【リレー小説】シベリア・サスペンス劇場2【三行まで】
ある程度、通して読んでも『小説』として成立するような作品を今回もリレーで作り上げていきましょう。 一言の言い捨てレスは極力やめて、三行程度の方向性のあるレスを繋げていければと思います。 そして、くれぐれも話を壊さない配慮はお願いします。さて今回はどんな話になるのでしょうか?
〜第1章〜 不良マッツァオ!!
3 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/17(金) 19:22:58 発信元:59.135.38.161
彼の名は青木しげる。後に裏社会を牛耳る人物となる男であるが、今は一介の不良に過ぎない。趣味は犯罪映画を見ることだ。
青木は仲間を集めて校舎裏で煙草を吸っていた。 「こらこら諸君ら!煙草なんか吸っちゃ駄目だぞう」 そんな青木たちを咎めたのは教師でも警官でも無く同級生の司乱平(つかさらんぺい)であった。
司乱平は見た目はアホみたいだが天才的頭脳を持ち、腕力も強いスーパー中学生であった。 青木「乱平!カンケー無いだろ!スッ込んでな!」 乱平「グフフフフ……関係無くないの!だって煙草はいけないもの!」
6 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/17(金) 20:53:26 発信元:59.135.38.164
乱平はそう笑うと、図面を広げながら、言った。「君たちもそんなチビチビ煙草を吸うんでなく、カートン単位で吸いたいだろ?それが君たちの本心でもあるはずだ…僕に良い計画がある。協力してくれるな?」乱平は腰を入れた。「このGSを襲うんだ」
7 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/17(金) 21:03:30 発信元:59.135.38.168
「GSって、ゲーセンか?」青木は首を捻った。「ハハ…違うよ。ガソリンスタンドのことさ。ガス・ステーションとも」そこで青木は、気がついた。「『アタック・ザ・ガス・ステーション』か!」乱平はニヤリと口角を上げた。
乱平「まぁ、そんな冗談は、さておき、タバ……ぐおっ!!」 乱平の後ろに突然現れた男が拳銃で乱平の頭を後ろから撃ち抜いたのであった。 青木をはじめ不良たちは、いっせいに青ざめた!!
9 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/17(金) 21:08:38 発信元:59.135.38.168
それは生物の教師だった。福満しげゆきの描く「おじさん」にそっくりなビジュアルで、「おまえら……授業……ブツブツ……出ろ…」と呟いている。
10 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/18(土) 19:54:54 発信元:59.135.38.166
最後に、青木だけを残し、屋上の人間は皆生物の教師イマイによって木っ端微塵にされた。 「ちょっと待って下さいよぉ!」青ざめる青木。 だがイマイにその声は短縮ダイヤルでも聞こえていたかどうか…やがて、青木に拳銃が向けられた。
11 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/18(土) 20:01:10 発信元:59.135.38.162
「アヒャッ!」パン、パパンパン。子どもが路上で二千円札を見つけたかのような素っ頓狂な声が辺りに響いた。その叫びは、イマイによるものだった。 青木しげるはラッキーなことにイマイの「暴発」というアクシデントによって事なきを得た。 そしてここから、青木しげるが裏社会でのし上がっていくストーリーが、始まるのである……
12 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/18(土) 20:14:01 発信元:219.125.148.97
東京は新宿歌舞伎町 日本有数の繁華街だ ここには様々な人間が集まる。
裏社会を牛耳るとかほざいてた青木とかいうチンピラのバラバラ死体が発見されたのは歌舞伎町の雑居ビルの便所であった。 チンピラが一匹死んだぐらいはどうという事も無いが、事はバラバラ殺人。 警察の慎重な捜査が開始された。
発見したのは歌舞伎町界隈にたむろしてる不良の1人であった。 普段イキがってる不良もバラバラ死体なんかを見つけてしまいマッツァオだ。 目暮警部「不良、マッツァオ、か………」
15 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/18(土) 23:05:13 発信元:219.125.148.105
今回の事件を担当するのは警視庁捜査一課目暮警部。 数々の事件を解決した警視庁でも一目おかれる敏腕刑事だ。 今回の事件も簡単に解決するだろう、周りは皆そう考えていた。しかし…
目暮警部「高木!序盤が肝心だ。序盤のうちにアレ、言っとけ……」 目暮警部は直属の部下である高木刑事を促した。 高木刑事「このスレはsage進行を推奨してます」
高木刑事「本題に戻ります、殺されたのは青木和也‥」 目暮警部「で、」 高木刑事「どこか別の場所で殺された後、歌舞伎町のトイレに持ち込まれたものと思われます。」
高木「青木和也は生前、青木しげると名乗って調子こいてたようです」 目暮「克美しげるにでも憧れてたのかな?まぁ、いい、さっさと解決させて飯食って帰るぞ」 目暮警部と高木刑事は死体を発見しマッツァオになった不良に詳しく話を聞く事にした。
増田刑事「青木和也とあおきしげるは双子の兄弟です。」 目暮警部「情報が錯綜しているな。」
目暮「確認する。 殺されたのは青木和也で、コイツにはしげると言う双子の兄弟が居る‥てコトでいいか?」 増田「最初からそう言っている訳なんだが‥。」
高木「その情報は間違いですよ警部!青木は双子なんかじゃありません!死んだのは裏社会を牛耳るとかほざいてた青木です」 目暮「そうか、それでいいよ」 第1章は前スレが残ってる間の茶番のつもりだったのに青木とかいうどうでもいいのが出て来てスレが汚れて少しイライラしてる目暮であった。
増田刑事「高木刑事、あなたは巡査からやり直した方がいいんじゃないですか?」
増田刑事「おっと、うっかりageてしまったな。お詫びしよう」
目暮警部「まぁどっちでもいいや。 同僚の白鳥警部にこの事件をプレゼントしよう。」
言い捨てレスはやめて方向性ある三行程度のレスを繋げろと
>>1 にあるが
理解できてない人いないよな?みんないい大人なんだろ?
本当に理解できない人は一行の方に行ってな。
>>25 無理やり3行にすることは無い。
臨機応変こそが大人の文章。
要は書き手のセンス。
「短命芸人の一発芸のような書き込みではなく、前の流れを引き継ぎ、次の書き手が話を膨らませられるような内容であれば、厳密に3行にこだわる必要はないはず。むしろ複数行使って、小説らしくしようというのが
>>1 の趣旨でしょう。
ただ中には一レスで10行20行書く人もいるので、そういうことは止めて、3行(というか改行2回)以内で納めましょう、ということでしょう。
ところで、殺人事件の担当が僕に降りてきたって本当かい、高木くん?」白鳥警部が一息で言い切る。
高木刑事「いや‥、目暮警部が勝手に言ったコトで私には何とも‥。」
目暮警部「高木…俺はお前の事………スキダ…。」
白鳥「まぁ、別の班の意向に口出しする気は無いけど、」 白鳥警部は少し言いにくそうに一呼吸置いて言い切った。 白鳥「目暮警部の班は少し、たるんでるんじゃないかなぁ?高木くん」
「それに前スレざっと読んだけど、高木くん、目黒警部とは本気なの?まあ、僕は自由恋愛を支持するからとめないけどさ。」などと言う白鳥だが、高木と目を合わせない。 「うぅあぁ、その事は無かったことにできないのかな…。たしかに全然事件解決出来なかったし…、たるんでると言われても反論できない…」 高木は自分が情けなくて仕方なかった。
目暮警部「そろそろ通常モードで行こうか。」
高木「目暮警部との愛とかは荒らしが書いた物なんで真に受けないでくださいよ白鳥警部」 白鳥「そうだよな。ホモネタとか糞くだらないネタは他のどうでもいいスレでやってくれ」 アラシの駄レスを打ち消すのにまた1レス使ってしまい、話が進まない。この流れは好ましくない。ちゃんとミステリーやろうよ。
写真に写る『宿敵』を見て、目暮は呟いた。 「今回は前スレのようにはいかないぞ!」 空を見上げる目暮、高木、増田、白鳥。雲が一瞬、お洒落殺人鬼の笑い顔に見えた―――
〜第2章〜 冤罪!冤罪!また冤罪!
加藤検事が、容疑者逮捕の知らせを受けたのは、先日地方裁判決がおりた担当案件の資料整理に奔走していたときであった。 上告、控訴共に無く一段落したため、一通り片付けたら、ほっと一息ついて生ビールをくいとするつもりだった加藤は、休む間の無い仕事の洪水に深く肩を落とした。 後ろ向きな義務感から事件内容と容疑者逮捕までの経緯を調べた加藤だが、調書に目を通したあと、そこにかすかな違和感を覚えた。
ふと浮かぶ疑問と違和感。加藤検事は『ある人物』の助言を聞きに出かける事にした。時間は夜の12時を越えていたが、頭の中の疑問符を払拭してしまわないと次には進めない気がしたのだ。 加藤検事はエレベーターで1階にある駐車場まで降りてきた。加藤の自宅兼事務所のあるマンションの専用駐車場である。 愛車の銀色のボルボに近づいた途端、加藤は背中に鈍痛を感じた。「ぐっ!?」
加藤検事は背後に潜んでいた何者かにドスで背中を刺されたのだ! 「――――ってよ‥‥」 襲撃者は何やら捨てセリフを吐いて立ち去ったが、加藤検事はその言葉を把握する事なく、絶命した。
増田刑事「えー、被害者は加藤吉男、職業は検事。車に乗ろうとした所を後ろから鋭利な刃物で刺された事が死因と見られます。」 目暮警部「フン、ボルボなんかに乗って調子こいてるからこんな目に合うんだ。で、目撃者は?」 高木刑事「今のところまだです」
殺人事件とあって多くの野次馬が集まっている中、捜査一課目暮班は手際良く初動捜査を行っていた。 「ん?」野次馬の中に1人の女性がいた。何かを訴えかけるような目で目暮達を見ていたが、 目暮警部と目が合った途端、女性は逃げるように現場から立ち去って行った。
ヤジ馬をとりあえずビデオ撮影をした。 放火事件などの格言である「犯人は事件現場に戻って来る!」ってヤツである。
「戻ってくるか!馬鹿か貴様は」
「まさか、加藤を殺してしまうなんて…」先刻事件現場から立ち去った女がつぶやく。その顔は化粧でもごまかせないほど青い。 彼女には分かっていた。誰が加藤を殺したのか。しかし、それを誰かに伝えたら今度は自分が殺される。その恐怖が、彼女を刑事たちから引き離した。 彼女は迷っていた、このまま真実を胸に秘めたままでいる罪悪感と苦闘するか、いっそ『ある人物』に話してしまうか。
彼女は加藤の愛人であった。やはり加藤の死は彼女なりに大きなショックだったのだ。彼女は思い切って『ある人物』に打ち明ける事にした。 ある人物とは、加藤も色々と相談に乗ってもらったり、助言をもらったりしていた人―――トリック博士の事であった。 トリック博士は世界のトリック界の権威、日本では2人しか所持していない殺人許可証まで持っていて警察や官僚にまで顔が利く凄い人物である。
「ホッホッホ、ホッホッホ、よく来てくれました」トリック博士は気さくに彼女を迎え入れた。彼女も博士の気さくな笑顔を見て、この人に全てを託す決心をした。 彼女は概要を話した。加藤は昔ワルだったものの更正し、検事にまでなった肩書きで『ヤンキー検事』などと呼ばれて、メディアなどにも登場していた。 あるラジオ番組で加藤と共にゲスト出演していた『ある漫画家』と口論になり、加藤はこの漫画家に若僧呼ばわりされた。この漫画家の目が常人じゃない狂気に満ちていた。―――そう、¨殺人者の目¨だった。
一方、ここは警察署会議室。 目暮チームはその加藤と漫画家が口論となったビデオを観ていた。
「そんなレベルの話をしてるんじゃないんです」『なんだと若僧!もういっぺん言ってみろ!』「やれやれ、逆ギレですか‥‥まいったな‥‥」『漫画家ナメんな、コノヤロー!殺すぞ』 漫画家、松本零士には話を聞く必要がありそうだ――――
一方、トリック博士と加藤検事の愛人女性の話は続いていた。 「で、あなたは漫画家、松本零士氏が加藤さんを殺したとお考えな訳じゃな、」 「間違いありません。この事は警察の方にも話をしようと思ったんですが、その事で私も松本零士に命を狙われるんじゃないかと不安で………博士に御相談した次第です。」
トリック博士は早速、目暮警部に電話で連絡を入れた。 「目暮さん。今、目暮さんが担当してる検事殺人事件で面白い情報があるんじゃがのう……」 「これは博士、わざわざありがとうございます。では、山田うどんの餃子を土産に参上します。」
目暮は増田を連れ、トリック博士の元へ向かった 途中、山田うどんに寄り、テイクアウトの餃子を購入し(2人前以上ならテイクアウト可能)目暮と増田はトリック博士邸に到着。トリック博士は笑顔で迎えてくれた。 「ホッホッホ、ご足労いただきすまんのぅ。でも、今回はかなり有意義な情報をお聞かせできると思いますよ、ホッホッホ」
トリック博士は先ほど聞いた加藤検事の愛人からの証言を目暮警部に話したが――― 「博士、今回は残念ながら、松本零士が犯人―――と、断言できない事態が起きています……」 目暮警部は苦々しい表情で捜査の進行状況をトリック博士に話し始めた。
目暮「松本零士は殺人事件があった時刻、痴漢容疑で拘留されていたんですよ」 トリック博士「松本零士氏が痴漢を?ホントかね?」 目暮「本人は『冤罪だ!』と叫んでいるみたいですがね、拘留されていたのなら殺人は不可能です」
「その痴漢事件の話を詳しく聞かせてもらえんかのぅ」 トリック博士は松本零士が起こしたという痴漢事件の概要を詳しく目暮警部に聞く事にした。 「帰宅時間で混み合う満員電車で若い女性の尻を撫でたり、勃起したペニスを女性の尻にこすりつけたりした容疑です。松本零士は絶対に認めず、取調は夜遅くまでになり、殺人事件のあった深夜には警察署に拘留されていました」
増田刑事「松本サン曰わく『勃起するほど若く無いわい!』にはちょっと笑っちゃいましたw」
目暮警部「松本容疑者は勃起したペニスを被害女性の臀部に擦り付けた点に関しては調査中です。」 増田刑事「我々は今後、松本容疑者の勃起試験を行う予定です。また、被害女性より松本容疑者は彼女の下着の中に手を入れ、陰部に直接指を入れた模様です。そして、指を数十回動かしています。」 トリック博士は神妙な顔をして聞いているつもりであったが、口元は笑いを堪えるのに必死であった。
「いや、詳しく聞きたいのは、勃起がどうのとかいう話では無く……」 トリック博士は軌道がズレてきた刑事たちの話を本筋に戻すが如く問う 「殺人事件の時間に、警察に拘留されていたなんている鉄壁なアリバイ………出来過ぎの気がするんじゃがのぅ……」
目暮警部「まぁどっちにしても殺人事件とは無関係と断定して構わないと思っています。」 増田刑事「その代わり痴漢行為に関しては容赦しませんが‥ね。」
「痴漢に関しては我々の管轄じゃ無いけど、悪は許さないという意味ですけどね」 と、増田は勘違いしてるレスをフォローするように言った。 「で、松本零士氏は今は?」トリック博士は目暮に問う。
目暮「素直に認めれば調書取って釈放なんですが、本人が冤罪だと戦う姿勢だったようで、一晩拘留したようです。いつまでも留置しておく訳にも行かないので次の朝、釈放したそうですが、また事情聴取で呼ばれるみたいですね」 トリック博士「目暮さんは松本零士氏が本当に痴漢なんかしたとお考えかな?」 目暮「松本零士の事はよく知ってます。奴は漫画界の大御所ぶっていますが、単なるエロジジイですからね。痴漢とか卑劣な行為もやりかねない野郎ですよ」
「1つだけ、1つだけ助言を言わせて貰うとすると……」 トリック博士は柔和な表情を少し崩し、思い当たる点を目暮警部らに指摘した。 「その痴漢事件に作為的な物を凄く感じるんじゃよ……アリバイトリックの匂いがするんじゃ。痴漢事件の件も検証しつつ、殺人事件の方でも、松本零士氏に詳しく話を聞く必要があると思いますな」
トリック博士邸に、新たな来客が来た。俳優の船越英一郎である。2時間サスペンスのヒーローの彼も、トリック博士の門下生の1人なのだ。 「博士の家の前を通ったら、いい匂いがして……お!それは山田うどんの餃子じゃないっスかぁ!俺の大好物の」 突然騒がしい来客の訪問に難しい顔して話していた目暮やトリック博士も「やれやれ」と顔を崩し、白い歯を見せた。
「あれ?目暮さんが来てるって事は、例の検事殺しの件っスかぁ?」 船越は餃子を食べながら、事件について興味津々な様子で聞く 「ホッホッホ、船越さん、餃子は『どうぞ』と言われてから食べるのが礼儀じゃないですかの?ホッホッホ」と小言を言う博士も船越の来訪で場が和んだ事を内心喜んでいた。
「では松本零士を引っぱるとするか、博士、今日はありがとうございました」礼を言って署に帰る目暮と増田。 「えっ、もう行っちゃうんスかぁ?」船越英一郎はもう少し刑事達の話を聞きたかった様子で少し不満そうだ。 トリック博士は心の中で目暮たちに事件解決へのエールを送りつつ、船越が餃子を全部食べてしまい、自分が餃子を1つも食べれなかった事を不満に思っていた(笑)
67 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/23(木) 21:23:51 発信元:124.214.254.138
増田刑事「で、誰が松本氏を引っ張るんですか?」 目暮警部「そもそも容疑はどうするんだ? 痴漢容疑なら俺達は管轄外だぞ!」
目暮と増田は署に戻り捜査一課で再び、事件解決への方向性について話し合った。 「よし、解決に一直線だ!」 目暮は自ら、松本零士連行に出向く事にした。目暮に高木刑事とドーベルマン刑事が同行した。
松本零士は仕事場にいた。痴漢の容疑をかけられ釈放されたばかりの身でも仕事はしなくてはならない。 「先生、大変でしたね」アシスタントの杏子が零士に労いの言葉をかけた。 「よりによって痴漢の罪を着せられるとはな、ハハハ、俺ってそんな不審な顔してるんかな?ハハハ」少し自虐的に笑う零士であったが、精神的には相当まいっていた。
松本零士「私は女性の尻を触ってないし、勃起したペニスを尻にこすりつけたりしてないし、下着に手を入れて性器に指をいれてないし、女性の耳元で“濡れてるよ”なんて言ってないし、精液を尻にかけたりしとらん!」 アシスタント「先生…随分と事細かにお話されてますね。」 余計な事まで話した松本零士の顔に焦りの表情が見えた。
71 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/24(金) 01:18:53 発信元:222.5.62.188
咳払いをして横を向き、カレンダーを見る振りをしつつ松本は、アシスタントの杏子を盗み見た。 鋭い指摘をしながらも、それ以上詮索などしてはこず、何事もなかったようにコーヒーを淹れている。 賢く、美人ではないが表情にどこか華のあるこの杏子という女を、どうにかして己のものにしたいと、密かに松本は考えていたのだった。
杏子の横顔、そしてスタイルの良い体のラインを見ていた松本零士は己の欲望が爆発するのを堪えていた。 杏子が松本にコーヒーを持ってきた。杏子がコーヒーをテーブルに置いた時、屈んだ彼女の胸元に白い豊かな胸が覗いた。 コーヒーの香りと、杏子から漂う香水の甘い香りが松本を包んだ。理性を失いそうになっていた、この時の松本のペニスは既に勃起していた。
ドカーン!! いきなり、松本零士の仕事場のドアが蹴破られ、3人の男が入って来た。 「松本零士は居るかぁ!警察だァ!ゴラ」先陣をきって入って来た男が吠えた。
突然の刑事たちの乱入に零士は憤った。刑事は3人とも見覚えのある顔だ。特にその中の1人は因縁ある相手だ。 「一体、何の騒ぎですか刑事さん!いきなり失敬な」零士は怒りを抑える口調で抗議した。すると若い血の気の多そうな刑事が零士の胸ぐらをつかんだ。 「ひぃっ!」零士は刑事たちのただならぬ様子に仰天し、情けない声をあげた。
目暮警部「いやいや、若い者が失礼をした。松本零士さん、ある事件でアンタを捜査一課の方でも調べる必要がでてきた。任意でご同行願えますな?」 松本零士「…………」 目暮警部「素直に来たほうが身のためだと思います。この若いのは血の気が多いもんでね。我々もなるべく手荒な事は避けたい所ですしね」
目暮「よし、高木、ドーベルマン、連行しろ」 任意とは名ばかりに松本零士は半ば強制的に目暮警部たちに引かれ警察署に向かう。 こんな強引に松本零士を連行すると言う事は目暮には、事件解決への勝算があるのであろう。
警察署の取調室で対峙する目暮警部と松本零士。「まず、確認したい。アンタ、痴漢をしたのかね?」目暮警部は探りをいれるように問い質すが 「潔白だ。それにそれはアンタの管轄じゃないだろう?警部さんよォ」零士もやや挑戦的に言葉を返した。零士も、目の前にいる目暮警部に只ならぬ因縁を感じているのだ。
目暮警部「加藤って検事、知ってるだろ?アンタと口論したっていう相手だよ。その検事が殺されたんだ」 松本零士「まさか、また、口論したぐらいの理由で、私が犯人だとか言い出すんじゃないだろうな!」 目暮警部「それを踏まえて、もう1度聞く。アンタ、痴漢をやったのか?」
松本零士「何度も言わせんな、お前らバカか!」
高木刑事「お前痴漢やったんだろ!被害女性は泣いてたぞ!!!」 目暮警部「松本さん…貴方は満員電車の中で女性の尻を撫でたり、勃起したペニスを擦り付けたりしましたよね?」 高木刑事「それと、下着の中に手を入れたり、女性器に指を入れ動かしたり、尻に射精したり、ペニスを露出して握らせたりしただろっ!!わかってるんだっ!!!」
「まあ、いい、痴漢の話は管轄外だ…」 目暮は冷静になり、松本零士に鋭い視線を向けた。 「我々はアンタが痴漢事件を検事殺害事件のアリバイトリックに利用したものと睨んでいるんだ」
松本零士「はぁ? もう一度言うぞ、お前らバカか!」
「警部!」目暮は取調室の外から部下の増田刑事に呼ばれた。 「何だ?増田」松本零士への取調を中座して目暮は取調室を出て増田刑事の話を聞いた。 「今、所轄から連絡が入りました。どうも、松本氏の痴漢の件、冤罪の線が濃そうです」
さらに、 松本零士「そんなんだからいつまで経っても"お洒落殺人鬼"を逮捕出来ねーんだよ! どうした、言い返せるかバカ共が。」
所轄から入った情報によると、被害者とされていた女は以前に、電車内でイアホンから音が漏れるほどの大音量で音楽を聴いてるのを同じ電車に乗り合わせた松本零士氏に注意されていた。 それをみんなの前で恥をかかされたと逆恨みした女は今回、あの時注意した男を同じ電車内で見つけ、仕返しのつもりで痴漢騒ぎをでっちあげたのだ。 すべて狂言だったと認めた女は所轄の取調室で泣き崩れ、松本零士氏に対して謝罪の言葉を言いながら泣き続けたという………
増田の話を聞き、取調室に戻った目暮は切り口を変えるが如く、松本零士に詰め寄った。 「フン、どうやら、痴漢の方は冤罪みたいだな。別に痴漢の件はどうでもいい。管轄外だしな。残るは検事殺害事件の話だ!」 松本零士も、うんざりした顔で返す「だから、私は、そのやってもいない痴漢の容疑で警察に留置されてたんだよ。どうやって検事を殺せるんだよ。殺すほどの恨みも無ェし」
しかし、数日後女は遺体となって発見された。 遺物の中にはビデオカメラが…
目暮警部「我々も推測だけでアンタを犯人だと言ってるのでは無い。加藤検事の愛人女性が涙ながに告発したんだ!アンタが犯人だと思うとな!」 松本零士「目暮さん、あなたの頭はカボチャか何かかね?愛人が私を犯人だと思ったから犯人だぁ?何が何でも私を犯人にしたいようだが、留置され身動き取れなかった私がどんなトリックで検事を殺したって言うのか?説明してもらいましょうか!さあ」 目暮「……それは今から、松本さん、あなたの体に聞くんですよ」目暮はパチリと指を鳴らした。
いろいろな情報が錯綜し出した。こちらでは一旦時を刑事が去ったトリック博士宅に戻すことにしよう。誰かがうまくまとめあげるの信じて。 「愛人ってことは、加藤には奥さんがいるってことか?」船越が加藤の愛人に訪ねる。息が餃子くさい。 「はい、でももう別れたも同然なのです。離婚しようにも、親権や慰謝料の話でもめていて。彼は私のために離婚すると言っていたけど、私はその必要はないと…。私みたいな人間は、愛人くらいでいるのがちょうどよいのです。」
取調室のドアが乱暴に開き、ドーベルマン刑事が取調室に入ってきた。 「…まさか、…まさか私を拷問にかける気か?」零士は血の気の多そうな若い刑事を見て、直感的に、そう言った。 「ドーベルマン!顔は傷つけちゃまずい。ボディにしな、ボディに」目暮はドーベルマン刑事に拷問をスタートさせた。
ドスッ!ボスッ!「ぐっ!ぐあっ!」 若い荒くれ男風の刑事は容赦なく松本零士の鳩尾(みぞおち)にパンチを叩き込んだ。 「警部!」また、取調室の外から部下の増田刑事が目暮を呼んだ。
増田の話を聞き、取調室に戻った目暮。表情は落胆が隠せない。 「ドーベルマン、もういい」松本零士を締め上げていた若い刑事を目暮は取調室から退場させた。 そして目暮は力なく呟いた。「松本さん、アンタ帰っていいよ」
〜第3章〜 風を忘れる頃
加藤検事刺殺事件、松本に痴漢の濡れ衣を着せた女の死亡(現在他殺、自殺、事故の調査中)、そして、防犯カメラに映ったスネ夫の姿…。 目暮は松本零士を拷問した責任を問われ停職を余儀なくされた。 事件は白鳥警部に引き継がれるも今だ進展を見せない。加藤検事が殺されてすでに一週間が経っていた。
署長「目暮君、辞職願はまだかね?」 目暮警部「反省してます‥。」 署長「ドーベルマン君は潔く退職したよ。」
目暮警部「当然でしょ。 指示もしてないのに勝手に松本氏に暴行を加えたんだから。」
小説家の倉阪鬼一郎は深夜、執筆活動中に空腹感を覚え、筆が止まった。 こんな深夜に食事に出かけるのも面倒な鬼一郎はインスタントラーメンでも作って食べる事にした。 片手鍋を探し、台所まわりの棚をあちこち探っていると、鬼一郎はすっかり忘れていた懐かしい物を見つけた。
99 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/25(土) 13:02:14 発信元:124.214.254.138
エースコックのわかめラーメンであった。 倉阪「まだ・・食えるかな?」
せっかく話をどうにでも広げられそうな所で止めてあげても、繋げる書き手が阿呆だとブチ壊しになる。だからリレー小説は難しいと倉阪鬼一郎は思った。 「書き手のレベルがバラバラだから仕方の無い事だ……」 と、ひとりごとを呟きながら、とりあえずワカメラーメンを食べる事にした。
101 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/25(土) 19:16:59 発信元:222.5.62.188
イヒヒヒヒヒヒヒヒ…… 突然、暗闇に響き渡る不快極まる笑い声。 「独善。不遜。傲慢。腐った小悪党が何言ってんだか。……でもね、そういうの嫌いじゃないよ……グヒヒヒヒ」
102 :
カービイ :2010/09/25(土) 19:57:40 発信元:122.24.104.22
女神と天女とかぐやと乙姫が氷漬けされています 雪女の仕業でしょうか?
