れ隠しに頬をかきながら、
「サロメア姉ちゃん、もう一枚撮って」
と再びひまわりの前に移動した。
「あの・・・知ってるって？」
ヴィクトリアの体が小刻みに震える。
「だから、撮り直してもらおう」
ヴィクトリアがどぎまぎしながらフリードリヒの隣に立つと、彼女の肩に、背後か
らまわされたフリードリヒの手が置かれた。
サロメアが苦笑しながらシャッターを押す。
ヴィクトリアの世界を、天使たちが鳴らすファンファーレが包み込んだ。
遠く、こめかみがドクンドクンと脈打つ音と、地面にうずくまるエルジューベッド
の「ガッデム・・・」という呻き声がヴィクトリアに聞こえた。

「さあて・・・」
出来上がった写真を確認したサロメアは
「いい写真撮れたわ。で、消去はどのボタン押せばいいの？」
と無邪気な笑顔でフリードリヒに尋ねた。
「ガチで殺してやる！」
ヴィクトリアが駆け出す。
「おいヴィクトリア、待て！待てって！」
サロメアが本気ダッシュで逃げるのをヴィクトリアが追い、ヴィクトリアをフリー
ドリヒが追いかける。
（ふっふっふ。エルジューベッド、作戦は成功よ）
いつの間にか戻ってきたジョゼフィーヌが、痛みにうずくまって動けないでいる戦
友に告げると、
「・・・幽霊、グッジョブ」
エルジューベッドがそれに応えた。
逃げ回るサロメアの手の中、カメラのモニターは寄り添う若い男女と、その二人の
頭の背後から覗く不気味な半透明の女の顔を映し出している。
ひまわりと恋と怪奇現象。
写真に映っている。時は今まさに夏なのだ。

おわり

酒に酔ってないと書けないし、酔っているといろいろ間違える。

何事もままならねえ・・・

甘い蜜だけが全てではなかった。
言いようのない快感も同時に僕を襲った。
もうどうでも良いや。この快感にもっと浸っていたい。
気が付くと、僕のほうから花沢さんの舌を求めていた。

人間というのはまことに不思議な生き物である。
何故だろう。花沢さんが愛しくてたまらないのだ。
花沢さんの全てを自分のモノにしたくなった。
彼女の心も身体も、花沢という苗字すらも欲しくて仕方がない。

「花沢さん……今から僕ん家に来ない？」

花沢さんは、恥ずかしそうに黙って頷いた。
何をされるのか予想は付いているのだろう。
頬を赤らめているのがハッキリと確認出来た。

こうして僕は花沢さんを部屋に連れ込んだ。
幸い、ワカメは家に居なかった。
どうせまた堀川君とデートだろう。
パンチラに釣られた男は数知れず。
これは、まさしく絶好の機会だった。

こうして僕たちは行為に及んだのであった。
さて、回想はこの辺りでやめにしておこう。
甘くて濃密な、二人だけの時間が流れた。
いつまでも抱き合っていたい。離したくない。
終えた後も、ずっとそんなことを考えていた。

その時であった。
部屋の襖がガラリと開かれたのだ。

　カ　　　　　/　　　　 　　　/　　　　　　　　　　　　　 ＼_ /　 　　　　　|　　　 |
　　ァ　　　　 /　　 　　 　　 / .　　　　　　 　　　　　　　 　　|　 　　　　　 |　　. 　|
　　ァ　　　 ￣"/. 　　　 　./　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　｜
　 ァ　　 　　/　　　　 　. |　　　　　　　　　／ﾞ'ヽ　　　　　　　　　 ／￣￣＼_／
　　｜　　 　/ .　　　　　__. | / |　　　　　 ／　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　 ｜
　　｜　　. / 　　　 .　／　| /　|　　　　 /　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　 　　｜
　　｜　　 |　　　　 .　|　 　|/　ヽ　　 　/　　|└　　　 |　__　　　　　＼__＿＿／,-─‐-,,,,,
　　｜　　 |　　　　　　＼___|　　ﾞ､　　/　　 ヽ 「　ヽ /／ヽﾞ､／　 /／　／￣:::::::::::::::::::::::＼
　　｜　　　| 　　　　　　| .　|　|ｌ ﾞ､ /　　　　 ｌｌ-ヾ､　　/=ｌ |　 ／／　　/"~:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　ツ　　　＼　 　　　　＼　|__.　 ∨ /　　／／ﾞ"　　┌ﾉ/／ /　　　//'''"""ヽ::::::::::::::::::::.. ヽ:::::::＼
　　ウ　　　　＼ 　　　　 ..＼└ヽ､　　　／ノ／　　　. | ／::::::::|　　　//|　　　　　 ヽ:::::::::::::::::　:::::::::::|
　　ゥ　　　　　＼　　　　　. ヽ ─､ヽヽ/ｌ"''‐"　　　　ｌ　/:::::::::|　　　| ||　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::|
　　オ　　　　　　 ＼　　　／ 　　　 ＼ レ／ヽ　　　／／::::::::::|　　 | |ヽ　　　　 ／　￣─--､:::::::::/
　　ォ　　　　　　　r"　　/　　　　:::::::| ヽ､ヽ‐"　　／／/／:::::::|＿,,,,,,,| |:＼　 ／　　　　:::::::::::::::::＼ヽ､
　　ォ　　　　　　 | 　　/　　　　　:::::|　　　 |ヽ--'"''":::／ :::::::／　,,,,,,-､＼:::::/　　　　　　　::::::::::::::::､ヽ＼
　 ォ　　　　　　 .z 　.|　　　　　:::::::|　　''| |──ヽ､/::::::::::::/ /'''"　　　＼＼|　　　　　　　　:::::::::::::＼ヽ::|
　　！！　　　 　　／　.. |　　　　　::::::/二二＼:::::::::::::| :::::::／／　　　　　　ﾞ''‐|　　　　　　　　:::::::::::::::::ｌ/::::|

ビュンビュンさんの作品は夏って感じで爽やかでよかったです。
名前が覚えられないのが難点です。

不定期連載さんは私の精神力だと自動検閲が入って読めないです。
なんだかすみません。

不定期連載は本能が見ることを拒否してる

孤児院で育った頭のいい４人の子供が
数十年越しにそれぞれ弁護士、検察官、裁判官、被告人として法廷で顔を合わせる。
それは、４人は約束した社会への復讐のある企てだった。
そんな話を読みたい。
というか書いた。

４人で、だな

ボツになったのでここに載せようか悩む

>>454
SSの範囲であれば読みたいです。
なんだっけ、あらすじを聞いて思いだしたのですが、大誘拐という映画が面白いかも。

載せようと字数減らして模索していたけど
どうにもレス数が多くなりすぎることが判明し断念します。
またいつかどこかで。

大誘拐は誘拐されたおばあちゃんが仕切りだすアレ？
昔見たなあ。これはそういう内容とはまったく別だけど。

>>456
おや残念。
またいつかどこかで。

大誘拐はそれですね。むかーしに見て、びっくりした覚えがあります。

保守

『少女妄想子宮砂漠』

目を覚ます。
墜落したような感覚。痛みはない。
身体の芯に、『ずぅん』とくる衝撃があるだけだ。
壁に設置してある柱時計に目をやると、その針は四時十六分四十秒の位置に留まり続けていた。
白く薄いカーテン越しに、夏の、午後の光が侵入してくる。靄のような、埃の大群のようなそれらは、部屋の床に降り立った。
それらはやがて、新たにやってきた光とともに枯れ、腐っていくだろう。

わたしはベッドから起き上がり、目をこすった。
開けっ放しの襖を抜け、台所に向かう。
台所にある冷蔵庫の扉を開けると、中には何もなく、冷風がわたしの頬を撫でるだけであった。

酷く、めまいがする。
記憶が錯乱している。夢の中にいるような感覚がずっと続いている。
地に足が付いていない。何もかも、この世の全て。

わたしは裸足のまま、外へ出た。
そこは世界の終わりだった。
人が消え、摩天楼は崩れ、草が無造作に生え、やがて全てのものが原風景に還る。そして砂漠になって行く世界。そこにわたしは立っていた。

ここはどこだろう。わたしのいた世界ではないことだけは、確かなのだが。
ただ、酷く懐かしい。ずっと、ずっと前にわたしは、ここに来たことがある……。でも、いつだったのかが思い出せない。

いつなのだろう。
いつなのだろう。
いつなのだろう。

透き通った緑の海。水平線。白い水平線。
砂浜で、じゃぶじゃぶと遊ぶ子供たち。
風。風が吹いて、それから……。
堤防を歩く。入道雲の下。
蝉の鳴き声。わたしの記憶…。
記憶。
これはわたしの記憶？
この、取り止めのない、走馬灯のような映像は、わたしの記憶なの？
違う。
違う違う。これは、わたしの記憶じゃない。
じゃあ、誰の？
分からない。
分からない………。

