【リレー小説】シベリア・サスペンス劇場3【三行まで】
1 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :
2011/01/31(月) 00:16:02 発信元:220.106.249.216 いよいよ第3弾。今回もミステリータッチの悪ふざけ過ぎない小説をリレーで作りあげましょう。 必ず前のレスに繋げて、次の人にも話を広げやすいように。脈略の無い話や言い捨てのレスはご遠慮願います。(他のリレー小説スレより少々敷居を高く設定します) 1レス三行まで(厳守)あまりに酷いレスはスルーで、基本sage進行でお願いします。さて今回はどんなお話になるのでしょうか?
〜第1章〜 事件当夜は雨
これといった事件も無い穏やかな夜、警視庁の目暮警部は珍しく定時で仕事を終え、家路を歩いていた。 「ふぅ、こんな早く帰れるのは久しぶりだな」 目暮は、ひとりごとを言いながら足取りも軽やかに自宅に着いた。
目暮警部「しかし血洗島は悔しかったな、来生たかお逮捕までは計算通りだったが‥、俺も詰めが甘くなったモンだな。」
目暮「しかし、前スレの1000レス目にはガッカリだな‥。 せっかくここまで積み上げたモノをぶち壊されたみたいで気分悪いわ!」
6 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/02/02(水) 02:52:04 発信元:118.159.131.37
「まあ、1000間近なのに無駄に伏線張りすぎて、収拾がつかなくなったから、仕方ないか。」と、目暮は一人無理に納得し、寝ることにした。
7 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/02/02(水) 02:56:45 発信元:122.249.172.96
翌朝、妻は目暮が冷たくなっていることに気付いた。享年58歳だった。
「フン、くだらん」目暮はまた駄レスの打ち消しで1レス使う事の馬鹿馬鹿しさを溜息混じりに吐き出した。 「頼むからageないでくれよ。ここは。言葉遊びがしたいだけの人は、それに相応しいスレがいくらでもあるんだから、そちらへ行って欲しい」目暮は少しウンザリした調子で、また、ひとりごとを言った。 スタートしてから延々、目暮のひとりごとばかりである。そろそろ物語は動き出す、はずだ。
船越英一郎「まいど、警部。」 目暮「なんだ、船越クンか‥」 船越「あれ、ずいぶん冷たいじゃないでスか。」 目暮「俺はいつもの俺だよ。」
目暮「で、何の用?」 船越「そんなメンドくさそうに言わなくても‥で、血洗島の秘宝って結局なんだったんです?」 目暮「ガセネタだったよ、スネ夫は現れたがね。」 船越「は〜、やっぱ博士の言う通りだったか。」
船越「そんな話‥訊いたコトなんか無いわい、ホッホッホ でしたからね。 結局僕も行きませんでしたが。」 目暮「あ、そう。」
血洗島では活躍できなかった目暮&船越をよそに、渋谷のとあるビジネスホテルの一室では松本零士とアシスタントの杏子が激しく情欲に溺れていた。 血洗島の秘宝を逃した悔しさからか、杏子はあの日以来ほぼ毎日のように松本に求めるようになっていたのだ。 松本は杏子の膣内で生の陰茎に絡みつくヌルヌルのヒダの感触を存分に楽しみつつ、(秘宝とやらを手に入れたのは実はこの俺なんじゃね?)とほくそ笑んだ。
そのとあるビジネスホテルで、事件は起こった。 従業員「おーい、誰か! 救急車‥それと警察に電話してくれ! 今すぐにだ!」
酒井法子さんの元旦那、高相祐一氏が意識不明のまま倒れていた。
そして気絶した高相のすぐ側には、胸にナイフがつき刺さった死体が仰向けに横たわっていた。
従業員が恐る恐る死体に近づくと見覚えのある顔だ。どうやら有名人らしい。
17 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/02/06(日) 15:09:33 発信元:61.125.224.98
どう見ても左とん平である
ちなみに高相祐一氏は急性アルコール中毒によって一時的に意識不明になったのであって、以前のようなドラッグは一切使用していないことも判った。
「悪ふざけ過ぎで、脈略無くて、言い捨てで、sageもしないで、あまりに酷いレスで、ここまでスレの主旨に沿ってないレスは見事な荒しですね……」高木刑事はブツブツ言いながら現場に駆けつけた。 救急車で搬送されていったが既に冷たくなっていた。死因の判明次第では刑事事件の可能性もある。 「とりあえず言える事は、ここは一行リレーとは全く主旨の異なる所なので、ふざけたレスは勘弁願いますよ」高木は再び、ひとりごとを呟いて荒しを牽制した。
検視官「左とん平氏の死因は胸部殺傷による出血多量死です。」 高木刑事「ナイフに指紋は?」 検視官「残っていましたが、一緒に居た高相祐一氏のものではありませんでした。」
-警察病院- 増田刑事「高相さん、あなたはナゼ左氏と同じ部屋に居たんですか?」 高相「知らん! 左とん平? 面識も無いわ!」 増田刑事「‥‥。」 高相「だいたい俺は女同伴でこの部屋にチェックインしたんだ、てか‥あの女はどこに行きやがったんだ!」 増田刑事「あの女と言うのは宿泊名簿に記載されてた"伊藤あこ"さんのコトですか?」 高相「名前? 覚えとらんわ。」
「死んだのは左とん平って話のまま進めるのかい?」高木刑事は呆れたような声をあげたが、すぐ気を取り直した。仕方ないリレー小説の定めだ。 「とりあえず、高相に話を聞く必要がありそうだ。ハァ……」 気の乗らない調子で高木は目暮警部に報告する為、署に戻って行った。
神宮寺三郎は新宿を拠点に活躍する私立探偵である。頭脳明晰で『名探偵』の呼び声も高い。 神宮寺はたまたま目撃した高相と左の事件に強い関心を抱いた。 「さて、また金にならない事件に首を突っ込むとするか……」探偵・神宮寺三郎の捜査が始まった。
目暮警部は捜査本部にて高木・増田、両刑事の報告を聞いた。 「死んだ左とん平氏の体はビショ濡れだったようです。事件当夜は雨、左とん平氏は傘を持たずにホテルに行ったのでしょうか?」と高木。 「高相の話では何故、左とん平の死体がホテルの自室にあったのか皆目見当もつかないとの事です。本人はチェックインしてすぐ酒を浴びるほど飲んで寝たそうです」と増田。
目暮警部「一つ気になるコトがあるんだが‥。」 高木刑事「?」 目暮警部「伊藤あこって言えば、前スレの神田正輝殺人事件の時も確か‥。」 高木刑事「言われて見れば‥。」 増田刑事「事件の鍵を握っている人物かも知れませんね。」
探偵・神宮寺三郎も独自に調べを進めていた。警察組織と違い、探偵というのは得られる情報には限りがある。 神宮寺は死んだ左とん平が、雨でずぶ濡れだったのに対し、一緒に発見された高相は全く雨に濡れていなかった事をつきとめていた。 神宮寺は煙草に火を付けた。神宮寺は思考をまとめあげる時、必ず煙草を吸う。神宮寺は煙草で脳を冴えさせる特殊な人間(?)なのであった。
―――事件当夜は雨。雨が降っている中、よほど変わった人間で無ければ傘をさすだろう。 ―――被害者は、ずぶ濡れだった。傘をささなかったのか?傘をさせない事情が何かあったのか? 神宮寺の推理は、1つの方向へ向かった。次に調べる事は勿論、決まっている……。
一方、目暮警部は高木刑事を連れ、現場であるビジネスホテルへ向かっていた。 高木「増田の話では高相はウソをついている感じでは無かったそうですが…」 目暮「この事件、ひっかかるのは1点だけだ。今から話を聞きに行く人物は高相では無い」
探偵・神宮寺三郎は次の調査に取りかかった。高相は事件の夜『イトウ』という女と同伴でホテルにチェックインしていたそうだが…… ここは探偵・神宮寺の嗅覚は冴え渡り、すぐに女の特定に至った。 女はコールガールで『イトウ』は偽名であった。高相に薬物欲しさに近づいたが、酒飲んで潰れた高相に呆れて帰ったらしい。その時、既に雨は降り始めていたとの証言も得られた。
神宮寺は、また煙草に火を点けた。探偵は頭の中の情報を整理する。 ――ホテル室内の、ずぶ濡れ死体。解決の鍵は、そこだ。 次に話を聞くべき人物に会いに、神宮寺が向かったのは、事件のあったホテルであった。
増田刑事「あの‥、警部。」 目暮警部「ん、」 増田「事件当日の宿泊名簿を調べたんですが‥。」 目暮「何か解ったか?」 増田「あ‥いや、やっぱ関係無いかなぁ‥。」 目暮「ハッキリ言えよ、どんな小さな事だって捜査の重要な手掛かりになるかも知れんのだ!」
増田刑事「‥じゃあ、名簿の中に松本零士氏の名前が在りました。」 目暮警部「何ぃ!」 増田「どうします?」 目暮「任意で引っ張れ!」
探偵・神宮寺三郎は事件のあったホテルに到着した。神宮寺はホテルの前で見知った顔を見た。警視庁の目暮警部である。 神宮寺三郎はホテルに入るのを躊躇した。警視庁の目暮はあまり良い印象の無い人物だ。しかし警察もこのホテルに来ているという事で、神宮寺は自分の推理が正しい事を確信した。 ―――どうする?とりあえず目暮たちの動向を見てから動くか?神宮寺は煙草に火を点けた。
増田からの電話で目暮の疑惑の目は漫画家松本零士に向けられた。 目暮「松本零士に現場ホテルの宿泊歴があったようだ。増田に任意で引っ張らせる事にしたぞ!」 高木「(警部は松本零士の名前に異常に反応するんだよな……やれやれ)」
「松本零士氏は今回関係ないように思いますが…」高木は一応牽制した。松本零士の名前が出ると目暮警部の思考は零士に一直線に偏る。実際、松本零士が関係してた事は1度も無いのだが…… 「疑わしい事は一応調べるのが我々の仕事だろうが」目暮は、よほど松本零士が嫌いなのか吐き捨てるように呟く。 目暮と高木は現場ホテルに到着した。
目暮警部は現場のビジネスホテルの前で見知った顔に気づいた。「ん?ヤツは――」 「警部、道の反対側でこちらを見てる男、あれ神宮寺氏ですよね。探偵の」高木刑事も神宮寺に気づいた。 「フン、探偵風情に何ができる。しかし、……」目暮は気を引き締め直した。警察が私立探偵に負ける訳にはいかない。
目暮「神宮寺はどこまで掴んでいるのかな?」 高木「名探偵の神宮寺三郎氏ですからね。何か我々の知り得ない情報を持ってるかも知れませんね」 目暮「‥‥いっちょ探りをいれてみるか」
目暮と連れの刑事がこちらに向かって来るのに気づいた神宮寺三郎は心の中で「チッ」舌打ちした。仕方ない相手をするか…… 「おお、私立探偵の神宮寺君じゃないか。奇遇だな。こんなとこで何か調べてるのかい?」目暮は少し嫌味っぽく神宮寺に探りを入れてきた。 「あ、警視庁の目暮警部。お会いできて光栄です。事件の捜査ですか?」神宮寺は勿論目暮に会えて光栄だなどと思ってない。精一杯の皮肉だ。
「いやっ!やめてブラームス!私には、夫が!」 お忍びで来日した帰途チェリビダッケと鉢合わせしたクライバーのようにおびえるクララを押し倒すと、ブラームスは ラトルの髪のように豊かな彼女の茂みに手を伸ばす。そしてその奥が、汗で光るスヴェトラーノフの額のように濡れて いるのを確かめると、彼はそこに己の先端をあてがい、アシュケナージが自分の手の甲に指揮棒を突き刺した時のよう にぶすりと一気に貫いた。 悲鳴を上げまいと必死に耐えるクララの口からは、小林研一郎のような呻き声しか漏れなかった。しかし禁断の甘い 衝撃に、彼女の背は指揮台の上のバーンスタインのように飛び跳ね、そのたびに彼女の胸がサンティの頬肉のように ぷるぷると弾む。彼女はそのまま、ラン・ランのように首を仰け反らせて絶頂に達した。
ホテルマン「こら、ここはお前(
>>39 )のような基地害の来るところじゃないんだ!」
>>39 はホテルマンによって駆除された。
「神宮寺さん、ホテルの事件で何か御存知でしたら警察に協力願えませんか?」高木刑事は神宮寺に言葉を選びながら丁寧に言った。 「‥‥興味あって調べてるのは確かですがね。確証を得るのはまだこれからって事で。勿論、お力になれる情報があれば協力しますよ」神宮寺も言葉を選んで慎重に応えた。事実、確証といえるようなものは未だ掴んでいない。 高木と神宮寺のやりとりを聞いていた目暮は「フン」と鼻をならした。
目暮警部「神宮寺サンよ、アンタのご目当ては松本零士だろ!」 神宮寺「?」 目暮「アンタほどの優秀な探偵さんなら、当然松本零士は最重要人物に入っているだろうな。」 神宮寺「‥。」 目暮「だが‥、ヤツには手を出させん、ヤツは俺の獲物だ。」
その頃、松本零士は仕事場で新作の構想を練っていた。年甲斐もなく若いアシスタントとの情事に燃えた零士であったが、そんな事ばかりにうつつをぬかしていられない。 零士の元に来客が来た。どこかで見た顔だが?――来客は『警察の者です』と名乗った。――思い出した。あの目暮の野郎がいつも連れて歩いてる2人の若い刑事の片割れだ。 『マスダ』という刑事は零士に聞きたい事があると言った。零士は嫌な予感がした。「(目暮の野郎にまた何かの事件の容疑者に仕立て上げられるだろうか?)」零士は警戒心を強めた。
増田刑事「松本さん、MGIホテルにお泊まりになられてますね?あそこへはどういった経緯で泊まわれたんですか?」 松本零士「‥‥私的な事だ。答えたく無い。」 増田刑事「実はあのホテルで他殺死体が見つかったんですよ」
松本零士「で私が泊まっていたから犯人だと言うんだろ?あんたの上司は!」 増田刑事「‥‥詳しい話は署の方でお聞きしたいのですが‥‥」 松本零士「任意だろ?誰が行くか!帰ってくれ!」
現場ホテル前で立ち話している目暮警部らと神宮寺三郎に場面は戻る。⇔ 「船越英一郎、土井塔克樹、倉阪鬼一郎、夜明日出夫、汚死魔栗男、成歩堂龍一。登場人物が漢字5文字の人間多いんだが神宮寺三郎もまた5文字!」 目暮警部は、また漢字5文字のレギュラー出演者が増えそうな予感がした。
「何で神宮寺さんは、この事件に興味を持ったんですか?」高木が問う。 「どうも、この小説は犯罪者側が強すぎて捜査する側が弱すぎる。お洒落殺人鬼だの地獄の傀儡師だのといった輩がやりたい放題な現状を打破する為には鋭い推理力を持つ人間が必要かな、なんて思いましてね」神宮寺は飄々と答えた。 目暮はまた「フン」と鼻をならすだけであった。
「そこまで自信満々に言うなら、君の推理を聞かせてもらおうか」目暮は少し苛立ち気に神宮寺に言った。先の神宮寺の台詞を挑発と取ったようだ。 「ここまで判明している事は@高相と女がホテルにチェックインしたのは雨が降り出す前。A女が酔った高相を残してホテルを出たのが雨の降り始め。Bホテルで発見された死体は雨に濡れてずぶ濡れ。――以上の事から導き出される答えは‥‥」 神宮寺は間合いを取るため煙草に火を点けた。神宮寺が辿り着いた真相とは?――――
目暮「甘いな、フッ。」 神宮寺「と、言いますと?」 目暮「Bのトコ、雨でずぶ濡れの死体の部分だが、雨で濡れたって確証あんの?」 神宮寺「変ですか?」 目暮「ここの部分は一番犯人が細工しやすい部分っしょ!」
目暮「つまり犯人は、雨が降り始める前までは左氏が生きている設定にしたかった‥という細工と俺は見た訳だ。」 神宮寺「‥で?」 目暮「結論から先‥おっと、もう既に言ってしまったが、松本零士が犯人だ。 松本が左氏を刺した後、風呂場の水か何かを使って左氏に掛けて、雨の中の殺人劇を装った‥どうかね?」
新宮寺「細工しやすい部分は常に細工されているとでも? ふふ、ではそろそろ私の推理を聞いてもらいましょうか。真犯人はそう、いまどきの切れやすい子供。 突然の雨に切れた少年は通りすがりの左氏を刺殺。左氏を傘代わりにここまでやってきてホテルの置き傘と取り替えて去っていたのですよ。重いから」 目黒「ま、待て。それだと傘置き場から高相さんの部屋まで遺体を動かしたものが別にいることに・・・ハッ!それが松本零士?!」
「犯人が誰なのかまでは実はまだ解りません。それに関しては、次の一手で調べるつもりでした」神宮寺は手の内を明かした。 「フン、警察も遺体を濡らしたのは正真正銘あの夜の雨だという事ぐらいは調べはついてるよ」目暮はそう言い、神宮寺が有益な情報を持っていない事に安堵と落胆の両方の感情を顔に出した。 「では、警部、行きましょうか。でも我々の次の一手も神宮寺氏と同じかも知れませんがね」高木刑事は現場のビジネスホテルの方を見ながら呟いた。
現場ホテルに行き、フロントマンに話を聞く目暮と高木。神宮寺は少し離れた所で聞いていた。 目暮「事件当夜、高相氏の連れの女性が帰ったあと、誰かが訪ねて来ませんでしたか?」 フロントマン「ええ、訪ねて来ましたよ。雨が滝のように降っていた時間でしたから、よく覚えてますよ」
――事件当夜の雨の中、ホテルを訪れた者がいた。離れて聞いていた神宮寺も思わず体を乗り出した。真相はは核心に近づいている。 「その、雨の中、ホテルを訪れたのは、どんな人でした?」高木刑事がフロントマンに尋ねた。 「全身ずぶ濡れでね。死体のような物を担いで入って来ました」
〜第2章〜 ここに死体を捨てないでください
刑務所を今、出所した男を雪の空が迎えた。「せっかくの出所の日が雪か‥‥」男は、ため息混じりに呟いた。 男の名は塩見味平。調理人である。拉致監禁の罪で服役していた彼は今日、久方ぶりに娑婆の空気を吸った。 かなり早い出所となった経緯は彼が深く反省している事と中での態度が模範的である事から仮釈放が認められたのだ。お上にも慈悲はあるのである。
立ち去る塩見味平の背中を黒塗りのベンツの中から見送る男がいた。 (塩見・・・貴様があの女をかばい罪を被ったことは分っている。だがそのおかげで彼女は更なる罪を重ねようとしている・・・もう一度会うのだ、成歩堂龍一に。全ては・・・ 「検事、看守がガン見してるんでそろそろ発車していいスか?」
-再びMGIホテル- 高木刑事「しかし、なんでスネ夫がこのホテルに‥、」 目暮警部「たまたまだろ、それよりスネ夫が担いでいたモンは左氏なのか?」 神宮寺「左氏‥でしょう。 でもこの時は刺した形跡は無いように見えます。」 高木「てか、なんでスネ夫は左氏を担いでいたんでしょうか?」 目暮「‥‥。」
「検事、前スレ読んで出直しましょう。塩見味平は女庇ったりしてません。」 「前スレ読むには●が必要だしな、うーん、」 勘違いした黒塗りの高級車は立ち去った。
何かブツブツ言いながら横を走り去った黒塗りの車を訝しげに見ながら塩見味平は、また溜め息を吐いた。 やたら面会に来ていた船越も調子のいいことばかり言ってたが、今や音信不通だ。出所するというのに出迎えにも来ない。 一緒に捕まった高遠遙一にしても自分だけさっさと脱獄して以後全く連絡も無い。塩見味平は行く宛も無かった。ただ、刑務所から少しでも遠くに離れたかった。だから歩いているだけだった。
塩見味平「今日は、どこかのホテルに泊まろう‥。」 適当にホテルらしき建物を物色する塩見‥。 塩見「ここにするか‥。」 目の前にはMGIホテルが。
ホテルの脇を通る塩見味平はホテルのラウンジに見知った顔がいるのに気づいた。――忘れもしない、自分と高遠を逮捕した刑事だ。 別に後ろ暗い事は無いが、塩見味平はそのホテルには入らず通り過ぎた。何となく気が引けたのだ。 塩見味平はこのホテルからも離れたいかのように歩調を早めた。
塩見味平「仕方が無い、今日はここにしよう。」 塩見はとあるインターネットカフェに入店した。
「ひっ、塩見味平」 身分証の提示を求められるまま提出すると顔を青くす女性店員。そういえば世間では俺はまだ服役中だったなと、何か言い訳を したほうがいいだろうかと考える味平だったが不運は重なるもの。不審者の聞き込みに来た高木刑事が入店してきたのだった。
高木刑事「あれ? 何でお前ここに居るの?」 塩見味平「はぁ‥、お陰様で仮出所出来まして。」 高木「そうか、良かったな。」 塩見「ただ、泊まる所が無くて‥。」 高木「それでインターネットカフェか‥、時代も変わったモンだ。 ま、せいぜい元気で頑張ってくれや。」 塩見「‥はぁ。」
塩見「今日は柊まいんちゃんのマンコ画像でも探すか…」 高木「あれっ!?お前もまいんちゃんのファンなの!?」 塩見「はぁ…特に全裸のまいんちゃんが最高ですね」
降りを増して大雪となった空。塩見味平はネットカフェに泊まる事にした。 成り行きとはいえ娑婆に出て最初の夜をこんな所で過ごす事を嘆いた。 ネットカフェはイメージしてたよりは静かで、疲れていた塩見はネットカフェのリクライニングソファーで深い眠りについた。
塩見味平「あ‥、どれくらい寝ちまったんだ‥。」 時計を見るとp.m.12:30だった。 そろそろ出ようと思ったが、 塩見味平「せっかく目の前にパソコンがあるんだからちょっと検索していくか。」
一泊だけのつもりだったネカフェが意外に快適だった味平はズルズルネカフェに滞在してしまった。 きちんと宿をとるより圧倒的に安いし、飲食物に困らないし、それに―― 行き場所の無い自分には相応しい場所な気がした。ここには自分に近い境遇の人間もたくさんいるし・・・
しかし、いつまでも此処にいるわけにはいかない。塩見味平は、また歩き始めた。 彷徨うように歩き続ける味平に後ろから声をかけてくる男がいた。 「――塩見、塩見味平だな。クククク‥‥」お洒落殺人鬼スネ夫であった。
塩見味平「おたく誰?」
「クククク‥‥今、計画中の殺人ショーに手を貸せ。クククク‥」スネ夫は愉快そうに笑うが、味平はスネ夫が何がそんなに愉快なのか理解できなかった。 地獄の傀儡師だとか、お洒落殺人鬼だとか、どうしてそんな奴ばかり自分に近づいて来るのだろう?――味平は我が身を呪った。 「行くあても無いのだろう。一緒に来い。オレは高遠みたいに薄情じゃない。クククク‥」このスネ夫という人物、信用していいものか?味平は少し考え込んだ。
塩見味平「アンタ、高遠を知ってんのか?」 スネ夫「だったらどうする、ククク」 塩見味平「ヤツは絶対に許せん!」 スネ夫「だったら着いて来いよw」
「この世界では、オレと一緒にいるのが一番安全なのだよ」お洒落殺人鬼は味平を諭すように言った。 あながち間違いでも無い。スネ夫と同行してる人物が一番安全なのは来生たかおを見てもわかる。 「……手を貸せと言うが、オレに何をさせる気だい?」味平はスネ夫に尋ねる。既に味平は、お洒落殺人鬼の手駒になりかけている。
塩見味平「俺は高遠に復讐してやりたいんだ!」 スネ夫「俺様の計画のお手伝いをしてくれたら好きにさせてやるよ、ククク。」 どうする、味平!
「ククク‥‥。高遠みたいな雑魚の事など、どうでもよくなるほど、これからやる事は大きな山だ。」 「‥‥大きな山?」 2人は北に向かって歩き始めた。
塩見味平はスネ夫に茨城県の牛舎に連れて来られた。「見ろ、」スネ夫は牛舎にある立て看板を指した。 『ここに死体を捨てないでください。』と看板には書いてあった。 「ここが?何?」「ククククククク‥‥」
「いつも死体の始末を牛舎でしていたんだけど、最近うるさくなってな‥‥」スネ夫は苦々しく言いながら味平の方を向き話を続けた。 「そこで味平!おまえに鉄板焼きの店を1つ任せたいんだがな。ククク‥‥」 「???」塩見味平はスネ夫の目論見が全く理解できないでいた。
――数日後。繁華街に突然できた鉄板焼店『boneーriver』そこで塩見味平は店長兼コックとして働いていた。 行く宛無くさまよっていた味平は、スネ夫によって店を任され、張り切って店を切り盛りしていた。オープンしてまだ数日だが看板メニューの『スペシャル焼肉』が大人気だ。 味平「とにかく俺は頑張って店を大きくするだけだ!」
客「マスター、このスペシャル肉って何の肉なんだい?」 味平「それは食べてみてのお楽しみで。多分、お客さんが今まで食べた事の無いような美味しい肉ですよ」 客「じゃあ、スペシャルをお願いするよ」
と、そこに船越英一郎が! 船越「味平、やったなぁ! 立派な店じゃないか。」 塩見味平「ありがとうございます。 僕はもう大丈夫です。」 船越「そうかそうか、それでいい。」
味平「せっかくですから食べて行ってくださいよ」 船越「じゃあ、餃子とチャーハン、ポテトサラダにビールを頼むよ」 味平「‥‥。あの、うちは鉄板焼‥‥。」
客「ここは山田うどんじゃねぇんだ、バカチンが!」 船越英一郎「あ? 何か言ったか、百姓がっ!」
客「よく聞こえなかったなぁ‥、チンピラさんよ。」 塩見味平「あの‥、ここは鉄板焼屋なんでケンカはちょっと‥。」 船越英一郎「ふ‥、味平に免じて聞かなかったコトにしてやるよ。 コジキ野郎がっ!」
そんな賑やか過ぎる鉄板焼『boneーriver』だったが、味平は充実していた。やっぱり自分は調理師としてしか生きていけない。 この店には絶対に漏らす事のできない秘密があるのだが、味平はあえてそれに目をつぶっていた。 店は大盛況。今は、成功の美酒に酔う事にしよう。塩見味平は戻る事のできない領域に足を踏み入れていた。
〜第3章〜 嘆きのフェチスト
虻能丸は自宅の杉並区のボロアパートでアニメ『ふしぎなメルモ』のDVDを観ていた。 エンディングテーマの「♪だまって、放っておかれない〜おかれない〜」の大人の体になったメルモが尻を振るシーンを連続再生しながら自慰にふけっていた虻だった。「ハァハァ‥‥」 ――ジリリリリン。虻の部屋の電話が鳴る。ナンバーディスプレイなど無くても誰からなのかは出なくても分かる。高遠遙一か汚死魔栗男のどちらかだろう。
虻能丸「‥誰だ!」 ??「‥‥。」 虻能丸「‥誰だって訊いてるんだよ、コノヤロー!」
『誰だと言ってんだよコノヤロー』は、虻本人である合い言葉であった。電話は地獄の傀儡師・高遠遙一からであった。 そもそも虻の部屋に電話してくる者は高遠か汚死魔だけだ。 『集合』の知らせだ。高遠の一見しょうもない計画は虻の異常な欲望を満たすに充分なのだ。虻は身仕度を慌てて済ますとボロアパートをあとにした。
虻能丸は待ち合わせの場所に着いた。既に地獄の傀儡師・高遠遙一と汚死魔栗男は来ていた。 「虻、待っていたぞ。そろそろ次の地獄計画に入るぞ。クククク‥‥」高遠がまた『地獄計画』なる珍妙な計画を立てたようだ。 高遠の脇で汚死魔は呆れたような顔をしているが、虻は、高遠の、しょうもない計画が大好きだった。今回も変態的好奇心を満たしてくれる計画に違いない。
-警視庁- 目暮警部「結局、左とん平殺人事件はどうなったんだ‥。」 高木刑事「思ったより証拠が出てこんのですわ。」
目暮「あれはスネ夫が犯人で解決したろ?」 高木「何でスネ夫が犯人なら終わりなんですか!犯人だったら捕まえましょうよ!スネ夫を」 目暮「‥‥。また、そんなトーシロみたいな事言うか高木‥‥。」
増田刑事「なんでスネ夫は全国指名手配にならないんでしょうか?」
目暮「金・・・金の力だろうね」
「冗談っスよね?」高木は目暮の顔を覗き込みながら言った。 「当たり前だ。とん平の事件なんか蒸し返すな。高木、昼飯は食ったのか?」目暮は腹が減って、とん平どころでは無かったのだ。 「まだ食べて無いに決まってるじゃないですか‥‥警部と朝からずっと一緒にいるでしょ‥。」高木は呆れ顔で返した。目暮警部は腹が減り過ぎると思考力がゼロになるようだ。
目暮警部「もういい、メシにする!」 と、目暮が食事に出たところで船越英一郎とバッタリ。 船越「警部〜、たまには一緒にメシ食いに行きましょうよ。」
目暮と船越は近くの山田うどんに入店した。
店員「いらっしゃいませ、ご注文は?」 船越「餃子とチャーハン、ポテトサラダにビールでよろしく。」 目暮「昼間からビール‥か、いい気なもんだな。」 船越「警部もどうです? たまには。」
目暮警部「国家公務員だぞ私は!役者みたいな自由稼業みたいに昼間から酒が飲めるかよ!」 船越英一郎「‥‥なんか棘のある言い方しますねぇ、捜査うまくいってないんスかぁ?」 目暮警部「パンチセット。温かいうどんで‥‥」
「‥‥味平が、ね」船越英一郎が不意に話し始めた。 「塩見味平が?」目暮が促すと船越は話を続けた。「鉄板焼きの店なんか始めてるんですよ。いつか店出したいなんて言ってたけど、ム所出てすぐ店出すなんて頑張ったんだなアイツ‥‥。」「ほう。」 その頃、船越の餃子以外はテーブルに並び、超空腹だった目暮はパンチセットのもつ煮に早々と箸をのばしていた。
船越「山田の餃子は頼んでから遅いのが難点なんでスよね。」 目暮「それを注文するアンタが悪い。」 船越「‥おっしゃる通りデス。」
店員「ギョウザお待たせしました。」 船越英一郎「来た、来た、うひょひょ。」 目暮「‥‥(幸せな男だな、まったく)」
目暮「‥奴(塩味)は、高遠遙一とは切れたのかね?」 船越「そうでなければ困るんですが‥ま、大丈夫でしょう。 本人も僕はもう大丈夫ですって言ってましたし‥。」
その頃、地獄の傀儡師・高遠遙一は、汚死魔栗男、虻能丸と共にヤオコーに来ていた。 ヤオコーのベーカリーショップでカレーパンを3個買い、ショップ脇の飲食ブースで70円のホットコーヒーも3つ買った。椅子に座り、パンとコーヒーを味わう3人。 「クククク‥‥」いよいよ高遠遙一の口から、今回の地獄計画の全貌が明らかになる。
汚死魔栗男「なぁ‥、」 高遠遙一「なんだ?」 汚死魔栗男「金になる仕事がしてぇモンだな、こんなシケたところじゃなくてもっとウマいもんが食いてぇんだよ!」
虻能丸「全くだ、高遠サンは金持ちか解らんが俺たちは貧乏ヒマ無しの身分なんでね‥。」
ピシン!ピシン!ピシン!ピシン! 地獄の傀儡師・高遠遙一の連続ビンタが汚死魔栗男の頬を打つ!高遠の得意技『地獄ビンタ』だ! 「舐めた口を叩くな!」高遠遙一の表情が般若に変わった。
「‥す、すいません。言ってみたかっただけなんです」汚死魔栗男は土下座して高遠に詫びた。 汚死魔は金持ちのボンボンだ。金になる事とか言ったのはワルぶって言っただけだ。 土下座する汚死魔の写真を撮る虻は勃起していた。高遠が虻に地獄ビンタをしなかったのは、虻の場合は喜びそうだったからだ。
「少し、脱線したな。では地獄計画の概要を話そう」地獄の傀儡師は改めて計画の話を始める。 虻能丸はワクワクしながら話を待つ。今回も彼の変態的好奇心を満たす計画に違いない。 「クククク‥‥」あまりの壮絶な計画らしく、話し始める前から地獄の傀儡師は笑い出した。恐怖の地獄計画がいよいよ動き出すのだ。
汚死魔栗男「早ょ語れや‥ウスノロ!」 高遠遙一「何か‥言ったか?」 汚死魔栗男「いや、別に‥。」
ヒソヒソと語り終えた3人はヤオコーのフードコートから出て、歩き始めた。 特に虻能丸が意気揚々と歩いてる。いよいよ恐怖の地獄計画がスタートするのだ。 3人は埼玉県鴻巣市に向かって行った。
汚死魔栗男「おいおい‥‥、歩いて行くかよ!」 高遠遙一「何か‥言ったか?」 汚死魔栗男「‥‥。」
高遠遙一「カレーパンだけじゃ不満そうだから、ホルモンでも食うか‥‥。」 汚死魔栗男「鴻巣でホルモンなら『鴻巣ホルモン』ですよね、高遠のアニキ。うひょ」 高遠遙一「地獄計画はホルモン食ってからにしよう。クククク‥‥。」
そして宮城県に辿り着く3人。 「え、何で宮城?!」慌てふためく汚死魔に高遠は言う。 「ククク、ホルモンを食うとはいったがどこで食うかは言っていない。炊き出しでホルモンをゴチになるまで俺達はここで震災ボランティアだ、クククク・・・・」
汚死魔栗男「冗談じゃねーよ‥、ボランティアなんかヤってる身分じゃねーだろ!」 高遠遙一「何か‥言ったか?」 汚死魔栗男「‥‥。」
「冗談に決まってるだろ。交通網が断絶してるから宮城に行くのは不可能だ」高遠遙一は尤も当たり前な事を言った。 『鴻巣ホルモン』に入店し、ホルモン焼に舌鼓をうつ3人。 「クククク‥‥。」3人がホルモン焼を食い終わる時、いよいよ恐怖の地獄計画が発動するのだ。
虻能丸「しかし‥東北はリアル"地獄"だな。」 汚死魔栗男「あぁ、心中察するよな。」 高遠遙一「何か‥言ったか?」 虻能丸・汚死魔「‥‥。」
「とりあえず食おうクククク…」 無心に食べ続ける高遠遙一につられて汚死魔と虻も箸を進める。 地獄作戦前の腹ごしらえである。
汚死魔栗男「しかし、こんなご時世に何考えてんだ‥、このオッサンは。」 虻能丸「まぁ‥いいじゃんw それにしてもこのホルモンうめぇな。」
余談であるが、高遠一行が食している数量限定メニュー『スペシャルホルモン焼』の食材の仕入先は 鉄板焼店『boneーriver』の『スペシャル焼肉』と仕入れ先が同じであることをここに記しておく。
つまり、この『鴻巣ホルモン』って店はスネ夫配下の店だった訳ですな?