倉阪鬼一郎「だめだ‥こんなんじゃ。」 倉阪は現在スランプのようだ。
「俺はなぜこんな下らないことを書いてしまったのか?」 倉阪は書き出したばかりの原稿用紙を、丸めて投げた。それはまるで吸い込まれるようにゴミ箱に収まった。 「自動販売機で珈琲でも買ってこよう。」彼は鍵もかけず外へ出た。
倉阪鬼一郎は自宅兼仕事場のマンションから最寄りの自販機の前に立つ。 目の前にはダイドーとポッカの自販機が並んでいたが、鬼一郎はbossが飲みたい心境だった。しかし目につく辺りにサントリーの自販機は無かった。 倉阪鬼一郎は「仕方ない。ダイドーかポッカのどちらかにしよう」と、呟きつつ、迷っていた。
突然倉阪は何者かに羽交い締めにされ、口に湿ったハンカチを当てられた。 「むが、ふが…」 倉阪は抵抗するも、拘束を解くことができない。そして彼は意識を失った。
病院のベッドで倉阪鬼一郎は目を覚ました。 「―――あれ?珈琲を買いに行ってそれから……」鬼一郎は何故、自分が病院のベッドに寝ているのか理解できない。 「お、目が覚めたね、倉阪さん」ベッドの脇にいた目暮警部が鬼一郎に話しかけてきた。目暮は只今、停職中の身である。
目暮警部の話によれば、停職中で退屈なので友人の倉阪の元を訪ねて行ったら、倉阪がマンション近くの自販機の前で倒れていたというのだ。 「なんか、後ろから羽交い締めにされて、クロロホルムかなんか嗅がされたような…」鬼一郎は少しづつ記憶が戻ってきた。 「物騒な話ですな。何か、誰かに狙われるような覚えはありますかな?」目暮は停職中でありながらも鬼一郎の身を案じ、刑事の顔で聞いた。
「いえ、特に誰かに恨みを買うようなことは…」 「では、ここ数日で気になったことはありませんか?」 「気になったというほどでもないけど…。目暮さんも御存知の通り、私は今KAWAKADOミステリーに連載中です。その担当の方が、最近変わったのですが、その方どうもおかしな注文が多いのです。」
目暮「‥例えば?」
「アリバイトリックを具体的にこうしてほしいとか、もっと実行できそうなものにできないかとか…。 前の方は、話の大筋を決めたら、あとは自由に書かせていただけたので…。 もっとも私もそれほど多くの編集者と接したわけではありませんから、中にはそういうスタイルの方もいらっしゃるのかもしれませんが。」
112 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/26(日) 13:22:54 発信元:124.214.254.138
目暮「担当さんの気持ちも解らなくもないが・・。」
命に別状はなく、入院の必要は無いという事で自宅に帰る事が許された倉阪鬼一郎。 目暮には迷惑かけた謝罪と新作小説を書き上げなくてはいけない事情を話し、鬼一郎はまた1人、執筆活動に入った。 タイトルは決まっている『風を忘れる頃』だ。しかし、なかなかスムーズに話が描けないまま、また深夜をむかえた。
倉阪鬼一郎は頭をフル回転させた。言い捨てみたいな駄文を書いては捨てる。原稿用紙の無駄である。一言言い捨ての駄レスでレスを1消費するに値するほどの無駄だ。 「だいたいsageも知らない阿呆に小説など書けるものか……」鬼一郎は意味不明なひとりごとを呟いてみるが話は少しも進まない。 倉阪鬼一郎は珈琲が飲みたくなった。鬼一郎のいう珈琲とは缶コーヒーの事だ。缶コーヒーに洗脳された鬼一郎は淹れたての珈琲より缶コーヒーの方が好ましい物であった。
倉阪鬼一郎はまた缶コーヒーを買いにマンション近くの自販の前まで来た。目の前にはダイドーとポッカの自販機が並んで立っている。 「bossが飲みたいんだが、な、Georgiaでも許せるが……」しかし目の前の自販機はダイドーとポッカしか無いのだ。「!?」自販機の貼ってある貼り紙を見て、鬼一郎は吃驚し、絶句した。 貼り紙には、こう書かれていた『早くダイドーかポッカか選べ!選ばない限り、話は先に進まないぞ』
116 :
さくら :2010/09/26(日) 17:47:30 発信元:126.217.95.127
やる夫「
>>116 が犯人だお」
やらない夫「常識的に…考えて?」と2人組の白い男が目暮のところに漫才をやりながら入ってきた。
やるやら「本日付けで配属となりました!よろしくお願いします」
「う〜ん、ダイドーにするか、ポッカにするか……」倉阪鬼一郎は、やる夫とかいう糞くだらないアホみたいなレスを黙殺し、自販機の前で考え込んだ。 『まいどォ〜。温かい飲み物、どうでっか?』ダイドーの自販機の方が関西弁のメッセージを喋った。それが鬼一郎の背中を押したようだ。 「よし、決まった。こっちにしよう」
倉阪「最近寒くなったし、暖かい珈琲が美味いっス。」
倉阪は大阪弁に心を許し、ダイドーの珈琲を買ったのだった。 熱い珈琲を一口すする。「Bossほどでは無いけど、まあまあな味だな…。」 そしてもう一口という時、彼は気づいた。自販機にあるダイドーのロゴが、かつての"Daido"であることに…。
121 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/28(火) 06:21:46 発信元:222.5.62.194
なおも見ているとその文字はアメーバのように蠢き、「SUNEO」と読める形になる。 何やら背筋の凍るような悪寒を覚えた倉坂は、飲みかけの缶コーヒーを投げ捨て、逃げるようにその場を離れようとした。 と同時にいつか耳にした不愉快な笑い声が夜風に紛れて倉坂の体を取り巻いた。
風を感じる倉阪鬼一郎。 風に吹かれると前スレで、お洒落殺人鬼一味に殺されかけた時、助けてくれた、あの青年を思い出す。そんな前の事では無いのに、妙に懐かしく…… すると手に持つ缶コーヒーのロゴは『DyDo』と正規のロゴに戻っていた。
倉阪鬼一郎を助けた青年は190pはあるだろう長身で筋骨隆々。 少し冷たさを感じる表情に無精髭を生やし、やや尖った顎が武骨な印象を与えるが、非常に端正な顔立ちをしていた。 倉阪鬼一郎を救った人物は何を隠そう、あのペニス一郎であったのだ。
倉阪鬼一郎はペニス一郎とかいう糞くだらない事を考えてる場合では無い事に気づき、我にかえる。 「私を助けてくれた、風使い・陣という青年。彼は今、どうしてるのかな?」不意に陣の事を考える鬼一郎 先ほどから吹き始めた風が、だんだん強くなってきた。鬼一郎は、なんだか新作小説のアイデアが閃きつつある感覚を持って自宅兼仕事場に戻った。
125 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/09/29(水) 02:08:27 発信元:222.5.62.190
意気込んで原稿に向かう倉坂であったが、いざ書こうとすると先程までは溢れんばかりに湧き出ていたイメージは嘘のようにピタリと止まってしまった。 己の才能の限界に苦悩し、煩悶しながら椅子を振り回し、窓ガラスをぶち破る倉坂。 窓から吹き込む風は、ペニス某やらスネ夫といった屑に等しいイメージだけを彼に想起させ、嘲笑うかのように倉坂を翻弄した。
倉阪の頭からペニス一郎やスネ夫のイメージが消えうせる事は無かった。 原稿を書き進めるうちに、いつの間にか“ペニス一郎”や“スネ夫”を登場人物として設定してしまう、言わばスランプに陥っていた。 倉阪はスランプに悩まされていたが、ペニス一郎の様な卑猥な人物名の設定や、スネ夫の様な他の作者のキャラクターを拝借してしまうといった愚行を誰にも相談出来ずにいた。
127 :
飼育員 :2010/09/29(水) 02:36:35 発信元:60.41.10.55
バイオハザード飼育員の日記64 すまんが寒気と体調不良でなにがなんだかさっぱり分からん。 9月29日(水) AM2:35
悶絶しながら書き上げた倉阪鬼一郎の『風を忘れる頃』が完成した。 「ふぅ、できた。久々の大傑作だっ!!」 倉阪は推理ミステリーでけではなく、ホラー小説も得意なのだ(評判は良くないが)倉阪は、アイデアが洪水のように湧き上がる自分の才能に酔いしれた。
大傑作を書き上げたつもりの倉阪鬼一郎であったが 「先生、なんですかこれ?殺人鬼が人を殺しまくって、刑事は飯食ってるばかりで殺人鬼を捕まえる意欲も無い、こんなのは発表できませんので書き直してください」 編集者から叱責と共に『ボツ』を言い渡されてしまった。
倉阪「原稿が完成したので見に来てくれ。」 担当編集「やっと完成しましたか‥、これからそちらに伺います。」
大傑作のつもりの作品をボツにされた倉阪鬼一郎は捜査ミスで停職中の目暮警部とヤケ酒を飲みに出掛けた。 2人は、やきとりチェーン『大吉』の、暖簾をくぐった。 「とりあえず、乾杯!」「乾杯……ねぇ」
倉阪「目暮君…実は聞きたい事があるんだが…。」 目暮警部「はぁ…何でしょうか?」 倉阪「・・・・ペニス一郎って誰なんだい・・・?目暮君の友人かい…?」
「なんで、『君』呼びなんだ?」目暮警部の眼光が鋭くなった。 「すいません目暮さん」倉阪は、あわてて訂正した。 「ペニス一郎とか塵みたいなのはスルーでいいよな」「こんなレスで1レス消費するのも勿体無いんだよ。ホントの話!」
やる夫「勿体無いですよね警部!」 やらない夫「俺も同じ意見です」 この二人スルーされるのが嫌らしい・・・
〜『ヤケ酒』『やきとり』あたりで話を広げてくれると期待したけど馬鹿しか来なくて残念だよ。〜 突然、なげきのナレーションが入り、場面が変わる。 外は午後から雨が強く、この心に染み込んでくる。あれは幻〜束の間の愛
倉阪「スマンが、そのくだらんラジオけしてくれないか!」 店主「はぁ‥スンマセン。」 倉阪「‥で警部、ドコまで話しましたっけ?」
目暮「くだらんレスはスルーせい! まで言った。」 倉阪「‥僕の書いたボツ小説、読みます?」 目暮「せっかくだから読ませて頂きましょう。」
倉阪の小説を読みふける目暮。 目暮「‥‥。」 倉阪「出来れば感想を‥。」
140 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/01(金) 00:39:12 発信元:222.5.62.194
「…入った〜!ペニス・イチローの逆転のツーラン!マウンド上、昨日、一昨日に続いて3連投となる抑えの骨川、ガックリと力尽きた表情です!」 店内に湧き上がった酔客どもの歓声によって目暮の言葉はかき消されてしまった。 だが、痛みを堪えてでもいるような目暮の表情から、倉坂は再び自分の才能の限界を思い知らされ、力なく笑った。
倉阪「やっぱりペニス一郎や骨川スネ夫は駄目ですかね・・・?」 倉阪鬼一郎は寂しく笑いながら尋ねた。 目暮警部「駄目って事はないですけど・・・。ストーリーはいいんですけど…登場人物の名前がちょっと…。」
やる夫「だから言ったでしょ警部殿!」 やらない夫「俺達しかいませんよ常識的考えて!」 と無視されても目暮に話しかけ続ける2人組
かく言う目暮は冒頭数頁に目を通しただけであったが、それ以上読ませようという勢いが、この物語には欠けていると感じざるを得なかった。 (一体何時の間に君の筆は衰えてしまったのか…。デビュー作「南の窓から君を見つめて」はあんなに素晴らしかったのに…。) 今の倉阪には厳しいであろう感想を、どうにか悟られないように、目暮は黙って生ビールを胃の中へ流し込む。空のジョッキを片手に「オヤジさん、魔王二杯ロックで。」
144 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/01(金) 07:30:59 発信元:202.229.176.176
目暮はブラインドを少しだけ開け、沈痛な面持ちで言った。 「ペニス一郎を始末出来るのはあの男、フグリ次郎しかいない。」 斜めに射し込んだ夕日が、目暮の貌を橙色に照らしている。
145 :
誘導 :2010/10/01(金) 08:13:59 発信元:210.153.84.194
「……ハッ、ここは?」倉阪鬼一郎はコーヒーの自動販売機の前で目を覚ました。疲労とプレッシャーで疲れきっていた鬼一郎は自販機の前で眠ってしまっていたのだ。 「嫌な夢を見た……ゴミみたいな連中に、私の新作を荒らされ、ボツになる夢を……しかし、私は相当疲れているんだな……」 倉阪鬼一郎の夢の中で遊んでるだけだったゴミどもの事を鼻で笑うと『小説を書ける能力の無いザコは他に行け』と心の中で囁く鬼一郎であった。
〜第4章〜 お洒落殺人鬼 vs 地獄の傀儡師
「ククク……そろそろ、起動しましょうかね……」 お洒落殺人鬼スネ夫と来生たかおは栃木県小山市に来ていた。 スネ夫が血の絵の具で描く、恐怖の殺人ショーの舞台の下見に来ていたのだ。
来生たかお「でスネ夫チャン、なんで小山市なんだ?」
150 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/01(金) 18:12:33 発信元:210.153.84.181
スネ夫「うるさい!たかおのくせに生意気な!」
151 :
テリー伊藤 :2010/10/01(金) 19:44:42 発信元:126.234.42.23
152 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/02(土) 03:38:55 発信元:222.5.62.188
栃木県小山市―その市街地から2キロほど離れた山間の古民家を買い取り、スネ夫らの秘密のアジトとしていたのだ。 客間のテーブル上には、数年前に捕獲し、バラしたまま放置された猫型ロボットの残骸が横たわっている。 口封じの為に管理人が殺されて以来、すっかりあばら屋となったこのアジトに、なんで今更舞い戻ったのか?―訝しげに思ったが、身の危険を感じた来生はそれ以上の詮索は控えた。
「あばら家と言えば貧乏な同級生がいたよなあ」昔を思い出したスネ夫がほろ苦く笑った。
その頃、地獄の傀儡師こと高遠遙一は、東風平愛郎と栃木県栃木市の旧大平町に来ていた。 「ククク……華麗なるショーの舞台は、ここにしよう。ククク……」 お洒落殺人鬼スネ夫のアジトのすぐそばの場所を高遠遙一が選んだのは偶然であった。そしてその偶然が物語を生んだ。
155 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/02(土) 13:02:20 発信元:210.153.84.180
さうやつて居所の窓辺から通りを見遣つてゐた高遠の双眸に、或る一人の男が映つた。 身の丈六尺に僅かに及ばないその男は、縞目の着流しに一本差しという風体で、通り掛かる町娘の尻等を触つては、その度娘等が派手な矯聲を上げる様を楽しんでゐる。 「どこかで見た貌だが。」高遠は暫し訝つてゐたが、煙管を二口程吸うなりその男の名を思ひ出した。ペニス一郎である。
来生たかお「せっかくだからさぁ、遊園地行かないか‥‥小山ゆーえんちー‥」 スネ夫「遊びに来たんじゃ無いんだが。」
来生たかお「じゃあ何故栃木県の小山市なんかに…。」 スネ夫「実はたかおに会わせたい人物がいる。今度の計画の協力者だ。この方…下毛 繁さんだ。」 下毛 繁「どうも。下毛 繁(シモゲ シゲル)です。」
来生「はぁ‥、初めまして。」 ところでコイツ何モノなんだろう‥来生は思った。
159 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/03(日) 10:51:59 発信元:124.214.254.138
目暮警部の謹慎は続行中である。 しかし、有給も40日間ある為、実は目暮にとっては痛くもカユくも無かった。 目暮「休みはちゃんと取れって神様のお告げだったんだろう。」
160 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/03(日) 19:59:30 発信元:222.5.62.194
腹を決めて久しぶりに蘭を連れて海辺のホテルにでも泊まろう、と胸ときめかせながら電話を手にした瞬間、召集がかかった。 「ああ目暮か。栃木だ。栃木県栃木市。緊急かつ異例の出動で人手が足りん。お前の謹慎を解除するからすぐに現地へ。では」
目暮「非着信設定か‥‥見なかったコトにしよう。」
162 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/03(日) 21:24:14 発信元:124.214.254.138
内容も意味不明、無視されても仕方が無い。
163 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 06:48:04 発信元:210.153.84.165
序章 果て無き闘い〜The Theme of Tiger and Dragon〜
164 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 07:00:39 発信元:210.153.86.166
殺風景なオフィスの一室。目暮のデスクの電話が鳴った。「もしもし、目暮だが。ああ、わかった。」それだけ言うと目暮は電話を置いた。 目暮は深く嘆息すると、煙草に火を点け、天井を見上げた。そしてデスクの引き出しから小さなリボルヴァを取りだし、弾を込め始めた。 電話の相手は丹波。丹波は今や内閣府直属の秘密機関のチーフであるが、かつて目暮と同じ釜の飯を食い、苦労を分けあった仲でもあった。
謹慎明けの目暮はいつに無く燃えていた。
地獄の傀儡師・高遠と東風平愛郎は栃木市のレストランで食事をしていた。 「ククククク………」 今から始めようとしている地獄ショーの事を考えただけで込み上げる笑いを抑えられない地獄の傀儡師であった。
その頃、歌手の太田裕美は栃木県栃木市(旧大平町)に来ていた。大好きな生姜ラーメンを食べる為であった。 太田裕美は若い頃『ドール』『失恋魔術師』『しあわせ未満』など次々とヒット曲を連発していた有名な人気歌手であった。 現在は変装などしなくても普通に、こんな田舎町までラーメンを食べに来られる知名度だ。
もはやこの小説は場面が変わり過ぎて、ストーリーが破綻しつつあった。
大好物の生姜ラーメンを食べ、大平町を歩く太田裕美 「もう、用は無いし、帰ろうかな、小山遊園地なんてダサくて行ってらんないし……」 ひとりごとを言いながら歩く太田裕美に邪悪な影が近づいていた。
太田裕美は東武日光線の新大平下駅に降りた時から誰かが監視する気配を感じていた。 その気配を振り払う様に駅に向かったのであるが、その影は背後にどんどんと近付いて来る。 裕美は怖くなりながら振り向いた。邪悪な影の正体は身長190pは有ろうかと言う大男、端正な顔立ちに冷たい目をしたペニス一郎であった。
「ぺニス一郎とか糞くだらないのは
>>145 とか、どうでもいいようなスレでやってくれない?」
地獄の傀儡師、高遠遙一と東風平愛郎が謎の言葉を発しながら太田裕美の背後に迫っていた。
ビシュッ!!―――東風平愛郎のスタンガンが太田裕美の気を失わせた。
「…………こ、ここは?」 太田裕美は薄暗い倉庫のような場所で目が覚めた。自分が全裸にされてる事に気づいた裕美は逃げ出す事を躊躇し、まずは様子を見る事にした。 そこに2人の男がやってきた。『自分をさらった奴等だ』と裕美は直感した。まだ、気を失ってるフリをして相手の出方を見るか?―――
その前に地獄の傀儡師、高遠遙一と東風平愛郎のスペックを紹介して欲しいモンだが。
174 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 12:26:37 発信元:222.5.62.195
高遠「ありゃ。まだ寝てるよ。ふてぶてしい女だねまったく」 東風「目覚めたらどんな顔するか楽しみだね〜。自分が豚や猪みたいに素っ裸で地べたに寝そべってたなんて知ったら…」 子供のように顔を見合わせて笑う二人の様子から、彼らの目的は自分を輪姦(まわ)す事ではないようだ。では、なぜ?
『(よく考えたら、50過ぎた私をレイプなんかする訳ないじゃない……では何故?)』裕美は自分がどうしてこんな目に遭うのか理解に苦しんだ。 「そろそろ起きな!」プウッ 東風平愛郎が裕美の鼻っつらに向けて屁をかました。
176 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 17:47:24 発信元:124.146.175.143
「そもそも地獄の傀儡師って表現自体、何が言いたいのかさっぱりわからねえな。まったく言ったもん勝ちかよ。」福久利は冷笑した。 「そのわりにアイデアは浮かばないようですしね。リレーする奴もいない。ウケると思ってんのかな。」山里はほじった鼻クソを口にした。 「二人ともまあいいじゃないか。どうせリレーする気なんてないさ。公衆便所で千擦りもいいだろう。」丹波は下半身の膨みを触っている。
「福久利だとか山里だとか丹波だとか何です?」担当編集者の怒声で倉阪鬼一郎は我にかえった。 「ザコの駄レスは、みんな私の作品という事で流されるのか、トホホ」鬼一郎はまた余計なレスで1レス消費する事を嘆いた。頼むからレベル低いレスは他のどうでもいいリレー小説に書いて欲しいと願う鬼一郎であった。 では、倉庫内の現場に場面を戻しましょう。あ、それからageんなカス。
178 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 18:41:13 発信元:202.229.177.146
少なくとも『地獄の傀儡師』なる珍妙なストーリーが駄目なんだと思うね。(いや、本人は素晴らしい物語とでも思っているのかな。)ププッ!
179 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 18:54:34 発信元:203.148.97.147
>>177 おまえ勘違いしてるみたいだけど、ここはおまえのオナニースレじゃねえよ
他人にあれこれ指図すんなよ たいした作品でもないのに
ペニスとフグリの小説のほうがおもしれえからおまえROMってろ
180 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 19:03:58 発信元:202.229.177.146
>「そろそろ起きな!」プウッ 東風平愛郎が裕美の鼻っつらに向けて屁をかました。 いゃあ文学のかほりすなぁwww
まともに屁をかがされたかと思ったら、今度は芝居がかった言い争いを見せられて裕美は困惑した。 頭の中には無数の?が飛び交っていたが、一つだけハッキリしていることがあった。 (…逃げるなら今だ。)
182 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 19:09:08 発信元:202.229.177.146
倉庫で太田裕美が屁を嗅がされるのが地獄の沙汰
183 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 19:10:21 発信元:202.229.177.145
いやはや愉快愉快w
184 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 19:44:55 発信元:202.229.177.161
地獄の傀儡師「さて、晒しageておくかw」
「警察だ!逮捕する!」突如警察官数名が倉庫に突入してきた。 「げっ、なぜここがわかった?!」 「異臭の通報があったが、まさか誘拐事件とは、観念するんだな。」というわけで、高遠と東風はあえなく逮捕された。
186 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 22:16:37 発信元:183.72.74.249
電気街。店のテレビで高遠逮捕の報を見つつ、葛西善二郎は不敵な笑みを浮かべた。 「火火火……。高遠、東風、待っていろよ。この葛西様が、必ずお前らを救出する。 そして、お前らを手駒に使って、脳噛ネウロと目暮への復讐を成就してやるからな。」
お洒落殺人鬼スネ夫と来生たかおもそそくさ帰って行った。 「何しに来たんだ?俺達」 地獄の傀儡師事件で警官がぞろぞろ集まり、スネ夫は全くストーリーに絡む事ができず、帰るしか選択が無かった。
〜第5章〜 奇想天外殺人トリックの館
189 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/04(月) 23:43:18 発信元:210.153.84.34
ピノコ「アッチョンプリペイド携帯!」
天才外科医ブラックジャックはピノコの奇声で目を覚ました。 「前から言ってる、その『アッチョンプリペイド携帯』って、何度も言うほど面白くないぞ、ハハハ」 そう言ってブラックジャックは温かいカフェオレを口に運んだ。
テタオ「アニヲタキメぇwwww」 ブラックジャックの後ろに位置する席に座る男が騒ぎだしたのだ テタオ「クズだクズ!お前らはクズ!」
192 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/05(火) 01:11:22 発信元:222.5.62.189
「アニメオリジナルストーリーはどうも受け付けんな…」 とあるマンションの一室、着流し姿の男はテレビの電源を消し窓際のソファーに座っている女に話しかけた。 「どうですか気分は?驚かせて申し訳ないが、あなたを救うためには警察に通報するより他なかったのですよ、太田さん」
太田裕美を助けたのはペニス一郎であった。 「ペニス一郎は何故私を助けたのだろう…。」裕美に言い知れぬ不安感が襲った。 しかし、そんな裕美の不安を他所にペニス一郎は非常に紳士的な人物であった。
「どうも大きな力が私を無い物としようとしてるのか、活躍の場が限定されましてね、ハハハ」 ペニス一郎は、やや自嘲気味に笑う。そんなペニス一郎に太田裕美は心を許した。 ペニス一郎さん。この人の事をもっと知りたい。太田裕美はそう思った。
ペニス一郎と太田裕美はよろしくやりはじめた。太田裕美が50代であることなど、紳士である一郎には関係ないのである。 私もまた紳士であり、かつ官能小説を書けるほどの文才がないため、二人の描写は誰か他のシベリアンに任せよう。それがリレーのよいところだ。できればバキSAGAが雑誌を変えたように、スレを変えてほしいが。 さて私というのは他でもない、松本零士である。目暮とかいう無能警部のせいで負った傷が、ようやく治りかけた私は、警察組織を訴えるため弁護士を雇うことにした。
私は以前、目暮に痴漢扱いをされ、更には殺人の容疑まで掛けられた。 私は満員の電車内で女性の尻を触ったり、下着の中に手を入れ陰部を直接触ったり、勃起したペニスを女性に握らせたり、精液をかけたりしていないのだ。 私も男だ。女性の躯には関心がある。しかし、勃起したペニスを握らせると言った行為だけは天に誓ってやっていない。
目暮警部「さてと、そろそろ出番かな?」
198 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/05(火) 19:04:09 発信元:222.5.62.189
目暮…。次の貴様の出番には、えん罪事件の主犯として全国ネットでそのマヌケ面を晒す事になるのだ。 松本は怒り、笑い、冷血という三つの表情を代わる代わるに浮かべながらアシスタントの杏子を呼びつけた。 「弁護士を呼べ。私は断筆して目暮と戦うことにしたのだ」
目暮への復讐を誓う松本であったが、彼にはまた別にやることがあった。 加藤検事の刺殺。自分に濡れ衣を着せた女の死亡事件。彼と関わりのあった人間が、続けて二人も殺されたのだ。さらに警察は無能ときている。とても事件を解決できるとは思えない。 「この事件、私が解決するしかない。そうすることで、さらに目暮を追い詰めることができよう。」そう心に決めたとき、弁護士の訪問を告げるチャイムが鳴った。
弁護士の来訪と思い、玄関を開ける松本零士。しかし、やって来たのは弁護士では無かった。 「このスレ、もう200レスですか、早いなぁ。前スレは1000レス消費に半年近くかかったのになぁ…」 突然の来訪者は訳のわからない事を呟く。松本零士は見覚えがあるこの来訪者が、誰だったか思い出せず、困惑した。
「あの、以前お会いしたことありませんか?」見覚えがある訪問者に、松本は尋ねずにはいられなかった。 「そうですね。お互い前世でお会いしたことでしょう。私幸福のばけが…」松本はドアを閉めた。新興宗教の勧誘者相手に気を許してしまった自分を恥じた。 「それにしても弁護士は何をしているのだろう。心配になってきた。」
「まいど‥。」 行列の‥でお馴染みの北村弁護士が訪ねて来た。
「ようこそいらっしゃいました。遅かったので心配しましたよ。」松本は、北村弁護士をリビングへ案内し、杏子にお茶を用意させた。 松本は、自分が警察署でどんなに酷い目に遭ったか、北村に事細かに説明した。北村は静かに松本の話を聞いていた。松本が説明を終えると、お茶を一口飲み、こう言った。 「同情はしますが、相手が相手です。恐らく相手は示談を要求するでしょう。それを飲むことをお薦めします。」松本は言葉を失った。
「松本さん、失礼ながら、素人の貴方が事件を解決しようなどと言う話が無謀だ」弁護士北村は正論を述べた。 「加藤検事を殺害したのは、お洒落殺人鬼スネ夫という、松本さん貴方も殺されかけた事もある危ない人物です。対峙する覚悟がおありですかな?痴漢被害者女性が殺されたなんて話は荒らしが書いた事だと思われますのでスルーでよいでしょう」 「……わかりました。しかし、あの目暮って警部だけは許せない。あいつは事あるごとに私を犯人扱いするんだ。事件を私が解くなんて話は諦めるが、私が受けた仕打ちを示談なんかで納めたく無い」松本零士は弁護士に胸の内を訴えた。
「なんでその警部さんは松本さんを目の敵にするのですか?」北村は私怨がありそうな零士と目暮警部の事を疑問を感じ、零士に問う。 「目暮の奴は、私が漫画界の大御所ぶっているのが気に入らないとかほざいているが、私は大御所ぶったりした事は無いぞ。私はキャリアは長いが威張ったりした事も無いし、庶民派なんですよ」 「そうですか。クスクス」 北村弁護士はメモを取りながら聞いていた。さて、この案件、どうしたものかな?
「まあ、あなたたちにどんな確執があろうと、私の結論は変わりませんよ、松本さん。もし示談が嫌なら他の弁護士にご相談を。多分皆私と同じことを言うでしょうがね。」 「わかった、あなたには頼まん。杏子さん、北村先生がお帰りだ。玄関までお見送りしなさい。」そう言って、松本は自分の部屋へ戻ってしまった。 「お忙しい中ご足労をおかけし申し訳ありません。」そう声をかける杏子に、北村は気にしていない旨を伝え、松本邸をあとにした。
場面は警察署。 署長「目暮警部、加藤検事の刺殺事件の調査は進んどるかね?」 目暮「は? 謹慎明け初日にそれを言われても‥。」
気分直しに目暮はトリック博士の家を訪ねた。博士の家は世界のトリック(とりわけ殺人トリック)に関する書物や資料が際限なくある、別名『殺人トリックの館』だ。 「ホッホッホ、目暮さん、さえない顔してますな。捜査に行き詰まったと言うより、何か嫌な事があったという顔ですな」博士にはかなわない、と、目暮は思った。しかしそんな目暮を笑顔で迎えてくれるトリック博士を目暮は心の底から慕っていた。 「目暮さん、お久しぶりです」トリック博士邸に目暮より前に先客がいた。土井塔克樹。医学生という事以外は謎が多い人物だが、トリック博士を通じて目暮も彼とは長い付き合いになる。
目暮「久しぶりだな土井塔くん。前スレの最終章以来だな。君も血洗島に行っていた筈だけど最後全然出てこなくなったけど、なんで?」 土井塔「腹に強烈なパンチをもらいましてね、耐えられず途中で帰りましたよ。」 俳優の船越英一郎、作家の倉阪鬼一郎、そして目暮警部と土井塔克樹の4人が、トリック博士の門下生四天王と呼ばれている。(ちょっと解説)
「ホッホッホ、例の検事殺し、松本零士氏は犯人じゃなかったそうじゃな」トリック博士はいきなり目暮の心の傷を突いた。 「あ、残念ながら、いや、いつか奴を法の下で罰してやりますよ」目暮は今回はスネ夫が犯人という事で決着しているが、松本零士をいつか必ず殺人犯として捕まえる事を信条としていた。 「それは良いが、松本零士、そう何度も濡れ衣を着せられて黙っているかのぅ……」トリック博士は遠まわしに目暮に注意を促した。
目暮「博士‥、」 トリック「ん?」 目暮「アルカポネをご存知ですか?」
トリック「大昔のマフィアじゃな。」 目暮「彼は裏の世界で極悪非道を繰り返していました。」 トリック「‥。」
目暮「しかし当時の警察は彼を脱税でしか検挙出来なかった。 これはハッキリ言って警察の敗北でしょ!」 トリック「‥目暮君は松本零士が現代のアルカポネと言いたい訳‥なんじゃな。」
土井塔「‥ムチャクチャですね。」 目暮「君には一生解らんよ。」
「土井塔君の言う通り、それは無茶苦茶な考えじゃぞ、目暮君。君の役目は何だ?無実の市民を、殺人容疑で逮捕することか?私は君に、そんなことを教えてはいないぞ!」 目暮の発言に、さすがのトリック博士も腹を据えかねたようだ。 「目暮君、君は破門だ!しばらく君の顔は見たくない。出ていきたまえ!」トリック博士は、目暮を館外に放り出した。
「ふざけんな!」
「博士!博士!お許しを………」 目暮は殺人トリックの館の前で泣き崩れた。 獅子は我が子を谷底へ叩き落とすという。これはトリック博士の愛のムチであった。それがわかる分、目暮は悲しく、泣き続けた。
〜第6章〜 逆もまた真なり
目暮警部及び、警察全体にリベンジを誓う松本零士のもとに1人の弁護士が現れた。 弁護士の名は成歩堂龍一。彼もまた目暮警部に無実の罪を着せられた過去を持っていた。 「はじめまして。松本零士さん。お会いできて光栄です」成歩堂龍一は礼儀正しく挨拶をした。零士は、この成歩堂なる人物に好印象を持った。
成歩堂龍一もスネ夫と髪型が似てるというだけで殺人犯人にされかけた事があった。 「あの警部はムチャクチャです!私も絶対に許す事ができません。共に戦いましょう」成歩堂は情熱的に零士に訴えかけた。 「成歩堂さん。あなたのような人を待っていました。目暮の奴に鉄槌をくらわしてやりましょう」松本零士は『同志』の登場を心から喜んだ。
「それでは目暮の罪状を整理しましょう。松本さんの話を聞く限り、刑法230条「名誉毀損」の他、無理矢理逮捕し監禁したことは刑法第193条「公務員職権濫用罪」および第194条「特別公務員職権濫用罪」、 憲法でも禁止されている拷問をしたことで刑法第195条「特別公務員暴行凌辱罪」、それによ重傷を負ったことで刑法第196条「特別公務員職権濫用等致死傷罪」と、まあこれだけ挙げられます。他にも刑法231条「侮辱罪」も当たるかもしれません。」 「ここまで一文かね?」 「いえ、二文です。途中で改行しました。しかし、このような法律を持ち出すまでもなく、マスコミにリークすれば、目暮は終わりでしょう。」
「それじゃ4行じゃないか!」 「あ、本当だ!」 --すみません、そのまま続けてください。
お洒落殺人鬼スネ夫「結局僕の役割は何なのかな?」 ペニス一郎「さぁ・・・全くわかりません。」 福来利次郎「警察はスネ夫君が犯人だと思うなら一刻も早く捜査して逮捕するべきだよな。」
「大都会」「西部警察」は、まさにそれ。 松本零士「あんな番組がヒットしたから、目暮みたいのがのさばるんだ!」
成歩堂「で‥松本さん。」 松本「ん?」 成歩堂「どうやって目暮をこらしめましょうか?」
「大手マスコミに連絡し、記者会見を開くのはどうだろう?」松本は揚々と話した。 「松本さん、あまり大きく出ると警察全体を敵に回してしまう。スピード違反のような些細な犯罪を徹底的狙われるでしょう。正直賢い手段ではありません。 私が調べたところ、目暮は停職と減俸の処分を受けたようです。普通このような処分を受ければ依願退職するものですが…。恐らく上司も彼に見切りをつけているでしょう。」
成歩堂龍一弁護士は劣勢な裁判で何度も逆転無罪を勝ち取っている有能な弁護士だ。零士は、まず成歩堂の言う通りに動く算段だ。 弁護士は話を続ける「では、警察組織は、目暮をいよいよ厄介者と判断した場合、彼を助けるか否か?」 松本零士も弁護士成歩堂の目論見が、なんとなく解ったような気がした。
「そもそも目暮は懲戒免職になってもおかしくない。だが、何故首を切られないのか?彼には数々の難事件を解決してきたという実績があるからです。」 「それが怪しい!あんな奴がどうやっていままで事件を解決したというんだ!」 「松本さん、落ち着いて。しかしその疑問はもっともです。事件の解決は彼の力だけではない。そう、彼に助言を与える人物がいるのです。ということはすなわち、目暮がいなくとも、その助言者と警察にパイプが存在すれば、過去の事件は解決できたはずです。」
成歩堂「目暮は人脈だけは超一流のようですね。」 松本「だから何だ!」
「松本先生、お話し合いのところ申し訳ありませんが、お客様がいらっしゃいました。」アシスタントの杏子が、部屋の扉越しに伝えた。 「今日は成歩堂さん以外に会う予定がある人などいないぞ。一体誰が来たんだ。」弁護士との話に水を差された松本の声は、不機嫌さを剥き出しにしていた。 その言葉に、杏子は少し怯えた調子で「目暮警部です。話したいことがあると…」
松本「ぷぎゃーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 成歩堂「落ち着いてください!松本さん!松本さん!おい救急車!」
「いや、大丈夫だ。目暮が来たと聞いて、ちょっと錯乱しただけだ。心配させてすまない。しかし、成歩堂さん。会うべきか、追い返すか…。」 「私としては、目暮の目的が気になります。会ってもよいのでは。」 「そうするか。おーい、杏子さん。目暮をこの部屋に案内しなさい。彼にはお茶はいらないよ。」杏子に連れられ、目暮が松本の部屋にやって来た。
目暮警部「松本さん、ご無沙汰してます。 おや?」 目暮は成歩堂を見るなり、 目暮「これはこれは‥、奇遇でスな ハハハ。」
「お久しぶりですな、漫画家の先生」目暮が零士を誤認逮捕したのは、つい先日だ。久しぶりと言うほど前じゃない。イヤミのつもりなのだろうか? 「警部さん。わざわざこちらに来られるとは余程の急用ですかな?」零士も怒りを抑えた穏やかな口調でイヤミっぽく返す。すると目暮の口調が急に荒々しくなり、鋭い目で言い放った。 「やい!貴様のせいでトリック博士に叱責されてしまったじゃねえか!どうしてくれんだ漫画野郎!」
目暮は懐からカブト虫を取り出した。「カブト虫って鳴くと思うか?」目暮は零士に問う。 「まさか、セミじゃ、あるまいし」 そう言う零士の前で目暮はカブト虫をライターの火で炙った!!
角を持ち、カブト虫の腹にライターで火をつける目暮。『キ、キキキーッ』カブト虫は悲鳴のような声をあげた。 「カブト虫って鳴くんだよククク・・・・・・」目暮は猟奇的な目で松本零士を睨みつけた。 「松本さん、アンタがやろうとしてる事は、既に、ある情報筋から知っている。あまりくだらん考えは持たない方が身のためですぞ」目暮は零士の仕事机に痰を吐き、去って行った。
松本「な‥何なんだ、今のは!」 成歩堂「‥‥。」 松本「杏子! 塩をまけ、塩!」
「まるで成長していない」 二日後、目暮は懲戒免職を受けた。その知らせを聞いたトリック博士は、安西監督の言葉を無意識に口にした。 成歩堂は目暮の言葉をしっかり録音していた。目暮の愚行を示すその録音と、成歩堂の巧みな話術に、警視庁もついに彼を首にせざるを得なかったのだ。
しかしそれが悲劇への始まりだったのだ… 私たちはその行動を後悔することになる。 奴を首にしてはならなかったのだ…
240 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/10(日) 02:27:22 発信元:222.5.62.192
目暮は荒れていた。ありえない程に買い込んだ酒を次から次へと飲んでは、蘭の体から一時も離れる事はなかった。 黄ばんだ太陽の光が、閉めっぱなしのカーテンの隙間から漏れ、今が日中であることを教えてくれる。 蘭は天井を見つめながら、無言で腰を振り続ける目暮にただ身を任せ続けるしかなかった。
目暮「プギャーwwwwwwwwwwwwwwww」 蘭「あなたどうしたの!?」
「白鳥警部。目暮さん結婚なさっていたのですか?」 「高木君、みどりさんを知らないのかい。でもこのスレはパラレルワールドだから、今後の展開次第になるのかな。それに、アニメオリジナルの設定が、原作に逆輸入されることもありうるし。」 「白鳥警部、まさかそれで「逆もまた真なり」とか言うつもりですか?」図星である。
「ところで、白鳥警部、カブト虫って鳴くと思いますか?」 「なんだい?いきなり」 高木は懐からカブト虫を取り出し、ツノをつまんだ状態でカブト虫の腹をライターの火で炙った。
「高木くん、君までどうしてしまったのだ!」白鳥は突然の出来事に声を張り上げた。警視庁内でカブトムシを炙る光景に、誰が驚かずにいられるだろうか。 高木の目は、死んだ魚のそれであった。カブトムシの悲鳴に合わせ、奇声をあげる高木。白鳥は恐怖を覚えた。 「本当に、高木君か?」 そう問われた高木、いや高木と思われたものは、不気味な笑みを浮かべ顔からマスクを引き剥がした。
245 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/10(日) 13:25:25 発信元:124.214.254.138
増田刑事「そんなマスクは存在しない。」
偶然その場を目撃した、うっかりageるうっかり増田刑事の言葉である。私の取材に、彼は次のように続けた。 「そう皆さんはお思いでしょうね。私もそう思っていました。だが本当なのです。あの男は高木刑事に変装し、警視庁に潜入していたのです。」 漫画「バキ」では、バトルの途中、突然目撃者が語りだす展開がある。私倉阪も、それにならって文を進めていこうと思う。果たして「あの男」とは誰なのか…。(シベリア・リレー小説では、このような振りに対する応答が容易く想像できるが、あえて放り投げてみる。)
「――ふぅ、夢か……」目覚めた目暮警部は悪夢が本当に夢であった事にホッとした。 今、目暮が見た悪夢とは、目暮が松本零士の事務所に脅しをかけに行き、カブト虫を焼き殺したり暴言を吐いて、警察をクビになるとかいう、とんでもない夢であった。 「ふぅ、どうして、こんな夢を見たのかな……疲れているのかな……」トリック博士に叱責されたのがかなりショックだった目暮の心の傷が彼に悪夢を見させたのだ。
248 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/10(日) 15:52:58 発信元:222.5.62.191
蘭「おはよう。ずいぶんうなされていたわよ。」 目暮「ああ…ひどい夢を見たんだ。ストーリーの出来自体は良かったがね」 蘭「ふうん…奥さんにでもバレる夢かしら?」
目暮は重たい足取りで署まで出勤した。事件は未解決な物が多く、犯罪の巧妙さが目立つ。 昼休み、外出した目暮警部に1台の車が近づいて来た。俳優の船越英一郎が車の窓から目暮に話しかけた。 「目暮さん、栃木県の小山市で旨い『こだわりコロッケ』の店を見つけましたよ。一緒に行きましょう」
とそこで記憶が途切れる 「目暮は悪の帝国に改造されたのだ…!」とナレーションが入る 怪人“デスノート・エラトステネス”に改造された目暮…どうする?
