>>255>>258 結論としては、全額の賠償請求は不可能といわざるを得ない
部分施行が無意味なら、全面施行費用の一部請求の交渉は可
相手の全過失が明白なのに、納得いかないだろう
しかし不法行為法は損害の公平な負担をその目的としている
つまり、本件で被害が通常より過大な結果になったことについては
被害車両に特別なカスタムが施されていたことも影響したと考え、
それらが車両の基本性能や基本構造に向けたカスタムから遠ざかって
機能や性能に及ぼす効果が薄まるほど(趣向や装飾に近くなるほど)、
その全額の賠償は、社会通念上、加害者への過度の負担と評価される
同旨判決に、ベンツ金メッキバンパー取替費用の五分を減額した事案
(東京高判平2.8.27 判時1387・68)
デコトラのハシゴやバイザーは特別な「飾り」で機能向上に影響なく、
損害拡大の原因となったとしてその部分の費用の五分を減額した事案
(東京高判平11.12.27 自保ジャーナル1328)
ただ本件は、単なる装飾でも五分が認められた事案にてらせば、
主たる損害のコーティングは車両の状態維持に確実な効果があり、
また加害態様も完全に一方的で、場所も公道外で駐車中だったこと
しかも不測の損害を避けるに適した場所をあえて選んでいた点は
被害者の損害拡大を防ぐ努力と認むべき事情で、負担軽減に作用
個人的には、7〜8割程度の一部請求を認められて相当と思われる
裁量ある担当者に、上記判例とこれら事情を示しながら丁寧に交渉を