「ヲイヲイ、実在する店をスネ夫傘下の店にするなよ」 高遠遙一、汚死魔栗男、虻能丸の3人は腹を満たし、店を出た。 「クククク‥‥」いよいよ地獄計画が始まる。
-警視庁- 高木「しかし東北のメンバーは、相当辛そうだな。」 増田「同期も被災したんです‥、命だけは助かったんでホっとしてはいるんですが。」
汚死魔(楽しいと時間立つの早く感じるって言うけど、こいつとメシ食っても詰まんないんだよな。一週間くらいホルモン食い続けてた気がする・・・) 虻能丸(同感。もう、こいつ殺っちゃおうぜ・・・) 先頭を歩く高遠は2人が少しずつ距離を開けていくのに2重の意味で気付かないのだった。
ピシン!ピシン!ピシン!ピシン! いきなり汚死魔栗男に地獄ビンタを食らわす高遠遙一 「貴様!よからぬ事を企んでるな」地獄の傀儡師・高遠遙一は気配だけで汚死魔栗男の心を読んだのだ。
「す、すいません高遠さん。そんなつもりじゃないんです」汚死魔は土下座して高遠に許しを乞うた。 土下座する汚死魔の前で仁王立ちしてる高遠を写真に撮る虻能丸。また特殊な変態的趣味の写真が増えたと喜ぶ虻。 「(もう嫌だ、さっさと地獄計画だか何だかを終わらさせて帰りたい‥‥)」土下座しながら汚死魔は泣いた。
汚死魔栗男「(通報してやるから覚えてろよ、チンカスがっ!)」
高遠遙一「いよいよ地獄計画スタートだクククク‥‥」 汚死魔栗男「(さっさと終わらせましょうね。ハイハイ)」 虻能丸「ハァハァハァハァハァハァ‥‥」
虻能丸「ハァハァハァハァハァハァ‥‥早く始めてくれませんかねぇ。」 汚死魔栗男「右に同じ!」
「クククク、恐怖の地獄計画はこの投函から始まるのだ!!! ククク、クケーーーーッ!! コココココ……」 ポストへ押し込まれる十数通の封筒。そう、今回のターゲット(その他にぎやかし)への招待状に鴻巣市の消印をつけるためだけに埼玉へ来ていたのだ。 「うっ、気持ち悪ぅ」興奮のあまり射精してしまった高遠だったが、地獄企画の最大の山場にはこの汚したパンツで挑もうと心に誓うのであった。
虻能丸「‥‥。」 汚死魔栗男「なぁ、俺たち帰っていいか?」
「地獄計画については説明した筈だ。投函とか射精とかは荒らしが書いた事だからスルーすればよい」冷静沈着に地獄の傀儡師・高遠遙一は言う。 「では、早く地獄計画をやっちゃいましょうよ、食いもんはもういいですから」汚死魔栗男は拘束時間の長さにうんざりして苛立った顔で呟く。 「よーし、地獄計画スタートだっ!クククク‥‥」高遠遙一の不吉な笑い声が地獄計画の幕開けを告げた。ついに恐怖の計画がスタートするのだ!
汚死魔栗男「(‥高遠のオッサン、まだターゲット決めて無えんじゃかいか?)」 虻能丸「(‥‥お前もやっぱ、そう思う?)」
汚死魔はニヤニヤしながら高遠の肩に手を置きこういった「もう・・・起きていいですよ・・・」 虻能丸も笑いをこらえながら続く「夢オチに・・・するんでしょう・・・・・・プ」 そして2人は我慢しきれず自分達のジョークに笑い転げるのだった。
「この大震災も夢なら、どれだけいいか‥‥。」高遠遙一は夢だの何だのと茶化す汚死魔と虻を悲しそうな目で見た。 「夢なら良かった。――だが、夢だったで済まされるのはfictionの世界のみ‥‥。」高遠の目がギラリと迸る。 「地獄計画は現実なのだクククク‥‥」いよいよ恐怖の地獄計画が実行される。もう、誰も止められない。
虻能丸「(引くに引けなくなっちゃったようですね‥‥)」 汚死魔栗男「(そのようでスなw)」
一方、その頃、塩見味平は任されている店『鉄板焼 boneーriver』を忙しく切り盛りしていた。 看板メニューの『スペシャル焼き』の肉が旨いと評判で、常連客も付いた。オープンして間もない店にしては繁盛している方だ。 味平は知っている。スネ夫が調達してくるスペシャル焼き用の肉の出どころを。だが、味平は深く考える事を放棄し、日々の忙しさに身をまかせ、一生懸命働いていた。
タクシードライバー夜明日出夫は、とある住宅街で乗客をおろすと一息ついた。金曜の夜ともなれば普段よりは乗客も多い。 「腹も減ったし、何か食うかな‥‥。」夜明はひとり車内で呟くと、車を徐行させ飲食店を探した。 数ある飲食店の中に、一際良い匂いを漂わす鉄板焼の店が目に映る。「ここにするか‥‥。」
夜明日出夫「ほぅ、なかなか繁盛している店だな。」
夜明ヒデオは店ねドアを開ける。「いらっしゃいませ」と若い店主の声が響く。夜明は空いているイスに座る。店はかなり賑わっていた。 注文を聞きに来た若い店主の顔を見て、夜明は「おや?」と思った。どこかで会った事がある顔なのだが―――? 店主の方も夜明に気づいてない様子から会った事があるような気がするのは気のせいかもと夜明は思った。初めて入った店なのでオススメメニューのスペシャル焼きを注文する夜明であった。
「うまい!」 夜明は、ぶらりと入った店『boneーriver』のスペシャル焼をひとくち食べて歓喜の声をあげた。 「こんなに旨い肉は食べた事がない‥‥。」この味なら繁盛するのは当然だろう。しかし、今まで全く知らない新しい味の肉に夜明は不思議な思いを抱いた。
夜明日出夫「こりゃ、目暮のオッサンに教えるしか無いな、うん。」
その目暮は、トリック博士邸にいた。四天王の定例会食の日である。 医学生の土井塔克樹、小説家の倉阪鬼一郎、俳優の船越英一郎、そして目暮の4人が集まり、トリック博士と楽しい夕食を食べながら談義していた。 「フォッフォッフォッ」トリックの独特な笑い声が響く。今日はトリック博士が編み出した新しいトリックを披露してくれる予定だ。
船越英一郎は「熱中時代」を観ていた。 船越「僕が校長先生の役で出ているんです。」 トリック「英さんのお父さんもかつて校長先生役で出演ましたな、ホッホッホ。」
目暮警部「水谷豊主演の時はリアルタイムで観てたなぁ。」 トリック「ホッホッホ。」
目暮「土井塔くん、前スレも血洗島の途中から出なくなったけどどうしてたの?」 土井塔「‥‥前スレ‥‥。ずいぶん前の事のように感じるのは気のせいでしょうか?」 トリック博士「フォッフォッフォッ」
「久々にこのメンバーが揃ったんですから、アレやりますか‥‥。」倉阪鬼一郎が不意に呟いた。 「フォッフォッフォッ、例のアレじゃな、フォッフォッフォッ」トリック博士は笑いながら倉阪に返す。 「どうもスレが停滞してる。緩みっ放しぢゃからのぅ。ここらで本格推理リレー小説の醍醐味をお見せするとしますかの。フォッフォッフォッ」
トリック博士邸に来てからずっと黙っていた船越英一郎が突然ガタッと立ち上がった。 「‥‥どうしました船越さん‥‥?」船越の物凄い形相に一同は驚いて尋ねた。 「トイレに行って来ます!」船越がおとなしかったのは糞を我慢していたからだったようだ。
目暮「あの‥‥博士。何なんでしょう、この、保守してるだけのような展開は?」 トリック博士「ホッホッホ、ペースは遅い上に話が全然進んでおらんのう、ホッホッホ」 土井塔克樹「携帯の規制、全然やらなくなったから、みんなシベリアに来る必然性が無いんじゃないですか?」
トイレから戻った船越はその光景に愕然とする。皆、食後のデザートにアイスクリームをパクついているではないか。 もちろん船越の席にもアイスの小皿はある。だが皿の上には溶け残ったアイスの跡がわずかに残るのみだった。 「警察だ、皆そこを動くな!」現場保全に走る目暮。衆人環視の中、いったい誰が船越のアイスを盗み食いしたのか?!
152 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/04/15(金) 14:29:30.09 発信元:111.86.142.199
船越「警部‥‥、口の周りにアイスがくっついてますよ‥。」
トリック博士と倉阪鬼一郎が顔を見合わせ笑う。「ホッホッホ、さて船越さん。推理してみたまえ。貴方がトイレに立った間にアイスを食べたのは誰か?」トリック博士はいきなり船越に『出題』をした。 「なんスか?いきなりィ〜まいったなァ」いつもの調子でおどける船越英一郎。しかし彼は、この突然の出題の答えがすぐに解っていた。 「ホッホッホ、その顔は、もう解けておるの、さすが四天王の一角ぢゃ‥‥」トリック博士の問いに船越英一郎が答えたのは――――――。
船越は何も言わず冷蔵庫へ向かい、冷凍室の扉を開いた。そこには、一部溶けた痕の残るアイスクリームが、丁寧にラップで包装されていた。 「この中の誰かが僕の分を食べたとすると、その人物は他より多くデザートを食べたことになる。そのような抜け駆けがこのメンバーの中であれば、間違いなく乱闘に発展するだろう。しかし、そのような形跡は見えない。 きっと僕の長い奮闘を慮り、気を利かせて冷凍庫に入れてくれたのでしょう。」船越は静かに語った。
目暮警部「(冷凍庫に隠して置いただけなんだが‥。まぁいいか。)」
トリック博士「ホッホッホ、船越さん。貴方が見つけたアイスはミスリードさせる為に最初から仕込んであった引っ掛けじゃよ。貴方らしい推理を聞かせてくだされよホッホッホ」 船越英一郎「犯人は地獄の傀儡師・高遠遙一です。奴の地獄計画とはアイスの盗み食いだったのです!」 トリック博士「ホッホッホやっぱり船越さんはそう来なくちゃいけません。ホッホッホ」
その高遠遙一は、汚死魔栗男、虻能丸と共に地獄計画を実行しようとしていた。 東京都下にある細菌研究施設を襲撃し、細菌兵器に使用される恐ろしい細菌を奪い、それを使ったテロを敢行する正に地獄の作戦であった。 この細菌に感染すると体中に発疹が出て40度を超える高熱が出て80%以上が死ぬという。この細菌を首都圏中でばらまく計画だった。
しかし、今、日本は震災で大変な時期であった。これ以上、今の日本をパニック陥れるのには、さすがの地獄の傀儡師にも抵抗があった。 「地獄計画は中止だ。クククク‥‥。」高遠遙一は、そう告げた。汚死魔栗男は嬉しそうに帰って行った。次の計画の時には自分には声をかけないでくれと汚死魔は小声で囁いたが高遠は聞いてなかった。 虻能丸は落胆していた。高遠の計画は虻のフェチズムを満たすような計画では無かった事と、こんな事なら部屋でDVD観ながらオナニーしてた方がマシだったからである。
〜第4章〜 釜揚げしらす弁当殺人事件
目暮警部「ふぁ〜、今日もヒマだなぁ‥。」 高木刑事「そうですか?」 増田刑事「(やらなきゃイケナイ事はたくさんあるだろうに‥。)」
「そうだ、警部、さっきの話の真相は、どうだったんですか?」高木が目暮に尋ねる。さっきの話とは雑談の中、先日のトリック博士邸でのアイス消失事件でのやりとりを目暮が高木と増田に話した件だ。 「あ、あれね。博士が『目暮さん食べてしまいなさい』と言うから船越のアイスは俺が食ったんだ」「それを犯人当てクイズにした‥‥と?」「そゆこと」 「‥‥トリック博士って子供みたいなとこありますね‥‥。」黙って聞いていた増田が笑いながら呟いた。目暮は思う、それがトリック博士の魅力の1つだよな、と。
「最近、スネ夫が静かなのが不気味だな‥‥。」宿敵お洒落殺人鬼スネ夫が事件を起こした報告は例の左とん平事件以来、目暮の耳に入ってこない。 「しかし、謎の失踪事件が相次いで起きてるんですよ。お笑い芸人やスポーツ選手がある日突然消えてるんです。」高木は何かスネ夫に関係ありそうな気が漠然としていたが、それを口にはしなかった。 「地獄の傀儡師・高遠遙一らしき人物の目撃情報がありましたが、仲間とパン食ったりホルモン食ったりしただけで現時点で事件性のような物は感じません。」と増田。こちらも実際、何も起こしていない。
目暮「しかし、事件も起きないし暇だな……」 増田「警部!何言ってんですか。未解決事件は山積みですよ。」 目暮「……そんな事より、腹減ったな……。」
その頃、漫画家の松本零士は昼飯を買いに『ほっともっと』に来ていた。何を買おうか迷っている零士に店員は新発売の釜揚げしらす弁当をすすめた。 ほっともっとはチキン竜田弁当をアイドルタレントをCMに使い、大々的にキャンペーンをしていたが、釜揚げしらす弁当はメニューに新発売シールが貼ってあるだけで店内ポップも何も無い寂しい日陰の新商品であった。 「‥‥じゃあ、それにするかな‥‥。」零士は店員のすすめた釜揚げしらす弁当を買ってみた。
仕事場兼自宅に戻った松本零士は買ってきた釜揚げしらす弁当の蓋を開けて絶句した。「……!!」 白飯の上にチョロチョロとしらすが乗り、魚フライ(のり弁で使うのと全く同じヤツ)と1口分のキンピラごぼうが入っているだけだ。「しけた弁当だな……。」 ごはんの上のしらすに添付されてる醤油をかけて食う零士。「ただの醤油ごはんの味だ……」零士は言葉に表せない侘びしい気持ちになり、涙が出た。「2度と買わんぞ、これ…。」釜揚げしらす弁当は現在のほっともっとの地雷メニューに違いなかったな。
口直しに茶を飲みながら、零士は窓の外を眺める。「ん、あいつは」零士は顔をしかめた。零士が大嫌いな人物がバカ笑いしながら歩いてる姿が目に映ったのだ。 その人物とは目暮警部。何かにつけて零士に難癖をつけて事件容疑者にでっちあげる最悪な男だ。目暮は部下らしい2人の男を引き連れ、笑いながら調子こいて歩いていた。 目暮の様子から捜査では無いなと思った零士。目暮達の姿はほっともっとの中に消えていった。昼飯を買いにきたようだ。「目暮!貴様も釜揚げしらす弁当買いやがれ!醤油ごはん食いやがれ!」零士は一人仕事部屋で目暮の不幸を願った。
「おーい、敏腕警部ーっ!」弁当屋に入ろうとした目暮に話しかける声が車道の方から聞こえた。 停車中のタクシーから夜明日出夫が声をかけたのだ。タクシードライバー夜明日出夫。彼もトリック博士の門下生の1人で目暮とは一緒に数々の難事件に挑んだ仲だ。 「昼飯かい?だったら旨い鉄板焼の店を発掘したんだが…」と夜明。夜明の旨いものレーダーは確かだ。
目暮は夜明と共に鉄板ステーキを食いに夜明のタクシーで向かった。残された高木と増田は予定通り弁当を買って署に戻る事にした。 高木と増田は弁当屋『ほっともっと』に入店。「いらっしゃいませ」と店員が迎えた。 「しかし、警部はメシ命だよな‥‥。」「まぁ、あの人は腹が減ってると思考が止まる人だから昼飯くらいは好きなもん食わしてあげましょう」高木と増田はそう言って、自分達の食う弁当を選んだ。
「オレ、てりタル竜田弁当!」メニューを見るなり高木は即決した。チキン竜田の弁当は4種類あったが、てりタルが1番ごはんが進みそうな感じがしたからだ。 一方、増田は何にするか迷っている様子だ。店員が「新発売の釜揚げしらす弁当なんかいかがですか?」と増田に薦めた。 「よし、決まった!ステーキデラックス弁当だ!」増田は店員の言葉を無視した。増田は肉食なのだった。
3時間後、警視庁のトイレの個室で増田が遺体となって発見される。死因は大量のシラスを喉に詰まらせての窒息死である。そして床に散乱するほっともっとの空容器。 捜査のため昼食を買ったほっともっとへ再び来店した高木はふと気づく。メニューにステーキデラックス弁当なんて無いではないか。ならばいったい増田は何を食べたというのだ? 「す、すみません!お昼に接客していた店員はまだいますか!」
一方、鉄板焼の店に向かった目暮と夜明だったが『定休日』の貼り紙を見て落胆していた。 「なんだよォ〜期待してたのにぃ」「ごめん警部。今回は諦めよう。別のとこ行こう。おごるからさ」 目暮と夜明は餃子の王将に向かった。
餃子の王将で目暮は酢豚定食、夜明は王将ラーメンセットを注文した。 「――今日、行こうとしてた店ね‥」テーブル席で夜明が話し始めた。「‥若い男が1人で営んでる店なんだけどね。その店主、どこかで会った事があるような気がするんだよね‥‥」 「ほう」と目暮は関心が無い調子で呟く。夜明は「どうも目暮さん関連で、どこかで会った事があるような男なんだが‥‥」と、付け足して言った。
「あれ、目暮さんと夜明さんじゃないですかぁ!奇遇ですねぇ」ひとりの男が餃子の王将に来店して来るや目暮達に近づいて来た。聞き慣れた声に振り向くと俳優の船越英一郎であった。 「またアンタか……」「船越さん、行動範囲狭すぎですよ……」前々から飯の時間に偶然いつもいつも現れる船越を目暮達は呆れながら迎えた。 席に着くなり船越は「ホルモン味噌炒めと大ライス、あと青りんごサワーだ」とオーダーした。昼間から酒が飲める船越を刑事と運転手は少し羨ましく思った。
3人で談笑しながらの昼食――話は例の鉄板焼の店の話題になった。 「その若い店主の店って、もしかしてboneーriverって名前じゃないですか?」「ええ、確か、そんな名前でした」「あ、やっぱり。味平の店だ。それ」「味平?味平って塩見味平かね?」 目暮が塩見味平の名前を出した時、夜明日出夫は完全に思いだした。そうだ、どっかで見た顔――目暮と組んで解決した、拉致監禁事件の2人組の片割れだ。
「味噌味のホルモン焼きが御飯に合うんですよね〜」船越英一郎は大ライスをおかわりした。 おかわりのご飯が来るまでの時間、味噌ホルモンをつまみながら青りんごサワーを飲む船越英一郎「クゥーッ!旨いッ!」 「2杯目のライスは最後、残った味噌炒めを全部ライスに乗せて、ホルモン丼にして食うんですよ!それがもうサイコーなんです。」船越は周りの客の目も気にせず、大声で換気の声をあげた。
一方、ほっともっとに戻った高木刑事は先ほど高木と増田を接客した店員を問い詰めていた。 高木「ステーキデラックス弁当なんてメニューに無い筈だ!増田に渡した弁当は何だったのだ!」 店員「‥‥はぁ、たぶん、スペシャルステーキ弁当と言い間違えたのだと思いましたから、スペシャルステーキ弁当をお渡しした筈です。お客様の言い間違えを指摘するのは失礼ですから‥‥」
高木「じゃあ聞くが、ステーキ弁当を買った筈の男がどうしてシラスを便所で食って死ぬのだ?」 店員「ハァ、シラス?便所?死ぬ?刑事さん、一体何があったんですか?」 高木「聞いてんのはこっちだ。答えろ弁当野郎!」
178 :
宣伝 :2011/05/05(木) 09:44:50.20 発信元:202.229.177.38
店員「知らんモンは知らんわ! 言いがかりはヤメろや。」 高木「‥‥。」
180 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/05/05(木) 16:38:25.33 発信元:202.253.96.244
ペニス一郎「ユッケ弁当ください!」
その時、高木の携帯が鳴った。発信者の名前を見て高木は驚いた。「増田――?」 電話にでる高木。かけてきたのは紛れもなく増田刑事であった。「増田、おまえ生きていたのか?」「勝手に殺さないでくださいよ、ふざけて便所でシラス食ってたら滑って転んで頭強打しただけっスよ、念のため一週間ほど入院っスけど‥‥」 ――シラスは署の冷蔵庫にあった物らしい。弁当屋に言いがかりをつけてしまった高木は烏龍茶を買って誤魔化して署に帰って行った。
182 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/05/06(金) 02:53:27.89 発信元:111.86.142.204
高木「増田のヤロウ‥、恥かかせやがって! 覚えてやがれ。」
183 :
公募 :2011/05/08(日) 19:26:51.89 発信元:124.214.254.138
都内某所 スネ夫「最近調子こいてる有名人挙げてみろや! 気が向いたら処理してやるよ。」
ぺニス一郎かな
とぼとぼと署に向かって歩く高木が署に着く手前、目暮警部が後ろから慌てた顔で戻ってきた。「お、高木、事件だ!事件発生だ!」事件の一報を受けた目暮は食事もそこそこにスッ飛んで戻って来たのだ。 「事件ですか?」「そうだ!しらす殺人事件だ!」「あ、増田の件なら奴が勝手にコケただけですよ」「ハァ、増田の件?何を言っておる。つい今し方起きたばかりの殺人事件だ!」 なにやら、人騒がせな増田の件とは別に只ならぬ事件が起きたようだ。高木も目暮に釣られるように早足で捜査一課の詰所に戻った。
一課の捜査本部からの正式発表によると 殺されたのはタレントのRIKACO。全裸にされているものの陵辱の痕跡は無いが、肛門付近に火傷の痕があり、火薬反応が有った。顔面に見事な蜷局を巻いた大便が乗せてあり鑑識の結果、人糞である事が判明。 死因は頭部を貫通する傷痕。至近距離からの銃殺と考えられる。死体の傍らには『ざまみろ糞アマ』と書かれた犯行声明文が置かれていた。そして現場に大量の、しらすが落ちていたのだ。
目暮と高木は捜査の基本である現場に出向いた。肝心なのは初動捜査である。 高木は驚いた。殺人現場は先程、高木が難癖をつけてしまった弁当屋から目と鼻の先の場所だったのだ。 死体は既に片づけられていたが、何か手がかりがまだ残されていないか?目暮と高木は慎重に目を光らせた。――おや?あれは‥‥。目暮が何かに気がついた。
見つけたのは弁当の空容器だった。これは釜揚げしらす弁当に使用される物だ。 「被害者のRIKACOとかいう女は芸能人らしいがどんな人物なんだ?」芸能に疎い目暮は高木に尋ねた。 「背が高くて常に上から目線で調子こいた発言するイヤミな女ですね。顔も本人は美形とでも思っているようですが、皺だらけで性格の悪さが滲み出てるが如く醜く歪んだ卑しい不快極まりない面です」高木が正確に答えると「フン」と目暮は鼻を鳴らした。
その弁当屋に聞き込みをする目暮と高木。高木の顔を見て嫌な顔する店員に構わず質問を繰り出す目暮。 目暮警部「今日、釜揚げしらす弁当を売った人間わかりますかな?」 店員「みんなにススメてるけど買ってくれたのは2人だけですね。そのうちの1人は漫画家の松本零士さんですよ。間違いありません。」
目暮「なにぃ! 松本だぁ?」 高木「(何か‥悪い予感‥)」 目暮「高木‥」 高木「はい。」 目暮「松本零士を重要参考人として引っ張れ、今すぐに‥だ!」
松本零士は仕事部屋でウトウトしていた。昼飯後、ベッドに横になってマンガのアイデアなどを想像していたのだが、天日に干した布団の心地よさに少し眠ってしまっていたようだ。 そんな零士の午後の幸せなひとときを乱暴に階段を上がってくる足音と激しくドアを叩く音がブチ壊した。「――誰だ?いったい」 零士の疑問は来訪者の怒鳴り声で氷解した。「いるんだろ!松本零士!警察だぁ!」声の主はすぐ分かった。‥‥目暮の野郎だ。またろくでもないインネンを付けられるのだろうか?零士は露骨にうんざりした顔になり、腰をあげた。
目暮「居やがったか、このしらす野郎!」 松本零士「‥今度は何の用ですか‥」 目暮「お前、この近くの弁当屋でしらす弁当買っただろ!」 松本零士「それが‥どうか?」 高木「‥任意同行願います。」
一方、定休日だった鉄板焼店『boneーriver』の厨房では塩見味平が、せっせと仕込み作業をしていた。店の勝手口から1人の男が入ってきた。この店のオーナーである。 「今日は食材を確保できなかった。鶏ガラみたいな体で食肉には向かない代物だったし、ムカついたから顔に糞ひねっちゃったし‥‥。」入ってくるなり食材の調達係でもあるオーナーは言い訳っぽい口調で言った。 「大丈夫。在庫はたっぷりあるから」塩見味平は笑顔でオーナーに答えると、また黙々と仕込み作業に移った。
弁護士・成歩堂龍一にメールが届いた。発信者は漫画家の松本零士であった。 とある事情(前スレ参照)より、成歩堂は松本零士の顧問弁護士を引き受けていたのだ。松本が連絡をよこすのは大抵の場合、緊急事態だ。成歩堂はメールを読んだ。 『また目暮の野郎に、あらぬ疑いをかけられて連行された。至急、警察署まで助けに来て欲しい。松本零士』成歩堂龍一はため息を吐いた。成歩堂も目暮は大の苦手なのだ。だが、仕事なら仕方ない。成歩堂龍一は身支度を整え、警察署に向かった。
取調室 目暮「弁当屋で買ったしらすをどこへやった?」 松本零士「食べたに決まってるじゃないですか!」 目暮「ウソ付いてんじゃねぇ、吐け!」 松本零士「吐けと言われても‥もう消化‥」 目暮「俺はそう言うくだらんジョークが大嫌いなんだよ!」
「フン、漫画界の重鎮だの大御所だの言っても、あんな390円のシケた弁当食ってるようじゃ、生活苦しいんじゃないの?大先生よ。ヤマトと999以外たいしたの書いてないしなぁ」 目暮はわざと怒らせるような口調で零士を煽った。人間、腹を立てると口を滑らすものだ。しかし零士は目暮という男に心底あきれているのか何の反応もしなかった。 「生活苦でRIKACOに借金でも頼みに行ったんだろ!そしてアンタはヤマトと999しか描いてない才能枯れた年寄りに貸す金は無えよゴミ漫画家野郎!とかRIKACOに罵られてカッとなって殺した!違うか?」目暮はいつもの勝手な創作推理を零士にぶつけた。
松本零士「RIKACOなんてのに会った事も無いし、金に困ってもいないし、昼飯に何を食おうが勝手じゃないですかな?」 目暮警部「死体のそばに大量のしらすとしらす弁当が入っていたと思われる容器が落ちていたんだ。それをどう説明する?」 松本零士「‥‥現場の近くの弁当屋でしらす弁当と買ったというだけで何で疑われなきゃならんのだ?」
高木刑事「松本さん。大事な事だから正確に答えて欲しいのですが、釜揚げしらす弁当はどこで食べて、弁当の容器はどうしました?」 松本零士「ん?弁当は仕事場で食ったよ。さっきアンタらに連行された場所だ。容器はゴミ袋に入れたな。まだ仕事場にあるんじゃないか?」 目暮警部「高木、何でそんな事を聞く?‥‥‥あ!」目暮はある『見落とし』に気づく。
「ほっともっとで、のり弁を買うとソースが付いてくるが、オリジンで、のり弁を買うと醤油が付くんだ。」目暮は何かを思いだしたように喋りだした。 「白身魚のフライなら普通は醤油だろ?ソースを付けてよこすほっともっとは納得がいかん。海苔の下のカツオ節もオリジンのは見事な削り節なのに、ほっともっとのは佃煮みたいに妙にしょっぱい落第点のカツオ節だ。ありゃ駄目だ!」 目暮警部は味はほっともっとよりオリジン弁当の方が上と見ているようだ。「まぁ、そんな事はどうでもいい、本題に入る‥‥。」目暮は捜査上での疑問点を語り始める。
「もし、あんたの言うように、弁当の空容器が仕事場に残っていれば、あんたの容疑は晴れる。今、捜査員をあんたの仕事場に向かわせた」目暮は松本零士に苦々しい口調で言った。 犯人は空容器を現場に残して立ち去っている。零士の仕事場からしらす弁当の空容器が見つかれば犯人は零士とは考えにくい‥‥‥ 取り調べ室のドアが開き、入ってきた婦警が目暮に耳打ちした。「弁護士の成歩堂先生がお見えになってます‥‥。」
目暮警部「弁護士が来たみたいだ。まぁ、今日のところは、このくらいで勘弁してやろう‥‥。」 松本零士「なんでこの局面でそんな強い事言えんだよ。どう見ても俺、犯人じゃないだろ?」 目暮警部「いや、弁当の容器を2つ使ったトリックの可能性もある‥‥。」
松本零士の仕事場に向かった捜査員は零士の仕事場のゴミ袋から空の弁当容器を発見した。 「‥やれやれ、松本零士さんも気の毒な話だ。あの警部、少しおかしいからな。でもまぁ、これで松本零士の嫌疑は晴れたな‥」 と、捜査員はひとりごとを言うと、その足で弁当屋に向かった。釜揚げしらす弁当を買ったというもう1人の人物が気になったのだ。
♪〜♪(ケータイ着信音) 目暮「目暮だ、何か解ったか?」 捜査員「松本さんの仕事場から空弁当箱が発見されました!」 目暮「で?」 捜査員「で?‥って‥。」 目暮「しらす弁当の空弁当箱だったのかと聞いているんだ!」 捜査員「それは‥‥」 目暮「確認してからもう一度電話しろ! プチ」
〜第5章〜 連続殺人鬼カエル男・再び
某日。午後7時。目暮警部はトリック博士邸に来ていた。「博士、また博士にご迷惑をおかけしました。弁護士の成歩堂は、告訴も検討する、なんていつになく強気で‥‥。」 先の釜揚げしらす弁当殺人事件での松本零士氏に対する不当な取り調べで目暮は糾弾されたのだ。それを陰から尽力し、丸く収めてくれたのはトリック博士だった。 「ホッホッホ、また松本零士氏絡みですか?目暮さん。あんまり何回も続きますと庇いきれませんぞ。ホッホッホ」出来の悪い弟子に少し呆れるように、且つ、愉快そうにトリック博士はいつものように笑った。
後日、目暮警部は埼玉県飯能市に向かう事になった。埼玉県警からの応援依頼があったのだ。 埼玉県飯能市で昨年末に発生した連続猟奇殺人事件、いわゆるカエル男事件に関する事のようだ。 この事件の犯人はすでに逮捕されている。しかし犯人逮捕後もカエル男の手口と同様の殺人事件が飯能市で起きているのだ。異常殺人鬼対策として目暮警部が飯能署から指名されたようである。
電車を乗り継ぎ、飯能へ向かう目暮警部。飯能へは色々な行き方があるが、目暮はいったん大宮まで出た。そこから川越線で高麗川まで行き、八高線で一駅下がれば飯能署の最寄り駅東飯能に着く。 「ん?あれは‥‥」川越線の車内で目暮は見知った顔を見た。探偵の神宮寺三郎だ。『(ヤツが一体、何でこんなとこに?)』 神宮寺も目暮の視線に気づいた。座っていた神宮寺は立ち上がり、目暮に近づいてきた。
「目暮さんじゃないですか、どうしてこんな所に?」神宮寺の方から声をかけてきた事に少し戸惑いながらも 「それは、こっちの台詞だよ。新宿界隈がホームグラウンドの筈の君が何故、川越線なんぞに乗ってるだね」と目暮は返す。 お互い、相手の出方を探ってる様子を見せるが、先に目暮が打ち明ける「とある事件で応援要請が来てな、飯能署の方に行くんだよ‥‥。」
