1 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:
シベリアの力で
2 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/07(水) 23:51:42 発信元:58.85.84.145
3 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/07(水) 23:52:17 発信元:218.182.218.7
だが断る
5 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/07(水) 23:55:21 発信元:219.107.230.183
>>1乙
てかシベリア過疎ってるんだから、VIPでパート化してうざがられてるスレはシベリアに移住すればいいのに。
6 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/07(水) 23:56:20 発信元:219.161.201.91
7 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/08(木) 00:02:20 発信元:219.107.230.183
8 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/08(木) 00:07:15 発信元:58.85.84.145
>>7乙
現行スレ主の
>>1はまだこっち来てないのかな?
おもしろいからコテつけてこっちでも主やってくれると楽しい
9 :
1だよ^^:2005/12/08(木) 00:08:29 発信元:219.45.148.9
10 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/08(木) 00:10:26 発信元:219.107.230.183
11 :
1だよ^^ ◆NUyQModZgQ :2005/12/08(木) 00:13:24 発信元:219.45.148.9
おkじゃあこれで。
でもあんまり酉好きじゃないから普段はあんまりつけないお。
12 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/08(木) 00:17:32 発信元:219.107.230.183
VIPで小説かぁ
懐かしいなぁ
14 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 00:43:09 発信元:221.90.221.58
本スレ落ちたね
15 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 00:50:09 発信元:219.107.230.183
ついにおちたかー。まぁ、こっちでやっていこう。
16 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 01:24:08 発信元:219.161.12.81
>>13 そのコテどこでみたんだろ?
記憶のどこかに引っかかる
17 :
1だよ^^:2005/12/09(金) 01:24:46 発信元:219.45.148.9
^^
18 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 02:12:02 発信元:61.204.95.164
19 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 02:21:30 発信元:219.107.230.183
ksk
20 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 02:22:02 発信元:219.107.230.183
連続ksk
21 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 02:22:33 発信元:219.107.230.183
人形
22 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 02:31:07 発信元:221.90.221.58
とりあえず明日の夕方またvipにスレ立てる?
23 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 02:57:19 発信元:219.107.230.183
そうだね。誘導したほうがいいかも。
24 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 03:38:59 発信元:219.161.201.91
てst
25 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 03:59:05 発信元:61.204.95.164
>>21 思ったより長くなったわけで…
目の前に広がる白い空間が、未だ闇から慣れない僕の目には眩しい。
いったいどれくらいの間眠っていたのだろう。
硬い扉と分厚いカーテンに遮られた世界では、そんなことさえ判らなかった。
辛うじて動く首で辺りを見回し、枕元にあった小さな人形を見つけた。
その姿は所々薄汚れていて、縫い合わしたところからは糸が解れ初めている。
髪を真似た黒色いフェルト生地が、癖っ毛のように折曲がってしまっていた。
まじまじと改めて見ると、市販のものとは程遠い出来の手作り人形だった。
相変わらず笑顔の絶えない人形に、僕は少しばかり感謝する。
僕には何も無かった。あの一瞬で失われたものの方が多かったのだから。
一ヶ月前に起きた飛行機墜落の事故で死ぬ運命だったのに、神様の気まぐれで生かされている。
幸い命は取り留めたが、ただそれだけだった。植物状態に近いままここに在り続けているだけ。
人の助けが無ければ何も出来ない。自分の力では、もう歩くことさえ出来ない。
なんとも情けない姿へと変わり果ててしまったはずなのに、今も僕の脳は生きることに執着している。
もう僕は、誰かに操られるだけの人形だというのに。
今日行われる手術が成功しない限り、僕はこの先も不自由な体のままだ。
もう一度僕は真っ白な天井を仰ぎ、弱々しい溜め息を吐いた。
26 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 03:59:36 発信元:61.204.95.164
>>25 手術室へと運ばれる担架に揺られながら、効いてきた麻酔で深い眠りに堕ちてゆく。
僕は不安を抱えたまま静かに目を閉じた。
そして、世界は闇から解放されて光と共に風景が映し出され、懐かしい匂いが僕を包んだ。
「これ、あげるね。また今度会うときまで、それをわたしだと思って大切にしてね」
「……うん、わかった」
遠い昔に出逢った女の子のことを、長い長い夢の中で観た。
数年前に再会を約束して別れた、車椅子姿の女の子のことを……。
目の前に広がる白い空間が、未だ闇から慣れない僕の目には眩しい。
いったいどれくらいの間眠っていたのだろう。
「おはよう」
突然にまだ醒めきらない頭に響く女の子の声。
思い掛けないその言葉に、僕は硬くなった首を捻ってその主を見やった。
まだこれは夢の中なのだろうか。そう思うほど現実味がなかった。
「私から会いに来ちゃった」
照れ笑いをするその顔で、僕の古い記憶が瞬時にして蘇った。
嬉しさと驚き、そして混乱するこの頭は突拍子も無いことを体に命令してくれる。
僕は目の前の女の子を抱き締めていた。
久しぶりに活動させられて痛む体と、感じる確かな温もりでこれは夢なんかじゃないと理解する。
その日初めて僕は子供のように泣きじゃくった。
27 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 04:00:11 発信元:61.204.95.164
>>26 病院の敷地内にある広場で、僕は車椅子姿で久々に吸い込んだ外の空気の中を散歩していた。
手の平には長年連れ添った痕も綺麗に修復された人形。
僕の車椅子を押すのは、病を克服したあの子だった。
「人形、まだ持ってたんだ」
「いやほら、あのとき約束したし……それに、僕の宝物さ」
「命の恩人?」
「ははっ、そうかもしれない。色々と助けられた気もする」
「今度は私自身が助けなくちゃだね」
「……あの日と逆になっちゃったな」
「昔の恩返しも兼ねて、私に任せてよ」
「恩返しって、そこまでたいしたことしてないよ僕は」
「ううん、そんなことない。何度も君の言葉に励まされ、助けられた。
遠い街にある大きな病院に行って手術を受けようって決心したのも、君のお陰なんだから」
「そう、だったかなぁ」
「……だからね、ずっとずっと私たち二人で居られたらいいな、って」
「そうだな。僕も人形だけじゃ寂しいかも」
まだ冬の残り香が消えない季節。