──墜落したような感覚。痛みはない。

──身体の芯に、『 』とくる衝撃があるだけだ。
目を覚ます。四時十六分四十秒。

わたしは道路に立っていた。
目の前には、車に轢かれた死体。
タイヤに着いた血の跡は、絵のようだ。

四時十六分四十秒、わたしは車に轢かれて死んだのだ。

そしてわたしは消えた。あの記憶に還るため。意識の砂漠に、還るために。
全てがOFFになり、電源は消えた。

終

>>459
好きな作風。
電子音楽が合いそう。
うたた寝で見る夢はこんな感じ。
また来てもらえたら嬉しいです。

『リターン　トゥ　イノセンス』
　夕暮れ、窓の向こうでは天気予報通り雨が降っている。
三田村シャルルは薄暗いアパートの台所で、コップに水を注ぎ、塩を溶かして
食塩水を作り、それを持ってバスルームへ向かった。
シャルルは全裸になり、バスルームの中で、チンコに向かって、ゆっくり、塩
水をかけ流した。
（嗚呼、神様・・・俺は間違っていますか？正しい事って、一体何ですか？）
シャルルは虚空に目を細め、陰部を攻める緩やかな冷たさを感じながら、心の
中でか細い声を上げた。
（生まれてこのかた、ずっと真水でした。来る日も来る日も・・・でも、人間
は海から生まれたのですよね？だとしたら、チンコを塩水で洗うテクニックが
あっても不思議ではないはず・・・だよね？）
コップの水が空になると、シャルルは塩水に濡れたチンコや内腿を拭くことも
せずに台所に戻り、台所正面の光とりの磨りガラスを見ながら、
（砂糖水じゃなくて良かった！）
と自分の判断を肯定した。

（これが砂糖水だったなら、今頃俺のチンコはカブトムシやクワガタムシの集
会所みたいになってしまっていたであろう。そうなったら俺は気持ち悪くて吐
いてしまう。いや、待てよ・・・塩水だって案外ヤバいかもしれない。熱中症
予防には塩分も必要だって言われている。世間は塩を求めているじゃないか）
シャルルは予想だにしない驚異が自分のチンコを襲うのではないかとの恐怖に
身を震わせ、慌ててコップに水道水を満たし、バスルームに戻って今度は真水
でチンコを洗った。
（やっぱり真水だ！神様、やっぱりチンコは真水で洗うべきなのですね。塩水
だなんてとんがってみたけど、もう俺たちは海の中で生きたあの頃に戻れはし
ないのだから・・・）
目を瞑り遥か太古の地球を想像したシャルルの脳裏に、ゴツゴツとした岩山と
シダ植物が生い茂る原始の山の映像が浮かんだ。鉱物も植物も、現代よりもギ
ラギラとした色合いで、その歩み始めたばかりの陸地の先には激しく波打つ母
なる海が広がっている。

シャルルの頭の中の映像は陸地から海面に飛び、海面から海中へと移った。
青黒い海の中を、小さな魚のような生物が泳ぐのをシャルルの思考は見つめて
いた。それは、この先途方もない時間をかけて人間に進化する生き物なのかも
しれない。
（フフフ・・・あれが、かつての俺たちのオチンコってわけだ。真水の心地よ
さも知らない、人間のご先祖様！さあ、ゆっくりゆっくり、陸地を目指すので
す。海水に守られない、狂気の世界へ。俺が、君たちの進化をずっと見守って
いてあげましょう）
シャルルの思考は悠久の時をたゆたい、やがて現代に辿り着き、そして台所で
フルチンで立っている自分を発見した。
太古の昔、海で泳いでいたチンコは、今シャルルの股間にあった。
窓の外では雨が降り続いている。
一粒の雨も、チンコも同じであるようにシャルルは感じた。
それらはいずれ海へと戻るのだ。

おわり

http://www.youtube.com/watch?v=AvxhJb6f7rE&feature=related

トッド・ラングレンでも聞きながら寝ましょう・・・

>>464
新キャラ(？)お疲れ様です！
我に返る前後の落差が激しくて好きです。

『下痢便姫のシャルロッテ』

シャルロッテは憂鬱だった。
朝からずっと腹痛だったからだ。
自室からトイレへの往復を、彼女はもう八回ほどしていた。
うんこは下痢で、せっかちな彼女のメイドのミザリーのように、彼女の肛門から勢いよく放出された。シャルロッテにはその下痢の様子が、毎日ばたばたと屋敷中の扉を開けたり閉めたりして、せかせか働くミザリーのように見えたからだ。
もちろんこんなことをシャルロッテが考えていると知ったら、ミザリーは頬を膨らませ、ぷりぷり怒ってしまうだろう。
頬を膨らませ、ぷりぷり怒るミザリーの姿を考えると、シャルロッテは笑ってしまいそうになった。だが、腹痛のせいでそれは遮られた。
しかも今回のは………、

「下痢便の大洪水だあああああああ！！！」
シャルロッテは叫んだ。そう、これはまさしく下痢便の大洪水……。
速くトイレに……、トイレに行かなくては……！
このままでは、下痢便が……！
シャルロッテの肛門から……！
シャルロッテは走った。今までにないくらいに。
下痢便はもはや、彼女の肛門を無理矢理こじ開け、その醜き姿を外界に晒そうとしていた。
だがシャルロッテも負けじと、肛門括約筋を強く、強く収縮させ、外界への扉を堅く閉ざした。
そしてシャルロッテの手は、トイレの扉を今まさに掴もうとしていた……。
「ああ。よかった……。間に合った。間に合ったのね……」
シャルロッテは微笑み、その瞳からは涙が零れた。
だがそれがいけなかった。
シャルロッテが一瞬でも気を緩め、安心してしまったので、彼女の肛門括約筋は、噛み続けられたガムの如く緩んでしまった。

下痢便がそれを、見逃すわけがなかった。

「あひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！！！！」
彼女の手は、扉の目の前で、墜落した。
彼女の肛門からは、とめどなく、激しく下痢便が放出されていた。
シャルロッテの瞳は絶望の色に濁り、もう何も映してはいない。
「シャルロッテ様！？」
部屋の扉が勢いよく開き、ミザリーが入ってきた。
「シャル……シャルロッテ様ァ！」
ミザリーは、驚きを隠せないでいる。当然だ。
「ミザリー……見ないで……。見ないでよぉ………」
シャルロッテは、最後の力を振り絞って声を発した。
だがその願いは虚しくも、聞き届けられなかった。

その二日後、ミザリーは退職した。

終

「退職」じゃなくて「辞職」の間違いでした。すみません。

ミザリーが辞職してしまうところが、悲しい話ですね…
そうでなければ下ネタ的笑いのSSになったと思います。

『少年時代』
　木々の落とす影がいくらか猛烈な暑さを和らげてくれる。
山の中腹にある、地元の人々に「タヌキ岩」の愛称で呼ばれる大岩の上に座った小
学生の白倉デビッドは、
「教えてください、先生！」
と、同じく岩の上に仁王立ちしている人物に教えを乞うた。
「なんでも聞くがいい、小僧」
応えたのは、日本に古くから生息する妖怪のテングだった。
「テング先生。僕は無知で愚かな若者です。どうか、この混沌とした世の中を生き
抜く智慧を、ドジでのろまの亀である僕にお与えください」
「うむ・・・」
テングはヤツデの葉っぱで口元を隠しながら目を瞑り考え込んだ。
「小僧よ。アイスコーヒーや麦茶を飲む時、それらは口に冷たかろう。しかし、そ
れらが体内を通り、いざチンコの先っちょから放たれる時には、どうだ？」
「はい・・・あた・・・あたたかいですぅ・・・」

「そうだ。つまり、アイスコーヒーや麦茶が体の熱を連れて行くのだ。飲んで涼し
く出してさわやか。小僧、夏は、暑いか？」
「あっ！さすが先生、これは平成の大トンチだ！」
デビッドは手を叩き、半ズボンのチャックからチンコを出して、
「我が体を冷やせ・・・“排すべき黄金の濁流”（ゴールデン・オシッコ・ジョー）！」
激しく排尿した。
それを見たテングは背中に生えた黒い羽を羽ばたかせてふわりと宙に浮くと、
「なかなかだ小僧！だが、油断は金玉だ」
ヤツデの葉っぱをブンッと扇いだ。
葉っぱから放たれた風が強風となり、デビッドを正面から打ち付ける。
「嗚呼ッ、おしっこが逆風に・・・ぎゃあ！」
「ハハハ！小僧、おしっこは風下を指してするべし！なればおしっこは、意のまま
にどこまでも飛んでいくであろう」
テングは笑いながら大空へ舞い上がった。
高く高く。テングは空に溶けるほどに高くに飛んでいった。