「何ですか、今のアニメ?」目暮は、同じ名の登場人物がでるアニメを見て、船越に尋ねた。赤信号で停車した時、船越は車のカーナビをテレビ放送に切り替えたのだ。 「さあ、僕もそういう世界には疎くてねぇ。どうするって言われても、どうするんだろうねぇ。はははは。」 車は栃木県小山市に向け加速した。
252 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/10(日) 20:19:57 発信元:219.125.148.94
目暮警部「しかし何でコロッケなんだ?」 船越「揚げたてコロッケこそが世界一のご馳走、それを証明したくて‥」
車は小山市に着いた。船越英一郎推薦のコロッケを売っている店は小学校の国道寄り裏道にある小さな肉屋さんであった。 小さな店ながら、そして決してわかりやすい場所で無いにもかかわらず、お客さんは次々訪れ、売れていった。こだわりコロッケ以外にもメンチカツやハムカツ、ビーフコロッケなども売っていて、どれも美味そうだ。 「なんか、懐かしい感じの店ですな。昔はよく揚げ物は肉屋で買ったもんだ」「さ、何にしようかな。こだわりコロッケの他だとメンチなんかも旨いっスよ目暮さん」目暮と船越は子供に返ったような目で購入する商品を選んだ。
―同時刻??? 目暮警部を本日付で警部に復職させる。..仕方がない …やむを得ないか。
こんなに懐かしい味は久しぶりだ・・・ハムカツを味わいつつ目暮がしんみりした所で 船越英一郎「ナイナイ一緒に出てくれませんか?」コロッケで意気投合した二人、端を伸ばすついでに船越は 目暮警部に声を掛けた。船越英一郎「事件の匂いがするんですよ。今夜番組中に誰か殺される」
「そんな低俗な番組、断ればいい。船越さん、あなた役者さんなんだから芝居だけしてれば良いんじゃないかね?」目暮は芸能人がバカ騒ぎする番組が心の底から嫌いなのであった。 「そうですよね、出なきゃいいのか。ハハハ」そうも言ってられないのが本音だが、船越はテキトーに話を合わせた。 ―――おや?今、目暮と船越がコロッケを買った肉屋に、見覚えある2人組が入って行くのが見えた。
「あの髪型、見間違えるはずがない!そしてその連れは…!スネ夫とたかお」驚愕する目暮。 「え、まさか……っ!!本当だ!」船越もまさかの出来事に言葉が続かない。 小山市に潜伏していたお洒落殺人鬼スネ夫と来生たかおを、目暮達は見つけ出したのだ。なんという偶然だろうか。目暮の胸に、かつての正義感が戻ってきた。
目暮と船越が店を覗き込むと、そこには目を輝かせ、揚げ物を選んでいるスネ夫と来生の姿があった。それは先ほど目暮と船越が体験した懐かしき少年時代の追憶。 「(今回は見逃してやる。だが次は容赦しないぞ)」目暮は心の中でそう呟き、船越と共に立ち去った。前スレ最終章以来に見たスネ夫は相変わらずで、変わらない『宿敵』の姿を見て目暮は少し嬉しかった。 「殺人鬼だって昔は少年。殺人鬼だってコロッケ買うさ。ハハハ」帰りの車で笑う目暮警部。そんな目暮の人柄が船越は大好きなのであった。
ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ 店の方から悲鳴が聞こえた
スネ夫達は店のおかみさんに従業員、さらにはちょうど訪れていた客まで皆殺しにしたのだった。まさに前スレ、レストランの惨劇の再来であった。 コロッケを選ぶ自分の幼心に気を許した目暮のミスであった。松本零士を執拗に憎む一方で、『宿敵』スネ夫に対して、何故気を許してしまったのか?翌日の新聞一面を見て、目暮は後悔にさいなまれた。 なお、この事件は目暮がでるまでもなく、優秀な栃木県警と機動隊により制圧、スネ夫とたかおは逮捕された。
「スネ夫が逮捕されるとか、何でもアリなんだな」このスレの主旨自体を壊すような信じられない流れを目暮は嘆いた。 「……そろそろ潮時かもしれんな。」 目暮は自分の存在価値がもう無いような気までした。
〜第7章〜 タクシードライバーの推理日誌
しかし、スネ夫一味の逮捕はナゼか報道されなかった。
夜明日出夫(よあけ ひでお)はタクシードライバーだ。元警視庁警部補の肩書きを持つが、現在は一介の運転手だ。 夜明は深夜、小柄な男を客として乗せた。 「栃木県警小山署」それが小男が指定した行き先だ。久々の長距離客に夜明は喜んで運転していた。
夜明のタクシーは小山署に着いた。 「すぐ戻る。ここで待て」小柄な男性客は、そう言って降りた。 『こんな真夜中に、警察署に何の用なんだろう?』夜明日出夫は漠然と疑問を抱いた。
そのまま小柄な男は戻っては来なかった。
乗り逃げされたようだ。
などと、夜明日出夫は心配したが、心配は無用であった。先ほど降りた小柄な男性は他に2人の男と共に戻ってきた。 「オレを乗せた場所まで戻ってくれ」小柄な男は夜明に命じた。走行距離がまた増える事は運転手にしてみれば嬉しい事だ。 夜明は3人を乗せ、車を走らせた。3人の中の1人が、かなり変な髪型である事が夜明日出夫の印象に深く残った。
次の日の朝刊にセンセーショナルな事件の記事が一面を占めた。栃木県警小山署の男性職員及び警官が全て焼き殺されていたのだ。死体は炭化しており、相当強い火力を誇る火器で焼かれた物と推測されたが、生き残った若い婦人警官の話は次のような物だった。 「深夜、いきなり1人の男が警察署にやって来て、次々と警官達を殴りつけました。すると殴られた警官達は体が原因不明に炎上し、次々、死んでいきました」男は拘留中の2人の容疑者と共に立ち去ったと言う。 何故、若い婦人警官だけ殺さなかったかについて犯人は『貴重なオマンコは減らさんといてやるククク』と言い放ったとの事だ。
高木刑事「なんだ、この事件は!」 増田刑事「上尾警察の事件と手口がそっくりだ。」
目暮警部は朝刊に目を通し、「やっぱり、そうなったか……」と呟いた。 新聞には書かれていないが、小山署から姿を消した拘留中の容疑者とはスネ夫と来生の事だろう。そして、この事件は上尾警察署員消失事件と同じく犯人は邪眼師・飛影。 「スネ夫に手を出すとは馬鹿な事をしたものだ。やはり田舎の警察署は頭が悪い……」目暮は最初から、こうなると解ってはいたが、同じ警察官が大量に命を落とした事は悲しく思った。
タクシードライバー夜明日出夫も朝刊を見ていた。「ん?小山署」 夜明は昨夜の客の事を思い出した。「まさか、あの客が?」 『殴られた警官が炎上』―――人体発火トリック?――元刑事の夜明の好奇心に火が点いた。
小山署に事件対策本部が設けられた。 本部長に目暮警部が指名された。
小山署巡査A「この事件、何故警視庁との合同捜査になるんだ?」 巡査B「知らん。どちらにしても死んだ仲間の敵討ちだ。」 巡査C「落ち着け。次のレスで署長から説明があるみたいだ。」
小山署長「紹介しよう。 警視庁捜査1課の目暮警部だ。」 目暮警部「よろしく。」 小山署長「え〜、目暮警部はICPOの‥」 目暮「‥本題にはいりましょう。」
「いいか、よく聞け!田舎警察野郎!」目暮はいきなり小山署の警察官たちに向かって吠えた。 「この事件は邪眼師・飛影っていうスネ夫の手駒の1人が起こした事件だ!ハッキリ言ってオマエラの手に負える相手じゃない」 小山署の署長は『話には聞いていたが、噂以上に人格に問題がある男だな』と目暮警部の事を思った。
目暮警部「生半可な連中にスネ夫を捕まえるコトは出来ませんよ。」 小山署長「いや‥、現に逮捕したが。」 目暮「‥その後どうなりましたか?」
目暮警部「これらは全て、スネ夫らが計画した犯罪なんです。」 小山署長「‥‥。」 目暮「私もそれが解っていたから昨晩はあえて逮捕しなかった‥‥それなのにアンタ等は!」
小山署長「しかし、コロッケ屋の従業員ならびにお客が皆殺しになって‥」 目暮警部「アナタ方が現場に踏み込んでスネ夫らを挑発したと聞いていますが‥。」 小山署長「挑発じゃなくて正当な職務行為だ!」
議論(?)が熱くなってきた、まさに、その時、 捜査本部の扉を開け、女性職員が小山署署長に声をかけた。 「署長、事件の晩、ホシと思われる人物を乗せたというタクシー運転手の方が見えてますが……」
281 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/13(水) 13:19:12 発信元:219.125.148.97
小山署長「通しなさい。」
夜明日出夫「久しぶりだな署長サン‥、sage忘れてるぜ。」 小山署長「なんだ貴様か‥。」 目暮警部「知り合い‥ですか?」
「三年前まで警視庁にいたはずですが…、目暮警部の方が詳しいのでは?」小山署署長の言葉には棘があった。 「いえ、私は若いものにしか興味がないので。中高年のために記憶容量を割くほど、バカらしいことはないと思いませんか?」 目暮のとんでもない発言には耳を貸さず、署長は夜明に訪ねた。「用件を聞こう。」
「昨夜、まさにここ『小山署』に客を乗せたんですよ。で、その客は他に2人を連れて戻ってきたんです」夜明日出夫は昨夜の件をそのまま語った。 「なるほど、その3人のについて覚えてる事はありますか?」署長は夜明に丁寧に問う。 「声を聞いたのは客として最初に乗った小柄な男だけです。目的地と警察署の前で待てという指示しか喋らなかった。それと、あとから来た奴の1人が凄い変な髪型だったな……」
と、突然松本零士と成歩堂は片平なぎさを引き連れて怒鳴りこんできた。 「警察の皆さんすいません。...目暮!お前首になったんじゃないのか!?」
「失礼ですが、現在会議中でして、関係者以外立ち入り禁止です。」小山署署長は毅然とした態度で、突然の来訪者を追い返した。「目暮警部は知り合いも非常識な奴ばかりのようだ…。」など思ったが、決して口にはしていない。 「松本め、わざわざ栃木県まで来るとは、執念深いやつだな。小山署に来てどうしようってんだ。管轄が違うだろうが。どいつもこいつも、バカばかりだ。…」目暮は、事件そっちのけでぶつぶつ言いだした。 小山署署長は、何故こんな男をわざわざ東京から呼んだのかわからなくなった。しかし、今は夜明から情報を得ることが先決だ。「それで、最初に男をどこで乗せ、最後に三人をどこで降ろしたのですか?」
「目暮〜!!」と外で怒鳴り続ける作曲家がいる気がするが気にしない。 「諸君!私は捜査が好きだ…
小山署署長「目暮警部、あなたのような優秀すぎる人が、こんな田舎の警察の事件を指揮していただくのは勿体なさ過ぎて恐縮ですので、この件は小山署員が責任を持って一丸となって取り組みます」 署長は目暮に遠まわしに『この件から降りて帰れ』と告げた。 目暮警部「いや、いや…フム、フム…」
目暮警部「お互いに全力を尽くしましょう。」 全く伝わって無かったようだ。
夜明日出夫「あの、話を続けさせてもらっても良いですか?」 目暮「なんだ、まだいたのかタクシー野郎!ド素人が、帰れ!」 小山署署長「目暮警部、あなたが帰ってくれないかな……」
目暮に帰れと怒鳴られた夜明日出夫は戦闘的な表情になった。 「善意で情報提供しに来た民間人に帰れとは何だ!」夜明は鋭い眼光で元刑事は伊達じゃないという風体で続けた。 「目暮さんと言ったな!アンタん所に白鳥ってのが居るだろ?あいつは俺のパシリだったんだぜ。ククク…」
目暮警部「そうですか‥。 じゃあ、その犯人らしき男をどこで乗せ、どこで降ろしたのか答えて頂けまスか?」
小山署署長「帰れと言ったり質問したり分裂症ですか?あなた」 小山署署長は目暮に対し、心の底から呆れかえり、署長自ら、夜明に聞いた。 小山署署長「失礼しました夜明さん。この男(目暮)には、あとでキッチリ言って聞かせますので、捜査への協力を気分良く御願いします」
夜明日出夫「署長に免じて答えるよ。 乗せたのも降ろしたのも、埼玉県深谷市だよ。」
目暮警部「深谷市のドコよ?」 夜明日出夫「ったく‥口の聞き方がまるでなっちゃいねーなー!」 目暮警部「もう一度聞く、深谷市のドコだ!」
夜明日出夫「電柱に"血洗島"って書いてあるところだったなぁ‥確か。」 目暮警部「な‥なんと!」
埼玉県深谷市血洗島…。前スレのグダグダな終幕が記憶に新しくもないが、目暮は今度こそスネ夫たちとの決着をつけねばならないと、決意を固めた。 その傍らで、さらに夜明は続ける。「うちのタクシーは全車内に防犯カメラがある。乗客に関してはその映像を確認してほしい。」 小山署署長は、夜明の捜査協力に感謝した。すると、夜明は幾分ためらいながらも一言「私も捜査に協力させてもらえないだろうか?」
小山署署長「わかりました、夜明さん。では夜明さんは目暮警部と組んでもらいましょう」 目暮「ハァー?何、この2時間ドラマみたいな展開?」 ここに目暮と夜明のゴールデンコンビが誕生したのであった。
299 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/14(木) 22:52:09 発信元:124.214.254.138
冗談じゃねーぜ・・ホントに。 船越の方がまだマシだ! 目暮の率直な感想であった。
船越「呼んだ?」
目暮警部「船越サン‥、何でココに?」 船越英一郎「小山遊園地でロケがあったモンで‥。」 目暮警部「片平なぎさもか?」 船越「そうです! よく解りましたね。」 目暮「‥いや、さっきクソ漫画家と一緒に片平なぎさが居たんだ‥納得。」
小山署署長は、また部外者が無断で来たと思ったが、あとしばらくで目暮も出ていくため、無視することにした。 「それでは、これまでの聞き込み調査で得られた情報を教えてくれ。」小山署署長は、待ちぼうけを喰わされた巡査や刑事たちに尋ねた。刑事の一人が答える。 「スネ夫たちのアジトと思われるあばら家が、小山市郊外の山間にあるようです。おそらくもぬけの殻でしょうが、調べる価値はあると思います。」
署を出た目暮&夜明コンビ。捜査スタートだ。 「まず、何から調べましょうかね?」夜明は、とりあえず現職の目暮を立てる意味で方向性の指示を仰いだ。 「腹が減っては戦は出来ぬってね。まず飯だ」目暮はそう言って山田うどんに向かう。夜明もそれに続いた。
一方その頃スネ夫のアジト― スネ夫「お前…誰だグフッ」 「シネ」ダン!
「ギャハハハ。面白い漫画だな」 目暮はドラえもんのスネ夫が死ね死ね団のコントをする漫画を読んで笑いながら山田うどんの肉うどんを食べていた。急遽コンビを組まされた夜明日出夫は心配そうに訪ねた。 「のんびり うどん食ってる場合でしょうか?目暮警部どの」
夜明はたぬきそばを食いながら、目暮と対峙して話す。江戸っ子夜明はうどんなど食わない。 「いいんだよ…」目暮は意外な言葉を放った。 「この事件は、もう終わってるんだから」
(この男は本当に警視庁の警部なのだろうか?沢山の人が殺され、犯人は逃走中だというのに、事件は終わっているだと?)夜明は、事件そっちのけで漫画と肉うどんに夢中になっている目暮に、怒りを覚えはじめた。 その後二人は言葉を交わさず黙々と食べ物を口に運んだ。 会計を済ませ、二人は山田うどんをあとにした。時は正午を回った頃。小雨がパラパラと降りだした。
昼頃降り出した雨は徐々に雨足を強めた。目暮と夜明は、とある館の前に来ていた。 「ここは一体?」この不思議な威圧感を放つ重厚な館に初めて来た夜明は躊躇いに近い感覚を持ち、目暮の顔を覗き込んだ。 目暮は夜明の疑問には何も答えず館の呼び鈴を押した。すると「ホッホッホッホ」と館の主の声が聞こえてきた。
目暮警部「ごぶさたしております。博士」 トリック博士「ホッホッホッホ。先日は少し言い過ぎました。目暮さん、お久しぶりですな」 夜明日出夫「……こ、この人の良さそうな老人が、あのトリック博士!?」
「で、そちらは?」トリック博士は夜明に気づくと目暮に訪ねた。 「あ、彼は刑事辞めてタクシーの運転手なんかしてる、しょうもない奴です」目暮は面倒臭そうに答える。 「こらこら、そうやって他人を見下す言い方をする所が、あなたの悪いとこじゃよ目暮さん」また博士に叱られてしまう目暮だった。
夜明日出夫「いや‥いいんです、事実ですから‥。」 トリック「‥せっかくですから中へお入り下さい。」
トリック「ところで‥、夜明さんでしたかな? どうして刑事をお辞めになったのですかな?」 目暮「どうでもいいがな、そんな話‥。」 トリック「お前は黙ってなさい!」
夜明「ある事件の被害者女性と変な噂を週刊誌に書かれ、妻も娘も傷つけてしまって、それで…」 目暮「何?そのアホみたいな話」 トリック博士「だから、少し黙っててよ目暮さん」
土曜ワイド劇場タクシードライバーの推理日誌のズッコケシーンに流れるBGMが流れた。 ♪ポンワコンゴ〜ポンワコンゴ〜ズコビョッビョ〜 目暮「…………」
「ホッホッホ、それはついてないですね。警視庁の警官程度を不倫疑惑で糾弾するとは、普通の週刊誌ではあまり無いことですな。女性が相当な人物か、重大事件、あるいは警察組織があなたを邪魔に思い、週刊誌とグルになったか。わしが思いつくのはそのくらいじゃが…」 「博士、警察官は不倫しちゃダメなのか?」「ダメじゃ」「ダメです」目暮の非常識発言に二人が同時に突っ込む。 「倫理観の欠ける行動は懲戒処分の対象じゃぞ。目暮さん、心当たりがあるなら今のうちに改めなさい。さて、夜明さん、もう少し詳しく聞かせてもらえないかのぅ、無理にとは言わんが。」
「刑事を辞めた経緯は、このぐらいで御容赦ください」夜明はあまりこの事に触れられたくない様子で話を切った。 「せっかくトリック博士にお会いできたのです。博士、今回の小山署の事件は御存知ですよね?博士の見解をお聞かせ願えませんか?」夜明は逆に質問する形でトリック博士に切り返したが、トリック博士の応えは意外なものだった。 「夜明さん。あなたが小山署で述べた話に1つだけ明確なウソがありますな。何故警察でそんなウソを述べたのか、お聞かせくださらんかのぅ」
夜明「どの部分がウソだと‥‥。」 トリック「ホッホッホ‥。」
「全て…じゃよ。と言うよりもあの警察署そのものと言った方が良いかの?」
目暮「博士、いくらなんでもイミフ過ぎます」 トリック博士「あ、いや、冗談じゃよ。ちゃんと話すよ」 ふざけてる局面では無い。トリック博士は、夜明日出夫の方に顔を向き直し話を続ける――
トリック博士「事件の夜の描写に『運転手としては喜ばしい長距離客』みたいな表現がありましたな」 夜明日出夫「それが何か?」 トリック博士「あなたが本当に、犯人と思われる人物を深谷市血洗島で乗せたとすると辻褄が合わないんじゃよ。深谷市北部の血洗島から小山市は長距離と呼べる距離ですかな?少なくとも運転手が喜ぶような長距離では無い!」
目暮「彼クラスなら深谷から小山でもリッパな長距離なんじゃないスかぁ?」 トリック「‥‥。」 目暮「ハイハイ、黙ってますよ‥‥黙ってマス!」
「さすが、トリック博士。うわさ通りの洞察力だ」夜明はトリック博士に脱帽した。 「何故、血洗島などとウソをついたのですかな?」トリック博士は夜明の真意を聞く。 「リレー小説の聖地、血洗島の名前を出せば、スレが盛りあがると思ったのです」
トリック博士「本当は、どこで乗せたのですかな?」 夜明日出夫「足立区の中央本町です」 目暮警部「飛影のヤツはそのあたりに住んでる筈ですよ。12uの狭いアパートに」
目暮「重要危険人物としてマークはしてたんだが‥‥、管轄離れるとどうにもならんな。」
「ほっほっほ、しかも飛影を捕まえようにも、『残像だ』などと返され、劇的な記述も無駄に終わるじゃろうしな。」 「その通りです、トリック博士。私のような推理漫画出身の力では、格闘漫画出身の飛影には手も足も出ません。」 「なるほど、目暮警部が山田うどんで口にした『この事件は終わった』というのはそういうことなのですね。私は、人体発火トリックが気になっていたのですが、答えが超能力なら、推理もへったくれもないですよ。」
議論(?)も華僑のトリック博士邸宅に新たな来訪者が現れた。土井塔克樹だ。 「おや、お揃いで難しい顔して、難事件発生ですか?」飄々と土井塔は3人の前に手土産を出した。茨城県常総市(旧石下町)の石下名物・若鶏の丸焼きである。 「おお、土井塔君。気がきくな」トリック博士と目暮警部は歓喜の声をあげた。
「超能力ではない」 と、突然隣の部屋からメガネをかけた伊達男が出てきた。 「ほっほっほ、湯川君帰ってたのかね?」
「くだらん」目暮はテレビを付けてみたが超能力特集とかつまらない番組が映った途端、舌打ちしてテレビを消した。 「あ、初めまして、目暮さんトコの刑事さんですか?」土井塔は初対面の夜明に挨拶した。 「刑事は刑事でも、元刑事でね、ハハ、」夜明はやや自虐的に笑う。
「湯川学です。今はトリック博士の助手wしています。」と伊達男が名刺を目暮に渡した。 「くだらん」と目暮は言い、名刺を破り捨てた。 「君のようなタイプは昔から嫌いだ。」
土井塔克樹の土産、若鶏の丸焼きを切り分け、皆で食べる。 夜明日出夫「こ、これは旨い鶏ですねぇ」 トリック博士「土井塔君、茨城に行ってたのかい?一体何の用で?」
土井塔克樹「いや、これを買いにわざわざ行ったんですよ」 目暮警部「フン、学生は時間があって羨ましいな。ムシャムシャ」 夜明日出夫「うん。でもこれはわざわざ買いに行く価値はありますよ。美味い!」
「不思議だったんですよね。でも謎が解けた」夜明は鶏を旨そうに食いながら話始めた。 「前作、シベリアサスペンス1で、どうしてスネ夫が犯人だと、ろくに捜査もしないのか?捜査段階で犯人がスネ夫だと解ると捜査が終了しちゃうのか、ね。来て良かったですよ」夜明は心の中の謎がスッキリ晴れた様子を嬉しそうに語った。 「夜明さん。良かったらいつでも来てください。現役タクシードライバーの話も聞きたいですしねホッホッホ」トリック博士の殺人トリックの館の常連が、また1人増えたのであった。
〜第8章〜 地獄の傀儡師・再び
「くだらん」目暮はテレビを付けてみたが超能力特集とかつまらない番組が映った途端、舌打ちしてテレビを消した。 「あ、初めまして、目暮さんトコの刑事さんですか?」土井塔は初対面の夜明に挨拶した。 「刑事は刑事でも、元刑事でね、ハハ、」夜明はやや自虐的に笑う。
塩見味平(しおみ あじへい)は調理人だ。味平が料理の修行をしてる最中、味平の元に突然の来訪者が現れた。 「塩見――塩見味平だな」味平を見るなり来訪者は不躾に話しかけて来た。 この来訪者、見覚えはある顔だが、味平の知人では無い「だ、誰だったかな?ハハハ」味平は惚けて見せた。
「まあ、お前は覚えてなくても仕方がないな…」男は厨房の入り口前で、味平の顔を、何か懐かしいような様子で見ながら話した。 味平は気味が悪くなった。この男は、自分のことを知っている。自分は、この男のことを、名前すら知らないのに…。だが確かに、はるか昔どこかで見た覚えがある。 かつての記憶を掘り起こそうと、脳をフル回転させる味平に、男は告げた。「俺はお前の実の父だ。」
塩見「父? お前バカだろw」
味平「俺のオヤジの名は塩見松造っていうんだよ。 解ったら帰んな!」
松造は、味平の師匠であり、また養父である。 物心着いた時、味平の両親は離婚し、母が女手一つで彼を育てたのだった。しかし、その母も昨年過労で倒れ、先月息を引き取った。行き場の無い味平を、母の幼馴染みである松造が、彼が一人立ちできるまで養子として育てることにしたのだった。 そのため味平は、実の父と名乗る来訪者に、憎しみを覚えた。
「フフフ、冗談に決まってるだろ。どう見ても親子ってほど歳違わないだろ」来訪者は、いきなりバック転をし、カウンターに爪先立ちした。 「私の名は高遠遙一!ひとよんで地獄の傀儡師」と、謎の来訪者は名乗った。 「…じ、地獄の、傀儡師……?」塩見味平は絶句した。
味平「地獄の傀儡師って捕まったんじゃなかったっけ?」 地獄の傀儡師「あれは全部、東風平がやった事で、オレはただ通りかかっただけと言う事にしたのさクククク…」 味平「で、あんたが俺に何の用があるって言うんだい?」
地獄の傀儡師「いや・・・特に用事っていう用事は無いんだけど・・・。」 味平「意味わかんねーよ!地獄の傀儡師だかペニス一郎だか知らねーけどよ。」 地獄の傀儡師「ちゃんと名前を覚えてくれよ!」
「無罪放免が嬉しくていろいろな人に話しかけてるだけなんだな、これが。それじゃまた。」地獄の傀儡師と名乗った男は、そう言って去った。 「季節の変わり目には変な人が増えるからかな…。」味平はそう納得することにした。 「そもそも地獄の傀儡師って、扱いにくいよなぁ。って俺は何言ってるんだ。さて、仕込み仕込み。今日は普段より増して予約客が多いから、オヤジも張り切ってるしな。」
344 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/18(月) 00:39:33 発信元:222.5.62.188
そのオヤジが二階から降りてきて板場に立ったのが午後八時。 いつになく張り切ったついでに奥さんともかなり張り切ってしまい、目が覚めたら日も暮れていたと言うのだ。 味平独りではどうにもならぬ多数の予約をなんとかさばき切ったのは、あの男が折りよく立ち寄り手を貸してくれたおかげである。
あの男、船越であった。役の傍ら学んだ料理テクニックが遺憾なく発揮された。 「まさかわざわざageてくるなんて、やってくれるよなぁ。ハッハッハ」 船越の言っていることは、味平にはよくわからなかったが、笑い声だけは印象に残った。
仕事を終え、帰路についていた味平をまちぶせしていたかの様に、1人の男が話しかけて来た。 「――待っていたぞ。塩見味平!クククク…」地獄の傀儡師・高遠遙一であった。 「しつこいな。俺はアンタに用は無いよ」味平は、この地獄の傀儡師なる男と関わり合う事を嫌った。
味平「あんたなんか、ずっと檻の中に入ってればいいのに……」 地獄の傀儡師「全世界を地獄のショーの恐怖で支配する予定の私が、あんな事で捕まってる場合じゃないのだ!味平、お前に話がある。お前にとっても悪い話じゃないぜクククク……」 味平「………きかせて貰おうか」
地獄の傀儡師「クククク・・・・・・味平よ。お前包茎だろ?クククク・・・・・。」 味平「それがどうした?」 地獄の傀儡師「クククク・・・・・・お前に腕のいい医者がいるクリニックを紹介してやる。」
「そんな冗談を聞かせるだけなら邪魔だから通してくれ」味平は高遠を押しのけて帰ろうとしたが 「そんな冗談を言いにわざわざ来たのではない。―――ヒソヒソ」 地獄の傀儡師・高遠遙一は味平の耳元で小声で計画を話した。
一方、目暮警部は、高木刑事、増田刑事とスーパーマーケット『ベイシア』に来ていた。 「昼飯、ここで買ってこうぜ!」と目暮の提案で3人は今日の昼飯の弁当を物色していた。 「うわ、ここ、何でも安いっスねェ!」ベイシアに初めて来る増田刑事は吃驚した声をあげた。
地獄の傀儡師「クククク……赤坂にあるYes!高須クリニックだ。」 味平「マジで!?受診してみるよ!ありがとうペニス一郎さん!」 地獄の傀儡師「俺はペニス一郎じゃないって!」
増田刑事「‥で警部、小山署事件の方はどうなりましたか?」 目暮警部「夜明っていう元刑事がデタラメ発言したせいで捜査がややっこしくなっちまったよ。」
目暮警部「とりあえず邪眼師・飛影の自宅付近(足立区中央本町)は複数の私服警官がマークしている。 奴はまだ自宅には戻っては無いようだが。」
高木刑事「スネ夫達は?」 目暮「依然として行方不明!」 増田「小山署のスタッフじゃ荷が重いでしょうね。」
目暮警部「ま、飛影なんか捕まえたって、警察関係者がまた大勢命を落とすだけだから放っておけ。こちらが何もしなけりゃ、奴も何もしない」 増田刑事「スズメバチみたいなもんですか?」 目暮警部「とにかく小山署の件は栃木県警の大失態だ」
高木刑事「でも警部は事件対策の本部長なんでしょ? そんなコト言ってらんないんじゃ‥。」 目暮「‥解ってるよ、そんなこと。」
目暮の言葉は、宿命のライバル(と彼が思い込んでるだけかも知れない)お洒落殺人鬼スネ夫への、婉曲的敗北宣言であった。飛影の逮捕は多大な犠牲者を出すため却下。しかしスネ夫を逮捕しても、飛影が動き出してしまう。打つ手無しである。 だからといってスネ夫を放置すると、彼の気まぐれな欲望により、何の罪もない市民が殺されてしまう。しかし、目暮という人間は、それを仕方無いと考える。彼は、市民の命より自分の命の方が大切という、全くもって平凡な公務員に過ぎないのであった。 目暮の日常は閉塞感に包まれるようになった。得体の知れない息苦しさに悩まされるようになった。ただスネ夫たちの動きが無いことが幸いであった。そんな折、砂糖味吉なる人物が不審な死を遂げた、という報告を受けた。
359 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/19(火) 02:21:18 発信元:222.5.62.186
砂糖味吉の変死、という事項はなかば直観的にスネ夫一味と結びつけられ、一時は目暮の気がかりの最重要項目として絶えずかれの心にのしかかっていた。 しかし目暮はもはやかつての正義感など失い果て、ただただ愛人である毛利蘭との交合にのみ関心を抱く、全くもって単なる俗物に成り下がっていたのである。
毛利蘭は以前は高校生探偵として活躍していた工藤新一という人物の彼女であったが、工藤新一は、ある事件に巻き込まれ行方不明になったのだ。 目暮は歳の離れた蘭の相談に乗るフリをしてレイプ同然に蘭と関係を結び、それからズルズルと関係が続いていた。 目暮は自分のテクニックで蘭をメロメロにしたなどと自惚れているが、毛利蘭の方は、いつまでも行方がわからない工藤新一に対しての当てつけと、少し自暴自棄になっているだけなのであった。
その頃、歌手の太田裕美は栃木県の野木町に来ていた。大好きなアップルパイを売っている店が野木町にあるのだ。 太田裕美は若い頃『ドール』『失恋魔術師』『しあわせ未満』など次々とヒット曲を連発していた有名な人気歌手であった。 現在は変装などしなくても普通に、こんな田舎町までアップルパイを買いに来られる知名度だ。
店はコンビニの出来損ないみたいな外観の店で、店内で製造している惣菜パン等に混ざってアップルパイも売っていた。このリンゴがゴロンと入ったアップルパイが裕美のお気に入りであった。 店に入る太田裕美を道の反対側から眺めている2人の男がいた。地獄の傀儡師・高遠遙一と塩見味平であった。 「よし、『地獄作戦』スタートだ!」高遠遙一はニヤリと笑い、恐怖の地獄ショーの賽は投げられた。
目暮警部「んじゃ、小山署行って来るわ。」 高木刑事「後は任せて下さい。」
そして、小山署‥。 目暮警部「で、例の事件の進捗状況を聞かせて貰おうか。」 小山署々長「はぁ‥、スネ夫も飛影も姿を眩ましたまんまで‥。」 目暮「アンタさぁ、俺に何て言ったよ?」 小山署署長「‥。」
目暮「アンタ確か『この事件は小山署が一丸となって必ずスネ夫達を捕まえます!』って言ったよな。」 小山署署長「はぁ‥。」 目暮「はぁ‥じゃねーんだよ!」
目暮「ったく、どいつもこいつも無能な連中ばかりだな。」 小山署署長「申し訳御座いません。」 目暮「申し訳御座いません、で済みゃ警察は要らねーんだよ。」
「無能なだけかと思ったら、そこまで腐った野郎だったか……」いきなり顔付きが変わった署長は吐き捨てるように目暮に言った。 「な、なんだと?」突然に豹変した署長の態度に目暮は動揺した。 緊迫した空気が流れた。
「警部さんのこと、調べさせてもらったよ。」そういって小山署署長は数枚の写真を取り出した。そこには、目暮が蘭を連れてラブホテルに入る様が写されていた。 「彼女、元同僚の娘さんだそうだね。まったく大胆だねぇ、奥さんがいるのに、女の子を連れてこんなところに入って。」 さっきまでの威勢は何処へやらの目暮に、小山署署長は止めとばかりに一言「さて彼女は何歳かな?」