色付き始めた桜の木が、薄紅色の蕾をその体に咲かせていた。
操り人形だった僕の体はその後順調に回復し、リハビリの毎日を送っている。
そんな僕の隣には、頼りないこの体を支えてくれる彼女が居た。
僕を優しく見守りながらも、時には叱咤激励してくれるのが嬉しかった。
「また明日ね」
今日も別れの時間が訪れる。けれど、あの日感じたような永遠の別れではない。
「明日は君の誕生日だよね? 期待しててよ」
そう嬉しそうに言い残し、彼女は手を振って駆け出す。
今も僕のポケットに仕舞われている人形に良く似た笑顔を残して。
28 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 04:02:51 発信元:61.204.95.164
推敲してないんであれですが、後半のグダグダっぷりは凄まじいと思います。
作品を書けば書くほど文章力の無さが露呈していく…orz
29 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 14:39:21 発信元:219.107.230.183
おー、あとでじっくり読んで見ますね
30 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 16:24:52 発信元:219.107.230.183
最後会話だけになる部分があるけど、会話だけだとなんか安っぽく見える気がする。
どんな表情で、とかどんな状況でってのが書かれてるとそれっぽくなるかな。
>>16 コテになったのがVIPだし
今は色んな板にいるから
どこかで見られたのかなぁ
作品を早速読んでみよう
32 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 18:19:44 発信元:219.161.201.91
>>21 人形を壊した。姉の大事にしていた人形だった。
当時姉は小学校の四年位で、僕はよく姉に殴られた。
姉は学校でイジメとはいかないまでも仲間外れにされていたらしく家では僕によくあたった。
姉の素行が悪くなり始めたのも丁度その頃からで、母や祖母の財布から金を抜いたり、万引きで捕まったりもした。
父親は仕事で殆ど家に居なかったから、一人で子育てしていた母は姉をしかる事に疲れたようだった。
僕は僕でマイペースに生きていたから、姉と母が殴り合っているのを見ても無視していた。
高校受験を控えた年の夏、姉は家に居なかった。家出した。
その頃になると父も仕事が大分落ち着いたらしく家に居たからそれはそれで嫌な空気だった。
ウチの父は割とわかっている親だったので母一人を責める様な事はしなかったが問題は祖母だった。
やたらと僕を持ち上げて姉を下にした。いや、案外この空気は僕が気付いていなかっただけでずっと続いていたのかもしれない。
姉が帰ってきた。家出してから丁度三ヶ月経っていて、もう夏は終わっていた。
父は怒って姉に馬乗りになって殴っていた、母は泣いて喜んでいた。
祖母は少し嫌そうな顔をして僕に擦り寄ったが僕は気持ち悪かった。
姉はその後で僕に謝ってきた。僕が受験の時にこんな事をして悪かったと。
僕は別に気にしていなかったので姉にお帰りとだけ言った。
それから姉は何度か衝突しながらだけど父とも母とも少しずつ家族らしくなっていった。
僕は何も変わらず受験を終えた。受験もあっさり成功して母と姉と父は喜んでいた。
僕は姉の人形を壊した。姉と母と父は今はもう仲のいい家族だ。僕は何も変わらない。
33 :
28:2005/12/09(金) 18:51:44 発信元:61.204.95.164
>>30 なるほど、安っぽく見えてしまいますか。
短くしようとして描写省いたり、会話だけで読み手にそれを想像させるように意図
してみたのだけど、逆効果だったみたいですね。
そういえば本スレは暫く立たないのかな…。
唐突にお題求む
>>36
34 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 19:02:25 発信元:219.161.201.91
ksk
35 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 19:03:22 発信元:219.161.201.91
ksk
36 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 19:13:12 発信元:210.153.84.205
携帯電話
37 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 19:49:26 発信元:222.144.18.190
>>36 今日も待つ、きっと明日も明後日も待つ。暇になった分だけ僕に圧し掛かる時間が重い。
告白したのは一週間前、丁度卒業式の日。今日中に連絡が無ければ諦める、そう書いた紙にメアドと番号を書いて渡した。
卒業式の後の打ち上げは最悪だった、半ば玉砕覚悟で渡した相手がまさか来るとは思わずにノリで参加したことを後悔した。
なんでいるのさ……そう言いたかった。勝手な思い込みだが彼女はそれ程このクラスに思い入れも無いだろうと踏んでいた。
しかし彼女は居た。僕の斜め前の席に座って隣の女と携帯電話で記念撮影。
結局一度も目が合う事は無かった。僕は周りの男どもと右から左に流れる会話をこなしつつ、彼女は最後の思い出作り。
済崩しにみんなは酔い始め、彼女は一次会であっさり帰り、僕が家に帰って十二分経って『今日』は終わった。
彼女は大阪へ行くらしい。もともと地元が向こうらしいのでもうこっちへは来ないだろう。
昼下がりのお日様に照らされる抜け殻の僕は大阪からの電波を待っている。
今日も携帯電話が受けるのはぬか喜びのどうでもいいメールばかり。
携帯電話の震える度に僕の脈も大きく振れる。
僕は携帯電話が震えなくなったらそれこそ廃人だろうから、今より楽でも傍目には変わらないだろう。
けれども携帯電話の震える音は僕の体を壊していく。
もう完全に壊れてしまいたい。それでも僕は来るわけの無い電波を求めて携帯電話を握り締める。
携帯電話は今日も鳴る。
38 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/09(金) 19:51:40 発信元:222.144.18.190
ってかちょっと待て、IPって変わるのか?
俺=37=32なんだが
39 :
28:2005/12/09(金) 20:22:18 発信元:61.204.95.164
>>36 俺にはいつも持ち歩いているものがある。
財布や煙草は忘れても、こいつだけはお守りのように肌身離さずにいた。
もう八年目の付き合いだ。
塗装もあちこち剥げてきて、下地のステンレス素材が顔を覗かせている。
挙句には♯ボタンが全く効かないし、白黒の液晶も見難くなっているのも事実。
今流行のアプリなんかも出来なくって、もちろんネットにすら繋ぐことも出来ない。
それでも俺にとったらこいつは大事な相棒なのだ。
あまり物を大切にしない俺が唯一、生まれて初めて長い間使い続けてる物だろう。
何百件とある電話帳のメモリーも、半数以上は繋がらない番号だった。
保護をかけたメール履歴のやり取りを、今もたまに読み返している。
当時の楽しい記憶が、そこには確かにあったのだから。
『いい加減その携帯代えろよ』
職場の同僚から何度もそんな小言を言われ続けていた。
通話やメールもまだまだ現役なのに、なんで人は真新しいものを好むのだろう。
流行のものを持っていれば、一つのステータスにでもなると思っているからか。
人の真似を好む日本人にはお似合いな習慣だ。
40 :
28:2005/12/09(金) 20:24:54 発信元:61.204.95.164
>>39 今日も一日が終わる。
いつもと同じように携帯を充電器に立て掛け、俺も明日に備えて床に付く。
暗闇に灯る携帯の赤い充電ランプが、薄っすらと室内を明るくしていた。
そんな中でうとうとと眠りに付きそうなとき、久しく聴いていない単調のメロディーが流れ出す。
俺は布団から起き上がり、鳴り止まない携帯を引っ掴んでバックライトが弱くなった液晶に目を通した。
液晶に浮かぶメール受信の文字と、送り相手の名前を確認して溜め息を吐く。
「今更なんの用だか……」
期待半分不安半分で俺は未読メールを開く。
「久しぶりだね」
「ああ、お前が転校していったとき以来か」
七年前に止まっていた繋がりは、ひょんなところから再び始まりを迎えた。
「まだ携帯代えてなかったんだ」
「まあな、消したくない想い出も詰まってるからな」
そのお陰で、俺たちはこうして数年ぶりに再会できた。
やはりまだこいつにはこれからも世話になりそうだ。
新しい保護メールが、その日からまた増えていった。
41 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/10(土) 00:09:40 発信元:222.144.18.190
人いないな、見てる人何人居るの?