（小僧・・・今日は夕立があるぞ。雷が鳴る！雷が鳴ったら、ペニスを隠すのだ）
「先生ッ！」
（雷にペニスを持っていかれるぞ！）
テングの警告に、デビッドは両手でチンコを覆い隠しながら山を駆け下りた。
ゴロゴロ・・・空の唸るのが、デビッドの頭の上の方から聞こえた。
山の麓に下りたデビッドの頬に、大粒の一滴が当たった。すると、あっというまに
あたりは土砂降りになってしまった。
（本日二度目のシャワー・・・僕は、チンコをしまい忘れた少年！）
デビッドは両手をだらりと下げて立ち止まり、半ズボンの開けられたファスナーか
らチンコを出しっぱなしにしたまま激しい雨に打たれた。
雷が大地を撃ち空気が低音に震える。
デビッドはビクッと身をすくめ、泣きながらチンコ丸出しで再び家路を急いだ。
（ククク・・・この後に及んでペニスを隠さないとは。小僧よ、お前もいつか知る
であろう。ペニスだけは隠さなくてはならない日が来るのを。ペニスだけ隠してお
けばなんとかなるであろう世界を）
雷が轟き、大雨が大地を叩く。
デビッドには先の未来は見えなかった。少年の夏の日はまだ終わってはいないのだ
から。

おわり

大雨こえー・・・
皆様、熱中症と急な雷雨にお気を付けください。
雷雨に関しては何をどう気をつけたらいいのかわからないけど。
グンナイ

デビッドどうなっちゃったの……

『成長、瞬間、切断、空白』

あの時わたしは、水泡の猫を追いかけて見知らぬ街に来てしまいました。
モザイク柄の石畳に赤い影が伸びていて、わたしは少し怖かった。でも、水泡の猫を追いかけるために勇気を出して街の奥まで進んで行きました。
そこにはわたしの追いかけていた水泡の猫が、行儀良く墓石の前で座っていました。そう、そこは水泡の猫の墓場だったのです。
見渡す限り一面に地面から生えている水泡の猫の墓石達……。
わたしの追いかけていた水泡の猫は、墓参りに来ていたのです。
気付くとわたしは、泣いていました。ぽろぽろと、宝石のように輝き、涙の雫はこぼれ落ちていきました。
その内のいくつかの雫が、水泡の猫に当たって、水泡の猫は割れてしまいました。シャボン玉が、割れるみたいな感じでした。

その時、わたしの中で何かが失われてしまったような音がしました。それは水泡が割れる音でした。
何となく、もう帰らなくちゃいけない気がして、わたしは後ろを向きました。
そこには、さっきまではなかった墓石がありました。
それは、わたしが割ってしまった水泡の猫の墓石でした。
わたしはその墓石に花を供えて、見知らぬ街を後にしました。
影はもう黒くなっていて、わたしは走りました。とても怖かった。不安が、心を蝕んでいくような気がした。わたしの身体が、心を除いて全て違うものに入れ替えられてしまうような気もした。
走るわたしの頬に、雨粒が当たりました。雨が降ってきたのです。
わたしは急いで、近くにあった停留所に入りました。
停留所には、雨宿りをするわたしだけがいて、あとは誰もいませんでした。

わたしはベンチに体育座りをして、膝に顔を埋めました。
それから、いくらか時間が経って、わたしは顔を上げました。
すると、わたしの身体は灰色になっていました。顔も、首も、胸も、腹も、腕も、手も、足も。
そして、もう元の場所には帰れないと理解しました。
わたしは、泣いてしまいました。今度は、大声を上げて。
止めどなく涙が溢れ出し、地面に水溜りをつくりました。
それでもまだ、涙はこぼれ続けました。

雨がトタンの屋根を叩く音だけが、わたしの生誕と命終を祝福してくれていました。

終

>>481
雰囲気は好き。
祝福したいのか、絶望したいのか、それすらまだわからないのかが曖昧で、そこがくっきりするとより良いSSになるかと思う。

>>482
アドバイスセンキューです

ハンジ「人の性格をごっちゃにする薬ができたんだ」

エレン「」

エレン「は」

ハンジ「この薬は半径５０ｍの人間の性格をごっちゃにするんだ
　　　　例えばベルトルトとサシャが入れ替わる」

エレン「なんてこったい」

エレン「」

エレン「捨てましょう」

ハンジ「え？無理だよ。だってもう使ったし」

エレン「」

エレン「ふざけんなよてめえ！！！！！！！！！！」

ハンジ「やめてよ服が破ける」

エレン「服なんかどうでもいいだろうが！！！！！！」

エレン「誰に使った？？」

ハンジ「スープに入れた」

エレン「」

ハンジ「失せろ、クズ野郎」

エレン「」

リヴァイ「エレーン！実験！！」

エレン「」

エレン「どうやったら元に？」

ハンジ「３日だ・・・クズ」

エレン「うそーん」

リヴァイ「はあはあ」

エレン「逃げよう」

ダッ！！ｱ!!ｴﾚｰﾝ

エレン「ハアハア・・・逃げ切った」

エルド「あ」

ムンズ

エレン「ちょ・・・離してください」

エルド「もう・・・エレンはまだ子供だなあ・・・・・・それより聞い
　　　　てよ！！！外の世界には・・・」

エレン「」

ハンジ「チクショウエレンの野郎・・・」

ハンジ「あ！言い忘れたことが・・・」

現在公開可能な情報

１　薬は人の性格をごっちゃにする
２　５０ｍの範囲に有効
３　ごくまれに魂がごっちゃになる

エレン「・・・アルミン」

エルド「ん？なあにエレン？」

エレン「」

そのころ・・・

ミカサ「獲物を屠るイエーーーガアアアアアアア！！！！」
アルミン「ソイデヤル・・・・」
ライナー「パアァン！！」
ベルトルト「ハンナ・・・・」
コニー「フランツ・・・・・」
アニ「ミカサ・・・・・・・・」
ジャン「ベルトルト・・・・・」
サシャ「戦士なんだから」
マルコ「だよな」

ユミル「残酷なんだ」

クリスタ「コニーコニーコニーコニー」

エレン「はあ・・・」ガラ

マルコ「！！！！！」

エレン「？？？？？」

マルコ「イェーガー・・・・・おそい！！！！！」

マルコ「死ぬまで走って来い！！！！！！」

エレン「ハァハァ・・・とんだとばっちりだ」ダダダ

ｲｲﾖﾗｲﾅｰ･･･
ﾍﾞﾙﾄﾙﾄﾓ････
ｳﾊｱｱｱｱ････
ﾍﾞﾁｮﾁｮ

エレン「あのホモ共・・・・」チラ

トーマス「ライナーーー！！！！イくのか！？」パンパン

ダズ「ベルトルトォ！！！まだだぁあああああ！！」パンパン

エレン「」

エレン「ワーオゥ」
エレン「あとで女子に言おう」

ｱｱｱ･･･ﾝ?ｱﾚｴﾚﾝｶ
ｳﾎｯ､ｲｲｵﾄｺ･･･ﾔﾗﾅｲｶ???
ｵｲｶｹﾛｰｰｰ!!!!
ﾄﾞｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ
エレン「とてつもなく嫌な予感」
エレン「ミカサアアアァアアアァアァァアァアァァァ！！！！！！」
ミケ「フッ」
ｽﾞﾊﾞｯ!!!
ｳﾜｰｰｰｰ
ｱﾄ･･･1ﾀｲ
ｵﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ
ﾍﾞﾁｬﾍﾞﾁｬ
ﾁｯ･･･ｷﾀﾈｴﾅ
エレン「ミカサ！？」クル
ミケ「エレン・・・愛してる」
エレン「オロロロロロロロ」べチャべチャ
ﾀﾞﾚｶｰｰｰｰ!!
ﾊﾀﾞｶﾉﾀﾞｽﾞﾄﾄｰﾏｽｶﾞ
ｳﾅｼﾞｿｶﾞﾚﾃﾙｿﾞｰｰｰ
ﾅｾﾞﾊﾀﾞｶ
ｳﾎｯｲｲｵﾄｺ
ｹﾞﾎﾞｸｾｴ
ｱ!!!ｴﾚﾝﾓﾀｵﾚﾃﾙｿﾞ
ｹﾞﾎﾞｯﾃﾙ