目暮が修羅場を向かえてる小山市の栃木県警小山署のすぐ近くの野木町の方でも物語は動いていた。 アップルパイをたんまり買い込んで、店を出てきた太田裕美に邪悪な2つの影が迫っていた。 「動くな!」2人組の片方が包丁を裕美の首筋に当てて威嚇した。『包丁を使い慣れている』と裕美は思った。もしや、調理人では?と裕美は余計な事まで考えていた。
太田裕美はクロロホルムを嗅がされ、そのまま何処かへ連れ去られた。だが、コンビニのような店の店員が、その一部始終を目撃していたのだ。彼もしくは彼女かもしれないが、その店員はすぐに110番をかけた。 その連絡が丁度、目暮を不倫と淫行で追い詰めていた小山署署長の元へ届いた。女性事務員が伝える。「署長、誘拐事件です!」 小山署は先の事件で警察官の絶対数が足りない。小山署署長は嫌々ながらも、目暮に誘拐事件の捜査協力を求めることになった。その依頼に目暮は「写真のネガその他一式渡すなら協力しますよ。」と、警察官の風上にもおけない発言。
小山署署長「お前というやつは…まあいい。仕事が優先だからな。写真はこれが全てだ。ネガは後で渡す」 目暮「フフフ…まあいいでしょう。 (敵について無知な小山署の連中のこと、私なしには何も出来やせんだろう。まさに形勢逆転だな)」
「――――こ、ここは?」 クロロホルムを嗅がされ、気を失った太田裕美は薄暗い倉庫のような場所で目が覚ました。 裕美は自分が全裸にされてる事に気づいた。つい最近、同じ様な事があったような気がするが、結局相手の目的は分からなかった。あの時の2人組は逮捕された筈だが――― 2人の男が近づいてくる気配を感じた。裕美は様子を見るため、まだ気を失っているフリをする事にした。
「それで『地獄作戦』て、一体何さ。」傀儡師の口車に乗せられ、ここまで来た味平だが、さすがにこの計画は「どうかしてるぜ!」と思った。まず作戦名が厨だ。それは置くとしても、40〜50の女性(実際裕美は50代であるが)を誘拐し裸にして倉庫に監禁することは理解不能であった。 味平は何故高藤の誘いを引き受けたのか。それは、彼の実父砂糖味吉を痕跡なく殺害できると言われたからだ。母の死の元凶と言える実父。その男に対する憎しみを、高藤に巧みに利用されたのだった。 味吉の件は、当初警察に不審死と判断されたが、後に過剰な自慰によるショック死とされた。それは高藤の華麗な奇術によるところである。高藤の技術に魅せられた味平は、今日までズルズルと行動を共にするようになった。その彼の問いに高藤が答える。
地獄の傀儡師「まず、言っておこう。オレは高遠だ。高藤じゃない!」 塩見味平「……そんなのただの書き間違いだろ!ンな事より地獄作戦の主旨を説明しろよ!」 地獄の傀儡師「その答えは、この女(太田裕美)が握っている。クククク」
塩見味平「何でもいいけどさ、その“クククク”って笑いは何でスネ夫と同じなの?それと実際にそんな笑い方する奴って余り居ないよ。」 太田裕美「それと地獄の傀儡師って金田一少年の事件簿からのパクりだしね。レベルが低いよね。」 地獄の傀儡師「それを言われるとちょっと・・・。」
「パクリも何も、俺が地獄の傀儡師 高遠遙一本人だ!それを言ったら登場人物のほとんどがパクリだろ!解りやすくするために執筆陣がしてる工夫だろが!」高遠遙一は、いきなり吠えた。小説と関係ない楽屋裏話には辟易だ!と言いたいような口調だ。 「気を失ったままだと思ってましたが、目を覚ましていたんですか?」味平は、いきなり台詞を吐いて参加してきた太田裕美に何故か敬語で聞いた。 「また、屁のニオイを嗅がされるのは嫌ですからね。あなた達、こんな事をする意味は何ですか?」太田裕美は気丈に答えた。
377 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/20(水) 12:24:12 発信元:222.5.62.195
高遠は胸のポケットから小さなカプセルを取り出すと二つに割り、さらにその中から単3乾電池程のサイズのピーナッツ状の物体を取り出した。 高遠「…毛利の娘、いや、目暮のスケというべきか?そのかつての恋人である工藤なんとかを幼児化したクスリ… その、座薬バージョンだよ。クククク…」
味平「で、この女を幼女にして、いたぶるんですね♪ウヒョ、こりゃ地獄作戦に相応しい展開ですね、高遠の兄貴ィ!」 地獄の傀儡師「アホか、そんな薬ある訳ねーだろ!冗談だ。」 太田裕美「(……とにかく早く逃げた方が良さそうね……)」
-- 小山署 -- 目暮警部「しょうがねぇなぁ、野木町か? 出掛けてくるわ。」 刑事A「誘拐事件なんで慎重にお願いします。」 目暮「チッ、解ってるよ。」
太田裕美は、ふと『ある事』に気づき、高遠と味平に聞いた。 「アップルパイ、……私が買ってきたアップルパイは何処ですか?」こんな非常事態の時に裕美は変な事を気にした。 「ああ、あれは僕等が食べました。いやぁ美味いアップルパイですね、今度いっぱい買いに行こうと2人で話し合ったほどでしたよ」味平は満面の笑顔でそう答えた。
381 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/20(水) 14:56:39 発信元:222.5.62.187
「それに、アップルパイなんかよりもっとイイものをこれから食べさせてやるぜ、後ろの口にな」 高遠は座薬にハーッと息を吹きかけると、好色の笑みを浮かべて太田に接近してきた。
「よーし、そこまでだ!」 目暮警部が機動隊を引き連れて乗り込んだ。 高遠遙一・塩見味平「マ‥マジかよ!」 高遠遙一と塩見味平は御用となった。
目暮という警部が機動隊を引き連れて助けに来る空想をした裕美だったが、勿論、助けなど来なかった。 「坐薬ネタもいい加減にしときましょう」味平は高遠を制した。 「わかってる。何が何でも太田裕美のケツにブチ込みたい執筆者がいるようだが、無論、そんな事はしない」地獄の傀儡師・高遠遙一は、そろそろ地獄作戦の本丸に入りたいようだ。
地獄の傀儡師・高遠遙一は地獄の作戦を決行させる準備はしっかり整えた。高遠は隙の無い完璧主義者であり、地獄の作戦には二重三重の罠を仕掛けていた。 「この作戦に失敗は有り得ない…さぁショータイムといこうか!」高遠の冷酷な目は正に“地獄の傀儡師”である。 そんな地獄の傀儡師・高遠遙一の右手には大量の座薬がしっかりと握られていた。
VTRを見終えた裕美に高遠は言った。 「クククク……。この歌の『失恋魔術師』の部分の歌詞を『地獄の傀儡師』に変えて歌ってもらう!」ついに地獄作戦の全貌が明らかになろうとしていた。 「な、なぜ?そんな事を?嫌です。歌いたくありません」裕美は拒否した。
高遠遙一は「フッ」と笑うと指をパチリと鳴らした。 塩見味平が包丁を裕美の下半身に向けて振り回した。 綺麗な円を描いて味平の包丁は全裸の裕美の性器をかすめ、ビシュシュシュと鳴らし停止した。
「ああああああーっ!」恐怖のあまり裕美は男2人の前で失禁してしまった。 無理もない味平の手元が少しでも狂ったら、包丁は裕美の性器をえぐり取っていたのだ。 まさに『包丁人味平』の妙技であった。太田裕美は恐怖で座り込みガタガタ震えだした。
そして怪人ガダガタとなった
震えが止まらない裕美に高遠は優しく話しかける「歌って、歌ってもらえますね?」 ガタガタ脅えてる裕美に味平は「今度は解体しちゃおっかな、へへへ」と無邪気に笑いながら話かけた。 ―――う、歌うしかない。裕美は覚悟を決めた。
「♪あ、あ、あんぁ〜地獄のォ〜地獄の傀儡師ィ〜」 恐怖と屈辱で涙を流しながら太田裕美は自身のヒット曲、失恋魔術師の替え歌を熱唱した。 「クククク…。いいザマだ!」地獄の傀儡師・高遠遙一は支配欲が充たされて上機嫌だ。
-- 野木町 -- 目暮警部「クソ、野木町って広いんだな‥。 全部同じ景色に見えやがる!」 とその時、一台のタクシーが通り掛かる。 夜明日出夫「おやぁ、東京のヘボ警部さんじゃないですかw」
夜明日出夫「こんなところで油を売ってるなんて、いい御身分ですなぁ。」 目暮「イヤミは後で訊いてやる。 今はそれどころじゃない、誘拐事件が発生して犯人はこの辺りに潜伏している。」 夜明日出夫「何ぃ!」 目暮「どこか心当たりは無いか?」
夜明日出夫「この先5kmぐらいの所に空き倉庫がいくつか有るんだが‥。」 目暮警部「案内してくれ!」
小山署署長も小山署総力をあげて太田裕美および被疑者2名の行方を捜索していた。 実は署長は携帯の待受画面を若き日の太田裕美にしているほどに太田裕美の大ファンだったのだ。 「絶対に助け出します。待っててください。裕美タン」
「嫌ッ!そんなダサい歌、絶対に嫌ッ!」恐怖に震えながらも裕美は全力で拒否をした。 震える裕美の肩に手を回し、裕美の耳に息を吹きかけながら裕美の尻を撫でまわす高遠。 「歌ってよ、裕美チャン。歌ってくれないなら、またイジメちゃおっかなぁ〜」地獄の傀儡師・高遠遙一は幼児みたいな甘えた声を出した。それが裕美の更なる恐怖心を煽った。
太田裕美「稲垣潤一の歌なんて‥、死んでも歌いたくない‥。」
『――この男、本物の変態だな……』塩見味平は地獄の傀儡師・高遠遙一の事を心の中で、そう評した。 「ん?」なにやら外がガヤガヤと騒がしい。味平は小窓から外を覗いて見ると「!!」 大勢の警察官が辺りの倉庫や廃工場をしらみ潰しに捜索している姿が見えた。ここを探し出されるのも時間の問題のようだ。
味平は、すぐ近くまで警察が迫っている事を高遠に告げると、高遠の顔色が変わった。「――ま、まずいな……」 逆に、もうすぐ警官隊の救出が来る事を知った太田裕美は、さっきまでの怯えから一転、強気な態度に出た。 「もう助けが来るみたいね。私は、あなた達を絶対に、絶対に許さない。あなた達が私にした事は全部警察に話します。もう逃げられないわ!あなた達みたいなケダモノは檻の中に入ってればいいのよ!」本来、気の強い裕美は高遠達を睨みつけながら叫んだ。
高遠「うるせえババァだな‥、ここで死ねや!」 高遠は太田の首に手を掛けた。 と、その時‥
目暮警部「よーし、そこまでだ! 2人とも観念しな。」 と同時に機動隊が突入! 高遠遙一と塩見味平は逮捕された。
夜明日出夫「やったな、ヘボ警部さんよ。」 目暮警部「お前の運転ほどじゃねーよ。」 と、お互い憎まれ口を叩き合いながらもガッチリと握手を交わした。
「丹念に引いておいた複線を全く理解してない奴が連投でドタバタのオチをつけちゃったな」男が言う。 「これもリレー小説の醍醐味ってヤツじゃないっスかね?いいんじゃないの」別な男が横から言う。 「来て欲しい奴が肝心な時に来なかったな」最初の男が意味深に言い、納めておいた。
その後‥。 刑事A「警部、2人がすべて自供しました。」 目暮「ん。」 刑事A「高遠が塩見を誘った上で事前に計画を立てた犯行だったようです。」 目暮「ご苦労!」
久しぶりの事件解決に、いい気分の目暮であった。さて後はネガを受けとるだけ、と小山署に戻る。「約束通りネガを渡してもらおうか。」 だが、小山署署長は意地悪そうな笑顔で答えた。「持ち運ぶのは面倒だろうと思って送っておいたよ。警視庁長官殿のところにね。どうだい、私は気が利くだろう?」
〜第9章〜 にわか雨の殺人
雨の夜だった。車を走らせていた俳優の船越英一郎はヘッドライトの中に突然、若い女の姿を見た。親指を立てて、右手を振っている。ヒッチハイクのようだ。 傘もささず雨に濡れている若い女を見て、素通りもできない。船越は車を止めて「どちらまで?」と親切に声をかけると、女は、この先のK病院まで行きたいのだがタクシーが来なくて困っていたと言う。K病院は、ここから6キロほど先にある大きな病院だ。 「いいですよ。乗りなさい」船越は雨に濡れた女を助手席に乗せた。これが奇妙な物語の始まりであった。
それと時を同じくして、目暮警部は窮地に墜とされていた。呼出を受けた目暮は『処分が決定するまで当面、謹慎』を言い渡された。 解雇や降格といった重い処分も有り得るので覚悟しておく旨を伝えられ、憂鬱な雨の夜を向かえていた目暮警部。 「とりあえず、謹慎か……ハァ」身から出た錆とはいえ、やりきれない気持ちの目暮は深く溜息をついた。
謹慎の身とはいえ、自宅で過ごすには、妻みどりの冷たい視線が痛々しい。妻も何となく、目暮の不倫に気づいているのだろう。目暮は、だれかとどこかで酒でも飲んで気をまぎらわせようと、知り合いに手当たり次第電話をかけようとした。 最初にかけた相手が、偶然にも船越英一郎であった。「もしもし、目暮だが、いま大丈夫かね?」 船越は運転中である。しかし人気俳優である彼は急な連絡に応答できるよう、携帯に運転時用のマイクをつけていた。「あ、目暮さん。どうしたん…、うわあぁぁ!」 電話越しに船越の叫び声が聞こえた。
「お、おい船越さん。ど、どうした?」電話越しの友人の様子が変だ。目暮は心配になってきた。 「……け、K病院……」電話の向こうの船越の声がそう言った。 「K病院?K病院がどうした?もしもし、もしもし……」目暮は大声で話したが、船越の声は全く聞こえなくなった。
イヤな予感がする・・。 目暮「ちょっと出掛ける!」 と言い自宅を後にした。 目暮はK病院へ向かった。
少量の酒を飲んでしまっていた目暮は車で向かう事を躊躇した。謹慎中に飲酒運転で事故など起こしたらクビになるだけじゃ済まない。 しかし、謹慎中の身でパトカーを出動させる事もできない。「どうするか?」 そこにタイミング良く1台のタクシーが目暮の前を通りかかった。
夜明日出夫のタクシーだった。「お、警部さん、乗るかい?」「かたじけない。K病院まで急いでくれ。船越くんに何かあったみたいだ。」 「それは大変だ。ちょっと飛ばすが、見逃してくれよ。」夜明のタクシーは、某映画のように改造しているわけではないが、風を切るように走る。 「ところで目暮警部、警視庁の知り合いから聞いたけど、謹慎だってね。警部って仕事はストレスがたまるよなぁ。」夜明は目暮に対して同情的であった。
目暮「あ‥、ハクチョウ(白鳥警部)から聞いたよ、アンタのこと。」 夜明日出夫「‥‥。」
目暮「週刊誌の行き過ぎた取材のせいで女性がノイローゼになっちゃって‥」 夜明日出夫「‥‥。」
目暮「アンタはその週刊誌の出版社に抗議に行った‥。」 夜明日出夫「‥‥。」
夜明の目に、3年前の出来事が鮮明に写し出された。事の発端は身代金目的の誘拐事件であった。未亡人であったその女性は、息子をさらわれ、2000万円を要求された。当時警部補だった夜明は、捜査員の一人としてこの事件に関わることとなった。 事件は犯人逮捕で幕を降ろす。だが指揮官の判断ミスがあり、人質の息子は帰らぬ人となった。女性はショックのあまり入院してしまう。彼女の不憫さと、子供を救えなかった罪悪感から、夜明は病院へ頻繁に足を運び、彼女を慰めた。それを週刊誌に狙われたのだった。 息子との死別にくわえ、心無い取材の嵐に、ついに彼女は発狂する。さらに週刊誌の取材は、夜明の近所にも押し寄せた。尾びれ背びれのついた噂話に、妻は耐えられず、娘を連れ実家へ帰ってしまう。怒りと絶望に駆られた夜明は、 一人出版社に乗り込んだのだった。
「ま、アンタも警察クビになったら、うちの会社おいでよ」夜明は冗談半分に目暮に言ったが 「……ハァ、タクシーか……俺は刑事以外の仕事は無理だよ……」心底落ち込んでる目暮には全く冗談に聞こえなかったようだ。 夜明日出夫のタクシーは、まもなくK病院に到着しようとしていた。雨はやや小降りになっていた。
夜明「小山署の署長、あんたを陥れたのも、あんたが太田裕美を救出した事に嫉妬したのかもな……」 目暮「……?」 夜明「あの署長、太田裕美の大ファンなんだよ。自分が助け出したかったんじゃないかな?」
夜明「自分で助けに突入して、太田裕美お嬢の裸を見たかったのかもよ。あの署長」 目暮「お嬢って(笑)あんなオバサンの裸見たって何も嬉しくないわ……俺は若い女専門だからな」 夜明「ファンにとっては永遠の18歳なんだって。ま、せっかく事件解決させたのに災難だったね目暮さんよ」
タクシーはK病院に着いた。仕事中の夜明は目暮を降ろして去って行ったが「もし緊急事態なら、すぐ呼んで欲しい」と付け加えていくあたりが元刑事らしい。 目暮はK病院の駐車場に見覚えのある車をみつけた。―――間違いない。船越英一郎の車だ。 目暮は車に近づいて行った。夜になってから降り出した雨は、今はだいぶ小雨になっていた。
すいません。と声をかけてきた男は杉下右京と名乗った。
突然、暗闇で声をかけられ目暮は「ひっ!」と声をあげた。 杉崎と名乗った男は病院の職員であった。最近、病院に関係ない者が車を停めっ放しにしたりする事があるので見回りに来たと言う。 「こんな時間に病院に用がある人は稀です。この車は貴方のものですか?」杉崎は船越のものと思われる車を指差し、目暮に聞いた。
「いや、知人の車に似てると思いましてな……」目暮は自分が警察官である事、謹慎中である事、友人の安否を気にしてここまで来た事、諸々を伏せて、そう答えた。 すると「ククククク……」!!車の中から不気味な笑い声が響いてきたのだ。目暮は見回りに来た病院職員と共に驚きの声をあげ、車の中を覗き込んだ。すると!! 車の中で船越英一郎はマンガを読みながら大笑いをしていた。
目暮「あ‥アンタ‥。」 船越「いよ〜警部‥‥ん、どしたの?」
「どしたのじゃない!突然悲鳴をあげたっきりで、電話が切れたから、心配したんだぞ!」目暮は船越が無事で安心したが、船越の態度に少しカチンと来た。「すまないね、目暮警部。携帯の電池が切れてしまってね。」 弁解に続けて、船越は、ある女性を乗せ、このK病院に送り届けた話をした。しかし余程急いでいたのか、彼女はハンドバックをおいたまま下車したため、船越は漫画を読みながら、彼女が病院から出てくるのを待っているのだという。 「じゃあ、あの悲鳴はなんだったのかね?」目暮の問いに船越は答えた。「女性を乗せたあとすぐ、道路に人が急に飛び出してきてね。危うく轢きそうになってしまい、つい大声をだしてしまったんだ。そういえば彼女、そのあとから突然落ち着きがなくなったな。」
目暮「‥帰る足も無くなっちまったし、用が済んだら俺の家まで送ってくれよ‥な。」
目暮「船越さん、そもそも何処に行くつもりで車を走らせていたんだい?」 船越「栃木県の方の警察署まで向かっていた所だったんスよ。知り合いが警察に捕まっちゃったんで面会に行こうと思って」 目暮「???こんな深夜にかね?」
「腕の良い調理人なんだけど、何か拉致監禁事件に巻き込まれたみたいなんスよ。料理に対して熱心に取り組む男で、そんな事件を起こすような奴じゃないから、悪い奴に利用されたんじゃないのかな?」船越は警察に勾留されている知人の事を話した。 目暮は船越英一郎が語る男の事に、心当たりがあった。 「もしかしたら、その事件、私もよく知ってる事件かもしれん。だけど船さん。こんな時間から面会は無理だと思うよ」
431 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/23(土) 12:01:16 発信元:124.214.254.138
しばらくして・・・ 船越「ラチが開かないな、ハンドバック渡してきますわ。」 といって船越は病院へ入った。 目暮「(最初からそうすりゃよかったのに。)」
塩見味平のことだな‥、目暮は思った。 確かにヤツは高遠遙一に騙されて関わってしまったと語っていたが‥ま、それは言い訳だな‥フォローも出来んわ。 目暮の率直な感想であった。
車に戻るなり船越は目暮に頼み込んだ。「目暮さんの力で、今からでも、ヤツと面会させてもらえるように何とかしてくれませんかね?」 「あ、船越さん。実はまた謹慎処分をくらっちゃってる身でしてね。あまり無理な事は出来んのですよ。今、携帯で高木と連絡取って、塩見味平の現況については調べさせましたから、少し待ちましょう」目暮は謹慎中である事を明かし、船越を制した。 「ん?目暮さん。味平、…塩見味平をご存知なんですか?」
「彼を逮捕したのは、私だからな。まあ、ちょっと色々あってね…」目暮は、事件のあらましを船越に語った。当然、管轄外の事件に関わるまでの経緯は省いた。それはそのまま謹慎処分の話に繋がる。 「そうですか…。あいつがそんなことをするなんて…。いい奴だったのになあ。ついこの前会った時、もう少しでオヤジから暖簾分けの許しがもらえるって、張り切ってたんですよ。どうして、高遠とかいうクズに丸め込まれたのか…。残念です。」 船越の悲しみに呼応してか、雨は再び勢いを増した。船越はアクセルを踏み込んだ。二人は、K病院を後にする。病院内で起こっていたことなど、露も知らずに。
同じ頃、塩見味平は栃木県警の留置場の中で雨の音を聞きながら感傷に浸っていた。 看守から聞いた話では、一緒に捕まった高遠遙一が警察関係者に化けていた仲間の手引きで便所から姿を眩ましたそうだ。しかし、今の味平にはどうでもいい話であった。 味平が、この件に加担した本当の理由は誰にも話す事はできない。高遠は悪辣な男かも知れないが、味平との約束は果たしていた。味平もこの拉致監禁事件の罪は言い逃れなどせず、受けるつもりであった。
ただ、味平は後悔していた。自分の商売道具の包丁をこんな事に使った事を 修行して磨いた腕をあんな破廉恥な事に利用された事に憤りすら感じつつ、全ては自分の心の弱さが原因だと、味平は自分に言い聞かせた。 雨の音に混じって塩見味平の嗚咽が留置場の闇に轟いた。
次の日。くるまやラーメンで待ち合わせしていた目暮と高木。 「お待たせしました警部。塩見味平の件、可能な限り調べておきましたよ」高木刑事は今、担当している主婦殺し事件の捜査の合間を見て目暮に会いに来た。 「今は謹慎中の身で役職は解かれてるから警部と呼ばんでくれ」忙しい中、謹慎中の自分に付き合わせてしまった高木に敬意を込めて目暮は軽く会釈した。
目暮も高木も味噌チャーシューと餃子とライスという全く同じものをオーダーした。 高木「警‥、いや目暮さん。塩見味平は事件の関与は全面的に認めてますが、分からないのは動機です。塩見が高遠遙一の言う『地獄作戦』なる珍妙な計画に加担する理由が全く分からないんです」 目暮「地獄作戦?なんなんだ?それは」
高木「高遠が計画した地獄作戦と言うのは『失恋魔術師』という曲の失恋魔術師という歌詞の部分を『地獄の傀儡師』と変えて、失恋魔術師のオリジナル歌手の太田裕美に歌わせたる事だけのようです。それ以外の事は全て余興だそうです」 目暮「……そ、そんなバカげた話……本当かね?」 高木「塩見だけじゃなく、高遠遙一本人も、そう供述してますから間違いないでしょう。ホントくだらない幼稚な作戦ですね」
「いえ、幼稚とは言い切れませんよ」とメガネの男が言った。 「話に割りこんでしまい申し訳ない。私は杉下右京と言います。」 ―杉下右京…警視庁特命課の人材の馬鹿場と言われている杉下右京か?
杉下とかいう店員が口をはさんで来たが高木が一喝すると店員は味噌チャーシューと餃子ライスをテーブルに置き、去って行った。 「塩見味平は船越さんの知人らしいんだ。情状酌量の余地はありそうかね?」目暮が餃子に酢をかけながら高木に聞く。 「被害者の太田裕美が相当に怒ってるんですよ。かなり屈辱的な恥ずかしめを受けたようで『絶対許さない』って。可能な限り重い罰を望んでいるとか……」高木はチャーシューを汁に強く押しつけて味を染みさせながら目暮の問いに答えた。
目暮「包丁まで持ち込んだんだから殺人未遂を問われても仕方が無いんだよな‥。」 高木刑事「仕方無いですね。」
「しかし『失恋魔術師』を『地獄の傀儡師』に変えて歌わせるなんていうアホみたいな計画に巻き込まれて太田裕美同様、塩見味平も被害者と言えなくもないですね」 「しかし『失恋魔術師』自体、今聴くとかなり変な歌だよな」 「あの時代の歌謡曲はあんなもんでしょ」味噌チャーシューを食いながら、話は雑談に変わって行った。
目暮「あ〜‥、しかし謹慎ってヤツは暇だな!」 高木「焦らず気長に待ちましょう。」
445 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/24(日) 10:54:02 発信元:124.214.254.138
目暮「で話変わるが、主婦殺人事件の方はどうよ?」 高木「正直人手不足で・・早く警部に復帰して欲しいもんです。」
「すまんが、その事件について詳しく聞かせてもらえないか。」 「客、僕たちしかいないから大丈夫ですね。今朝の2時頃通報がありました。場所はK病院。夜勤の看護婦が第一発見者で…」 「K病院だと?」
「シネ」
目暮「シネ?映画の事か?」 高木「そう、映画の1シーンみたいな陰惨な殺戮劇でした。発見した女性はショックで今も寝込んでいるようです」 事件現場がK病院という事が、少し目暮は気がかりであった。
店を出る2人‥。 目暮「実はな、ちょうどその頃‥、俺と船越がK病院の駐車場に居たんだ。」 高木「えぇ!?」 目暮「船越に電話してみる。」
目暮は船越に電話で確認した所、船越がバッグを届けに行った時は、まだ何も起きていなかったらしい。船越が病院に送り届けた女性は真っ暗な待合室でボンヤリしていたようだ。 事件は目暮と船越が病院の駐車場から立ち去った直後に起きている。 「現場が水浸しだったらしいんで、犯人は、にわか雨が降り出した夜になってから病院を訪れた者と見ています」高木が補足した。
目暮「よし、K病院へ急行だ!」 高木「あ‥ハイ。 でも警部は謹‥」 目暮「いいから早く車出せ!」 高木「ハイッ。(知ーらねっと。)」
K病院に車を走らせる高木に目暮が言った「今川焼きが食いたくなったな……」 「今、ラーメン食ったばっかしじゃないスか!」「別腹、別腹。どこか今川焼き売ってるとこに停めてくれ」 2人はK病院に向かう前に今川焼きを買いに寄り道する事になった。
くるまやラーメンから、K病院へ繋がる道に、ちょうど今川焼を販売している店があった。車の停車をきっかけに、目暮は驚くほど素早くお店に入っていった。あとに続く高木は「謹慎中だから、食べることくらいしか楽しみがないのだろうな。」と哀れみの感情を抱いた。 店が扱う今川焼は次の通りである。中が、小倉、抹茶、カスタード、チーズ、ポテトサラダ、ハバネロの6種類。皮は、白と黄色の2種類。どれにしようか、いや全種類制覇しようか、そうだ高木と半分ずつ食べればいい、などと考える目暮であった。 高木が店に入ってきたときだった。店内の食事スペースから悲鳴が聞こえた。「かれぇぇ!」
「激辛とか邪道な物を食うからだよ」目暮と高木は奇声をあげた先客を冷ややかな目で見た。 「今川焼きといえば小倉あん一択でしょう」 目暮と高木は小倉あんの今川焼きを買い込み、K病院に向かった。
K病院には増田刑事が来ていた。到着したばかりの目暮と高木に増田は言った。
「事件の夜、船越英一郎さんが出て行った後、1人の男が入れ替わりで病院に入ってくる姿が、防犯カメラに映っていました。この直後に惨劇は起きていますので、この男が犯人と見て、間違いないようです」
http://imepita.jp/20101025/837870
目暮・高木「またこれ?」 散々ひっぱった割に事件のオチは、またこのパターンなのであった。 増田「警部、謹慎中じゃなかったですか?」
〜第10章〜 あなたには言えない
結局目暮の処分は20%の減俸3ヶ月ということになった。何故かというと、懲戒免職にしても夢落ち返しが待っている。降格にしたら、今後の記述が面倒になる。やはり目暮は警部であるべきである。シベリア小説だから許される展開であるが。 目暮警部の処分が、減俸ですんだということで、(それを理由にすることはおかしいといえばおかしいが)トリック博士の館にに一同集まって、飲み会でもしようということになった。 酒はトリック博士が用意し、他の参加者は各々見つけてきた美味しいつまみを持ってきた。さて誰が何を持ってきただろうか?
目暮警部が軽い処分で済んだ事についてはトリック博士の力が作用していた。 しかし目暮は総監から「マスコミ等に嗅ぎつかれる前に周辺を綺麗にしておくように」と恩情処分に対しての条件をつけた。 トリック博士が宴を開いてくれるという話だ。だが、目暮には先ずやる事がある。
草加市のラブホテル。目暮と蘭の姿があった。目暮は、いつになく激しく、そしてネチっこく蘭の若い裸体を弄んだ。 勃起したペニスを蘭の体中に這わせ、蘭の整った顔にも這わせた。目暮の激しくネチっこいセックスは2時間にも及んだ。 射精が済んだ目暮は言った「蘭、別れよう……」
目暮は懲戒免職になりたくなかった。自分は刑事以外の仕事ができない事も分かっていた。それには身のまわりを綺麗にする必要があるのだ。 最後にしっかり一発やってから別れ話をするあたりが、この年代の男性らしい厭らしさであった。 「…なんで、なんで急にそんな事、言うの?」別に目暮に対し愛憎は無い蘭であったが、あまりの突然の目暮の言動に対し、当然の疑問を口にした。
目暮「蘭くん。きみは若い、新一くんに拘らず、同年代の恋人を作った方がいい」 蘭「……………」 目暮「新一くんのいない寂しさを紛らわすのに、私は役に立てる事は、これ以上無いだろう。若くてきれいなキミは、いくらでも若くてカッコイイ恋人ができるさ、ハハハ」
「…そんな言葉で、いままでのことをチャラにするつもり?」そう言って、蘭は鞄に手を伸ばした。見れば、その手には果物ナイフが握られている。「私をもてあそんだだけなのね。許さないわ!」 「おい、蘭くん、落ち着け!」目暮は素早く蘭を制す。勢いのあまりナイフは部屋の隅へ飛んでいった。(ナイフでよかった。空手でこられたら危なかった…) 蘭はそのまま泣き崩れた。目暮が声をかける。「一体どうしたというんだ。私たちの関係が、このような結末を迎えることくらい、蘭くんもわかっていたことではないのかね?」
目暮「もう帰るよ‥おっと、これは預かっておこう。」 目暮は部屋の隅にあったナイフを拾い上げるとそのまま部屋を後にした。
目暮はトリック博士が催してくれるという目暮の免職回避パーティーに向かう事にした。確か酒はトリック博士が用意してくれるらしいが、つまみは各自持ち込みとの事だ。 鶏の丸焼きやこだわりコロッケは船越や土井塔が持ち込むだろうから、目暮は少し変わった物を持参する事にした。 目暮は『少し変わった、あるもの』を買いに向かった。
トリック博士邸の宴の会場には倉阪鬼一郎、船越英一郎、土井塔克樹、夜明日出夫などが、すでに集まっていた。 小説家、俳優、医学生、タクシードライバーなど様々な者達は皆、トリック博士ファミリーと呼ばれる推理マニア達だ。漢字5文字の人間ばかりなのは偶然である。 トリック博士が用意したアルコール類と各自が持ち込んだ知る人ぞ知る隠れグルメ品が並び、今夜の主役、目暮警部の到着を待っていた。
目暮「そうだ、いつかのハバネロ入りの今川焼きにしよう。」 いろんな今川焼きを買って、ロシアンルーレット風にしようと考えたようだ。
「目暮警部おそいな、今日の主役なのに」船越が心配そうに話すが、頭は早く食べたいという思いでいっぱいであった。 「それじゃあ、乾杯の練習でもしましょうか、目暮警部が着いたときのために。」などと、久しぶりに登場した倉阪が提案し、トリック博士が用意した日本酒に手を伸ばすと、ピシャリ、博士が倉阪の手を叩き制する。どっと笑い声がわいた。 その時来客を告げるチャイムが鳴った。ついに本日の主役登場である。
目暮「おまた!」 一同「‥‥。」
船越「警部‥‥、それ何十年前のギャグですか?」 トリック博士「ホッホッホ‥。」
テーブルには石下町クロサワの若鶏の丸焼き、常総市の弁当屋『重兵衛』のカレーコロッケ、小山市のこだわりコロッケ、行田市のゼリーフライ、野木町モンペリ(太田裕美がりんごパイを買った店)のホテルカレーパン等が並んでいた。 「あとは目暮さんが持ってきた物を出してくれれば、それで全部ですね」 目暮は、たった今、買ってきた、衝撃の『あるもの』をテーブルの上にドカッと置いた!