42 :
1/2:2005/12/10(土) 00:56:04 発信元:58.85.65.224
>>21 人形
横たわったまま放置されてしばらくになる。
綺麗だと大事にされた自慢の長い髪も、
今では床の上で扇状に広がったまま、型がついてそうだ。
埃と粉塵が私も木の床も区別なく埋めてゆく。
お気に入りのフレアスカートが台無しだ。
抱いてくれたり服を着せ替えてもらったりしていたのが、
嘘のようにゾンザイだ。
少し離れた雑木林から犬の鳴き声がする。
遠吠えが私以外の存在を知らしめてくれる。
時期を外れた別荘地ほど気配のない場所はない。
捨てられ、忘れられるとはこういうことか。
―どこか開いてるのだろうか。
空気と静寂が押し流されている。
カチリカチリとフローリングを踏みしめる、なにか。
荒い呼吸と爪の付いた足が鳴らす音―犬だ。
遊び道具と思ったか私に近づいてくる。
そして、犬は私を壊そうとするのだろう。
43 :
2/2:2005/12/10(土) 00:57:05 発信元:58.85.65.224
私の周囲をくるくる回りながら呼吸を荒げる。
埃まみれの服を喰いちぎったり、広がった髪を踏みつける。
自慢の鼻によって私が「動かないモノ」であることを理解した鋭敏な動物は、
そのするどい歯で私の顔にかぶりつく。
ミシミシと音をたててまなこに食い込む牙。
どす黒く濁った赤い液体が犬の牙を伝う。
眼窩から引きだされた丸い物体に、だらしなくぶら下がる視神経。
味をしめた野獣は肉塊を引きちぎり咀嚼するを繰り返す。
人の形をした動かないモノ―死体。
ゴツリゴツリと骨のはまれる音が低く響く中、
人形のように捨てられた幼子の死体がイヌの腹へとおさまってゆく。
44 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/10(土) 09:45:53 発信元:219.107.230.183
見てるお
てか誘導しきれてないのかも
45 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/10(土) 19:18:01 発信元:220.98.15.5
46 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/11(日) 00:16:18 発信元:219.107.230.183
47 :
28:2005/12/11(日) 05:56:23 発信元:61.198.131.104
48 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/11(日) 11:51:09 発信元:219.107.230.183
ksk
49 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/11(日) 11:51:41 発信元:219.107.230.183
コンビニ
50 :
28:2005/12/11(日) 14:28:30 発信元:61.198.131.104
>>49 起きたらお題があったので書いてみた
夜の空気はすっかり冷たくなり、吐く息が店のガラス窓のように曇る。
悴み始めた手で設置されたゴミ箱の中を掃除していく。
ほとんど分別がされてないカオスティックな半透明のゴミ袋の中身を見つめ、俺は無意識にもう一度溜め息を吐いた。
店内から漏れる蛍光灯の明かりが、否応無く孤独感を募らせる。
まるでマッチ売りの少女が小さな灯火の向こうに見た幻覚そのもののようだ。
あまり客足の無い深夜は、俺だけの勤務というのも多々あった。
それゆえ面倒な従業員間のゴタゴタも無くて楽といえば楽なのだが。
ゴミ掃除も終わって暖かい店内に戻ってくるなり、充電も少なくなってきた携帯を取り出し暇つぶしを始める
そんな今日は少し忙しくなりそうな予感はどこかしていた。
夜も深い時間になるにつれて、夜行性と思われる客が疎らに訪れ始めてくる。
店内に流れる有線に混じり、来客を知らせる機械的なチャイムが鳴り響いた。
51 :
28:2005/12/11(日) 14:29:28 発信元:61.198.131.104
「すいません、領収書貰えますか? 株式会社ブイアイピーで」
なにやら真剣に言ってくる20代後半の男性。言い慣れたようなその台詞は仕事柄のせいだろうか。
「少々お待ちください」
俺は律儀に英数字表記で領収書にVIPと書き留め、それをレシートと一緒に手渡す。
ありがとうと気さくな笑顔さえ見せ、その人は颯爽と店を去って行く。
なんだかこっちまで良い気分になった。不思議だ。
「う、うまい棒を……その、あ、あるだけください」
やたらおどおどと落ち着きが無く尋ねてくる若い少年。まだ学生だろうか。
昔の自分を思い出しながら、俺は商品棚に並べられたうまい棒一本9円をありったけ買い物カゴにぶち込んだ。
「こちらになりますが、よろしいでしょうか?」
頷く少年を了承の合図だと見て、俺はカゴから一つ一つうまい棒を取り出し本数を数え始めた。
様々な色彩を飾るレジ机は、どこかメルヘンチックな感覚さえ抱かせてくれる。
顔を赤らめた少年は2円のおつりを受け取ると、積載容量越えのビニール袋を引っ掴み脱兎の如くその場を後にした。
「このハーゲンダッツ、温めてほしいんですが……」
カップのアイスをレジに置かれ、そんな困った注文をしてくる無精髭と丸刈りが少し怖いお兄さん。
見た目に反して目は泳いでいるようにも見受けられた。
「申し訳ございませんが――」
「そこをなんとかお願いしますよ」
俺の断り文句も強引に流される。それはまるでアイスを温めさせることが課せられた使命かのような。
「……判りました」
少し興味もあった手前で強く断れず、結局俺は冷たいアイスをレンジの中へ。
温め始めるとほんのりバニラの甘い匂いが漂ってくる。それが逆に美味しそうでもあるのはどういうことだろうか。
レンジの加熱終了音が響き、カップの強度が弱くなったハーゲンダッツは湯気を立ち上がらせていた。
強面の客はそれを慎重に受け取ると、何かを成し遂げたような表情で温かくなったアイスを持ち去って行った。
52 :
28:2005/12/11(日) 14:30:10 発信元:61.198.131.104
「あの、バナナ風味の付いたLサイズコンドームってどこにあります?」
小声でそう尋ねてきたのは軽装でミニスカート姿の若い女性客。
俺は一瞬呆気にとられたが、長年のバイト経験で得た教養がちゃんとした対応をしろと訴えかけてくる。
そもそも深夜に近藤君を買いに来る客なんてそう珍しくもないのは事実だ。
しかしそんな事細かい注文まで受けたのは初めてだった。
「えーっと、探してみますのでお待ちください……」
そんなマニアックな商品あったかなと思いながらも、俺は日用品が並べられた商品棚へ移動する。
下から2段目のあまり目立たない場所にあるため、前屈みになって小さなパッケージを何個か見やる。
普通のものは数点あるが、やはりバナナ風味のついたものなんてこの店の近藤君コーナーには存在しなかった。
「すいません、ちょっとそういうのは無いですね」
いつの間にか俺の真横に来て商品棚を覗き込む女性客に詫びる。
店員と客がコンドームを見比べる……なんともシュールな映像だろう。
「……そうです、か」
なんとも残念そうに女性は呟く。そんなに重要な買い物だったのだろうか。
屈んだ体勢のまま女性は垂れた長い黒髪を耳にかける仕草をし、意を決したように立ち上がった。
ふわりと香るシャンプーの匂いはなんとも言えぬ癒し効果を与えてくれる。
「ありがとうございました」
もう明け方になろうという時間、女性客は微笑み最後にそう言い残して立ち去った。
今日も変な客が度々訪れてくる。ここはちょっとした彼らの遊び場だ。
そんな客に対して、俺は最高のクオリティで出迎えてやる。
なぜなら俺も携帯でそのスレを観覧しているのだから。
【買い手か】コンビニで*99の指定した商品を*00が買ってくるスレ 7【指定者か】
携帯片手に最後の棚卸しの最中、俺はあの女性客の報告を待ち侘びている。
53 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/11(日) 14:31:14 発信元:61.198.131.104
名前消し忘れてた
2ch絡めないで普通に書いたほうが良かったかなと後悔
うっは、人イナスwwwwwwwwwwwwwwwwww
55 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/12(月) 03:00:42 発信元:219.161.12.81
このマターリ感がたまらんね
ちょっとワロスwwwwwwwwwこんなスレ立てたら面白そうだなwwwwwwwwww
57 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/14(水) 14:56:41 発信元:219.161.27.104
>>57 そこ一回投下したけど次ぎ見たときすでに落ちてた
60 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/19(月) 17:27:43 発信元:61.119.230.16
誰もいないのを承知でベタなお題投下
「クリスマス」「大晦日」「年越し」
61 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2005/12/19(月) 18:43:44 発信元:218.227.133.184
書きたいけど時間がないんだ…みんなごめん
62 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2006/01/25(水) 22:45:36 発信元:211.135.160.89
うむ、誰もいないな
63 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2006/03/03(金) 10:58:39 発信元:202.248.88.192
「いらっしゃいませ」
店に入ると女性店員はそう言った。
入る前から決めていたので早速パンコーナーへ足を運んだ。
さっと目を通すとすぐにみつかった、切れ目のついた細長いパンだ。
「120円になります!」
「あっ袋はいりません」
「はいわかりました!」
女性店員はハキハキと答え、俺にパンを手渡してくれた。
きっとこの日は忘れられない日になるだろう。
薄れいく意識の中で男はそう思った。
「きゃー!!!!!」
一瞬の事であったがそれでも女性店員は悲鳴をあげることが出来た。
女性店員はすかさず受話器をとり電話を始めた。
「もしもし! 警察署ですか?」
「実はいま店内でパンを買った男性がっ・・・」
「その・・・・男性器をパンにさんでいるんです!」
女性店員は気が動転していながらも
パンの切れ目にチンコをはさんだ男の言葉を聞き取ることが出来た。
「ホットドックいかが?」
The end
64 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2006/05/14(日) 01:49:35 発信元:43.244.37.110
あげ
65 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2006/06/07(水) 21:11:58 発信元:61.127.133.107
VIPが落ちたので、久しぶりに来ました
66 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2006/06/20(火) 18:39:11 発信元:43.244.37.110
暇だから何かかくかな
懐かしいスレだなぁ
もしかして今VIPで頑張って小説書いてるやつってここから輩出された?