神宮寺三郎「カエル男事件‥ですかな?」 目暮「サスガは探偵サン‥と、言いたいところだが‥。」 神宮寺三郎「‥そうなんでしょw」
「どうやら、ターゲットは一緒みたいですね、目暮警部殿。」神宮寺は屈託なく笑いながら言う。 「またまた。刑事事件に首を突っ込んでも一銭にもならんだろ。探偵は浮気調査や人捜しでもしてりゃいいんだ。」私立探偵なんて輩が警察の領域を侵犯するなといった調子で目暮は神宮寺を牽制した。 「それは偏見という物でしょう。私の行動理念は第1に好奇心でしてね。解決した筈のカエル男事件がまた動き出している事の真相。実に興味深い。」クールな神宮寺が今日はよく喋る。彼のこの事件に対する興味は相当大きいようだと、目暮は思った。
神宮寺「目暮さん、しばらく飯能でしょ?宿はどうするんです?」 目暮警部「今回はオレ1人だから、ま、適当に警察署の仮眠室でも構わんし。神宮寺君はどうするんだね?」 神宮寺「長期戦も視野に入れてますんでね、越生のあたりでレオパレスをマンスリー(月極)で借りました」
電車は南古谷を過ぎた。もうすぐ川越だ。神宮寺が目暮に1つ『提案』を出した。 「警察でしか知り得ない情報もあるでしょうが、相手が警察官だと警戒して何も喋らない輩もいる。どうです、日々の調査で知り得た情報はお互い共有するというのは」 「フン」目暮は鼻を鳴らす。本来ならそんな提案に乗る目暮では無いが、神宮寺の洞察力や行動力、利用しない手は無い。「まぁ、当然話せる範囲内の情報になるが、よかろう」目暮は快く応じた。
ここで一応『カエル男』事件の概要をおさらいしておこう。埼玉県飯能市で去年暮れ、わずか半月の間に4人もの人間が殺された事件だ。 郊外の空き部屋の目立つ高層マンションでOLが全裸で13階のエントランスに吊され、自動車解体で自治会長の老人が廃車のトランクで潰され、公園で小学生男児が内臓から脳味噌までを解剖され、河川敷で弁護士が焼かれて殺された。 『吊す』『潰す』『解剖する』『焼く』まるでカエルを弄ぶ子供のように殺人を繰り返す犯人を世間はカエル男と名付け、飯能市のみならず日本中を震撼させた記憶に新しい事件である。
犯人『カエル男』は無事逮捕され、事件は解決した筈であったが、その後も猟奇殺人が続いているのだ。 模倣犯なのか?カエル男の意思を継ぐ者の犯行なのか? お洒落殺人鬼スネ夫という異常殺人者を永きに渡って追っている目暮警部にうってつけの事件だという事で、この『続・カエル男事件』の指揮を目暮が取る事になったのである。
川越線は終点の高麗川に到着した。ここから目暮は八高線で八王子方面に1駅南下して東飯能に向かう事になる。越生に向かう神宮寺とはここで一旦、お別れだ。 神宮寺は目暮にメモを渡した。神宮寺が滞在するマンスリーアパートの略図が書かれていた。越生駅から徒歩12〜13分の場所のようだ。 神宮寺と別れ、目暮は八高線で東飯能に着いた。「よし、行くか‥‥」目暮は飯能署に向かって歩き出した。失点続きの目暮は、是が非でも、この飯能の案件は解決させる心積もりであった。最近忘れかけていた警察官魂を飯能の地で取り戻すが如く―――。
飯能署に着いた目暮を古手川という若い刑事が迎えた。古手川は埼玉県警から飯能署に出向してる身で所属は飯能署では無いらしいが、カエル男を逮捕した人物である。 「はじめまして目暮警部。遠いとこ御苦労様っス、目暮警部の噂は茫々で聞かされますよ。お会いできて光栄っス」少し小馬鹿にされたように目暮は感じたが、目暮も古手川の事は本署の方で聞いていた。若くて鼻っ柱が強い野心家気質な男だそうだが‥‥ 「噂と言ってもろくな噂じゃあるまい。まぁ、共に事件解決に向けて頑張ろう。」目暮は古手川と握手をし、捜査の現在の進展状況を聞く事にした。
古手川刑事から事件の詳細を聞いたが、ここに来るまでの下調べで既に知り得たいた情報の羅列に過ぎなかった。 「腹、減ったな‥‥」目暮の空腹もピークをむかえた。目暮という男は腹が空きすぎると思考力がゼロになるのだ。 「飯にしよう、飯に!この辺で美味い物食わす店があったら連れて行ってくれ」どこに来ても本能の動物、目暮警部であった。
目暮「飯能には確かプリンスホテルがあったな。」 古手川「名前だけ‥のね。 西武ホールディングスのお荷物ですよ、アソコは。」
古手川「‥近くの川越プリンスホテルはしっかり集客出来てるのに‥ね。」 目暮「‥‥。」 古手川「とにかく、飯能プリンス内のレストランはオススメ出来ませんが。」
古手川刑事は目暮警部を乗せて車を走らせた。車は山間部を抜け、飯能市に隣接する比企郡ときがわ町に入った。 ときがわ町――旧玉川村と都幾川村が合併してできた長閑な町だ。車は五明の信号を左折し県道30号を走り、一軒の蕎麦屋の前に着いた。看板が出ていなければ普通の一軒家にしか見えない外観だが、ここは知る人ぞ知る手打ち蕎麦の名店なのだ。 「着きましたよ、警部」「ほう、こりゃ楽しみだ」
店に入るなり目暮は二・八蕎麦を注文した。「へぇ‥‥」古手川は少し感心したように目暮を見た。 「なんだ?」「いや、大抵の人は手打ち蕎麦の店に来るとツウぶって十割蕎麦を注文するんですがね。蕎麦の風味のみを堪能するには十割蕎麦が1番ですが、蕎麦という食べ物としてベストなのは二・八蕎麦なんです。さすが警部、わかってらっしゃる‥‥。」 「フン」目暮は鼻をならした。若僧の講釈など聞きたくないといった様子だ。古手川も二・八蕎麦を注文した。
「うん、美味いっ!」目暮と古手川は蕎麦を完食し蕎麦湯まで飲み干し、満足気に店を出た。 「せっかくときがわまで来たんだ。とうふ工房へ行こう。」と目暮。確かに蕎麦を食って帰るだけでは無駄な遠出だ。 「さすが目暮警部、とうふ工房わた○べを御存知とは‥‥」2人は車に乗り込み、とうふ工房わた○べへ向かった。同じときがわ町でも、とうふ工房は旧玉川村の方なので少し距離があるが、それでも行く価値はある。
車はとうふ工房に到着する。同じときがわ町でも山間部の旧都幾川村エリアに比べ旧玉川村エリアのここは東松山市に隣接し、街に近い。R254も目と鼻の先である。 「おーっ、ここまで来るんだったら254号線に中華の千円食い放題ランチもあったし、254を北上して小川町に行けば、もつ煮込みの、○浦食堂も有ったのにィーっ!」今更気づいても、もう昼飯は食い終わってる。 「まぁまぁ警部、それは後日のお楽しみという事で、とうふ工房といえばアレですよね」古手川の目が光る。この古手川という男、目暮と相性が良さそうである。
ひとまず警視庁‥ 増田刑事「ど〜も〜、ご迷惑をおかけしました‥、本日より復帰します!」 高木刑事「‥‥。」 増田刑事「無視‥ですか?」 高木刑事「見に覚えは無いとは言わせんが。」 増田刑事「その件は‥‥、ゴメンナサイ。 で、警部は?」 高木刑事「飯能の連続殺人事件の応援に行ってるよ。 どうせムコウの刑事サンに美味いメシでもたかっているんだろうけどな。」 増田刑事「それでも何だかんだ言って犯人を検挙しちゃうんだから大したモンですよ‥ね。」 高木刑事「それが無かったらただのバカだよ‥。」
「ヘックショィ!」目暮はコントみたいなくしゃみをした。「誰かうわさしてるな‥‥。」 しかし古手川はそんな目暮を気にする様子も無く、とうふ工房名物『豆乳ソフトクリーム』を購入していた。目暮も「まず、これを食わんとな」と豆乳ソフトクリームを購入した。 「うん、美味いっ!最高のデザートだな。」目暮は歓喜の声をあげた。「とうふ工房の楽しみはこれだけじゃありませんよ」と古手川。無論、目暮もそんな事は百も承知だ。
「ここに来たら、おからドーナツは必須アイテムだ!」「さすが警部!」目暮と古手川は店前のベンチで豆乳ソフトクリームを堪能すると店内に突入した。 2人の目当ては『おからドーナツ』ヘルシー思考の昨今、おからドーナツ自体は珍しいものでは無いかもしれないが、ここのおからドーナツは超絶品なのだ。 当然とうふ工房店内にはドーナツに限らず、豆腐や油揚げなども売っている。「これは神宮寺にお土産にしよう」目暮は今夜訪ねる予定の神宮寺の滞在するアパートに持って行く土産におぼろ豆腐をチョイスした。
「おぼろ豆腐は傷みやすいので要冷蔵でお願いします。」店員さんの言葉に頷く目暮。夜まで署の冷蔵庫に保管するとしよう。 目暮と古手川は、おからドーナツを今食べる分と仕事中のおやつの分と夜帰ってから食う分と大量に購入し、とうふ工房をあとにした。 「重要事件の捜査中なのに少し、のんびりしちゃったなぁ」「まぁ警部、明日からは本格的に事件の指揮をお願いします。警部は今日初日ですからね。実際、事件は現在動きが無いんです」目暮と古手川は署に戻る車の中で語り合った。
夜になった。捜査は特に進展は無かった。大事な局面ならば詰め所に泊まり込んで何時でも飛び出せる態勢を取る目暮だが今夜は神宮寺の滞在するウイークリーアパートに行く事にした。 昼に買ったおぼろ豆腐は冷蔵庫に入れておいたのでバッチリだ。これとおからドーナツを土産に神宮寺のアパートを訪ねる。 越生駅から十数分の所に神宮寺の滞在するアパートは有った。103号室のインターフォンを押す。来訪の理由は『情報交換』であったが、実は目暮には今日は成果らしい成果は無いのであったが‥‥。
目暮「おーいジンちゃん開けてくれ目暮だ!」 インターフォンで反応が無いので強くドアをノックする目暮 神宮寺「もぉ、騒がないでくださいよ、近所迷惑でしょ」神宮寺がドアを開けて目暮を中に入れる。神宮寺は音楽を聴いていてインターフォンに気づかなかった様子だ。 目暮「早速、情報交換と行こうじゃないか」
目暮「お、中々良い部屋じゃないか」 神宮寺「ま、家具家電付きなんで色々持ってくる手間が省けましたし、パソコンが完備してるのも良かったですよ」 目暮「これは手土産だ。」目暮はとうふ工房で買ったおぼろ豆腐とおからドーナツを出した。
232 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/05/22(日) 12:45:39.45 発信元:124.214.254.138
神宮寺「これはどうも・・」
神宮寺「では、まずそちらから、今日の成果を報告願います。」 目暮「今日は昼は手打ち蕎麦を食ってな、なかなかの物だった。その後に前から行きたかったとうふ工房へ行ってソフトクリーム食って買い物した。そんなとこだ。」 神宮寺「‥‥‥‥。」
神宮寺「その続きは‥無いんですか?」 目暮「無い!」
「まぁ、こっち来たばかりだし、犯人側の動きも無いし、まだ、こんなとこだよ‥‥。」目暮は言い訳がましく呟いた。 「昼飯と言えば――」神宮寺が喋り出す。「この辺はろくに店も無いんですよ、越生駅前に1軒だけ中華屋があるんですが、ふざけた事に定食が無いんですよ。だから肉ピーマン炒め単品とライス単品を頼んだら、1100円もかかりましたよ」神宮寺は涙ながらに語った。 「セコい事言うなよ‥‥。」目暮は神宮寺の方も不毛な1日だった事を彼の言葉から悟った。
236 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/05/23(月) 20:44:19.87 発信元:220.157.225.76
そんな不毛な一日にの終わりには必ずと言っていいほど山田うどんへ立ち寄る目暮警部だったが きょうは「ななまるうどん」に行くことにした、カーナビを見ながら車を運転してると気になる店があった 丸亀製麺である、目暮警部は急成長中のチェーン店であるその店に停車した。
「あれ?車で動いてる事になってるのか?」目暮は今夜は神宮寺のアパートに泊まる予定だったが、車で動いてる設定ならば今夜は家まで帰る事にした。 車は飯能署の常勤職員の物を借りたのだ。今夜はおぼろ豆腐をつまみに神宮寺と飲むつもりだった目暮の行動は支離滅裂になった。 「車、朝早く返さんといかんし、明日は早くから出ないとな……。しかし訳わからん行動だ…。」目暮はとりあえずリレー小説のルールに沿って今夜は車で帰宅した。目暮は「それからageないでくれ…」と独り言を呟いた。
次の朝、目暮は飯能署の誰よりも早く出勤した。守衛の警備員が「警部さん、早いですね」と目暮に声をかける。目暮は珈琲を淹れながら「渋滞は嫌いなもんでね」と返した。 事件の方は大きな動きは無い。が、突如大きく動く事もある。目暮は『続・カエル男事件』対策本部長の椅子に座り珈琲を啜る。 飯能署員たちも次々出勤して来た。古手川たち埼玉県警の面子も続々出勤してくる。目暮の勝負の1日が始まろうとしていた。
意気込んで捜査に当たる目暮であったが、事件に動きも無く、朝が早かった反動で猛烈な眠気が目暮を襲った。 さすがに居眠りをする訳にはいかないので必死に睡魔と闘う目暮。気がつくと昼になっていた。グウーと腹が鳴る。 「腹減った。飯にしよう。飯に」目暮は古手川刑事と共に『出動』した。
古手川は目暮を乗せ、車を走らせる。車は山間部を抜け、街らしい景色に変わる。 「よし、今日は中華バイキングにしよう」目暮は意気揚々と言う。「254沿いでしたよね?」古手川が確認し、目暮は「イエス」と返す。 車は東松山市に入った。昨日立ち寄ったとうふ工房より、飯能署から見れば少し先になる。「まぁ、行動範囲内だな。近い近い」近いと言っても車で30分ほど走る。昼飯を食いに行くには遠出と言えなくもない。
241 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/05/26(木) 15:54:05.81 発信元:211.13.138.21
40分ほど走ったところで目暮は気が変わったのか古手川に引き返すように指示した 古手川はなにか気になることでもあるのかと聞くと目暮は「やっぱり山田うどんにしよう」と たのしげに言うのであった。しぶしぶユーターンする古手川であったがよくあることなので気にはとめなかった
まだ目暮と接して2日目の古手川がどうして「いつもの事」と思ったのか不思議だが、古手川は上官の命令に従い車を山田うどんに向けた。 「参加するのはいいけど、せめて章の頭ぐらいからは目を通してから来るのが礼儀だよな」目暮は誰に言うでも無い独り言を呟いた。 車は山田うどんの駐車場に入る。目暮と古手川は車を降り店内に向かう。「ある程度、ここの独特なノリを理解してる者専用のスレなんでね、ageられるのは迷惑なんだ、せめてsageてくれ」目暮はまた独り言を呟いた。
フン フン フン♪ 「あれ〜、警部じゃないっスか!」 目暮「‥‥‥本当にアンタとは腐れ縁のようだな。」 やはりと言うか‥、船越英一郎がまたもや出没した瞬間だった。
古手川「警部‥、あの人はタレントの船越英一郎サン‥ですか?」 目暮「‥そうだよ。」
船越英一サスペンスドラマの帝王で2001年に松居一代と結婚。船越は初婚だったが、 松居は再婚で連れ子もいたため話題になった。しかし、結婚後は夫婦仲・親子仲の円満さが伝えられ、 バラエティ番組出演の際なども、家族の話題が取り上げられることが非常に多い。 2時間ドラマへの出演が顕著で、在京民放5局の2時間ドラマ全てに主演作品がある唯一の俳優と言われる。 その出演回数の多さから「2時間ドラマの帝王」や「サスペンスドラマの帝王」、「ミスター2時間ドラマ. などの異名を持つ。2時間ドラマの初主演は、2003年『火災調査官・紅蓮次郎』であったが、その時点で膨大な数の 準主演作(主にヒロインのパートナー役)があり、すでにミスター2時間ドラマであった。また、物語のクライマックスでは 崖に犯人を追い詰める(追い詰められる)シーンが多いため、崖のロケが多くバラエティー番組などではしばしネタにされる。 趣味はアニメビデオの収集や漫画。CS放送フジテレビ721の『週刊少年「」』にも出演。番組の初回で取り上げた「ジョジョの奇妙な冒険」の ような連載が長期に亘るシリーズ作品に関しても、精通ぶりを披露し視聴者を驚かせる。特に荒木飛呂彦の回に関しては、 シリーズ第六部終了直後ということもあり、作者自身が今後の展開を初めて公に語る貴重な機会として注目度が高かった。郎はご存知のとおり
古手川「‥‥とまぁ、こんなモンですかね。」 目暮「よくもまぁ、知ってるモンだな。」 古手川「実は‥ファンなんです。」
店員「ご注文は?」 目暮「アジフライセット、蕎麦で」 古手川「パンチセット、蕎麦で」
船越「僕は、餃子とチャーハン、ポテトサラダにビール‥‥いわゆるいつものヤツで。」
店員「はぁ? 常連ぶるんじゃねーよ、オッサン!」 船越「俺が山田に来たらコレしかねーだろ!」 店員「私はアンタを見るのは初めてなんだが!」
古手川「(小声で)かなり態度のデカい店員ですねぇ‥。」 目暮「船越のオッサンの言動にも問題アリだな。」
とにもかくにも3人の頼んだものが出揃った‥‥、餃子以外。 船越「まぁ、いつものこっちゃ。」
目暮「で‥英ちゃん、今日は何でここに?」 船越「ドラマのロケでね‥、自分で言うのもナンですが、これでも売れっ子俳優なんでね。」 目暮「ハイハイ。」
古手川「今度はどんなドラマを‥」
船越「僕が刑事役で、連続殺人鬼を追い掛けるストーリーなんだ。 話のベースはこの本なんだけどね。」
つ【
>>178 】
山田うどんでの楽しい食事が済み、船越英一郎と別れた目暮と古手川は飯能署に戻った。 「‥‥。しかし、山田うどんに行くと必ず現れる船越英一郎って一体‥‥。」目暮は今さらになって不思議に思った。 午後から、本部長である目暮と埼玉県警の古手川刑事、そして飯能署の署長の三人が雛壇に陣取り、捜査会議が開かれたが、捜査員から新たな新事実の報告も無く、犯人側の直接的な動きも見られず、本日も進展無く日は暮れた。
夜になった。事件の展開次第では1週間でも半月でも警察署に泊まり込んで捜査に取り組むつもりで乗り込んでいる目暮であったが、今日もこれといった動きは無かった。 目暮は八高線で神宮寺の滞在するアパートへ向かった。情報交換がてら、神宮寺のとこで晩酌をし、泊まる予定だ。 昨夜はおぼろ豆腐を持参したが、神宮寺のとこにある酒は洋酒ばかりであった。おぼろ豆腐はどちらかというと日本酒向きだ。目暮は今日は道中の個人経営の肉屋で手羽先と唐揚げを購入して神宮寺のもとを訪問した。
神宮寺「あれ‥‥またですか?」 目暮「悪いか?」 神宮寺「来る時は連絡して下さいよ!」 明らかにウザったそうな神宮寺の態度だった。
神宮寺「では情報交換といきますか。」 目暮「今日は中華の千円食い放題の店に行きたかったんだが、結局山田うどんに行って、俺はアジフライセットを食った。終わり」 神宮寺「‥‥‥。」
「まぁ、確かに犯人側の動きが全く止まってますからね‥‥。仕方ないと言えば仕方ないですかね」神宮寺はコーヒーを淹れて目暮に出した。 「家具・家電付きと言っても、コーヒーメーカーまで付いて無いんだろ?わざわざ持って来たのか?コーヒーメーカー」目暮は神宮寺の部屋にコーヒーメーカーが有る事に気づき、神宮寺に聞いた。 「酒と煙草と珈琲はハードボイルドには欠かせませんからね。そうですよ、新宿の事務所のヤツを持ってきたんです」神宮寺は自分のこだわりを少し誇らしげに語った。
神宮寺「音楽はJazzを部屋にいる時はずっと流しっぱなしです」 目暮「(そんなこと好きにしてくれ)ほう、それもハードボイルドなのかね?」 神宮寺「いえ、カッコ良さの演出です」
「しかし越生駅の周りは何もありません。食い物とかには難儀しますよ。」神宮寺はボヤキ気味に続ける。「一応、越生線の終着駅だと言うのに、この寂れ具合は何なんでしょうね?」 その問いに対しては目暮には明確な回答が出せた。「それはジンちゃんが新宿の街中で生きてるからこその考え方だよ。確かに終着駅ってのはターミナル駅のイメージがあるから、そこそこ大きな駅って印象を持つんだろうけど‥‥ ある程度、田舎の方では終着駅ってのは、これ以上先に線路を伸ばしても意味が無いっていう、文字通りの終点を終着駅と称するもんなんだ」目暮も都会暮らしだが、妙に悟ったような語り口で神宮寺に返す。
目暮「‥まぁ食え。」 目暮は先ほど調達した手羽先と唐揚げを神宮寺に差し出した。
262 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/06/02(木) 22:22:51.66 発信元:120.51.152.245
神宮寺「いらねー!」 目暮「え?」 神宮寺「メシ食ったばっかだ。」
「なんて言う訳ないでしょ、いつもすいません。」神宮寺はグラスと氷を出した。そもそも唐揚げと手羽先は飯代わりに持参したのでは無い。 「流れを読めない奴が混じったみたいだが、またシベリアに人が集まって来たのかね?」目暮は飲み終えたコーヒーのマグカップを流しに運びながら呟いた。 「あ、片づけはやりますから置いといてくださいよ。参加は自由だけどageないで欲しいものですね‥‥。」目暮の独り言みたいな呟きに、神宮寺も独り言みたいな返しをした。
神宮寺「昨夜持って来てくれたおぼろ豆腐もまだありますよ」 目暮「おぅ、いいね、揚げ物ばかりじゃ味気ない‥‥。」 神宮寺のアパートにはウィスキー、ジン、ウオッカ等に紛れて焼酎もあった。
神宮寺「酒もね、こっちじゃあまり揃わないんで新宿の事務所から持って来たんですよ」 目暮「‥‥オレは焼酎をもらおうかな、酎ハイがいいかな‥‥。」 神宮寺「焼酎を飲むなら『神宮寺スペシャル』は如何ですか?焼酎をはっさくジュースで割る飲み方です‥‥。」
266 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/06/03(金) 19:58:21.62 発信元:61.125.226.206
したたか酔った一行は締めくくりにラーメンを食べることにした。千鳥足でふらふら行くうちにはなまるうどんを見つけた。 うどんに目が無い目暮警部はここにしようと言うが神宮寺がやっぱり山田うどんじゃなきゃ嫌だと言うので 温厚な目暮警部は同意してタクシーを拾おうとした。
しかし、タクシーは姿を見せなかった。
268 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/06/03(金) 21:20:01.97 発信元:61.125.226.206
神宮寺は通りがかった車を制止させ警察手帳をみせ急用であることを告げ目暮警部と後部座席に乗り込んだ 運転手に山田うどんがある埼玉県の入間市に行けと命令した。
嵐はスルーして
>>265 から
「はっさくジュース?そんなもん酒と合うの?」目暮は『神宮寺スペシャル』なる飲み物を疑った。
「まぁ、騙されたと思って飲んでみてくださいよ」神宮寺は焼酎とはっさくジュースを5:5で割って目暮に出した。
唐揚げをつまむ神宮寺「うん、なかなか旨い。ジューシーだ」神宮寺はreserveを炭酸で割り、ハイボールにして飲んでいる。 「手羽先は、うーん、食うとこが少なすぎだな‥‥」目暮は手羽先をつまみながら焼酎のはっさくジュース割りを飲む。味は微妙であった。 2人はおぼろ豆腐を食う「ん、これは旨い」「これが1番旨いな‥‥」おぼろ豆腐はどんな酒のつまみにしても合う物であった。「こんなに旨いなら、また買うか‥‥」目暮は明日もおぼろ豆腐を買おうと心に決めた。
271 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/06/04(土) 07:28:02.45 発信元:61.125.227.93
才能ないな、お前ら
「才能なんか必要ないが、センスは必要かな。あと流れに沿って進行させる最低限のルールを守る気持ち、と」目暮は酒が回って脈略ない空耳に回答をするといつしか眠ってしまった。 朝が来た。神宮寺がホットサンドと珈琲を用意してくれたので、目暮は有り難くいただくと、朝早くから飯能署に向かう。 出掛け神宮寺が「今日はちゃんと情報交換できるネタが有ればいいですね」と目暮に言った。目暮は今日こそ進展がある事を願い、足取り軽く、警察署に出勤した。
飯能警察署長のいきなりの一言であった。
署長「事件が起きてから何ヵ月経ったと思ってんだ! さっさと犯人捕まえて来い!」
署長のゲキで捜査員たちは四方八方に朝一番から飛び出して行った。 捜査本部長に就任して3日目の目暮もそろそろ手応えのある報告を待っているのだが、なかなかこれといった新情報もあがって来ない。 飯能署の署長は目暮以上に苛々していた。犯人が次の犯行を起こす前に何としても犯人を検挙したい。
昼になった。捜査本部が置かれている飯能署の捜査一課には署長と目暮が陣取って報告を待っていたが、残念ながら、これといった情報は入ってこない。 「目暮警部。今日は県警の古手川君も捜査に出てますし、昼飯はここで一緒に食べましょう」飯能署署長は女性職員を呼び、「いつもの弁当を今日は2つ頼むよ」と告げた。 昼飯命の目暮だが、今日は本部を離れられそうもない。署長のいう『いつもの弁当』とやらを食べるとしよう。
女性職員が署長に命じられた弁当を2つ買って戻ってきた。「おう、ご苦労さん」署長は笑顔で受け取る。 『いつもの弁当』とは、ほっともっとの『満腹のり弁』であった。大きな容器の半分がのり弁で半分が焼そばになっている。この焼そばの正体は他の弁当の付け合わせのスパゲッティ麺を使った代物だ。 「これが安くて満腹になる最高の弁当なんです」「はぁ、そんなもんですか‥‥」署長と目暮は向き合って満腹のり弁を食べ始めた頃、先ほどの女性職員がお茶を淹れて持って来てくれた。
278 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/06/04(土) 20:45:20.14 発信元:61.125.227.214
「また飯食うのかよ、なんで俺だけあらしなんだよ」古手川は弁当を食べながら無能の目暮警部にたいしてそう思った そこへ神宮寺から電話が入った、新宿三丁目で犯人と思われる韓国人を逮捕した至急パトカーをよこしてくれとのことだった みんな昼飯を食うのに手一杯なので署長が自らで向かえることにした
※流れを読めないなら来ないでください。このスレの主な流れが面白いと感じないのなら最初から来ないで頂きたい。ここは千客万来なスレでは無いのでageないでください。
あまり荒らされると修正するだけで大幅にレス消費してしまって小説として成立しなくなってしまうので、どうしても参加したいのなら最低限、登場人物の立場なり性質なりを把握して書いてください。
この辺を徹底しないとリレー小説スレは一定の水準を維持できないのでお願いします。
ただの言葉遊びなら他のスレを推奨します。
●リレー小説魔界編
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1303836814/
センスも才能も内容もないな
――それでいいから来ないでくれ。 「ん、何か?」満腹のり弁をたいらげた目暮は何か聞こえたような気がしてそう呟いたが、目の前にいる署長は何も言っていなかった。 目暮と署長は満腹のり弁をそれなり満足げに完食すると、午後の捜査方針のディスカッションを始めた。
在日丸出しだな
「‥‥なんでも目暮警部はトリック博士と親交があるらしいですね」飯能署署長は不意に目暮に尋ねる。 「ハハハ、まぁ、博士の一番弟子を自認してますが、それが何か?」目暮は署長の問いの真意が判りかねていた。 方々に捜査に飛んでる刑事たちから、午後に入っても成果らしい成果の報告は無かった。
目暮「ま、署長の激程度で犯人が捕まりゃ、こんな楽なことは無いんだけどな。」
夜になったが残念ながら捜査に進展は無かった。「みんな一生懸命やってるのは分かるが、そろそろ結果を出してくれよ!」戻ってくる捜査員たちにゲキを飛ばす署長の表情にも疲れが見えた。 目暮は今夜も神宮寺のとこに行くつもりで署を出たが「‥‥情報交換も何も、これほど何も無いとなぁ‥‥」毎度毎度、何の情報も無いのに泊めてもらい酒を馳走になるのも少し気が引ける目暮であった。 署を出て少し歩いたところで県警の古手川刑事が戻ってきた。「警部、お帰りですか?」「遅くまでご苦労様。何か成果は有ったかい?」
「マークしてる人物に張り付いていたんですが、動きは無かったですね。アンパンとコーヒー牛乳しか食ってないから腹ペコっスよ‥」古手川は両手を広げておどけてみせた。 「こっちも1日中、本部で署長とにらめっこさ。昼飯も署長推薦の満腹のり弁だったしな‥」目暮もお互い散々だったなという顔で言う。 「気分直しに晩飯、一緒にどうだい?」目暮は古手川を誘い、神宮寺のとこへ行く前に夕飯を済ます事にした。
古手川が運転し、目暮を乗せて車は走る。「運転は自分やりますから警部は安心して飲んでください」と古手川。 目暮は『ありがたい』と心から思った。噂では若いくせにイキがった鼻っ柱の強い人物と聞いていた古手川だったが、実際は随分と気が回る、少なくとも目暮には好人物に見えた。 「酒、飲むなら、もう1人誘っていいかい?」「どうぞ」目暮は神宮寺の携帯に電話した。
「ジンちゃんよ、晩飯まだだろ?」『ええ、まぁ』「ご馳走するから一緒に食おう、運転役もいるから今夜は外で飲もう。途中で拾うから越生駅のあたりまで出ていてくれ」 車は越生駅方面に向かう。「名探偵神宮寺三郎氏とも知り合いなんですか?警部はホントに顔が広いですね」運転しながら古手川は目暮を尊敬の眼差しで見た。目暮はあまり自覚していなかったが、自分が実は顔が広い事を古手川の言葉で再認識した。 車は越生で神宮寺を拾い、254号へ向かう。行き先は決まっている。そう、もつ煮込みの杉○食堂だッ!