目暮「どうだ!」 倉阪「今川‥焼き?」 目暮「不満か?」 倉阪「‥いえ。」
目暮「これはタダの今川焼きじゃないぞ!」 土井塔「ちゃんとお店で買ったヤツだ‥ってオチだったらブッ飛ばしますよ。」 目暮「食べれば解るさw」
今川焼は全部で6個。ちょうど人数分ある。土井塔はその手を今川焼に伸ばした。彼から見て一番端のそれを掴み、そしてかぶりついた。 「……うまい!」土井塔の口のなかに芳醇なチーズの味が広がる。(今川焼に、チーズがこれほど合うとは!一体どのチーズだろう?!)彼はペロリと平らげた。 (ちっ、土井塔はチーズだったか…)目暮の悪戯心がざわつく。残りは五つ。
トリック博士邸から洩れ聞こえてくる賑やかな笑い声を苦々しく聞いている3人の男が博士邸宅の前で舌打ちした「チッ」 「目暮よ、せいぜい浮かれているがいい。今に我々3人連合が、貴様を警察組織から追放させ、社会の吹き溜まりに転落させてやるからな!」 松本零士、成歩堂龍一、小山署署長の3人は、そう言い残し、トリック博士邸前から去って行った。
さて、そんなトリオの悪巧みに気づくはずもない目暮たちは、とりあえず乾杯をする。フライングで今川焼を頬張った土井塔は、ちょっと申し訳ない様子で言い訳。「弁解するわけじゃないけど、本当にうまいんだって!チーズがすごいチーズなんだよ!」 「本当か?じゃあ僕もひとつ。」今度は船越が今川焼に手を伸ばす。そして一口「うまい!」船越が手にしたものの中身はポテトサラダであった。船越の口の中で、今川焼の皮とポテトサラダが絶妙なハーモニーを奏でる。 (船越はポテトサラダだったか…。誰がハバネロを引くかな…。)再び目暮の中の悪戯心が騒ぐ。残りはあと4つ。
船越英一郎は場の空気を壊さないため、明るく振る舞っていたが、心の中は冷ややかだった。 悪辣な殺人鬼は放置し、塩見味平のような気の良い料理人を留置して面会もさせてくれない警察に対して船越には憤りがあった。しかも訊くところによると味平を巻き込んだ事件の主犯は、やすやす脱走したというではないか。 しかし、せっかくの宴。恩師トリック博士の顔をつぶす訳にもいかない。船越は笑顔を作り、今川焼きを大袈裟に絶賛し、盛り上げた。
その後、倉阪、夜明、トリック博士が今川焼を食べたが、皆お世辞なのか本気なのか、その味を誉めた。とにかく、すぐに水を欲しがるものはいなかったのである。 目暮は弱った。全ての味を説明した後、みなでロシアンルーレットとして楽しもうと考えていたのに、いつの間にか目の前にはハバネロ味の今川焼が一つぽつん。流れから自分が食べなくてはいけないようだ。味が味なので、誰かに譲ることもできない。 「ほっほっほ、全部異なる味とは粋だのう、目暮君。これは〇〇店の今川焼じゃろう?さあ、早く目暮君も食べなさい。」どうやらトリック博士は最後の中身を知っているようだ。ものすごく楽しそうに目暮を見ている。
目暮「え〜‥倉阪クン、チミの今川焼きの中身は何だったかね?」 倉阪「カスタードでしょ、あれは。」 目暮「夜明サンは‥。」 夜明「俺? なんか普通の今川焼きだったぞ。」
するとトリック博士がすかさず 「ワシのはうまい抹茶だったぞ、ホッホッホ‥。」 目暮「(終わった‥。)」
「やれやれ、自分で買ってきた激辛焼きを自分で食う羽目になるとは、トホホ。これじゃ自演乙じゃないか……」 目暮は自分が仕掛けた地雷を自分で踏む兵士のように覚悟を決め、今川焼きにかぶりついた。「ん?」 食べた目暮本人が驚きと戸惑いの声を出した「あれ?甘い……?」
「店員が間違えたのか?それしか考えられん。」目暮は、注文した時を思い出した。確かに自分は、それぞれ一つずつ、店員に注文した。店員は、それぞれ一つずつ袋に入れた。間違いない。 しかし今目暮が口にしている今川焼の餡は、間違いなくチーズである。一体どうしてこんなことが…? とにかく、激辛今川焼を食べずにすんだ。目暮はチーズ味の今川焼を、涙ながらに噛み締めていた。その傍らで、土井塔がこっそり水をがぶ飲みしていた。
「ホッホッホ、6個の今川焼きの中に1つ激辛が入っていたようぢゃな。ロシアンルーレット的な遊びとしては面白い余興ぢゃな」トリック博士は目暮の悪戯など最初から読んでいた様子だ。 「さて、6つの中に1つだけハズレが混じっていたとして、6人の人間が順番に1つずつ取って行ったら、何番目に選ぶ人間が1番ハズレを引く可能性が高いか解るかな?」推理作家の倉阪鬼一郎がいきなり出題した。 確率論だけじゃなく、様々な観点でお答えください。―――と、倉阪鬼一郎は付け足した。
「それは4番目だな。」夜明が答える。「勘が鈍くても、人間には何らかの危機を察知する力があると、僕は思っている。まあオカルトの類と思ってもらって構わないが。だが4番目、三択あたりから、迷いが心理的負担を生み、危機感を妨げてしまうのではと思う。」 夜明の意見は、説得力はありそうだが、全く科学的な根拠の無い話である。真に受けないように。しかし、彼は警察官、その後はタクシー運転手という、危険な仕事についているが、今まで大きな怪我はない。それは自分の危機察知能力のおかげと思っている。 「なるほど、なかなか面白い話だね。今度小説のネタに使わせてもらおうかな。」
土井塔は泣きながら語った。
486 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/30(土) 02:44:48 発信元:118.159.131.36
「うぐ、確率論に走れないなんて、学生にはきつい質問です、ひっく。どう考えても何番目に引こうが、はずれをひく確率は同じじゃないですか…。うっうっう…。」どうやら土井塔は、酒が入ると泣き癖がでるらしい。 そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ、明日の仕事があると夜明が帰宅し、ついで明日の実験準備がと土井塔が帰宅、さらに良い案が浮かんだと倉阪が帰宅した。トリック博士の館には、船越と目暮が残った。 「目暮警部、話があります。トリック博士にも聞いてもらいたい。」目暮の行動に不満を抱いていた船越は、この時を待っていたとばかりに、口を開いた。「俺にはやはり信じられない。なぜ味平があんな事件を起こしたのか…。」
目暮「船サン、いい加減に目を冷ましなよ。 ヤツは船サンの思ってるような男じゃねーよ!」
船越「きっと味平は高遠遙一に何か弱みを握られてたに違い有りません。 でなきゃあんなこと‥。」 目暮「アホらし‥」 船越「マジメに聞いてるんですか!」
目暮「聞いてるよ‥、だからアホらしって言った訳なんだが。」
「正直、船さんが同情するのも理解しかねる。弱味を握られたからといって、女性を裸にして監禁して良い理由にはならない。それに包丁を振り回したりしたんだ、殺人未遂で訴えられても仕方がないだろう。」酒の勢いか、目暮の口調はかなり強い。 「そういうふうに、立場の弱い人に対して扱いが冷たい。一方で高遠のような極悪人をみすみす逃がす!まるで恩赦を与えるかのように!」船越が激昂して机を叩く。目暮は驚いた。なぜ船越は警察の内部情報を知っているのか? 「ほっほっほ、すまんな目暮くん。わしが警視庁にいったとき、小耳に挟んだ話を、つい船越くんに教えてしまったのじゃよ。小山署の問題なのじゃから、警視庁にあたるのはお門違いとも言えるがのう…。」トリック博士のコネはすごいが、やや口が軽いようだ。
だが、もちろん目暮はトリック博士に不満など言えない。言えるわけがない。 トリック博士には何度も助けられ、懲戒免職を免れている目暮はトリック博士には何かを言える資格も無い。目暮の不満は船越に向けられた。 「塩見味平のような危険人物から、市民の平和を守るため、警察は全力を尽くしているというのに、何て言い草かねぇ」目暮は少し軽蔑を含むような目で船越を見ながら、吐き捨てるように言った。
492 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/31(日) 04:17:54 発信元:110.161.65.32
石垣筍刑事は、目暮警部に伝えようとした。「塩見味平ですか……。そういや、 ドーピングコンソメスープの犯人・至郎田正影も味平と関係があるらしいですよ。 そう、至郎田と味平をつなぐのは、葛西善二郎です。ネウロを憎む葛西ですよ。」
石垣筍という人物を演じながら俳優船越英一郎は話題をそらした。 至郎田とか葛西とかネウロとか関係ない話をして流れを変えようとしたのだ。これ以上の言い争いは船越も本望じゃない。 目暮もそれを察した「ちょっとエキサイトし過ぎましたなハハハ」宴は再び談笑に包まれ、和気藹々と進行した。
目暮「正直、高遠遙一脱獄の件に関しては私も腹に据えかねてるんでスわ‥。」 船越「‥。」 目暮「小山署署長本人から報告が未だに無くてねぇ‥。」
〜第11章〜 清算と、報復と、
「ははははは、まるで夢のようだ!貴様にこのような復習ができるとは!」松本零士は興奮を押さえられない。目の前には全裸の目暮警部が吊るされている。 「頼む、許してくれ。私が悪かった。許してくれ…、ぐふっ」目暮の言葉に耳を貸すはずもなく、松本は執拗にボディーブローを続ける。 「泣け、叫べ!私の気がすんだら、その格好で警視庁前に放り出してやる!お前もそれで終わりだ!」暴力は松本にエクスタシーをも与えた。その快楽に彼は酔いしれ、いつしか絶頂を迎えた。
497 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/10/31(日) 21:27:35 発信元:124.214.254.138
あ・・ なんだ、夢か・・。
松本零士は連日、同じ夢を見た。憎むべき宿敵、目暮警部をひれ伏せさせる夢だ。 「これが『予知夢』なら良いがな。」零士は独り言を呟いた。目暮憎しで、ややノイローゼ気味のようだ。 真夜中に目が覚めた零士は軽くストレッチをすると再び眠りについた。
そしてまたすぐ起きるを繰り返していた。 松本零士は完全に寝不足になり、体調の優れない日が続いた。 そんなある日、目暮警部が深夜に松本を訪ねてきた。
言うまでもなく現れた目暮は零士の夢の中の目暮だ。 ここでも目暮は無実の人間を拷問にかけ、部下が勝手にやった事だと責任逃れをし、悪辣な犯人に対しては身の危険から野放しにし、元同僚の高校生の娘とSEXし、カブトムシをライターで炙り鳴かせるというやりたい放題ぶりを見せた。 「目暮!許せん!目暮ーッ!」またうなされて目覚めた零士。時刻はまだ早朝であった。
連日の睡眠不足により、松本の体に疲労が残り、その顔色は日に日に青くなっていった。あと一週間も続けば、墓場で運動会をしても、誰も違和感を感じないであろう。 ストレスから、些細なことでアシスタントの杏子に当たるようにもなった。どうでもよいことが、さも悪いかのように叱責され、さすがの杏子も、アシスタントをやめたいと願い出た。 これには松本もしまったと思った。杏子にやめられると、色々な意味で困る松本は、病院に足を運び治療に励むからアシスタントを続けてくれ、と泣いて頼んだ。
松本零士「それもコレも全て目暮のせい‥!」
--そして、小山署-- 目暮「さて、説明して貰おうか。 高遠遙一脱獄の件だ。」 小山署署長「‥申し訳ございません。」 目暮「俺は前にも言ったハズだ! 申し訳ございません、で済みゃ警察はいらねーんだよ!」
目暮「大体スネ夫等には逃げられ、邪眼師・飛影にテロ攻撃されるわ‥、呆れるよ、全く!」
高木刑事「なあ、今回のスレの目暮警部、人格が破綻してないか?」 増田刑事「前スレでは無能なだけで、あんなおかしな人では無かったような……」 高木刑事「そうだよな、あの人は無能なだけで悪人じゃないんだよ」
「ハックション!くそ、誰か私の噂でもしているのか?高木たちか?口ばかり達者の役立たずどもが!」目暮の口調はますます悪くなっていく。一体どうしてしまったのか。 「げへへへへ、前スレのお前はは善良で無能だったが、今は違うぞ!手柄のためなら、手段を選ぶな!だれもお前を止めることなどできやしない!」何と目暮の心の中で、悪魔がささやいている。このまま彼は暗黒面に目覚めてしまうのだろうか…。 そんな目暮を見て小山署署長は思う。「(大方人格が破綻しているとか言われてるんだろうな。まあ私も登場した頃はこんな人間じゃなかったと思うのだが…。ていうか警視庁のやつがわざわざ小山署に来て説教とかすんなよ!)」
目暮「何か言ったか?」 小山署署長「‥いえ。」
目暮「とにかく、高遠遙一は早急に身柄を確保するように!」 小山署署長「‥。」 目暮「返事は?」 小山署署長「ハイ。」 目暮「声が小せえんだよ!」 小山署署長「はい!」
目暮「いいか!俺にはトリック博士がついてるんだぞ!貴様が小賢しい小細工しようと俺を陥れる事などできん!」 小山署署長「………」 目暮「松本零士や成歩堂龍一ごときと組んだって無駄無駄!俺はおまえらなんか射殺したってもみ消せるんだぜ」
「おい、聞いたかみんな。医者を呼べ」署長は小山署の警官に警察医を呼ばせた。 「目暮警部、少しお疲れのようですね。静養が必要のようですね」小山署署長はニヤリと笑った。 「舐めんのもいい加減にしろよ目暮。ここから無事に出れると思うなよ」署長は指をパチリと鳴らす。
小山署署長「ポール牧!」 目暮「‥言いたい事はそれだけか?」
小山署署長「ココ、笑う所でスよ。」 目暮は小山署署長の胸ぐらを掴んだ!
「その汚い手を放せ、目暮!」鋭い眼光で小山署署長は目暮に睨みをきかす。 「なんだと?」 「立場を分からせてやるぜ目暮よ!」小山署署長は指をパチリと鳴らす。
目暮「『ポール牧』はヤメとけよ‥。」 ??「目暮‥、相変わらずだな。」 目暮「誰だ、アンタは?」
??「おい、俺が誰かホントに分からないのか、目暮!」 目暮「分からないから『??』なんだろう」 突然あらわれた??とは果たして一体誰なのか。
「私の顔を見忘れたのか?」やって来たのは松本零士であった。病院で診察を受けた松本は、医者から精神安定剤を処方をうけた。しかし、やはり元を断たねばならないと思いなおし、小山署までやって来たのだった。 「ふん、ずいぶんとやつれているじゃないか。この前事情聴取した時と比べて完全に別人だ、わかる方がどうかしてる。」 「ずいぶん余裕ですね、目暮警部殿。」小山署署長が不敵に微笑む。「あなたにはもう逃げ場はないんだよ!」
小山署署長と松本零士は同時に指をパチリと鳴らす。すると、成歩堂龍一、毛利蘭、杉山清貴の3人が入ってきた。 「な、な、な…」ただならぬ展開に目暮は動揺を隠せない。 「目暮ッ!地獄に落としてやるぜ!」署長は劇画の悪役のような顔でニヤリと笑いながら言った。
目暮「よく訊け! クズは何人集まったってクズなんだよ。」 小山署署長「ほー‥そう来ましたか。」 目暮「解ったらさっさと高遠遙一を検挙して来い‥、これは本部長命令だ!」
グァシュッ!!小山署署長は頭突きで目暮の鼻を折った。 「グァーッ!」鼻血を流し目暮は転げ回る。そこで杉山清貴が目暮の脇腹を蹴った。ドカッ!! 「目暮、貴様は生きて小山署から出さない。なぶり殺しにしてコンクリート詰めにしてくれるわ」小山署署長の顔が悪魔に変わった。
刑事A「なんだなんだ?」 刑事B「ケンカだ、止めろ!」 刑事その他大勢「お前らヤメんか!」
小山署署長「目暮クンが私に暴力を振るったので杉山君が止めに入っただけだよ。」 目暮「なんだと! デタラメ言うな!」
成歩堂龍一「私も見てました、署長のおっしゃる通りです。」 杉山清貴「俺は(目暮の暴力を)止めただけだよ。」
目暮「なる程‥そういうコトかい! 蘭、君は真実を話してくれるな。」 毛利蘭「はい‥。 署長のおっしゃった事が真実です。」 目暮「‥なんでだ!」
小山署署長「なんでだじゃねーだろ無能もここまでくるとどうしようもないな」 毛利蘭「私、警視庁に訴えることにしたわ。これであなたも終わりね」 目暮警部の顔が青ざめる
刑事A「とにかく、目暮警部は怪我をしている。 すぐに治療を!」 目暮「署長サンよ、そのケンカ‥受けて立つぜ。」 刑事A「解ったからもう喋るな、血が止まらんぞ!」
刑事A「署長、目暮取り調べ室にぶち込みます。」 署長「連れてけ、俺も後で行く!」 目暮「離せ、バカヤロー!」
目暮は刑事Aによって取り調べ室に連行された‥が、 刑事A「警部、耳貸して。」 目暮「!」
刑事A「俺はアンタが好きだから忠告しておく。」 目暮「‥。」 刑事A「署長は間違いなくなんか企んでいる‥」 目暮「それは薄々感じていたよ。」 刑事A「それに高遠遙一の件も署長が絡んでいるんじゃないか‥と。」
「コノ ナガレ マッタク オモシロクナイヨ ワルイケド」刑事Aは目暮の耳元で、そう呟いた。 「そうか?名前も無い1刑事の君もそう思うかね」窮地に立たされてる目暮は鼻血を流しながら、救いを求める目で藁にもすがる思いで刑事Aの顔を覗き込んだ。 「ユメダッタコトニスレバ イインジャネ?」刑事Aはそう言って消えた。
目暮「(チャンスだ!)」 目暮は小山署からの脱出に成功した。
-小山市・某旅館にて- 目暮「もしもし、俺だ!」 高木刑事「あ‥警部、どうしたんですか? こんな夜遅くに。」 目暮「小山署署長の身辺調査をして貰いたい、極秘でだ。」 高木「どうして‥」 目暮「理由は後回しだ、至急頼む!」 高木「‥解りました。」
小山署署長「ばかめ!逃げられると思っているのか?」目暮が気づいたときには旅館は小山署署長他その他大勢に囲まれていた。「旅館で寝て気付いたら夢でした、なんて展開にはさせねぇよ!」署長が拡声器で叫ぶ。他の客に非常に迷惑だ。 目暮、絶体絶命である。「くそ、どうすればいい。三択−− 一つだけ選びなさい。@ハンサムな目暮警部は突如反撃のアイディアをひらめく A仲間が来て助けてくれる
Bとにかく、この場は逃げ切る。
目暮の選択は・・!
目暮「よかった。『B逃げられない 現実は非常である』とか言われたら、どうしようかと思った。答えはBだ!」というわけで、無事目暮はこの危機を脱出することができた。それにしても、今回はギャグパートでよかった。シリアスパートなら許されない展開である。 派出所が爆発しても、翌週のジャンプでは元通りになる。そんなギャグ漫画特有のご都合主義を受け、目暮警部も、小山署署長も、松本零士も、その他大勢も、初めてリレー小説に登場した時のような初々しい気持ちにもどったのだった。 (正直このようなまとめにしてしまい、本当にすまないと思っている。しかし、リレー小説だからといって、その場のノリでバトンを放り投げるのはどうだろうか。折角三行あるのだから、次に書く人のことや、数レス先の展開を考えて書き込んでほしい。)
松本零士は真夜中に目を覚ました。「う、夢か……」目暮の夢というオチでは無かった。松本零士の夢だったのだ。章の頭の伏線の通りだ(こじつけ) 零士は自分の夢を忌々しい思った。せっかく夢の中とはいえ憎き目暮に報復するチャンスだったのに、自分は何もできなかった。脈絡なく登場した杉山清貴にさえ出し抜かれてる有り様だった。 「フフフ、まあいい。いつか貴様を地べたに這わせて足の裏を舐めさせてやる。もちろん現実で、な!」深夜の寝室で零士は寝汗を拭きながら、ひとり言を呟いた。
〜第12章〜 あいつが残したものは
539 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/05(金) 05:27:42 発信元:219.125.148.105
で、結局どっから夢だったのよ?
栃木県足利市。流浪の鍼灸師と呼ばれる男が、さまよい歩いていた。男の名は、人呼んで『針師・琵琶丸』 「ウヒィ、ヒヒヒヒ」奇妙な笑い声をあげ、さまよい歩く姿は『不気味』の、一言であるが、この男、これで数々の伝説を持つ、天才鍼灸師なのである。 「ヒヒヒヒ、この町は、体の悪いお人がいっぱいいそうなニオイがするねぇ。イヒヒヒヒ」針師・琵琶丸は、ここ足利市に滞在する事を決めた。
タクシードライバー夜明日出夫は栃木県足利市に来ていた。久々に長距離客が出て喜んでいたところであったが、さすがに少し疲れていた。 夜明は車を小さな商店の脇に止めて、パンとコーヒー牛乳を買った。昼飯だ。 車に戻ろうとする夜明に、通りすがりの初対面の老人が話かけてきた「ウヒィ、ヒヒヒヒィ、お疲れのようですねェ、ヒヒィ」
「夜明けパンチ!」 「ギャッ!」 気色悪い老人は倒れた
気持ち悪い老人を払いのけた夜明は老人を転倒させてしまった。夜明パンチなどというのはギャグだ。 「すいません。大丈夫ですか?」夜明は老人に手を貸し、起きあがらせ謝罪した。 「ヒヒィ、ヒッヒ、気にする事は無ぇよ、ヒヒヒヒ……おまえさん、もしかして肝臓が悪くないかい?」突然の老人の指摘に夜明は吃驚した。
夜明「最近医者になんか掛かって無いんで‥、解るのか?」
琵琶丸「顔色見れば一発で解りまっさ。」
夜明けは「肺に気をつけて」と言い残し夜明けは病院に向かった。 「うぅっ…」
夜明「マジで腹が痛てぇ!」
「マジ、腹痛てえ
>>546 日本語でおK。あー腹痛てえw」夜明は謎の言葉を放ち、笑い出した。この展開に流石の琵琶丸も困惑した。
「……おまえさん、肝臓以外もおかしいね。ヒヒ……」琵琶丸は夜明にそう言い残し、去って行った。
夜明は激務の疲れを感じ「少し休んだ方が良さそうだな…」と呟くと車に乗り込むと足利市をあとにした。
夜明「たまにはリフレッシュしろと言う神のお告げなんだろうな‥。」
550 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/07(日) 12:35:46 発信元:124.214.254.138
翌日、夜明は仕事を休んだ。 夜明「休むってヒマなんだなぁ・・。」
テタヲ「字幕まんせー」
足利市の町をさまよい歩く針師・琵琶丸に背後から話しかけてくる男がいた。 「あんたが、流浪の鍼灸師、琵琶丸かい。探したぜ、ククク…」声からすると若い男のようだ。 振り返った琵琶丸は男に言った「ヒヒヒィ、あんた、カタギの者じゃないねぇ。表面は取り繕ってもアタシみたいな者にゃ解るさね。ヒヒヒィ、相当の悪党だろ?あんた」
553 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/07(日) 23:38:15 発信元:124.214.254.138
高遠遙一「解るのか? 大したもんだな。」
「ヒィーヒッヒッヒ、シャーッ!」琵琶丸は地獄の傀儡師・高遠遙一に針を突きつけた。ビシュシュシュッ 「ターッ!」地獄の傀儡師は身軽に空中回転しながら針をかわし、爪先立ちした「おいおい、ご挨拶だな、琵琶丸!闘いに来たのでは無い」 「ヒィーヒッヒッヒ、話をするのは相手の力を見てから、ってね。ヒヒヒ……」どうやら針師・琵琶丸は地獄の傀儡師の力を見ようとしたようだ。
高遠「さすがだな、やっぱ塩見味平みたいなアフォとは違うわ。」
- 小山署面会室 - 船越「塩見君、話してくれ。 どうしてあんなコトを!」 塩見「‥‥。」 船越「黙ってちゃ解らんだろ!」
塩見「‥僕が全て悪いんです。 なんであんなコトしちゃったんだろ‥シクシク」 船越「反省して、そして罪を償ってくれ! それが今のお前に唯一出来ることだ。」 塩見「うぅ‥(号泣)。」
船越「それと‥高遠遙一が脱獄した。 どこか心当たりは無いか?」 塩見「脱獄ですか‥、もう僕には関係無いことです。」
船越「(コイツ‥もうダメだな。)」
560 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/11(木) 07:58:22 発信元:202.229.176.179
同じ奴がつまらないネタで引っ張るとこうなるスレの見本 ペニス一郎でも連れてきたらどうだw
「ぺニス一郎は一行に隔離されていますし、三行には出禁です。そういうどうでもいいことはおいておくとして、面会の終了時間です。」看守が冷たく言った。船越はやむを得ず、面会室から出た。そしてそのまま小山署を後にした。思わず溜め息がこぼれた。 いつの間にか、塩見味平は船越の知る塩見味平では無くなっていた。いや、そもそも船越は味平の何を知っていたというのだろうか。板前の修行中ということを味平から除いたとき、船越はそこに何を見つけることができただろうか。 「このスレも、スネ夫たちを除いたら目暮警部の愚行しか残らなかった。味平君もそれと同じだったのかもしれないな。皮肉な話だ。」車を走らせながら、船越はそのようなことを考えていた。
車を走らせながら船越英一郎は何故かカメラ目線で言った。 「来週の土曜ワイド劇場は俺が主演の『紅連次郎』シリーズだ。観てくれよな!今週じゃなくて来週だからな、ヨロシク」 ひとりの車内でも役者魂を忘れない船越英一郎だった。
563 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/11(木) 19:29:04 発信元:210.153.84.180
>>561 ムダ口叩いてねえで
三行にまとめろよ
冴えてねえな、まったく
「イヤダネ!」
>>563 。一行の定義が「改行を含まない全角128文字以内の文字列」ならば、
>>531 は三行でまとまっている。他に、「環境に依存しない一行の定義」が存在するなら教えていただきたい。申し訳ないが私は2chの掲示板における一行の定義について前述したものしか知らない。
グダグダ長いのは認める。その通りだ。だがそれは私の癖である。加えてこのスレでは、ある程度の文量を用いて物語を制御しなければ、続くレスによりグダグダな展開に発展しかねない、と私は考えている。長い文については見逃してほしい。
自分勝手な書き込みで申し訳ない。次に書き込む方は、適当なところから話を続けるなどしてほしい。
地獄の傀儡師と流浪の鍼灸師は長々と会話をしていたが 琵琶丸の「いやだね」の言葉で場は緊張に包まれた。承服できない事を言われたのか琵琶丸は拒絶反応を示したようだ。 「それでは、ヒソヒソ…」「ヒィーヒッヒッヒ、それならヨロシイ。力を貸しましょう。ヒッヒッヒ」なんだかよく分からないが契約は成立した様子である。
「sageない奴は基本荒らしだから気にするな。」どこからか声が聞こえた。 「執筆陣も飽きてきたのかレスが滞りがちのようだが頑張れ」別の声も聞こえた。 風が強くなってきた。――――来る、―――あいつが来る。
風使い・陣「はーるばる来たぜ足利へ〜♪」
風使い・陣「しかし‥‥何も無い所だな。」
570 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/12(金) 08:25:22 発信元:202.229.177.161
コロンボ「執筆陣?いゃあこれは傑作ですなあ。ほとんど同一人物のしかも…いえね、カミさんが言うんですよ。『それじゃあたしが書いたものでも執筆って言うんだ。』ってね。いや、これは失礼。」
「何だお前は!」風使い・陣は竜巻を起こし、コロンボをぶっ飛ばした。「ギャー!」 風使い・陣は足利のあまりの何も無さにイライラしていた事がコロンボの不幸であった・・・ 「ん?」陣の前を2人の男が歩いている。若い男と坊主頭の老人だ。「あの若い男、怪しいニオイがするべ、スネ夫と同類項の悪人のニオイだ」陣は2人のあとをつける事にし、歩き出した。
風使い・陣「コロンボ警部‥か、まだ生きてヤがったんだな。」
http://maps.google.co.jp/maps?f=q&source=s_q&hl=ja&geocode=&q=%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E5%87%BD%E9%A4%A8%E5%B8%82%E6%97%A5%E5%90%89%E7%94%BA%EF%BC%94%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%92%EF%BC%93%E2%88%92%EF%BC%91%EF%BC%99& brcurrent=3,0x5f9ef453173448bd:0x96f87cb0b8a73e15,1&brv=22.25&sll=41.801007,140.788465&sspn=0.023194,0.035362&ie=UTF8&hq=&hnear=%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E5%87%BD%E9%A4%A8
%E5%B8%82%E6%97%A5%E5%90%89%E7%94%BA%EF%BC%94%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%92%EF%BC%93%E2%88%92%EF%BC%91%EF%BC%99&t=h&layer=c&cbll=41.800819,140.789468&panoid=oAZ6LButbl1kaKvucaJlBA&cbp=12,279.25,,0,12.5&ll=41.800905,140.789468&spn=0.00145,0.00221&z=19
574 :
↑↑↑ :2010/11/13(土) 18:14:45 発信元:124.108.235.164
575 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/13(土) 20:02:48 発信元:124.214.254.138
高遠遙一を足利市で見たぞ! 信じるか、信じないかは自由だ。 タレコミ情報が警視庁に届いた。
警視「以上のようなタレコミ情報がはいった。 目暮警部、足利へ行って貰えないか?」 目暮「‥命令なんでしょ。」 警視「よく解ったな、その通りだ。」
577 :
sage :2010/11/14(日) 10:11:32 発信元:124.214.254.138
警視「それと、小山署署長の疑惑についても調査してもらいたい。」 目暮警部「部下の高木の同行を認めて欲しいのだが。」 警視「高木は大事な戦力だが・・背に腹は変えられん!」 目暮警部「それと軍資金を少々・・。」 警視「・・・。」
高木と軍資金を得た目暮警部は早速足利へと飛んだ。 目暮「高木、どっか美味いメシ屋へ行こう。」
579 :
sage :2010/11/14(日) 13:03:49 発信元:124.214.254.138
高木「どっかと言われても・・」 目暮「ほんっとに何も無い所だな・・。」
そういえば、メグレ警視っていましたよね?
「そうだよ、いたよ。うん…、そう…高校生が子供になって…警部の名前の由来らしいね…」若い男が、目暮たちの前を携帯電話で話しながら通りすぎていった。 「しかし目暮警部、我々は何故足利市に直接来たのですか?今回、高遠の目撃情報に対する初動捜査で確かな手応えが得られたからこそ、目暮警部に捜査の依頼が来たのでしよう?それならば我々はまず、捜査本部のある栃木県警に足を運ぶべきでは…」 「高木君、よく気がついた。君がそう指摘できるほどに成長したか、試していたんだ。それでは早速栃木県警に向かおう。」高木が「(ホントかよ…)」と思ったことは言うまでもない。というわけで、彼らは、脱獄者高遠に関する合同捜査本部のある栃木県警へ向かった。
そして、栃木県警。 目暮警部「まいど、警視庁から応援に来ました目暮と高木ですが‥。」 栃木県警・星野警部「あー、よく来たね。 小山署の不手際のせいで、こんな手間掛けちゃって‥大変申し訳ないっス。」
「遠方からの協力、感謝します。」捜査本部の本部長である。「初めまして、本部長の大豪院です。」 「初めまして。私は目暮。警部だ。こちらは高木刑事。」目暮の紹介に合わせ、高木は軽い会釈をしたる。 「先程会議が終わり、各自捜査にでました。到着早々で申し訳ないが、目暮警部と高木刑事には、そこの星野警部と共に捜査に協力してもらいたい。星野警部、目暮警部殿に捜査状況について簡単に説明をしてくれ。」
星野警部「‥とは言っても高遠遙一が足利市内で見た、というタレコミ情報以外全く手掛かりが無い状況でして‥はぁ。」
高木刑事「じゃあ‥イタズラの可能性も否定出来ないってことスか?」 星野警部「ぶっちゃけ‥そういうコトになりますかな‥。」
目暮警部「まぁ、指名手配もされてるコトだし、県外逃亡は難しいだろう。」 星野警部「私もそう思います。」
587 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/17(水) 08:45:56 発信元:202.229.176.144
素人「県外に逃亡している可能性があるから指名手配するんだわ。普通はな。」
目暮警部「その通り! ただしタレコミ情報をムゲにしてはいけない。」
目暮警部「とりあえずタレコミ情報のあった足利市内を重点的に捜査する、以上。」
590 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/17(水) 23:19:39 発信元:124.214.254.138
星野警部「ローラー作戦だ、しらみ潰しにあたっていくぞ。」
高木「ローラーヒーロームテキングですね」 星野「……は?」 目暮「高木は腹減りすぎて少しおかしくなってる様子だ。まず、俺と高木に何か食わせてくれ」
‥‥しばらくして、出前のカツ丼が届いた。
「ところで、小山署の署長と面識はあるかい?」目暮はカツ丼を勢いよく口にいれながら、星野警部に尋ねた。高遠の他にも、追うべき山があるのである。 「ああ、同期だよ。今回の脱獄の件は本当に残念だ。彼のためにも、高遠を早いとこ捕まえなくちゃな。といっても、しばらく署長が務まるかどうかわからんが…。この前の小山署の陰惨な事件は知ってるだろう? あれも堪えただろうに、さらにその後、警視庁からお偉いさんが説教をしに頻繁に来たらしい。おかげで精神病んじゃったようで、しばらく休職するとか聞いたよ。まあ今回の過失もそれが原因かもな。」星野警部の言葉にギクリとした目暮は、米粒が気管に入りむせた。
高木刑事「まぁ‥、高遠はお金を持って無いだろうしケータイの類もたぶん持って無い。」 星野警部「まだ近くに居ますよ‥絶対に。」
場面が変わって暗い部屋 「おはよう諸君私はジグソウ」
一方、その頃。トリック博士邸で、トリック博士と船越英一郎と倉阪鬼一郎が語らっていた。 「何か無理矢理に話を進めようとしている者がいますかね……もう少し考えを纏めてから書いた方がいい」小説家倉阪鬼一郎は何に対してのコメントか解らないようなひとりごとを呟いた。 「明日の土曜ワイド劇場は俺が主演だ。是非、観て欲しい!」船越も、ひとりごとを呟いた。これは宣伝のようである。
「そんな忠告するくらいなら、私が大活躍する様を劇的に書いてくれよ。そもそも、一人で話を纏めた所で期待通りの展開になるとは限らないし、それを楽しむのがリレー小説の醍醐味だろ。」 「あと、破綻した状況を正攻法で纏めるのはかなり難しいですね。ん?目暮警部、これは何の話ですか?」 「ああ、何でもないよ。独り言さ。とりあえず土曜ワイド劇場を見られるよう、さっさと高遠を捕まえよう。」三人は栃木県警をでて、担当捜査区域に向かった。
598 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/20(土) 07:44:57 発信元:202.229.176.153
コロンボ「どうやら
>>597 氏の言う通りですなあ。」
風使い・陣に吹っ飛ばされたコロンボ警部が何故栃木県警に来たのか?