ここって好きに書いていいの?
うん
72 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2006/11/20(月) 14:31:16 発信元:222.146.220.247
(・∀・)コンニチハ!!
かつてここの1だったものだけどこのスレめちゃくちゃ懐かしいよお
今もVIPでSS書いてるけどこの時のノリが原点かも
紅眼のシャナとかwwwwwwwwwwww
シベリアってエロいのはダメなんだっけ。
空はどんよりと曇っていたけれど、不思議と暗い気持ちにはなら
なかった。
多分、その天気と、目の前に広がる光景とがよく調和を保ってい
たからだと思う。荒涼とした、白銀の荒野――地平線は黒い何かに
覆われていて見えない。たぶん、森だと思う。かつてここが収容所
の代名詞だった頃、連行された人々が残したジョークの意味がよく
わかった。曰く、木の数を数えていれば一日潰せる。
殺風景で、見るからに寂しい場所だったけど、悪くないと僕は思
った。なんていうか、その光景は、僕の心情と重なる。
絵になるなあ、なんて思いかけて、顔をしかめた。今まではとも
かく、これからは悪い癖だ。時間はかかりそうだけど、少しずつ矯
正していかなければならない。
幸い、ほどなく汽笛の音が聞こえて、思考を白紙にしてくれた。
いつの間にやら現れた蒸気機関車が、すぐ近くまで迫っていた。バ
ス停だと思っていたんだけれど、どうやら見間違いだったようだ。
無愛想な車掌に運賃を渡して、僕は少ない客車の一両目に乗り込
んだ。
76 :
2/3:2007/01/02(火) 00:44:34 発信元:124.84.116.78
役場での手続きは、思っていたよりずっとスムーズに終わった。
それは良かったんだけど、お酒を、それもとても強いヤツを当然
のように勧められたのには困った。なんせ、僕はアルコールという
ものがさっぱり飲めない。説明したらわりとあっさり引き下がって
くれたけど、押し付けがましい態度に僕はちょっとだけ不機嫌にな
った。押しの強い人は苦手だ。
他にも、早くも見飽きてしまった風景だとか踏み慣れない雪の感
触と冷たさだとか面倒なことがいくつもあって、指定された住居に
辿りついた頃にはもうかなり不機嫌になっていた。早く寝たかった。
「ねぇ、お兄さん。ちょっと手伝ってよ」
そういうわけだから、いざ新居の扉を前にしてかけられたその声
を無視したのは、そんなに責められるべき行動でも無いと思う。
「待ってよ! ねぇ、聞こえなかった?」
「……何か用かな」
言い返した声に、不機嫌を押し隠せた自信は無いけど、努力はし
た。愛想笑いはたぶん失敗してるけど。
肩を掴んでまで僕を振り向かせた図々しい彼女は、そんな僕の様
子に不満を露わにした。
「そんな顔することないじゃない」
「生まれつきこういう顔なんだけど」
「そんなわけ――もう、わかったわよ。もう頼まない!」
頭から伸びた二つの尻尾を振りまわし、彼女は鼻息荒く去ってい
った。
勝手な女だな、なんて、誰にともなく呟く。なんだか後味が悪い。
僕は軽くため息をついて、気を取り直すと、ようやくの新居へと
足を踏み入れた。
77 :
3/3:2007/01/02(火) 00:46:46 発信元:124.84.116.78
その日の夕方、荷物を整理していて顔を出したものに、僕はおも
わずため息を漏らした。
ガラスペンとインク瓶。筆記用具に紛れ込んでいた。確かにどち
らも筆記用具ではあるんだけど、書類やサインにそれらを使う人は、
最近じゃああんまり居ない。もちろん僕も例外じゃあない。
だから、必要無いものなんだけど――それでも結局捨てられなく
て、僕は引き出しの奥深くにそれらを仕舞った。そして、またがっ
くりと肩を落としてため息をついた。
捨てられないってことは、つまり、未練があるってことだ。
窓の外を見る。
最果ての空はやっぱりどんよりと曇っていて、今度ははっきりと
暗い気持ちになった。
たぶん15、6話で完結。プロット適当だから伸びるかも。
そもそも規制されてて暇つぶしで書いたから最後まで書く自信無いけど。
もし見てる人が居たら応援してね。
79 :
1/3:2007/01/02(火) 15:52:17 発信元:124.84.116.78
「なんだ。ひょろっちいなぁ、お前」
愛想笑いで答えながら、内心僕は落ち込んだ。
ここは採掘場と呼ばれていて、文字通り特産品である氷を採掘す
るための場所らしい。街から程近い山肌にぽっかりと開いていて、
外観も中身も、まるで炭鉱のようだ。朝起きて、二度目に訪れた役
場で斡旋された職場がそこだった。
「大丈夫なのかぁ?」
上司に当たるらしい兄ちゃんが、バシンと遠慮なく叩いてくれた
ので、思わず僕は咳き込んだ。眉を顰める兄ちゃん。確か、働いて
いる人たちからは親方と呼ばれていた。なんていうか、その通りの
性格のようで、苦手なタイプだと思った。
その後、ライトの付いた作業用の安全ヘルメットを渡され、親方
に導かれるままに職場を見て回った。それなりに体格のいい人たち
がごっついツルハシを振るう姿を見て、思わず顔が引きつった。
「安心しな。お前にあれは任せねぇよ」
苦笑いしつつ、親方は言った。相当不安げな顔をしていたらしい。
少し恥ずかしくなった。
それから親方は、別の場所に僕を連れて行った。そこは、採掘し
た氷を適当な大きさと形に整える作業場だった。
「これならお前でもできるだろう」
安心して、僕は頷いた。
80 :
2/4:2007/01/02(火) 15:54:04 発信元:124.84.116.78
仕事は明日からでいいと言うので、僕はいきなり暇になった。次
の用事は午後の三時からで、今の時刻はだいたい十二時過ぎ。
ちょうどいいので、昼食を求めるついでに街を探索してみること
にした。
開拓街は名前のわりに開発が進んでいて、中心街には高層建築も
見られ、その辺りは人気が多い。でも、少し外れればすぐに公共住
宅街が現れ、人っ子一人見られなくなる。なんだか極端な地方都市
のようだと思った。
小一時間ほどブラブラとした後、僕は街角で見かけた唯一の喫茶
店の扉を開いた。できたら食堂、それもイタリアンが食べたかった
んだけれど、他に食事の出来そうな場所が見つけられなかった。
「あ」
でも、それはすぐに失敗だったとわかった。
二つくくりのお下げ髪。丸みを帯びた顔に気の強そうな上向きの
眉。少しつり気味の目は軽く見開かれ、驚きを表現している。
いかにも個人経営の喫茶店らしいエプロン姿が良く似合う彼女は、
昨日の女の子だった。
81 :
2.5/4:2007/01/02(火) 15:56:34 発信元:124.84.116.78
ベルを鳴らしておいて出て行くわけにも行かず、僕はカウンター
席に陣取ってサンドイッチをかじっていた。
例の彼女は僕から離れたところで、ちらちらとこちらの様子を伺
っている。他に客も居ないから暇らしい。ピリピリとした空気が伝
わってきて、正直凄く居心地が悪い。
「新しく入植してきた方ですか?」
まずそうにコーヒーをすすっていると、さすがに見かねたのか、
もう一人の男性店員が話しかけてきた。
「あ、はい」
「前はどちらに?」
「……えーと」
忘れようとしていたことを思い出して、僕は思わず言葉に詰まる。
「……失礼。余計なことを聞きましたか」
顔色の変化を悟ったらしく、すかさず店員が繕った。落ち着きの
ある店員だ。なんていうか、わかってると思った。
82 :
3/4:2007/01/02(火) 15:57:12 発信元:124.84.116.78
「それより――」
不意に店員がカウンター越しに顔を寄せてきて、ひそひそ話をす
るように手のひらを立てた。反射的に、僕は利き耳をそちらに寄せ
る。
「――彼女と、何かあったんですか?」
僕はまたまずそうにコーヒーをすすった。予想通りの質問だった。
彼女の方を盗み見る。相変わらず、僕にちらちらと不審げな視線
を送っている。
そりゃあ、同僚があんな様子なら気にもなるだろう。
「それはですね――」