254を北上し、車は小川町に入る。高谷の信号を右折してすぐの所に目的地のもつ煮込みの店は有る。 正確にはもつ煮込み以外のメニューもあるので『もつ煮込みの店』と称するのはどうかとも思うが、来店するほぼ全員がもつ煮込みを注文するので、もつ煮専門店を名乗っても良いのではないかとさえ目暮は思っていた。 車は店脇の広い駐車場に滑り込む。「お、なんか渋い店ですねぇ」後部座席の神宮寺は○浦食堂の店構えを見て少し馬鹿にしたような感想を述べた。「味は保証するよ」と目暮はボソッと呟く。3人は車を降り、駐車場から店までの砂利道を歩き始めた。
この店に来るのは初めての神宮寺と古手川は目暮にメニューを一任したので目暮は「もつ定3つ、3つともライス大で!」と入店早々オーダーを告げた。 時間帯が良かった。店はさほど混雑していない。目暮は神宮寺に「飲むんだろ、好きなもん頼めよ」と言うと、神宮寺は「バーボンをロックで‥‥」とオーダーしたが 「そんなものはありません」店主は無愛想に返答した。当然だ。あるわけがない。
目暮「最初はジョッキ生、基本だろ。」 古手川「へぇ、初めて聞いたわ。」
また飲み食いするのか、バカだろ
「もつ定ライス大3つ、お待たせしました」目暮たちのテーブルにもつ定が運ばれる。「おっ、来た来た。」 もつ煮を1口食べた神宮寺と古手川は「う、旨いッ!」と歓喜の声を漏らした。横で目暮は勝ち誇ったような顔でニヤニヤしていた。 「こ、こんな旨いもつ煮は食った事が無い。」と驚く神宮寺に目暮は『――旨い食い物の事は俺に任せな』と表情だけで答えた。
目暮「そうだ、古手川君‥‥」 古手川「なんでひょ?モグモグ」 目暮「さっき、独自にマークしている人物が居るって言ってたよね?」 古手川「あ‥ハイ。」 目暮「詳しく聞かせて貰えないか?」
「ほらほら、こんな旨いモツ煮を前に仕事の話は野暮、野暮」神宮寺は目暮のグラスにビールを注ぐ。 「こんにゃくの代わりに白滝を使ってるのも変わってて良いね。あと、キャベツが入っているが、このキャベツの甘味がモツ煮の旨さを更に引き上げている。いやぁ旨いっ!」神宮寺は劇画調の顔のまま杉浦○堂のモツ煮を絶賛した。 ここまで喜んで貰えると連れてきた目暮も少し嬉しかった。大盛ライスに残ったモツ煮を入れて『モツ丼』にして食らう。「クゥーッ!たまらん」3人はモツ煮の汁も一滴も残さず堪能した。
神宮寺「ふう、目暮さん、こんな美味い店、どこで知ったんです?」 目暮「タクシー運転手の夜明に教えて貰ったんだよ。その後、こっち方面に用がある時は、ちょくちょく1人でも来ているがね‥‥」 古手川「タクシードライバーの推理日誌の夜明日出夫さんとも知り合いなんですか?警部はホント顔広いですね‥‥」
もつ煮とビールを堪能した目暮と神宮寺を神宮寺の滞在するアパートまで送ると古手川は車を自宅に向けて走らせた。 「‥‥それにしても美味いもつ煮だった。目暮警部の隠れグルメの噂は本当だったな‥‥」車内で1人つぶやく古手川。 古手川に『ある予感』が浮かぶ。古手川は自宅に帰るのを止め、反対方向に車を走らせた。彼のこの判断が進展の無い局面を打破する結果を招いた。
朝になった。目暮は携帯の着信歴を見ると、夜の間に何度か古手川から着信があったようだが、深い眠りについていた目暮は全く気づかなかった。 神宮寺はいまだに深い寝息をたてている。起こすのも気の毒なので朝食もとらず目暮は神宮寺のアパートを出て飯能署に向かった。古手川からの電話については署で本人から直接聞こう。 飯能署に着いた目暮は、まったく進展が無かった捜査状況が一転、事件が解決した事を知った。
夜間、張り込みを続行した古手川が動きを見せた人物が殺戮行動を起こすのを未然に取り押さえたのであった。 犯人は本丸のカエル男事件でも捜査線上に挙がっていた人物でカナー症候群(自閉症の一種)の治療を受けていた男であった。カエル男事件をなぞって犯行を続けていた事を自供。事件は急展開で解決した。 犯人を逮捕した古手川は「目暮警部のおかげで解決できました」と最後まで目暮を立てた。
〜第6章〜 誰が風を見たでしょう
神宮寺「杉○食堂じゃなくて、松○食堂でしたね。目暮さん」 目暮「‥‥そもそも伏せ字にする意味もよくわからんが‥‥。事件も解決。ジンちゃんはどうするの?」 神宮寺「家賃もったいないから僕は月末までこっちに残りますよ‥‥。」
続・カエル男事件も解決し飯能署に置かれた捜査本部も解散した。電車を乗り継ぎ警視庁に戻った目暮警部を直属の部下の高木と増田が迎えた。 「さすが警部!世間を騒がした難事件を本部長就任4日目で解決とは、見事です」高木と増田は少し大袈裟に讃えてみせた。 「フン」と鼻を鳴らし、目暮は言った「刑事にとって推理力や洞察力も必要不可欠だが、それよりも大事なのは、捜査に対する熱意だ。事件解決に対する情熱だ。この熱き思いを忘れなかった事が事件を解決に導いたんだと俺は思う」
303 :
過去ログ :2011/06/09(木) 03:50:11.78 発信元:202.229.177.62
305 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/06/12(日) 11:21:41.96 発信元:219.108.157.30
目暮警部「加茂瀬恒彦?あああの有名な」 工藤「蘭も知ってるだろ?」 蘭「うん!」
「蘭だの新一だのって突然脈略無く出て来ましたが何なんですか?警部」ふと、止まった時間を取り戻すように増田が呟いた。 「おっといかんいかん、過去を振り返っていてボンヤリしてしまった」と目暮は我にかえった。 「そろそろ、前に進みましょうか、それから何度も言いますがageないでくださいね」高木は誰に応えるでもないように呟いた。
飯能での事件を見事な手腕で解決させた目暮であったが、いつまでも勝利の美酒に酔ってはいられなかった。 目暮が戻って早々、警視庁管轄内で殺人事件が発生した。1人暮らしの若い女性が自宅アパートで殺害されたのだ。 現場に到着した目暮、高木、増田は手際良く捜査を開始した。
増田「しかし
>>304 は今読み返すと凄いですね。金田一やら明智警視まで出てくるんですね」
高木「ブラックジャックこと間黒男氏の出番、船越さんより多いし。一行スレと現在の流れのコラボみたいなスレだね…」
目暮「ヲイヲイ、過去を振り返るのもいいかげんにして捜査に集中しろ!」
「4997……、これ、なんでしょうね?」高木刑事は、開かれた詩集のページを覗き込みながら言った。 「うむ……」目暮警部も、高木と肩を並べるようにして、畳の上に放り出されている詩集の上に屈み込んでいる。「さっぱりわからん。どうして、こんなもの書いたのかな?」 被害者は、小坂久美子という二十二歳のOLだった。目暮達の目をひいたのは、小坂久美子が抱え込んでいた薄っぺらな詩集だった。開かれたページに、赤く太く、文字が書かれていたのである。『4997』誰の目にも、そう読めた。
現場の状況からは、物取りの犯行と推測された。部屋は、荒らされ放題に荒らされ、引出しや戸棚からひきずり出された物が、畳の上一杯にぶちまけられている。 おそらく、この部屋に這入った空き巣狙いが、仕事から帰った小坂久美子に見つかり、居直って凶行に及んだものだろう。 第1発見者は隣室に住む主婦であった。死体を発見する前、犯人らしい男の声を聞いたと証言している。
「隣の主婦の話では争うような物音と男の声で『言え。楽になりたきゃ、早く言ってしまえ!』という声が隣から聞こえたそうです。」先着していた捜査員から聞いた情報を増田は目暮に話した。 目暮は発見者より詩集に残された『4997』の文字が気になる様子で考えこんでいたが、構わず増田は話を続けた。 「様子がおかしい、とは思ったが、なんだか恐ろしくて、隣の主婦は何もできなかったそうです。誰かが隣室から飛び出して行く音を聞いた後、見に行ってみたら殺されてる小坂久美子を見つけたと、いう事らしいです」
『4997』空っぽのハンドバッグの脇に、ぽっきり折れた口紅の先が落ちている。詩集に書かれた四桁の数字は、その口紅で書かれたものだった。 小坂久美子の堅く握り締めた右手を開かせると、口紅の根元が畳の上に転がり落ちた。彼女は、たぶん、ありったけの力を振り絞って、これを書いたのだろう。 「ダイイングメッセージなのか?」目暮は詩集に残された四桁の数字に事件解決の鍵がありそうだと感じた。が、4997が何を意味するのか?皆目見当がつかなかった。
目暮「被害者の交友関係で怪しい者はいないのか?」 増田「彼女には婚約者がいますね。隣の主婦も何度か彼女の婚約者とは会っていますが、事件当夜に聞いた声は婚約者の声では無かったようです」 目暮「手口から見て犯人は強盗だろうからな‥‥。でも一応、その婚約者も洗ってみよう」
で。「お前は一人で寂しく暮らす」とかバカ母がこの間俺に言ってくれましたが・・・w。まるで「ヒーローズ」の「サイラー」じゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 ヒーローズの中では、ヒロがサイラーに「お前は孤独になって寂しく死ぬ」とか言ってましたが・・・w。それでドラマではサイラーが焦り出したりしますが・・・w。 俺にとってはチャンスじゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 やっと、五月蠅いお前らから解放されるのに?w。夜寝るのも朝起きるのも自由だし。家の中の様子を筒抜けで逐一監視される事も無いのだから。 逐一監視された挙句に、偉そうに断罪されて非難浴びたりするなら、孤独の方が全然マシだろう?w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 それに、監視だけじゃなく、「操縦&支配」からも解放されるのだから・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 勃起刺激干渉も、思考吹入も、視点誘導も、認知判断も、計算ミスも漢字の度忘れも、何もかもお前らの「操縦&支配」の挙句だろうに・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 「ヒーローズ」ネタで言えば「クレア」が「人形遣い」に操り人形にされて激怒したのと同じだ。(ノ∀`)アチャーマッタク。 あれは、体の動きだけで、頭の中までは支配されなかったが・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 「罪と汚名」から解放される、「虚像扱い」から解放される、それの何が問題だ?嬉しい話じゃないか・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 「ヒーローズ」の「ネイサン」「サイラー」は俺で言えば俺の中の「善人と悪人」の象徴であって・・・w。(ノ∀`)アチャーマッタク。 あのドラマは、「マット」が俺の様子を再現してたり、色々楽しめるが、他のドラマや映画や番組同様に「恣意的&示威的」で、罪を着せる所が気に入らないのよな。 結局、自分達の都合の良い様に「操り人形」にしたいだけじゃないか。(ノ∀`)アチャーマッタク。 悪魔がキリストを試したのと同じ。最初はこの世をあげようと言って、それが利かなければ40日間試練を与えて・・・w。 この文章も一言一句もレイアウトも何もかも「思考吹入」で自動書記で書かせておいて、陰に隠れて厭くまで「自発的&自己責任」扱いで誤魔化すとか・・・w。 お前らホントみんなマジ悪魔。_| ̄|○
「高木は、被害者の交友関係で『4997』に関わりがある者がいないか調べてくれ。増田は、婚約者の方を当たってみてくれ。」目暮は部下2人に指示を出した。 目暮は知恵を借りるため『あの方』の所へ出向く事にした。 手ぶらでは行けない。あの方の好きな『アレ』を手みやげに買ってから行くとしよう。
目暮はトリック博士の知恵を仰ぐ為、トリック博士邸に向かった「最近、出番が少ない」とボヤいていたトリック博士への気遣いでもあった。 目暮は途中で山田うどんに立ち寄り、持ち帰り餃子を注文した。トリック博士への手土産だ。 「ん?」山田うどんの店内で物凄い勢いで食べている男の後ろ姿が目暮の目に映った。その後ろ姿は目暮のよく知る人物のものであった。
見覚えのある背中が振り向きもせず喋り出す。「また自分は飲んだり食ったりするだけで他力本願な解決を目指していますね目暮警部!」 「な、な、なに―っ!」心の中を読まれたような気がして目暮は驚きの声をあげた。 見覚えある背中の正体、タクシードライバーの夜明日出夫は振り返り笑いながら目暮に言った。「たまには自力で推理してみようね。」
夜明「トリック博士のとこ行くなら乗っけてくよ。勤務中だから有料だけどね」 目暮「フン、まぁ、いいだろ。頼むわ‥‥。」 夜明「今、食い終わるから少し待ってて‥‥。モグモグ」
目暮の携帯に被害者の婚約者をあたっていた増田刑事から連絡が入る。「ごくろうさん。で?どうだった」 『ちゃんとしたアリバイがありましたよ。事件の時間には会社にいて外へは出てません』増田の報告に目暮は「だろうな‥‥。」と返す。事件はどう見ても物取りの犯行だ。 『秋には式を挙げる予定だったんだそうです。彼女の死が信じられない様子でした。結婚の資金計画も立てて、親にはあまり頼りたくないからと、二人でお金をためていたそうです。それを全部やってもいいから久美子を返してくれって、泣いてましたよ』と増田は続けた。
『あと、警部、例の4997の事なんですが――』思いだしたように増田が話を繋げた。『婚約者の話では4997は電話番号だそうです』 「で、電話番号‥‥?」目暮は増田の話が意外過ぎて携帯を落としそうになった。 『4997は小坂久美子の部屋の電話番号の下四桁だそうです。婚約者はそれ以外に4997に心当たりはないと、言ってますが‥‥』増田も腑に落ちない様子だが、報告を受けた目暮もそれは同じだった。死ぬ間際に自宅の電話番号を書き残す被害者などいるものか?
山田うどんのメンチセット(温かい蕎麦チョイス)を食い終えたタクシードライバー夜明日出夫は目暮警部を乗せ、トリック博士邸に向け車を走らせた。 途中、目暮に高木刑事から着信があった。高木は謎の数字『4997』を調べていたが、被害者の交友関係で4997に関連するような人物は浮かんでこないとの報告であった。ここまでで4997について唯一、挙がったのが電話番号についての話だけとは‥‥‥‥。 「パーツは出揃って来たね。あとは目暮さんの推理力で謎を解くだけだねぇ」運転しながら夜明は軽口を叩いた。事件を少し茶化して喋る夜明に目暮は少し不快感を抱いた。
目暮「車のナンバー、キャッシュカードの暗証番号‥、4桁数字の物は色々ある訳だが‥。」
夜明日出夫「なんで数字で伝えたかったんでしょうね。」 目暮「‥‥‥。」
「そもそも‥‥」目暮は頭を傾げながら唸るように喋り出す「ダイイングメッセージとは被害者が何を知らせようとして書くものだ?」 「犯人、でしょう?」突然フラれた夜明は戸惑いながらも当然と言える答えを返す。 「だよなぁ‥‥。」力なく目暮が呟いた時、車はトリック博士邸に到着した。
「ホッホッホ、目暮さんに夜明さん。お揃いで」いつもの笑い声でトリック博士は迎えた。目暮は夜明に邸内にまで付いて来なくていいからタクシー業務に戻るように言ったが「乗りかかった船だから」とトリック博士の元に同行した。 目暮は博士に「お土産です」と山田うどんの餃子を出す。「ホッホッホ、これは最高のプレゼントぢゃよ」と嬉しそうに受け取るトリック博士。門下生がみんな山田うどんの常連なのはトリック博士自身の影響が強い。 「今日は博士の知恵をお借りに参りました。」目暮は事件の概要をトリック博士に詳細に話した。横にいる夜明は何故かメモをとりながら目暮の話を聞いている。トリック博士は事件の概要を聞き「ほう‥」と興味を持った。
目暮はトリック博士に口紅で書かれた『4997』の写真を見せた。証拠品の詩集を持ち出す訳にはいかなかったので博士に見せたのは『4997』が書かれたページを写した写真だ。 「だれが風を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない……」トリック博士は『4997』が書かれたページに乗っている詩を読んだ。クリスティナ・ロゼッティの詩である。 「だれが犯人(ホシ)を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない」夜明が横で何気なしに呟いた。トリック博士にはそれが思わぬヒントになり「ホッホッホ」と何か気づいたように笑い出した。目暮は、いまだに何も気づかない様子で唸り続ける。
目暮「けれど木の葉をふるわせて、風は通り過ぎてゆく‥‥。」 トリック「ほっほっほ、そこまで解っているならもう一息ですぞ。」 目暮「え‥?」
夜明「何なんだい、今のは?」 目暮「だれが風を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない‥‥の後に続く言葉なんだが‥‥。」 夜明「う〜ん‥、解らんわ。」
「ホッホッホ、死ぬ間際に自宅の電話番号を書き残す筈は無いのだから、1回『電話番号』は忘れて考えた方が良いかもしれんのう。ホッホッホ」とトリック博士。 「4997‥‥よくくな‥‥良く(49)食うな(97)‥‥良く食うな。‥‥全く関係ないか‥‥」目暮は語呂合わせで考えてみたが関連した言葉に繋がらない。 「目暮さん、安直過ぎるよ」と夜明は呆れたように言ったが、実は夜明も全く解らなかった。
「警察の人間が、きちんと解いてあげないと、手がかりを残してくれた被害者も無念だと思うよ!」夜明は目暮に発破をかけた。
「ホッホッホ、目暮さん。ダイイングメッセージとは何を伝える為に残すものですかな?難しく考えない事ですぞ。ホッホッホ‥‥」と、トリック博士は目暮に解決の糸口に繋がるヒントを述べた。
目暮は詩集のページをもう1度よく見た。
http://imepic.jp/20110616/318870 。そして「そ、そうか‥‥。もしかしたら‥‥。」目暮の頭脳に1つの仮説が浮かんだ。
目暮は自分の推理を口にした「…『4997』は書き間違いで、被害者は本当は『9997』と書きたかったんだ。『999』はスリーナインを表し『7』はラッキーを表す。銀河鉄道999がヒットしてラッキーだった人物、犯人は松本零士だっ!」 ガターン!!トリック博士と夜明日出夫はズッこけて椅子から落ちた「‥‥ま、またそれ?」 「そ、それしか浮かびませんでした。博士、解っているのでしたら、解答をお願いします」やはり目暮は自力解決を放棄し、トリック博士の模範解答を求めた。
「だれが風を見たでしょう。あなたもわたしも見やしない‥‥。詩集のページが、たまたまこの詩のページだったのが大きなヒントになったんじゃよ。ホッホッホ」と、トリック博士は『ある場所』に捜査員を回すように目暮に言った。 鈍い目暮はまだ解らない様子で「それは一体?」と首を捻る。そんな目暮に『まだわからぬか』と言わんばかりの口調でトリック博士は断言する。 「ホッホッホ、目暮さん、事件の発見者の言葉をもう1度よく思いだしてみたまえよ。間違いなく犯人は自分から『そこ』に現れる筈だからのぅ。ホッホッホ。」
〜第7章〜 どこから行っても遠い町
OL殺人事件の犯人は『銀行』で張り込んでいた刑事らによって逮捕され、事件は無事解決しました。 「犯人は強盗だ。強盗の目的は何か、むろん、それは金だ。犯人は『言え』と被害者に迫っていた。それは何か?金のありかじゃないか――。」目暮はトリック博士の模範解答を自分の推理の如く部下達に話した。 「電話番号と同じ四桁の数字。何か思いつかないか?そう、銀行のキャッシュカードの暗証番号さ。被害者はね、銀行へ行け、と我々に言ったのさ。この暗証番号で金を引き出す人間が、自分を殺した犯人だ――そう、彼女は我々に伝えたんだよ」
増田刑事「しかし、バカな犯人で助かりましたよねw」 目暮警部「!」 増田「だって普通は現ナマに手は付けても、足のでそうなキャッシュカードなんかに手を出しませんよ、普通は。」
「犯人は空き巣狙い。被害者が、空き巣狙いの名前を知ってる可能性はまずありませんからね。だとすると、4997は犯人を捕まえさせるための手掛かりを与えようとしたものだとは僕も気づきましたが‥‥」高木刑事は珈琲を飲みながら呟く。 「‥‥誰が風を見たでしょう‥‥か。まぁ、この事件は何としても解決したかったから、良かったよ」目暮警部は被害者が最後の力をふりしぼって残したダイイングメッセージが無駄にならず安堵の声を漏らした。 「それにしても‥」増田刑事は目暮に少し冷めた目を向け、乾いた口調で言った。「‥ホントに警部が解いたんスか?」
目暮「何だ、さっきから随分突っ掛かってくるじゃねえか? え!」
目暮「sage忘れた、すまん。」
340 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/06/17(金) 20:44:18.50 発信元:61.125.225.51
雨降りの真夜中。街に人通りは皆無だった。「これじゃ、どうしようもないなぁ‥‥」タクシードライバー夜明日出夫は車内で溜め息を漏らした。 本来なら終電をのがした客を何人か拾えても良さそうなものだが、少し強めな雨のせいか、人の姿が全く見えない。本日の成果の数字が全然伸びていない夜明は「せめて、あと1人は中距離以上の客を乗せないとまずいな‥‥」とタクシーを駅前から飲み屋のある繁華街へ向けた。 トラブルの元である酔客をいつもなら避ける夜明だったが、ここまで数字が悪いと、そうも言っていられない。これが夜明がこれから体験する奇妙な夜の物語の始まりであった。
夜明日出夫「泥酔なヤツだけはカンベン‥‥おっと!」 どうやらお客のようである。
大雨の中、傘もささずにズブ濡れの若い女性が手をあげている。 『どうする?』夜明は考えた。雨の夜中に傘もささずに繁華街にいる女。まともな輩には見えない。ズブ濡れの服でシートを汚されるのも嫌だ。 夜明は徐行させ、近づくも、厄介な相手なら乗車拒否も考えた。しかし、赤信号で停車した夜明の真横に女は既に来ていた。もう乗車拒否はできない。夜明はドアをあけ、女を乗せた。
夜明「お客さん、どちらまで‥」 女「‥‥。」 夜明「行き先言ってくんないと‥」 女「しばらく流してもらえませんか。」
言われた通り車を走らす夜明だが「あっちこっち行かせて、お金ありませんとか、そういうのは勘弁してくださいね」と一応、釘をさす。 「‥‥お金、‥‥なら、持ってます‥‥。」女は、何とか聞き取れる音量の声で言う。雨で濡れた髪から水滴がしたたり落ちる。 バックミラーで女の顔を確認する夜明。よく見れば綺麗な顔立ちの娘だ。何やら事情がありそうだが、とりあえずは言われた通り車を流す夜明だった。
女「‥‥ボソボソ‥‥」 夜明「えっ‥‥」 しばらく車を流した後、女は行き先を告げた。それは夜明もよく知る地名であった。
夜明「え‥?、もう一度。」 女「大宮まで‥。」
雨は女を乗せた頃より更に激しさを増した。フルワイパーで夜明のタクシーは北に向かう。 目的地は大宮の櫛引町であった。大宮駅から徒歩で24〜25分という場所だが、駅から特別近い訳でもなく周囲に店も少なく不人気なエリアで賃貸の家賃も安い。 古くから建つ老朽化した住宅が多く、金持ちとは無縁の町だ。夜明は何度か来た事があった場所だが、ろくな思い出も無い地であった。車は埼玉県へと入った。
夜明「いやぁ、最近のさいたま市の開発は目を見張るモンがありますよねぇ‥。」 女「そうですか?‥。」 夜明「昔じゃ埼玉スタジアム2002や、さいたまスーパーアリーナなんて考えられなかったでしょ?」 女「‥‥。」 時事ネタでは会話は弾まないようだ。
「雨、すごいですね‥‥」「‥‥‥。」夜明の語りかけに最初のうちは一応返答はしていた女は、さいたま市に入る辺りから全く喋らなくなった。 夜明のタクシーは櫛引町周辺まで、辿り着く。この辺りは古い家が多く、家が建った当時の生活形態からか、駐車場が無い家が多く存在する。当然、路駐してる車が道に溢れ、走行し難い。 「どのあたりで停めましょうか?」夜明は女に聞いた。「‥‥ボソボソ‥‥」女は何やら喋るも、激しい雨に掻き消されて夜明は聞き取れなかった。
滝のような雨の中、タクシーは路駐の車を避けながら古い住宅地を徐行する。 今はもっと都心に近い所も住宅地として分譲されている。この辺りは新しく家が建つ訳でも無く、昔からある家が建て替えられる事もなく延々と続く。古い家、路駐車、そして大雨が鬱蒼としたシチュエーションを盛り立てる。 「‥‥ここです」小さい声ながら、はっきり聞き取れる声で女は言った。夜明はウインカーを出し、車を停止させた。雨は更に勢いを増した。
高遠遙一「なんだ、こんな時間に!」 女「あなたには関係無いでしょ!」
急な場面変更はスルーさせていただき、夜明は車を停め「一万二千三百円です。」と女に料金を伝えた。 「…お金……ありません……」「え?」危惧していた展開になりそうな予感がした夜明であったが、「家、そこなんで取って来ます」と女の方から言い出したので 「じゃあ、取ってきて」と夜明は女に家に金を取りに行かせた。滝のように降る雨の中を小走りで女は深夜の住宅地の自宅らしき家に吸い込まれるように夜明の視界から消えた。
しばらく経ったが女は戻って来なかった。 シビレを切らした夜明が女の自宅前に来た時、男とあの女の声がした。 男「なんだ、こんな時間に!」 女「あなたには関係無いでしょ!」 男「なんだと、このアマがっ!」 パンッ パン! 女「キャッ!」
夜明「お取り込みのところ申し訳ありませんが‥、」 女「すいません、すぐにお金を‥。」 夜明「(男に対して)‥アンタ、理由は解らねぇが女性に対しての暴力はよくねえな。」 男「何だと! オメェ色男にでもなったつもりかよ!」
「‥‥ったく」夜明は舌打ち混じりに呟く。夜明の態度に「なんだ?ゴラ」と凄む男を無視し、夜明は続けた。 「世の中には、ルールがある。そう、どんな世界にもルールがあるんだ。三行ルールはちゃんと守ってくれないか」 夜明は嘆くように呟いたが、喧嘩中の男女は「ハァ?」と何だかわからずポカンとするだけであった。
夜明「(それにしても‥、どこかで見た顔だな、アノ男‥。)」 男「おい、さっさとこのタクシーの運ちゃんに金払ってやんな。 はっきり言って目障りだ。」
ぺニス一郎だ
360 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/07/03(日) 13:17:53.99 発信元:124.214.254.138
夜明は料金を受け取り、その場を後にした。 「まぁ職業病だな、デジャーブーって奴か・・。」
夜明「あーあ‥、シートびしょ濡れだよ‥。」 車を屋根のある所に止め、シートを拭いていると‥‥、ケータイ電話が放置されていた。
夜明「さっきの客のか‥、もう夜も遅いし明日届けよう。」 夜明は本日の業務を終了し、会社に帰社した。
363 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/07/04(月) 21:33:15.59 発信元:220.157.225.87
〜第八章、業務を終えて帰宅した〜
勝手に話を切って新章にするなタコ sageもできない奴は来るんじゃねえよ ――というナレーションが流れた。by渡瀬恒彦
会社に戻り、日報を書く夜明に係長が話しかけて来た。♪ポワコンゴン、ビョッビョ、ポワコンゴン、ビョッビョ←BGM 係長「夜明さん。いけませんねぇ、物語が全然盛りあがりませんでしたねぇ。真夜中、大雨、古い住宅地‥‥どうしてどうして話をふくらませられないかなぁ?」 夜明「リレー小説も2手3手先の展開まで考えて話を繋げるセンスが必要なんだ。だが、残念ながら、そこまでの書き手は少ない」
係長「‥で夜明さん、さっきからなにを見てるんです?」 夜明「昨日の忘れ物、このケータイ電話なんだが‥果たして中のデータを見ていいんだか迷っている。」
係長「見なきゃ持ち主解らんでしょ!」 夜明「‥‥でも、見ちゃイケナイものまで見ちゃいそうで‥。」
「まぁ、遺失物として預かっておくよ。夜明さん、携帯の持ち主の見当は付いてるんでしょ?」係長はそう言って携帯を保管庫に仕舞った。 「多分、最後に乗せた若い女性の物だと思うけど」夜明は、そうとしか考えられないといった口調で呟いた。 「まぁ、携帯なんか失くしたら困るだろうから、すぐ問い合わせが来ると思うよ。夜明さんは疲れただろうから、早く、あがってくださいね」係長がそう言うので、夜明は日報を出して帰宅した。
夜明は自室で考え事をしていた。 (あの夜に会った男、絶対どこかで見ている! それも犯罪絡みで・・) 明るい所で見れば思い出せるハズ。
370 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/07/09(土) 23:25:31.35 発信元:124.214.254.138
夜明は保管庫から例のケータイを持ち出し、 そして電話帳の一覧を検索した。 (やっぱ気が引けるなぁ・・)
「夜明さん!」後ろから突然話しかけられ夜明は「ひっ?」と不意打ちの情けない声を出した。 「非番の日の夜の事務所に忍び込んで何をしてるんです?」声の主は係長であった。 「あ、いや、携帯がどうしても気になって‥‥」「そうですか。あんまり怪しい行動は止めてくださいね。あとsageは徹底してくださいよ」係長はそう言って去って行った。
次の日の昼頃、夜明は目暮警部を訪ねて警察署にやって来た。目暮は捜査一課のデスクで冷やしおろしゴボウ天そばを食っていた。 「う、美味いっ!これで420円は安いっ!」目暮は歓喜の声をあげながらスーパーで買ってきたと見られる冷やしそばを食らっている。目暮らしい仕草を見つけ、夜明は吹き出した。 「ん?」冷やしそばに夢中の目暮は、やっと訪ねてきた夜明に気づいた。「おう久しぶり。今日はどうした?」
夜明「‥‥それにしても、ここ最近暑いな。」 目暮「‥‥。」 夜明「‥‥。」
「高遠遙一を見た‥‥。」いきなり夜明は核心に触れた。 「ほう、どこで?」蕎麦に夢中の目暮は真剣に聞いていない。 「真夜中の住宅街の一軒家で」夜明は乾いた声で漠然とし過ぎた事を答えた。
375 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/07/25(月) 03:38:10.78 発信元:111.86.142.201
目暮「あっそ‥。」 夜明「真面目に訊いてんのか?」 目暮「‥‥。」
「久しぶりに松浦食堂のモツ煮が食いたいなぁ‥‥」目暮がポツリと呟く。 「今、蕎麦食ってたばかりだろ?それに夏に食いたいかモツ煮?」夜明は呆れ顔で返す。 「たまに少し涼しい日あると食いたくなるんだな。これが!」目暮の脳細胞は真夏も食欲で満たされていた。
〜第九章、山田うどんの夜明け〜
「だから勝手に話ブッた切って新章にするなってのよ!」夜明は怒り混じりに呟く。 「流れ無視したレスは無効だから、このまま話を続けよう」目暮は、まだ『どこから行っても遠い町』は続く事を念押しした。 「夜のタクシーの話をもっと盛り上げられなかった事が荒らしが沸く諸悪の根源だ。」と夜明。
「だが、このまま話を繋げても何か大きなものに膨らむとは思えんぞ。読み方次第では流れを無視したと断言できんしな。新章にして仕切り直した方が良いのではないか?」と目暮。それに言い返そうとした夜明の言葉を遮るように目暮は続けた。 「まあ夜明君と僕との仲だ。目撃情報として証言をとろう。時間、大丈夫かね?」 夜明は、高遠らしき人物を目撃した住所を証言し、警察署を後にした。タクシーに乗り込んだとき、ふと例の携帯電話のことが気になった。一旦事業所に戻ってみようか…。
380 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/08/03(水) 09:20:14.17 発信元:202.253.96.230
ペニス一郎「あぶなーーい!!」
バキューン! 夜明「どうした!」 目暮「気にすんな、害虫を駆除しただけだ。」
しかし何故かイチロオは笑みを浮かべていた
夜明のタクシーは、イチロオを華麗にスルーし営業所に到着した。(目暮は途中通りかかった山田うどんで降車した。) 丁度、係長が落とし主と思われる人物からの電話に応対しているところであった。 「ええ…、なるほど…、本日中にお受け取りにいらっしゃると…、はい…、了解しました…、お待ちしております。」という言葉を、夜明は耳にした。係長は電話を切った。
係長「よう夜明クン、ちょうど良かった。 この前のケータイの持ち主がウチの事務所に来店するとのコトだ。」 夜明「何時ごろ来るんでスか?」 係長「(午後)3時くらいって言ってたが‥それがどうした?」
385 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/08/07(日) 19:09:23.85 発信元:124.214.254.138
【警部サンよ、午後3時にオレの事務所にきてくれ】 夜明からのメールが届いた。 目暮「メシを食ってからなら丁度いいな。 久々にデカいヤマになりそうだな。」
その時、目暮警部は勃起していた。
タクシー会社の係長の所に電話がかかってきた。夜明日出夫からだ。 「そう言えばさっき『夜明クン』とか呼びやがったな!いくら役職上の立場が上でもな、あんたみたいな若僧にクン呼びされる筋合いは無いんだよ!わかった?訂正しろ」怒りにタイムラグがある夜明であった。 「わかりました。すいません夜明さん‥‥。」係長は拗れると面倒なので簡単に謝った。
そして、夜明日出夫も勃起していた。
目暮はヤボ用で埼玉県警岩槻署に来ていた。岩槻署での用を済ませ、目暮は岩槻署の隣のセブンイレブンでカラアゲ棒とカルビフランクを購入し、車を走らせる。 岩槻警察署の斜向かい、つまりセブンイレブンの真向かいに手打ちうどんの店があり、本当は寄りたかった目暮であったが、夜明との約束の時間が迫っていて、のんびりうどんを食っている隙は無かった。 「埼玉の岩槻から都内の夜明のタクシー会社の事務所までだから結構時間かかるなぁ‥‥。」カラアゲ棒とカルビフランクを頬張り、目暮は、ひとりごとを言いながら車を走らせた。
目暮は約束の時間に大幅に遅れて夜明の勤めるタクシー会社の事務所に到着した。 「遅い、遅いよ目暮さんよォ。携帯の落とし主の女は携帯受け取って帰っちゃったよ。どうするんだよ。」夜明は不機嫌そうに目暮を迎えた。だが、それはただのポーズに過ぎない事は目暮には解っていた。 「夜明さん。アンタ、その若い女性を降ろした場所、覚えてるんでしょ?」目暮がそう言うと夜明の表情もニヤリと変わった。2人は目暮の覆面パトカーで『どこから行っても遠い町』に向かう。
係長「おーい夜明ク‥いや夜明サン、今日の勤務は‥、」 夜明「はぁ? それが稼ぎ頭の俺に対して言うセリフかい?」 係長「‥‥。」
- 覆面パトカー内 - 夜明「なぁ‥、高遠遙一もそうだがスネ夫はまだ捕まらないのか?」 目暮「‥ああ、思ったより手強いよ、ヤツは。」
夜明「で、なんとか捕まえられそうなのか?」 目暮「‥‥。」
目暮警部と夜明日出夫は二人とも勃起していた。
目暮「とにかく! 今は高遠遙一逮捕に集中する!」 夜明「あぁそうだな。」 目暮「集中‥‥タコかいな。」
夜明「‥‥聞かなかったコトにしてやる。」 目暮「‥‥。」
車はいよいよ大宮に入る。否応なしに緊張感が高まる。目暮は車を旧中山道のミニストップに入れた。 「さあ、決戦の前に腹ごしらえだ。からあげ棒とかしか食ってないから腹減った。ミニストップといえば豚しゃぶスパゲティだな‥‥。」相変わらず緊張感が足りない目暮に夜明はヤレヤレといった顔で返すも、夜明自身も空腹であった。 2人はミニストップで豚しゃぶスパゲティとヘルシア緑茶を購入した。
398 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/08/21(日) 13:06:54.89 発信元:124.214.254.138
汚死魔栗男「高遠のヤロー、オンナが出来たらしいなw」 虻能丸「そのようですねぇ。」 となりの車からの会話のようだ。
ぺニス一郎はフジテレビ前に来ていた
ペニス一郎は勃起していた。
- RRRRR(ケータイ音) - 汚死魔栗男「あっちゃー‥。」 虻能丸「どうした?」
汚死魔栗男「高遠からだよ‥、どうしようか。」
汚死魔「ん?あれは‥‥」 汚死魔栗男はミニストップのゴミ箱に空容器を捨てる目暮の姿を見た。 汚死魔「もしもし‥‥」高遠からの電話に出る汚死魔。
豚しゃぶスパゲティを喰らい満腹感をみたした目暮と夜明は車を走らせた。車は、いよいよ櫛引町に突入した。 「大宮の駅から考えても位置的に遠いし、もっと北上して日進町に入れば日進の駅があるけど櫛引町はどこから行くにしても不便な町だよな」目暮は呟く。夜明は全面的同意といった顔で頷く。 夜の大宮櫛引町。路駐してる車をよけながら、覆面パトカーは、一軒の家の前に着いた。
目暮と夜明が問題の家の門をくぐろうとした時、宅急便の配達らしき人物の声が聞こえた「ありがとうございましたぁ〜」 宅急便の制服の男と入り口ですれ違った目暮と夜明は「荷物を受け取ったという事は、家に人がいるという事だ!」「踏み込むなら今だ!」と緊張感を走らせた。 チャイムを押す目暮。「はーい」と女の声が中から聞こえた。
406 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/08/28(日) 13:03:52.89 発信元:124.214.254.138
玄関口に出た女はキョトン顔だった。 女「あの・・どちら様で・・?」 夜明「先日・・あなたをお届けしたタクシードライバーの夜明と申します。 ちょっとお話を伺いたいのですが。」
女「あ‥‥、はぁ‥‥。 で何を?」 夜明「ご同居されてる男性の件なんでスが‥。」
女「あ‥あのぅ、何故あなたにソレを説明しなければイケナイのでしょうか?」 夜明「‥‥、」
「まったく‥、まわりクドいオッサンだなぁ。 代わりな!」 目暮登場!