高遠遙一と琵琶丸を尾行する風使い・陣‥。 陣「どこへ行く気なんだ‥?」
高遠遙一と琵琶丸は、とある建物に入った。 陣「‥。」 足利市立美術館であった。
602 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/20(土) 10:53:37 発信元:210.153.84.41
コロンボ「あ〜申し遅れました。わたしゃロス市警殺人課のコロンボと言います。あの時ゃ参りました〜。なんせ気が付いたらカンザスのど真ん中でしてね。え〜。」 「もう途方に暮れてカミさんに電話入れたら『オズの魔法使いか!』ってね、スーパーボウルのチケットが台無しなもんですからそりゃもう、えらい剣幕でしてね。」 「ところで、灰皿はありませんかな…あ、ありがとう。どうやらウチのヤマを踏んだ犯人がここにいるらしいんだ…写真写真と…この男なんですがね。」
仕方なく対応する警察官。 警察官「で‥、その写真とやらはどうした?」
写真の人物は高遠であった。「数年前のロス市警の獄中でM元社長が自殺した事件に、この男が関与していることが明らかになったのですよ。こちらで逮捕されたと情報が入りまして…。面会できませんか?」(この小説はフィクションです。)コロンボは流暢な日本語で語る。 対応した警察官は困惑した。高遠の脱獄を話して良いものか…。良いわけない。しかし、面会をさせないという言い訳もない。そういう時は上司に報連相が日本人の基本スタイルである。コロンボを待たせ、大豪院本部長のもとへ急いだ。 「まずいな。脱獄されたなど話しては、日本の警察はザルだと笑われてしまう…。どうすれば…。しかしなぜこうも、具合の悪いことが重なるのか…。とにかくなんとかしなくては。」大豪院は脳みそをフル回転させ、答えを探した。
大豪院「実は高遠遙一は、とある理由で現在泳がせているんですよ。」 コロンボ「ほぅ‥‥それはなぜですかな?」 大豪院「それはお答え出来ません。」
「とにかく今はお引き取り願いたい。こちらの作戦が終わり次第連絡を差し上げましょう。」そう言って、コロンボを追い払おうとした時だった。先程の警官が慌てて駆けてきた。捜査に大きな動きがあったのだろうか。 大豪院は、コロンボにしばらく待たせてしまう非礼を詫び、警官の方へ向かった。 「何があった、言ってみろ。」
607 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/21(日) 11:56:06 発信元:124.214.254.138
警官「高遠遙一がヘンな老人と一緒に足利市立美術館に居るというタレコミが入りました!」
大豪院「目暮警部、星野警部、高木刑事、聞こえるか? 高遠遙一が足利市立美術館に居るという通報が入った。 急行してくれ!」
「こちら目暮。了解した。星野警部、足利市立美術館だ、急ごう。」星野はサイレンを鳴らし、パトカーの速度を上げた。 「それにしても、足利市立美術館で何が…。」 高木の言葉に星野が応じる。「美術館ではいま、相田みつを展示会が行われてる。それと関係があるかもしれない。」
目暮「てか、相田みつをって誰よ?」 星野「足利市出身の文豪です。 何年か前に木梨憲武主演でTVドラマ化されました。」 目暮「‥へぇ。」 目暮にはどうでもいい情報だったようだ。
足利市立美術館は集合住宅と併設している全国でも珍しい美術館である。(wikipediaより) 目暮たちのパトカーが足利市立美術館についた。すぐに館内に駆け込む三人。 「この男を見なかったか?」星野警部は、高遠の写真を取り出し、受け付けの女性に見せた。
「申し訳ありません。来場者ひとりひとりのお顔までは把握していませんので…」受付女性は、すまなそうに言う。 「では、丸坊主頭の奇怪な老人と一緒に若い男が来ませんでしたか?」星野は聞き方を変えて質問した。 「あ、その方でしたら……」受付嬢は何かに思い当たった様子だ。
「そのような特徴の方は、相田みつを展覧会にいらっしゃいました。まだ会場から出てはいません。」 「ありがとう。我々が許可するまで中に人をいれないようお願いします。目暮警部、急ぎましょう。」 展覧会会場に入った三人。高木は会場の警備員と共に、来場客の誘導・避難にあたり、目暮と星野が高遠を探す。すぐに彼らは奇怪な老人と共に展示品を観賞する男を見つけた。用心して近づき確認すると、果して男は高遠であった。何と彼の頬に大粒の涙が流れているではないか。
614 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/23(火) 21:23:27 発信元:124.214.254.138
星野警部「高遠遙一・・だな?」
「ええ、私は高遠遙一です。警察の方ですね、待っていましたよ。」高遠は、警官に囲まれ観念したという様子では無かった。彼は何か悟ったように落ち着いていた。 「高遠、一体どういうつもりだ?何を企んでいる?」目暮が高遠に問う。 「何も。まあいいじゃないですか。今私はとてもいい気分なのです。さあ行きましょう。」高遠はそう目暮達に言い、続いて琵琶丸に言った。「悪いところを何でも治すという噂は本当のようですね。今回の賭けはあなたの勝ちです。約束通りおとなしく捕まるとしましょう。」
風使い・陣「(俺の情報もちょっとは役に立っただろ‥)」
高遠はその言葉通り、おとなしく連行された。星野は琵琶丸に、調書作成のため署まで同行を願い出ると、彼はそれを承諾した。 栃木県警では、目暮と高木が高遠の聴取にあたり、星野が琵琶丸に話を伺うこととなった。「賭けとは?」目暮、星野ともに聴取相手にこの問いを発したが、琵琶丸の答えはおよそ次の通りである。 「奴の病める処を治せれば、奴がワシの言うことを聞く、できなければその逆、そんな賭けじゃ。奴は体は何ともないが、心が病んでいた。まあ、みつをの作品を見ただけで改心したとは思えんが、何か共感するところがあったのかも知れんのぉ。」
殺したって いいじゃない 殺人鬼だもの すねを
「書道?芸術ねえ・・・IQ低い子供の落書きにしか見えんが・・・」目暮には、みつをの作品を理解する感性が無かった。 「みつをさんの残した作品が悪辣な高遠の心を改心させた。深いですねえ、芸術は」と、語る高木であったが、高木の感性も目暮と大差なかった。 何はともあれ栃木県警にも『警視庁に目暮あり』をアピールできて鼻高々な目暮であった。
〜第13章〜 来たのは誰だ!?
暑い暑いと人々がぼやいていた猛暑が終わったと思ったら、秋を楽しむ間も無く、寒い冬が到来しようとしていた。 埼玉県川里町。吸収合併で現在は埼玉県鴻巣市になった郊外の町に、忙しく動く、影がひとつ… 「ハァ、ハァ、ハァ」寒空の下、忙しく動く影は大粒の汗をながしていた。
「俺じゃない!俺はやっていない!」 男はさらに走る。混乱を来した彼の耳には、パトカーのサイレンが雷のように響き、彼の心を不安と絶望が締め付けた。 一体彼の身に何があったのか。少し時間を巻き戻すとしよう。
-とある居酒屋にて- 船越英一郎「高遠遙一が捕まりましたか‥。 味平が立ち直るきっかけになればいいんですがね‥。」 目暮「塩見本人次第だな。 まぁ、時間ってヤツが解決してくれるさ。」
「ところで僕が主演した土曜ワイド劇場、観てもらえました?」船越は目暮に聞いた。役者として視聴者の意見が気になる所なのだろう。 「一応、観たけど、つまんなかったね。犯人も意外性無いし、火災捜査官が事件関係者集めて推理ショーやるのも如何かな?金田一じゃあるまいし……」目暮は正直な感想を述べた。 「そ、そうですか、つまんなかったっスか……」少し落ち込んだ素振りを見せる船越英一郎であったが、実は本人もこのような感想を言われるのは想定内であったのだ。
船越「まぁ、僕が監督をやった訳でも、脚本書いた訳でもないんでね。」
「話は変わりますけど、なんか騒がしい店ですね、ここ」 「海老なんとかとかいう歌舞伎役者が取り巻き連れて来てるみたいだね。酒のマナーの悪い野郎だね。あんなに大騒ぎしたら他の客に迷惑だ…」 「芸能人が、みんな、ああだとは思わないでくださいね…」
その直後、酒場は騒然とした雰囲気に包まれた。イキがった歌舞伎役者とハメを外し過ぎてる歌舞伎役者を注意した小柄な男性が喧嘩を始めたのだ。 「止めなくて良いんですか?目暮さん」「非番だし、出しゃばらんでおくよ。あの若僧役者、イケ好かんしな」 ケンカは体格の大きい歌舞伎役者が有利とみんなが思っていたが、実際は小柄な男性の方が一方的に歌舞伎役者をタコ殴りにしていた。小柄な男性はボクシングの心得があったようだ。
「も、もう、許してくださいよォ」調子こいてイキがってた歌舞伎役者だったが、勝ち目が無い事を痛感したのか情けない声で詫びを入れた。しかし男性のパンチは尚も続いた。 「目暮さん、それにしても、海老なんとかのツレは誰も止めに入りませんね」「あの役者、人望も人徳も無いんだろ。むしろ、いい気味だとか思ってるんじゃないか?」 店側が110番したようだ。歌舞伎役者は取り巻きを引き連れ、逃げるように退散していった。歌舞伎役者を殴った小柄な男性も立ち去って行ったが、その時、他の客達から「よくやった!」と歓声があがった。
目暮「ツマらんもの見て酔いが冷めたわ‥。 帰りますかな。」 船越「‥ですね。」
すると、刑事と警察官が到着がした。 増田刑事「事件現場はココですか?」 目暮「‥あれま。」
増田「警部、早い到着で‥あれ、船越サンも?」 目暮「オレ、今日非番。 んでもって船越サンと飲んでいただけだよ。」
増田「じゃ、事件の一部始終は?」 目暮「酔っ払ってて覚えてねーや、悪いな。」 船越「‥‥。」
増田刑事「船越サンも覚えてらっしゃらないと‥?」 船越「え?‥まぁ‥あんまり‥。」
「増田、捜査一課のおまえが何故こんなケンカ騒ぎに出向いて来たのだ?」目暮は部下の増田に八つ当たり気味に聞いた。 「なんでもケンカしてるのが人間国宝級の役者だという事でしたので……」と、増田は説明したが、来た理由としては支離滅裂だ。 「あんな下品な歌舞伎ヤローが人間国宝?ハン、くだらんな」酒の邪魔をされ腹を立ててる目暮は増田の話の矛盾に全く気づいていなかった。
636 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/28(日) 21:24:24 発信元:124.214.254.138
増田は通報で現場に来たんだろ!
増田「まぁ、お店になんだかの被害が無ければこの事件は終わりにしたいんですが‥。」
増田(あるいは増田のフリをしている何者か)は、そう言って目暮に一礼して目暮と船越から離れて行った。 「我々も帰りますか。何かシラケちゃったな」 目暮と船越は店を出て帰路につく事にした。
翌日、有名歌舞伎役者が被害届を提出したことにより、障害事件に発展した。
障害 × 傷害 〇 に訂正。
641 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/11/29(月) 23:37:36 発信元:124.214.254.138
・・そして翌日。 増田刑事「警部、有名歌舞伎役者を殴った犯人は色黒の男、もしくはハーフとのことです。」 目暮警部「・・ごくろう。」
増田「え‥?」 目暮「済まんな、もう身元も割れてるし逮捕状も取ってある。 後は部下に任そう。」
高木「実はそのハーフ男なんですが‥、」 目暮「どうした?」 高木「逃亡したと思われます。」
目暮「そんなこったろうと思ってちゃんと手は打ってあるさ。」 高木「えぇ?!」
「俺じゃない…俺は、やっていない…」 男は、そう独り言を呟き、川里町を彷徨い歩いていた。 「いたぞ!あそこだ!」少し離れた所で叫び声が聞こえた。走って近づいてくる足音も聞こえる。男は我に返る。――自分は追われてる立場なのだ。
その男とは‥、先日起きた有名歌舞伎役者暴行事件の犯人として全国に指名手配されているハーフの男であった。
「とりあえず実際の事件と関連付けて、話の種にしようと思ったのだが…。想像以上に事件の進展がないし、関連付けが過ぎてフィクションに持っていきづらいな。」 「目暮警部、そういうメタ発言はちょっと…。」 「気にするなよ、高木君。こんなに過疎なんだ。とりあえず、一旦この話は〆としよう。事件に進展があれば、増田君あたりが教えてくれるだろう。」
「ハァハァ…」川里町を彷徨う男は自分が追われてる身である事は思いだしたのだが、 「ハァハァ…お、俺は、誰だ?」男は記憶喪失なのであった。 「ハァハァ…お、俺は、やってない」男はかなりショックを受ける出来事に遭遇し、記憶を失ったようなのだ。
649 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/04(土) 21:27:40 発信元:124.214.254.138
有名歌舞伎役者「さっさと、あのクソハーフ野郎を逮捕して下さい!」 取調べ担当警察官「全力を尽くしています、しばしのご辛抱を。」 有名歌舞伎役者「指名手配されてから何日経ってると思ってるんだ? お前等バカの集団か?」
「いたぞ!捕まえろ」 さまよい歩く男を突然、大勢の人間が取り囲み、取り押さえた。 「捜しましたよ」白衣を着た人物が男に優しく語りかけた。
「お、俺は何もやってない…」男は大声を出して抵抗する。 「そうです。そうです。あなたは何も悪くないんです。さあ、病院に戻りましょう。おじいさん」白衣の男は医者であった。アルツハイマーで歩き這い回り、病院を抜け出した年老いた男を探していたのだ。 「俺は、何もやってない……」アルツハイマーの症状が出てから、それが男の口癖となっていたのだ。
有名歌舞伎役者「顔面がまだ痛ぇんだよ! 俺はお前らにいくら税金を払ったと思ってんだ!」 警官「‥‥(コイツ、何とかしてくれ)。」
海老なんとかとかいう歌舞伎役者の怒声やアルツハイマー老人の戯言が響き渡る病院の前をエスパー伊東は煩そうな顔で通り過ぎた。 エスパー伊東は新たな芸を稽古するため修行をしていた。病院の脇を抜け、エスパー伊東は仮設の稽古場に着く。 稽古場の前には2人の男が立っていた。
立っていたのは、お洒落殺人鬼スネ夫と来生たかおであった。 エスパー伊東「ん?何か用ですか?」 スネ夫「おまえがエスパーとか言って調子こいてる野郎だな。待っていたぜ!クククク……」
656 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/05(日) 09:51:52 発信元:124.214.254.138
エスパー伊東「ムチャやがな。」
スネ夫「じゃあ、これの中に入ってみせな」 スネ夫は布製の旅行カバンをエスパー伊東の前に投げた。 エスパー伊東「それなら、お安い御用だ」エスパー伊東はカバンの中に体を入れてみせた。
スネ夫「クククク……」 スネ夫はエスパー伊東が入ったカバンのチャックを閉めると、拳銃を取り出し、カバンに向け発砲した。ダーン!ダーン!ダーン! カバンから一瞬「ぐっ」と声があがったが、あとは血が吹き出すだけで声はあがる事は無かった。
来生たかお「今日は速攻っスね、スネ夫ちゃんw」
射殺死体の入った旅行バッグが埼玉県北部の牛舎の糞溜から発見されたのは次の日の事であった。 殺されたのはタレントのエスパー伊東。昨日、稽古に出かけてから、足取りが分からなくなっていた。 現状から判断した結果、別の場所で射殺された後、この牛舎に運ばれてきた公算が高いと推理された。
鴻巣署・田原刑事「妙だな、バッグに入った後に拳銃で撃たれたのか‥。」 同・近藤刑事「そうとしか‥。」 田原「どうやってバッグに入れられたんだろう‥。」
タレント エスパー伊東氏の稽古場の前から血痕が発見された。 エスパー伊東氏の行方が分からなくなったのが、この稽古場だと思われる。エスパー伊東氏のDNA鑑定の結果次第で殺害現場は、ここであると特定される事になるだろう。 目暮警部は閃き呟いた。「隣の病院に目撃者は、いないだろうか……?」
高木刑事「この、病院…」 目暮警部「そうだ。あの、歌舞伎役者が入院している病院だ」 増田刑事「歌舞伎役者、何か見てたりして」
捜査中の目暮、高木、増田の前を1人の女が横切った。全身黒装束の女……3人の刑事は見覚えのある女の登場に戸惑ったが、とりあえず様子をみる事にした。 「…あなたの…あなたの…声をきかせて…エスパー伊東さん……」黒装束の女は死んだエスパー伊東の霊と交信を始めた。目暮警部たちは物陰から黒魔術の様子をうかがった。 「…あなたを…あなたを殺したのは…誰?」
高木「何ヤってんでスかね、あの薄気味悪い女‥。」 目暮「アテにはしてないが聴いてみるか‥。」
黒装束の女「殺したのは‥松本零‥、」 高木刑事「なんだ、またかよ‥。」 目暮警部「!」
黒魔術の女の話は面白くなりそうも無さそうなので諦めて目暮は捜査本部に戻る事にした。高木、増田は引き続き周辺の聞き込みを継続する事となった。 捜査本部に戻った目暮に埼玉県警鴻巣署の『野村』と名乗る刑事が面会に来た。 「はじめまして、鴻巣署の野村です。目暮警部の噂は、茫々で聞いております。お会いできて光栄です」野村は目暮に自己紹介した。しかし、鴻巣署の人間が何の用だろう?目暮の頭に疑問が過ぎった。
目暮に面会者がもう1人来た。「よお、目暮さん。近くまで来たから寄ってやったぜ」タクシードライバーの夜明であった。夜明は元刑事だ。 「おお、久しぶりだな、夜明さんよ。何か用があるんだろ?」目暮と夜明はとある事件でコンビを組んで以来、親交があった。 「旨い もつ煮込みの店を見つけたんで一緒に行こうと思ってね。へへ」子供のような笑顔を見せながら夜明は言った。
目暮「その店はどこにあるんだい?」 夜明「埼玉県の小川町さ」 野村「県北なら自分、詳しいっスよ」
目暮「よし、3人で行こう。野村さん、車で来たんだろ、野村さんの車で行こう」 夜明「えー、俺のタクシーで行きましょうよ。料金警察持ちで、さ」 目暮「そうはいかん。夜明さんのタクシーは、ここに停めておいていいから」
目暮、夜明、野村は小川町に向かった。254号を走る車の中、話題は もつ料理の話になる。 「もつは酒のつまみって考える輩も多いが、もつはやっぱりご飯のおかずだよな」と目暮 「それじゃ、今から行く店はピッタリの店だよ。もつ定食のライス大盛りがオススメだね。最後はもつ煮の汁を大盛りライスにブッかけて、もつ丼にするのも良いね」夜明の説明に目暮の期待値はMAXになった。
高木刑事「結局、何しに行ったんだ‥あの3人。」 増田刑事「もつ煮と事件が何か関係があるんじゃ‥。」
野村刑事の運転する覆面パトカー(パトカーと言っても赤色灯を付けなければ一般乗用車と変わらない)は、小川町のS浦食堂の広い駐車場に到着した。 S浦食堂は店は小さくて狭いが駐車場はかなり広い。大型トラックが何台も停められそうな広さだ。駐車場はガランとしていた。 「夜の部は6時からなんスよ、しばらく待ちましょう」「…ここで…待つの?」
薄暗くなった寒空の下、3人は車の中でエンジンを切らず暖をとり待機していた。ただっ広い駐車場に停まっている車は他に無い。 「実はここ、もつ煮専門店じゃないんです。カツ定食からラーメンまで一応あるんだけどね。客の9割がもつ煮をオーダーするんですよ。いっそ、もつ専門店にすれば良いのになァ」夜明が呟く。 「ああ、楽しみだ早く食いたい」3人共、張り込みには慣れてる身であった。長時間の待機となったが、さほど苦でも無さそうな様子だ。
「そういえば次の土曜ワイド劇場は『タクシードライバーの推理日誌』だな」目暮が突然、思いだしたように呟いた。 「船越さんのヤツは超つまんなかったから、タクシードライバーの方は面白いといいけどなぁ」さらに一人言のように呟く目暮であったが、夜明は何のコメントもせず、軽い笑顔で流した。 店の明かりが灯り『営業中』の掲示板が点いた。「行くぞ!」3人の男は車を降り、寒さに震えながら駐車場から店舗へ向かった。
676 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/09(木) 04:38:14 発信元:210.153.84.206
通りすがりのペニス一郎 「一行からの差し入れ!ホイッ」 それは紛れもなく人間国宝になりたいとせつに願うAV蔵だった…
長時間車を停車させる必要があった為、店舗側から一番離れた方に車を停めた3人は、広い駐車場の砂利道を寒さに耐えながら、ようやくS浦食堂に辿り着く。 無口な爺と無愛想な婆の2人で営んでる店であったが味は確かだ。3人とも『もつ定 ライス大』をオーダーした。 店内のテレビは名探偵コナンを映していた。「ん?コナンって今、土曜日にやってんの」
目暮警部「コナン‥か、ああいう警察を小馬鹿にした番組は大嫌いなんだが。」
「プッ」と吹き出す夜明 「何だ?」と目暮 「いや、別に…」と夜明
目暮「だいたいコナンの推理はメチャクチャだよ、へ理屈に無理難題を掛け合わせた推理がまかり通るなんて、某火災検視官のドラマと同レベルたよ!」
「コナンくんが勝手に頭の中で『そうか!』とか言って走り出して『やっぱり。思った通りだ』とか言って証拠品見つけて、視聴者置いてきぼり、と言うか、視聴者は推理不可能でしょ?あれじゃ…」夜明も同意する。 「もつ定食 ごはん大盛3つ、お待たせ」無口な店主が運んで来た。 「うひょ!旨そうーっ!」目の前に並べられたもつ煮の前に、コナンの話などどうでもよくなる一同。
682 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/09(木) 22:38:12 発信元:124.214.254.138
目暮「うん、確かに・・美味い!」 夜明「でしょう。」 野村「地元だが、ここは知らなかったよ、美味いね。」 みんな満足そうだ。
もつを堪能し、署に戻った目暮たち。 「タクシー料金も稼ぐ予定だったが、まあ、いいか」夜明は自分のタクシーに乗りかえ、仕事に戻って行った。野村も帰って行った。 「さて…」目暮は高木と増田からエスパー伊東事件の目撃情報を聞く事にした。
増田刑事「事件前日の近所のコンビニの防犯カメラに‥、」 目暮警部「カメラに?」 増田「スネ夫が写っていました!」 目暮「ぬわにぃ!」
などというやりとりの前に目暮は高木の聞き込み情報を聞いていた。「エスパー伊東氏の稽古場の脇にある病院の看護士の話なんですが、どうも見るからに怪しい2人組が、稽古場の前に長いこと立っていたようです」 「怪しい2人組?その2人の特徴は掴めているのか?」目暮は『2人組』と聞いた時点で何となくある人物が浮かんでいたが念のため聞いた。 「2人組の片方の男はノコギリみたいな髪型で、この寒空の下、半ズボンをはいていたようです」高木も怪しい2人組の正体に薄々気付きつつも、取りあえず現時点で把握してる事柄だけ告げた。
そして防犯カメラの件を聞いた目暮は、この事件の犯人が『宿敵』だと確信した。 「ヤツめ、最近静かだと思ったが、また血に飢えてきやがったか…」目暮は今度こそ『宿敵』と決着をつけなければならないと心に誓う。 「ところで警部、夜明さんは、さっき何の用だったんですか?」高木が目暮に問う。
目暮「今夜の土曜ワイド劇場『タクシードライバーの推理日誌』の宣伝に来たんじゃないの?」 高木「今夜は通常より30分遅れで始まるみたいですね」 目暮「高木!おまえが宣伝してどうする!」 ♪ポンワコンゴ ポンワコンゴ ズコビョッピョー
目暮「スネ夫達が犯人なんだろうが‥、証拠が無い。」 増田「あのぅ警部‥」 目暮「ん?」 増田「野村っていう鴻巣署の人は結局何しに来たんでしょうか?」
目暮「死体遺棄の方法がスネ夫の手口に似ているので、俺に意見を訊いてきた。」 増田「『牛舎の糞溜から発見』って部分ですよね、で警部は何て答えたんですか?」
「なんてな。ホントは何も聞かれてない。死体発見現場が埼玉県県北だから殺害現場のあるこっちが気になっただけだろ?もつ煮食いに行くのに運転してもらって助かったよ」目暮は少し面倒くさそうに言う。 「はぁ、しかし…」 「増田!おまえ何年、オレの部下やってんだ。そこはスルーするとこだ。掘り返すな。本筋を読め!流れをみろ!」目暮はイラついたように吐き捨てた。
増田「まだ3年も経ってねーよ!」 増田は蚊の鳴くような声で言い返した。
増田「我が上司とはいえ無能にもほどがあるな…」
「まぁまぁ、」少しイラついてる様子の増田を高木が宥めた。 「警部の言う事にいちいち一喜一憂してたらもたないぜ。たいして考えて喋ってないんだから」 「…そうですね。食欲と思いつきだけの人ですからね…」増田は納得し、笑顔を作った。
〜第14章〜 午前3時の殺人リクエスト
目暮警部「しかし、ここまで情報が無いとは‥。」 スネ夫が犯人であることはほぼ100%確定だろう‥、しかし証拠が出ない。 目暮「八方塞がりだな‥。」
696 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/11(土) 23:28:30 発信元:124.214.254.138
高木刑事「有名歌舞伎役者殴打犯を逮捕しました。」 目暮警部「そうか、よくやった!」
697 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/12(日) 13:05:38 発信元:124.214.254.138
高木「犯人は伊藤リオン(26)、住所職業共に不明です。」 目暮「ロクな奴じゃねえな、こんなクズ野郎が日本を駄目にする!」
後日、埼玉県警の要請により、目暮警部は鴻巣署を訪れた。死体が遺棄された埼玉県県北の警察とエスパー伊東射殺事件の意見交換が主目的だ。 「事件を担当してます田原です」田原と名乗る刑事が目暮に挨拶した。 県北死体遺棄事件は田原、野村、近藤、という3人の刑事が担当していて、田原が班長であるそうだ。
田原「私と野村、近藤で鴻巣署の『たのきんトリオ』と呼ばれてましてね」 目暮「たまきんトリオ?」 田原「誰が たまきんじゃい!!」
700 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/12(日) 21:04:23 発信元:124.214.254.138
田原「え〜まず、エスパー伊藤が殺された動機と言うか理由についてですが・・」 目暮「理由? そんなもんねえよ。」 近藤「え?」
701 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/12(日) 21:06:18 発信元:124.214.254.138
目暮「あったとしてもくだらねぇ理由だ、そんなのはもうどうでもいい。」
目暮は、また横柄で乱暴な喋り方をしてしまった事を後悔した。恩師トリック博士にも度々改めるように注意されてる事柄だ。 実際、目暮が今まで必要以上に敵を作ってきた要因もそれだ。どこかの歌舞伎俳優みたいに周りを敵だらけにするのも得策じゃない。 「初対面同然の諸君に、いきなり横柄な口をきいてすまなかった。謝る」目暮は頭をさげた。
野村刑事「理由は無い‥とおっしゃいましたが‥。」 目暮「〇〇が調子こいてるからって理由だけで人を殺すヤツなんだ、実際。」
近藤刑事「‥てコトはですよ、調子こいてる芸能人をマークすればスネ夫を現行犯で逮捕できるってコトですよね?」
野村刑事「さすがマッチ、冴えてるじゃん。」 ちなみにマッチとは近藤刑事のニックネームである。
目暮警部「つい最近まで一番調子こいてた芸能人といえば例の歌舞伎役者だが…」
707 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/13(月) 23:56:09 発信元:124.214.254.138
近藤刑事「島田紳助もなかなか調子こいてますよ。」
田原刑事「それを言ったら松本人志も入れねばなるまい。」
「調子こいた芸能人の話をしに来たんじゃない!脱線しすぎだ!田舎警察野郎!何がたのきんトリオだ!たわけ」目暮は突然怒り出した。 「目暮警部どの。腹がすいてるのではありませんかな?」田原は目暮のイライラの意味を推理し、ぶつけてみた。図星であったようだ。目暮は無言で頷いた。 「北本に美味いラーメン屋があります。ご案内しますよ」田原は目暮とラーメン屋に向かった。
増田「本当に食欲か性欲しかないなあの無能は…」
高木刑事「‥‥、でもたまにホームランをかっ飛ばすんだよな、あの人。」
増田「でもこのシリーズでは空振り三振ばっかですよ黒魔術とかに振り回されるし」
高木刑事「‥スランプなんだろ、で無きゃもう限界なのか‥。」
田原刑事と目暮警部がラーメン屋に着いた。 目暮「大勝軒か‥。」
田原刑事「ここはご存知で?」 目暮警部「ここは初めてだが‥、チェーンなんだろ?」
「大勝軒とか冗談だろ?」目暮は当然の言葉を口にした。『美味い店がある』と、わざわざ大勝軒に連れてくるとか全く笑えない冗談である。 「さすが目暮警部。噂どおりの洞察力だ」田原刑事は目暮に見抜かれた、つまらない冗談を恥じた。 「ホントはここです」田原は車を旧中山道を走らせ『ドン・キ○モト』という店の駐車場に車を入れた。「ここですよ。フフフ……」
店に入るなり田原は「ラーメン大、肉ダブルマシ、ヤサイ少なめ、ニンニク、カラメマシで」と常連づらをして店用語多用で注文をしたが 「まず、食券をお願いします」と店員に言われてしまった。 「ハッハッハッハ」「トーシロが!」店内の客から失笑と罵声が飛んだ。一緒にいた目暮まで恥をかいた。
目暮「ヲイヲイヲイヲイ、勘弁してくれよ、トシちゃんヨォ!」 田原「……スンマセン」 目暮と田原は冷ややかな視線を浴びつつ、食券を購入した。
「旨い!」「旨いっスね!」ニンニクをたんまり入れたラーメンをラーメンを喰らう目暮と田原であった。 「ところで、目暮警部…」ラーメン屋の熱気で汗だくの顔で田原が急に神妙な口調で言った。 「栃木県警からの情報なんですが、目暮警部が何度か逮捕している地獄の傀儡師こと高遠遙一が、また脱獄したようなんです……」
目暮警部「もう知らんわ、栃木なんて‥。」 田原刑事「警察の恥‥ですよね。」
「その件が、今回のエスパー伊東射殺死体遺棄事件と何か関係あるのかね?」目暮は少し面倒な口調で田原に尋ねた。 「いえ、今回の件とは全く無関係と思われますが、一応目暮警部の耳に入れておきたいと思いまして…」と田原。鴻巣署も関連付けて考えてはいない様子だ。 「高遠なんか放っておけ。スネ夫に比べたらヤツなんて雑魚もいいとこだ」目暮はラーメンの汁を一滴も残さず飲み干しながら吐き捨てるように呟いた。まず今回の犯人はスネ夫に間違いない。
722 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/18(土) 22:38:39 発信元:124.214.254.138
目暮「栃木め・・、俺の手柄をことごとくぶち壊しやがって・・」 田原「・・。」
などと、ちょっと前の目暮なら言っている所だが、今の目暮は人格破綻していた頃の目暮ではない。 「今件は要注意犯罪者『お洒落殺人鬼スネ夫』こと骨川スネ夫の犯行と見られる。慎重かつ迅速な対応を所轄の方でもお願いする」 目暮は急に鋭い顔つきになり田原に言った。そうだ、のんびりラーメン食ってる局面ではないのだ。
田原刑事「(お腹が満たされると180゚性格が変わるオッサンなんだなぁ‥。)」
深夜3時。お洒落殺人鬼スネ夫こと、骨川スネ夫は自宅で、くつろいでいた。そこにメールが届いた。 「ん?」こんな時刻にメールが来るのは珍しい。スネ夫は到着したメールを開いてみた。 「クククククク……」メールを読んだスネ夫は笑い声をあげた。お洒落殺人鬼の高笑いは深夜の闇に轟いた。
次の日の夕方5時、俳優の神田正輝は車を走らせていた。前々から狙っていた若手グラビア女優から誘いのメールがあったのだ。 神田正輝といえば、最近も歳の離れた女優と噂が上がったばかりの女好きで調子こいた男である。 20年以上前の話になるが、当時の妻の松田聖子を慕っていた岡田有希子というアイドルに手を出し、妊娠させ、自殺に追いこみ、彼女の遺書の『Mさん』を峰岸徹のせいにしたサイテーなポコチン野郎である。
仕事あけで疲れていた神田正輝であったが、これから若い女と逢うという歓びで、体は軽かった。 アクセルを踏む足にも力が入る。鼻歌も出る。 待ち合わせの場所が埼玉県小川町の山奥なのが少し変だと思っていた正輝であったが、そんな些細な事はどうでもよく思えるほど、脳を性欲が支配していたのだ。
728 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/19(日) 19:11:43 発信元:124.214.254.138
>>726 その話本当か? 今すぐソース出せ!