気は進まなかったけれど、僕は事情を説明した。簡単な事情だっ
たから、すぐに理解してもらえた。
「悪い子じゃあないんです。仲良くしてやってください」
正直僕にも非はあると思うのだけど、店員は特にコメントもせず、
それだけを告げた。
「そういえば、どうして僕が新参者だってわかったんですか?」
そのまま話を終えるのも後味が悪かったので、僕は別の話題を振
った。店員は少し苦笑気味に顔を崩す。
「人の出入りが少ないところだからっていうのもありますけど……、
なにより、防寒対策が成ってないのが一目でわかりましたから」
自分では特に違和感を感じなかったけれど、どうやら慣れてない
のが一目瞭然だったらしい。
いい機会だったので僕はいくつか防寒に関する質問をして、店を
出た。
83 :
4/4:2007/01/02(火) 15:58:12 発信元:124.84.116.78
午後からは自警団に行くよう指示されていた。18歳から27歳
の間に、準団員として三年間在籍する義務があるらしい。兵役みた
いなものだろう。
本部で教本と装備を受領し、作業服に着替えていると、不意に背
中から声をかけられた。
「よぅ。兄さん、生まれはどこだ?」
馴れ馴れしい態度と内容に面食らっていると、そいつは軽く笑っ
て「言いたくなきゃ言わなくていいよ」なんて言った。
「こうして入団の日付が重なったのも何かの縁だろ。仲良くしようぜ」
握手を求めてきたので、僕は曖昧に笑いながらそれに応えた。
ボーリャと名乗った彼は、まだあどけなさの残る、少年といって
もいい顔立ちの青年だった。お世辞にも長身とは言えない僕よりも、
更に一回り小さな体躯をしている。歳を聞くと、二つ年下だった。
この前誕生日を迎えたばかりだという。
「健全な開拓民の義務だからな。
仕事が決まらなければ、正規団員になることも考えてんだ」
そう言って、初めての同僚は屈託無く笑う。あまりに無邪気な様子
だったので、思わずこちらも顔が緩む。馴れ馴れしい態度も、なんだ
か許せる気がした。
「そういや、あんたの名前を聞いてなかったけど」
不意打ちの質問に、僕は一瞬言葉に詰まる。一度口を開きかけてか
ら、視線を反らして言い直した。
「……トトって呼んでくれればいい」
「ん。よろしくな!」
ボーリャは、また無邪気に笑った。
その後は宣誓式があったくらいで、すぐに帰宅を許された。
改行の感覚が掴めなくて、なんだかバタバタした投稿になっちゃった。
これじゃあ番号振ってる意味無いよね。シベリアの最大行数とかってどうなってるんだろう。
それにしても、規制解除遅いなぁ。早く解除されないかなぁ。
いっそのこと、規制中に完結を目指してみようかな。
85 :
1/5:2007/01/03(水) 00:14:11 発信元:124.84.116.78
「よーし、お前ら、休憩だ。昼飯にしよう」
親方の声に、思わず体が弛緩した。
「お疲れ。……まぁ、最初はそんなもんさ」
ほとんど付きっ切りで仕事を教えてくれていたおっちゃんが、苦
笑気味に肩を叩いてくれた。
僕の仕事ぶりは、一言で言って、酷いものだった。おっちゃんは
慣れてないんだから仕方ないよ、なんて言ってくれたけど、どう考
えても僕は足を引っ張っているだけだ。
作業場の片隅に腰を下ろして、出されたお茶を片手に食べ慣れな
い硬いパンをかじる。あんまりおいしくない。手袋を外した両手に
目を落とす。かじかんで赤くなった手先がじくじくと痛む。
周囲には肉体労働者らしく体格のいい人ばかりで、明らかに自分
の存在が浮いている。
お馴染みのため息が漏れた。うまくいかねえなあ、と思う。
新しい土地、新しい社会の中で、新しい自分を見つけたいと思っ
ていたのに、この体たらくだ。
予想してなかったわけじゃない、けど――それでも僕は、新生活
早々にして、少しだけ、嫌になっている。
「ん、んん」
顔をしかめて、咳払いをした。よくない考えに陥りかけている。
何か、気を紛らわすものを探して――ふと、ポケットの中に馴染
んだ感触を見つけた。
86 :
2/5:2007/01/03(水) 00:15:45 発信元:124.84.116.78
取り出してみると、思ったとおり、それはちびた鉛筆だった。作
業着は私物で、前の土地から持ってきたものだったから、当時の持
ち物が紛れ込んでいたのだろう。
僕は懐かしい気持ちで、それを眺めた。これを使っていた頃は、
まだ楽しい思い出の方が多い。
絶好の暇つぶしを思いついて、僕はポケットからメモ帳を取り出
した。質の悪い用紙だけど、ただの暇つぶしだし、十分だ。
鉛筆の先を用紙に乗せて、一瞬ためらう。でも、思い切ってそれ
を滑らせた。
十五の時に覗き見た、あの光景を思い描く。湯煙の合間に覗く艶
やかな長髪。白磁のような肌に包まれた、豊満な体のライン。
目に浮かぶ淡い光景をメモ用紙に重ねて、ちびた鉛筆でそれをな
ぞる。大まかなラインを少しずつ削りつつも、リアルタイムにデフ
ォルメの判断をする。乳と尻はちょっと水増し。
「……う、上手いもんだな」
「うわあっ?!」
いきなり背後から声がかかって、僕は文字通り飛び上がった。親
方だった。いつの間にか集中していたらしく、全く気付けなかった。
「え、あの、その、えーと」
悪い遊びが見つかった子供のように、僕は狼狽した。言い訳を探
して、言葉が継げない。頭が真っ白になる。
「それ、俺にくれないか」
「――は?」
だから、親方の言葉にも、間抜けな反応を返すことしかできなか
った。
87 :
3/5:2007/01/03(水) 00:16:45 発信元:124.84.116.78
公共住宅の前には、ちょっとした広場とベンチがある。
僕はそのベンチに一人で座り、時間を潰していた。こちらに来て
から初めて顔を覗かせた太陽のお陰で、今日は少しだけ暖かい。
僕は、ポケットからメモ帳を取り出した。例のページを見る。裸
でシャワーを浴びる美女の後姿。描きかけだからと断ったけど、完
成したらタバコと交換する約束になった。僕は別にタバコを吸わな
いのに、向こうが強引にそう約束させた。よっぽど気に入ってくれ
たらしい。
思い返して、僕は少し笑った。まるっきり、数年前の焼き直しだ
――嫌でも昔のことを思い出す。
十五の時、僕たち家族の住んでいたアパートの隣室に、とんでも
なく綺麗な女の人が住んでいた。どうやら未亡人だったらしいけど、
詳しいことは今でも知らない。親しい付き合いがあったわけじゃな
いけど、当時の僕はその人にくびったけだった。
それだけだったら、ただの思春期の甘酸っぱい思い出で済んだん
だろうけど――ところがある時。ペンキ塗りのバイトをしていて、
僕はとんでもない発見をした。近くのアパートの屋上から、その人
の浴室を覗くことができたのだ。夏場だったせいか、窓も開けられ
ていた。以来、毎日のように僕はそこに通うようになった。通うた
びに、その人が水浴びをする姿が、目の奥に焼きついた。
それを絵に描いてみようなんて思いつくのに、そんなに時間はか
からなかった。僕は昔から絵を描くのが好きで、テレビや漫画なん
かを通して見える「憧れ」を、チラシの裏やノートの切れ端でしょ
っちゅう形にしていた。当時の憧れは、まさしく彼女の裸身だった
わけだ。最初は上手く描けなかったけど、三回も通うとコツを掴ん
で、デフォルメしつつ多少のアレンジまで加えられるようにまでな
った。
88 :
4.5/5:2007/01/03(水) 00:19:29 発信元:124.84.116.78
そうして、そこに通うようになってから少し経った頃。いつもの
場所で、いつものように彼女の姿を描いていると、唐突に声をかけ
られた。彼は駐留軍の軍人だと名乗ったから、捕まえられるのかと
僕は怯えたけれど、そうじゃなかった。なんと、彼は僕と同じよう
に彼女のファンで、僕の描いた彼女の絵を買い取りたいと言い出し
たのだ。
彼と、彼の仲間数人に同じように絵を売ってやって、これは使える
と僕は確信した。以来、僕は少し妹で「構図の勉強」をして、進駐
軍の兵士たちを相手に春画――そんな大層な名前を頂くような絵柄
じゃ無かったんだけど――を売るようになった。小遣い稼ぎ程度に
