換金可能なゲーセン「金スロ」って何?
「店もお客さんも現状、パクられることはないですよ。よく所轄の警察官が雨宿りがてら覗いていきますが、システムを
説明すれば『今のところは大丈夫だね』と言ってますから。だからこうして堂々と営業しているんです」
店先で呼び込みをしていた、どこにでもいそうなサラリーマン風の店員が明るく話す。店舗前に置かれた派手な看板
には、「金箔カードの自動販売機。伝説の4号機が打てる!」と書かれている。怪しむ記者の背中を押すように店員が続ける。
「ウチはゲーセンと違って換金もできますよ!」
東京・渋谷は百軒店。マンション1階のテナントにその店はあった。内部には「吉宗」や「番長」など、その射幸性の高さ
から一般のパチンコ店からは撤去された連チャン機が数十台並ぶ。一見、よくあるパチンコ店のスロット機が置かれたゲ
ームセンターのようだが、古物商店が併設され、換金もしてくれるという。
営業時間は昼12時から翌朝9時まで。スロット機の横に置かれた、パチンコ店のコイン払い出し機のような機械に1000円
札を投入すると、小さな金箔が糊付けされたカードが1枚出てくる。表の看板に書かれていた「金箔カードの自動販売機」と
は、コレのことだ。金箔カードが吐き出されると同時にスロット機には30クレジットが貯まり、スロット機がプレイできるのだ。
大当たりすればコイン払い出し分のクレジットが加算され、100クレジットごとに追加で6枚の金箔カードが払い出される。
このカードを隣の古物商店が買い取ってくれるという仕組みだ。
「金箔カードは一枚300円で買い取ってくれます。換金率は6枚交換(60枚で1000円)の店と同じですね」(前出の店員)
この店は、通称「金スロ」とも、「換金ゲーセン」とも呼ばれている。昨今、当局による摘発が相次ぐ「闇スロ」の名で知られる
違法スロット店に代わり、最近現れた“新業態”だ。
「2010年頃、北九州の小倉にできた店が発祥で、2011年の末頃に都内1号店ができました。その怪しさから最初は客が寄り付
かなかったが、合法の触れ込みの下、徐々に認知されつつあります」(スロットライター)
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