マジなら2ch総力を挙げて全力で叩き潰すが。
729 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/19(日) 19:19:36 発信元:202.229.177.136
お洒落殺人鬼とかいらないからw
目暮警部「なんか言ったか?」 野村刑事「いえ、何も。」
神田正輝の車は小川町の市街地を抜け、山道に入った。泥や砂利を跳ね上げながら車は山中を走る。 「なんだって、こんな所に呼び出すんだか…」少しだけボヤく正輝であったが、車は山の中に建つ仮設の小屋に着く。逢い引きの約束の場所だ。 車を降りて小屋の扉を開く神田正輝は、そこで予想もしてない人物に会う事となった。
「何だ!お前らは?!」女と逢うつもりで来た神田正輝は不愉快そうに吠えた。そこにいたのは、お洒落殺人鬼スネ夫と来生たかおだったのだ! 「クククククク……こんな山奥まで御苦労様。」お洒落殺人鬼スネ夫は落胆してる神田正輝を愉快そうに笑い、正輝の目の前に巨大な旅行バッグを投げた。ドサッ! 「さあ、このバッグの中に入りな!ククク…」
神田正輝「そんな芸、俺できないし…だいたい何で俺が?」 スネ夫「このバッグはMizuno特注(本当はワークマン)の巨大なバッグだから大丈夫。誰でも体曲げれば中に入れる。このバッグに入ったら女に逢わす」 神田正輝「それなら…」旅行バッグの中に入る神田正輝。
スネ夫「クククク……」 スネ夫は神田正輝が入ったカバンのチャックを閉めると、拳銃を取り出し、カバンに向け発砲した。ダーン!ダーン!ダーン! カバンから一瞬「ぐっ」と声があがったが、あとは血が吹き出すだけで声はあがる事は無かった。
来生たかお「スネ夫ちゃん、今回もソッコーだねw」
神田正樹「ふぅ、鞄の中は暑いねw興行庭向いてないわ〜」 その頃目暮警部と野村刑事がいる焼肉店に船越英一郎が合流
バッグに入った神田正輝の射殺死体が発見されたのは埼玉県北部の牛舎の糞溜であった。 手口から、エスパー伊東射殺事件と同一犯と判断され、お洒落殺人鬼スネ夫に対するエキスパート、目暮警部に事件の指揮を任せられる事となった。 「スネ夫め!そろそろ本気で潰してくれるわ!」いつになく熱意を見せる目暮であった。
今回の神田正輝の殺戮は、ある人物からの殺人リクエストをスネ夫が遂行したものだ。 スネ夫にとって殺す相手など誰でもよいのだ。 カバンに入れさせて射殺する手口が、今オキニの、お洒落殺人鬼であった。
〜第15章〜 ちょっと探偵してみませんか
田原刑事「しかしガイシャ(被害者)はなぜ自分からバッグに入ったんだろうか‥。」 近藤刑事「‥‥。」
『地球SOSそれいけコロリン』の主人公の江古ろじ太(えころじた)の同級生の汚死魔栗男(よごしまくりお)は埼玉県坂戸市を歩いていた。 「しかし、僕って、物凄い名前だな。こんな名前の人間、普通いないよな……」汚死魔栗男は今頃になって自分の名前が変な事を嘆いた。 「久しぶりだな」何者かが汚死魔栗男に後ろから話しかけてきた。
「君は誰だい?」話しかけてきた男に全く見覚えの無い栗男は不思議そうに言った。 「なんだ、忘れちゃったのかい?高遠だよ、高遠遙一」――やっぱり高遠と名乗る男に覚えが無い汚死魔栗男 「そう、地獄の傀儡師!高遠遙一だ。栗男よ、私の計画に力を貸せ!」現れた男は地獄の傀儡師であった。
汚死魔「お前何命令してんの、バカなの?」
「口のきき方に気をつけろ!」ドカッ!ガスッ! 高遠は汚死魔栗男の顔面と鳩尾(みぞおち)にパンチを叩き込み、地面に倒れた汚死魔の頭を踏みつけた。グガッ! 「…す、すいません、許してください……で、力を貸せと言いますが…私は何をすれば……」「素直でよろしい。クククククク…そういう態度なら暴力を使ったりしない。オレは紳士だからな」こうして地獄の傀儡師の恐怖のショーの幕が開こうとしていた。
汚死魔栗男「高遠?傀儡師?やっぱり知り合いにそんな人いないけど…ホントは初対面なんじゃないですか?」 地獄の傀儡師「細かい事は気にするな。これからスケールのデカい事をやるのだからな。フフフ…」
一方、その頃、トリック博士は作家 倉阪鬼一郎の運転する車で茨城県の石下町(現・常総市)に向かっていた。トリック博士が急に若鶏の丸焼きが食いたくなったのだ。倉阪は運転役だ。 「トホホ、どうして僕が運転手やらなくちゃいけないんですか、博士。まあ若鶏の丸焼きは僕も食べたいっスけど…」 「まあ、まあ、今回、倉阪さんは、夜明さんや高遠遙一の活躍のせいで出番が少ないでしょ?だから出番を作ってあげたんじゃよ。フォッフォッフォ」そう言うトリック博士も久々の出番であった。
文句を言いつつ、倉阪鬼一郎は満更でも無かった。何か小説のネタになるような事でもあれば御の字だ。それに… ―――トリック博士と同行していれば、何か事件に遭遇するかも知れない。 そして世界の殺人トリックの権威、トリック博士も解けないような謎を自分が解いたとしたら……
倉阪鬼一郎「ところで博士、神田正輝が殺されたらしいっスね。」 トリック博士「エスパーなんとかと同じ手口のようじゃのぅ。」
その『鞄詰め殺人事件』の捜査を、その頃目暮警部は行っていた。鴻巣署の近藤刑事と組んで目暮警部の的確な捜査は続く。 「近藤!これに入ってみろ」目暮警部は近藤刑事の前に、神田正輝事件に使用された物とほぼ同じ大きさの旅行鞄を置いた。 「これなら、わけなく入れそうです」近藤は体を軽く曲げるだけで中に入る事ができた。
近藤が入った鞄のチャックを閉め、鞄に力強く蹴りを入れる目暮。ドガッ! 「ぐぅっ!」鞄の中から近藤の悲鳴に近い声があがったが、目暮は更に鞄に連発ヤクザキックを入れる。ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ! 「鞄の耐久性を見る実験だ!我慢してくれ」汗だくになりながら目暮は言った。
「おい、バカな真似はよせ。耐久性を調べるなら中に人を必要はないだろ。」と、近くにいた田原刑事が目暮を制した。全くその通りである。 田原が鞄のチャックをあけると、中から怒り狂った近藤が勢い良く飛び出し、目暮に殴りかかった。
ガッ! 何者かが近藤の目暮えの攻撃を防いだ 目暮警部「お、おまза обьявлением2」 スネオ「これで貸し借り無しですねフォフォフォw」
いきなりの近藤の攻撃に目暮は動揺し、スネ夫の幻影を見たようだ。 「ハハハ、まぁ、そんな怒るな。鞄の中から受ける衝撃もどの位のものか知りたかったもんだから。ハハハ、確かにやり方に少し問題があった。謝る」目暮は近藤に頭を下げた。 「…かんべんしてくださいよ、モォ」近藤はうんざり顔で目暮を睨んだ。
人が入れるほどの鞄であるため、入手ルートは少ない。田原と野村は、スネ夫がどのようにしてこの鞄入手したか突き止めた。しかし支払いは現金一括払いで、宅配便による輸送サービスなども使わなかったため、潜伏先を探ることができる情報は得られ無かった。 一方目暮は近藤と共に、神田正輝の死体が遺棄された現場に仕掛けておいた監視カメラの映像を調べた。エスパー伊東の事件後、数台設置しておいたのである。 カメラはスネ夫達が移動に用いた車のナンバープレートをとらえていた。調べた結果盗難車であり、栃木県足利市の路上に乗り捨てられていることが確認された。
死体が遺棄されていた牛舎を調べる目暮と近藤。 「よし、近藤!死体入りの鞄が置いてあった糞溜のニオイがどの位のものか調べるぞ。糞溜のニオイを嗅げ!」 目暮は手際よく近藤に指示を出すと、現場の捜査を始めた。
目暮警部「なぜ‥スネ夫は死体遺棄にこの場所を選んだんだろう‥。」
「ま、スネ夫とかいうキチ○イなりの美学とかいうヤツじゃないんすかぁ?」近藤刑事が横から口を挟んだ。 「近藤!いいから貴様は糞溜のニオイを嗅いでろ!」神聖な死体遺棄現場で軽口をたたいた近藤を目暮は一喝した。 『…どこか、…どこかに見落としは無いか?どこかに盲点がある筈だ…』目暮の推理の着地点は何処になるのか?
近藤「警部、糞溜の匂いを嗅がせる意味は何ですか?」 目暮「犯人(ホシ)も、この匂いを嗅いだんだ。犯人(ホシ)の気持ちも分かるだろ。捜査が行き詰まったら現場を調べるんだ『現場百回』基本中の基本だ。もっと鼻を近づけて、しっかり嗅がんかい!」 どんな些細な物証でもいい。必ず見つけ出してやるという意気込みを目暮は見せたのだ。
「刑事としての経験がまだ浅い自分では難しいことです。ここは是非目暮警部が手本を見せてください。」近藤も口が減らない。
760 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/25(土) 01:10:31 発信元:219.125.148.96
目暮警部「なぁ近藤、お前なら何らかの出来事で殺してしまった人間をここまで持って来るか?」 近藤刑事「さすがにこんな牛小屋には‥。」
近藤刑事「目暮警部ってひょっとして無能ですか?」
「近藤!貴様はノーガキばかりだな。しっかりやらんかい!」ドガッ!目暮は近藤のケツを蹴っ飛ばす。 「うわっ!」糞溜に鼻を近づけてニオイを嗅いでいた近藤は糞溜に顔面を落としてしまった!バシャーッ! 近藤の顔は牛の糞尿にまみれた。「………」
目暮警部「近藤、いい顔になったなw」
近藤刑事「コロス・・」 目暮警部「あ? 何か言ったか?」
目暮警部と近藤刑事が、醜い争いを繰り広げている頃、田原刑事と野村刑事は神田正輝が殺害されたと思われる現場を訪れていた。それは、若手モデルから密会の場所として指定された場所であった。 神田は相当不用心だったようで、彼の自宅のパソコンにはパスワードの設定がなかった。そのため田原刑事たちは、神田を誘い出したメールを容易に確認することができた。神田は携帯に来たお気に入りメールを、わざわざパソコンに転送し残していたようだ。 現場には、神田のものと思われる大量の血(それはすでに凝固していた)が広がっていた。そしてその付近には、神田の車が放置されていた。
野村刑事「ここで殺されたと見て間違いなさそうですね。」 田原刑事「だな。」
767 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/26(日) 13:15:48 発信元:124.214.254.138
近藤刑事「ぶっ殺すって言ってんだよ!」 近藤は目暮に糞尿を投げつけた。
目暮と近藤のやりとりは品が無さ過ぎで物語の次元が下がるので場面を射殺現場の田原刑事達の方へ戻す。⇔ 「しかし、神田正輝は何故こんな所にノコノコ来たんだろうか?」野村刑事は首を捻る。 「無警戒過ぎるな、確かに……」田原刑事も首を捻る。事件解決の鍵を握るのは、殺害現場である此処だろうと田原は確信していた。遺棄現場の糞溜を調べてる奴は御苦労なこった。と、田原は煙草に火を点け、思考を整理した。
田原刑事「よし、一度署に戻ろう、何か新しい情報が入っているかも知れん。」
そして場面は牛舎の目暮と近藤に戻る。⇔ 「ま、まぁ落ち着け、確かに糞溜のニオイから犯人を追い詰める手法は分かり難いし、まわりくど過ぎるな。ヨゴレ仕事させてすまなかった。謝る」 目暮は捜査方法に問題があった事を認め、近藤に頭を下げた。
そして、目暮警部は自ら男性器を勃起させ見せ付けた。
などという事をする趣味は目暮には無かった。目暮はそこまで愚人でも無い。 「よし、一度署に戻って練り直しだ」 目暮と近藤も署に戻る事にした。近藤は牛の糞尿まみれで悪臭をはなっていた。
近藤刑事「なんで田原や野村はラーメンやモツ煮を食べれて、オレだけこんな役なんだよ!」 目暮警部「昔からマッチとかって調子こいてて嫌いなんだよ!中森明菜自殺未遂させたし……中森明菜ってイイ体してんだよな。あの体、調子こいて抱いたんだよな、ムカつく」 近藤刑事「……それがオレと何の関係があるんだよ!」
などという会話しながら目暮と近藤も署に戻った。車が牛の糞尿のニオイで凄い事になっていたのでファブリーズを撒いたのは言うまでもないだろう。 射殺現場を調べていた田原刑事達と合流し、意見交換をした目暮だったが、解決の糸口は見つからなかった。 その頃、茨城県に鶏の丸焼きを買いに行っていたトリック博士と倉阪鬼一郎は奇妙な出来事に遭遇していた。そちらに場面を切り替えてみよう。⇔
倉阪「クリスマスが過ぎたら普通は鶏の丸焼きなんて食べませんよねぇ。」
トリック博士「付いて行きたくないなら、ちゃんと言ったらどうかね?」
船越英一郎「皆で食べる為に購入しに行くんじゃ無い、購入する家庭に意義があるんだよ」 トリック博士「フォフォフォ」 倉阪鬼一郎「???」
倉阪「船越さん、酔っ払ってるでしょう?」
「あれ?なんで船越さんの声が聞こえたのかな?一緒に来ていないのに」倉阪鬼一郎は不思議がった。 「これじゃよ、フォッフォッホ」トリック博士はテープレコーダーを倉阪に見せた。船越の声の正体はトリック博士がテープを再生した音だったのだ。 「さすが、トリック博士。脱帽です」「フォッフォッフォ…」
倉阪鬼一郎「博士、茨城まで来たホントの理由、鶏肉を買いにきた訳じゃ無いんでしょう?」 トリック博士「天才ミステリー作家だけあって流石な洞察力じゃな。フォッフォッフォ」 倉阪鬼一郎「あっ、博士!あそこに――」
トリック博士「?」
倉阪鬼一郎「あ、ラーメン屋だ!もつ煮もありそうですね」 トリック博士「フォッフォッフォッ」 船越英一郎「寄ってく?」
倉阪「あ‥、今度は本物‥。」 船越英一郎「当たり前だ! ってか、ニセモノでも居たのかよ?」
「あれ、博士…。今の船越さんの声もやっぱりテープですか…。」 「フォッフォッフォ。そうじゃ。昔ジャンプで連載していた COOL とか言う漫画の真似じゃよ。」 「…ははは…」倉阪は力なく笑った。
785 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2010/12/31(金) 14:08:11 発信元:124.214.254.138
話進ませろ! トリックと倉阪のカラミはツマんねーから止めろよ。
「なるほど、確かにしばらくグダグダ進行が続いているが、伏線回収し隊としては、僕らが何故茨城県常総市に来たのか、奇妙な出来事とは何なのか、といった無茶振りの回収策を構想中なんだ。もうしばらく待ってほしい」と倉阪。 「フォッフォッフォ、しかし倉阪君。リレーじゃから、文句ではなく話の続きを書き込んでほしいものじゃな。まあこちらはしばらく動きがなさそうじゃ。神田正輝殺害事件の捜査に場面を戻してもよいじゃろう。」とトリック博士。 田原刑事と野村刑事は、神田正輝を殺害現場に招いたメールの送信主である若手モデルに目をつけた。メールの送信元は、確かに彼女の携帯電話であったのだ。二人は、彼女の所属事務所を訪ねた。
麻木「はい〜どなたぁ?」
田原刑事「鴻巣署の田原と申します。 ちょっとお時間よろしいでしょうか?」
「警察の方が、どのような御用でしょうか?」麻木という事務所広報担当者は突然の刑事の来訪に戸惑いを見せた。 「ある事件の捜査で伺いました。人が亡くなってる事件です。ご協力願えませんか?」田原は頭を下げた。 「……はぁ、協力は惜しみませんが、こちらにどのような……」広報担当の麻木は表情から警戒を消さず、刑事の質問に構えた。
田原刑事「まずは、この人はご存知‥ですね!」 田原は神田正輝の写真を見せた。 麻木「その事件のことですか‥。」 ある程度察してはいたようだ。
「いかにもアッパラパーそうな簡単にヤレそうな女ですね」田原は正直な感想を述べた。 「そうなんです。だから神田正輝みたいな性欲の塊みたいな色情男に目をつけられたのでしょう」所属タレントに全く愛着が無いような答弁を広報担当者はした。 「お洒落殺人鬼スネ夫は彼女の名を語り、神田正輝をおびき寄せたようなのです」田原は断定口調で言い切った。
「田原刑事、果たしてそうでしょうか?」と口を挟むのは、同行している野村刑事である。彼は続ける。 「スネ夫は、脅迫か金を渡したかはわかりませんが、何らかの手段で彼女に神田正輝を誘うメールを送らせたのではないでしょうか?麻木さん、彼女のここ数日のスケジュールはわかりますか?」 麻木は素早くいとうあこのマネージャーに電話をかけた。
794 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/02(日) 12:17:20 発信元:124.214.254.138
いとうあこのジャーマネ「あこちゃんのスケジュール? ほとんどパチンコ屋の営業だよ。」
野村刑事「売れないタレントの生き残り術ってヤツなんでスかねぇ、パチ屋の営業ってやつは。」 田原刑事「俺の近所のパチ屋には加藤茶やアントニオ猪木が来てたがなあ。」
麻木「あ‥あのぅ。」 田原刑事「おっと失礼、そんな話では無かったですな。」 野村刑事「スネ夫といとうあこはパチ屋で接触した可能性が高いですね!」
「いえ、申しあげにくいんですが……」麻木は刑事達に遠慮がちな口調で言った。 「あこも、あこのマネージャーもスネ夫?殺人鬼?ハァ?という反応でした。どう考えても当方は無関係だと思われますが…」 「私どもも、実は最初から、そう思ってましたがね。ハハハ、ま、関係ありそうなとこは片っ端から調べるのが刑事の仕事でしてね。あ、これは証拠品として一応預かります。」田原はいとうあこのDVDを証拠品として懐に仕舞う。
野村刑事「ちょっと待って下さい。 いとうあこのケータイから例のメールが発信されてるんです、無関係な訳は‥!」 田原刑事「お前は黙ってろ!」 と一喝したあと、 「じゃ、我々はひとまずこれにて。」 と言って田原と野村は退席した。
一方その頃、地獄の傀儡師高遠遙一と汚死魔栗男は杉並区のボロアパートの前に来ていた。ボロアパートの部屋のドアには『虻 能丸』と書かれた紙が貼ってあった。 『虻 能丸(あぶ のうまる)』とは、この部屋の主の名前であった。高遠遙一は、この虻という人物に用があったのだが、留守のようであった。 「帰って来るまで、ここで待つさ、ククク」高遠と汚死魔は部屋の前で待つ事にした。今度の計画に虻 能丸は不可欠な人物なのであった。
そして年は明け、今日は1月2日。 目暮警部は自宅でのんびりと過ごしていた。 目暮「去年は散々だった‥、今年はいいことありますように。」 ちなみにおみくじは「大吉」、8年ぶりとのことだ。
帰宅してきた虻能丸の前に立ちはだかる高遠と汚死魔 「な、なんですか?あなた達は?」虻は不審者でも見るような目で高遠たちを見たが、虻能丸の方が見た目は完全に不審者であった。 「虻能丸だな!我々の計画に力を貸せ!おまえにとっても良い話の筈だ。ククク…」地獄の傀儡師・高遠遙一は虻能丸に計画の概要を聞かせた。すると虻も喜んで参加させていただきたい。と握手した。恐怖の作戦は着々と進んでいるようだ。
一方、芸能プロダクションから出てきた田原刑事と野村刑事。 「とりあえず、スネ夫がどうやって他人の携帯からメールを送付できたのか、そのトリックの解明が必要ですね」野村刑事はメールの件の不可解さに頭をひねる。 「よし、野村は一度、署に戻って、今件の司令塔である目暮警部に報告してくれ。俺は1度、自宅に帰って証拠品を鑑賞…じゃなかった、分析してから署に戻る」田原と野村は、ここで別行動となった。
野村刑事「え‥、目暮警部が正月休みって‥やる気あんのかよ!」 年末年始フル勤務の野村がブチ切れた。
「休んでる訳無いだろ!」後ろから来た目暮の声に、野村は吃驚して飛び上がった。「ひゃ!」 「あ、目暮警部、いらしたんですか…」「当たり前だ!聞き込みの結果を報告して貰おうか」 野村は芸能プロダクションでの聞き込み内容を目暮に聞かせたが、目暮は「フン、そんなのはスネ夫級の犯罪者なら訳の無い小手先のトリックだな」と簡単に吐き捨てた。論点はそんな所じゃない。
目暮警部「なぁ野村、いとうアホとかと言うケータイ‥一台しか無いのか?」 野村刑事「普通は一人一台でしょ。」 目暮「芸能人たるものは用途やカモフラージュも考えて複数台所有しているもんだ。」
806 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/04(火) 00:01:33 発信元:124.214.254.138
野村「一台だろうが二台だろうが関係無いでしょ。」
「そんな事より、ageないでくれよ」目暮はストーリーに関係無い、一人ごとを言った。 「携帯のトリックはスネ夫級の犯罪者なら訳無い事なんだ。もう、この件の話は終わりだ。これ以上、こねくり回しても面白くならん」とサラリと目暮は言ったが、実はとんでもない事を言ってたりする。 ここで場面は茨城のトリック博士と倉阪鬼一郎に切り替わる。⇔
倉阪「しかし今どきテープレコーダーなんて‥、博士はいつもそんなモン持ち歩いてんスか?」 トリック博士「‥。」 倉阪「博士‥気分でも悪いんですか?」
「ぐ〜ぐ〜」 トリック博士は寝ていた。 倉阪はなんだかどうでもよくなってきた。
「15章に入ってからの場面転換の頻発さは異常じゃな。これでは少し緩むの無理は無い。ダレダレじゃよ。ふぁぁ」トリック博士は眠そうに言う。 「これは推理小説ではよくある手法です。別々に進行している話も、実は、どこかで繋がっていくのです。高遠遙一の企てる計画の話と目暮警部が追ってる鞄詰め死体の話と茨城にいる我々の話は同じ着地点に向かっている筈です」何故か盛りあげようと必死な倉阪鬼一郎 「フォッフォッフォッ、所謂ザッピングというヤツじゃな。すると我々の今の茨城での場面は実は重要なとこなのかもしれんのぅ」
倉阪「意味深なコト言いますねぇ、博士。」 トリック博士「ホッホッホッホッホ。」
「ちくわ大明神」
倉阪「え? 何か言いましたか?」
「どうも前スレに比べ、展開にスピーディーさが無いんじゃな。描写を諄くしてるのは小説の精度的には良いんじゃろうが、しかし…」トリック博士は嘆く。 「前スレはもっと短絡的でしたかね。結局すべての事件の犯人はスネ夫グループでしたし…」倉阪鬼一郎も同意するが 「でも、そんな楽屋裏の話をしている場合ではありません。ここで驚愕な展開が起こる筈です。あ、あれは何だ!?ワーッ!!」倉阪は何かに気づき奇声をあげた。
奇声の対象は、彼らが車を走らせる国道 294 号線沿いのパチンコ店であった。その駐車場にたくさんの人が集まっているのが見える。 二台のパトカーも駐車していることから、事件の野次馬に集まったのだと思われたが、車内からはその概要はとらえられそうにない。 倉阪が興味を覚えたそのとき、後方から救急車のサイレンが聞こえた。倉阪は車を歩道側に一時停止させた。
倉阪「どうも‥、ただゴトでは無いようですね。」 トリック博士「ワシらには関係無い!」 倉阪「でも気になりませんか?」
トリック博士「行きたきゃ一人で行ってくれ‥、ワシは眠いんで遠慮する!」
「……もちろん冗談じゃよ、ホッホッホ」 トリック博士と倉阪鬼一郎は人混みを掻き分け、そして衝撃の現場を目撃した。 「ワーッ!なんだこれはーっ!」
819 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/07(金) 19:26:16 発信元:222.5.62.188
「誰かと思えばトリック博士と倉坂さん」 トリック博士「そういう君は船越くん。相変わらず神出鬼没だね」 船越「いやあ照れますねえ」 倉坂「誉めてねえし。それよりこれはどういうことなんだね?」
船越「ドラマの撮影です。」 倉阪「パトカーがたくさん居ましたよ。」 船越「刑事ドラマですから‥。」
倉阪「ドラマも大変ですねたくさんのパトカーに見守られて撮影してるのですから」 船越「お前誰?」 松居「英一郎さんそれは今聞かなければならないの?」
822 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/07(金) 23:09:05 発信元:124.214.254.138
船越英一郎「あれ、トリック博士!」 トリック「どんなストーリーなのかね? ホッホッホ。」
船越「それはトップシークレットなので、観てのお楽しみ‥てコトで。」 トリック博士「堅いのぅ‥ホッホッホ。」 船越「あ‥、せっかくだから共演者を紹介します。 あこチャン、ちょっと‥。」
倉阪「船越さんすいませんが先を急ぐのでこの変で失礼させて貰います」 トリック博士「急ぐ用など会ったかね」 倉阪「こんな所で油を売ってる場合じゃないから車に乗ってくれませんか」
トリック博士「あこ・・どっかで聞いた名前じゃが・・。」 倉阪「どこにでも居る名前でしょ、いいからさっさと車に乗って下さい!」
トリック博士「ワシはココにもう少し残るから倉阪君は先に行きなさい」 倉阪「何か分かったら連絡して下さいね」 倉阪は鳥の原因を探る為に車を発進させた
船越「いったい何しに来たんでしょうかね、倉阪クンは‥。」 トリック博士「ワシにもよく解らんと思う時があるんだが‥‥。」
船越英一郎が今、撮影しているドラマには、女性お笑い芸人の友近も出演するのだが、今、船越が撮っているシーンには出番が無いので友近は茨城には来ていない。 その友近だが、周囲から「綺麗になった」などと御世辞を言われ、女優気取りで調子こいていた。 付き合っていた芸人の『ややこしや〜』とかやってる変な男をフッたのも綺麗な女優の自分には、あんな男は相応しくないと思ったからであった。
近所のコンビニに向かう途中、友近は不意に声をかけられた。細身で紳士的な男である。友近は一瞬にして、たった今声をかけてきた男に好意を持った。 「運命の出逢い。信じますか?」「ええ、あなたと出逢った瞬間、ビビッときました。私達の出逢いは運命でしょう」単純な女であった。 この男こそ、地獄の傀儡師・高遠遙一であった。2人は高遠の部屋で酒を飲む事になった。
グラスに氷を入れ、ウイスキーを注ぐ高遠。友近の方のグラスに入れた氷は虻能丸の小便を製氷皿に入れて凍らせた物だ。 「運命の出逢いに乾杯。」「乾杯」 虻能丸の小便氷入りの酒を友近に飲ます高遠。「美味しい。さすが高遠さんが選んだお酒…」虻能丸の小便氷酒を飲みながら「少し酔っちゃったみたい…」とアホ女(友近)
「これは愛を高めるアロマです……」 そう言って高遠遙一が友近に嗅がせたのはクロロホルムであった。友近は意識を失った。 「クククク……」高遠が指をパチリと鳴らす。潜んでいた汚死魔栗男と虻能丸が現れた。恐怖の地獄作戦の幕は開いた。
茨城県常総市(旧水海道市)にある空き倉庫で友近は目覚めた。 「……ここは?」自分に何が起きたのか把握できない友近。自分が全裸にされている事に気づき警戒心を強めた。体が自由に動かない。どうやら痺れ薬を注射されたようだ。 「お目覚めかな?一流女優さんよ。クククク…」地獄の傀儡師・高遠遙一は汚死魔栗男と虻能丸と共に友近の前に現れた。
-ひとまず撮影現場- トリック博士「あなたが、いとうあこチャンか‥面こいのぅ、ホッホッホ。」 船越「自分(刑事役)のパートナー役です。」 いとうあこ「初めまして。」 トリック博士「ホッホッホ‥。」
船越「あと‥今日は来ませんが、友近さんも犯人役‥おっと、今のは聞かなかったことに‥。」 トリック博士「ホッホッホ。」
船越英一郎「友近さんも、今や大女優さんですからね。」 いとうあこ「きゃはははは。」 船越英一郎「あこ、ここは笑うところじゃないぞw」
そしてその頃、渦中の友近に捨てられた芸人なだぎ武は稽古場に向かって歩いていた「ん?」稽古場の入口前に2人の男が立っているのが見えた。お洒落殺人鬼スネ夫と来生たかおである。 「な、なんですか?あなた達は」なだぎ武は不審に思い尋ねた。 「ククク…おまえが友近にボロきれのように捨てられた『ややこしや〜』とか糞くだらない芸やってる しょうもない野郎だな」ノコギリのような髪型の初対面の男にいきなり罵られ、なだぎ武は不快な顔になった。
なだぎ武「いきなり失礼だな!なんなんだよアンタらは?」 スネ夫「我々はオマエの新しい芸のコーチだよ。クククク……」―――ドサッ スネ夫は巨大な旅行カバンをなだぎ武の前に投げた。新しい芸の道具のようだ。
なだぎ武「で‥これをどうしろと?」
スネ夫「友近を全裸にしてその鞄に入れてこい」
「…と言うのは冗談だ。この鞄に体を入れて脱出する芸を教えてやろうと言うのだ。まず、鞄に入ってみろ」スネ夫は有無を言わさない口調で、なだぎ武に命じた。 「ですが、あまり自分、体が柔らかい方じゃ無いですし……」なだぎ武は自信なさげというか乗り気じゃない様子だ。 「ククク…心配するな。この鞄はNIKE特注(本当はワークマン)の特殊な鞄だ。誰でも体を曲げれば入れるさ」スネ夫が用意した鞄は、いつものアレと同じだった。
なだぎ武「そんなの引田天功みたいな芸を覚えたって‥、意味無いじゃん!」
なだぎ武「てかさぁ、お前ら何命令してんだよ! バカなの?」
「テンポ狂うから逆らうなよ面倒くせえ。さっさと入れカス」スネ夫は殴ったり脅したりする描写で1レス使うのも懈いという口調で、なだぎ武に言った。 「……はいはい、わかりましたよォ……入ります入ります」なだぎ武も逆らうのが面倒になり鞄に入った。 予定通りになった訳だが、スネ夫は射殺するのも面倒になった。リズムが狂った軋轢である。
スネ夫「このまま友近んトコに持って行くのも面白いかなw」
スネ夫は死よりも辛い制裁を実行しようとした
場面は地獄の傀儡師と友近の常総市に切り替わった⇔ 「た、高遠さん……これは、どういうこと……」友近は、ほんの少し前に愛を語り合った高遠が、自分を陥れた首謀者だという事実を認められずにいた。「嘘。…嘘だと言って、高遠さん…嫌…」 痺れ薬で体の自由が利かない友近は高遠に縋るように手を伸ばしたが、高遠はその手を払いのけた。――――ピシッ!
高遠「気安く触るな!醜い豚め!」 ピシン!ピシン!ピシン!ピシン! 思いあがったメス豚に連発往復ビンタを食らわす地獄の傀儡師!
友近「死んでもイヤ! こんなオカマ歌手の曲なんか‥。」
虻能丸「オカマだってよww」 汚死魔「物事はっきり言う女だな・・、高遠チャンどうする?」
851 :
小林泰三 「家に棲むもの」から… :2011/01/10(月) 11:41:02 発信元:118.159.131.20
「裸だったんだよ」 「誰が?」 「婆さんだよ」
気丈に振る舞う友近であったが、痺れ薬で体の自由が利かない。汚死魔と虻に強引に四つんばいにさせられた。友近は屈辱の涙を流した。 「立場、分からせてやるぜ」地獄の傀儡師・高遠遙一は指をパチリと鳴らす。汚死魔栗男はカチカチに勃起したベニスを露わにした。 「汚死魔!バックからブチ込んでやりな。クククク…」高遠は高笑いをした。これは歌を拒否した事への制裁である。
バックからブチ込む汚死魔栗男は快楽の声をあげ、汚死魔みたいなチャラいメガネ出っ歯チビにヤラれる友近は屈辱の悲鳴をあげた。 「ハァハァハァ…イク…イク…」「いやぁぁぁぁ〜やめて!嫌ッ」 虻能丸は泣き叫ぶ友近をVTRに撮影した。虻能丸にとって、性行為より、その映像をコレクションする事こそが愉悦なのであった。
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「おいメスブタ芸人!この日のためにDHCでキレイになった(つもり)んだろ?よかったな。クククク……」高遠遙一は心底楽しそうに笑う。 「……うっ」汚死魔栗男は友近に中出しした。 屈辱の涙でグチャグチャな友近の顔をアップで撮影する虻能丸。
汚死魔「で、このアマ、どうするんです?やっぱり殺るんスか?高遠のアニキ」 高遠「ヲイヲイwオレをお洒落殺人鬼なんちゃらとかいう奴と一緒にするなよ。オレの犯罪は芸術(アート)なんだ」 虻「で、どうするつもりなんだべ?」
高遠「そうだなぁ、この写真を元カレのなぎら健壱んトコにでも送りつけてやろうw」 汚死魔「なぎら‥?」
「クククク、そんな事の前に、地獄のショーのフィナーレを飾るイリュージョンだ!クククク…」高遠は友近の肛門に爆竹を差し込んだ。 「いまから導火線に火をつける。爆竹が破裂した時、声を出さなかったら解放してやらなくもない。クククク…」高遠は懐からライターを取り出した。 地獄の傀儡師の趣向が、お洒落殺人鬼に似ている部分があるのは偶然であろう……
爆竹が破裂した時の友近の悲痛な表情を撮影しようと、虻能丸は一眼レフカメラをセットした。 「…ゆ、許して…助けて、お願い…」友近は許しを乞うような目で高遠を見たが、愛を語り合った高遠遙一は、そこにはいない。いるのは地獄の傀儡師と呼ばれる鬼のような男、高遠遙一である。 「情けねえアマだな!プライド無えのか豚が!―――ペッ」汚死魔栗男は這いつくばって命乞いする友近のケツに淡を吐き捨てた。
そこにお洒落殺人鬼スネ夫が鞄を携え現れた
「ん?なんだ人がいっぱいいる。……他の場所にするか…」鞄を抱えたスネ夫は帰ろうとしたが 「助けて!お願い!助けてーっ!」誰かが廃倉庫に入ってきた気配を感じた友近は大声を出した。 声に振り返ったスネ夫が倉庫内をよく見ると、男3人と四つんばいの女1人が目に映った。「???」
なだぎ武「その声は友近か? どうしたんだ!」 鞄の中から声がした。
高遠「なんか言ったか? そこのヘンな髪型のヤツ。」 来生たかお「あ? 誰が誰にクチ訊いてんだ!」 高遠「お前じゃねぇ! そこのノコギリ頭に言ってんだ。」
その頃、目暮警部にタレコミ屋のサブから携帯に連絡が入った。『スネ夫と来生が大きな旅行カバンを持って常総に向かった』と 目暮は鴻巣署のたのきんトリオと共にパトカーの非常灯を回しながら常総市に向かった。 「スネ夫め!ここで決着をつけてやる!今スレで貴様に血洗島の出番は無い!」目暮は、やや意味不明な台詞を吐いて息巻いていた。
田原「しかし急に出てきたタレコミ屋サブって何なんだ?」 野村「都合のいい使い捨ての新キャラでしょ。」 目暮「ゴチャゴチャうるさい」
近藤「しかも常総って茨城じゃん、管轄違うし…」 目暮「正義に管轄など無いんだ!愚か者」 車は16号をそれて目吹橋に向かう。橋を越えれば茨城県だ。
しかし、茨城県に入った辺りで茨城県警に捕まった。 刑事A「ここはウチの管轄だ!」 目暮警部「緊急だ、通せ!」
刑事A「緊急って言えば何でもまかり通るとでも思ってんのか!」 刑事B「帰れよ、ここは熊谷ナンバーのパトカーの来るところじゃねぇんだから!」
「ここは足止めさせる局面じゃないだろ。貴方もこのスレ長いんだから分かるでしょ。流れ止める場面じゃないってさ。頼むぜauのお方」目暮は、また意味不明な台詞を吐いた。 「こっちで何か起きているなら我々に任せてもらおう」名無し刑事ABは譲歩しようとしない。 ―――その時、目暮たちのパトカーの後ろから、1台の車が近づいて来た。
870 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/12(水) 19:18:46 発信元:222.5.62.185
目暮たちを追い越してゆく車には、見覚えのある二人の男が乗っていた。 ゴルゴ13ことデューク東郷、そしてシミケンこと清水健太郎である。 忘れもしない、レストラン“ボルドー”でのあの血の惨劇が目暮の記憶にハッキリと蘇った。
目暮は運転手の近藤に車を追うよう合図した。彼らの乗る車は名無しの警察官らの制止を無視し、ゴルゴらを追いかける。 「何ならあとで始末書書いてやるよ。」と目暮警部。彼はさらに続けて、 「近藤刑事、うまく尾行してくれよ。やつらは俺たちをスネ夫の所へ連れていってくれるはずだ。」
着いた先はauショップだったw
近藤「警部‥、どうします?」 目暮「近藤、シミケンのセカンドバッグをひったくって来い!」 近藤「え゛?」 目暮「二度言わせんな、さっさと行け!」
渋々auショップに入店した近藤。 近藤「(これで何も無かったら‥目暮の野郎、本気でぶっ殺すからな!)」 覚悟を決めて清水健太郎のセカンドバッグをひったくり、逃走!