は儲かって、一部の兵士たちの間では話題になった。隣の未亡人が
引っ越して居なくなってしまった後も、しばらくはその商売を続け
ていた。
思えば、あの頃はまだ、絵を描くのが楽しかった。いいと思うも
のを、好きなように描いて、それを認めてくれる人が居て。
僕は、どこで間違えてしまったのだろう。
89 :
4.5/5:2007/01/03(水) 00:21:12 発信元:124.84.116.78
「……ねぇ、ちょっと」
聞き覚えのある声が、追憶の渦から僕を引きずり出した。初日の
彼女が、僕の顔を覗き込んでいた。
「聞こえてる?」
「ん……、うん」
軽く目を擦る。ちょっとだけ眠りかけていたらしく、涙が滲んで
いた。こんなところで寝たら死ぬわよ、なんて笑えないことを言っ
て、彼女は少しだけ口元を緩めた。
それから一瞬視線を反らして、渋い顔になった後、少し無理をし
て微笑みを作り、彼女は言った。
「一昨日は、悪かったわ。そっちの事情も考えないで」
「ん、いや、いいんだよ。僕の方こそ、手伝ってやれば良かった」
いいのよ、なんて返して、彼女は安心したような顔になった。彼
女の方から謝罪の言葉を切り出してきたのは、少し意外だった。喫
茶店の店員が言っていた通り、そんなに悪い子でも無いのかもしれ
ない――気は強そうだけど。
そんなわけで、僕は彼女の印象を改めたんだけど――
90 :
5/5:2007/01/03(水) 00:22:44 発信元:124.84.116.78
「ねぇ、何見てるの?」
ところが。そのまま立ち去っておけばいいものを、彼女は僕の手
にしたメモ帳に興味を示した。あろうことか、寝ぼけて反応の鈍か
った僕から見事にそれを掠め取りやがった。
最初のページを開いて、彼女は見る見るうちに顔を引きつらせる。
「え、えーと、これは――萌え絵という奴?」
会話を続けようとする努力が痛ましい。でも、声が明らかに震え
ている。顔も真っ赤だ。
「そうだねぇ。まぁ、似てるといえば似てるかな」
漫画やアニメのトレースから絵の世界に入った僕の絵柄は、多少
そちらに偏っているし。
なんて、その努力を買って真面目に答えてやったのに、彼女は早
々に僕にメモ帳を押し返すと、それじゃ、なんて短く呟き、共同住
宅の方へと早足で駆けていった。……まぁ、女の子なら当然の反応
だと思う。
僕は苦笑しつつ、その背中を見送った。なんとなく、これからも
彼女とはずっと上手くやれない予感がした。
書き忘れ。
この物語はフィクションです。
実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
まぁ、気にする人も居ないと思うんだけど。
それと、シベリアを覗くようになったのはつい最近なので、なんだか細かいところがおかしかったり違和感を覚えたりするかもしれません。そんなときは、舞台は飽くまで「開拓街」だって言い聞かせて無理矢理納得してください。
あと、番号振るのはもうやめようと思った。無理だこりゃ。
うう。それにしても人イネ。いつか目に留めてくれる人が居ればいいんだけど。
中心街の自警団本部から少し歩けば、すぐに荒野が開ける。
自警団の基礎教練は、そうした荒野の一角で行われた。かつては
訓練場があったそうだが、吹雪で破壊されてしまったそうだ。
「トトー、大丈夫か?」
青く澄み渡った空の端から、ボーリャが覗き込んできた。朝から
続いていた教練も、ようやく休憩時間に入ったらしい。
僕はというと、最初のマラソンで貧血を起こして、既に雪原に転
がされていた。
「元気だなぁ、ボーリャは」
「ん。そりゃ、都会モンと比べりゃあな」
そう言って、ボーリャはニカッと笑う。出身は話していないとい
うのに、どうやら僕のことを都会モンと決め付けてしまったらしい。
まぁ、あながち間違ってはいない。
「……そいつが例の?」
と、不意に、やたら低い声が響いた。初めて聞く声だ。反射的に
視線を向けると、逆光にシルエットが浮かび上がっていた。かなり
大柄だ。
立ち眩みがしたけど、なんとかふらつかずに立ち上がれた。ボー
リャの連れてきた人物をを見る。長身の男だった。釣り目がちの鋭
い目つきが、値踏みするようにこちらを伺っている。
「えーと……?」
「ん。こいつは、サーシャ。友達なんだ」
「少しは、話を聞いてる。よろしく」
短い言葉にも、いちいち威圧感というか、迫力があって反射的に
萎縮してしまう。愛想笑いを貼り付けるのに苦労した。サーシャは
ボーリャよりも一つ年上とのことだった。それはつまり、僕よりも
一つ年下ということで。……なんだか立場が無いと思う。
サーシャは一年前から自警団に在籍していて、僕らよりも先輩だ
った。自警団で困ったことがあったらこいつに聞け、なんて、ボー
リャは言ったけど――
「……何だ?」
「い、いや」
正直、ちょっと怖くて聞けそうに無い。
「そんでさ。サーシャともう一人呼んで、今夜お前んちで歓迎会やるから」
「へ?」
ボーリャの突拍子も無い言葉に、思わず間抜けな声が漏れた。
「い、いいよ。そういうの苦手なんだ」
「遠慮すんなよ。わかんないこともあるだろ?」
それからも色々理由をつけて断ろうとしたけれど、休憩終了の笛
が鳴って時間切れになった。
「……気にするな。騒ぐ理由が欲しいんだよ」
走っていくボーリャの背中を見ながら、サーシャがぼそりと言っ
た。表情に乏しい顔が、なんだか苦笑しているように見える。
お馴染みのため息が漏れた。なんだか妙なことになってしまった。
その三人目というのが、それは面倒な奴だった。
「一番! スラヴァ! 歌います!」
「おー、歌え歌え」
端的に言って、うるさい。
「トトも歌います!」
「歌わないよ」
そして、馴れ馴れしい。
ここに来てから馴れ馴れしい人には何人か会ったけど、実際に近
くまで寄られてしまったのはこのスラヴァが最初だ。
合流した時から調子のいい奴だとは思っていたけれど、酒が入っ
てからはますます酷くなっている。見ているだけなら面白い奴で済
んだろうけど、実際絡まれてみると迷惑でしかない。
最初はボーリャがある程度抑えていてくれたけれど、そのボーリ
ャも酒が進むにつれなんだか怪しい目になってきて、終いには煽る
ようになった。サーシャはというと、最初から部屋の隅でよくわか
らない酒をちびちびとやっている。視線でそれとなく救援を求めた
けど、軽やかに無視された。さっきから、かわすのがいちいち上手
い。三人は幼馴染だというから、互いに扱い慣れているのだろう。
そして、それがわかっているからこそ、このスラヴァは僕に狙い
を定めたわけだ。
「トトはノリ悪ぃいなー。ダメだなー」
「ダメだなー」
僕は困り顔で相槌を打つしかなかった。
本当に手に負えない。
こういう奴は、こっちの事情なんかお構いなしに近寄ってくるく
せに、興味を失うのも早い。だから、あんまり入れ込んでしまうと
あっさり裏切られたりする。そういうのは、もう嫌と言うほど経験
してきた。
だから、特にこういう人間とは関わらないように、気を遣うつも
りでいたのに。
「……体は正直」
「あぁー? なんか言ったか?」
ろれつの回らない問いかけには答えず、僕は苦手なアルコールを
煽った。苦い。まずい。甘っちょろい僕には身に凍みる。
96 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/01/31(水) 00:04:35 発信元:222.2.214.249
今北
>>21のお題で短編書いてみた。
「人形」
当初、プラスチックで出来た顔は肌の艶やかさを一層に引き立てたが、
遊んでいる内に艶やかさは消えたどころか、印刷された目が消えかかり、
しかし、長年見てきたものだけに、不気味さは感じず、
楽しそうに笑っているように見えた。
よくある話で、身近な人の変化には気づかないと言ったところだろうか。
長年の付き合いがある人形だが、もう私には必要の無いものであり、
母親、父親と共に実家に留守番して貰う事にする。
長年お世話になりました。私は嫁ぎます。
感想・批評・酷評ってしてもぉk?