医務室
ｴﾚﾝ････ｴﾚﾝ････
エレン「ミカサ・・・？」

ジャン「アッカーマンです、エレン！！！」チュチュ

嫌ああああああやあめてえええええええええええええ

そのころ

サシャ「エレンってどうやって巨人になるのベルトルト」

ベルトルト「うーん・・・」（中クリスタ）

ベルトルト「たしか」

ベルトルト「手をこうやって」

マルコ（結婚しよ）

ベルトルト「ん」　ガリッ

カッ！！！！

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ライナー「駆逐・・・してやる！！！！」

ベルトルト「ライナー！！！」(クリスタ声）

ライナー「結婚しよ」

ジャン「今しがた大きな音がしたが・・・誰か説明しろ」

サシャ「」スっ

サシャ「サシャが放屁した音です」（ミカサ声）

コニー「！？」

３日後・・・

エレン「ジャン」

ジャン「なんだエレン！？」二へらぁ

「死んじゃえよクソ野郎」

トーマス「おい・・・」

エレン「あ、ホモ」

「皆ー！トーマスとダズ、ホモだぜーーー」

終わり

あら

　／＼ー―､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿/|＞７~~>
<　　　>-､　 _￣ヽ＾､￣ー､,―-､　　__＿　　　　　　　　　　　__　__　＿＿　，―￣)/￣ _　 　 /　/
　＼∠／ヽ ヽ~＼ヽヽ　D　) |　_　|/|~ ┌__ｌｌ'￣'ｌ「|　|~|　ｌ'￣'ｌ|　||　||　　 // /７__/／~//＼)/　/
　　　ヽ　　ヽ ヽ　ヽヽ､　　´､|　||　|　|　| (~ｌ| .∩||　｀' | ｜∩|| &amp;#8214; ||　ｌ二(＿´￣)､ヽ///　 |＼/
　　　 ヽ　　ヽ ヽ_」　ヽ､ |~|　||　''　|　|　U　|| Ｕ ||　|.､ | ｜Ｕ|ｌ､　 ||　ｌ二',-:ﾆ/ /　/ ﾒ,/ 　 |
　　　　ヽ／ヽ　　　 _/ヽ | |__||__|~|__| ｀―-.＾ﾞ,ﾆﾌｌ.ﾆｌ､ロ　ｂ ∠､二'L＿/(＿＿/　| / ／＼|
　　　　<　　 L-￣／V二/´-'―｀ｰ´｀￣　　　　　 　　　 ｀ｰ'　　　｀―｀｀―､__ノ|／　　 ／
　　　　　ヽ∠―￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_／
どうも、こないだサザエさんの変態SSを気まぐれで書かせてもらった者でございます。
前は案外早く規制解除されたのでそのまま不定期連載ほったらかしましたけど、
またまた規制されたので、またまた懲りずに暇つぶしさせて頂きたいと思います。
今度のテーマは勇者SS……というかモロドラクエです。
また小出しにちまちまやっていきます。
どうかよろしくお願いします。