410 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/09/03(土) 19:06:35.55 発信元:124.214.254.138
「私なら問題は無いかな。」 目暮が余裕をコいて問う登場! 女の目は警戒心に満ちていた。
411 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/09/04(日) 09:54:10.97 発信元:124.214.254.138
「警視庁捜査1課の目暮と申します。」 「警視庁の人がなぜこんなところに・・?」女は疑問に思った。
「ここに高遠遙一がいる筈だ。高遠は凶悪脱獄犯だ。匿うと貴女も罪に問われる事になりますぞ」 「‥‥‥‥‥。」 目暮のあまりの直球に女は絶句してしまった。
女「高遠でしたら、今、宅急便業者に変装して出て行きましたよ」 目暮「しまった!迂闊だった!」 夜明「‥‥‥ものすごいベタな話だな。」
目暮「てか、何で俺たちがココに来るのがバレたんだ?」 夜明「警部サンよ‥‥、ココに来るの誰かに喋ったか?」 目暮「いや‥、それは断じて無い!」
夜明「逃走するにはタイミングが良すぎるな‥。」
416 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/09/19(月) 11:43:36.26 発信元:124.214.254.138
目暮「で、高遠遙一は何処へ行きやがった?!」 女「知りません!」
その光景を陰から観察している男がいた そうぺニス一郎だ
418 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/09/25(日) 10:43:29.76 発信元:124.214.254.138
警官「ちょっとそこの人、そこで何やってるの?」 何も言わず立ち去るペニス一郎。
「高遠遙一を取り逃がしたのは残念だが‥。」目暮はさほど落胆した素振りも見せず、続けた「せっかく埼玉まで来たんだ『すたみな食房アントくん』へ行こうぜ」 「アントくんと言えば、伝説のすた丼(すたみな丼)を出す店だよね?」と夜明。グルメな夜明も当然知っている店だ。 目暮は「イエス!」の言葉の代わりに片目をつぶり親指を立てた。車は大宮からやや南下した埼大通りに向かい走り出す。
420 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/10/02(日) 21:14:36.86 発信元:124.214.254.138
アリさんマークの目立つ看板だ。
夜明「せっかくだから横のロヂャースに寄って行きたいんだが‥。」 目暮「しょうがねぇなぁ‥。」 ちなみにロヂャースとは、ほとんどの生活用品が安く手に入るディスカウントショップである。
そして‥‥ 目暮「で、何買ったの?」 夜明「下着とカップ麺だが‥悪いか?」
目暮と夜明は車をロヂャースの駐車場に停めて、徒歩でアントくんに入店した。 2人は『すた丼 肉増し』という全く同じ物をオーダーした。 「オープンした頃に来たっきりで久々だ」と目暮。「最近知って、今日で2度目だ」と夜明。
424 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/10/09(日) 18:51:10.84 発信元:124.214.254.138
「おまたせしました〜」 となりの客がオーダーした唐揚げ定食が出てきたようだ。 目暮「美味そうだな、アレ」
注文したすた丼肉増しがテーブルに並び、満面の笑みを浮かべる目暮と夜明。いきなり肉に食らいつく目暮に対し、夜明は添付された卵をといて丼の中央にかけて食べ始めた。 「フン、わかってないなぁ。いきなり卵をかけてどうする。まずは濃厚ニンニクダレを味わい、卵かけるのは味を軟らかくして変化を楽しむ後半戦に入ってからが常識だぞ」目暮は夜明の食べ方にイチャモンをつけた。目暮の口元は既にギトギトである。 「ハイハイ、警部殿みたいな食のプロじゃないんでね。猫舌は卵で少し冷まして食うのがセオリーなの」夜明は目暮の言葉を軽くかわすと、添付の味噌汁を涼しい顔で啜った。
426 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/10/15(土) 18:13:48.26 発信元:124.214.254.138
店内を見渡すとラーメン、チャーハン、となりはから揚げ定食‥、スタ丼だけの店では無いようだ。
目暮は、ふと窓の外に目をやった。そこに若いカップルの姿があり、声が聞こえた。 「あれ?ここマックだったよな」「変なアリのマークの店になってるよー」「何だよマック無くなったのかよ、どうする?ここで食う?」「えー、やだー、こんな変な店‥‥。」 目暮は「フン」と鼻を鳴らした。「DQNカップルが!マックでも何処へでも行きやがれ」とボソッと呟く目暮であったが、窓の外に目を向けてない夜明には意味がわからない目暮のひとりごとであった。
余談だが、その後そのカップルは埼玉大学向かいのマックまで歩いて行ったそうだ。
「しかし『どこから行っても遠い町』なんて面白くなりそうなタイトルなのに結局飯食って終わりだな、警部」夜明は盛りあがり欠けた今章を嘆いた。 「フン」鼻を鳴らして目暮が返す「雨の夜・傘もささず濡れた女・古びた住宅街・これだけ条件揃った状態で盛りあげられなかった時点で、どうでもよくなったよ」目暮は、すた丼の最後の一切れの肉を味噌汁で流し込みながら呟く。 「リレー小説ですからね」夜明は雨の深夜の時に盛りあげられなかった言い訳みたいな言葉をボソッと囁いた。
〜第8章〜 あの黒いねこに聞いて
-警視庁にて- 白鳥警部「なんだ、高遠遙一をまた取り逃がしたのか‥‥。」 目暮警部「元々埼玉県警の事件だったんでね、それが何か?」
電話は地獄の傀儡師・高遠遙一からであった。電話の内容は次なる地獄計画の打ち合わせの件だ。 待ち合わせは埼玉県の朝霞市である。杉並からは物理的に決して近くない。虻は身仕度をして早速アパートを出た。 素早く仕度をしたため虻は勃起したままであった。
朝霞駅に着いた虻、ここから徒歩でコンビニのサンクス岡一丁目店まで移動した。店内で立ち読みしてる高遠と汚死魔を見つけ声をかけた。 「意外に早く来たな虻。ククク、今度の地獄計画は凄いぞ、ククク…」コンビニ店内ということもあり高遠遙一は少し声のトーンを下げて呟いた。 虻はワクワクしていた。また妙チクリンな計画に違いないが、虻は高遠のしょうもない計画が大好きなのであった。
歌手の植村花菜はCMの撮影の仕事で埼玉県の朝霞市に来ていた。一般家庭を舞台にした撮影らしい。マネージャーとも現地で落ち合う段取りだ。 植村花菜はトイレの神様のヒットのおかげで歌以外の仕事も増えて運気上昇中であった。 「え、と‥‥根岸台2丁目‥‥」目的地の略図を手に歩く植村花菜は、これから自分に降りかかる地獄を知る術も無かった。
植村花菜の前から見るからにキモいデブがハァハァ言いながら近づいて来る。アプノーマルな危険人物を予感した花菜は反射的に道を避けた。 「ハアッ!」途端、道の左右から2人の男が飛び出し、花菜を羽交い締めにした。「うぐぐ‥‥」クロロホルムを嗅がされ花菜は気を失う。 何が起きたのか考える隙も無い早業で植村花菜は男達と共に姿を消した。
437 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/11/17(木) 17:41:03.38 発信元:1.72.2.9
その光景を見ていたのは一匹の黒猫だけだった
宅急便のアンちゃん「俺も見た!」
439 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/11/20(日) 12:33:31.93 発信元:124.214.254.138
宅急便んの男「警察に連絡しなきゃ!」 速攻で通報するクロネコ社員。
薄暗い倉庫みたいな場所で植村花菜は目をさました。「‥‥ここは?」 辺りに人影は見えない。自分を拉致した3人組の姿も無い。花菜は自分が全裸にされている事に気づき、警戒心を強めた。レイプはされていないようだが‥‥。 ギギギギギ‥‥鉄の扉が開く音が聞こえた。──誰かがくる? 下手に動くのは危険だ。花菜は気を失ってるフリを続ける事にした。
汚死魔栗男「フッ、まだ呑気に寝てやがるよ、この女」 高遠遙一「ククク、今からたっぷりと地獄を味わうんだ。せいぜい眠ってるがいいさ。ククク‥‥」 虻脳丸「ハァハァハァ‥‥」
あぼーん
あぼーん
444 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/11/28(月) 09:38:21.28 発信元:182.249.52.7
しかし花菜のお◯街〆はがばがばのぱかぱかだった。マンホールにでも突っ込んで いる様だ。以前 米軍基地でバイトをしている時にやりまくったらしい。 「こんなんじゃ俺のロシアンワイフのスベタリーナとやってたほうがましだった」 高遠がポツリと呟いた。
あぼーん
あぼーん
447 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/04(日) 13:11:53.75 発信元:124.214.254.138
汚死魔栗男「あぼーんばっかだなw」
「冗談はそれぐらいにして始めるか‥‥。」地獄の傀儡師・高遠遙一が動いた。いよいよ地獄の計画が始動するのだ。 「おら、そろそろ起きな!」スカッ! 汚死魔栗男は寝たフリをしてる植村花菜の鼻っつらで屁を放った。
汚死魔の屁の悪臭に花菜の顔が醜く歪んだ。「寝たフリしてんじゃねえよ糞アマ」紳士の高遠が珍しく汚い言葉で花菜を罵った。 「さて、」と前置きした上、地獄の傀儡師・高遠遙一は静かに語り始めた。 「おまえが、思いつきで作った曲が少しばかりヒットしたぐらいで調子こいて『この歌はカットする部分が無い』とかほざいて紅白でフルに時間使いやがった植村花菜だな‥‥。」
あまりの言われ様に花菜が反論しようとしたが、「あっ‥‥」高遠遙一が花菜の右の乳房を軽く揉んだ。 軽く声をあげた植村花菜は自分が全裸にされている事を再認識した。下手に逆らうのは得策ではない。 「調子こいてシチューのCMなんか出やがって」高遠遙一が言いがかりみたいな台詞を吐いた。花菜は高遠の言葉に反論せず我慢して黙って聞いた。一体、自分をどうするつもりなのか?植村花菜は高遠達の目論見が解らない。
「あのCMの歌、なんだよ?ママの料理がナンバーワンだとか……。トイレの神様の時、家族と不仲だとか云々言ってなかったか?」高遠遙一の言葉に植村花菜は顔をしかめた。だが反論はできなかった。 「ようするに、その時その時で世間ウケを狙ってるだけのメッセージも糞も無い安っぽいハッタリ女だという事ですね」汚死魔栗男が口を挟む。 「お笑い芸人なんかとFridayされたよな、ククク、ほんとチャラいアマだな、ククク」地獄の傀儡師・高遠遙一は笑いをこらえきれず冷ややかに笑いながら答えた。植村花菜は唇を噛みしめ下を向き、我慢して高遠達の話を聞いていた。
植村花菜「何これ‥、ザケんじゃないわよ!」 さすがに激怒のようだ。
454 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/08(木) 01:54:57.10 発信元:111.86.142.198
汚死魔栗男「どうやら自分の立場ってヤツを解ってないようですねぇ‥。」 高遠遙一「そのようだな。」
その一部始終を見ている男がいた ぺニス一郎だ
高遠遙一「おい‥、殺れ!」 汚死魔栗男「あいよ!」 ぺニス一郎は瞬殺された。
高遠遙一「逆らえばお前もああなる。」 と、虫けらのように殺されたぺニス一郎の方を指差してそう語った。
458 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/09(金) 00:22:46.25 発信元:202.229.177.64
ペニス一郎は勃起していた。
植村花菜「(誰か‥、助けて!)」 心の叫びは届くのか?
とりあえずチェッコリを踊るしか無いのであろうか?
植村花菜は腹をくくってチェッコリを踊り出した。
462 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/12(月) 10:42:20.55 発信元:183.74.0.179
セック鈴木はそれを見て爆笑した
高遠遙一「‥おい。」 汚死魔栗男「ハイハイ‥(チッまたかよ、命令ばっかしやがって!)」 セック鈴木は瞬殺された。
いやセック鈴木とかペニス一郎とかリレー小説共通の荒らしだから殺す描写も要らず無視して進めていいと思います。
と、虻能丸がささやく。 高遠遙一「そうだな、虻の言う通りだ。」 汚死魔栗男「(だったらいちいち命令すんなよ‥、バカチンが!)。」
ダラダラと嫌々チェッコリを踊る植村花菜に「もっと尻をブルンブルン振らんかい」とダメ出しをする地獄の傀儡師・高遠遙一。 屈辱の涙を流しながら裸チェッコリを踊る花菜を見ながら汚死魔栗男はペニスをしごき始めた。虻能丸は花菜のチェッコリの撮影を始める。 高遠遙一は流し目で汚いような物でも見るように植村花菜を見て、そして冷ややかに笑うのであった。
汚死魔栗男「オレ、もう我慢出来ないっス‥グヘヘ。」 高遠遙一「しょうがねぇなあ‥、好きにしなw」
高遠の了解を得て汚死魔は溜まっていたものを吐き出した「芸能人とセックチュしたいけど一人じゃこわいからてちゅだって〜って、どんだけ小物だよお前w この前はこの前で ありもしない細菌研究所襲撃するとかいっちゃうし・・・どこの陰謀論者だよwww」 虻もすかさず合いの手を入れる「こいつ絶対、神々の指紋とか愛読してるよなwwwwww」 それはそれとしてクロネコ社員の通報を受けた警察の突入により、まとめてお縄になった。高遠には強姦罪もついたが、汚死魔達は未遂とのことだった。
植村花菜は助けが来て高遠たちが逮捕される空想をしたてみたが、当然助けなど来なかった。 チェッコリを踊る花菜は後ろから汚死魔にブチ込まれても踊るのを止めるのを許されなかった。虻は撮影を継続、高遠は冷ややかに笑うだけである。 「うっ‥」汚死魔栗男は花菜の中で果てた。へたれこむ花菜にビンタを食らわす高遠遙一は「まだまだ地獄のショーは終わらへんでえ〜」と何故か関西弁で呟いた。
植村花菜「言い掛かりもいい加減にして!」 高遠遙一「ほぅ、まだ元気なようだ‥なw そう来なくっちゃ。」
「しかし、なんでシチューなんだ?トイレ女ならカレーの宣伝の方がいいのに」「カレーじゃ直球すぎるだろ。『ふうふう』じゃないよ全くよォ」「ひゃははは」 高遠たちの罵声に屈辱の涙を流す植村花菜。 「さて、そろそろ地獄作戦の本丸に入るか。ククク‥‥」地獄の傀儡師・高遠遙一の顔が般若の形相に変わった。
473 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/18(日) 20:48:35.98 発信元:49.98.11.58
それを見ていた男がいた ベーション増田だ
ベーション増田は勃起していた。
高遠遙一「おい汚死魔‥いや、ヤメておこう。」
「嫌ッ!そんな歌、歌えません」涙を流しながらも気丈に植村花菜は『便所』の神様を拒絶した。 ピシン!ピシン!ピシン!ピシン!高遠遙一の強烈な連発往復ビンタが花菜を頬を打つ。植村花菜は地面にへたりこんだ。 高遠は月面宙返り(ムーンサルト)をし、爪先を花菜の背中に突き刺すように着地した「グエ──ッ!」花菜の悲痛な叫びが廃工場内に響き渡った。
高遠遙一「もう一度だけ言う‥、ヤれ!」
「べ、…便所には〜、それはそれは綺麗なァ〜」 四つんばいにさせられ屈辱的な替え歌まで歌わされる植村花菜の涙が地面に滴り落ちる。 「いいザマだ。ククク…」支配欲を満たす高遠遙一。太田裕美に失恋魔術師の替え歌を歌わせて以来の達成感を味わっていた。
480 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/22(木) 02:46:15.81 発信元:183.74.6.76
増田は思わず射精してしまいその場を去った
481 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/22(木) 03:18:09.40 発信元:123.108.237.30
今度はセック鈴木が勃起していた。
植村花菜「もう気が済んだでしょ! いい加減に解放して!」 汚死魔栗男「こんなコト言ってますが‥。」
「お願い。もう許して…」植村花菜は高遠遙一にすがりついた。 「汚らわしい!オレに触るな!」ビィシィッッ!!地獄の傀儡師・高遠遙一の正拳突き張りの爪が刺さりそうなほど強烈な平手打ちが花菜の顔面に炸裂した。 あまりに強烈な平手打ちに花菜は軽く吹っ飛び、回転しながら地べたに崩れた。
484 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/25(日) 14:15:57.92 発信元:1.72.9.74
セック鈴木は射精してしまった
虻能丸「あの‥もうその辺でいいんじゃないかと‥。」 高遠遙一「あ? 俺に命令してんの?」
汚死魔栗男「高遠サンよ、そんな言い方ねーだろ!」 今度は汚死魔栗男が高遠につっかかる。 ピシン!ピシン!ピシン!ピシン! 高遠遙一の強烈な連発往復ビンタが汚死魔栗男の頬を打った。
「あ、違うんです。その辺でいいんじゃと言ったのは、そろそろアレをやってもいいかなと思って…」と虻能丸。高遠遙一はフッと微笑むと虻にゴーサインを出した。 虻はズボンとパンツ(白ブリーフ)をおろし、植村花菜の鼻に肛門を押し当て放屁した。スカーッ! 「くはっ!ゲホゲホッッ」花菜はたまらず顔を歪め咳き込んだ。虻はこの日の為にニラとニンニクを大量に食べていたのだ。
汚死魔栗男「(クソっ、俺は殴られ損かよっ!)。」
虻の屁のニオイにもがき苦しむ花菜に「どこまでも下品な女だ。見苦しい…」と高遠は言い捨て、スタンガンを花菜の首裏に当てた。──グァシュ!「クワッ!!」 スタンガンで気を失った花菜の顔に勃起したペニスを這わせ、汚死魔と虻は花菜のだらしなく開いた口に大量に射精した。 地獄の傀儡師・高遠遙一は油性の赤色スプレーで花菜の背中に大きく『便所女』と書き、汚死魔、虻と共に立ち去った。
数時間後、植村花菜は心配した事務所スタッフによって気を失った状態で発見、保護された。 あまりにショッキングな出来事に花菜は口を閉ざし、事務所は事件を公にしなかった。 この植村花菜拉致事件を知る者は、たまたま現場の廃工場にいた黒い猫だけであった。事件について聞きたければ、この黒い猫に聞くしかないだろう…
〜第9章〜 あるサッカー選手の死
クロ猫社員「俺は一体何だったんだ‥。」
-警視庁- 高木刑事「警部、今年‥じゃなくて来年の正月は休みが取れそうなんですか?」 目暮警部「去年一昨年と勤務だったから、今回はローテーション的には休めるハズなんだが‥。」
494 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/27(火) 02:05:40.78 発信元:111.86.142.197
目暮「まぁ、元旦なんか休んだってするコトなんか無いし‥。」 高木「テレビもツマらんお笑いばっかの番組しかやってないですし‥ね。」 目暮「サッカーの天皇杯決勝戦だけは毎年楽しみにしてる。 まぁ、仕事が終わってからDVDで観戦ってな訳なんだが。」
高木「警部‥、サッカー好きなんでスか?」 目暮「俺はこう見えて、実はサッカー通なんだよ!」
496 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/27(火) 02:08:54.41 発信元:1.72.9.74
ぺニス一郎は毎日が正月である
497 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/27(火) 08:18:39.15 発信元:202.229.177.2
そして、ペニス一郎は毎日勃起している。
498 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/12/27(火) 23:54:26.44 発信元:124.214.254.138
ガンガレ、FC東京!
目暮「FC東京が決勝戦行ったら国立(競技場)行こうかと思うんだが‥。」 高木「行けるといいですね‥、僕も応援しますよ。」
高木「FC東京勝ちましたね。 元旦は国立競技場に出馬確定スか?」 目暮「相手は京都か‥、相手にとって不足アリだが、逆に言えば勝てる相手! 何も事件が無ければ(国立に)行くよ。」
目暮は勃起していた。
目暮「昼飯どうする?」 高木「あ、増田が警部の分も買ってきてくれてますよ『げんき弁当』の日替り弁当ですけどね」 目暮「ほう、それはいいな‥‥。」
目暮「今年も今日で最後か・・、今年は長く感じた。」 高木「激動の年でしたね、今年は。」
そして、元旦。 -目暮邸- 目暮「出掛けてくるわ。」
妻「行ってらっしゃい!」 国立競技場に出掛けた目暮。 目暮「女子サッカーの決勝戦も見逃せないな。」
神戸レオネッサが圧勝した。 目暮「やっぱラベルが違うわ、五輪も期待しちゃうぞ!」
増田はベーション増田だった
お洒落殺人鬼スネ夫は北内可男(きたないかお)と北内小々郎(きたないこころう)の双子の兄弟と大宮南銀のとある店で豆乳しゃぶしゃぶを食べていた。 北内兄弟はその昔、100点コミックというコロコロコミックのパクり雑誌に掲載されていた『走れポケバイ』というマンガでポケバイレースで卑劣な手を使って勝とうとするセコいチョイ役である。 「ククク…。北内兄弟、次の殺人計画にはお前らに協力してもらうぞ。ククク…。」お洒落殺人鬼スネ夫は豆乳しゃぶしゃぶに舌鼓をうちながら不敵に笑う。
511 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/01/14(土) 01:21:24.22 発信元:49.98.7.145
その計画を聞いていた男がいたぺニス一郎だ
「しかし豆乳しゃぶしゃぶなんて言っても普通のしゃぶしゃぶと味変わらんよな」と可男 「茹だった豆乳が固まってグチャグチャで絵的にもキレイじゃ無いよな」と小々郎 「贅沢言うな。オレが肉をご馳走してやる事も珍しいんだからな」と、美味いと思って食ってるスネ夫が少し顔を曇らせて呟く。
513 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/01/15(日) 11:45:28.40 発信元:111.86.142.203
可男「三代目 茂蔵って、豆腐しかないのかよ!」
514 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/01/15(日) 11:48:04.30 発信元:111.86.142.197
小々郎「大体、初代・二代目なんか知ってるか? スネ夫!」
515 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/01/15(日) 12:06:25.60 発信元:49.98.7.145
俺が初代ぺニス一郎だ
小々郎「何だお前は! このコジキ野郎が!」 スネ夫「ピーマンやるから‥消えな!」
豆乳鍋を囲むスネ夫達の席に魔裟斗が現れた。「俺を呼ぶなら、もっといい店にしてくれよ」魔裟斗は席に着くなり文句を言いつつ、勝手に追加の肉をオーダーした。 「ククク…。これで全員揃ったな。魔裟斗、おまえにも殺人ショーでは活躍して貰うぞ。ククク…。」お洒落殺人鬼スネ夫は店内という事を考慮して少し低い声で不気味に笑う。 「豆乳しゃぶしゃぶか…。結局ポン酢で喰うと普通のしゃぶしゃぶと同じ味だな…」あとから来た魔裟斗も北内兄弟と同じ感想を漏らした。結局、美味いと思って食ってるのはスネ夫だけだった。
スネ夫「(コイツらには吉野家のエサで充分だったな‥。)」 海より深く反省したスネ夫であった。
519 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/01/19(木) 02:07:15.28 発信元:111.86.142.198
可男「さてと、腹一杯になったし眠くなったから帰るべ。」 小々郎「じゃスネ夫、ごっそさん。」
520 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/01/19(木) 21:56:32.16 発信元:49.98.7.145
ぺニス一郎ももらったピーマンに大満足だ
お洒落殺人鬼スネ夫、北内可男、北内小々郎、魔裟斗の4人は埼玉県比企郡小川町にやってきた。 「ここにターゲットが現れるのだな?」北内可男がスネ夫に問う。 「ククク‥‥。もうすぐ現れるさ。殺人ショーの餌食になるとも知らず、調子こきながら、な。ククク‥‥。」お洒落殺人鬼スネ夫、久々の殺人ショーが間もなく幕をあげようとしていた。
なでしこジャパンの澤穂希は埼玉県の小川町にやってきた。今日は澤穂希講演会が催されるという話なのだ。 「忙しいけど、講演会なら文化人として、やっといた方がいいからね」澤穂希は調子こいたひとりごとを呟きながら会場に向かっていた。 自分の背後には邪悪な4つの影が迫っている事に、澤穂希はまだ気づいていない。
目暮警部は埼玉県小川町に居た。 実は何者かからタレコミの情報があり澤選手ボディーガードの要請があったからだ。 イタズラ濃厚だが、念には念を・・という埼玉県警の配慮であった。 目暮「全日本選手権優勝おめでとうございます。 国立競技場で観戦させて頂きました。」
澤「ありがとうございます。 で、なぜ私なんかのボディーガードに?」 目暮「よからぬ連中があなたを襲撃するのではないか?という情報を得ました。 当分の間ガードさせてもらいます。」 澤「は はぁ・・」
どうやら北内兄弟のどちらかが2chで澤選手を襲います! と書いて、それが炎上したらしい。
526 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/01/29(日) 17:33:32.61 発信元:124.214.254.138
それともう一つ、スネ夫に恨みのある汚死魔栗男が匿名でこっそり目暮にこの計画をタレこんだ・・らしい
汚死魔栗男とスネ夫は関わりが薄いので、そんな事は無かった。 ただ、スネ夫一味の計画を目暮達が掴んでいる事はスネ夫も想定外であった。 澤穂希の周辺に物々しい警備体制が引かれた事にスネ夫は動揺したが「ククク‥‥。計画を変更し、出直すとしよう。あと助っ人を2人加えて、な。ククク‥‥。」スネ夫の声と共に、怪しい4つの影は姿を眩ました。
スネ夫「おい北内の2人、お前らが2chでツマらんこと書き込んだせいで計画が台無しになっちゃったじゃないか! 責任取れ!」
可男「俺、知らねーゃ!」 小々郎「‥。」 スネ夫「‥お前か!」
小々郎「まさかあそこまで叩かれるとは思わなかった‥、済まねぇ。」 スネ夫「穴埋めはして貰うぞ!」
531 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/05(日) 02:58:58.59 発信元:49.98.7.145
ぺニス一郎が現れた
「最近の某倶楽部は、どうですかな」「流石に参ってきているようですよ、旦那」 「失礼な後輩の存在は先輩のせいでもある、という『自己責任』論を用いるんですね?」 「あっちがお得意の論調を使うのさ、頑張れよ、言葉の調律師諸君」
‥‥と、澤選手の講演も無事に終えてスタッフ一同一息ついた所で、目暮が澤に声を掛けた。 目暮「どうですか、これから食事にでも‥。」
目的は何でしょうか?整理してありますか?
535 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/05(日) 19:10:36.10 発信元:49.98.7.145
目暮には下心があった
目暮の誘いを一蹴すると、澤穂希は講演会の会場をあとにした。 『…フン、警視庁の警部風情が私にモーションかけるなんて、お笑い草よ。私ほどの人間を誘うなら実業家か国際スターじゃなくちゃね…』澤穂希は誘いをかけてきた目暮警部の間抜け顔を思いながら心の中で舌を出した。 調子こいて歩く澤穂希の背後には邪悪な6つの影が近づいていた。
お洒落殺人鬼スネ夫 北内可男 北内小々郎 魔裟斗 邪眼師・飛影 ダイアモンド☆ユカイの6名が澤穂希の背後に迫っていたのだが、澤穂希は調子こいて歩いていたので全く気づかなかったのだ。 ───ドガッ! 魔裟斗の延髄蹴りが澤穂希にヒットした。「…ぐっ」軽い叫び声をあげた澤穂希だったが、一瞬の出来事だった上に、誰も澤穂希なんかに見向きもしていなかったのか、目撃者はいなかった。 澤穂希の姿は6人組と共に消えた。
「ぎゃっ!」───薄暗い廃工場に澤穂希の悲鳴が響く。「いつまでも気失っとらんで起きんかい!」スネ夫がカッブラーメン『マルちゃんまた食べたくなるラーメン』のスープを気絶していた澤穂希の顔面にブチまけたのだ。 「何がまた食べたくなるラーメンだ!麺はノンフライのなかなかのもんだったがスープが駄目だ。まずくて飲めたもんじゃない!」スネ夫は今食べたカッブ麺の感想をのべた。そのスープを澤穂希に浴びせたのだ。 澤穂希は後ろから突然蹴られた事までは覚えていた。蹴られて気を失って、ここに連れ運ばれたようだ。「きゃっ」澤穂希は自分が全裸にされている事に気付いた。「わ、わたしをどうする気?」澤穂希の醜い顔が更に醜く歪んだ。
スネ夫の号令で北内兄弟、魔裟斗、飛影、ユカイも姿を現した。 「私をどうする気?だとよ。ひゃはは」「レイプでもするか?チンコ勃たないけどな」「こんな原人みたいな女で勃ったら変態だろ」「スポーツやってる女は締まりが良いらしいけど、澤はムリだわ」好き勝手な事を口にする男達に澤は怒りで立ち上がった。 「ちょっと、あんた達…」━━━ビシッ!! 「ぎゃっ!」立ち上がった澤穂希の顔面にスネ夫のムチがヒットした。猛獣使いが使用するような屈強なムチだ。ムチの連打が始まる。ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!廃工場に血しぶきが舞う。
540 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/08(水) 02:25:11.81 発信元:49.98.9.116
そこに遅れてぺニス一郎が現れた
おもむろに鉈をとりだしチンチンに降り下ろした。 「3行なのに!あいついんちきだ1」 鉈を掴むみ振り払ったそいつはなんと
スネ夫「おい飛影、そのくだらんラジオ消せや。」 飛影「おっと、気付かんでスマン。」 プチ
ラジオも残像であった。 「小悪魔な女が謝っても信用しないのが魔界の掟」と、
544 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/11(土) 19:45:54.16 発信元:49.98.9.122
魔界は力が全てである
訳であり、魔王が動き始めた。 怪しい動きの有無を判断する特殊部隊が全国を飛び回ってきている。 初見で怪しい異性に対しては万全の体制を採れ、個展を参考にしても構わんという命で、
546 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/12(日) 01:23:30.26 発信元:49.98.9.122
そして悪魔払いの第一人者であるあの男が召集された
コンパ長「ああ、悪魔払いって一括払いのことですよ」(いや、聞いてないから
スネ夫「チッ、とんだ邪魔が入りやがったな!」 魔裟斗「北内の2ch書き込みのせいだろ、ここは仕切り直した方が。」
スネ夫「可男と小々郎、お前ら責任持ってあの変なの処理して来い、これは命令だ!」
そして、いつものように前言撤回するわけである。
551 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/12(日) 16:32:25.25 発信元:49.98.9.122
スネ夫はジャイアンには逆らえない。これは仕方のない事である。
相方とは、そういうものなのだ。
可男「俺も男だ! 汚物を消毒してやるぜ。」 小々郎「うりゃあ!」 2人の活躍で雑魚どもを見事退治した。
554 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/13(月) 01:15:25.39 発信元:49.98.9.122
ぺニス一郎「ククク…奴らなど我ら四天王の中でも一番の小者」
555 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/13(月) 02:13:45.66 発信元:183.74.7.114
その笑いは確実に止まることになるだろうな… と思う人の影があった。
そのペニス一郎は魔裟斗のハイキック一発であっさりKOされた。
スネ夫「さてと、邪魔モノは居なくなった。 穂希チャン、お楽しみはこれからだぜ。」
何だかわからず拉致され裸にされカップ麺の汁をかけられ鞭で打たれた澤穂希だったがスネ夫達が何かと戦ってる隙に服を着て、物凄い脚力で走り出した。 「あ、澤が走ってる。もしかして逃げる気なのかな?」北内小々郎が緊張感の無い調子で言った。 「ハハハ、どこへ逃げると言うのだね」スネ夫も緊張感無くムスカのモノマネをしながら答える。澤は全力で6人の前を走り抜け出口を探した。
澤穂希「何このバイオハザードみたいな建物‥、出口は何処なの!」 迷走する澤穂希、出口は見つかるのか!?
560 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/16(木) 01:57:07.75 発信元:1.66.97.3
そこは地上4000m
562 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/16(木) 08:41:01.40 発信元:211.9.53.105
そう、一郎達の活躍は日本での話ではなかったのだ
澤穂希は廃工場の隅に追い詰められた。 「3分間だけ待ってやる!」スネ夫はまだムスカの真似をやめていなかった。 気まずい3分間が流れた…
564 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/16(木) 21:54:31.20 発信元:1.66.97.3
意を決した澤はスネ夫に渾身のサッカーボールキックを繰り出した
「バカが!age過ぎだ!」スネ夫はヒラリと頭をsageてかわした。
目暮は、最近の流れについて考えていた。 この混沌をどうすれば良くする事ができるのか。
567 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/17(金) 09:34:38.88 発信元:1.66.97.3
目暮はぺニス一郎に相談した
568 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/17(金) 12:11:53.93 発信元:202.229.176.173
「用件を聞こうか。」ペニス一郎は左手でダンヒルの炎をシガーに移した 視線を目暮から離さない 東洋系の細い目には、射るような鋭い眼光がある
ペニス一郎「澤穂希なら向こうの廃工場で見たぜ!」 目暮「何ぃ!」 ペニス一郎「へんな連中に拉致されたようだな、リーダーは平面リーゼントみたいな髪型のヤツ‥だったな確か。」
目暮「(やはりスネ夫の仕業だったか!)」 ペニス一郎「ナイスな情報だったたろ、何かくれ!」 目暮「‥断る!」
正直、澤穂希のことはどうでも良かったのだが、事件にスネ夫が絡んでいるとなれば話は別だ。 目暮「スネ夫よ、お前の調子こいた人生も今日で終わらせてやる!」 目暮が燃えた!