まぁたいしたことは言えんけど
>>97 したけりゃすればいいんじゃないか。所詮は死に掛けの過疎スレだろう。
文章うp汁!俺がお前らを小説家にしてやる
100 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/02/10(土) 12:51:47 発信元:124.35.201.49
日本国民の1/8が信者である巨大な宗教団体があって
その団体の指導者が死ぬ間際に
「祈るだけでは駄目だ、行動を起こせ。
武器を持ち、武力をもって世界に広めるんだ、でないと地球は仏罰によって滅んでしまうだろう。」
と言って死んでしまったのを機に日本で戦争が起こる・・・。
って話を考えついたけど誰か続き書いてくれ
101 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/04/11(水) 09:07:59 発信元:61.124.145.105
102 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/06/09(土) 17:13:53 発信元:211.2.102.243 BE:604219695-2BP(51)
>>1は筆を握った
しかしその筆先はなぜか震えている
無理も無い
こんなスレを立てたばかりに
妙な罪悪感がつきまとうのだろう
「くそ!なんでこんなハメに…」
>>1の後悔とは裏腹に住人たちの期待は膨らむばかりであった…
>>100 内紛と革命は紙一重だな、とそれを読んで思った。
104 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/07/25(水) 01:40:42 発信元:61.113.89.178
自称小説家なら誰でもいつでもなれる
105 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/12/14(金) 14:04:19 発信元:221.188.54.237
澄んだ軽い空気が、空へ浮き上がる、空の青さの目立つ、冬の朝―――
少年は登校中に見かけた幼馴染の少女を後ろから驚かした。
すると少女は声も上げず、死んだ。
ショック死だった。
少年は絶望した。こんなつもりじゃなかった。
倒れた少女の前に立ち尽くす少年。
透明な少女の魂をまとい、軽く浮き上がる空気。
少年の意識も一緒に浮き上がりそうだった。
いつもより青く、大きく感じる空に、吸い上げられそうになった。
しかし、少年は大地に居る自分を見下ろし、必死に自分を取り留めた。
どこか現実を感じられない、浮き上がった意識と
体の中で現実を覚まそうと、目覚ましベルのように鳴る心臓の音。
少女を隠さないと、殺人犯になってしまう!
まだ取り戻せない現実感を無視して、少年は少女を担いだ。
106 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/12/14(金) 14:17:22 発信元:221.188.54.237
少女は思いのほか重く、少年は苦労した。
目が左右逆を向き、透明だった空気がだんだんと青く見えてきた。ヤバイ。
少年はあせり、服を脱いだ。
「そうだ!服を脱げば重さが軽くなって、少女を担げるようになるかも!」
少年はパンツ一丁になり、少女を担いだ。
「ワッショイ!ワッショイ!」
少女を下から小さく押し上げながら、一人で街一番の大通りへと向かった。
大通り。交通量が激しく、今日もたくさんの車が通っている。
そこへパンツ一丁の少年が少女を担いで道路の真ん中を塞ぎ、歩き出した。
「ワッショイ!ワッショイ!」
急ブレーキで急停止した赤いスポーツカーから、金髪の青年が現れた。
「おい!テメェあぶねぇだろうが!何してんだ!」
「ワッショイ!ワッショイ!」
もう少年の目は白目であった。
ただひたすらに、少女の魂を呼び戻す為、少女を担いでいたのだ。
金髪の青年は、少年の白目を見て、すぐにそれを悟った。
これは儀式なのだ――。
少年が、精一杯少女を救おうとする、儀式なのだ。
金髪の青年はパンツ一丁になり、少年と共に少女を担いだ。
「ワッショイ!ワッショイ!」
「わーっしょい!わーっしょい!」
二人の悲しい掛け声が、道路を塞いだ。
107 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/12/14(金) 14:28:47 発信元:221.188.54.237
ざわつき、どよめく大通り。
周りの人々はすぐに異変に気づいた。
大通りで足止めを食らったトラックやタクシーから、運転手が飛び出てきた。
「ワッショイ!ワッショイ!」
「わーっしょい!わーっしょい!」
必死に少女を担ぐ少年と青年。
トラックから降りてきたハチマキをしたおじさんが二人の下へと静かに歩み寄った。
ハチマキは威嚇するでもなく、静止するでもなく、促すように二人の肩に手を置いた。
青年が、もしこの儀式を中断する気なら全力で戦ってやろう、などと腹の内で考えていると
ハチマキは微笑みながら言った。
「そんな腰の入ってない掛け声じゃ、少女は目をさまさんぞ。」
白目を向いた少年の顔は、もう真っ赤で、唾があわ立っていた。
青年は、より一層大きい声を腹からだして、少女を励ました。
ハチマキは着ていた洋服を脱ぎ、パンツとハチマキだけになり声をあらげた。
「うあっしょい!うあっしょい! それ!!」
108 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/12/14(金) 14:41:06 発信元:221.188.54.237
今、3人の戦士が戦っていている。
地獄へと続く大通りを逆走し、少女の魂を連れ戻そうと叫んでいる。
「ワッショイ!ワッショイ!」
「わーっしょい!わーっしょい!」
「うあっしょい!うあっしょい! それ!」
まだ若い少年、まだ無垢な青年。
なにより、社会に惑わされず自分と少女のために戦うハチマキの姿。
それを見ていたメガネをしていたタクシーの運転手が、
知らず知らずのうちに流れていた自分の涙に気づくのに、そう時間はかからなかった。
メガネは下をうつむき、ネクタイをほどいた。
今まで、嫌な客、理不尽な客にも頭をさげて、ただ金の為に車を走らせる毎日。
何かのために戦うなんて事をすっかり忘れていた。
あばら骨をむき出しにした痩せた体を出し、パンツ一丁になったメガネは3人のもとへと歩んだ。
「私にも、少女の魂を運ぶ手伝いをさせてくれませんか。
魂を目的地まで運んでやるのが、私の仕事なんですよ。」
もう、メガネの目に過去の曇りは無かった。
「頼むぜ!」「あんたも漢だ!」
青年とハチマキがそう答えると、メガネも共に戦い始めた。
「ワッショイ!ワッショイ!」
「わーっしょい!わーっしょい!」
「うあっしょい!うあっしょい! それ!」
「アッソイ!アッソイ!」
109 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/12/14(金) 14:52:07 発信元:221.188.54.237
育った環境も、考え方も、仕事も違う、4人の勇者が
ただ一人のお姫様の為に、必死に戦いをしている。
はたから見れば異様とも思えるその光景。
しかし、純粋に地獄へ戦いを挑む勇者一人一人の顔を見れば
人々の心に暖かいものが芽生えるのも、不思議ではなかった。
一人、また一人と 少女の担ぎ手が増えていく。
子どもから、女性まで。
少年の気持ちを繋ぎ、支えた。
少女を励ました。
「ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ!」
祭りのボルテージも最高潮に達したとき、少女の体に異変が起こった。
110 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/12/14(金) 15:02:10 発信元:221.188.54.237
少女のお腹が、真っ白に純白に光っている。
それに気づいた青年は、みんなを呼び止めた。
静まり返る一同。
しかし、その中でも一人だけ掛け声をやめない人物がいた。
少年だ。
「ワッショイ!ワッショイ!」
ハチマキが駆け寄り、少年を抱きかかえても、少年は踊りをやめようとはしなかった。
もう、意識が・・・。
悲しくこだまする少年の掛け声に包まれながら、少女は浮き上がる。
「おお」と周囲がどよめいた。