〜〜ｱﾚﾌｶﾞﾙﾄﾞ〜〜

これは、ﾊｰｺﾞﾝよりも竜王よりも遥か昔のことです。

世界を自分の手中に掌握せんとした大魔王ｿﾞｰﾏ。

しかしその野望は、成就することはありませんでした。

天上より降り立った伝説の勇者ﾛﾄとその仲間たち。

彼らの手によって、その悪しき魂は打ち砕かれたのです。

それは、この世界に安息の時がもたらされた瞬間でした。

闇の世界ｱﾚﾌｶﾞﾙﾄﾞは光溢れる地として歩み始めました。

しかし、勇者ﾛﾄのその後を知る者は誰もいません。

彼の遺した血脈も、今では歴史の彼方へと……。

〜〜ﾗﾀﾞﾄｰﾑの城〜〜

戦士「何で私がﾛﾄの子孫を探さなきゃならんのですか」

王様「新たな魔王が世に現れたからじゃ」

戦士「なぜ私が探しに行かねばならんのですか」

王様「お前が勇者ﾛﾄの仲間の子孫だからじゃ」

戦士「先祖は先祖、私は私ですから……」

王様「すまぬ、聞こえなかった。もう一度申してくれぬか」

戦士「つまり、行くのは嫌です」

王様「すまぬのう……年のせいかよく聞こえなんだ」

戦士「行きたくないです」

王様「すまぬのう……歳のせいかよく」

戦士「…………」

戦士はひとり広野を往く。

ｱﾚﾌｶﾞﾙﾄﾞ全土を駆け回りました。

戦士「手掛かりがどこにも何にも残っておらん」

戦士「破壊神ｼﾄﾞｰ以降の歴史から完全に消えておる」

仕方がないので、船でｱﾚﾌｶﾞﾙﾄﾞの外へも出向きました。

しかし……。

あのﾛﾄの三姉妹国も今は既に滅びた国。

旅の目的は遂に果たすことが出来ませんでした。

ﾛﾄの子孫は、果たして何処に消えてしまったのか。

戦士の旅は、完全に行き詰まりを見せていました。

〜〜ｱﾘｱﾊﾝの城下町〜〜

その昔、ここｱﾘｱﾊﾝの国は世界中を治めておりました。

とうの昔に分裂して今では小さな国ですが……。

現在では勇者ﾛﾄの出生の地として知られています。

――ｱﾚﾌｶﾞﾙﾄﾞの地から勇者ﾛﾄの姿が消えた理由。

ﾛﾄは、地下世界ｱﾚﾌｶﾞﾙﾄﾞの娘を孕ませたのち、

生まれ育った地上世界へと一人帰って行ったのです。

異次元から迎えに来た、不死鳥ﾗｰﾐｱの背に乗って……。

その娘に産ませた子の血脈が、のちに竜王らを倒すことになるのでした。

ﾛﾄの血脈は、次元を隔てて2つに分かれていたのです。

〜〜ｱﾘｱﾊﾝの城〜〜

王様「予言者によると新たな魔王が現れたらしい」

王様「そしてﾛﾄの血を引く者が魔を祓うと出た」

王様「勇者よ！その手で魔王を討ち果たしてまいれ」

勇者「ははーーっ！」

王様「しかし肝心な魔王の所在はいまだ掴めぬ」

王様「何処にいるかも判らぬ魔王を倒しに行けとは……酷な事を申してすまぬ」

大臣「いやはやまったく雲を掴むような話で申し訳ない……」

勇者「わっはっは。そんな心配はご無用ですぞ！」

勇者「旅に苦難は付き物。それを厭うようでは勇者失格です」

王様「おお！なんと頼もしい返事だろうか！」

大臣「流石は勇者どの！頼もしゅうござる」

〜〜数か月後〜〜

ｱﾘｱﾊﾝの城に激震が走りました。

勇者の消息が完全に途絶えたのです。

町人A「ﾈｸﾛｺﾞﾝﾄﾞの火山に落ちた」

町人B「魔王に敗れて命を落とした」

様々な噂が流布しましたが真相は定かではありません。

兎も角、頼みの綱であったﾛﾄの勇者はいなくなりました。

しかしその後、ひとりの予言者が言いました。

「やはりﾛﾄの血を引く者が魔王を滅ぼす」と。

勇者ﾛﾄの血は、まだ絶えたわけではなかったのです。

祖父「あの予言は絶対にわしの事だと思った」

勇者「じいちゃんそんなこと考えてたのかよ」

祖父「しかしよく考えたらまだ幼いお前がおった……」

勇者「父ちゃんの遺志は俺が立派に継いでみせるさ！」

勇者「じいちゃんの分まで頑張って来っからな！」

祖父「うむ！よくぞ言った！」

祖父「それでこそわしの可愛い孫じゃ！」

祖父「……あれからずいぶん経ったが……」

祖父「遂にこの時がやってきたのじゃな……」

勇者「へへへへ……」

〜〜ｱﾘｱﾊﾝの城〜〜

王様「よくぞ来た！勇者よ！」

王様「亡き父の跡を継ぎ、旅に出たいというそなたの願い、しかと聞き届けた！」

王様「世界はいま滅亡の淵に立たされておる」

王様「勇者よ！その手で魔王を倒して参れ！」

勇者「はいっっ！」

王様「だがしかし一人旅は危険すぎる」

王様「町の西の外れのﾙｲｰﾀﾞの酒場で仲間を見つけるが良……」

大臣「あ、先日飲みに行きましたけど閉鎖寸前でしたよ」

王様「えっ」

王様「何故そんなことになっておるのだ」

大臣「近頃は冒険者も激減してしまって……」

大臣「勇者どのの指名を恐れている模様です」

大臣「要するにみんな魔王が怖いんですよ……」

王様「勇者よ」

勇者「はい」

王様「ﾙｲｰﾀﾞの酒場を利用したければ魔王を倒して参れ」

勇者「本末転倒になってます」

王様「わしにはどうすることも出来ん」

勇者「そんな……」

勇者「どうしようじいちゃん」

祖父「じゃあわしも一緒に旅に行こうか？」

勇者「でもじいちゃんはもう歳だしなー」

祖父「お前に戦闘の基本を叩き込んだのはこのわしじゃぞ」

勇者「確かに師匠であることに変わりは無いけど……」

祖父「足手まといには絶対にならん！」

勇者「……分かったよじいちゃん」

祖父「行ってもいいのか！やったわい！」

祖父「じゃあ旅先では老師様と呼ぶんじゃぞ」

勇者「何で？」

祖父「その方が周囲からかっこよく見えるじゃろ」

勇者「いえ……別に」

〜〜ﾌｨｰﾙﾄﾞ〜〜

勇者「ねえじいちゃん」

老師「老師様と呼べと言ったじゃろうが」

勇者「ここは他に誰も居ないんだから別にいいじゃん」

老師「お前は勇者とスレに記載されるのにわしだけ祖父なんて嫌じゃ」

勇者「……あのさ老師様、最初の目的地は決まったの？」

勇者「町でろくに情報を聞きもしないで大丈夫なの？」

老師「情報は何も知らんがとりあえず行き先は決めた」

老師「あっちの島に塔がそびえ立っとるじゃろ」

老師「いかにも怪しいからあそこを目指す」

勇者「なるほど」

ミカサ「ジャン、チョイと来て」

ジャン「お、おう」

ジャン（俺にも青春の到来か！！！！！！！）

ミカサ「・・・」ごそごそ

ジャン「〜♪」

ミカサ「ジャン」

ジャン「？」

ミカサ「両手には＜＜鋼刃＞＞」ﾌﾞﾚｰﾄﾞﾁﾞｬｷﾝ

ジャン「は！！！？？？」

ジャン「ちょmミカサ「この世界は残酷なんだ」

ライナー「ん？」

ジャン「ライナー！！助けてくれええええ」

ライナー「拒否する」

ジャン「ふざけんなよ！！この・・・」

ジャン「ｺﾞﾘﾗﾄﾞｳﾃｲﾛﾘｺﾝｸﾘｽﾀﾆﾌﾗﾚﾃﾎﾓﾆﾅｯﾀｸｿﾔﾛｳ｣

ジャン「！」

ライナー「」ゾク

ミカサ「イェエエエエエガァアアアアアアアア」ｻﾞｼｭ

ジャン「おい・・・ライナー・・・お前・・・」

ライナー「」ﾁｰﾝ

ミカサ「ジャン・・・サイテー」

ジャン「いや待てお前だろ」

ライナー「」ﾄﾞｸﾄﾞｸ

ミカサ　スタスタ

ジャン「ライナー放置！？」

ジャン「助けてやろう」ﾖｲｼｮﾎｳﾀｲﾏｲﾃｲﾑｼﾂﾁｮｯｺｳ

ライナー「ジャン・・・ありがとよ」

ジャン「けっ」

ライナー（後で部屋に来てもらう）

ジャン　ゾクリ

ライナー（そしてベルr・・・と乱交さ）

ジャン「しばらく俺の前に現れるな」

ジャン　とぼとぼ
ベルトルト「あ！ジャン」
ジャン　ビクッ

ジャン「助けてくれ」ｶﾀﾆﾃﾎﾟﾝ

ベルトルト「！！！！」
ジャン「？」
ベルトルト「ちょwwwwwwwその汚い手で触んなwwwwwクズwwwwwww」
ジャン「」
ベルトルト「wwwww」
ジャン「ベルトルト！！！」
ベルトルト「呼び捨てすんなよwwwwwwwwあとwwwその汚い声wwwwwww
　　　　　　やめてくれよwwwwwwwキモイwwwww耳が腐るwwwwwwwwww
　　　　　　馬面wwwうぇwwwwお前のそのwwww顔を見るだけでwwwww
　　　　　　吐wきw気wがwしwてwくwんwだwよwお前はwwwwwwwwwwww
　　　　　　この世にwwwいちゃいけねえ奴だよwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　何考えてんのwwwwwこのwwでけえ害虫がwwwwwwwwwwwww
　　　　　　どーせwwwお前www童貞だろwwwwwはwwww図星wwwwwwwww
　　　　　　クズやんwwwあと包茎短小だろwww前見たぞwwwwwwwwww
　　　　　　お前なんかにwミカサは振り向かねえよwwwwwwwwwwwww
　　　　　　あとwwwエレンにwwwなんか昔w上からだったよなwwwww
　　　　　　お前w負wけwてwるwだwろwwwwwwwwしかも１つ違いwwww
　　　　　　もし逆だとしてもwww同じくらいなわけww分かる？www
　　　　　　俺は3位www俺最強wwwお前なんぞwwwハエだハエwwwwww
　　　　　　んwwwなんだその顔wwwあwwwなんだこいつって顔かwww
　　　　　　いつまでもww無口でwww影薄だとw思うなよwwwwwwwwww
　　　　　　分かったか？wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ジャン「」

ベルトルト「カッカッカwww」ﾃﾋﾗﾋﾗ

ジャン「ありえん」

ベルトルト「！」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ライナー「ベルトr・・・ベルトルト！！」

ライナー「来てくれたのか！心の友！」ｶﾀｷﾞｭ

ベルトルト「ちょwwwww触らんといてwwwwwゴリラwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　キモイwwwやっぱwwwホモか！wwゲイか！wゲイナーww
　　　　　　お前のwwwためにwww来るわけねえだろうが馬鹿wwwww
　　　　　　何が心の友だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　ジャイアンかwwwwwwwゴリラ仲間かwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　ていうかwwwアルミンにwww飲み物吐くとかwwwwwwwww
　　　　　　マジ引くwwwwどーせw夜な夜な妄想してんだろ？wwww
　　　　　　アwルwミwンwのw顔wにwぶwっwかwけwるwとwこwwwwww
　　　　　　俺が来たのはなwwwあの馬面にw触られたとこをwwwww
　　　　　　消w毒wすwるwたwめwだwよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　「仲間からの信頼も厚い」wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　皆www騙されてるwwwwこいつはwww主に男子をwwwwwww
　　　　　　性w的wwなw目wでw見wてwんwだwよwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　でしかもwww一部の女子にもwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　てゆうかさwwwww幼馴染のさwwww名前を忘れるとかww
　　　　　　もういいwwお前ウザイからwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　お前の秘密をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　1w0w4w期w全w員wとwピwクwシwスw司w令wにwばwらwす
　　　　　　躊躇うwwつもりはwwww無い！！！！wwwwwwwwwwwwwww
　　　　　　覚悟しとけよwwwゴリラwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ベルトルト「カッカッカwww」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ライナー「」

ジャン「ハア・・・」

アニ「ジャン」

ジャン「！？」

アニ「フッ！！」ﾊﾞｷ!!

ジャン「うわ！！」

アニ「覚悟しな！！」ｽ

ジャン「おいmアニ「フッ！！！」ﾊﾞｷ

アニ「・・・弱」

ジャン「」ﾁｰﾝ

ライナー「」ｳｳｳ･･･ｼｸｼｸ ｼｺｼｺｼｺｼｺ

アニ「ライナー」

ライナー「」ｼｺｼｺ･･･ﾋﾟﾀ ﾄﾞﾋﾟｭﾙﾙﾙ

アニ「何してんの」

ライナー「自慰であります！寂しかったので！！つい！！」

アニ「フッ！」ﾄﾞｽﾄﾞｽﾊﾞｷｯ!