875 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/13(木) 03:10:03 発信元:111.86.142.206
逃走した近藤を追い掛ける清水とゴルゴ‥。 しかし、近藤は目暮らによって取り押さえられた。 清水「このドロボー野郎、覚悟しやがれ!」 目暮「このセカンドバッグはあなたのモノですか?」 清水「当たり前だ、返せ!」 目暮「確認の為、中を調べさせて貰います!」
清水「おい‥よせよ!」 当然のごとく無視の目暮‥、バッグの中から覚せい剤と注射器を発見! 目暮「清水健太郎、覚せい剤所持の現行犯で逮捕‥と言いたいところだが、我々にはそんなヒマは無い! 取引しようか?」 清水「取引‥だと?」 目暮「スネ夫の現在の居所を教えて貰えれば、この件は見なかったコトにしてやる。」
清水「勘弁してくれよ‥、知らん。」 目暮「近藤、逮捕しろ!」 清水「ちょ‥ちょっと待ってくれ、話せば解る。」 目暮「言ったろ、こっちはヒマじゃねぇんだ。」 さり気なくその場を離れようとするゴルゴ‥。 目暮「おい、そこの目が細いヤツ、お前にも用がある!」
ゴルゴ「俺は関係ない!」 目暮「田原・野村両刑事、ヤツの車を調べてくれ!」 田原「車のキーが閉まってます。」 目暮「車のキーよこせ!」 ゴルゴ「‥断る!」
――という筋書きでスネ夫を追い詰めようと考えた目暮であったが、シミケンはともかくゴルゴ13デューク東郷がそんな間抜けな策略に嵌る筈がなかった。 auショップでUターンしたゴルゴ達の車は16号方面に戻っていった。警察関係者らしい複数の人間が口論してる姿を見て、用心深いデューク東郷は帰る事にしたのだ。 ちなみに今回の清水と東郷は若鶏の丸焼きを買いに来ただけで、スネ夫とは無関係であった。彼らの車を追跡していたとしても無駄足であっただろう。
場面は2時間ドラマ『ちょっと探偵してみませんか』を撮影中の船越英一郎らの元に訪れているトリック博士と船越英一郎に戻る。⇔ 「カ――――ット!お疲れ様でーす」監督の掛け声と共に午前の撮影が終了した。撮影は一時休憩に入る。 「お待たせしました博士に倉阪さん。一緒に昼飯行きませんか?」船越英一郎はトリック博士と倉阪鬼一郎を誘い、昼飯に出る事にした。
「このあたりは、あまり食べる所が少なくてね、でも同じ常総でも水海道の方に行けば食い物屋もあるでしょう」船越英一郎は車を水海道方面に走らせる。 「15章は僕の名推理活劇にするつもりだったのに……『ちょっと探偵してみませんか』もドラマのタイトルって事にされてるし……」倉阪鬼一郎は意味不明なボヤキを入れた。 「ホッホッホ、これがリレー小説の醍醐味じゃよ。だが、まだわからんよ倉阪さん。水海道に答は有りそうじゃな」トリック博士達も着地点に向かって動いていた。
トリック博士「‥ところで船越クン、君と共演していた、いとうあこチャンって何者だか解るかな?」 船越英一郎「先日殺された神田(正揮)さんの愛人関係だったというウワサは聞いたことがあります。」
その頃、茨城県警察の刑事に足止めをくらっていた目暮警部と鴻巣署のたのきんトリオ 茨城県警のA刑事らの車の無線に連絡が入った。『――常総市内の空き倉庫から女性の悲鳴及び、言い争う声が聞こえたの通報アリ。至急、現場に向かって欲しい。場所は常総市水海道……』 目暮や田原らは、この無線の情報を聞き逃さなかった。
目暮「それだ!」 刑事A&B「?」
目暮「我々もその常総市水海道の倉庫に向かわせて貰う!」 刑事A「あ? ふざけんな、お前らには関係ない。」 目暮「警視庁・特別捜査1課の警部長の権限として命令に従って貰う。 文句は言わせない!」
田原刑事「当方の管轄内で起きた凶悪事件の容疑者と見られる人物がこちらに潜伏しているとの情報があった。通していただきたい」 茨城県警A刑事「そういう事ならどうぞ。我々の力が必要な時は、いつでも協力しますよ」 目暮&たのきんは水海道の廃倉庫に向かう。
「最初から、そう言えばよかったじゃないか」目暮は車内で田原の脇を肘で付きながら言った。 「茨城県警の奴らが意固地な態度に出たのは目暮警部の挑戦的な態度が原因だったように思いましたが……まぁ、私的な主観ですが……」田原は目暮に『おまえのせいだ』と遠まわしに伝えた。 熊谷ナンバーのパトカーは倉庫街に入る。なにやら殺気だった邪気が倉庫街全体に漂っていた。
田原刑事「やっぱり無能だな…」
一方、昼飯を食べる店を求め車を走らす船越英一郎。 「工場や倉庫が密集してる方に山田うどんが確か、あったな‥‥」 「山田うどん。ホッホッホ、そこでいいんじゃないですかな‥‥」
目暮「‥何か言ったか?」
田原刑事「いえ‥何も!」 目暮警部「それより‥、腹へらねぇか?」 野村刑事「こんな緊急時によくもまぁ‥。」
などと和気藹々な冗談を言いながら、目暮警部と田原、野村、近藤は茨城県警の無線が述べた住所の空き倉庫の前に着いた。 「相手は、冷血残酷無慈悲な殺人鬼スネ夫だ。気を引き締めていくぞ」目暮は鴻巣署のたのきんトリオに注意を促し、車を降りる。 殺気まじりの空気が倉庫の外にも伝わってくる感じだ。目暮も気を引き締め直した。
目暮「よし、田原、野村、近藤、3人一緒に倉庫に飛び込め!」 田原「で、目暮警部は?」 目暮「オレは主役級のキャラだから命を落とすわけにいかんから待機だ。オマエラは捨て駒だから仮に死んでも大した問題じゃない」
894 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/14(金) 23:15:30 発信元:222.5.62.185
近藤「どきな臆病者ども。まずは俺が入る」 野村「舐めんな。俺が先に入る。」 田原「いや、俺が先に」
倉庫扉の隙間から中の様子を見る目暮警部。 「‥‥中にいるのはスネ夫と来生、高遠遙一と高遠の仲間と見られるキモい奴2人。あとは這い蹲らされてる全裸の女性と、巨大な旅行カバンが1つ‥‥」 ―――お洒落殺人鬼と地獄の傀儡師が一緒に中に?
近藤「ここはオイシイ所なんだ‥、俺が行く!」 田原・野村「どうぞどうぞ。」 近藤「‥‥。」
近藤「‥とは言え、ここはタイミングが大事だ! お前ら‥、押すなよ?」 田原・野村「‥‥。」 近藤「解ってるな、絶対に押すなよっ!」
廃倉庫内で睨み合いが続き緊張高まるスネ夫と高遠だったが、外の騒がしい気配に気づき、小窓から外を眺めた。 熊谷ナンバーのパトカーが1台停まっていて、その脇で刑事らしき連中が4人、倉庫に探りを入れていた。 「チッ、面倒だな……」
また逮捕されて脱獄したりするのも面倒な高遠は汚死魔、虻と共に裏口から逃げて行った。 四つん這いで肛門に爆竹を差し込まれた状態で放置されていた友近は「(助かった……)」と思った。―――しかし 「こんな面白い局面で中途半端に逃げ帰るなんて、つまんない奴らだな。ヒヒヒヒヒヒ……」まだ、この場には、高遠遙一どころではない悪辣な人物が残っている事を友近は思い知ることになるのであった。
一方、山田うどんに入店したトリック博士、船越、倉阪 「ホッホッホ、餅入りかきたま丼セット。暖かい蕎麦でお願いしますぢゃ」「では僕は、みぞれ餅うどんを…」トリック博士と倉阪鬼一郎は新メニューを注文してみたが 「チャーハンと餃子、ポテトサラダにビールだ」船越英一郎のオーダーは相変わらずであった。
901 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/15(土) 17:47:48 発信元:202.229.177.49
田原「オマンコ!」
これが突入の合図だ! 近藤「お前ら、全員逮捕だ!」 続いて田原、野村が中に突入!
最終章 血洗島の惨劇
勝手に最終章にすんじゃねえよ
「ホッホッホ、まだ最終章じゃないんじゃろ?」トリック博士は念のため聞いた。 「最終章に入る前に僕の解説入れますから、それにどう考えても今、話の途中でしょ?」倉阪鬼一郎は論ずるまでもないといった呆れた口調で答える。 「まあ、勇み足っしょ。お、餃子、来た来た」船越英一郎はチャーハンやポテサラから遅れてきた餃子に手を伸ばした。彼の頭は食欲が支配していた。
船越英一郎「山田の餃子、美味いけど、他の料理より1テンポ遅れて出てくるのが難点なんだよな……」 倉阪鬼一郎「それより船越さん、ビール飲んじゃってるけど、帰りの運転どうするの?」 トリック博士「ホッホッホ……」
とりあえず倉庫内のスネ夫に場面を移す⇔ 「なんか面倒くさくなってきた……」刑事らが接近して来る気配は感じていたが、スネ夫はそんな事は全然何とも思っていないのだが…… 「友近とかなだぎ武とかどうでもいいし……」凝った殺し方や残虐な私刑を考えるほど友近とかに興味が無かった。
目暮「アイツ等ちゃんとヤってんのかなぁ‥。」 一応彼らを心配している目暮警部であった。
来生たかお「スネ夫ちゃん、そろそろズラかろう、マジでマズい!」 スネ夫「‥‥。」
田原、野村、近藤、は隙を見て三方から少しずつジリジリと陰からスネ夫と来生に接近していた。 スネ夫に対する恐怖は田原達も痛感している。スネ夫に手を出して命を落とした警察関係者は数え切れない。 慎重に陰から間合いを詰める田原、野村、近藤。緊張感はピークに達していた。
スネ夫「めんどくせ…」 スネ夫は巨大な旅行カバンと四つん這い肛門爆竹女に向けて続けざまに発砲した。ダーン!ダーン!ダーン!ダーン!ダーン!ダーン! カバンからは「ぐっ」と声があがり、四つん這いの女は「あひゃ」と声を発し、血の海に沈んだ。
スネ夫を『追い詰めて』いる『つもり』だった、たのきん刑事はスネ夫の眼中に全く入っていなかった。相手にもされてなかったのだ。 事実、至近距離まで間合いを詰めていたのに恐怖で固まってしまい何もできなかったのだ。スネ夫と来生は何も無かったように倉庫裏口から出て行った。 銃声を聞きつけ、倉庫内に駆け込んできた目暮警部は、血の海に沈む全裸の女性と、血まみれの旅行カバンと、茫然と立ち竦む3人の刑事を見た。「こ、これは……」
「どうやら好き放題されたあげく、逃げられたようだな…」と目暮警部が、まだ呆然と立っている刑事たちに向け、静かに言った。その言葉にハッとしてグッと来た田原刑事が涙ながらに答えた。 「…すいません、目暮警部…、俺たち三人もいたのに、何もできませんでした…。うぅ。」 「お前たちはよくやったよ。仕方ないさ。このスレに書き手は、俺たちの大活躍を書けるほどの能力が無いんだ。こればかりは諦めるしかない。」
銃声と悲鳴で近隣の住人や野次馬が現場付近に集まってきていた。 「目暮さーん」野次馬の中に船越英一郎がいた。目暮に声をかけてきた。船越はトリック博士や倉阪鬼一郎と一緒だ。 「ん、船越さん。倉阪さんや博士まで何故ここに?」目暮は現場保全をしながら茨城県警に応援の要請をしていた。――しかし何故、博士たちが此処に?
「ホッホッホ、何やら穏やかじゃないのぅ。事件ですかな?」恩師トリック博士は目暮に問う 「スネ夫のヤツめ、また派手に暴れてくれました。まぁ、今回は引き分けってとこです……」目暮警部はライバルお洒落殺人鬼スネ夫に対して決して負けを認めない。 包囲網を潜っての見事な殺人劇。稀代な犯罪者、お洒落殺人鬼スネ夫。天晴れであった。
916 :
倉阪鬼一郎 :2011/01/16(日) 00:54:06 発信元:124.146.175.23
『不良マッツァオ!!』『冤罪!冤罪!また冤罪!』『風を忘れる頃』『お洒落殺人鬼 vs 地獄の傀儡師』『奇想天外殺人トリックの館』『タクシードライバーの推理日誌』『地獄の傀儡師・再び』 『にわか雨の殺人』『あなたには言えない』『清算と、報復と、』『あいつが残したものは』『来たのは誰だ!?』『午前3時の殺人リクエスト』『ちょっと探偵してみませんか』 今回もちょっとした仕掛けを施しました。前スレより分かり難いですが。前スレでは誰も指摘してくれず残念でしたよ。では
〜最終章〜 血洗島の惨劇
「増田刑事、なぜここでは最終章はいつもこれなのでしょうね?」 「高木刑事、私が知るわくないだろう。」 「黒いチューリップとか言って、わかる人いるのでしょうかね?」
目暮警部「ただいま戻った。」 増田刑事「お疲れ様です。」 高木刑事「鴻巣の連中がポカやらかしたせいでまたスネ夫に逃げられたそうで‥。」 目暮「‥もう少しだった‥、悔しい!」
その頃トリック博士邸宅、通称トリックの館では、トリック博士と土井塔克樹がチェスをしていた。 「ホッホッホ、今回、影が薄かったのう土井塔くん。アナグラム講座も今回無かったし。」そう言う博士も今回は見せ場は少なかった訳だが…… 「ホッホッホ、もう血洗島の時期じゃよ。当然やるんじゃろアレは」劣勢なチェス盤を眺めながら笑うトリック博士。その時、土井塔の姿は館から既に消えていた。
土井塔「骨川スネ夫‥、なぜこんなヤツが捕まえられんのだ、目暮サンよ!」 別室に置いてある朝刊を見ながら土井塔は呟いた。
館から姿を消してる土井塔が別室で新聞読んでるとか見当はずれなレスは無視して、場面は切り替わる⇔ 目暮警部は高木、増田と共に昼飯を食う店を探していた。rururururu……目暮の携帯が鳴る。 「なんだと!怪盗キッドからの挑戦状が届いただと!」昼飯どころでは無くなった。目暮たちは署に戻る事にした。
なんで、海賊キッドなんだよ・・。 当然無視な。
目暮「高木と増田、任せたぞ。」 空きっ腹の目暮はそんな気分では無かったようだ。
「チッ、またかよ!」増田が吐き捨てるように言った。 高木「いつもの事だ、いちいち気にしてたら髪の毛無くなっちまうぜ。」 増田「しかし怪盗なんとかって‥。」 高木「署に戻ってからのお楽しみだな。」
『―――血洗島の秘宝。いただきに参上します。怪盗キッド』 署に送りつけられたという怪盗キッドの挑戦状を見て、目暮たちは「またか……」とため息を漏らした。 前スレで正体を明かされずウヤムヤになった血洗島の秘宝。ホントに存在するかどうかも分からない謎のお宝。
増田「また、宝の正体は、あやふやにして終わるんでしょうね」 高木「主要キャラを血洗島に集めて反省会とかってパターンかもよ」 目暮「あんま若いうちから醒めてると、ろくな事ないよオマイラ…」
「きっと秘宝は深谷市特産の深谷ネギですよ。それ以外何もないもの、あそこ。」と増田刑事。 「確かに。それに管轄は埼玉県警ですから、私たちが行く必要はないです。かなり遠いし。」と高木刑事。 「我々は悪党に対する事件に対して、ここ数件失敗続きだ。それなのに、国民の支持を受けるキッドを捕まえては、マスメディアから『そんな暇あるなら』云々と糾弾されるに違いない。今回はキッドに好き勝手させてみよう。」と、目暮警部。
目暮「事件性は無いようだから無視!」 増田「おっしゃる通り。」
目暮「それよりまだメシ食ってないんだが‥。」 高木「一人で勝手に行って下さい。」
増田「無能でも腹は減るんだな…」
高木「オマンコ!」
目暮の居ない部屋で高木が叫んだ。
増田刑事「察しますよ、高木さん。」 高木刑事「あの人はメシ食うのに半日戻って来なかったコトがあったからな。 一応チェックしとくか。」
増田「しかし警視は目暮警部に注意しないんですかね」
「もう少し、考えをまとめてから書き込んだらどうかね?言い捨てレスで無駄に進行させられのは迷惑だな…」携帯で話しながら明智警視は高木達の前を通過した。一体電話で誰に何の話をしてるのかは謎だ。 「放置していいのかな?これ」高木は怪盗キッドの挑戦状を摘みなが言う。 「これだけじゃ何も分からないから捜査しようもないですよね」増田は腕組みしながら困った顔で答えた。
「ていうか、警視庁の刑事が気にする内容じゃ無いですよ。捜査するなら、こんな挑戦状より某巨大掲示板の殺人予告の方が先ですよ。」と増田刑事。 「そうですよね。一応挑戦状は鑑識にまわして、埼玉県警には連絡をしておきますか。」と高木刑事。
「おーい、買ってきたぞ。高木、増田、メシにしよう」目暮は弁当3つとペットボトル入りの緑茶を3つ持って帰ってきた。 「警部が買い出しに行かなくても……弁当買いにいくなら我々に行かせてくださいよ……」増田は上司を無能だとか俗物だとか罵った事を心の中で少し恥じた。 「いや、ちょっと歩きながら考える事もあってな…」目暮は弁当と茶をテーブルに並べながら鼻の頭を掻いた。
目暮「実は、血洗島の件なんだが‥、」 増田「解ってます、ナシってコトでしょ。」 目暮「いや、違うんだ。 もしかしたらスネ夫が現れるんじゃないかな? と思った訳なんだが‥。」
増田「グチャグチャグチャ‥。」 高木「モグモグモグ‥。」 目暮「‥人の話訊いてんのか?」
「スネ夫、来るでしょうね血洗島。奴にとっても特別な地だし」高木も目暮の話に同意した。 「ああ、奴は最終章の血洗島の為に、今回は力をセーブしていたようだし、スネ夫は絶対来る。血洗島に!」目暮も確信を持って断言した。 怪盗キッドの挑戦状の話はスネ夫の耳にも入っているだろう。前スレの最終章のような大捕り物ショー的展開が期待できそうだ。
増田「あのぅ‥、質問!」 目暮「?」 増田「ぶっちゃけ、血洗島の秘宝って何なんでしょうか?」 目暮「さあな‥、深谷ネギでは無さそうだが。」
高木「解らないから秘宝‥な訳だが。」 目暮「悲報はカンベンして欲しいモンですな。」 増田「‥‥。」
タクシードライバー夜明日出夫は都内で1人の客を乗せた。若い男だ。 「血洗島…。埼玉県の血洗島へ…。」若い男はそれだけ言った。 夜明はこの若い男に会った事があるような気がした。だが実際、このような風貌の若い男に知り合いは居ない。では何故?――夜明のタクシーは血洗島へ向かった。
-警視庁 特別捜査1係- 目暮「さてと、お前達‥メシ食い終わったか?」 増田「ゴチです。」 高木「腹一杯です。」 目暮「そっか、じゃ出るぞ!」
増田「出るって‥どこに?」 目暮「決まってるだろ! 最終目的地だ。」
「ま、急がんけどな。我々が血洗島に行くのは怪盗キッドが動き出してからでいい」目暮は先走りがちな若い刑事達を制するように言った。 「行こうと思えば車で2時間もあれば行ける。出る前にきちんと対策を立てようぜ」理論派で慎重派の目暮警部は理路整然と構えていた。 対策―――もちろん、怪盗キッドに対するものじゃ無い。お洒落殺人鬼スネ夫に対してである。
目暮「はっきり言おう、怪盗キッドなんか眼中に無い! 総てはスネ夫逮捕の為だ!」 高木「そう来なくっちゃ。」 増田「燃えるなぁ。」
お洒落殺人鬼スネ夫と来生たかおは血洗島の手前、深谷市大塚のセブンイレブンに来ていた。 肉まんと温かい缶珈琲を買い、店の外で食うスネ夫と来生 「やっぱりこっちは少し寒いな。ククククク……」肉まんをほおばり恐怖の殺人ショーを頭で描くお洒落殺人鬼!
来生たかお「秘宝‥ってヤツも気になるよね、スネ夫ちゃん。」 スネ夫「もちろん、秘宝も頂くw」
来生「でも秘宝って何だろね?」 スネ夫「悲報じゃなきゃ、いいけどな。ククク…」 スネ夫はどこかの誰かと同じような事を言って笑った。
都内で乗せた客を血洗島で降ろし、夜明日出夫はタクシーを17号に向けて走らせていた。17号を南下して都内方面に戻る予定だ。 血洗島は『怪盗キッド』の予告状騒ぎで賑わっていた。本来、過疎地と言っても過言ではない血洗島が賑わうのは、いつも怪盗キッド絡みだ。県北の若者たちが血洗島に集まり、出店なども出ていた。ちょっとした祭りである。 「怪盗キッドって奴も、お洒落殺人鬼スネ夫と同じで、血洗島を愛してるのかもな……」夜明は客のいない1人きりの車内で、ひとりごとを呟きながら車を南下させた。
‥‥場面は替わって、、 杏子「先生、深谷市の血洗島って行った事あります?」 松本零士「行った事があるかも知れんが記憶に無いなぁ‥、俺もトシだなハハ。」 杏子「その血洗島に秘宝が眠っている‥‥そうですけど。」 松本零士「杏子‥」 杏子「え‥」 松本零士「行くか、その秘宝ってヤツを探しに。」 杏子「‥ハイ!」
954 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/22(土) 11:32:56 発信元:202.229.177.47
杏子「先生…オマンコ!」
955 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/22(土) 12:43:38 発信元:222.5.62.190
松本零士「ウホ…杏子さん、あなたもその気だったんだね。ヨッシャ!秘宝発掘の前祝いとして、景気づけに一発やるか!!」
トリック博士邸(通称トリックの館)には俳優の船越英一郎と作家の倉阪鬼一郎が来ていた。 「また来ましたね。血洗島の時期が。我々も行きましょうか?博士」船越は缶ビールを飲みながら愉快そうに話す。 「血洗島の秘宝については何か御存知ですか?博士」倉阪は缶ハイボールを片手に博士に訪ねる。トリック博士邸ではワインをすすめられるが、危険なので誰もワインは飲まない。
船越英一郎「しょうがねえだろ、以前はワインで何人かが死んでるんだから!」 トリック博士「ホッホッホ。」
倉阪鬼一郎「そこ‥笑う所じゃ無いでしょうに。」 トリック博士「過去の話じゃ、蒸し返すな、ホッホッホ。」
トリック博士「ちなみに血洗島の秘宝についての件じゃが、ワシもよう知らん。」 船越英一郎「ガセネタなんでしょうか?」 トリック博士「知らんと言っただけぢゃ!」
トリック博士「行きたきゃ行ってみなさい。 その秘宝とやらを探しに。」 トリック博士はあまり乗り気では無いようだ。 倉阪鬼一郎「船越サンは?」 船越英一郎「俺は行くよ、たとえ行くのが俺1人であっても。」
961 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/25(火) 00:04:36 発信元:124.214.254.138
高遠遙一「血洗島のお宝か・・、オレ様が頂こうw」 高遠遙一も参加を表明!
「‥‥なんてな。血洗島で怪盗キッドとスネ夫がやり合うのをオレは高みの見物を決め込むつもりだ」 地獄の傀儡師は血洗島の秘宝には、あまり興味が無かった。血洗島に行くのはスネ夫とキッドがウマく両方共倒れするのを期待してである。 地獄の傀儡師・高遠遙一は汚死魔栗男、虻能丸と共に血洗島に向かう。
963 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/25(火) 00:51:41 発信元:222.5.62.195
@高遠遙一・汚死魔栗男・虻能丸 → 秘宝争奪戦を見物 A船越英一郎 → 秘宝取得(トリック博士・倉阪は不参加?) B松本零士・杏子 → 秘宝取得 (前祝いとして性交中) C夜明日出夫&謎の男 → 謎の男の正体・目的は不明ながら血洗島へ D目暮・高木・増田 → スネ夫逮捕 Eスネ夫・来生たかお → 秘宝取得 それぞれの思惑を抱いて、舞台は血洗島へと移る。
船越英一郎「まいど、警部居ます?」 高木刑事「あ‥船越サン久しぶりです。 警部は今会議中なんですが。」 船越「ふーん、ちょっと待たせてもらっていいかな?」 増田「‥何の用なんです?」
船越「決まってるでしょ、血洗島のお・た・か・ら!」 増田「悪いけど我々はそんなモノに興味も無いし、そんなのに時間を掛けてるヒマは無いんだ! 帰ってくれ!」
高木「船越さんオマンコ!」 増田「さぁオマンコオマンコ!!」
船越「ハイハイ、分かりましたよ、帰ればいいんでしょ、帰れば。」
目暮が会議を終えて戻って来た。 目暮「血洗島の件だが、特別に予算が出た。 もちろん名目はスネ夫逮捕の為‥だがな。」 高木「てコトは?」 目暮「これから血洗島に行って飲食、泊まり、その他出費も全部警視庁決済だ! つまりどんなに豪遊してもタダだ。」 増田「もちろんスネ夫逮捕が前提で、でしょ?」 目暮「当然だ!」
969 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/27(木) 19:27:42 発信元:202.229.177.83
そこへ駆け寄る5人の小さなおじさん達の足音がした
おじさんたちが通りすぎたあとには『希望を胸に』と書かれたメモが残されていた。しかしそのメモに目暮たちが気づくはずもなかった。 血洗島に向かう車の中で突然「パンツだけは許さない。」と目暮警部。続けて増田刑事も「ああ、被害者の肉しみは消えないんだ!」と叫ぶ。 一人冷静な高木刑事はキョトンとして(「パンツじゃなくて、スネ夫じゃ…。ていうかいつから警部はノーパン主義に目覚めたんだ…。」)などと思うも、口にはしなかった。
目暮「よし、今日はここで泊まろう。」 目暮、高木、増田は、"ホテルニューフカヤ"にチェックインした。 目暮「さあ、大仕事の前に鋭気を養おう!」
目暮警部はズボンとパンツを脱ぎさり性器を露出した。
当然、目暮は脈略無く下半身を露出したりしない。馬鹿は馬鹿らしく一行の方から出て来ないで欲しいと刑事達は思った。 「最後に来て、少し停滞してるな。よし、血洗島に出発だ」 目暮は高木、増田と共に深谷市血洗島に向かう。
「警部、しっかりしてください。我々は、もう血洗島に来てますよ」高木はボンヤリ変な事を口走った目暮の言葉を正した。 「あっ、そうだった。会議中に船越が来たあたりで思考がストップしていたよ」目暮は自分の顔をパンパン叩いて気を入れ直した。 「(大詰めの場面でこれでは参るよな……)」少し呆れた増田だったが、それを口には出さず溜息を吐いた。
突然、高木が増田の側頭部に銃口を突き付けた。 増田「た…高木…!!?何をする…!?」 高木「フフフッ…もう終わりだな」
「ふざけてる場合か」目暮が一喝する 「す、すいません。スネ夫と対峙する緊張感を紛らわすために、おちゃらけてしまいました」高木と増田はくだらない寸劇をしてしまった事を恥じた。 「流れを読めないヤツは、ここに来ないでくれよ。」目暮は高木や増田から目をそらし、誰に言ったのか謎の台詞を呟いた。
松本零士「杏子さん、ここが血洗島だよ。」 杏子「"島"じゃないんですね‥というより普通の何も無い町ですね。」 松本零士「本当に秘宝なんてあるのかなぁ‥。 ところで杏子さん、疲れただろ。」 杏子「え、まぁ。」 松本零士「ここで休憩しよう。」 目の前にあるのはホテルニューフカヤである。
杏子「先生…オマンコ!」
「一行リレーのが復活したせいで、こちらにもゴミが流れてくるようになったみたいですね先生」杏子はこの小説の現状を噛み締めるように言った。 「なんか駄レスを打ち消してるだけで、このまま終わってしまうような気がするな」松本零士も零士なりに結末の行方を危惧していた。 ―――兎に角、怪盗キッドの動きを待とう。
血洗島の秘宝は・・HNFの地下に有り! 目暮警部がチェックイン前に市役所に立ち寄り、上記の情報を得た。 目暮「HNFってどこだ?」 高木「秘宝なのにアルファベット3文字・・」 増田「海外系なのか?」 目暮「スネ夫や怪盗キッドは現れたのか?」 高木「怪盗キッドの正体知らんでしょ! 現れたかどうかなんて分かりません。」 増田「スネ夫の方はまだのようです。」 目暮「HNFとは何なのか、引き続き調査だ、そこにスネ夫が現れるハズだ!」
高木刑事「HNF・・ハリソンフォード?」 目暮警部「考えてから言えよ。 銀行?」 増田刑事「それはUFJ! Fしか合ってませんよ!」 目暮警部「お前も考えろ!」
「もしかしてホテルニューフカヤの略じゃないですか?」増田が閃いたように唸った。 「ハッハッハッハ、それ今我々がいるホテルじゃないか。そんな訳ないだろ」目暮は増田の言葉を否定する。 「‥‥そうなのかな‥‥うーん」高木は肯定も否定もせず首を傾げた。
しかしこの「HNF」の正体がなかなか思い付かない3人。 目暮警部「仕方が無い、ココ(ホテルニューフカヤ)も候補に入れとくか。」 高木刑事「フロントに行って宿泊名簿を確認して来ます。」 増田刑事「私はこのホテルの地下の構造を調べて来ます。」 目暮警部「おう、頼んだぞ!」
目暮警部たちも地味に動き始めた矢先、ホテルのテレビのニュースに深谷市血洗島が映った。怪盗キッド絡みのニュースのようだ。 「ん、なんだ?」目暮はテレビに食い入るように見入る。高木、増田も捜査の手を止め、テレビを見つめた。 『怪盗キッドから、今夜、空から血洗島の秘宝をいただきに参上しますとの予告が届きました‥‥』――空から、だと?どういう事だ?
怪盗キッド対策に走り回る地元警察の映像が映る。 「ん、あれは田原じゃないか」見覚えある刑事がテレビに映り、目暮は声をあげた。 「田原刑事って、警部が鞄詰め殺人の捜査で組んだ所轄の人ですよね。確か、たのきんトリオとかいう」と高木が返したが目暮は何も言わず、テレビに視線を戻す。――おや?
986 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/31(月) 12:22:46 発信元:222.5.62.187
目暮「おい高木くん、君はフロントに宿泊名簿を確認しに行ったんじゃなかったか?」 高木「ハッ…そうでした。あまりにショッキングな映像に気をとられて報告を忘れていました。 しかし目暮警部。驚かないでください。なんとこのホテルにあの男も宿泊してるんですよ」
血洗島をライブ中継していたニュース番組が動きを伝えた。――来た。 『あっ、キッドです。怪盗キッドが現れましたァ』リポーターが興奮気味に叫ぶ。怪盗キッドは血洗島の夜空に突然現れた。天空に浮かぶ怪盗キッド。 「よし、今すぐ向かうぞ!高木と俺はキッドの所へ、増田はここで待機だ」目暮と高木はホテルを飛び出しキッドが映し出された現場に向かう。間違いなく現場には『ヤツ』も来る筈だ。目暮の胸は高鳴った。
988 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね :2011/01/31(月) 18:30:26 発信元:222.5.62.188
松本零士「ハックショーイ!!…誰か私の噂をしてるのかな?それとも久々にマッパでハッスルしたから風邪でも引いちゃったかなグヘヘ」 杏子「あっ。先生。テレビをご覧になってください。アタシたちの宝が泥棒に横取りされますわ」 松本零士「なに…!そうはさせんぞ〜。ようし見ていろグヒヒヒ(ピポパポピ…トゥルルルル…)」
「いいかげんsageを覚えてくれ」目暮は、またストーリーに関係ないセリフを吐かされる羽目になり少しうんざりした。 目暮と高木は怪盗キッドが天空に現れた現場に到着する。ここで目暮と高木は衝撃的な場面を目撃する事となる。 「な、ななな、なにーっ!」天空に浮かぶ怪盗キッドは空を歩き始めたのだ。「て、天空闊歩!」
歩いている。夜空を怪盗キッドは自在に歩いている。翼を持たない人類が成し得る事は到底不可能な芸当だ。 「うぬぬね!キッドめ、一体どんなトリックで‥‥」目暮は空を歩く怪盗キッドの真下で呻き声を出した。 歩いていたキッドの足がピタリと止まった。そして夜空に紛れる怪盗キッドにスポットライトが当たった。
怪盗キッド「レディース、アーンド、ジェントルマン。今宵、華麗なショーの‥‥‥ぐおっ!!」 演説を始めた怪盗キッドの真横に、いつの間にか、お洒落殺人鬼スネ夫が現れ、怪盗キッドの鳩尾(みぞおち)に強烈なパンチを叩き込んだ。 スネ夫「邪魔だ!どけ、小僧」
スネ夫にビビった怪盗キッドは小便を漏らし、グライダーで逃げて行き、夜空にスネ夫だけがポツンと残された。 「‥‥‥‥」「‥‥‥‥」――空に浮かぶお洒落殺人鬼。 「私が血洗島の秘宝を怪盗キッドから守りましたーっ!!」スネ夫は血洗島に集う民衆に向かってシャウトした。
高遠遙一「なんだ、ありゃ‥。」 汚死魔栗男「怪盗キッド‥全然ダメじゃんw」 虻能丸「高遠さんよ、どうする?」 高遠遙一「秘宝を横取り‥だな。」
「キッドが逃げていきましたわ先生。チャンスですね」杏子は松本零士に嬉しそうに言った。 「この小説シリーズで俺は酷い目にばかり遭ってる。そう、たまにはラッキーが巡ってきてもいいのだ。‥‥だが、しかし‥‥」零士は溜息混じりに嘆く。 「‥‥血洗島の秘宝って、どこにあるのだ?」
目暮警部「よーし、そこまでだスネ夫! ここで会ったが100年目、大人しくお縄を頂戴しようぞ!」 スネ夫「あ? またアンタか‥、相変わらずしつこいねぇw」 目暮警部「周りを見てみろ、お前は袋のネズミだ! がっはっはっはっは。」 群衆に紛れて私服警官が大挙押し寄せてきた。 スネ夫「残念だがその程度じゃ、俺様を捕まえるのは無理だぜぃ。」
天空に浮かぶスネ夫。一体どんなトリックを使い、空に浮いているのか? 「ヤツめ、一体どうやって‥‥‥おや?」目暮はスネ夫の真下に起こっている強い風に気づいた。 「スネ夫!貴様のトリックは解ったぞ!」目暮の頭脳は最後の最後で冴えた。
そのころ、来生たかおはホテルニューフカヤの地下に潜伏していた。 来生たかお「スネ夫ちゃんも頭いいな、外でお巡りを引き付けてる間に秘宝をゲットしろだなんて‥、流石だ!」 「よーし、そこまでだ!」 来生「何!、誰だ、お前は?」 夜明日出夫「タダのタクシードライバーさ。」
来生はホテルに残っていた増田刑事に逮捕され、もう2度と登場する事は無くなった。 「スネ夫と一緒に登場して何もしない人というキャラ設定壊されてるから、もう出る必要なし」増田はリレー小説という複数の書き手がいる世界の曖昧さを嘆いた。 「夜明さん。客を下ろして血洗島から去っているのに何故ここに?」「その血洗島から去った記述をスルーされたんですよ」次スレからはもっと矛盾無く話を進めたいものだ。
場面は血洗島のスネ夫と目暮の対決に戻る⇔ 目暮はスネ夫が巨大扇風機を使い空に舞っている事を見抜いた。「スネ夫!観念しろ。血洗島の秘宝の正体は何だ?」 「ククククククク‥‥」闇夜に轟く、お洒落殺人鬼の奇声。そしてスネ夫は血洗島の秘宝の正体を明かした。「それは、このスレの1000レス目だ!!」
それはペニス一郎のペニスであった。
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ο,.┃ SiberiaRailway. ,. ;: 終着駅についても旅はまだ続く…
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