北内小々郎「ま・・マズい! 外おまわりだらけだ」 北内可男「マジかよ・・。」 廃工場のまわりは警官、機動隊に取り囲まれた。
配工場の中から勃起したきゃりーぱみゅぱみゅが現れた。
きゃりーぱみゅぱみゅは、警官によって撃ち殺された。 北内可男「マジかよ! 発砲しやがったぞ。」
目暮「刑事課長サンよ、ツマらんモノ見てないで事件に集中してくんないかな。」 刑事課長「たまたま見てただけ、集中しよう。」 目暮「スネ夫め、今日が年貢の納め時だ!」
スネ夫「飛影・ユカイ、出番だ。 さっさと処理してくれ!」
579 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/21(火) 22:18:02.64 発信元:1.66.97.3
飛影「負け犬が!」
「おいスネ夫。そこにいるのは分かっている。おとなしく澤穂希さんを解放しろ」メガホンを手に目暮警部が廃工場に向かい叫んだ。 「いくら『メッシ選手はシャイだから私に話しかけられなかった』とか勘違い発言丸出しのイタイ女だって拉致して拷問していい事にはならないんだ」目暮は説得を始める。 「チームメイトに『苦しい時はわたしの背中を見な』と大物ぶった上から目線で話す調子こいた女だろうと、自叙伝執筆とか勘違い炸裂な馬鹿女だろうと殺してはいけないんだ」説得する目暮警部であったが、建物内に声は届いていなかった。
目暮「仕方無い、3分後に突入する。 準備してくれ!」
邪眼師・飛影「そろそろ突入するんじゃねーかw」 北内可男「‥‥。」 邪眼師・飛影「その時は警官だろうが、機動隊だろうが吹っ飛ばしてやるまでだ!」
ダイアモンド☆ユカイ「い‥イヤだ、いい加減にしてくれ! お前らのやっていることは度が過ぎてる。」 魔裟斗「チキンだな、お前‥。」 ダイアモンド☆ユカイ「なんとでも言ってくれ、俺は自首する。」
584 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/23(木) 03:12:45.34 発信元:1.66.97.3
渡邊美樹「ククク…私がやろう」
渡邊美樹は勃起していた。
刑事課長「なんだ‥、このヨッパライは!」 渡邉美樹は警官によって駆除された。
587 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/25(土) 20:35:41.95 発信元:1.78.36.96
目暮「総員突入!!抵抗した場合は射殺して構わんッッッ!!!」 目暮の号令により警察官達が一斉に廃工場に突入した。
しかしスネ夫一味は裏口から既に逃げ去っていた。 廃工場には澤穂希が裸で縛られた状態で逆さ吊りにされ、肛門に花が差し込まれていた。 「見事な生け花だ‥‥。」警官隊の口から不謹慎ながら的確な言葉が洩れた。
とにもかくにも澤穂希の救出には成功した目暮軍団であった。 ダイアモンド☆ユカイだけはスネ夫達とは行動を共にせず、素直に投降した。
ダイアモンド☆ユカイ「何もかも話しますから極刑だけは‥。」 目暮「じゃあ聞く‥、スネ夫達はどこに逃げた?」 ダイアモンド☆ユカイ「わかりません キリッ!」
「スネ夫グループに拉致られて殺されなかったのは倉阪鬼一郎先生以来の事ですね」高木刑事は救出された澤穂希を見ながら目暮に言う。 「そうだな、大物は助かるものなのかね」何故か笑いながら目暮は返した。 「それにしても何故、スネ夫は澤穂希を狙ったのでしょう?」と高木。「なぁに‥」と呟き目暮はユカイを見た。「それはあいつに聞いてみようじゃないか‥‥。」
ダイアモンド☆ユカイ「スネ夫の仲間に元格闘家の魔裟斗が居ました。」 高木刑事「ほう‥。」 目暮警部「元ボクシング世界チャンピオンの渡辺二朗もそうだが、格闘家ってヤツは落ちぶれると悪の道へ進むヤツが多いよな‥。」
ダイアモンド☆ユカイ氏の口から今回のスネ夫の動機が明かされた。急死したサッカー選手松田直樹氏の追悼の意味での事件であったのだ。 「‥‥そうか、そうだったのか」目暮は殺人鬼スネ夫の優しい面を垣間見た気がした。 澤穂希監禁暴行事件は、あるサッカー選手の死がもたらした悲しい事件であった‥‥。
〜第10章〜 さいたま餓死アパート見学会の怪
ダイアモンド☆ユカイの証言により、魔裟斗も全国に指名手配になった。魔裟斗の芸能生活が事実上終わった瞬間であった。
596 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/26(日) 21:51:22.66 発信元:1.78.36.96
警察は魔裟斗のアパートを捜索したがもちろんもぬけの殻だった
タクシードライバー夜明日出夫は勤務を終え、早朝に社に戻った。売上は目標額を大きく下回っていた。 「ふぅ〜」と溜め息を夜明は吐いた。詰所で日報を書く夜明に同じ頃社に戻った同僚が話し掛けてきた。「夜明さん。夜明さん。昨夜の客で1人、埼玉の方に乗せたんだけどさ」 「ん、埼玉?それで」「ほらさ、目的地が、あの最近あった一家餓死事件の現場の方でさ」同僚の言葉に夜明の日報を書く手が止まる。さいたま一家餓死事件。謎が多い事件である。
599 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/02/28(火) 02:27:01.71 発信元:49.98.16.85
翌日、夜明のタクシーを止めた男がいた 端整な顔つきの目つきが鋭い男であった
「横浜の緑区まで」タクシーを止めた男は夜明に告げた。 「はいはい緑区ね〜」男を乗せて夜明のタクシーは都内から南下する。 「頼むからageないでくれ」不意に夜明は洩らした。「ん?」客は訝しげに夜明を見たが「いえいえ、こちらの話で」夜明は営業スマイルで流した。
「ねえ、運転手さん?世界には分からなくていいことってあると思う?」 「勿論ですとも、女房の月経を代理して分かりたくもありません」 「冗談次第で、その女とセックスしたいと思わない、と判断する男っていると思う?」
その頃、探偵・神宮寺三郎は新宿の自分のオフィスでネットでニュースを眺めていた。───その中に神宮寺の興味をひく事件が1つあった。 「先生、珈琲をいれました」助手の冴子が神宮寺のデスクにマグカップを置いた。「あ、ありがとう」神宮寺は冴子に目を向けずパソコンに目を向けたまま応えた。 神宮寺探偵事務所。ジャズが流れ、煙草と珈琲の匂い漂う大人の空間。しかし捜査の依頼が来ないと正直する事もない。「先生、さっきから何の記事を見られてるんですか?」冴子が神宮寺に尋ねた。
神宮寺「さいたま市であった一家3人餓死事件の記事だよ」 冴子「先生、3人同時に餓死する事ってあるんでしょうか?」 神宮寺「……そこなんだよな。そして、この事件は不可解な点がまだ有る」
-警視庁- 高木刑事「おい増田、何見てんだ?」 増田刑事「あ‥ちょっとこの記事を‥。」
さいたま市で一家3人死亡、死因は餓死か? 増田「これ、なんか不思議でスよね‥。」 高木「不思議っちゃ、不思議だよな‥。」
607 :
黒米 祐馬 :2012/02/29(水) 03:32:48.61 発信元:74.120.12.135
倉阪鬼一郎「おっと、コレ(
>>607 )じゃ無かったな。」
倉阪鬼一郎はトリック博士邸に電話をかけた。倉阪鬼一郎は、さいたま市一家餓死事件の現場についての事に思考が支配されてしまった。───トリック博士なら何か詳しいネタ(情報)を持ってるかもしれない。 『ホッホッホ、倉阪さん、貴方もですか。ホッホッホ』さいたま餓死事件についての話をした途端、電話口の向こう側の博士は愉快そうに笑いだした。 『倉阪さん、貴方以外にも2人ほど、同じ用件で連絡を寄越した人がいましてな。どうです?1回集まりませんかな?ホッホッホ』電話口のトリック博士は尚も愉快そうに続けた。事情はよく分からないが倉阪鬼一郎はトリック博士邸に向かう準備を始めた。
倉阪鬼一郎「手ぶらで訪問するとイヤミを言うようになったからな‥、何か買って行くか‥。」
611 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/04(日) 16:56:47.93 発信元:49.98.16.85
倉阪は自家製トンスルを片手にトリック博士邸へ訪れた
612 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/05(月) 00:51:53.14 発信元:111.86.142.201
ここで解説 「トンスル」のまとめ トンスル()は、韓国において人、犬、鶏の糞を漬け込んだ薬用酒(「『韓国人、トンスル飲む』、日記事論難」)ヘラルド経済(2009年8月4日)>。トンスルとは韓国語で「うんこ酒」という意味。
倉阪鬼一郎がトリック博士邸に到着したのは夕方の6時のやや前であった。「ホッホッホ、意外に早く来ましたの。ホッホッホ」トリック博士はいつもの調子で倉阪を迎いいれた。 トリック博士邸には先客が2人いた。タクシー運転手・夜明日出夫と私立探偵・神宮寺三郎であった。倉阪は神宮寺とは初対面である。 「ホッホッホ、揃いましたな。では行きますか。夜明さんのタクシーで行きましょう。」挨拶もそこそこに一同は夜明のタクシーに乗り込んだ。言葉はいらない。思いは1つだ。車はさいたま市北区吉野町2丁目に向けて走り出した。
夜明「北区吉野町って、大宮市場のあるところだよな? なんか美味いモンでもあるんか?」 トリック博士「ホッホッホ、まぁ行けば解りますよ。」
615 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/06(火) 15:52:30.04 発信元:202.229.177.3
トリック博士は勃起していた。
夜明は
>>615 を車で轢いてしまった。
夜明「ジャマだボケが!」
トリック博士「ホッホッホッホッホ。」
「勃起していたとかペニス一郎とかはリレー小説スレ全般での荒らしなので完璧にスルーした方がスレが汚れないよ」後部座席から倉阪鬼一郎が囁いた。 「ホッホッホ、そう言えば夕飯はまだでしたな」助手席のトリック博士がそう言うと運転している夜明の腹がギュルルと鳴った。 車はいよいよさいたま市に入ろうとしていた。
さいたま市に入って間もなく、車は勃起荒らし
>>617 を猛スピードで轢き殺した。
車はついに吉野町に突入した。大正製薬の規模の大きな工場やシャトルの吉野原駅を越えると鬱蒼とした林みたいな道に入る。 「薄気味悪い所だな」運転席の夜明が正直な感想を呟く。辺りは街灯も無く、小規模な工場や畑の中に住宅がポツポツと点在してるが、時間的に明かりが灯る窓も少ない。暗い闇の中の林といったエリアだ。 「地図では現場はセブンイレブンとローソンに挟まれた地点だったよね?」夜明は倉阪に訊ねた。倉阪は軽く頷く。「ホッホッホ、コンビニに寄りますかの」トリック博士の提案で、車は手前のローソンの駐車場に滑り込んだ。
倉阪鬼一郎「あ〜丁度よかった! トイレ‥。」 しかしトイレには先客が居た。
そしてトイレから出て来た人間に倉阪は驚いた! 「あれ〜、倉阪サンじゃないっスか〜。」 船越英一郎、久々の登場である。
船越「ローソンでなにか買って食うなら焼パスタが美味いですよ」 それだけ言って船越英一郎は去って行った。 何故 船越英一郎がさいたまのローソンにいたのかは謎であった。
「えと、
>>619 の地図で見ると現場のすぐ奥にセブンイレブンが見えますね」
「ワイドショーで『近所の店』として出てきたのはこのセブンぢゃな」
「セブンイレブンの所在地は上尾市になるんですね。現場、ホントさいたま市と上尾市の市境なんだ…」
船越がわざわざ言い残して去った『焼パスタ』を倉阪は4つ購入した。「焼パスタは私がおごりますので飲み物はそれぞれ各自で買ってください」倉阪鬼一郎は飲み物代をケチった。 トリック博士は黒烏龍茶、神宮寺はワンダ焦がし微糖、夜明は500ml紙パックのベジタブルフルーツ、そして倉阪は……。 「どうせだから現場マンションの前に移動して食べましょう」4人は車に乗り込み、車はついに餓死現場マンションに向けて走り出した。
626 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/10(土) 01:54:03.51 発信元:1.66.99.79
現場マンションには一人の男が佇んでいた 「こんな時間にいったい何してるんだ…」 一同に緊張が走った
夜明は車から降りて、男の耳元で言葉を呟くと、男は去って行った。 車に戻った夜明に倉阪が訊ねた。「何て言ったんです?」 「なぁに」夜明は当たり前といった調子で答えた。「頼むからageないでくれと言ったんですよ」
「博士、写真が逆ですよ」夜明が咎めたがトリック博士は「ホッホッホ」と笑い続けるだけであった。 焼パスタに歓声をあげた倉阪だったが、誰も倉阪の意見に同意する者は無かった。 「別にまずくないけど、普通」皆の意見に倉阪も「……そ、それほどでもないかな」と意見を訂正した。
ここまで全く口を挟まなかった探偵・神宮寺三郎がワンダ焦がし微糖を飲みながら後部座席から言う「そろそろ本題に入りませんか?」
「そうぢゃな……」トリック博士も用意してきたフリップを出した。
http://imepic.jp/20120311/536100 「まず、この事件は不可解な点が多い。いちばん大きな謎は、3人が同時に『餓死』するなんて事が有り得るのか?という点です」神宮寺は率直に現時点で解明されていない謎を提示した。
632 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/11(日) 15:58:55.44 発信元:1.66.99.79
黙祷!!
633 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/11(日) 16:29:15.47 発信元:61.125.226.96
「30代息子も何の手も打たず両親と餓死したのが解せない。仮に餓死が同時じゃなくタイムラグがあったとして…」神宮寺は1つの仮説を述べる。「動く事が出来ない状況下にいる者がいたのではないのか?」 「ホッホッホ」トリック博士が独特な笑い声をあげ、口を挟んだ。「警察も馬鹿じゃ無いですぞ。警察は事件性は無いと見た訳なのだから、その点は間違いない筈ぢゃ」トリック博士はブルーシートが掛けられていない現場の窓を指して言った。 「外傷も争った痕跡も無く病死でも無いなら餓死でしょうね。そこは間違いないと思います。」と、断った上で神宮寺は言った。「みなさん。不思議に思いませんか?」
夜明「不思議に思っているから、こうして集まってんじゃねーか!」 倉阪「右に同じ!」 神宮寺「‥‥。」
636 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/13(火) 02:43:05.39 発信元:1.66.99.79
ぺニス一郎「全くだぜ」
「覚悟の自殺の可能性もあるんじゃないか?」と夜明。「自殺で餓死なんて選びますか?自殺なら他に方法は有ります。飢餓の苦しみは半端じゃありませんよ」と倉阪。 「ホッホッホ、一番考え易いのは…」トリック博士は1つの仮説を述べる「生きる意志が無かったんじゃないかのう…。生きようとする気持ちが無かったから、助けも求めず、結果、死んでしまった…と」 「自分もそれは考えましたが、電気・ガスも止められて唯一止められてなかった水道で風呂場に水を貯めて水道まで止められた時に備えていた訳ですよね?」神宮寺は博士の仮説の隙を付く。「死んでかまわない人の行動とは考え難いと思います。」
「頑張って生き永らえようとしたけど力尽きたんじゃないかな?」と倉阪。「3人同時にですか?おかしいでしょう?」神宮寺は引かない。 「被害者は名前も公表されてないし、被害者がどんな人間で、どんな考え方をする人間だったのか分からないと推理もしようが無い」と夜明。「ホッホッホ、まず、そこぢゃな…」トリック博士は夜明に同意した。 議論が熱くなる一同の車の前を1人の女が通過した。全身黒装束に覆われているが、体の線から女性と分かる。「……あ、あの女、まさか……」
その黒装束の女の顔面は白い包帯でぐるぐる巻きであった。 目と口の部分だけが僅かに開いており、その不気味な風貌に一瞬たじろいだ。 その顔面包帯の女は不気味な眼光でこちらを見ていた。
「あれ?BMWじゃ無いんかな?」「BMW?」「ブラック・マジック・ウーマン。黒魔術の女」「多分そうぢゃよ、だが、あの包帯は一体……?」 突如 現れた懐かしい登場人物であったが様子がおかしい。 唯一 面識があるトリック博士は車を降り、BMWと思われる女と話しに行った。
夜明「おい、気味悪りぃ女だな。」 倉阪「博士はアノ女を知ってるんでしょうかねぇ?」 神宮寺「さぁ‥。 で、博士は何しに女の所へ行ったんだろう‥。」
包帯女の目と口の部分に僅かに開かれている所から、女の肌がほんの僅かに覗いていた。 包帯女の目の周りは、赤く焼け爛れているのが確認出来た。 どうやらその不気味な風貌の女は、顔面に大火傷を負っている様である。
643 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/15(木) 19:42:46.34 発信元:1.66.99.79
ぺニス一郎はその女を尾行していた
ペニス一郎は勿論、全裸で勃起していた。
顔面大火傷の包帯女は、ぺニス一郎の勃起したぺニスをガン見していた。
(おや?違うな)トリック博士は黒装束の女をよく見ると、例の『黒魔術の女』では無い事に気づいた。 女はトリック博士に目もくれず現場マンションを通過し、立ち去って行った。 「なんだったんだ?あの女は」「ただの通行人だったんじゃない?」
車に戻ってきてトリック博士は神宮寺に聞いた。「ホッホッホ神宮寺さん。貴方、いつもワンダの焦がし微糖を愛飲してるのかのう?」 「いえ、たまたま、飲んだ事が無いやつが売ってたので買ってみただけですが?」神宮寺は何故トリック博士がそんな事を聞いてくるのか、その真意が分からずに答えた。 「ホッホッホ、いや、てっきり、この餓死現場見学に合わせて こが死人(しびと)にしたのかと思いましての。ホッホッホ」
倉阪が得意気に呟く「それなら孤餓死人(こがしびと)の方が面白くないですか?」 「不謹慎ぢゃよ!ここを何処だと思っとるんぢゃ!」人が死んだ場所で軽口を叩いた倉阪をトリック博士は珍しく声を荒げ叱責した。 「す、すいません、つい‥‥。」「そんな事だから、面白い小説を書けないんぢゃよ」言われなくてもいい事まで言われて怒られた倉阪鬼一郎は凹んだ。
事件現場で飯食ったり写真撮ったり悪趣味極まりないな
神宮寺「なんか腹減りましたね」 トリック「焼きパスタとか中途半端な物を食べたら余計に腹が空いたのう…」 夜明「産業道路に出れば、くるまやラーメンがありますよ」
夜明は車を現場マンションのすぐ裏のセブンイレブンに向けた。ここは住所的には上尾市になる。 ここのセブンイレブンのゴミ箱に焼きパスタの空き容器ゴミを捨て、車は産業道路に向かった。 多くの謎を残し、いまいち盛りあがらなかったまま、この悪趣味極まりない(笑)ツアーは幕を閉じた。一番の謎は吉野町のローソンに船越英一郎がいた事だったかもしれない。
〜第11章〜 ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス
その頃、現場マンションにはあの包帯女が現れていた。 包帯女はマンションをじっと見つめていた。
調理人・潮見味平はFMーNACK5を聴きながら店で出す肉の下ごしらえをしていた。だいぶ慣れたとは言え、気が重い作業だ。なぜなら、この肉の正体は………。 『では、次は、ふじみ野市のラジオネーム、……さんのリクエスト〜』昨今、FMラジオもろくに音楽も流さず、DJの喋りばかりだ。味平は気を紛らす為にラジオをつけているが、実際はほとんど聞いていない。 『うちの奥さんも子どもたちも、この曲を聴きながら、いつも踊り狂っています〜。ではラジオネーム…さんのリクエスト曲、スターダストレビューでブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス』
656 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/18(日) 14:52:16.34 発信元:1.66.99.79
ぺニス一郎が店のドアを叩く
ペニス一郎は勃起していた。
余計なチャチャ入れる奴が来なけりゃスゲー面白いのにな スルーすりゃいいとは思うけどさスゲー邪魔 他のどうでもいいスレに行って欲しいな
‥と、潮見味平はボヤいてみた。
その『boneーriver』に思わぬ客が来店した。 汚死魔栗男「あぶチャン、ここでいいかな?」 虻能丸「なかなかいい店ですな。」
「やっぱり評判通り美味いや」「ハァハァハァ…オ、オイシイ」汚死魔と虻は肉の正体も知らずスペシャル肉に舌鼓をうった。 潮見味平もこの2人の正体を知らなかったし、汚死魔と虻も調理してるのが以前に地獄の傀儡師の相棒だった男だという事を知るすべも無かった。 汚死魔たちが美味そうに肉を頬張る中、店には新たな客が来店した。「いらっしゃいませ」入ってきたのは漫画家の松本零士と弁護士の成歩堂龍一であった。
「旨い!こんな旨い肉は食べた事がない。一体何の肉なんだろ?」松本零士はスペシャル肉を絶賛した。 「ん?こ、これは」成歩堂龍一はスペシャル肉を一口食べて唸った。「食べた事がある味だ。アフリカのある種族を訪ねた時に……」 成歩堂龍一は肉の破片をこっそりハンカチに包み持ち帰る事にした。松本零士は旨い旨いと吠えながらキレイに完食した。
成歩堂龍一は家に肉を持ち帰った ハンカチをひらいて見ると 動いている 気持ち悪いとゴミ箱にすてた するとゴミ箱がガタガタ揺れている ・・・・
ゴミ箱の下からゴキブリが現れた。揺れて見えたのはその為だろう。 確かに震えるほどの衝撃を成歩堂龍一は受けた。 「これは、もしかしたら、とんでもない事が起きてる可能性があるぞ…」
「なんでそんな曲を流す?」「あ、ついブラックペッパーという単語に反応しちゃいまして‥」「止めてくれ。メシが不味くなる」「そうですか?警部なら踊りだすと思ったけどな」 目暮と増田が噛み合わない会話をしている所に船越英一郎が訪ねて来た。 「どもー、お久しぶりです〜。昨夜のぼく主演のドラマは観てもらえました?」
「観たよ。TBSの月曜の2時間ものにしては面白かった。犯人も意外だった」たいてい貶す目暮が珍しく船越のドラマを誉めた。 「山村紅葉さんとの夫婦役も良かったですよ。船越さんと京都って相性良いですよね」増田も目暮同様に船越のドラマを讃えた。揃いも揃ってサスペンスドラマを観てられるほど昨夜は警察もヒマだったのだろう。 「あ゙、ところで目暮さん。何食ってんスかァ?」船越は目暮の手にあるカラマヨ丼に目をとめた。
目暮「見ての通りカラマヨ丼だが。」 船越「そんなんで満足っスか?」 目暮「‥いったい何しに来たんだよ!」
「船越さん、カラマヨ丼見た目でナメてるでしょ?まぁ、最初は誰でもそうだろうな」目暮は自分も見た目でなかなかカラマヨ丼を選ばなかった事を思いだし呟いた。 「丼にからあげがまぶしてあると言っても、大きな1つのからあげを砕いたぐらいのショボい量のからあげが乗ってるだけだし、確かに400円でも高いと思うわな。みんなそう思うだろうよ」目暮は更に続けた。 「しかし、実際に食ってみるとだな、ほか弁系の食べ物でこれほど旨い物は他に無いんじゃないんかと言っても過言じゃない絶品グルメなんだな、これが。」
670 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/23(金) 02:34:02.55 発信元:1.66.99.79
船越「弁系ってなんだよ…」
目暮「ほか弁・系な。」
目暮と船越のやりとり中、弁護士の成歩堂龍一が目暮を訪ねて来た。「目暮さん、この節はどうも」 「フン、誰かと思えば、あの漫画家野郎の弁護士じゃないか。また何かあの漫画家に言われてイチャモンでもつけに来たのかい?」目暮は攻撃的な口調で言い捨てたが、目は笑っていた。 「イチャモンって‥‥。それはむしろ零士先生が警部に言いたいところの話でしょ、‥‥って、今日は松本零士先生のお話じゃないんですよ」弁護士・成歩堂龍一はいつになく神妙な顔で話し始めた。
目暮「何ぃ、『boneーriver』を調べろって?」 増田「『boneーriver』って、高遠遙一の‥」 目暮「‥違うよ。」
増田「だからぁ、その高遠遙一の相棒だったヤツが調理場に居る店でしょ‥。 名前は確か‥、」 目暮「‥‥誰だっけ。」 成歩堂「潮見味平、この店のオーナー兼シェフです。」
船越「味平が‥、どうかしたんですか?」 成歩堂「彼を知っているんですか?」 船越「彼はリッパな調理師です、間違いありません!」
「まず、この肉を調べてもらえますか?塩見味平の店で実際に客に出されている物です」成歩堂龍一は布に包まれた肉片を出した。 「わかった。おい増田、この肉を科捜研に回せ」目暮は成歩堂の持参した肉片を調べてみる事にした。 「‥‥私の舌の記憶が確かなら」成歩堂龍一は一呼吸置いて言った。「この肉はとんでもない代物ですよ」
目暮「クジラとかイルカだったら国際問題だよなぁw」 船越「いや、クジラは調査捕鯨の範囲内なら問題ありません。 イルカに関しては解りませんが‥。」 成歩堂「クジラやイルカ程度じゃこんなところに調査なんか依頼しませんよ。」
その頃、トリック博士邸には土井塔克樹が訪ねて来ていた。「博士、boneーriverって店は御存知ですか?」土井塔克樹は持参した山田うどんのテイクアウトの餃子を自分で食べながら博士に問う。 「ホッホッホ、何やら怪しげな噂がある店ぢゃな。行った事は無いがのう」博士も餃子に箸をのばす。 「噂が本当なら大変な事ですが、この店『旨い』と評判なんですよ。実際、旨いんですかね?──────人間の肉って‥‥。」
土井塔「まぁ、同業者の嫌がらせでしょう。 実際『人間』の肉なんて使える訳無いんだし‥。」 トリック「そのスペシャルなんとかと言う料理は何の肉を使っているかという表示が無いと聞いたがのぅ‥ホッホホ。」
土井塔「確かにそうなんです。 何人かの客はコックに訊いたそうなんですが、『それは企業秘密です。』ってかわされたとのコトです。」 トリック「確かに答えてくれなきゃいろんな疑心暗鬼が沸いてきますな。ホッホッホ」
「実際、人間の肉が美味いなんて話が広まったら、大変な世の中になりそうですよね」 「そうじゃな。話は変わるが土井塔くん、山田うどんがスパゲティを始めたようぢゃのう」 「話が変わり過ぎですが(笑)ええ、始めたみたいですね。スパゲティも箸で食わすらしいです。山田らしくていいですね」
682 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/25(日) 23:50:02.50 発信元:124.146.175.17
山田うどんは完全に勃起していた。
-警視庁- 船越「成歩堂サン‥ですか? いったい味平に何の疑惑があるって言うんです?」 成歩堂「船越サン、アナタはアノ料理を食べたんですか?」
船越「スペシャルランチですか? 食べましたよ! たいへん美味しい料理でした。」 成歩堂「素材は解りましたか?」 船越「いや! だから何だって言うんですか?」
言い合いながら船越と成歩堂は帰っていった。目暮はパソコンでboneーriverについて検索してみた。 塩見味平は雇われ店長兼調理人でオーナーは謎の人物になっている。肉問屋や精肉店と流通契約をしておらず、独自のルートで、この謎のオーナーが肉を調達しているようだ。 「ただいま戻りました〜。あれ?警部、何を調べてるんですか?」部下の高木刑事が戻ってきた。高木刑事は今、最近起きている調子こいた芸能人やスポーツ選手が相次いで失踪している事件を捜査していた。
目暮「お疲れ。で‥どうよ、そっちの方は?」 高木「収穫ナシです。 有名人が故に極秘で調査をってコトですが正直限界を感じます。」 目暮「‥‥大変だな。」
687 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/27(火) 02:20:43.04 発信元:1.78.25.113
名探偵ボナンがその謎に挑む
目暮「高木、『boneーriver』ってトコでメシ食ったコトあるか?」 高木「え? えぇ、何度か。」 目暮「何が一番美味かったよ?」
高木「えーと、まずは牛挽肉のチーズカツレツに、豚角煮‥‥あっそうだ、スペシャルランチはぶっちゃけお薦めですよ。」 目暮「‥そうか。」
時刻は午後2時。塩見味平はboneーriverの厨房で一息ついた。だいたいどの飲食店も昼食と夕食の間の時間帯は暇になる。店によっては店を閉めてる事もある時間帯だ。 味平はランチタイムの混雑を捌いた客のいないこの時間に新メニューを考案した『味平流・ブラックペッパーのたっぷりきいたオニオンスライス』 思いついたきっかけはラジオから流れていた『家中で躍り狂う』というあの曲だ。スライスした玉葱に黒胡椒をあえただけの物であったが味平は新メニューに手応えを感じていた。
誰かが店に入ってきた。この時間帯に客とは珍しい。「いらっしゃいませ…あ、船越さん」入って来たのは船越英一郎であった。 「ど、どうしたんです?そんな恐い顔して」味平は船越から只ならぬ気配を感じた。「おい味平!俺の目を見ろ!」船越は塩見味平をにらみつけながら言った。 「おまえ、何か法に触れるような事をしてないか?もししてるなら忠告してやる。もうすぐこの店には手が入る。以上だ。友人として話せるのはここまでだ。何かの間違いである事をオレは信じている」それだけ言うと船越英一郎は店から出て行った。
塩見味平「(ふ‥、そうだよな、いつかはバレると思ってた。 結局俺は‥‥バカからは卒業出来ない人間なんだな。)」 味平の目からは知らず知らず涙が溢れていた。
とりあえずスペシャルランチはメニューから外そう。 素材の肉も一度全部処分しよう。 塩見味平は今日のディナーを臨時休業にして素材の肉を車で1時間の所にあるゴミ焼却場に捨てに行った。
看板商品のスペシャル肉の在庫は大量にあり、とても捨てに行けるレベルの量では無かった。 多くのスペシャル肉の『材料』は原型のまま処理されず残っていた。 塩見味平は考えた。そして妙案が浮かんだ。
場面は変わって警視庁 「スネ夫が静かだよな。このスレになってから殺したのはRIKACOだけだ。奴殺人衝動はそう簡単に抑えられるものじゃ無いはずだ」目暮は、ふと、宿敵の事を考えた。 「最近の有名人失踪の件との関連も調べてはみてるんですが、埼玉や茨城の牛舎の糞溜から死体が発見された報告もありませんしね」高木刑事も首を捻る。
697 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/30(金) 02:11:40.03 発信元:1.78.40.237
と教授が苦言を呈した
698 :
洋楽 :2012/03/30(金) 02:19:27.09 発信元:203.165.28.109
>>695 えるとんじょん ・・・・ じゃないの?