アニ「・・・馬鹿・・・」ﾌﾌ

アニ（おっきいな）ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ライナー「」ﾁｰﾝ ﾄﾞﾋﾟﾕﾙﾙﾙ･･･

ジャン「ひどいな、あいつ・・・」

エレン「シッコシッコの、いっちねーんせい」

ジャン・エレン「」

エレン「」ﾃｦｶﾓｳﾄｽﾙ

ジャン「待て！！」

エレン「うっ・・・」

エレン「あ〜なんか、人殴りたい」

ジャン「おいま・・・う」ﾊﾗﾅｸﾞﾗﾚ

ジャン「なんの恨みが・・・」

エレン「」ﾅｲﾌﾉﾂｲﾀﾎｳｷｦﾓｯﾃﾄｳｼﾞｮｳ

ジャン「お・・・おいまて！！」

エレン「うああああああああ」

ジャン「うっ！！」ｺｶﾝｻｻﾚﾃﾀｵﾚﾙ

エレン「お前なんて・・・こうなって当然だ！」ｺｶﾝｦﾒｯﾀｻﾞｼ

ジャン「ぬうああああああああああああああ」

ジャン「エレ・・ン・・なんの恨みが・・・」ﾖﾛﾖﾛ

ミカサ「」ｼﾛｲﾌｸﾄﾅｲﾌｦﾓｯﾃﾀﾁｽｸﾑ

ミカサ「戦え」

エレン「戦え」

ジャン「嫌な予感しか・・・」

ミカサ「戦え！！」

ダッ！！

ミカサ「」ｼﾞｬﾝﾉｺｶﾝﾆﾂｷﾀﾃﾗﾚﾙﾅｲﾌ

エレン「帰ろう」

ジャン「おい」

ミカサ「うん・・・帰る」

ジャン「お前ら・・・うっ・・・」

ライナー「ん？ミカサ？」

ミカサ「さっき殺しそびれた」ｺｶﾝｦﾅｲﾌﾃﾞﾒｯﾀｻﾞｼ

ライナー「うぐ・・・ぐ・・・ぐあ・・・うう！！」

マルコ「！」

ジャン（気をつけろー）

マルコ「ジャンは強くないよ」

ジャン「そこまではいいんだよ」

マルコ「出す指示もあまり伝わらない」

ジャン「来ましたよこれ」

マルコ「あと」

ジャン「ん？」

マルコ「人のことを燃えかすとか言うな、ちゃんと名前を言え」

ジャン「はい」

ライナー「あ・・・マルコ・・・ははは・・・」

マルコ「あなたは強いです」

ライナー「はい」

マルコ「仲間のことを考えられます」

ライナー「どうも」

マルコ「あと」

ライナー「はい」

マルコ「俺とキャラをかぶせるな・・・！！！」

ライナー「はい」

ライナー「あはは・・・コニー」

コニー「丸刈りにしてやる」ｼﾞｮﾘｼﾞｮﾘ

ライナー「あーもうどうぞご勝手に」

コニー「ケツを出せ」

ライナー「どうぞお好きに」ﾌﾟﾘﾝ

コニー「大便しろ」

ライナー「もういいやもう・・・はいはいしますよ」ﾌﾞﾘﾌﾞﾁｭﾌﾞﾘ

コニー「これは大事に使わせてもらう」

ライナー「はいはいどうぞどうぞ」

ジャン「む！！コニー・・・イテテ」

コニー「・・・」ｽﾀｽﾀ

ジャン「・・・ほっ」

コニー「・・・」ﾍﾞｯﾁｬｱｱｱｱｱｽﾞﾘｲｲｲｲﾈﾄｵｵｵｵｵｸﾞﾁｮｸﾞﾁｮﾍﾞﾀｱｱｱｱ

ジャン「」

ジャン「コニーくん。何をつけたの？」

コニー「ライナーの・・・」

コニー「　大　便　だ　・　・　・」

ジャン「チクショーとれねー」ｺﾞｼｺﾞｼ ｸｯｻ!!!

ｲﾔ･･･ﾓｳ･･･ﾔﾝﾁｬﾀﾞﾅｱ･･･ ｱﾅﾀﾓﾖ･･･

ジャン「フランツたちか、リア充め」

ﾝ･･･ﾊｱ･･･ﾓｯﾄ･･･ﾓｯﾄ･･･ﾝﾝ･･ ｼﾞｬｱ･･･ﾔﾛｳｶ･･･

ジャン「・・・///」

ﾓｯﾄ････!!ﾓｯﾄ!ﾏﾙｺ!!!

ジャン「！？・・・い・・・いや・・・気のせいだ・・・」

ｷﾓﾁｲｲ･･･?ﾐｶｻ･･･

ジャン「いやいやいや、聞き間違い！！見れば・・・分かる」

ｿｫｰｰｰｰｰ･･･

どう考えても元ネタ分からない＆汚いので読めません

マルコ「いいかい！？出して！！」

ミカサ「いいわよ！！いっぱい出して！！」

ジャン「」

ジャン「ｱｲﾂ･･･ﾏﾙｺ･･･ｶ･･･?ｳ･･･ ｲﾔ･･･
ｹﾞﾝｼﾞﾂﾀﾞ･･･ｶﾝｶﾞｴﾚﾊﾞﾌﾂｳﾆﾜｶﾙ･･･
ﾏﾙｺﾉﾎｳｶﾞ･･･ｲｲｯﾃｺﾄｸﾞﾗｲ･･･｣ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

ライナー「俺は負けんぞおおおおお」

サシャ「！」
ライナー「hello」
サシャ「」ﾋｭ
ﾊﾟｧｱｱｱｱｱｱﾝ!!!!!
ライナー「平手打ち・・・だと・・・」
サシャ「」ﾋｭ
ライナー「肘！？・・・よけれなかった・・・」
サシャ「ライナー」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
回想

エレン「負けんなよ！！」

ライナー「ああ！！兵士だからな！！」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サシャ「ライナー」

ライナー「何ですか」

サシャ「大便しろ」

ライナー「はい」


エレン「負けんなよ！！」

ジャン「・・・」

サシャ「これ、どうぞ」ヽ(´o｀；

ジャン「ありがと」ﾊﾟｸ

ジャン「・・・これは？」

サシャ「蒸したライナーの・・・・」

ジャン「」ﾎﾟﾄ

サシャ「大　便　で　す」

ジャン「」

ライナー「」

アルミン　ユミル　クリスタ　「やあ」

ライナー「・・・目的は？」

アルミン「殴らせてくれ」

ライナー「・・・なぜ」

ユミル「教官がウザイ」

アルミン「くそ・・・あいつ・・・爺ちゃんを馬鹿にしやがって・・・」

クリスタ「というわけで」

ジャン「くっそおおおおおおおおおおおお」

ライナー「逃げろおおおおおおおおおおおお」

アルミン「まちくされえええええええええええ」

ｳﾜｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱﾔﾒﾛｱﾙﾐｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲﾝ!!
ｳﾜｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｸﾋﾞﾔﾒﾛ!!ｼﾇ!!ｳﾋｬｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!!
ﾆｶﾞｽｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!!ｾﾞｯﾀｲｺﾛｽ!!
ﾄﾞｺｲｷﾔｶﾞｯﾀｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!?ｱｯﾁｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!!!!
ﾌﾞｯｺﾛｽ!!ﾌﾞｯｺﾛｽ!!ﾇｯｺﾛｽ!!!!!!!!!!!!!!

翌日

ジャン・ライナー「もう兵士を辞めます」

キース「なぜ」(＊´д｀)

ジャン「命の危機を感じまして」

キース「訓練か・・・？」

ライナー「いいえ、仲間です」

キース「え？」

ジャン「いやあ・・・股間を切断されまして」

ライナー「理由のない暴力を受けまして」

ジャン・ライナー「心が折れました」

キース「そ、そうか・・・」

終われ

やっぱ短編が良いだろうから勇者SSとかはここには不向きだな
勇者SSはこことは別の場所でやるわ

ここってブーン系図書館みたいな投下レス数制限とか無いの？>>1 にはその辺何も書いてないけれど。

>>534
ないんじゃないかな？

>>535 ありがとう

夏休み

「猛暑のため　夏休みを延長しま」
先生はそこまで言って息絶えた。
残された生徒たちは目を見合わせた
「夏休み延長だってよ？どうする？」
「冗談じゃねえ　登校するだけで命がけだってのに…」
「そうはいっても　夏休み延長するというのなら帰るしかないだろ！」
ぼくは叫んで教室を出た

学校を出て家に向かう
猛暑なんてもんじゃない暑さ。靴底がアスファルトでジュウジュウと焦げている。
かばんの中の温度計を見ると水銀の膨張により破裂していた。
正確な温度は分からないが相当暑いということらしい。

「ハアハア・・・ゥググ」
道路の傍らでは行き倒れた人や犬猫がうめき声をあげている。
可哀相だが助ける余裕はない。
「グググ」
とうとうぼくの口からもうめき声が出だした。やばい。
水分を取らなければいけない。
少し遠回りをして自販機にたどりつく。
ファンタグレープを買う。それはまるで天国の切符に見える
「ウギャー！」
自販機から缶を取り出そうとした僕は叫んだ。缶はマグマのように熱かった。
自販機を良く見ると貼り紙がしてある。
『節電のため　冷蔵機能停止中です』
そこまで読んでぼくは気を失った。