少女はどんどん浮き上がり、光を増した。
キーンという耳鳴りが聞こえたかと思うと、カメラのフラッシュのような閃光が走り、少女は跡形もなく姿を消した。
みんながクチを開いて、空中を見つめていた。
そこには、まだ戦い続け、叫び続ける戦士の悲しい声だけが響いていた。
111 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2007/12/14(金) 15:15:06 発信元:221.188.54.237
澄んだ空気が、悲しいこだまに包まれて大地へとどまる。
空の青さの目立つ、冬の昼―――
どことなく軽く感じていた空気に、生命が宿った。
空からフワリと温かく、それでいて冷たい光が降りてきた。
「雪だ・・・」
その光は少年の鼻の先へチョンと手を触れると
少年は我に帰った。
「あれ・・ボクは・・・」と、息を切らす少年。
ハチマキが少年を強く抱きしめた。
「もういいんだ。オマエはよくやった。」
ハチマキは泣いていた。少年の目からも涙がこぼれた。
メガネは、タクシーに寄りかかりタバコをふかした。
手の甲に落ちてくる雪を眺めながら呟いた。
「あの少女は、天使だったんだ・・・」
青年が少年の肩に手をあて、共に黙って空を見上げた。
青くて、したたかで、どこか人を呼んでいるような空。
そんな空が、少年には少女が笑ったように思えた。
おわり
112 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2008/01/05(土) 00:33:59 発信元:60.56.85.236
| |_____
| | | ̄ ̄ ̄ /|
| | | / /|
| /\ | /|/|/|
| / / |// / /|
| / / |_|/|/|/|/|
| / / |文|/ // / ∧∧
|/ /. _.| ̄|/|/|/ /⌒ヽ)
/|\/ / / |/ / [ 祭 _] ∧∧
/| / / /ヽ 三____|∪ /⌒ヽ)
| | ̄| | |ヽ/l (/~ ∪ [ 祭 _]
| | |/| |__|/ 三三 三___|∪
| |/| |/ 三三 (/~∪
| | |/ 三三 三三
| |/ 三三
| / 三三
|/ 三三
/
113 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2008/01/07(月) 02:55:32 発信元:218.43.24.49
ワ・・・ワッショイ!ワッショイ!
ワッショイ!ワ・・・
114 :
竹石敏規:2008/02/16(土) 22:42:03 発信元:218.251.68.4
【私の負け組「サイレント・テロ」活動】
勝ち組は負け組を馬鹿にしました。負け組の上に成り立つ勝ち組を引きずり落とすには負け組が競争社会を放棄すればいいのです
・とにかく競争心を持ちません。負けるが勝ちです。
・やむを得ず仕事をする場合も可能な限りさぼります。 がんばっても勝ち組に吸い取られるだけです
・食事…100円ショップ 吉野家 松屋で済ませます 高級飲食店で無駄金は使いません
・結婚、出産、生産性を促す社会活動には、加担しません
・己の健康状態など考えません。
・勝ち組の不幸 転落ニュースを楽しみます。頑張ったのに落ちてきた人を笑ってあげましょう。
・他人や社会には嵌められないようにチェックはしますが、競争には加わりません
・基本思考は、「人生なんて時間つぶし」
・奴隷労働型企業では、働きません 自分の働いた半分は楽している勝ち組に搾取されるだけです
・100人が一斉に頑張ってもそのうち5人がいい思いをするだけです。95人が頑張った分は5人に搾取されます
・高級品 高級車 住宅は、使いません買いません。ブランドいりません。
・学歴も金もいい女も思い出も墓場にもっていけません 。知能が高けりゃすばらしいなんてただの幻想です。みんな灰になるだけ。
・物事はかんがえよう 優劣なんてどうでもいい。負けたくないのは動物の本能ですが負けるが勝ちに持って行きましょう。
・勝ち組は負け組を眺めて気持ちよくなりました 逆に負け組だって基本は自分さえ気持ちよく生きれればいいのです
・テレビは宣伝会社、雑誌の記事はなにか買わせようと煽っているだけ
・勝ち組の競争の誘いにはのりません
・できるだけまめにオナニーし30後半までがんばって性欲と付き合っていきます
・ネットをフル活用しすべての娯楽、生活情報収集は基本料のみで済ませます
・ひとはすべて快楽で動いています。脳内の電気信号で一生振り回されているだけ
・快楽に貴賎はありません。ゴルフ、飲み屋、外食など無駄金を使わず、ごろ寝妄想オナニー、ネット、金のかからない趣味、自炊など
無限の可能性を各自で探すような快楽追求を心がけましょう。
【これを読んだニートはいますぐ3つ以上コピペしないとニートがさらに”長引きます”♪】
あぼーん
116 :
かめだ母:2008/02/16(土) 23:00:21 発信元:211.121.9.61
化粧品と住宅は高級品ですが、車はポンコツです。彼も三流大学です。
こどもたちは、三流大学にも入れませんでした。ゲーム三昧に父親が
教育しました。教育方針の違いで離婚しょうと思いながら、ザルや鍋を
彼になげつけましたが、どうにもなりませんでした。忍耐も限界。
117 :
とんま:2008/02/16(土) 23:09:00 発信元:211.121.9.61
豊胸手術する母親と生理にとまどう娘・・・彼女の身体はいったい何?
本当によくわからない。わからないのである。
ここはもらった
何書こうかなぁ……
やっぱり厨二かな……。
プロットモドキ。
主人公 男
目的 自分の成長。
ストーリー。
何をやっても長続きしない主人公が、人生をかけて一念発起。
他人と出逢い、成長していく過程を書ければいいなぁ。
キャラ
貧乏神。(幼女)
結城 はるか(ヒロイン)
高田 俊也(親友)
【序】
貧との日々。
【起】
貧との出会い。
【承】
厨二的に敵を用意して、バトル(貧はどうしよう……)【転】
貧の正体とかかなぁ
【結】
貧を助ける。
【終】
出来ればハッピーエンドにしたいなぁ
これじゃあさっぱり解らないかな……
もう少し煮詰めよう。
キーワード。
貧乏神と福の神。
束縛と拒絶。
観測と結果。
異能と平凡。
経験値で貧乏神が福の神に?何と戦うのか……
厨二前提だから、人なら異能、後は人外の何かかなぁ
さて、ここからがストーリーと……
貧乏神(呼称 貧)
キャラ付けは、過去形と現在形の逆転口調。
見た目は12〜14程度の少女。
上から、75 58 78 身長は145位。
髪は黒。ショート、(肩ほどのもの)
主人公。
貧の浸いてるアパートに引っ越して来る。
普通の少年。特技は左手で触れたモノの状態を解除する力。
例)状態を正常にする。つまり、傷を負うを異常とすると、その前の状態にするとなる。つまり、傷を治した様に見える。
例2)紙が折れているが異常ならば、折れていない状態に戻す。
制限)自分が正常な状態を知っていなければならない。
制限2)一定時間以上経過したモノは治す事ができない。
制限3)自分には使う事が出来ない。
制限4)任意で発動出来ない。
制限5)能力は対象により制限が変化し、効力も変動する。
制限6)認識出来ないものには作用しない。
制限7)この能力は反転する事もある。
以上を踏まえ、大前提として、自己の能力を認識していない事とする。
性格 気弱、
一人称 僕
備考 視界の切り替えと、髪形、服装の3点で性格の切り替えを可能とする。
ダメだ! ダメダメだ!
寂しい。
寂しすぐる
俺も何か書こうかな
127 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2009/01/01(木) 12:12:21 発信元:121.2.158.125
128 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2009/01/19(月) 00:12:28 発信元:210.153.84.196
残ってるもんだな
129 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2009/01/28(水) 16:04:02 発信元:202.215.32.235
遠慮しないでどんどん書いてください
131 :
いやあ名無しってほんとにいいもんですね:
支援あげ