699 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/03/30(金) 02:36:58.46 発信元:202.229.176.163
「三行にアンカーは似合わねえ。」 福久利次郎は工作機械のような無駄のない手つきで、ベレッタの弾倉に9mm弾を込めながら言った 横ぐわえにしたしんせいの煙りが夜に溶けていった
成歩堂龍一が持ち込んだ肉は人間の肉であるという結果が捜査一課に届く。「な、な、なに人肉だと?」目暮警部は声が裏返った。 「あの、警部…」高木刑事が自分の推理を話し出す。「もしや、謎の失踪事件と繋がるのではないですか?」「ヲイヲイ、短絡的過ぎないか?」目暮は高木の推理を一笑した。 「……警部、boneーriverの謎のオーナーがスネ夫とは考えられませんか?boneーriverを直訳してみてください」「boneーriver、骨、川、……骨川ァ!」目暮の曇った脳細胞でも流石に点と線が繋がった。
701 :
忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2012/03/30(金) 06:38:05.48 発信元:125.15.50.25
てす
目暮「‥行け!」 塩見味平は高木と増田にあっさり取り押さえられた。 目暮「解ってはいると思うが‥、逮捕状だ。」
「貴様、仮釈放中の身で、よりにもよって人肉を客に食わすなんて、とんでもない事を」取り押さえられた味平に目暮は少し呆れた調子で言う。 「これは、ちょっと犯罪史に残るような事件ですよ。ブンヤ(報道関係者)もすぐ嗅ぎ付けるでしょうね。大騒ぎになりますよ」高木刑事は目暮の顔をのぞきこみながら言った。目暮も「やれやれ…」と呆れ顔のまま呟く。 「塩見味平。聞きたい事がたくさん有る。詳しく署の方で喋ってもらうぞ」目暮は2人の刑事に両脇を捕まれた調理人に言った。この事件のウラには『あいつ』がいるのは間違いない。
千代田区霞が関の警視庁で、目暮警部が緊急記者会見に臨んだ。 目暮「本日は前代未聞の事件が発覚し、その容疑者を先ほど逮捕したことを報告申し上げます。」
「夜に見る夢 昼に見て 君が1人で船に乗る」塩見味平は意味不明な供述を取調室で繰り返す。 「流れ着いたは どこかの島だ そこでおとなしくしてりゃいいものを」塩見味平は遠い目をしていた。 「生まれついての夢見がち 夢はいつしか人を食う」
「‥‥などと意味不明な供述を繰り返しています。」 担当の取り調べ係からの報告に対して、 高木「アレを出すか‥。」
高木が取調室に入る。 高木「塩見、腹減っただろ‥。」 高木は取調室の必須アイテムのカツ丼を塩見に出した。
高木「どうした、食っていいんだぞ。 これはタダのカツ丼だ。」 塩見「‥‥。」 塩見味平にはイヤミに聞こえたようだ。
「塩見味平、意味不明な供述をくりかえすばかりで何も核心に触れる事は喋んないです」高木刑事は会見場から戻った目暮警部にボヤく。 「なぁに」そんな事かと目暮は言う。「キチガイのフリしてごまかそうとしてるだけだろ?」 「そうですか……ね?」「考えてもみろよ、逮捕を踊ってごまかそうとした男だぞ」
高木「世間は予想通り大騒ぎですよ」 目暮「そりゃそうだろ人間の肉が旨い旨いと食われてた訳だからな」 高木「塩見味平の事は『稀代の人肉料理コック』として世界報道されてますよ」
目暮「まぁいい、1時間休憩をしてその後俺が取調室に入る。」 高木「よろしくお願いします。」
-1時間後- 目暮「さてと、早速質問だが‥、お前ンとこの冷凍庫の仏さん‥5体は有ったかな? お前が殺ったんか?」 塩見「‥違います!」 目暮「ほぅ、やっと質問に答えてくれたな。」
目暮「じゃあ、あの仏さんはどうやって手に入れたんだ?」 塩見「‥‥。」 目暮「黙秘か‥。 黙秘権は認めるが、決してお前さんの有利には働かないぞ! 解ってる?」
〜第12章〜 次は殺す。
-拘置所- 塩見「(この怒り、誰にぶつけたらいい? スネ夫? いや、あの肉は最初から人間のだって解っていたからな‥。)」
自問自答する塩見味平であったが‥。 塩見「(全ては高遠遙一に騙されたのが根源なんだ。 チクショー‥高遠遙一、絶対許せねぇ!)」
連日のように新聞、週刊誌、ワイドショーの見出しに『怪奇!人肉レストラン』『恐怖の死体処理調理人』など塩見味平のboneーriver事件の記事が取りあげられた。 シャッターの閉まったboneーriverは警察の黄色いテープに囲われ、報道陣が殺到していた。 報道各社は我先にと前代未聞も猟奇事件として事件を報じた。塩見味平の事は稀代の極悪人として報じられている。
トリック博士邸には今日も土井塔克樹が訪ねて来ていた。 「いやはや、ホントに人肉料理だったとは、驚きましたね博士。」土井塔は今世間を騒がせているboneーriver事件に触れた。 「ホッホッホ」世界のミステリートリックの権威、トリック博士はそんな話題に対しても笑顔で応じる。「そんな事より土井塔くん。吉野家の十割蕎麦は食べましたかな?ホッホッホ」トリック博士は大手牛丼チェーンが始めた手打ち蕎麦の話題を出した。
721 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/07(土) 02:19:32.08 発信元:1.78.32.244
とうとう呆けたか
722 :
洋楽研究所 :2012/04/07(土) 02:29:49.08 発信元:203.165.28.106
あぁ そばがき とか ・・・・ やんきー めにゅー ですか? ゆわば 灰色の餅みたいなもんですからね 練れば かんたんに できるし 啜るより やつ等 食べやすいかも しれませんね ・・・
723 :
洋楽ねね :2012/04/07(土) 02:32:38.73 発信元:203.165.28.106
ね って 2かいも ね ってして ごめんね ・・・・・
724 :
洋楽研究所 :2012/04/07(土) 02:50:37.10 発信元:203.165.28.106
10kgの生コンに そば粉100g まぜても わかんないとおもう
場面は変わって警視庁。 「塩見味平、ついに認めましたよ。食材として使われていた死体は店のオーナーの骨川スネ夫が用意した物です」高木刑事は目暮警部に報告した。 「フン、そんな事は最初から分かっていたわ、それよりなんでヤツはキチガイのフリをしてまで口を閉ざしてたんだ?」「出所して行くあても無かった自分に店を任せてくれた恩義が塩見なりに有ったようですね」
高木「でも‥、」 目暮「ん」 高木「あの冷凍庫の人肉の正体は‥?」
増田「捜索願いの出ている者とのDNA鑑定で照合していますが、まだ一致した者は居ません。」
目暮「スネ夫の持ってくる死体なんだから、そのヘンの『調子こいた』有名人とか著名人じゃない? その方面は調べたの?」 高木「もう一度調べます!」 目暮「増田、お前も行け!」
「スネ夫の奴め、死体を牛舎の糞溜に遺棄したりカバンの中に入れさせて射殺したり、お茶目な犯罪者だったのに、ついに人肉を人に食わすなどというおぞましい犯罪に手を染めやがったな…」目暮は少し悲しい表情で呟いた。 「……お茶目、…ですか?」高木刑事は少し驚いたような呆れたような微妙な顔をした。 「なんだ高木、まだいたのか!早く捜査に行け。」今度は少し苛立ち気に言いながら目暮警部は高木刑事の背中を押した。
-んでもって神宮外苑- 増田「で、最近出ない『調子こいた有名人』ってどれだけ居るんです?」 高木「島田紳助に中田カウス、木村一八‥吉本興業だけでも結構居る‥。」
増田「木村一八? 彼は吉本クビになったハズですが。」 高木「それを言ったら島田紳助だってそうだろ! 中田カウスだって例の黒い噂で解雇リーチが掛かってるし。」
高木「もちろん吉本以外にもたくさん行方不明の芸人なんか居るし‥、最近ずっとこの調査だよ‥俺は。」 増田「で、私は調査すれば‥、」 高木「行方不明有名人のDNA‥髪の毛とかタバコの吸い殻とか、ヘソの緒でもいい。 かき集めてくれ。」
733 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/08(日) 18:33:27.50 発信元:124.214.254.138
倖田來未の妹(misono)って最近見ないよなw
734 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/08(日) 18:38:09.30 発信元:124.214.254.138
松田聖子の娘(沙也加)も見ないよなw
735 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/09(月) 03:02:22.54 発信元:1.78.31.241
創価系の芸人消えたな
警察が見当違いな捜査をしている頃、お洒落殺人鬼スネ夫と北内兄弟は銀だこに居た。オープンデッキになっている店舗脇のスペースでタコ焼きと焼きそばを食べていた。 「この焼きそば、タコ焼きと同じ値段って高くね?」北内可男は焼きそばを食らいながら不満げに言う。スネ夫のおごりでは無く自腹で払ったようだ。 「いや、そもそもタコ焼きも高いよ。特別美味くもないしさ」北内小々郎も不満げに言った。彼には銀だこのタコ焼きは口に合わなかったようだ。
スネ夫「てか‥、お前ら大丈夫なのか? ダイアモンド☆ユカイの裏切りで魔裟斗は御用になっちまったが‥。」 北内可男「もう関係無いっスよ。 地獄の底まで付き合いまっせw」
北内小々郎「たこ焼きも表面固くて中から熱いのが噴き出して口の中、火傷しちゃうよ。猫舌にはキツイよ」 スネ夫「まぁ、本来、銀だこって旨い店じゃないよなククク…」 北内可男「じゃあ、なんで来たんだよ、ここ」
「アンタはいいよな。好き勝手に人殺しまくって、死体を料理にして食わす世紀の犯罪を達成したんだからな」北内可男はスネ夫に言う 「俺たちなんてサッカーのブス女に肛門生け花をしただけだぜ」北内小々郎も不満をもらす 「ククク…」お洒落殺人鬼スネ夫は笑いだす。スネ夫もまた日陰的な犯罪行為ばかりに満足をしてはいなかったのだ。笑いを止める事無くスネ夫は呟いた。「……次は殺す!」
〜第13章〜 黒ノ十三
銀だこ店長「お前ら、店先でウルセーんだよ! 消えな。」 北内可男「あ? 聞こえなかったなぁ‥、もう一度言ってみな。」 銀だこ店長「消えろ、クズが!」
スネ夫「たこ店長ごときにクズ呼ばわりされる言われは無いんだがな、ククク」 北内可男「スネ夫さん、どうします?」 スネ夫「好きにしな、俺は帰る。」
店先で悪口言うのもアレだけど 客をクズ呼ばわりして追い返す 店側の対応も如何なものか
744 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/09(月) 21:13:19.17 発信元:1.78.31.241
金正恩同志は激怒した。
-警視庁- 増田「金正恩のヤロー、ホントにミサイルぶっ放すつもりなんスかねぇ‥。」 高木「人工衛星だぁ? w 世界のどの人種がそんなタワ信用するかって話だな。」
目暮「北朝鮮もいいが、捜査は進んでるか?」 高木「DNA採集は他の課に任せました。」
何気にカレンダーを見る増田。 増田「アッー!」 目暮「どうした!?」
増田「明日‥4月13日って金曜日なんでスね!」 目暮「どうがどうした!?」 増田「4月13日の金曜日‥なんか不気味じゃないスか!?」
高木「おい‥、」 増田「高木先輩もそう思いますよねぇw」 高木「明日‥4月13日なんだが‥」
増田「どうしたんでスか、勿体ぶって。」 高木「明日はな‥、警部の誕生日なんだ。」 増田「え゙?」
751 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/12(木) 10:51:13.57 発信元:1.78.31.241
その様子を麺食い記者が見ていた
居づらくなった増田は「外回りしてきます!」っと言って出ていった。 高木「そう言えば、13日の金曜日なんて最近聞きませんよね?」
「塩見味平、意味不明な供述をくりかえすばかりで何も核心に触れる事は喋んないです」高木刑事は会見場から戻った目暮警部にボヤく。 「なぁに」そんな事かと目暮は言う。「キチガイのフリしてごまかそうとしてるだけだろ?」 「そうですか……ね?」「考えてもみろよ、逮捕を踊ってごまかそうとした男だぞ」
場面は変わってトリック博士邸─────。今日も土井塔克樹が訪ねてきていた。 「ホッホッホ、土井塔くん。山田うどんのスパゲティは食べたかね?」トリック博士はよほど気になるのか山田うどんのスパゲティの話をいきなり振る。 「博士があんまりしつこく言うので、食べてみましたよ…」土井塔克樹はトリック博士邸に来る前に山田うどんに寄ってきていたのであった。
「ホッホッホ、よろしい。で、どうぢゃったかのう?」「4種類ありましたが無難なミートソースを食べてみました。」土井塔は博士が出してくれた紅茶を飲みながら応えた。博士邸の飲み物はワイン以外は安全である。 「高いですね。ミートソースは一番安いんですが600円近くしました。スパゲティなのに割り箸で食べさせるあたりも『うどんと同じようなもん』というポジションを感じます。僕以外誰も食べてませんでしたね。適正価格は250〜300円ぐらいだと思いました」酷評だ。 「ホッホッホ、どうやら失敗作のようぢゃのう。ワシが食べるまでもないようぢゃのホッホッホ」トリック博士は土井塔の報告に対して愉快そうに応えた。
その頃、山田うどんに高木刑事と増田刑事が来店していた。 増田「スタミナ丼セット、温かいうどんで──」 高木「‥‥何にしようかな‥‥」
店員「新商品のスパゲティなんかいかがですか?」 高木「スパゲティかぁ…」 増田「やめといた方がいいですよ…」
店員「失礼ですが、食べたコトは?」 増田「いや、それが何か?」
店員の眼光が鋭く光った
店員「いい機会ですから食べてみてはいかがですか?」 あくまで紳士的な店員であった。
そこへ新たな1人の客が入ってきた。1人なのにカウンター席を素通りし、テーブル席に当然のように座り「チャーハンと餃子、ポテトサラダにビールね」と甲高い声で言う。 「あれは船越英一郎氏!」「場面が山田うどんだと高確率で現れるな!」高木と増田はやや呆れ顔で呟いた。 「じゃ、チャーハンセットにします。温かい蕎麦でね」高木は店員のすすめるスパゲティをスルーした。船越の揺るぎないオーダーを聞いてチャーハンが食いたくなったのであった。
増田「世間はもうすぐゴールデンウィークなんですねぇ‥。」 高木「それがどうかしたの?」 増田「あ‥いや、何でも無いっス。」
高木「俺も世間並みにゴールデンウィーク欲しいよなぁ‥って言いたかったのか?」 増田「そんなコト言って無‥」 高木「顔にそう書いてるよ。 まぁどっかで代休くれるんだからガマンしようや。」
「釜揚げしらす弁当、四月から、また復活していたな、ほっともっと。」高木がふと思い出したように呟く。 「あんなの買う奴いるんスかね?」増田は興味無さげに、うどんを啜りながら返す。 「そこそこ評判良かったから復刻するんだろうけど……。あの弁当にはろくな思い出が無い。」高木は増田の顔を覗き込みながら嫌味っぼく囁いた。
765 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/21(土) 02:25:16.60 発信元:49.98.8.74
それは高木がまだ学生だった頃の話だ
766 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/21(土) 03:00:46.34 発信元:182.249.240.93
当時、アルバイトをしながら生計を立てていた高木が、自分のささやかなる誕生日のお祝いに…と買ってきたのが、その釜揚げしらす弁当だった。 しかしその弁当を買った日は、高木の誕生日ではなかった。 おかんと自分の誕生日を間違えたのだ…。
記者にタゲられたくねえよな ああ と
768 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/22(日) 19:45:03.70 発信元:124.214.254.138
769 :
sage :2012/04/22(日) 19:56:42.10 発信元:182.249.240.92
高木は、両手でどんぶりを抱え、うどんの汁をすする増田を見ながら、ポツリと独り言のように呟いた。 「なんでもいいから、ageるのはやめてくれないか?」
増田「しらす弁当事件から1年経つんですねぇ‥。」 高木「あの事件も主犯はスネ夫だったな、確か。」
771 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/22(日) 21:34:46.65 発信元:1.72.2.180
高木「何か言ったか?」 増田「いや‥何も。」
食事を終えた船越が2人のもとに歩み寄った。 船越「よ、ご両人。 警部は一緒じゃないの?」 高木「警部はパソコンと格闘中です‥めずらしく。」
船越「腹が減っては戦は出来ぬ! が口癖の警部にしちゃめずらしいなぁ‥。」 増田「たまにヤるを出すんですよね、警部って人は。」 高木「そ、たまに‥ね。」
増田「たまにヤる気を‥でしたね。テヘ」 高木「いいよ、いちいちフォローせんでも。」 増田「‥‥。」
776 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/04/27(金) 01:51:40.75 発信元:183.74.3.209
教授「やれやれ飯を食ってばかりじゃないか」 教授は落胆を隠せない
山田うどんで食事を済ませ、署に戻った高木と増田 署内では目暮警部が遅い昼飯をとっていた。本家かまどやのカラマヨ丼である。 「警部、かなりハマってますね」カラマヨ丼を旨そうに食う目暮に高木は声をかけた。「俺はカラマヨ丼を食うために生まれてきたと言っても過言では無い。いや、俺はカラマヨ丼を食うために存在してると言うべきか‥‥。」目暮警部はカラマヨ丼の虜になっている様子だ。
第 14 章 目暮食中り
「勝手に新章にするなっての、まだ黒も十三も出てないだろ」目暮は意味不明なひとりごとを呟く 「では、まだ13章でいいんですね」高木もまた意味不明なひとりごとで返した。 さて、ここで黒ノ十三の物語は大きく動く事になる。
「ほっほっほ、案の定『勝手に新章にするな』と言うレスがついたようじゃな、土井塔君。」。 「まあどうせまた煽るだけでしょう。次の人が書きやすい章題なり、伏線なりがあればいいのですがねぇ。」 「まあなにか出前でもとってことの展開を見守ろうじゃないか。ところでうまいワインを手に入れたのじゃ。一杯どうじゃね。」
「いや、ワインはノーサンキューで。ジャワティーもらいます」土井塔克樹は冷蔵庫から勝手にジャワティーを取り出す。 「ホッホッホ、土井塔くん、何か新しい食べ物屋の情報は有るかね?」トリック博士は最近、食の話題以外振らない。 「この前『石焼きらーめん火山』という店に行ってきましたが」土井塔はこのスレでは聞き慣れない店の名前を出した。
トリック博士「火山って一代元や丸源みたいな一部地域だけで展開してる中途半端なチェーン店のイメージぢゃが…」 土井塔克樹「僕も期待しないで食べてみたんですがね、客席まで熱々の土鍋を運んでから客の前で熱々のスープを注ぐんです。爆弾ハンバーグみたいな演出でしょ?」 トリック博士「肝心な味はどうぢゃったんだね?」
「最後にライスをぶち込んで、おじや にすると旨いです。ラーメンはひたすら熱い、猫舌には鬼門のラーメンでした」土井塔の評価はやや辛口に感じた。 「ホッホッホ、土井塔くんはコメダ珈琲店というのは知ってるかね?」今度は博士がこのスレでは聞き慣れない店の名前を挙げた。 「ん、博士、その店、最近僕の生活圏でよく見かけるんですよ、店の構成は全く知りませんが、外観から少し興味ある店なのですが‥‥。」土井塔克樹はコメダ珈琲店の話に身を乗り出した。
土井塔は興奮して勃起したオチンチンを露出した。 土井塔のオチンチンは約30cmの巨根であった。 そんな土井塔であるが、彼には小児愛の性癖があると言う噂があった。
「───などという品の無い話は他のカスみたいなスレでやって欲しいのう、ホッホッホ‥‥。」トリック博士は少しうんざり顔で呟く。 「博士は行かれたんですか?コメダ珈琲店」土井塔克樹はジャワティーを飲みながら持参した柏餅を頬張る。当然、みそあん である。 「ホッホッホ、どうせなら2人で行くより、もっと大勢で行ってみないかね?」トリック博士もまだコメダ珈琲店には行っていない様子だ。
博士「柏餅おいしゅうござぃましたぁぁぁあああ」トリック博士はそう絶叫すると服を脱ぎはじめた。 次に気がついた時には冷たい手錠が腕にかかっていた。 博士「ここは・・・?」
787 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/04(金) 00:31:42.28 発信元:1.66.98.65
目を覚ましたトリック博士に褌一丁の男が冷たく言い放った 「アイスティーしかないけど飲む?」
「選民意識とはいつの世も醜い物ですな・・・」 土井塔克樹の声が聞こえる・・・
「しかし、我々は選ばれた」 白衣の少女がげだるげに言う。 そして、私は全裸になった
「ナチスの亡霊め!」 土井塔克樹の瞳に怒りが宿る
「ユダヤの怨霊か」 私は股間の剣を土井頭の眼孔に捻じ込んだ
792 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/04(金) 03:16:11.18 発信元:220.96.5.15
2人の死闘が続く中トリック博士が突如叫びだした トリック博士「ageちゃらめええええええええええええええええええええええええ」
「えと、あまりにおかしなレスはスルーでいいんですよね」 「ゴールデンウィークだったのう、ルール無視のお子様が来てるようじゃな」 「そんな連中も歓迎してるスレもあるんだから、そっちに行って欲しいですね。ここは一定水準以上のセンスが求められますからね」
私は天に向かって囁いた
「
>>793 は自虐ギャグなのか?」
天は沈黙をもってその答えとした
トリック博士は
>>793 にワインを差し出した。
トリック博士「これも何かの縁じゃ、飲みなされ。」
>>793 「じゃ遠慮なく。」
土井塔克樹「博士‥、
>>794 ですよ!」
トリック博士「たまに間違えるのも愛嬌ぢゃ!ホッホッホ」
そして、お約束通り
>>794 は逝った。
トリック博士「さてと、どこまで話は進んだかな?」
土井塔克樹「ナンとか珈琲が‥まで聞きました。」
そして、トリック博士は生き絶えた 土井塔は元々死んでいた。 そして、誰も・・・
「スルーしましょうよ、博士‥‥。」土井塔はかなりうんざりした顔で言う。 「ホッホッホ、このスレの独特な雰囲気を快く思わない者もいるとは思うが、それなら来ないでくれればよいのぢゃがのぅ‥‥。ホッホッホ」トリック博士もいささかうんざり顔だ。 「とりあえずコメダ珈琲店行ってみませんか?天気悪くて気がすすまないけど」「ホッホッホ、そうぢゃな。実際に行ったあとに話はちゃんとすすめるから駄レスで進行させんでくれたまえよホッホッホ」謎の会話を残し、土井塔と博士は外に出た。
天におわす、リレー小説ネ申は今更答えた 「ここ、2chのスレでもレベル低いな」 トリック博士「普通に小説書きたけりゃ、チラシの裏にしなされ・・・」
801 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/04(金) 13:50:33.79 発信元:1.66.98.65
教授「食ってばかりでどこがサスペンスなのかね?」 教授は呆れ顔だ
教授は勃起していた。
803 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/04(金) 22:29:13.11 発信元:60.33.33.152
トリック博士はそれを圧し折った
804 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/05(土) 01:25:48.94 発信元:221.189.72.191
教授「このスレでは一定水準以上のセンスが求められるだと!誰が決めたッ!?そんな理不尽なこと、誰が決めたッ!」 トリック博士「それは天の意思だ!」 教授「天の意思?神がそのようなことを宣うものか!神の前では何人たりとも平等のはず!神はそのようなことをお許しにはならない!なるはずがないッ!」 トリック博士「家畜に神はいないッ!!」 教授「!!!!」
教授は女になった。
トリック博士「ゴミは居なくなったようぢゃのうホッホッホ。」 土井塔克樹「汚物は消毒ですよね。」
807 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/06(日) 02:41:11.98 発信元:1.66.98.65
地球は核の炎に包まれた
有名な「北斗の拳」のフレーズである。 トリック博士「だから何ぢゃ?」 土井塔克樹「私に訊かれても‥。」
2人がコメダ珈琲店に行こうと外に出た時、1台のタクシーが停まっていた。 夜明日出夫「いやぁ‥何か呼ばれた気がして、もしかしてグッドタイミングかい?」 トリック博士「ホッホッホ。」
810 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/07(月) 01:05:59.45 発信元:60.40.14.93
トリック博士「愚民共は絶対に書き込むなよ。ここは選ばれたエリートのみが書き込めるスレだからな」
「…などという勘違いはやめてくれたまえよ?
あくまでも
>>1 のような主旨があってのことじゃからな?
ホッホッホ。」
トリック博士は土井塔に向かって独り言のように言った。
夜明「博士、なんか疲れてるようだが‥、」 トリック博士「最近ヘンなおじさん達に付きまとわれてるようでのぅホホ。」 土井塔克樹「どうします? 行くのヤメますか?」
トリック博士「まだそこまで老いぼれてはせんよ、ホッホッホ。」 夜明「‥で、どこに行こうとしたの? コメダ珈琲? 所沢か? 桶川か?」
814 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/08(火) 22:57:50.27 発信元:220.104.46.229
トリック博士「大将!トンスル1つくれ」
夜明「桶川の方だな、解った。」
816 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/09(水) 16:46:24.93 発信元:202.229.176.21
夜明は渋い表情であったが、股間は完全に勃起していた。
…なんていう変な誤解はやめてほしいものだ…。
夜明は心の中で独りごちた。
トリック博士「ホッホッホ。
>>1 」
818 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/09(水) 22:53:57.67 発信元:60.40.8.219
おじいちゃんそれはさっき言ったでしょ
と、多少のドタバタはあったが、トリック博士と土井塔は夜明のタクシーで桶川のコメダ珈琲店に向かった。 夜明「R17沿いの店でいいんだよな?」
820 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/10(木) 19:10:59.66 発信元:220.96.5.234
トリック博士「西川口で一発ぬいてからにしようぜ!」
夜明「西川口じゃ逆方向だろ‥。」 土井塔「‥‥。」
西川口という地名を聞いた夜明と土井塔は勃起していた。
「こりゃあこのスレ、志しだけは高いが、結果最低なスレになっちまったな…」 夜明は、ハンドルを片手に握りながら、髪をグシャグシャにかきむしった。
「博士、コメダ珈琲はまた今度…」夜明は夜間勤務の時間が来たので去って行った。 「フォッフォッフォ、土井塔くん、足も無くなったしワシ等もまた今度にしよう」「ええ、博士」 ───場面は小説家・倉阪鬼一郎の仕事場に移る。
826 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/12(土) 00:29:09.20 発信元:221.185.255.192
トリック博士「焼き払え!」
鬼一郎「今度の犯人はこんな風にテレビでナウシカやらラピュタやらをやる度にはしゃぐ奴にしよう」
??「ふむ・・犯人が分かったぞい」
倉阪鬼一郎「ってか、宮崎駿の作品ってドコが面白いんだろうか‥?」
倉阪鬼一郎は横浜ベイの試合を観ながら呟いた。 倉阪「横浜って、番長以外みんなゴミだな‥。」
831 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/13(日) 00:45:50.42 発信元:60.40.14.231
DeNAが激怒した
「犯人が分かっただと・・?」 原辰徳は怪訝な表情で問いかけた。
倉阪「原監督も大変だな‥、成績不振の犯人(戦犯)も解らんとは‥。」
こんなにもめちゃくちゃのクソスレになった今でも…いや、今だからこそ、トリック博士は思っていた。 「やはりシベリアみたいな規制厨二野郎の溜まり場地帯では、まっとうなリレー小説は無理だったかのぉ? ホッホッホ。」
835 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/14(月) 09:49:17.51 発信元:183.74.4.252
流石は差別主義者のトリック博士である
同じ事しか言わない博士にも読者は飽き飽きしていた。
837 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/14(月) 12:41:02.50 発信元:111.86.142.200
倉阪「明後日からプロ野球交流戦だな‥、小説のネタになるもんが出てくれば良いが‥。」
838 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/14(月) 18:50:52.05 発信元:210.227.192.86
土井塔「最初っから糞スレだったじゃないですか!呆けたんですか?博士」
倉阪「土井塔の声がしたようだが‥、気のせいか。」
840 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/14(月) 19:54:46.82 発信元:210.227.192.86
トリック博士はトンスルを一気に飲み干し不平不満をぶちまけた
841 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/15(火) 07:54:49.63 発信元:182.249.240.110
「誰のせいでクソスレになったと思ってんだ厨二野郎共がッ!!
せっかくブチギレしたからageてやるぜえホッホッホー!!!!」
トリック博士はまるで
>>1 の代弁をするように、大便をしながら色んな汚い部分をぶちまけた。
もう‥、 新章にしていいだろ。 グダグダやん。
夜間勤務のタクシーを走らせる夜明はラジオと止めた。「トンスルだか何だかグダグダ何言ってんだか分からん放送は電波の無駄遣いだよな」 今夜は長距離客があり埼玉まで来ていた。客を下ろした頃、時刻は夜2時を過ぎていた「腹減ったな…」夜明は独り言を呟き国道17号を走らせた。 大宮にトラックステーションという場所がある。主に長距離運転手の為の施設で簡易宿泊や入浴などが可能である。確か24時間営業のラーメン屋が施設内にあった「そこで食うか…」夜明は大宮トラックステーションに向けて車を走らせた。
時間は まもなく深夜3時 夜明は大宮トラックステーションに到着した。駐車場には大型トラックが何台か停まっている。タクシーは夜明の車だけのようだ。 トラックステーション施設内にある にんたまラーメンゆにろーず という店に入る夜明。客はトラック運転手風の男が何人かいた。大型テレビの前に陣取ってる運転手風の男はラーメンを食べながらビールも飲んでいた。簡易宿泊場に泊まるのであろう。 夜明は醤油チャーシュー麺と半チャーハンのセットの食券を購入し、席についた。隣りでは若い運転手風の男が漫画を読みながらラーメンをすすっていた。風貌から彼は宿泊ではなく移動中に立ち寄った感じである。 夜明はこんな時刻に働いてるのは自分だけではないという事が少し嬉しかった。
「おっと、つい4行になっちゃった」夜明は変な独り言を吐いたが周りの客は何の反応も無かった。 夜明の頼んだチャーシュー麺と半チャーハンが来た。にんにくチッブを粉末状にした物が自由に入れ放題に使って良いようであったが、一応客商売でまだ仕事中の夜明はそれは入れずに食べる事にした。 「うーん、別に不味くは無いが、どうという事も無い味だな…。チャーシューだけ個人的に好きな味だ。」と呟く夜明であったが、夜明の独り言に返事をくれる者は残念ながらいなかった。
仕方なく夜明は勃起したペニスを露出した。
夜明はしばらく待ったが、「黒ノ十三」について語るものは誰もいなかった。夜明も空き時間に検索してみたが、古いゲームのタイトルにそのようなものがある、ということ以上調べる気にならなかった。わざわざ検索したことが馬鹿らしかった。 昼間、トリック博士らが行きたいと言っていた喫茶店や、土井塔がひとりごちたラーメン屋も、気にはなったが、足を運ぶ必要はないと思った。考えすぎであろうが、ステマという言葉が頭を過った。 高度なリレーをするにはある程度の共通認識が必要だ。そのために、出来合いの人物や環境を用いることは十分理解できる話だが、逆に言うとその程度のレベルなのだ。
848 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/16(水) 11:33:18.32 発信元:122.249.173.162
夜明「もう疲れたな‥、早く寝たい。」 タクシードライバーとは辛い仕事なのである。
850 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/16(水) 21:12:17.13 発信元:183.74.4.252
稲穂も揺れる恋揺れる あいつはタクシードライバー 発車オーライ バックオーライ 蝶タイ締めてドア閉めて わたしはタクシードライバー 発車オーライ バックオーライ ギアを入れて気を入れて わたしはタクシードライバー 発車オーライ バックオーライ
夜明「おっと‥、ちょっと寝ちまったようだな‥‥ そろそろ業務に戻るか。」
夜明がタクシーを走らせて間もなくのことだった。 こんな大通りから外れた人気もほとんどない場所で、歩道で手をあげている女子高生?…の姿が視界に入ってきた。 「…ありゃあまさかタクシー待ちか…? こんな時間に、こんな場所で、あんな若そうな女が、1人で……?」
853 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/20(日) 03:01:03.88 発信元:183.74.4.252
その時夜明は
どんな時間だろうが客は客だよ・・・ 夜明は車を歩道に寄せた。 夜明「どうぞ・・どちらまで?」
855 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/20(日) 23:13:56.55 発信元:183.74.4.252
謎の女「血洗島までお願いします」
夜明「深谷ですか‥、解りました。」
夜明「(血洗島‥か、そう言えば目暮のとっつあんが何かの事件とかで行ってたな‥。)」
「お客様。とてもお若いようですが、こんな遅くに、こんなところで一体何をしていたのですか?」 夜明は女に尋ねる。埼玉県は条例で、未成年に深夜外出させることを禁じている。元警視庁捜査一課として放っておけない。しかも行き先がおよそ 40km 離れた深谷である。支払い能力にも疑問を覚える。無言の女に夜明は続ける。 「お住まいは深谷ですか。簡単に見積もって 1 万 5000 円はかかりますが、よろしいですか?」
それまで黙っていた女は、そこでようやく答える。 「…住所は深谷です。料金も、問題はありません…。」 抑揚のないその声と、長い黒髪に隠された彼女の風貌が、ほんの僅かに夜明に戦慄を走らせた。
夜明「(まぁいい、さっさと終わらせちまおう。 これが終わりゃ本日は店終いだ。)」 夜明は深谷へひたすら車を走らせた。
重々しい沈黙が二人を包んで 5 分程過ぎた頃、もっとも夜明にはそれ以上の時間に感じられたが、女が突如ぽつりぽつりと話し始めた。 「こんな時間におかしな客だとお思いでしょう?実際私はおかしくなってしまったかもしれません。今日…もう昨日ですね…私が私でなくなってしまったようで。…眠気覚まし程度で構わないので聞いていていただけませんか。」 そう言って、女は口を閉ざした。夜明は無言のままで、ただバックミラー越しにちらりと女を見た。女と目があった。それをきっかけにしたのか、女は再び話し出した。「昨日、かつて私が父母と呼んでいた人たちから、同い年の姉がいることを聞かされたのです。」
夜明「‥‥。」
さすがの夜明も返答に困ってしまったようだ。
重苦しい時間が過ぎる中、タクシーは深谷に着き、客を降ろした夜明。時刻はもう『早朝』と呼んでもいい時間になっていた。 「今日の業務は終了だな…」夜明は国道17号を南に車を走らせていた。社に戻って日報を書けば今日の夜明の仕事は終了だ。 国道17号を走る夜明に携帯のメールが届いた。目暮警部からであった。『仕事明けでしょ?モーニングなど一緒に如何?』
第 14 章 霞が関で朝食を
勝手に新章にするんじゃねえよ。章題はある規則性持って付けられてるんだよ(大抵の人は気づかないけどな) 「ん?なんだ、このナレーションは」ハンドルを握りながら夜明は独り言を吐いた。まだ13章は続くのだ。 目暮のメールによると昨夜目暮は埼玉の知人宅に泊まり、朝、外を眺めたら夜明のタクシーが通過するのを見たとの事だ。
867 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/28(月) 12:46:34.21 発信元:221.184.43.226
トリック博士「もう一部の馬鹿のオナニースレだなここは」
何はともあれ、霞ヶ関のとある喫茶店で朝食を摂る2人。 目暮「おつかれ。」 夜明「あぁ、昨日から今日は本当にお疲れだったよ‥。」
「店を変えよう」夜明がいきなり立ち上がった。 「え?」何だかわからない様子の目暮 「店員の調子こいた若僧がムカつく。店を変えよう。上尾のコメダ珈琲店に行こう。ちょうどメールをもらった時、目についてて行きたかったし」夜明と目暮は店を変えて仕切り直しする事にした。
「トリック博士達と行こうとして行けなかった店が、仕事の帰り道にあったんだよ。そこに行こう」夜明はやや強引に目暮を車に乗せて再び埼玉方面に車を走らす。 「コメダ珈琲店なら行った事あるよ。そうだな、モーニングの時間帯ならコーヒー頼むだけでトーストてゆで卵が付いてくる。悪くない店だよ」さすが食通の目暮警部。目暮情報はコメダ珈琲店もおさえていた。 「そしてコメダと言えば、フフッ、夜明さんにも是非食べてもらいたいメニューがある」目暮はニヤリと笑いながら白い歯を光らせた。
「しかし埼玉までいく必要はないだろう。私は仮にも警視庁の捜査官だ、こんな時間から都を離れるわけにはいかんよ。夜明君の営業成績をあげたいのも判るが、都内の喫茶店でよかろう。」 「残念だなぁ。でもまあ仕方ないですね。」 結局、二人は霞が関近辺の喫茶店で軽い朝食をとることにした。ここ数日のニュースについて小一時間議論した後、店を出た二人はまた今度と挨拶をして別れた。
872 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/05/28(月) 19:42:40.22 発信元:1.72.0.73
ブラマヨ吉田は一人携帯を見ながら歩いていた
調子こいて歩くブラマヨ吉田の背後には邪悪な4つの影が近づいていた。
お洒落殺人鬼スネ夫 北内可男 北内小々郎 そしつなぜか仲間由紀恵の4名がのブラマヨ吉田の背後に迫っていたのだが、ブラマヨ吉田は調子こいて歩いていたので全く気づかなかったのだ。 ───ドガッ! 仲間由紀恵のスタンガンがブラマヨ吉田にヒットした。「…ぐぇっ」軽い叫び声をあげたブラマヨ吉田だったが、一瞬の出来事だった上に、誰もブラマヨ吉田なんかに見向きもしていなかったのか、目撃者はいなかった。 澤穂希の姿は6人組と共に消えた。
夜明はラジオを消した。勤務を終え自宅に戻った夜明はコメダ珈琲店の事を考えていた。 問題なくコメダ珈琲店に行く流れだったのに何か邪魔された感だけが残り、モヤモヤした夜明。今日も夜から勤務だ。今からでも眠っておきたいとこだが、なかなか寝つけなかった。 夜明は目暮の「俺はコメダに行った事がある」とか言った後の勝ち誇ったような顔を思い浮かべ「くそ!」と軽く怒鳴り、枕にパンチを入れた。「行っておきたかった。」1人、部屋で夜明は悔し涙を流した。
そんな悔しさも強烈な睡魔を追い払うことはできず、夜明はいつの間にか眠りに落ちていた。 夜明は夢を見ていた。何かの老人のように、ライオンの夢を見ていた。 ライオンに跨がり都内を駆け回る夜明。ふと見るとコメダ珈琲店が目に入った。「そうだ!コメダに行きたいなら都内の近い店に行けばいいじゃない。」
夜になりタクシー乗務員勤務についた夜明 最初に都内で乗った客が行先を告げた。「埼玉の上尾までお願いします。国道17号のビバホームの辺りまで」 「かしこまりました」にこやかに応対する夜明は車を走らせた。
RRRR…夜明の携帯が鳴る。 夜明「もしもし」電話は無言で切れた。 発信先は『非通知』であった。
車内はこれといった会話もなくカーラジオが間を繕っていた。 「〜今日は天気予報の話。石川県金沢市では〈弁当忘れても傘忘れるな〉と言い伝えられるほど雨が多く大気が不安定な地域なんですってね。とある日の金沢市の天気予報では〈晴れのちくもり時々雨ところにより雪が降るでしょう〉なんて、不安定にも程があるだろwww」 安定しない様子は自分も同じだなと感じて、それだけに妙な親近感が湧いた夜明は金沢へ行ってみたいと思った。
最初の客が都内→上尾ってなんかスゴいよな、まだ電車走ってんのに‥ と夜明はふと思った。
夜明が上尾で乗客を降ろしたとき、時計は夜の 11 時を回っていた。残念ながらコメダ珈琲店は閉店している。 今日を逃しても、いずれまた上尾方面にタクシーを走らせる日が来るだろう。金沢に行く客も現れるかもしれない。夜明はそう思った。 営業所へタクシーを走らせる。道中に二人程客がついた。運が良い。明日もこのくらい客がつくことを願い、夜明は床に就いた。
夜明は、全裸で床に着く事が子供の頃からの習慣であった。
1000年後…
884 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/11(月) 01:18:30.11 発信元:60.39.36.247
地球は核の炎に包まれた
人類の一部は核戦争勃発前に宇宙コロニーに逃れていた。 コロニー「曙」の A 区域第 32 番地。1 平方 km 程度の大きさであるこの居住地において、ここ数日にわたり住民の不可解な死亡事件が頻発していた。 コロニー警備隊に所属するタカシは、新人のユウスケと共にこの事件の調査に当たることとなった。
「夜明さん、大変です!」 タカシは通り過ぎようとする宇宙タクシーをつかまえ、その助手席のウィンドウが空いた直後にそうわめいた。 青い顔をしたユウスケが続ける。 「今日の早朝、連邦の白い悪魔がバラバラ死体となって発見されました…!」
「きゃー、こわ〜い。こんなところ長居できないぜ。」そう言って夜明は通りすぎていった。(夜明は今回脇役なのである。) ユウスケが「連邦の白い悪魔」と呼んだ被害者は、本名レン・フォー・ホワイトカラーという名の女性で、A 区域の代議員の一人である。タカシらが所属するコロニー警備隊の予算を減らすよう主張していたため、警備隊員は陰で彼女を「悪魔」と呼んでいた。 彼女の体は、他の被害者同様、バラバラにされていたが、それは強い力で引っ張られたのか、内部から切り裂かれたのか、いまだわかっていない。また、脳髄といくつかの内蔵が失われていた。恐らく食べられたのだろう。
‥‥ツマらんマンガだな、買って損したわ。 買ったマンガを速攻で捨てる夜明であった。
そうだ、来週休みをとって念願のコメダ珈琲店へ、そして金沢まで出掛けよう。 夜明はひとり決心した。
翌日、夜明は全裸で神奈川県横浜市金沢区まで車を走らせた。
891 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/14(木) 01:45:24.28 発信元:211.122.145.91
しかし鬼の神奈川県警がそれを許すはずもなかった
裸にネクタイだけを巻き、ハンドルを握る夜明。 その夜明の運転するタクシーの後を、けたたましいサイレンを慣らしながら追跡するパトカーが二台。 夜明の額から、嫌な汗が流れる。
不安な気持ちとは裏腹に、夜明のシフトレバーは勃起していた。
全裸のタクシードライバー夜明は勃起する事で、よりドライビングテクニックが向上するのである。 夜明はぺニスをギンギンに勃起させながらアクセルを踏み込んだ。
しかし、だ。 後続の目暮とて、全裸追跡をさせたら右に出る者はいないスーパーヌーディードライバーだった。 目暮は夜明のタクシーを追跡しながら口ずさむ。 「ふふ…。オナニー厨どもめ…。 これでマンガだのラジオだのテレビだのという言い訳はさせん…!」 助手席のトリック博士が続ける。 「これだけメインメンバーが出揃ったのならなおさらじゃ…! ホッホッホッ!」 すかさず、運転席の後ろに腰を据えたブラマヨ吉田が補足を入れる。 「コメダ珈琲だのゆにろーずだの山田うどんだの、食ってばっかいるお前らがどうかしてたんだぜ!」
「3行越えちまったなぁ。まあいいか。」倉阪鬼一郎は、書くものに困ったときでも、とにかく毎日何かしら書き続けることにしていた。今回は腐女子向けホモ小説だ。こういうどうでもいい話はすぐに閃く。勢いよく右手が原稿上を走る。 「観念した夜明はタクシーを降り、ヘソまで反り上がるご自慢の逸物を披露した。これにはトリック博士も仰天した。と同時に、夜明の突起物と自分の腸壁が擦れ合うことを想像し、よだれを垂らした。 目暮も負けじと、大根のように太く脈打つ己の分身をさらけ出す。全裸の紳士二人が決闘に用いる武術はただ一つ。怒張した肉棒で相手の体を突き合う『ペニシング』。先に射精した方、もしくは萎えた方が敗けだ。
897 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/17(日) 12:08:38.61 発信元:60.42.177.53
「オゥラッこいてるぜこいてるぜ!たまんねぇたまんねぇ!センズリたまんねぇチンポたまんねぇ!チンポチンポチンポチンポチンポ…センズリセンズリセンズリセンズリセンズリ…ウォーーー!!!」 「何度も何度も寸止めして気が狂っちまいそうだぜ!鏡の前でマッパでセンズリぶっこいてるテメエのズリ姿が最高にカッケー!」 「たまんねぇ!俺サイコー!俺サイコーに今男だぜ!雄ズリだぜ!たまんねぇよなぁ!男はやっぱセンズリだよなぁ!たまんねぇたまんねぇ!!!」
「倉阪サン、最高だよこれw」 船越英一郎が倉阪の小説を絶賛した。
トリック博士「船越さんはこういうくだらん小説が好きなのですかな? ホッホッホ。」船越英一郎「息抜きには最高っしょ。」
「船越さん、ありがとう。
>>897 は、ぶらマヨ吉田なら本当に言ってそうでしょ。」と言って、倉阪は、続きを船越に渡した。。
「何度目かの寸止めの後、一番乗りで吉田が絶頂に達した。賢者モードにチェンジした吉田の目に映ったものは、ギンギンのままペニシングを続ける目暮・夜明と、妄想に浸りズボンにテントを作るトリック博士であった。
吉田は自分の未熟さを痛感し、勃起中に口走った言葉を今更ながら恥じて言った。『……どうかしてたぜ…』
901 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/17(日) 21:33:43.26 発信元:182.249.240.70
その稚拙な筈の文章は、なぜか真に迫るものがあった。 船越は、重苦しい表情で口を開く。 「倉坂さん……。 あんたもしかして、この残酷な小説の内容を、実際に……」
小説を絶賛された倉阪は、有頂天になり勃起してしまった。
そして、倉阪は全裸になった。 全裸にネクタイをし、髪型を整えた。 更に、勃起したぺニスを一撫ですると彼の愛車であるシーマの運転席に颯爽と乗り込んだ。
904 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/18(月) 01:18:48.47 発信元:1.72.1.89
アメリカンスタイルである
「……処女作が絶賛された頃、僕は井の中の蛙でね。鍛えた体に絶対の自信があったんだ。特に、竿に重りをぶら下げて鍛えたペニスは、誰にも負けないと信じていた。それに猥褻物陳列罪で捕まってみるのも、小説のネタになるかもしれないからね。」 倉阪は、小説の元となったかつての経験を、船越たちに話していた。右手にもつグラスに注がれた琥珀色のウヰスキーに、若き日の自分が見えた。倉阪はそれを一飲みすると、再び淡々と語り始めた。 「サツのお縄に付くことなく、僕はシーマを走らせ続けた。このまま行けるところまで行ってやろうと思っていた頃、急カーブの多い山道に差し掛かったんだ。そこで突然追い抜かれたんだ、僕のシーマが、赤いランボルギーニに……
「ハッ!」 夜明はタクシー乗務の仕事を終え、事務所で日報を書いてる途中、睡魔に襲われ夢を見ていたようだ。 「いかんいかん」夜明は首をブンブン振り眠気を追い払い、日報を書き上げた。「夜明さん。だいぶ御疲れの様子ですね。大丈夫ですか?」日報を受け取った係長が夜明に心配げに尋ねたが夜明は軽く笑みを浮かべ事務所を出た。
散々荒らしておいて今更言うのもなんだが、そう。ここからが本編である。 よって、今までの白い悪魔やブラマヨ吉田や倉坂のくだりは、筆者含めこのスレを開いた全員が見なかった。(ことになった) な? そうだろみんな?