　　　おわり

ワロタ

風刺っぽさある
短くて雑っぽい文章に見えるが意外と良くできてる…と思う

>>537
面白い。完成度高いですね！

ほしゅ

不定期かつ終わりも考えていない物語を投下します。
終わりを考えていないのでなかなかぐちゃぐちゃな話になるかと思いますが、どうぞよろしく。

『戯曲 終末の夕暮れ』

夕暮れの中学校の教室。

机に、津山若菜が座っている。

椅子には、国崎達雄が、足を開き、その間に置いた手で、椅子の端を掴んで座っている。

達雄の視線は、若菜に注がれている。

若菜は顔を赤くし、息を荒げている。

若菜「ね、ねェ……」

達雄「……」

達雄は、若菜が何かを言う前に椅子から立ち上がり、自分の顔を、若菜の顔に近づける。

若菜「あっ……」

達雄、若菜の左目を舐める。

執拗に舌先で左目をこねくり回したり、突ついたりする。

若菜「もうだめっ」

若菜、達雄の脇腹を両手で押し、彼の舌を目から離させる。

若菜、舐められた左目を左手で擦る。

達雄「嫌かい？」

若菜「嫌じゃない。……だけど、今日は……」

達雄「分かってるよ。でも、いいじゃないか。僕は若菜の目が好きだよ」

若菜「他は？」

達雄「もちろん好きさ。」

達雄、若菜に近づく。

達雄（若菜の髪を触りながら）「若菜の髪も」
（耳を触りながら）
「耳も」
（鼻を触りながら）
「鼻も」
（首筋を撫でながら）
「首も」

そして鎖骨からゆっくりと指を下ろして、足先まで撫でる。

達雄「そして……」

達雄、若菜の上唇を右から左へ、右手の人差し指で撫で、キスをする。

若菜「……！」

若菜、肩をびくっと震わせ、驚いた表情をするが、すぐに穏やかな、快楽に満ちた表情になる。

長いキスを終え、達雄から唇を離す。

達雄「唇も……ね」

若菜「心は？私のこの心は好きになって……くれないの？」

達雄「それは駄目だよ。だって君を好きになっても……」

若菜「分かってるよ。でも、それでも……」

達雄「だけど報われないよ。それじゃあ。若菜を、君を、好きになったって、どれだけ愛したって……」

若菜「終わっちゃう……もんね。世界」

達雄「ああ……」

若菜「ねえ、達雄くん……。私たち、しあわせなのかな？」

達雄「……」

達雄「……」

達雄うつむく。

夕日がふたりの顔の影を強調する。

少しの間を置いて、二人は顔を見合わせる。

言葉すら交わしはしないが、互いが互いの言わんとしようとする内容は十分理解しているみたいな顔をして。

達雄「世界が終わるんだ。全てが結晶になって……」

暗転。

全てが真赤になる。

世界の中央には若菜の影が立っている。

若菜の影「達雄くんの！世界の全ての達雄くんの！私の愛する達雄くんの！卒塔婆を！」

爆発音。

暗転。

今度は全てが真っ青になる。

そこは卒塔婆ばかりの世界。

乱雑に地中から生えた卒塔婆だけが、この世界を彩っている。

ほ

保守ついでに
どなたか思いついた言葉など書いていただくと
助かるのですが

町内での催しで、さんぽ市って名称はやめたほうがいい

さんぽ市

ぼくはギョッとした。
道の向こうから、大勢の人たちがあるいてくる。
ざっと100人以上はいるだろうか。いったい何事だろう。

「こんにちは」
集団の先頭を歩く男が僕に声をかけてきた。
僕は軽く会釈を返す。
「我々はさんぽ市の参加者です」男はいう。
「さんぽ市？」ぼくは首をかしげた。
「そう　さんぽ市　あなたも参加しませんか？」

ぼくは考え込んだ。なんとなくうさんくさい。
それに、集団にいる人々の生気のない表情も気にかかった。
「さんぽ市ってそもそもなんなんですか？」ぼくは尋ねた。
「そうですね　さんぽに焦点を当てたイベントというか
催しですな　大勢で歩くことに意義があるのです」
説明を聞いてもいまひとつ納得できない。ぼくはさらに尋ねた。
「さんぽ市の　市　って　どういう意味ですか？」
「何だと？」
男の声に急に怒気がこもった。ぼくはもう尋ねるのをやめた。

「いえ　なんでもありません。　さんぽ市にも参加しません」
僕はうつむいた。
「・・・チッ」
男は舌打ちをして通り過ぎていった。
そのあとを　さんぽ市の参加者たちが　ぞろぞろ　ぞろぞろと　ついて歩いていくのだった。

END

ほぉー、感心する。

若菜「……」

紳士「ようこそ」

若菜「……！」

紳士「ようこそ。ここはフォレスト。あなたの望む世界を」

若菜「なに……を……」

紳士「それでは、ごゆっくりどうぞ」

紳士、流れるように舞台から消えていく。

若菜「待って……！」

若菜の影「くすくす」

若菜「えっ……？」

若菜の影「くすくす……あはは」

若菜「だ、誰っ？誰なの？」

若菜の影「わたしのことが分からないのに、どうしてここにいるのよ」

若菜「何を……？」

若菜の影「わたしのこと、本当に分からない？」

若菜「分かるわけないでしょ……」

若菜の影「あはは！嘘ばっかり！分からないはずないじゃない。だってわたしはあなたの影だもの」

若菜「え…？」

若菜の影「自分の影が分からない？それとも影が実体を持って話しかけてきたことにびっくりした？」

若菜「なに言ってるのよ！」

若菜、若菜の影を打つ。

パシン！という音。

達雄「痛ッ」

若菜、鬼のような形相になる。

若菜「痛い！？ふざけないでよ！わたしの心はもっと痛いんだよ！！」

若菜の影「嘘ばっかり」

達雄「嘘つくなよ」

若菜「嘘なんか……」

若菜の影「正直になりなさいよ。あんた本当に達雄くんのこと愛してたの？」

若菜「愛してたに決まってるでしょ！」

若菜の影「愛のないキスは楽しかった？」

若菜「愛してたわよ！」

若菜の影「愛のないセックスは気持ちが良かった？」

若菜「愛してたわよ！愛してたわよ！！愛してたわよぉっ！！！」

達雄「死体でも犯してるみたいだったよ」

若菜「！？」

若菜の影「死体？」

達雄「ああ、あいつ、気味悪りいよ」

若菜の影「じゃあなんで付き合ってたのよ」

達雄「俺から振ったら俺がワルモノみたいじゃん。あいつが俺に飽きて振ってくるのを待ってたんだよ」

若菜の影「なーあんだ。そうだったんだ」

達雄「本当に愛してるのはお前だけだよ」

達雄、若菜の影にキスしようとする。

若菜「やめて、やめてよ！」

若菜、二人に手を伸ばし走り寄る。

途端、二人は感情のない瞳で若菜を見つめる。

若菜「やめて……なんでよ。なんでそんなことするのよ」

二人「……」

お題：昨日貰った薬

午前零時　玄関のドアを叩く音がする。
誰だろう　こんな夜遅く
僕がドアを開けると見知らぬ女の人が立っていた。
顔色は悪く　眉間にしわをよせてとても苦しそうだ。

「苦しい…苦しい…」その女の人はかすかな声で呻いている
「だ、大丈夫ですか？」
「わたし…実は重病人なの」
僕が声をかけると、女の人は力なく笑った。
「でも大丈夫。昨日　先生に貰った薬があるから
　その薬を飲めばよくなるはずだから」

女の人はそういって　ハンドバッグから薬を取り出し
ペットボトルの水でその薬を飲んだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」

「ひひひ」
ふいに　女の人が笑い声をあげた
「ひひひ　あのヤブ医者め　こんな薬よこしやがって」　
女の人の目には凶悪な光が宿り　口はひきつっている
やばい
ぼくは玄関のドアを締めようとしたが、ドアの隙間に靴を差し込まれた。
「逃がさねえよ」
ドアの隙間ごしに見えたその目は　もはや常人のものではなかった。

ＥＮＤ

この世界は「前世界」で「力ある者」と認められた者達が堕ちる、いわば地獄である。
この世界ではそういった者達は比喩と侮蔑を込めて「英霊」と呼ばれる。
英霊はこの世界の住人には一切逆らう事は出来ず、家畜以下の扱いを受けて屈従する事になる
生前が如何に偉大であろうが、高潔だったろうが、実力をもっていようが扱いは変わらない
住人からの「命令」は絶対かつ強制的であり、「息をするな」と言われれば体が勝手に呼吸を止めてしまう等そういった概念レベルで強制される
さらに「死ぬ」事も出来ず、どんなに傷付いてもすぐに治ってしまう、これはより上位の存在による設定であるらしく住人の命令でもくつがえせない(傷を治らなくする事は出来る、死なないという事実は変えられない)

