☆三島由紀夫の主義・主張★

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252ナナシズム
三島:そうして私は、ナショナリズムは左翼がどうしても取れないもの――九割まで取られちゃったけれども、
どうしても取れないもの、それにしがみつくほかないと信じている。だから天皇と言っているんです。
もちろん天皇は尊敬するが、それだけが理由じゃない。ナショナリズムの最後の拠点をぐっとにぎって
いなければ取られちゃいますよ。そうして日本中が右か左の西欧派(ナショナリズムの仮面をかぶった)になっちゃう。
林:(中略)僕は今の左翼の“ナショナリズム”は発生が外国指令だと思う。
いくら彼らに教えても反米はできるが反ソ、反中共はできない。したがって尊王ということは、彼らにとっては、
もってのほかです。(中略)
三島:(中略)やつらは天皇、天皇といえばのむわけないです。
のむわけないから、やつらから天皇制打倒というのを、もっと引出したいですよ。(中略)
これをもっとやつらから引出さなければならない。
やつらのいちばんの弱味を引き出してやるのが、私は手だと思っているんですがね。

三島由紀夫
林房雄との対談「現代における右翼と左翼」より