908 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/18(月) 11:58:16.41 発信元:1.72.1.89
小鉄「おーと、これはいけませんよ」
>>909 は良いことを言ってのける。
「そこにしびれるッ!」
『憧れる〜ッ!』
「ぽっかぽかでいい天気だね!」 蒸し暑いほどの山で、水色の髪の少女――河城にとりはそう言った。 太陽がいくつにも見えるほど光が照り返すこの妖怪の山はこの季節の日中、立っていられないほど熱くなる。 その為大多数の妖怪たちは木陰に入り暑さから逃れるか、自分の家で涼むかのどちらかを取り、外にいるような人はまばらであった。
912 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/19(火) 23:02:35.36 発信元:182.249.240.92
そんなまばらな人影の中に、にとりは親しい人物を見つけた。 「お兄ちゃん!」 草を跳ね上げ、にとりはその人物のもとに嬉しそうに駆け寄る。 その人物……中齢で紳士的な佇まいをした男も、にとりを見つけ笑顔をつくる。 「大きくなったな」 優しげに言ったその男は、
毎年彼女の猛暑対策にも貢献している。 今現在彼女は、体の内部を液体化させていた。 彼女の中は青みを帯びた液体が波打っているだけで、いわば今の彼女は生きる水筒である。 そのおかげで急激な体温上昇は控えられ、常に冷やされているという最良の環境が約束されていた。
なんだこれ?
船越英一郎「マジでダメだね。」 倉阪鬼一郎「‥‥。」 船越のダメ出しに倉阪ガックシ。
916 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/20(水) 20:13:17.64 発信元:182.249.240.95
しかし倉坂は、まるで窮地に活を見いだすように、船越に力説を始める。 「この後この不思議少女が、複数の男達に犯されて妊娠するとしてもダメかね…?」 倉坂の鈍い眼光がキラリと光る。
――それは果たして本当に正しい判断だったのかは、にとりにはわからない。 ただにとりに判る事は、自分という液体は咄嗟に逃げ、そして落ちた先は小川だったということだ。 抗う事も出来ずに漂流するにとり。 ふと遠くに犬が小川の水を飲みまくっているのが見えた。
「ホッホッホ、とりあえず『3行以内』にまとめなされ。流れとかは正直どうでもいいのじゃが、『3行以内』というルールは、厳守せにゃあかんぞ。ホッホッホ。ちなみに空行はカウントせんぞ。」と、マッタリ警告するトリック博士。 そんな小言に、船越は便乗して、曰く「まあ、あまり独走性が過ぎると、誰もついていけなくなるから、それはそれで勘弁して欲しいのだけどね。僕が言えることでもないが…。いまいち前提としていることがわからないね…。」 とかくうるさい外野を無視し、倉阪はペンを動かす。『犬、正確には柴犬である。猟犬の習性を持つこの犬は、名取…じゃなかったにとりの接近を本能的に察知し、川辺から離れ吠えたてる。犬の咆哮で流れを脱するきっかけを逸した名…にとりは、いつしか海に出た。
船越英一郎「まぁいいや、早よ続き書けや。」
一方、夜明日出夫は仕事明けに、ようやく念願のコメダ珈琲店来店を果たしていた。 午前11時まではモーニングサービスで珈琲を注文するだけでトーストと茹で玉子が付いてくる。 「これはいいサービスだな‥‥。あれ?」夜明は斜め前の席に見覚えのある人物が居るのに気がついた。
走ってくる犬。 一度液体になったらスタミナが切れるため、暫く元に戻る事は出来ない。 にとりは咄嗟に水となった己の体をフル稼働させて、素早く横に飛び立った。
一方、トリック博士は土井塔克樹と餃子の王将に来ていた。 「何かチャーハンセットの気分ぢゃな。ホッホッホッホ」トリックは先日から気分がチャーハンセットなのだ。「博士が餃子の王将に誘うのは珍しいですね」トリック博士に同行した土井塔は砕けた調子で呟いた。 「ホッホッホッホ、いつもフランス料理ばかりでは飽きるしのぅ。ホッホッホッホ、今日の気分は王将ラーメンセットでも味噌もつ煮セットでも無く、チャーハンセットなんぢゃよ」現在のトリック博士の頭はチャーハンセット一色なのであった。
――とその時だった。 一匹の犬がこちらに向かって歩いているのが見えた。 その舌の動きから、その犬ののどが潤わされていないのが手にとって判った。
924 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/06/29(金) 01:17:20.58 発信元:220.106.176.99
犬はちょうど運ばれてきたトリック博士のチャーハンセットにかぶりついた トリック博士「なにさらしとんのじゃこらあああああああああああああああああああああああああああ!!!」 怒りに身を任せトリック博士はその犬に噛み付いた
餃子の王将店員「困るんだよなぁ! 店内に犬なんか連れて来られちゃ。」 トリック博士「バカ者! お前は何を見てたんぢゃ? 早くこのクソ犬を何とかせい!」
一部始終を見ていた土井塔克樹は笑い転げてた。
そして、勃起していた。
餃子の王将店員は犬を店外にブン投げた。 店員「あの犬‥、首輪が着いていたようだが。」 トリック博士「ワシの知ったコトぢゃないわ!」
もう、逃げる事は出来なかった。 その舌の主――中々風格のある最強の神獣「ドラゴン」は何時も通り水を飲むと、のさのさと歩き出した。 ドラゴンが口を閉じると共に、全てが暗闇に包まれる。そして暗闇だけじゃなくねちゃねちゃした液体と先ほど以上の暑さにも包まれた。 澄んだ水であるにとりとは打って変わってドロドロとし、糸を引いて跡を残す唾液。それが水として水の自分と同化していった。
船越英一郎「倉阪サン‥、ちょっとヒネリ過ぎてる気が‥。」 倉阪鬼一郎「誰にでも描ける小説は書きたく無いんだ。」
船越「だいたいさぁ、主役の『にとり』って名前なんだが、俺に言わせりゃ『家具&インテリアショップのニトリ』ってイメージしか無いんだよな。」 倉阪「‥腹が減った。 どうです、話の続きはすぐ近くの餃子の王将でメシでも食いながらってコトで。」
船越「山田うどんは無いの?」 倉阪「無いです! 餃子の王将じゃイヤですか?」 船越「わかったよ‥、行こう!」
「……というわけで、犬の飼い主の捜査を、警察にお願いしたところだったんです。」 土井塔は、腹ごしらえをしにやって来た倉阪と船越に、ことの成り行きを説明した。その説明の間、トリック博士は救急車で病院に運ばれた。救急隊員の話では、大事には至らないだろうとのことだ。 店員が犬を放り出したあと、その飼い主であろう女が鬼の形相で店に現れたのだった。私の可愛い犬を云々と喚く女に対し、トリック博士も大事なチャーハンを云々と言い返す。その口論は激しさを増し、先に切れた女が近くの食器で博士を殴り、逃走したのだった。
934 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/07/01(日) 11:21:42.15 発信元:124.214.254.138
「なんでこうも凶悪事件が続くのかなぁ・・」 船越が嘆く。
歩く度にちゃっぷんちゃっぷんと体内の水が音を上げる。 にとりの能力は決して水になる能力ではなく、水を操る能力だ。 よって直そうと思ったらすぐに直せるし、一部だけ直すといった器用な事も可能だ。
船越・土井塔「‥‥。」
餃子の王将店員「ご注文は?」 土井塔「チャーハンセットでいいや、お2人さんは?」
船越「俺もそれでいいや。」 倉阪「俺も。」
美貌を売り物にしていた、女怪盗の面影など微塵もない。 「ここに不二子が居るって事は、ルパンもどこかに…」 そんな事を思って突っ立っていた銭形は、看守に首根っこを押さえられ檻に投げ込まれた。
グダグダになってしまった餃子の王将の場面から、再びコメダ珈琲店の夜明に場面は移る。 見覚えある後ろ姿を確認し、夜明は声をかけた。「……どうして、こんなとこに居るんですかぁ?……目暮警部どの」 「んん?」夜明に声をかけられた目暮は、今やっと夜明に気づいた様子で振り返った。「奇遇だねぇ」
目暮警部は珈琲をブラックで飲んでいた。「美味い珈琲は常にブラックだよ」目暮は呟いた。 目暮十三 違いの分かる男 珈琲はいつも黒(ブラック) 目暮と夜明はサーヴィスの茹で卵とトースト、そしてブラック珈琲でモーニングを満喫した。
942 :
倉阪鬼一郎 :2012/07/03(火) 23:09:31.47 発信元:202.229.177.41
1:事件当夜は雨 2:ここに死体を捨てないでください 3:嘆きのフェチスト 4:釜揚げしらす弁当殺人事件 5:連続殺人鬼カエル男・再び 6:誰が風を見たでしょう 7:どこから行っても遠い町 8:あの黒いねこに聞いて 9:あるサッカー選手の死 10:さいたま餓死アパート見学会の怪 11:ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス 12:次は殺す。13:黒ノ十三 また「ある規則的」に繋いで見ました。やはり誰も指摘できませんでした。よかったよかった(自己満足)
〜最終章〜 血洗島の惨劇
944 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2012/07/03(火) 23:14:11.70 発信元:220.96.6.21
第15章 血洗島の惨劇
夜明「かぶった上に上げてしまったようだ・・・」 夜明は客を乗せ埼玉県深谷市まで車を走らせていた 時刻は午前2時。独り言が闇夜に吸い込まれていく。
怪盗キッドからの挑戦状が警視庁捜査一課に届いたのは6月から7月に変わったばかりの蒸し暑い日だった。 『今度こそホントに血洗島の秘宝をいただきマンモス。────怪盗キッド』 「……またか」目暮警部は、ややうんざりした顔で呟いた。「また、あの茶番劇が始まるのか…」目暮はキッドの『いただきマンモス』には一切触れなかった。
土井塔克樹は深谷市に来ていた。山田うどんに入りカツ丼セット(温かい蕎麦)をオーダーする土井塔。 ちょうど昼飯時 近所の中高生らしき男女が山田うどん店内で食事をしていた。 「キッド様がまた深谷に来るみたいね〜」「今度は怪盗キッドが勝つさ。しかし血洗島の秘宝って何なんだろうね?」「知らなーい、いいのキッド様が来てくれるだけで」中高生らしき男女の会話を苦笑いしながら聞いていた土井塔はテーブルに届いたカツ丼セットに箸をつけた。
土井塔がカツ丼セットに口をつけようとした時、背後から彼の肩を叩く者がいた。 トリック博士「ホッホッホッホ、ワシはチャーハンセットが食べたいのだよ」 土井塔「退院してたんですか博士・・・」半ば呆れた様子で土井塔が呟いた。
お洒落殺人鬼スネ夫も血洗島に向かっていた。目暮警部とは逆に、この犯罪者は血洗島の毎度の茶番が大好きなのであった。 いつも血洗島に一緒に来ていた来生たかおが今回は居ない事が少し寂しいスネ夫であったが‥‥。 いつものように血洗島の手前の深谷市大塚のセブンイレブンに立ち寄り、カルビフランクと缶コーヒーを買い、スネ夫は血洗島へと歩き始めた。
「土井塔君、ワシは君のオナニーを止めに来たんじゃよ。」山田うどんにおけるトリック博士の言葉には、普段の調子には無い、強い語気があった。 「章題でオナニーしたあげく、血洗島の秘宝など、具体的なネタもないものをでっち上げ、埼玉県に固執する。ユーモアもへったくれもないではないか。」 博士の喝に土井塔は涙声でし「ずびばぜん、でぼショダニーじだのば倉阪さんでぼぐじゃないでずぅ。」と反省し、夜明のタクシーでトリック博士邸へ戻った。
「ハッ」土井塔克樹は我にかえった。カツ丼セットで満腹になった彼は軽く眠ってしまい夢を見ていたのだ。 「博士は犬に食われて入院中だし、こんな所にいるわけないじゃないか…」土井塔は深層心理で誰かに叱られたい願望があったのかも知れないと自己分析した。 「さて、のんびりもしていられない」土井塔克樹は腰をあげた。土井塔は今からいろいろな『準備』で忙がしいのであった。
さてお勘定というその時、土井塔は気がついた。財布・バッグ・変装道具諸々がない。寝ている間に盗まれたのだ。そしてテーブルの上には、一枚の紙切れが残されていた。それには次のように書かれていた。 『色々頂戴しました スネ夫 P.S. キンクリの濫用はつまらないよね そしてお前は次に「スネ夫がそんなことするはずないだろ」と言う』 さすがの土井塔も、これには焦った。そしてカツ丼を食べたくらいで眠った自分を呪った。カツ丼代は店員にことを説明し、後日払うことで了承を得たが、あの変装道具を他人に見られること考えると、顔から火を噴きそうになる。
土井塔はとりあえず警察に盗難届けを出した。 財布の中のキャッシュカード・クレジットカードは警察発行の盗難証明書が無いと再発行までに時間が掛かるからだ。
警官「盗られたのは財布と中身だけですか?」 土井塔「え‥? まぁ‥、はい。」 変装道具のことはとてもじゃないが言えなかった。
入院中のトリック博士のもとには船越英一郎と倉阪鬼一郎が見舞いに来ていた。 「また来たみたいっスよ、血洗島の秘宝を奪うって挑戦状」と話す船越英一郎だったが、トリック博士は何も返さず黙っていた。 「博士、そのお体では、今回の血洗島は不参加ですよね」と倉阪鬼一郎。やはりトリック博士は何も答えない。
「おっ、怪盗キッドのお出ましか。」気晴らしにとテレビをつけた船越は、映像を見て思わず声を漏らした。テレビには、空を舞うキッドらしき姿と、現地で黄色い声をあげるギャラリーが映されていた。 望遠カメラにより拡大されたキッドの姿を見て、一番に違和感を感じたのはトリック博士であった。 「むむむ、こやつはキッドではないぞ。このとんがり頭はもしや……船越くん、テレビを消してくれ。このままでは間違いなく大変な惨劇がおこる。ワシには見てられん…」
テレビを消そうとした船越は「おや?」と声をあげた。怪盗キッドの実況放送の映像に見覚えある顔が映ったのだ。 「これ、目暮さんじゃない?」「ホッホッホ、こんな特徴ある顔は他におらんじゃろ、ホッホッホ」「特徴ある顔と言えば、今回の怪盗キッドも……」 テレビ画面の中の目暮警部は怪盗キッドに向かってさけんでいる。『おまえの正体はもう分かっている。おとなしくお縄につけ!スネ夫』
長距離便のトラッカーしているので3〜4日間は車中で寝食をとる。 深夜のサービスエリア、寝台で抜きたくなるが寸止めでやりすごし 帰宅後の楽しみに射精せずに金玉袋に溜め込んでおく! そして帰宅すると全裸になりゲイサイトを見ながら早速センズリ開始。 高ぶってくると等身大の鏡に自分のあられもない姿を写しながら・・・ 『金玉揺れてるよー!』とか隠語を発してイカない程度に扱きまくる! パックリ開いた尿道口から我慢汁がとめどなく溢れ出してくる。 この穴からザーメンが出てくる!!! いや、ザーメンが出たがってる!!! 『気持ちいいよー!』 『腰が抜けそうだ!』 全身に激しい痺れが駆け巡り盛大な射精をする!
目暮の拡声器を用いた警告は、テレビのガンマイクは拾ったが、当のスネ夫はおろか現地のギャラリーの耳にも届かなかった。というのは、中継ヘリコプターの騒音やギャラリーの歓声に阻まれたからだ。それにギャラリーはキッドの味方だ。警察の言葉に耳を貸さない。 それでも目暮は続ける。「ギャラリーのみなさん、キッドの応援など止めてすぐに退避してください!」目暮は焦っていた。スネ夫の恐ろしい行動が、想像できたからだ。 その時、スネ夫がキッドの声を真似してギャラリーに呼び掛けた。「みなさん、私は今日血洗島の秘宝を奪いに来ました。それは……みなさんの命です!」スネ夫は両手にマシンガンを構えた。
血洗島の秘宝の正体──。それは「血洗島のヒッホホホ」 お洒落殺人鬼スネ夫の殺戮ショートにおけるスネ夫本人の歓喜の笑い声 「イッツ、ショータイム」宙に浮かぶ背の低い怪盗キッドは歯を光らせ素敵なショーの幕開けを宣言した。
マシンガンが火を吹いた。最初の標的は中継用のヘリコプターだった。操縦士の頭が撃ち抜かれた。為す術の無いレポーターごと群衆に墜落した。あたりに爆音と悲鳴が轟いた。 人々が散り散りに逃げ出した。スネ夫はその頭上に弾丸の雨を降らせた。あるものは頭を破壊され、またあるものは足を撃ち抜かれ、またあるものは胴体に風穴を空けられた。殺人鬼の魔の手から逃れられた人はほとんどいなかった。 目暮はパトカーの陰で唇を噛んでいた。惨劇を防ぐことができなかった自分に怒りを覚えた。だが今は堪えるしかなかった。スネ夫を仕留めるチャンスが来ることを、じっと待つしかなかった。目暮には策があった。
怪盗キッドに扮した殺人鬼スネ夫の大量虐殺ショーは生放送で首都圏全域に中継された。トリック博士の病室のテレビで生殺戮を見せつけられた船越英一郎と倉阪鬼一郎は恐怖で固まっていた。 テレビでは何とかスネ夫の弾幕を逃れた人々にマイクが向けられ、その中の1人は船越も倉阪も、そしてトリック博士もよく知る人物であった。「…松本零士、なんで血洗島に?」命拾いした松本零士がインタビューに答えている。 「えー、たまたま血洗島を散歩していただけなのに酷い目に遭ったわ」白々しさはテレビを通して首都圏全域のお茶の間に届いた。
松本零士は、前回の血洗島秘宝騒ぎの後日に味わった甘い一夜をもう一度と考え、血洗島に来ていた。とはいえ、連れてきたのは杏子ではなく、最近雇った若い家政婦であった。 目暮がこの場で松本を目にしなかったことは幸いである。今松本を見たら、目暮は冷静さを失ってしまったことだろう。 目暮は高圧放水車を控えさせていた。本当は SAT に動いてもらいたかったが、出動要請の根拠が怪盗キッドの挑戦状では、許可が降りるはずもなかった。スネ夫が来ると説得したが、上司は聞く耳を持たなかった。
探偵・神宮寺三郎は事件のあったホテルに到着した。神宮寺はホテルの前で見知った顔を見た。警視庁の目暮警部である。 神宮寺三郎はホテルに入るのを躊躇した。警視庁の目暮はあまり良い印象の無い人物だ。しかし警察もこのホテルに来ているという事で、神宮寺は自分の推理が正しい事を確信した。 ―――どうする?とりあえず目暮たちの動向を見てから動くか?神宮寺は煙草に火を点けた。
夜明日出夫「乗車客からの裏情報でなんとなく来てみたが‥、トンでもない事態になっちまったな‥。」 夜明「目暮のとっつぁんよ、ここでスネ夫を捕まえなきゃ本当にシャレになんねえぞ!」
「緊急事態につき、私が臨時に指揮をとる」目暮警部は高圧放水車に向かって命じた。別にムスカのモノマネをしたのではなかった。 目暮警部の「発射」の号令と共に高圧水流が天空に浮かぶ殺人鬼スネ夫に向けて放たれた。 「ハハハハハ、私と戦おうと言うのかね」お洒落殺人鬼スネ夫は高笑いで迎え撃った。スネ夫の方はムスカのモノマネであった。
高遠遙一と汚死魔栗男と虻能丸も血洗島に来ていた。 高遠遙一「共倒れにでもなりゃ面白いんだがな。w」
高圧水流をまともに食らっても宙に浮くスネ夫はビクともしない。「ククククク…」 「スネ夫め、一体どんなからくりで宙に浮いてるのだ?」目暮はスネ夫のトリックが見破れない。血洗島でスネ夫を見上げる群衆も、テレビ中継で騒動を見つめる人々もスネ夫の空中浮遊のトリックを見破れないでいた。 「ククククク…終わりかい?では、今度はこっちの番だな」お洒落殺人鬼スネ夫は静かに笑った。
「まずい…」スネ夫がまた発砲を始めたら死傷者が増える。現時点で前スレの殺人レストランのエピソードをはるかに超える死傷者が出ている。 高圧放水車の乗組員から目暮に提案が出た。大型魚などの捕獲に使用される1メートル弱の銛(もり)が車に積んであるので、放水と同時にスネ夫に向けて放ってはどうか、という案だ。 「…銛でスネ夫を倒せるか疑問だが、これ以上被害者は出せない。やってみよう」目暮警部は乗組員の提案を受け入れた。
「大丈夫か…?」 「……」 神宮寺はかすみに声を掛け、彼女の手からグラスを遠ざけた。一時間程酒を飲みながら他愛のない話をしていたのだが、酒に弱いかすみは、案の定酔いが回ってしまったらしい。 ぼんやりした様子で、体が微かに揺れている。 このまま放って置くのも心配だったので、神宮寺はとりあえずソファーに彼女を座らせた。 「かすみ…大丈夫か?」 もう一度尋ねると、かすみは辺りを見回した。
神宮寺の目には、かつての出来事が、走馬灯のよう駆け巡っていた。清らかな思い出が浮かんでは消え、浮かんでは消える。その視界がいよいよ暗闇に包まれたまさにその時、不意に彼は意識を取り戻した。 キッドの挑戦状を耳にした神宮寺もまた血洗島に来ていた。ギャラリーに紛れキッドを目視しようした結果、スネ夫の流れ弾が腹部に命中し、逃げ惑う群衆でもみくちゃにされ、その場に倒れ伏したのだった。幸い急所は外れたが、このままでは危ない。 左手で傷口を押さえた。マルボロを吸いたいと思った。だが右手はタバコを見つけられなかった。ここまでか、と思った時、男の断末魔の叫びが聞こえた。神宮寺は力を振り絞り、声の方向に視線を動かした。とんがり頭の人影が槍状の物体に貫かれ、宙で十字を描いていた。
放水車の水くらい受けてもビクともしない自信がスネ夫の油断を誘った。水と共に放たれた銛がスネ夫を直撃したのだ。 「グエ──────ッ!」スネ夫の悲鳴が深谷市の空に轟き、宙に舞っていたスネ夫は落下した。 「今だ!スネ夫を捕らえるんだ!」目暮の号令と共に警官隊が落ちてくるスネ夫を包囲した。その時、目暮の携帯がメール到着のメロディを奏でた。「ん?何だ」
二度と逢う事はないとさえ思っていたのに、彼女は戻って来てしまった。以前と変わらぬ笑顔を向けてくれる事に、安堵を覚えないと言えば嘘になる。 それでも― だからこそ、確かめたかった。たとえそれが、平穏な“今”を変える事になったとしても。
目暮警部「とにかく救急車だ! スネ夫を生きたまま捕獲するんだ! 絶対に殺すなよ!」 おそらくスネ夫を捕まえる最期のチャンスだろう、目暮は必死に叫んだ。
そして、遂に目暮警部は
スネ夫を捕らえたかに見えた その瞬間 『ボン!』とスネ夫の体が音を出し、水蒸気のような靄が立ち、そこから鳩が一羽飛び立った。 「なんだ?」目暮と警官隊が鳩に気をとられてる隙に報道機関のヘリコプターに混じって飛んでいたスネ夫一味の物と思われるヘリコプターがグッタリしたスネ夫を回収して飛び立った。 「くそ、ここまできて逃がすか」目暮の号令で放水車がスネ夫一味のヘリに放水を開始した。プロペラが水を弾いて回転し、周囲に大量の水が舞い飛んだ。
(…一体誰が俺を助けたんだ…)スネ夫には自分を助けた人物に心当たりが無かった。かつて連れ回った者の中に、ヘリコプターを運転できるものはいない。僅かな気力で思考を巡らすスネ夫の耳に、微かに聞き覚えのある声が響いた。「ククク、無様ですね。」 声の主は、そしてヘリコプターを運転しているのは、高遠遙一だった。警察に捕まるスネ夫を間一髪で助けたのは、地獄の傀儡師と呼ばれる男だったのだ。しかし『助けた』という言葉には語弊がある。高遠の目的は、スネ夫を利用できるか試すことであった。 「正直、貴方の犯罪には芸術の欠片も感じられません。しかし、私の忠実な僕となり、芸術的犯罪の遂行に手を貸すと誓うなら、その命助けてあげなくもありません。それは無理というなら、貴方を最寄りの警察署に放置します。」
「いやっ!やめてブラームス!私には、夫が!」 お忍びで来日した帰途チェリビダッケと鉢合わせしたクライバーのようにおびえるクララを押し倒すと、ブラームスは ラトルの髪のように豊かな彼女の茂みに手を伸ばす。そしてその奥が、汗で光るスヴェトラーノフの額のように濡れて いるのを確かめると、彼はそこに己の先端をあてがい、アシュケナージが自分の手の甲に指揮棒を突き刺した時のよう にぶすりと一気に貫いた。 悲鳴を上げまいと必死に耐えるクララの口からは、小林研一郎のような呻き声しか漏れなかった。しかし禁断の甘い 衝撃に、彼女の背は指揮台の上のバーンスタインのように飛び跳ね、そのたびに彼女の胸がサンティの頬肉のように ぷるぷると弾む。彼女はそのまま、ラン・ランのように首を仰け反らせて絶頂に達した。
スネ夫「ククク‥、そんな脅しが俺様に通用するとでも思ったか? w」
目暮警部は現場のビジネスホテルの前で見知った顔に気づいた。「ん?ヤツは――」 「警部、道の反対側でこちらを見てる男、あれ神宮寺氏ですよね。探偵の」高木刑事も神宮寺に気づいた。 「フン、探偵風情に何ができる。しかし、……」目暮は気を引き締め直した。警察が私立探偵に負ける訳にはいかない。
目暮「神宮寺はどこまで掴んでいるのかな?」 高木「名探偵の神宮寺三郎氏ですからね。何か我々の知り得ない情報を持ってるかも知れませんね」 目暮「‥‥いっちょ探りをいれてみるか」
目暮と連れの刑事がこちらに向かって来るのに気づいた神宮寺三郎は心の中で「チッ」舌打ちした。仕方ない相手をするか…… 「おお、私立探偵の神宮寺君じゃないか。奇遇だな。こんなとこで何か調べてるのかい?」目暮は少し嫌味っぽく神宮寺に探りを入れてきた。 「あ、警視庁の目暮警部。お会いできて光栄です。事件の捜査ですか?」神宮寺は勿論目暮に会えて光栄だなどと思ってない。精一杯の皮肉だ。
「神宮寺さん、ホテルの事件で何か御存知でしたら警察に協力願えませんか?」高木刑事は神宮寺に言葉を選びながら丁寧に言った。 「‥‥興味あって調べてるのは確かですがね。確証を得るのはまだこれからって事で。勿論、お力になれる情報があれば協力しますよ」神宮寺も言葉を選んで慎重に応えた。事実、確証といえるようなものは未だ掴んでいない。 高木と神宮寺のやりとりを聞いていた目暮は「フン」と鼻をならした。
目暮警部「神宮寺サンよ、アンタのご目当ては松本零士だろ!」 神宮寺「?」 目暮「アンタほどの優秀な探偵さんなら、当然松本零士は最重要人物に入っているだろうな。」 神宮寺「‥。」 目暮「だが‥、ヤツには手を出させん、ヤツは俺の獲物だ。」
その頃、松本零士は仕事場で新作の構想を練っていた。年甲斐もなく若いアシスタントとの情事に燃えた零士であったが、そんな事ばかりにうつつをぬかしていられない。 零士の元に来客が来た。どこかで見た顔だが?――来客は『警察の者です』と名乗った。――思い出した。あの目暮の野郎がいつも連れて歩いてる2人の若い刑事の片割れだ。 『マスダ』という刑事は零士に聞きたい事があると言った。零士は嫌な予感がした。「(目暮の野郎にまた何かの事件の容疑者に仕立て上げられるだろうか?)」零士は警戒心を強めた。
増田刑事「松本さん、MGIホテルにお泊まりになられてますね?あそこへはどういった経緯で泊まわれたんですか?」 松本零士「‥‥私的な事だ。答えたく無い。」 増田刑事「実はあのホテルで他殺死体が見つかったんですよ」
松本零士「で私が泊まっていたから犯人だと言うんだろ?あんたの上司は!」 増田刑事「‥‥詳しい話は署の方でお聞きしたいのですが‥‥」 松本零士「任意だろ?誰が行くか!帰ってくれ!」
現場ホテル前で立ち話している目暮警部らと神宮寺三郎に場面は戻る。⇔ 「船越英一郎、土井塔克樹、倉阪鬼一郎、夜明日出夫、汚死魔栗男、成歩堂龍一。登場人物が漢字5文字の人間多いんだが神宮寺三郎もまた5文字!」 目暮警部は、また漢字5文字のレギュラー出演者が増えそうな予感がした。
「何で神宮寺さんは、この事件に興味を持ったんですか?」高木が問う。 「どうも、この小説は犯罪者側が強すぎて捜査する側が弱すぎる。お洒落殺人鬼だの地獄の傀儡師だのといった輩がやりたい放題な現状を打破する為には鋭い推理力を持つ人間が必要かな、なんて思いましてね」神宮寺は飄々と答えた。 目暮はまた「フン」と鼻をならすだけであった。
「そこまで自信満々に言うなら、君の推理を聞かせてもらおうか」目暮は少し苛立ち気に神宮寺に言った。先の神宮寺の台詞を挑発と取ったようだ。 「ここまで判明している事は@高相と女がホテルにチェックインしたのは雨が降り出す前。A女が酔った高相を残してホテルを出たのが雨の降り始め。Bホテルで発見された死体は雨に濡れてずぶ濡れ。――以上の事から導き出される答えは‥‥」 神宮寺は間合いを取るため煙草に火を点けた。神宮寺が辿り着いた真相とは?――――
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ο,.┃ SiberiaRailway. ,. ;: 終着駅についても旅はまだ続く…
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