. ,,,,,,,,,,,,,
[,|,,,★,,|] 　　清掃中
（･∀･)//
(( つ//O
（ _)//)
(ﾐ⌒(⌒彡ﾉﾉﾉゞｻｯｻｯ

真夏陽炎幻日遊戯

バキン、バキン、バキン。音がする。目が覚める。バキン、バキン、バキン。
金属と金属がぶつかり合う音。巨大な恐竜の牙と牙とがこすれ合う音。まだ眠りの世界から抜け出しきれない瞼をこすり、音のする方を見る。窓がある。結露はしていない。だって今は夏。ついでに言うと七月のある日の朝である。
何かどうしても許せないものに対しての当て付けみたいに太陽は核融合を起こし、そこで産まれた憎しみの光が、地球に降り注いでいる。
蝉はきちがいみたいに鳴いていたし、車はみんな怒り狂ったように汚い煙を吐き出し、ひどいスピードで走っていた。
もちろんそれはどこにでもある夏の風景だったし、だからわたしはその風景に対して文句を付ける筋合いもないのだ。

バキン、バキン、バキン。という音は、わたしの住んでいるボロっちいマンションの隣で、新しいマンションを建てる工事の音だった。
『隅櫓建設』と書かれたシートに隠された場所から、しきりにバキン、バキン、バキン。と音がなっている。
バキン、バキン、バキン。わたしは起き上がり、朝食を作ることにした。
バキン、バキン、バキン。今朝の朝食はトーストだ。ジャムを塗り、咀嚼する。バキン、バキン、バキン。
うるさい、うるさい、うるさいな。もう。
こんなにうるさくては、まともに食事もできないというものだ。
ほら見ろ、朝食のパンが、こんなにも、まるで潮風に晒された鉄の棒から止めどもなく溢れ出す錆みたいにぼろぼろになってしまった。ああ、なんて哀れな姿だろう。皿の上でこんなにも打ちひしがれて、ああ、ああ！なんて可哀想なのだ！

バキン、バキン、バキン。ああ、うるさい、うるさい。あまりのうるささに頭が割れて脳みそが蕩け出てしまいそうだ。
と思った瞬間、パキン。まるで水分の全くない煎餅が割れたみたいな音がした。
音は、わたしの頭から鳴ったようだ。
わたしは慌てて洗面台の鏡に走って行った。走って行く際に頭から、べちゃべちゃと何かが零れて床に打ち付けられる音がした。
鏡の前に立って、自分の姿を、自分の頭を見る。
頭が割れていて、脳みそが蕩け出ていた。
そしてあのべちゃべちゃという音は、蕩け出た脳みそが零れて床に打ち付けられる音だったのだ。
急にわたしは、何もかもがどうでも良くなった。思考がクリアになり、精神は白一色で彩られた東北の雪景色みたいに冷ややかになった。
部屋の外からは、相変わらずバキン、バキン、バキン。という音が鳴っていたが、もうそんなことはどうでも良いのだ。わたしには関係のないことだ。
さあ、これから朝食の続きをしよう。
もう一度パンを焼き直し、ジャムも塗り直し、そしてようやく、食事を再開するのだ。しなくてはならないのだ。
しかしリビングに戻ると、そこは既に終末の荒野となっており、もうわたしは永遠に朝食を再開することができなくなってしまった。

終

>>561
訂正
「新しいマンションを建てる工事の音だった。」→「新しいマンションを建てるための工事の音だった。」

. ,,,,,,,,,,,,,
[,|,,,★,,|] 　　清掃中
（･∀･)//
(( つ//O
（ _)//)
(ﾐ⌒(⌒彡ﾉﾉﾉゞｻｯｻｯ

みんな文才があって良いなぁ。

信じようと、信じまいとー

うちの兄はとにかくよく喋る。一人の時も延々と独り言を言ってる。周りはみんな聞き流してるけど、大体最後に「ま、みんな死んじゃうんだけどね」と､つぶやく

信じようと、信じまいとー

信じようと、信じまいとー

町田は存在しない、自分は町田から来た。町田に住んでいる等と語る者は往々にそうだと信じこまされてるだけだ。じゃああそこには何があるのか？

信じようと、信じまいとー

信じようと、信じまいとー

人気番組「ナニコレ珍百景」には毎日多数の不思議なものの投稿が送られて来るが、中には差出人のわからない意味不明のものや、本当に「ヤバい」ものもあるらしい、
番組側も細心の注意をもって対応しているという、初期の頃は調べにいったスタッフが帰ってこなかった事もあったという

信じようと、信じまいとー

>>568
ツマンネー

匣があった。
開けてみると、中には小さな硝子のコップがあった。
コップの中は、透き通った緑の液体が入っていた。
わたしは喉が渇いていたので、一息でその緑の液体を飲んだ。
薄荷のような、すうっとした味で、おいしかった。
すると電話がなった。なんだか、いつもより音が大きい。
ぽるるるる…という単調な電子音が、わたしの頭蓋骨の中で脳を震わせている。
電話は母からだった。
妹が生まれたそうだ。
でも、今朝までの母のお腹は妊婦のように膨らんではいなかったし、妹が生まれるということだって一度も聞かされていなかったので、なんだかおかしいなとわたしは思った。
受話器を置いた途端、喉の奥で何かが蠢いて、わたしはその場で嘔吐した。
緑の吐瀉物が溢れてきた。とても、臭い。
吐くだけ吐き終わると、わたしは妹を見に行くため家を出た。

おわり

海豹の歌

昔はガソリンスタンドでアルバイトをしていて今は中学校で数学を教えていると言ったその男は、魚臭い黒いちんこを入れてきた。わたしは前戯もなくアナルを指でほぐしもしない男は初めてだったので、痛い痛いと泣き叫びながら彼を受け入れた。
あんまり痛かったのでおしっこが勝手にじょぼじょぼ出てきて男がきたねえヤロウだなあといってわたしをぶったけどヤった後で二万円をくれたのでそのことはもう許してわたしはそのまま友達の家に遊びに行った。

わたしの友達は太っていてもちろんゲイで、それから髪が短くて髭が生えていてメガネをかけているのでわたしの好みにぴったりなのだ。
彼はインターネットの広告業でお金を稼いでいてそれで銀行の口座に勝手にお金が振り込まれるからずっと家にいれて最高なんだ、あんなサラリーマンみたいに使い捨てのゾーキンみたいに働かなくていいんだとよく言っていた。
わたしが友達の家に遊びに行くと彼はおうお前かと言ってキーボードをカタカタ打つのをやめてわたしに紅茶を出してくれた。
ガラスのコップに乱暴に注がれ、泡が立っている熱い紅茶を一口飲む。「もしかして、睡眠薬とか入れた？」「まさか。そういうのもやってみたいけどね」「今度ね」わたしが立ったままなので彼は座れよと言った。

所々に米粒なんかが引っ付いたシミだらけのカーペットに胡座をかいて座る。カーペットの毛がわたしの足をゴワゴワと撫でる。その感覚がなんだか楽しくて、わたしは足の指で毛を弄り続けた。
「で、今日は何の用だ」と彼。
「用がなくっちゃ来ちゃいけない？」
「そういう訳じゃないけど……、その顔は絶対何かある顔だろ」
「正解。ね、わたし二万円貰っちゃったの。ぶたれたけどね」
「また誰かとしたのか」
「いけないことじゃないでしょ」
「でもお前は俺だけのモノでいてほしいからなあ」……そう言ったのでわたしは、フフと笑って、じゃあいいよ、しよっか今からと言って彼の肩に腕を回した。

わたしは彼の柔らかい腹の上に跨っている。
わたしは彼の柔らかい腹の上に跨っている。
わたしは彼の柔らかい腹の上に跨っている。
あっ、あっ、あっ、と喘ぎながら彼を感じる。
ぷっくりとした前立腺を削るように刺激され、頭が馬鹿になってしまいそうだ。
脂や埃で汚れた眼鏡の、厚いレンズの奥で、彼の瞳はわたしの身体を舐め回すように、または灼きつくすようにねっとりと見つめている。
途端に身体の芯が電気を通されたようにビクつき、わたしは、あっ出るっ出るゥと叫んだ。すると彼の方もウガアアァァと喉の奥から野獣の咆哮みたいな声を上げて、わたしの直腸に射精した。

熱い精液が直腸を爛れ、蕩けさせているような感じがする。
少し遅れてわたしも射精した。彼の毛むくじゃらの白い腹をわたしの体液が汚す。
お互い犬みたいに息を荒くして、猿みたいに顔を赤く染めて、微笑む。やはり数学教師よりも引きこもりの広告業者の方がわたしは好きだった。

信じようと、信じまいとー

2ちゃんねる成立以降、日本の自殺率、失踪件数ははね上がったと言う、あるオカルティストは言う、「あの画面の配置は強力な呪詛返しの力を秘めている」

信じようと、信じまいとー